JP2014103856A - 空調システム及び栽培方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】空調システム(10)を用いた植物の促成栽培にかかるコストを低減すると共に植物の栽培が可能な期間を延長する。
【解決手段】空調システム(10)には、植物が栽培される複数の栽培ユニット(4)が設置された栽培空間(S)を開閉自在に一体的に覆って日長を調節する遮光カーテン(11)と、栽培空間(S)の温度を調節する空調機(12)と、遮光カーテン(11)及び空調機(12)を制御するコントローラ(16)とが設けられている。コントローラ(16)は、栽培空間(S)が常に栽培植物の苗段階から収穫段階までの成長に応じた環境となるように、一年を通して栽培空間(S)の日長を遮光カーテン(11)によって制御すると共に、遮光カーテン(11)によって閉鎖された栽培空間(S)の温度を常に空調機(12)によって制御する。
【選択図】図1

Description

本発明は、空調機を用いて植物栽培空間の環境を制御する空調システム及び栽培方法に関するものである。
従来より、植物の促成栽培等のために空調機を用いて栽培空間の環境を制御する空調システムが用いられている。例えば、下記特許文献1には、空調システムの1つとして、園芸作物の花芽分化を人工的に調節して行わせる夜冷システムが記載されている。
上記夜冷システムは、側壁が断熱材によって外装され、屋根が断熱材遮蔽板によって着脱自在に覆われたビニールハウス内に冷凍機を設けることによって構成されている。昼間の所定の時間帯は、断熱材遮蔽板を取り外してハウス内に採光し、残りの時間帯には断熱材遮蔽板を取り付けると共に冷凍機によってハウス内を冷却することで、花芽分化を人工的に調節して行わせることとしている。
ところで、通常、上述のような夜冷システムによる花芽分化は、各苗において最初の花芽分化を誘引するために用いられる。そのため、最初の花芽分化が誘引されると、苗はすぐに夜冷システムから取り出され、定植される。
特開昭61−96925号公報
しかしながら、上記夜冷システムでは、低温短日の環境を作り出して花芽分化を誘引することしかできなかった。つまり、上記夜冷システムは、最初の花芽分化が誘引されるまでの短い期間しか用いることができず、その後の促成栽培は、別の空調システムを用いて行わなければならなかった。そのため、夜冷システムを用いることにより、植物の促進栽培にかかるコストが増大していた。また、上記夜冷システムでは、植物の苗段階から収穫段階までの成長に適した環境を作り出すことができないため、植物の栽培可能な時期が限られ、植物を年間を通じて栽培することができないという問題があった。
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、空調システムを用いた植物の促成栽培にかかるコストを低減すると共に植物の栽培が可能な期間を延長することにある。
第1の発明は、植物が栽培される複数の栽培ユニット(4)が設置された栽培空間(S)を開閉自在に一体的に覆い、上記栽培空間(S)の日長を調節する遮光部材(11)と、上記栽培空間(S)の温度を調節する空調機(12)と、上記栽培空間(S)が常に栽培植物の苗段階から収穫段階までの成長に応じた環境となるように、一年を通して上記栽培空間(S)の日長を上記遮光部材(11)によって制御すると共に、上記遮光部材(11)によって閉鎖された上記栽培空間(S)の温度を常に上記空調機(12)によって制御する制御部(16)とを備えた植物栽培空間の空調システムである。
第1の発明では、遮光部材(11)の開閉動作の切り換えによって、日長(昼間の長さ)が人工的に調節され、空調機(12)の運転動作の切り換えによって、栽培植物の温度環境が人工的に調節される。つまり、遮光部材(11)と空調機(12)の動作を切り換えることによって、季節毎に変化する日長及び温度環境が人工的に調節される。また、制御部(16)により、遮光部材(11)の開閉動作による日長の調節が一年を通して行われると共に、遮光部材(11)によって閉鎖された夜間の状態の栽培空間(S)の温度が常に空調機(12)によって制御される。その結果、栽培空間(S)では、一年中、栽培段階から収穫段階までの成長に応じた環境(日長、温度)が人工的に作り出されることとなる。
