JP2002315448A - 生物育成装置 - Google Patents

生物育成装置

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JP2002315448A
JP2002315448A JP2001125693A JP2001125693A JP2002315448A JP 2002315448 A JP2002315448 A JP 2002315448A JP 2001125693 A JP2001125693 A JP 2001125693A JP 2001125693 A JP2001125693 A JP 2001125693A JP 2002315448 A JP2002315448 A JP 2002315448A
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Hidehisa Takezawa
秀久 竹澤
Shinya Fujita
慎也 藤田
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Koito Industries Ltd
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Koito Industries Ltd
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A40/00Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production
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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P60/00Technologies relating to agriculture, livestock or agroalimentary industries
    • Y02P60/14Measures for saving energy, e.g. in green houses

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  • Greenhouses (AREA)
  • Housing For Livestock And Birds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】育成室内の温度へ影響を与える熱量として、日
射熱と貫流熱の両方を勘案することにより、空調機の稼
働を最小限に抑えるべく窓の開閉による温度調整を可能
とし、ランニングコストを大幅に低減することが可能な
生物育成装置を提供する。 【解決手段】育成室11の外壁に設けられた窓開閉手段
20と、育成室11内の温度を調整可能な空調手段40
と、制御手段50とを有し、制御手段50は、育成室1
1の日射量及び育成室11の内外温度差に応じて、窓開
閉手段20の窓22の開閉と、空調手段40の稼働の有
無とをそれぞれ選択することで、育成室11内の温度を
予め定めた室内温度設定値に調整する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、植物または動物を
収容する育成室を備え、該育成室内における環境要因の
うち少なくとも温度を人為的に制御可能な生物育成装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の生物育成装置としては、
例えば、図5に示すような植物用の温室実験装置1が知
られている。かかる温室実験装置1では、植物を収納す
る育成室2内の温度を任意に制御できるように構成され
ており、育成室2内において様々な環境条件下で、植物
の育成実験や研究を行えるようになっている。
【0003】すなわち、育成室2の傍らには、制御室3
が隔壁で仕切られるように設けられており、この制御室
3内で空調機4により温度が調整された空気が、育成室
2内へ循環するように構成されていた。ここで空調機4
は、冷房装置による冷却作用と、暖房装置による加熱作
用とを組み合わせることで、所定の温度に恒常的に調整
できるものであり、また加湿乃至除湿装置も必要に応じ
て装備されていた。
【0004】また、育成室2の天井や側壁には、開閉駆
動装置により開閉可能な複数の窓5が設けられている。
更に育成室内には屋内温度センサ6が、育成室外には屋
外温度センサ7が設けられていた。それぞれの温度セン