第2の発明は、第1の発明において、気化潜熱を利用して上記栽培植物の周辺の空気を冷却する冷却装置(14)を備え、上記制御部(16)は、上記栽培空間(S)が栽培植物の苗段階から収穫段階までの成長に応じた環境となるように、上記冷却装置(14)の運転動作を制御するように構成されている。
第2の発明では、冷却装置(14)を運転することによって、気化潜熱を利用して栽培植物の周辺の空気が冷却される。これにより、栽培空間(S)の温度が低下する。
第3の発明は、第1又は第2の発明において、上記遮光部材(11)の外側を開閉自在に覆い、太陽光の透過を抑制する透過抑制部材(13)を備え、上記制御部(16)は、上記栽培空間(S)が上記栽培植物の苗段階から収穫段階までの成長に応じた環境となるように、上記透過抑制部材(13)の開閉動作を制御するように構成されている。
第3の発明では、透過抑制部材(13)の開閉動作の切り換えによって、栽培空間(S)への太陽光の透過を抑制することにより、太陽光の栽培空間(S)への入射による温度上昇が抑制される。
第4の発明は、第1乃至第3のいずれか1つの発明において、上記遮光部材(11)は、農業ハウス内に設けられている。
第4の発明では、農業ハウス(1)内に遮光部材(11)が設けられ、その内側に栽培空間(S)が形成されている。
第5の発明は、第1乃至第4のいずれか1つの発明において、上記制御部(16)は、上記栽培空間(S)の温度を作業に適した温度に調節する作業モードが実行可能に構成されている。
第5の発明では、制御部(16)が作業モードを実行すると、栽培空間(S)の温度が作業に適した温度に調節される。
第6の発明は、植物の苗段階から収穫段階までを1つの栽培空間(S)において育成させる栽培方法であって、上記栽培空間(S)の日長を一年を通して遮光部材(11)によって調節すると共に、上記遮光部材(11)によって閉鎖された上記栽培空間(S)の温度を常に上記空調機(12)によって調節するものである。
第6の発明では、栽培空間(S)の日長を一年を通して遮光部材(11)によって調節すると共に、該遮光部材(11)によって閉鎖された栽培空間(S)の温度を常に空調機(12)によって調節し、そのような環境下で植物の栽培が行われる。これにより、栽培植物は、一年中、栽培段階から収穫段階までの成長に応じた環境(日長、温度)下で栽培される。
第1の発明によれば、栽培空間(S)が栽培植物の苗段階から収穫段階までの成長に応じた環境となるように、遮光部材(11)によって一年を通して日長を調節すると共に、遮光部材(11)によって閉鎖された夜間の状態の栽培空間(S)の温度を常に空調機(12)によって制御することとした。そのため、単一の栽培空間(S)において、一年中、植物の促成栽培を行うことができる。つまり、花芽分化の誘引のみを行った後に、その後の促成栽培のために他の施設に定植する必要がなく、1つの栽培空間(S)において促成栽培の最初から最後まで(例えば、育苗から収穫まで)を行うことができる。よって、一年のうちで、空調システムを使用せずに放置する時期がなく、空調システムを有効に用いることができる。これにより、空調システムを用いた促成栽培における栽培コストを低減すると共に植物の栽培が可能な期間を延長することができる。
また、第1の発明によれば、栽培空間(S)を、一年中、栽培植物の苗段階から収穫段階までの成長に適した環境に制御することができるため、収穫される植物の収量と品質(大きさ、味、成分等)の向上を図ることができる。
さらに、第1の発明によれば、遮光部材(11)によって閉鎖された栽培空間(S)のみを空調機(12)によって空調することとした。つまり、遮光部材(11)によって空調を行う空間を制限することとした。これにより、空調負荷を低減することができるため、空調システムの省エネルギー化を図ることができる。
ところで、盛夏には、太陽光の入射によって栽培空間(S)の温度が著しく上昇する。そのため、栽培空間(S)の温度が著しく高くなる盛夏には、栽培空間(S)の温度が栽培植物の生育に適した温度を超え、栽培植物の成長を阻害するような高温になるおそれがあった。また、このように盛夏には、太陽光の入射によって栽培空間(S)の温度が著しく上昇するため、日中に遮光部材(11)で栽培空間(S)を閉鎖して空調機(12)で冷房を行う所謂夜冷処理が、能力及びコストの両面から困難であった。