サ6,7による測定値は、前記空調機4の制御に用いら
れる。
【0005】このような温室実験装置1によれば、屋内
温度センサ6より測定される育成室2内の実測温度を、
予め設定した所定の目標温度に近づけるように、前記空
調機4の稼働を制御するのであるが、前記窓5は単なる
換気用のものではなく、この窓5の開閉によっても、育
成室2内の温度調整の補助を担うようになっている。
【0006】窓5の自動開閉による温度調整は、育成室
内外のそれぞれの温度センサ6,7の測定値に基づき実
行される。具体的にはある所定の目標温度に対して、屋
内温度が低く屋外温度が高い場合、あるいは逆に屋内温
度が高く屋外温度が低い場合に、それぞれ窓5を積極的
に開放して自然対流による熱交換が促され、このとき空
調機4の稼働を停止させることで、該空調機4の稼働に
よるランニングコストを低減できるように設定されてい
た。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た従来の温室実験装置1では、その育成室2の内外温度
差による熱量、すなわち貫流熱負荷だけに着目して、前
記窓5を開閉することにより、空調機4の補助的に温度
調整を行うように構成されていたが、これが却ってコス
トアップの要因となるおそれがあった。
【0008】すなわち、晴天時等の日射量が多い時に
は、温室実験装置1の設置場所における周囲温度からの
熱量(=貫流熱)よりも、前記日射量の増加による透過
日射熱の増大による高温化への影響の方が大きい場合が
ある。
【0009】そのため、育成室2の内外の温度差だけに
着目して、育成室2の温度を下げるべく窓5を開けたに
も拘わらず、透過日射熱が多いことにより却って育成室
2の温度を上げてしまう結果を招く場合があり、空調機
4の余分な稼働が強いられることで、結局ランニングコ
ストを増大させてしまうおそれがあった。
【0010】本発明は、以上のような従来技術が有する
問題点に着目してなされたもので、育成室内の温度へ影
響を与える熱量として、日射熱と貫流熱の両方を勘案す
ることにより、空調機の稼働を最小限に抑えるべく窓の
開閉による温度調整を可能とし、ランニングコストを大
幅に低減することが可能な生物育成装置を提供すること
を目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】前述した目的を達成する
ための本発明の要旨とするところは、次の各項の発明に
存する。 [1]植物または動物を収容する育成室(11)を備
え、該育成室(11)内における環境要因のうち少なく
とも温度を人為的に制御可能な生物育成装置(10)に
おいて、前記育成室(11)の外壁に設けられた窓開閉
手段(20)と、前記育成室(11)内の温度を調整可
能な空調手段(40)と、制御手段(50)とを有して
成り、前記制御手段(50)は、前記育成室(11)の
日射量及び育成室(11)の内外温度差に応じて、前記
窓開閉手段(20)の窓(22)の開閉と前記空調手段
(40)の稼働の有無とをそれぞれ選択することで、前
記育成室(11)内の温度を予め定めた室内温度設定値
に調整することを特徴とする生物育成装置(10)。
【0012】[2]前記窓開閉手段(20)は、前記育
成室(11)の天井(11a)及び側壁(11b)の少
なくとも一方に換気用開口部(21)を開設し、該換気
用開口部(21)に自動で開閉可能な窓(22)を装着
して成ることを特徴とする[1]記載の生物育成装置
(10)。
【0013】[3]前記制御手段(50)は、前記窓開
閉手段(20)の窓(22)を開いて前記空調手段(4
0)の稼働を停止させた状態と、前記窓開閉手段(2
0)の窓(22)を閉じて前記空調手段(40)を稼働
させる状態とを、択一的に選択することを特徴とする
[1]または[2]記載の生物育成装置(10)。
【0014】[4]前記育成室(11)の外壁付近の風
速を測定する風速検知手段(34)を備え、前記風速検
知手段(34)により所定値以上の風速が測定された場
合、前記日射量及び前記内外温度差に関わらず、前記窓
開閉手段(20)の窓(22)を閉じて前記空調手段
(40)の稼働により、前記育成室(11)内の温度を
前記室内温度設定値に調整することを特徴とする
[1],[2]または[3]記載の生物育成装置(1
0)。
【0015】[5]前記制御手段(50)は、前記日射
量と前記室内温度設定値とに基づき、日射熱及び貫流熱
による育成室(11)に対する熱収支を勘案した外気温
設定値を算出し、前記外気温設定値と、前記育成室(1
1)外で実際測定された外気温検出値との比較に基づ
き、前記窓開閉手段(20)の窓(22)の開閉と前記
空調手段(40)の稼働の有無とをそれぞれ選択するこ
とを特徴とする[1],[2],[3]または[4]記
載の生物育成装置(10)。
【0016】[6]前記制御手段(50)は、前記窓開
閉手段(20)の窓(22)を閉じて前記空調手段(4
0)を稼働させた状態において、前記外気温設定値より
前記外気温検出値の方が小さくなった時に、前記窓開閉
手段(20)の窓(22)を開いて前記空調手段(4
0)の稼働を停止させる状態へ移行し、前記窓開閉手段
(20)の窓(22)を開いて前記空調手段(40)の
稼働を停止させた状態において、前記外気温設定値より
前記外気温検出値の方が大きくなった時に、前記窓開閉
手段(20)の窓(22)を閉じて前記空調手段(4
0)を稼働させる状態へ移行することを特徴とする
[5]記載の生物育成装置(10)。
【0017】[7]前記制御手段(50)は、前記窓開
閉手段(20)の窓(22)を開いて前記空調手段(4
0)の稼働を停止させた状態において、前記外気温設定
値より前記外気温検出値の方が小さかった時に、続いて
外気温検出値と予め定めた外気低温値とを比較し、ここ
で外気温検出値が外気低温値より小さい時は、前記窓開
閉手段(20)の窓(22)を閉じて前記空調手段(4
0)を稼働させる状態へ移行することを特徴とする
[6]記載の生物育成装置(10)。
【0018】[8]前記制御手段(50)は、予め定め
た日射設定値と前記日射量の実測値とを比較し、その大
小に応じてそれぞれ異なる補正値を、前記室内温度設定
値から減算することで、前記外気温設定値を算出するこ
とを特徴とする[5],[6]または[7]記載の生物
育成装置(10)。
【0019】[9]前記育成室(11)の天井(11
a)及び側壁(11b)の少なくとも一方をガラス板で
構成することを特徴とする[1],[2],[3],
[4],[5],[6],[7]または[8]記載の生
物育成装置(10)。
【0020】前記本発明は次のように作用する。本発明
に係る生物育成装置(10)によれば、育成室(11)
内の温度は空調機の稼働による調整ばかりでなく、窓開
閉手段(20)による窓(22)の自動的な開閉によっ
ても適宜調整される。すなわち、制御手段(50)によ
り、育成室(11)の日射量及び育成室(11)の内外
温度差に応じて、前記窓開閉手段(20)の窓(22)
の開閉と前記空調手段(40)の稼働の有無がそれぞれ
選択されて、前記育成室(11)内の温度が予め定めた
室内温度設定値に調整される。
【0021】このように、育成室(11)の内外温度差
だけでなく日射量も勘案することにより、窓開閉手段
(20)の窓(22)を開けた場合に、該窓(22)か
らの熱負荷のうち貫流熱よりも大きな影響を及ぼす日射
熱に関する熱収支も検討される。それにより、日射熱の
増大を原因とする空調機の余分な稼働によるエネルギー
の消費を極力抑えることができ、ランニングコストを低
減することができる。
【0022】前記窓開閉手段(20)は、前記育成室
(11)の天井(11a)及び側壁(11b)の少なく
とも一方に換気用開口部(21)を開設し、該換気用開
口部(21)に窓(22)を自動で開閉可能に装着して
構成すればよい。ここで天井(11a)及び側壁(11
b)に窓(22)を設けることにより、窓(22)を開
けた際の育成室(11)内における熱交換率を向上させ
ることができ、また、窓(22)を自動で開閉可能とす
ることで、開閉制御操作が容易となり、人手による窓
(22)の開閉の労力を軽減することができる。
【0023】また、前記制御手段(50)により、前記
窓開閉手段(20)の窓(22)を開いて前記空調手段
(40)の稼働を停止させた状態と、前記窓開閉手段
(20)の窓(22)を閉じて前記空調手段(40)を
稼働させる状態とを、択一的に選択するようにすれば、
窓(22)の開閉だけで温度調整が可能な時は、空調手
段(40)の消費電力を削減でき、また空調手段(4
0)の稼働が必要な時は、窓(22)を閉じることで空
調効率を高めることができる。
【0024】また、風速検知手段(34)により所定値
以上の風速が測定された場合、日射量及び内外温度差に
関わらず、窓開閉手段(20)の窓(22)を閉じて空
調手段(40)の稼働により、育成室(11)内の温度
を調整するようにすれば、強風の吹き込みにより育成室
(11)内の環境が乱れたり、窓開閉手段(20)の窓
(22)等が破損するのを防止することができる。
【0025】また、前記制御手段(50)による具体的
な温度制御に関しては、例えば、先ず実測された日射量