また、第2の発明によれば、栽培空間(S)が栽培植物の苗段階から収穫段階までの成長に応じた環境となるように、冷却装置(14)の運転動作を制御することとした。これにより、栽培空間(S)の温度が著しく高くなる際には、冷却装置(14)によって栽培植物周辺の空気を冷却することができるため、栽培空間(S)の温度を低下させることができる。また、第3の発明によれば、栽培空間(S)が栽培植物の苗段階から収穫段階までの成長に応じた環境となるように、透過抑制部材(13)の開閉動作を制御することとした。これにより、栽培空間(S)の温度が著しく高くなる際には、透過抑制部材(13)を閉じることによって栽培空間(S)への太陽光の入射を抑制することができるため、栽培空間(S)の温度上昇を抑制することができる。よって、第2及び第3の発明によれば、栽培空間(S)の温度が著しく高くなる盛夏であっても、栽培空間(S)の温度を栽培植物の生育に適した温度に調節することができる。これにより、所謂夜冷処理を行うことができる。従って、空調システムを一年中使用することができるため、空調システムを用いた促成栽培における栽培コストを低減すると共に植物の栽培が可能な期間を延長することができる。
また、第4の発明によれば、既設の農業ハウス(1)に、遮光部材(11)、空調機(12)及び制御部(16)を付け加えるだけで、一年中植物の促成栽培を行うことができる空調システムを容易に構成することができる。
また、第5の発明によれば、制御部(16)が、栽培空間(S)の温度を作業に適した温度に調節可能に構成されているため、栽培作業を行う作業者の負担を軽減することができる。
また、第6の発明によれば、遮光部材(11)によって一年を通して日長を調節すると共に、遮光部材(11)によって閉鎖された夜間の状態の栽培空間(S)の温度を常に空調機(12)によって調節し、栽培空間(S)において植物を栽培することとした。そのため、単一の栽培空間(S)において、一年中、植物の促成栽培を行うことができる。つまり、花芽分化の誘引のみを行った後に、その後の促成栽培のために他の施設に定植する必要がなく、1つの栽培空間(S)において促成栽培の最初から最後まで(例えば、育苗から収穫まで)を行うことができる。
図1は、実施形態の空調システムが設けられた農業ハウスを模式的に示す東西方向の縦断面図である。 図2は、実施形態の空調システムが設けられた農業ハウスを模式的に示す南北方向の縦断面図である。 図3は、栽培空間の状態、ハウス内日射量及びハウス内温度と、遮熱フィルムの開閉動作との関係を示すである。 図4は、栽培空間の状態、ハウス内温度及びハウス内湿度と、噴霧装置の運転動作との関係を示すである。 図5は、実施形態の空調システムによる日長・夜間温度制御を示すフローチャートである。 図6は、実施形態の空調システムによる日長・夜間温度制御の一部である収穫作業モードを示すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
《発明の実施形態》
−全体構成−
本発明の実施形態は、植物の栽培環境を、苗段階から収穫段階までの成長に応じて調節する空調システム(10)に関するものである。
本実施形態では、図1及び図2に示すように、空調システム(10)は、ポリオレフィン系樹脂等(塩化ビニル、酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリカーボネート樹脂でもよい)からなるフィルムを用いて形成された農業ハウス(1)に設けられている。農業ハウス(1)の内部には、植物を栽培するための複数(本実施形態では4つ)の栽培容器(2)と、該複数の栽培容器(2)を所定の高さ(イチゴの栽培容器の場合、例えば100cm程度)に位置するように支持する高設ベンチ(3)とを有する複数の栽培ユニット(4)が設置されている。本実施形態では、栽培ユニット(4)は5つ設けられている。また、本実施形態では、栽培容器(2)においてイチゴが栽培植物として栽培されている。図1に示すように、農業ハウス(1)には、換気扇(5)が設けられている。