と前記室内温度設定値とに基づき、日射熱及び貫流熱に
よる育成室(11)に対する熱収支を勘案した外気温設
定値を算出する。この外気温設定値と前記育成室(1
1)外で実際測定された外気温検出値との比較に基づ
き、前記窓開閉手段(20)の窓(22)の開閉と前記
空調手段(40)の稼働の有無とをそれぞれ選択すると
よい。
【0026】具体的には制御手段(50)により、窓開
閉手段(20)の窓(22)を閉じて空調手段(40)
を稼働させた状態において、前記外気温設定値より外気
温検出値の方が小さくなった時に、窓開閉手段(20)
の窓(22)を開いて空調手段(40)の稼働を停止さ
せる状態へ移行する。一方、窓開閉手段(20)の窓
(22)を開いて空調手段(40)の稼働を停止させた
状態において、前記外気温設定値より外気温検出値の方
が大きくなった時に、窓開閉手段(20)の窓(22)
を閉じて空調手段(40)を稼働させる状態へ移行す
る。
【0027】ここで窓開閉手段(20)の窓(22)を
開いて空調手段(40)の稼働を停止させた状態におい
て、前記外気温設定値より外気温検出値の方が小さかっ
た時に、続いて外気温検出値と予め定めた外気低温値と
を比較し、ここで外気温検出値が外気低温値より小さい
時は、前記窓開閉手段(20)の窓(22)を閉じて前
記空調手段(40)を稼働させる状態へ移行するように
設定するとよい。
【0028】それにより、冬季等の外気温が低い場合に
おいて、空調手段(40)の稼働を停止させて窓(2
2)を開け、育成室(11)内の温度を外気で冷やす場
合に、低温の外気により過度に育成室(11)内が冷え
すぎてその後の空調手段(40)の稼働により、却って
消費電力が増大してしまうような事態を防止することが
できる。
【0029】なお、制御手段(50)による外気温設定
値であるが、予め定めた許容し得る日射設定値と前記日
射量の実測値とを比較し、その大小に応じてそれぞれ異
なる補正値を、前記室内温度設定値から減算することで
算出するようにすれば、日射熱及び貫流熱による育成室
(11)に対する熱収支を十分に勘案することができ
る。
【0030】また、前記育成室(11)の天井(11
a)及び側壁(11b)の少なくとも一方をガラス板で
構成すると良いが、天井(11a)及び側壁(11b)
の双方をそれぞれ全体的にガラス板で構成したり、それ
ぞれの一部分だけをガラス板で構成しても良い。もちろ
ん、天井(11a)または側壁(11b)の何れか一方
のみ全体的にガラス板で構成したり、あるいは何れか一
方の一部分だけをガラス板で構成しても良い。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づき本発明を代表
する一の実施の形態を説明する。図1〜図4は本発明の
一実施の形態を示している。本実施の形態に係る生物育
成装置10は、その育成室11内における環境要因のう
ち少なくとも温度を人為的に制御可能なものであり、以
下、植物育成用の温室実験装置として用いられる場合を
例に説明する。
【0032】図1に概略的に示すように、生物育成装置
10は、箱型の装置本体10a内に、植物を収納する育
成室11と、該育成室11の側方に隔壁13で仕切られ
た制御室12を備えて成る。制御室12内で温度等が調
整された空気は、育成室11の底面側より天井側へと循
環するように構成されている。
【0033】すなわち、隔壁13の下方には、制御室1
2内の調整された空気を育成室11の底部側へ送り出す
吹出口14が開設され、隔壁13の上方には、育成室1
1内を循環した空気を再び制御室12へ導く吸込口15
が開設されている。なお、吸込口15には、空気中の塵
や埃を除去するエアーフィルタを装着すると良い。
【0034】育成室11の外壁には、適所に窓開閉手段
20が設けられている。この窓開閉手段20は、育成室
11の天井11a及び側壁11bにそれぞれ換気用開口
部21を開設し、各換気用開口部21に窓22を自動で
開閉可能に装着して成る。窓22の開閉を操作する駆動
モータ23は、後述する制御手段50によって制御され
るように設定されている。
【0035】育成室11の内部には、適所に屋内温度セ
ンサ31と日射センサ33が設けられており、また育成
室11の外壁付近には、適所に屋外温度センサ32と風
速センサ(風速検知手段)34が設けられている。図2
に示すように、各センサ31〜34は、それぞれ信号線
を介して制御手段50に接続されており、それぞれが実
際に検知したデータを送信するように設定されている。
【0036】また、制御室12の内部には空調手段40
が設けられている。かかる空調手段40は、前記育成室
11内へ循環させる空気を加熱するヒータと、冷却する
冷凍機、それに空気を循環させるための送風機等を組み
合わせて成る。
【0037】ヒータ及び冷凍機の具体的な構成は一般的
であるので説明は省略するが、何れも電気的に出力操作
量を適宜調整できるものであり、次述する制御手段50
によって、それぞれの出力が制御されるように設定され
ている。なお、ヒータ及び冷凍機の出力調整によって、
所望の湿度に制御するようにしても良く、あるいは別
途、加湿器・除湿器を組み合わせることで湿度制御可能
に構成しても良い。
【0038】図2に示す制御手段50は、前記窓開閉手
段20の駆動モータ23や空調手段40を含む関連機器
を集中管理するものであり、インターフェース,CP
U,RAM,ROM等から構成されたマイクロコンピュ
ータから成る。制御手段50には、窓開閉手段20や空
調手段40の他、前述した各センサ31〜34がそれぞ
れ接続されている。また、各種操作データを入力するた
めの操作部53も接続されている。
【0039】制御手段50は、前記育成室11の日射量
及び育成室11の内外温度差に応じて、前記窓開閉手段
20の窓22の開閉と前記空調手段40の稼働の有無と
をそれぞれ選択することで、前記育成室11内の温度を
予め定めた室内温度設定値に調整するものである。かか
る制御手段50は、選択判断部51と空調制御部52と
を機能として備えている。
【0040】選択判断部51は、後述する条件に応じ
て、前記窓開閉手段20の窓22を開いて前記空調手段
40の稼働を停止させた状態と、前記窓開閉手段20の
窓22を閉じて前記空調手段40を稼働させる状態と
を、択一的に選択する制御を行う機能である。また、空
調制御部52は、前記窓開閉手段20の窓22を閉じて
前記空調手段40を稼働させる状態において、前記室内
温度設定値と前記屋内温度センサ31で測定された室内
温度検出値とに基づき、室内温度検出値を室内温度設定
値に近づけるように、前記空調手段40の出力を制御す
るものである。
【0041】次に作用を説明する。図1において、窓開
閉手段20の窓22を閉じている状態では、育成室11
内へ循環させる空気は、制御室12にある空調手段40
の稼働により所望の温度に調整されてから、吹出口14
より育成室11の下方へ送られる。また、育成室11内
を循環した空気は、吸込口15より再び制御室12内へ
導入される。
【0042】空調手段40の稼働は、図2に示す制御手
段50の空調制御部52で制御され、育成室11内は所
望の温度に保たれる。すなわち、操作部53から入力さ
れた室内温度設定値と、屋内温度センサ31から送信さ
れた室内温度検出値との偏差が算出され、その値に基づ
いて空調手段40のヒータないし冷凍機の操作出力が算
出されて、空調手段40へ出力される。
【0043】本生物育成装置10によれば、育成室11
内の温度は、このような空調機40の稼働による調整ば
かりでなく、窓開閉手段20による窓22の自動的な開
閉によっても適宜調整される。ここで制御手段50の選
択判断部51により、育成室11の日射量及び育成室1
1の内外温度差に応じて、前記窓開閉手段20の窓22
の開閉と前記空調手段40の稼働の有無がそれぞれ択一
的に選択される。
【0044】このように、育成室11の内外温度差だけ
でなく日射量も勘案することにより、窓開閉手段20の
窓22を開けた場合に、該窓22からの熱負荷のうち貫
流熱よりも大きな影響を及ぼす日射熱に関する熱収支も
検討される。それにより、日射熱の増大を原因とする空
調機40の余分な稼働によるエネルギーの消費を極力抑
えることができ、ランニングコストを低減することがで
きる。
【0045】ここで貫流熱とは、窓22を通して温度の
高い空間から低い空間へ伝わる熱量であり、この貫流熱
負荷は次式で表される。 貫流熱負荷:Qn[W]=A×K×E A:窓面積[m] K:窓熱透過率[℃] E:育成室内外温度差[℃]。
【0046】また、日射熱とは、太陽の日射を受けた窓
22から育成室11内に取り込まれる熱量であり、この
日射熱負荷は次式で表される。 日射熱負荷:Qg[W]=A×S×C A:窓面積[m] S:標準日射熱取得基準値[W/m] C:窓遮蔽係数。
【0047】前記制御手段50による温度制御に関して
は、日射センサ33から送信された日射検出値や、操作
部53より予め入力された前記室内温度設定値等のデー
タに基づき、先ず選択判断部51によって、前記日射熱
及び貫流熱による育成室11に対する熱収支を勘案した
外気温設定値が算出される。この外気温設定値と、屋外
温度センサ32から送信された外気温検出値との比較に