上記空調システム(10)は、遮光カーテン(遮光部材)(11)と、空調機(12)と、遮熱フィルム(透過抑制部材)(13)と、噴霧装置(冷却装置)(14)と、複数の照明器具(15)と、コントローラ(制御部)(16)と各種センサ(温度センサ(31)、湿度センサ(32)、ハウス内温度センサ(33)、光合成光量子センサ(34)、外気温度センサ(35))とを備えている。
遮光カーテン(11)は、アルミ箔によって形成され、複数の栽培ユニット(4)が設けられる栽培空間(S)の上方及び側方を覆うように形成されている。本実施形態では、遮光カーテン(11)は、栽培空間(S)で人が作業を行うことが可能なように、栽培空間(S)の高さが200cm程度となるように構成されている。また、遮光カーテン(11)は、開閉自在に構成され、例えば、所定の箇所に巻き上げられることで開くように構成されている。遮光カーテン(11)は、コントローラ(16)の制御によって、自動的に開閉し、日中に閉状態とすることで栽培空間(S)が閉鎖されて該栽培空間(S)への太陽光の入射が遮られ、栽培空間(S)が夜間の状態となる。つまり、遮光カーテン(11)の開閉動作によって、栽培空間(S)における日長(昼間の長さ)が調節される。
空調機(12)は、図示を省略するが、蒸気圧縮式の冷凍サイクルを行う冷媒回路を有し、室内機が栽培空間(S)に調整空気を吹き出すように設けられ、該栽培空間(S)の温度を調節する。空調機(12)は、コントローラ(16)の制御によって、遮光カーテン(11)の開閉動作に連動して運転が行われる。詳細については後述するが、空調機(12)は、遮光カーテン(11)が閉状態で栽培空間(S)が閉鎖されて夜間の状態となっている際に、栽培空間(S)の温度を調節する。
遮熱フィルム(13)は、太陽光の透過を抑制可能に構成されている。本実施形態では、太陽光に含まれる可視光を反射させると共に赤外線を吸収し、少なくとも可視光と赤外線との透過を抑制するように構成されている。遮熱フィルム(13)は、本実施形態では、農業ハウス(1)の外側において、屋根と出入口(図示省略)が形成された妻側の側壁(図2の北側の側壁)を除く側壁とを覆うように設けられている。また、遮熱フィルム(13)は、開閉自在に構成され、例えば、所定の箇所に巻き上げられることで開くように構成されている。遮熱フィルム(13)は、コントローラ(16)の制御によって、自動的に開閉し、日中に閉状態とすることで栽培空間(S)への太陽光の入射が抑制され、栽培空間(S)の温度上昇が抑制される。また、本実施形態では、遮熱フィルム(13)は、コントローラ(16)の制御によって、日没後に閉状態として農業ハウス(1)の内外間の熱伝達を抑制することにより、栽培空間(S)の温度低下が抑制される。つまり、遮熱フィルム(13)の開閉動作によって、栽培空間(S)の温度上昇又は温度低下が抑制される。
噴霧装置(14)は、複数の噴霧口(14a)を有し、各噴霧口(14a)から20μm以下の霧状の水分が噴霧されるように構成されている。各噴霧口(14a)は、農業ハウス(1)内の栽培空間(S)の外部に設けられている。噴霧装置(14)は、コントローラ(16)の制御によって、噴霧動作を行うタイミングが制御される。噴霧装置(14)によって噴霧された水分は、農業ハウス(1)内の空気から吸熱して気化する。その結果、農業ハウス(1)内の空気が冷却される。
各照明器具(15)は、遮光カーテン(11)によって閉鎖された栽培空間(S)において、各栽培ユニット(4)の各栽培容器(2)内の栽培植物を照らすように設けられている。本実施形態では、各照明器具(15)は、コントローラ(16)によって点灯と消灯とが自動的に制御されるように構成されている。
コントローラ(16)は、本実施形態では、農業ハウス(1)内の栽培空間(S)の外部に設置されている。コントローラ(16)は、温度センサ(31)、湿度センサ(32)、ハウス内温度センサ(33)、光合成光量子センサ(34)及び外気温度センサ(35)の各検出値が入力されるように構成されている。
温度センサ(31)は、栽培空間(S)の内部に設けられ、遮光カーテン(11)によって閉鎖された栽培空間(S)の温度を検出し、該検出値をコントローラ(16)へ出力するように構成されている。
湿度センサ(32)は、栽培空間(S)の内部に設けられ、遮光カーテン(11)によって閉鎖された栽培空間(S)の湿度を検出し、該検出値をコントローラ(16)へ出力するように構成されている。
ハウス内温度センサ(33)は、農業ハウス(1)内の栽培空間(S)の外部に設けられ、農業ハウス(1)内の温度(ハウス内温度)を検出し、該検出値をコントローラ(16)へ出力するように構成されている。
光合成光量子センサ(34)は、農業ハウス(1)内の栽培空間(S)の外部に設けられて光合成光量子束密度を検出し、該検出値をコントローラ(16)へ農業ハウス(1)内の日射量(以下、単にハウス内日射量と称する)として出力するように構成されている。本実施形態では、光合成光量子センサ(34)は、クロロフィルを吸収可能な400nmから700nmまでの波長領域だけの光量子束密度を測定するように構成されている。
外気温度センサ(35)は、農業ハウス(1)の外部に設置され、外気温度を検出し、該検出値をコントローラ(16)へ出力するように構成されている。
コントローラ(16)は、栽培空間(S)が栽培植物(イチゴ)の苗段階から収穫段階までの成長に応じた環境となるように、遮光カーテン(11)の開閉動作と空調機(12)の運転動作とを制御するように構成されている。
具体的には、コントローラ(16)は、予め、栽培植物(本実施形態ではイチゴ)の苗段階から収穫段階までの各段階に適した日長と夜間目標温度のデータを記憶している。また、コントローラ(16)は、現在の日時と栽培植物の成長段階とを自動的に取得するように構成されている。例えば、コントローラ(16)は、電波時計を有して現在の日時を自動的に取得すると共に、植物の栽培日数を計測し、該栽培日数から栽培植物の成長段階を算出して取得するように構成されている。コントローラ(16)は、取得した現在の日時と成長段階とから、該成長段階に適した日長と夜間目標温度とを求め、算出された日長となるように遮光カーテン(11)の開閉動作を制御すると共に、該遮光カーテン(11)によって閉鎖された栽培空間(S)の温度が算出された夜間目標温度となるように空調機(12)の運転を制御するように構成されている。詳細な制御動作については後述する。
また、コントローラ(16)は、栽培空間(S)が栽培植物(イチゴ)の苗段階から収穫段階までの成長に応じた環境となるように、遮熱フィルム(13)の開閉動作を制御するように構成されている。具体的には、コントローラ(16)は、図3に示すように、栽培空間(S)が遮光カーテン(11)によって閉鎖されない昼間の状態で、ハウス内日射量が所定の植物要求日射量よりも高く且つハウス内温度が換気扇動作温度以上である場合と、栽培空間(S)が遮光カーテン(11)によって閉鎖された夜間の状態で、ハウス内日射量が有り且つハウス内温度が夜間目標温度以上である場合と、栽培空間(S)が遮光カーテン(11)によって閉鎖された夜間の状態で、ハウス内日射量が無く且つハウス内温度が夜間目標温度未満である場合とに遮熱フィルム(13)を閉じ、それ以外の場合には開けるように遮熱フィルム(13)の動作を制御するように構成されている。
ここで、植物要求日射量とは、栽培植物の光合成能力が上限に達するような光合成光量子束密度を指す。また、換気扇動作温度とは、栽培植物毎に決定される農業ハウス(1)内の上限温度であり、換気扇(5)の動作開始の閾値となる温度である。栽培植物がイチゴである場合、換気扇動作温度は、25℃程度に設定されている。さらに、夜間目標温度とは、空調機(12)によって温度調節される夜間の状態の栽培空間(S)の目標温度であり、栽培植物の成長段階に応じて予め決められ、コントローラ(16)に記憶されている。
また、コントローラ(16)は、栽培空間(S)が栽培植物(イチゴ)の苗段階から収穫段階までの成長に応じた環境となるように、噴霧装置(14)の噴霧動作を制御するように構成されている。具体的には、コントローラ(16)は、図4に示すように、栽培空間(S)が遮光カーテン(11)によって閉鎖されない昼間の状態で、ハウス内温度が所定の換気扇動作温度よりも高く且つ農業ハウス(1)内の湿度が所定の上限湿度以下である場合に噴霧装置(14)によって霧状の水分を噴出させ、それ以外の場合には動作しないように噴霧装置(14)の動作を制御するように構成されている。なお、農業ハウス(1)内の上限湿度は、農業ハウス(1)内における水滴下や床濡れを防止するために90%程度に設定されている。