基づき、前記窓開閉手段20の窓22の開閉による温度
調整か、あるいは前記空調手段40の稼働による温度調
整かが選択される。以下、詳細に説明する。
【0048】先ず図3に示すように、窓開閉手段20の
窓22を閉じて空調手段40を稼働させた状態では、制
御手段50の選択判断部51により、日射設定値Rs
と、前記日射センサ33から送信された日射検出値Rp
との大小が随時比較判断される(ステップ10)。
【0049】窓22を開けることによる育成室11内外
の熱交換量は、育成室11の内外温度差や風量等により
定まるが、窓22を開けた際に換気用開口部21からの
日射による育成室11内の発熱量のうち、窓22を開け
ることで処理し得る熱量に対応した日射量の閾値が、前
記日射設定値Rsとして予め設定される。かかる日射設
定値Rsは、具体的な数値として操作部53から制御手
段50に入力される。
【0050】日射設定値Rsの方が日射検出値Rpより大
きい時には(ステップ10でY)、室内温度設定値Tis
より第1のバイアス値T1が減算されて外気温設定値To
sが算出され(ステップ11)、日射設定値Rsの方が日
射検出値Rpより小さい時には(ステップ10でN)、
室内温度設定値Tisより第2のバイアス値T2が減算さ
れて外気温設定値Tosが算出される(ステップ12)。
【0051】ここでバイアス値とは、日射による発熱量
を処理するために必要な育成室11内外の温度差であ
り、日射設定値Rsと日射検出値Rpとの大小により場合
分けして、予め2つの値が設定される。日射設定値Rs
の方が日射検出値Rpより大きい時は、第1のバイアス
値T1が選択され、日射設定値Rsの方が日射検出値Rp
より小さい時は、第2のバイアス値T2が選択される。
なお、各バイアス値T1,T2とも、それぞれ具体的な数
値として操作部53から制御手段50に入力される。
【0052】制御手段50による外気温設定値Tosの算
出であるが、予め定めた許容し得る日射設定値Rsと実
際の日射検出値Rpとを比較し、その大小に応じてそれ
ぞれ異なる補正値として前記バイアス値T1,T2を、前
記室内温度設定値Tisから減算して算出することで、日
射熱及び貫流熱による育成室11に対する熱収支を十分
に勘案することが可能となる。
【0053】具体的な外気温設定値Tosが算出されると
(ステップ11,12)、続いてこの外気温設定値Tos
と、屋外温度センサ32から送信された外気温検出値T
opとが比較判断される(ステップ13)。ここで、外気
温検出値Topの方が外気温設定値Tosより小さい時には
(ステップ13でN)、そのまま窓22を閉じて空調手
段40を稼働させた状態が維持され、かかる空調手段4
0によって育成室11の温度が調整される。
【0054】一方、外気温検出値Topの方が外気温設定
値Tosより大きい時には(ステップ13でY)、今度は
窓開閉手段20の窓22を開いて(ステップ14)、空
調手段40の稼働を停止させた状態へと移行する(ステ
ップ15)。かかる場合には、窓22を開けるだけで所
望の温度に調整することが可能となり、空調機40を停
止されることにより余分なエネルギー消費を抑えること
ができる。
【0055】窓22を開けることによる育成室11内外
の熱交換量は、育成室11の内外温度差や風量、それに
換気用開口部21の開口面積により定まるが、窓開閉手
段20を育成室11の天井11a及び側壁11bにそれ
ぞれ設けたことにより、窓22を開けた際の育成室11
内外における熱交換率を向上させることができる。な
お、窓22は自動で開閉制御されるため、人手による窓
22の開閉の労力はない。
【0056】次に図4に示すように、窓開閉手段20の
窓22を開いて空調手段40の稼働を停止させた状態で
も、制御手段50の選択判断部51により、日射設定値
Rsと、前記日射センサ33から送信された日射検出値
Rpとの大小が随時比較判断される(ステップ20)。
【0057】ここで日射設定値Rsの方が日射検出値Rp
より大きい時には(ステップ20でY)、室内温度設定
値Tisより第1のバイアス値T1が減算されて外気温設
定値Tosが算出される(ステップ21)。また、日射設
定値Rsの方が日射検出値Rpより小さい時には(ステッ
プ20でN)、室内温度設定値Tisより第2のバイアス
値T2が減算されて外気温設定値Tosが算出される(ス
テップ22)。
【0058】具体的な外気温設定値Tosが算出されると
(ステップ21,22)、続いてこの外気温設定値Tos
と、屋外温度センサ32から送信された外気温検出値T
opとが比較判断される(ステップ23)。ここで、外気
温検出値Topの方が外気温設定値Tosより大きい時には
(ステップ23でY)、窓開閉手段20の窓22を閉じ
て(ステップ25)、空調手段40を稼働させる状態へ
移行する(ステップ26)。
【0059】一方、外気温検出値Topの方が外気温設定
値Tosより小さい時には(ステップ23でN)、続いて
外気温検出値Topと予め定めた外気低温値とが比較判断
される(ステップ24)。外気低温値は、具体的な数値
として操作部53から制御手段50に入力されている
が、外気温検出値Topが外気低温値より小さい時にも
(ステップ24でY)、窓開閉手段20の窓22を閉じ
て(ステップ25)、空調手段を稼働させる状態へ移行
する(ステップ26)。
【0060】それにより、冬季等の外気温が低い場合に
おいて、空調手段40の稼働を停止させて窓22を開
け、育成室11内の温度を外気で冷やす場合に、低温の
外気により過度に育成室11内が冷えすぎてその後の空
調手段40の稼働により、却って消費電力が増大してし
まうような事態を防止することができる。
【0061】そして、外気温検出値Topが外気低温値よ
りも大きい時は(ステップ24でN)、前記育成室11
内の冷えすぎによる空調手段40の負荷増大のおそれが
ないため、そのまま窓開閉手段20の窓22を開いて、
空調手段40の稼働を停止させた状態が維持される。な
お、外気低温値は、生物育成装置10を設置する場所の
環境に応じて個々に定められるものである。
【0062】以上のように制御手段50によって、窓開
閉手段20の窓22を開いて空調手段40の稼働を停止
させた状態と、窓開閉手段20の窓22を閉じて空調手
段40を稼働させる状態とを、択一的に選択することに
より、窓22の開閉だけで温度調整が可能な時は、空調
手段40の消費電力を削減でき、また空調手段40の稼
働が必要な時は、窓22を閉じることで空調効率を高め
ることができる。
【0063】更にまた、前記風速センサ34により所定
値以上の風速が測定された場合、日射量及び内外温度差
に関わらず、窓開閉手段20の窓22を閉じて空調手段
40の稼働により、育成室11内の温度を調整するよう
にすれば、強風の吹き込みにより育成室11内の環境が
乱れたり、窓開閉手段20の窓22等が破損するのを防
止することができる。かかる制御も制御手段50によっ
て容易に実行することができる。
【0064】なお、本発明の実施の形態を図面によって
説明してきたが、具体的な構成はこれら実施の形態に限
られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲に
おける変更や追加があっても本発明に含まれる。例え
ば、前記窓開閉手段20は、前記育成室11の天井11
a及び側壁11bの双方に設けるのではなく、何れか一
方にのみ設けるように構成しても良い。
【0065】また、前記育成室11の天井11a及び側
壁11bの少なくとも一方をガラス板で構成すると良い
が、天井11a及び側壁11bの双方をそれぞれ全体的
にガラス板で構成したり、それぞれの一部分だけをガラ
ス板で構成しても良い。もちろん、天井11aまたは側
壁11bの何れか一方のみ全体的にガラス板で構成した
り、あるいは何れか一方の一部分だけをガラス板で構成
しても良い。
【0066】
【発明の効果】本発明に係る生物育成装置によれば、制
御手段により、育成室の日射量及び育成室の内外温度差
に応じて、窓開閉手段の窓の開閉と空調手段の稼働の有
無とをそれぞれ選択することで、前記育成室内の温度を
予め定めた室内温度設定値に調整するから、育成室の内
外温度差だけでなく日射量も勘案することにより、窓開
閉手段の窓を開けた場合に、該窓からの熱負荷のうち貫
流熱よりも大きな影響を及ぼす日射熱に関する熱収支も
検討され、日射熱の増大を原因とする空調機の余分な稼
働によるエネルギーの消費を極力抑えることができ、ラ
ンニングコストを低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る生物育成装置を概
略的に示す正面図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係る生物育成装置の制
御手段を示すブロック図である。
【図3】本発明の一実施の形態に係る生物育成装置の制
御を説明するフローチャートである。
【図4】本発明の一実施の形態に係る生物育成装置の制
御を説明するフローチャートである。
【図5】従来の生物育成装置を概略的に示す正面図であ
る。
【符号の説明】