−運転動作−
〈日長・夜間温度制御〉
上記空調システム(10)が設けられた農業ハウス(1)では、コントローラ(16)により、栽培空間(S)が栽培植物(イチゴ)の苗段階から収穫段階までの成長に応じた環境となるように、遮光カーテン(11)の開閉動作と空調機(12)の運転動作とが制御される。
具体的には、コントローラ(16)は、まず、現在の日時と栽培植物の成長段階とを自動的に取得し、取得した現在の日時と成長段階とから、予め記憶されたデータを参照して成長段階に適した日長と夜間目標温度とを求める。また、現在の日時や成長段階に適した日長等から栽培空間(S)を昼間の状態から夜間の状態に切り換える夜間開始時刻を設定する。なお、夜間開始時刻は、収穫期以外は、日時と成長段階に応じて予め設定されて記憶された指定時刻に設定され、収穫期には、翌日の収穫作業終了予定時刻から夜間長だけ遡った時刻(当該時刻が日没後の場合には日没時刻)に設定される。そして、コントローラ(16)は、図5のフローチャートに示すように、遮光カーテン(11)と空調機(12)とを制御する。また、コントローラ(16)は、収穫期には、図6のフローチャートに示すように、作業者が夜間の状態の栽培空間(S)において作業が可能なように、栽培空間(S)を作業に適した環境に調節する収穫作業モードを実行する。
図5に示すように、まず、コントローラ(16)は、夜間開始時刻か否かを判定する(ステップS1)。夜間開始時刻でない場合、コントローラ(16)は、ステップS1の判断を繰り返す。一方、夜間開始時刻である場合、コントローラ(16)は、遮光カーテン(11)を閉じて栽培空間(S)を閉鎖して夜間の状態とする(ステップS2)。次に、コントローラ(16)は、一日の栽培空間(S)の温度の履歴から設定温度を算出する(ステップS3)。具体的には、栽培空間(S)の温度の一日の平均温度が夜間目標温度となるように、設定温度を算出する。そして、コントローラ(16)は、空調機(12)の運転を開始し(ステップS4)、算出した温度を設定温度とする(ステップS5)。なお、晩春、夏、早秋には、冷房運転が行われ、栽培空間(S)が10℃〜15℃程度に調節される。一方、晩秋、冬、早春には、暖房運転が行われ、栽培空間(S)が8℃〜10℃程度に調節される。
次に、コントローラ(16)は、収穫期か否かを判断する(ステップS6)。そして、コントローラ(16)は、ステップS6において、収穫期であると判断すると、図6に示す収穫作業モードを実行する。収穫作業モードについては後述する。一方、コントローラ(16)は、ステップS6において、収穫期でないと判断すると、夜間終了時刻か否かを判断する(ステップS7)。なお、夜間終了時刻は、夜間開始時刻に夜間長を加えた時刻に設定されている。
コントローラ(16)は、ステップS7において、夜間終了時刻でないと判断すると、設定温度の見直し時間であるか否かを判断する(ステップS8)。ここで、設定温度の見直し時間は、例えば、空調機の運転開始から1時間経過後又は前回の設定温度の見直し時刻から1時間経過後の時刻とする。コントローラ(16)は、ステップS8において、設定温度の見直し時間でないと判断すると、ステップS7に戻る一方、設定温度の見直し時間であると判断すると、一日の栽培空間(S)の温度の履歴から設定温度を算出する(ステップS9)。その後、コントローラ(16)は、ステップS5に戻り、算出した温度を設定温度とする。
一方、コントローラ(16)は、ステップS7において、夜間終了時刻であると判断すると、空調機(12)の運転を停止する(ステップS10)。その後、コントローラ(16)は、遮光カーテン(11)を開けて栽培空間(S)を昼間の状態とし(ステップS11)、ステップS1へ戻る。