10…生物育成装置 10a…装置本体 11…育成室 12…制御室 13…隔壁 14…吹出口 15…吸込口 20…窓開閉手段 21…換気用開口部 22…窓 23…駆動モータ 31…屋内温度センサ 32…屋外温度センサ 33…日射センサ 34…風速センサ 40…空調手段 50…制御手段 51…選択判断部 52…空調制御部 53…操作部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A01K 1/00 A01K 1/00 C D F

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】植物または動物を収容する育成室を備え、
    該育成室内における環境要因のうち少なくとも温度を人
    為的に制御可能な生物育成装置において、 前記育成室の外壁に設けられた窓開閉手段と、前記育成
    室内の温度を調整可能な空調手段と、制御手段とを有し
    て成り、 前記制御手段は、前記育成室の日射量及び育成室の内外
    温度差に応じて、前記窓開閉手段の窓の開閉と前記空調
    手段の稼働の有無とをそれぞれ選択することで、前記育
    成室内の温度を予め定めた室内温度設定値に調整するこ
    とを特徴とする生物育成装置。
  2. 【請求項2】前記窓開閉手段は、前記育成室の天井及び
    側壁の少なくとも一方に換気用開口部を開設し、該換気
    用開口部に自動で開閉可能な窓を装着して成ることを特
    徴とする請求項1記載の生物育成装置。
  3. 【請求項3】前記制御手段は、前記窓開閉手段の窓を開
    いて前記空調手段の稼働を停止させた状態と、前記窓開
    閉手段の窓を閉じて前記空調手段を稼働させる状態と
    を、択一的に選択することを特徴とする請求項1または
    2記載の生物育成装置。
  4. 【請求項4】前記育成室の外壁付近の風速を測定する風
    速検知手段を備え、 前記風速検知手段により所定値以上の風速が測定された
    場合、前記日射量及び前記内外温度差に関わらず、前記
    窓開閉手段の窓を閉じて前記空調手段の稼働により、前
    記育成室内の温度を前記室内温度設定値に調整すること
    を特徴とする請求項1,2または3記載の生物育成装
    置。
  5. 【請求項5】前記制御手段は、 前記日射量と前記室内温度設定値とに基づき、日射熱及
    び貫流熱による育成室に対する熱収支を勘案した外気温
    設定値を算出し、 前記外気温設定値と、前記育成室外で実際測定された外
    気温検出値との比較に基づき、前記窓開閉手段の窓の開
    閉と前記空調手段の稼働の有無とをそれぞれ選択するこ
    とを特徴とする請求項1,2,3または4記載の生物育
    成装置。
  6. 【請求項6】前記制御手段は、 前記窓開閉手段の窓を閉じて前記空調手段を稼働させた
    状態において、前記外気温設定値より前記外気温検出値
    の方が小さくなった時に、前記窓開閉手段の窓を開いて
    前記空調手段の稼働を停止させる状態へ移行し、 前記窓開閉手段の窓を開いて前記空調手段の稼働を停止
    させた状態において、前記外気温設定値より前記外気温
    検出値の方が大きくなった時に、前記窓開閉手段の窓を
    閉じて前記空調手段を稼働させる状態へ移行することを
    特徴とする請求項5記載の生物育成装置。
  7. 【請求項7】前記制御手段は、 前記窓開閉手段の窓を開いて前記空調手段の稼働を停止
    させた状態において、前記外気温設定値より前記外気温
    検出値の方が小さかった時に、続いて外気温検出値と予
    め定めた外気低温値とを比較し、ここで外気温検出値が
    外気低温値より小さい時は、前記窓開閉手段の窓を閉じ
    て前記空調手段を稼働させる状態へ移行することを特徴
    とする請求項6記載の生物育成装置。
  8. 【請求項8】前記制御手段は、 予め定めた日射設定値と前記日射量の実測値とを比較
    し、その大小に応じてそれぞれ異なる補正値を、前記室
    内温度設定値から減算することで、前記外気温設定値を
    算出することを特徴とする請求項5,6または7記載の
    生物育成装置。
  9. 【請求項9】前記育成室の天井及び側壁の少なくとも一
    方をガラス板で構成することを特徴とする請求項1,
    2,3,4,5,6,7または8記載の生物育成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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