また、図6に示すように、コントローラ(16)は、収穫作業モードとして、まず、収穫作業の開始時刻であるか否かを判断する(ステップS12)。コントローラ(16)は、ステップS12において、収穫作業の開始時刻でないと判断すると、ステップS7(図5を参照)へ進み、収穫作業の開始時刻であると判断すると、空調機(12)の設定温度を収穫作業温度に変更する(ステップS13)。さらに、コントローラ(16)は、複数の照明器具(15)を点灯させる(ステップS14)。
なお、収穫作業温度とは、栽培空間(S)において作業する人の快適性を確保する温度であり、例えば、冷房運転中は20℃〜25℃程度、暖房運転中は15℃〜20℃程度に設定される。
次に、コントローラ(16)は、収穫作業の終了時刻であるか否かを判断する(ステップS15)。コントローラ(16)は、ステップS15において、収穫作業の終了時刻でないと判断すると、所定時間経過後にステップS15の判断を繰り返す。一方、コントローラ(16)は、ステップS15において、収穫作業の終了時刻であると判断すると、複数の照明器具(15)を消灯させる(ステップS16)。
その後、コントローラ(16)は、一日の栽培空間(S)の温度の履歴から設定温度を算出する(ステップS17)。そして、コントローラ(16)は、算出した温度を設定温度とし(ステップS18)、ステップS7へ進む。
〈遮熱フィルムの開閉制御〉
コントローラ(16)は、図3に示すように、栽培空間(S)が遮光カーテン(11)によって閉鎖されない昼間の状態で、農業ハウス(1)内の日射量(ハウス内日射量)が所定の植物要求日射量よりも高く且つ農業ハウス(1)内の温度(ハウス内温度)が換気扇動作温度以上である場合と、栽培空間(S)が遮光カーテン(11)によって閉鎖された夜間の状態で、ハウス内日射量が有り且つハウス内温度が夜間目標温度以上である場合と、栽培空間(S)が遮光カーテン(11)によって閉鎖された夜間の状態で、ハウス内日射量が無く且つハウス内温度が夜間目標温度未満である場合とに遮熱フィルム(13)を閉じ、それ以外の場合には開けるように遮熱フィルム(13)の動作を制御する。
つまり、夏季の昼間には、ハウス内温度が換気扇動作温度(25℃)以上であって、栽培植物が要求する日射量以上の日射が農業ハウス(1)内に射し込む場合がある。このような場合には、ハウス内温度が更に上昇するおそれがあるため、遮熱フィルム(13)が閉じられる。これにより、農業ハウス(1)内の栽培空間(S)への太陽光の透過が抑制され、栽培空間(S)への太陽光の入射による温度上昇が抑制される。
また、夏季の朝、夕には、ハウス内温度が換気扇動作温度(25℃)以上となる場合がある。このような場合であって栽培空間(S)が夜間の状態の際には、空調機(12)の冷房負荷が増大するおそれがあるため、遮熱フィルム(13)が閉じられる。これにより、農業ハウス(1)内への太陽光の透過が抑制され、ハウス内温度の上昇が抑制されるため、空調機(12)の冷房負荷の増大が抑制される。
さらに、ハウス内日射量が無い日没後であって栽培空間(S)が夜間の状態の際には、ハウス内温度が夜間目標温度未満となる場合がある。このような場合には、放射冷却によってハウス内温度が低下して栽培空間(S)の温度が所望の温度よりも低下するおそれがあるため、遮熱フィルム(13)が閉じられる。これにより、農業ハウス(1)の内外間の熱伝達が抑制されるため、ハウス内温度の低下が抑制され、栽培空間(S)の温度低下が抑制される。一方、日没後の栽培空間(S)が夜間の状態の際に、ハウス内温度が夜間目標温度以上となる場合には、遮熱フィルム(13)を開け、放射冷却を利用してハウス内温度を低下させることによって、栽培空間(S)の温度を低下させることができる。
このように遮熱フィルム(13)の開閉動作が制御されることにより、一年中、栽培空間(S)が栽培植物(イチゴ)の苗段階から収穫段階までの成長に応じた環境となる。
〈噴霧装置の噴霧動作の制御〉
コントローラ(16)は、図4に示すように、栽培空間(S)が遮光カーテン(11)によって閉鎖されない昼間の状態で、ハウス内温度が所定の換気扇動作温度よりも高く且つ農業ハウス(1)内の湿度が所定の上限湿度以下である場合に噴霧装置(14)によって霧状の水分を噴出させ、それ以外の場合には動作しないように噴霧装置(14)の動作を制御する。
つまり、夏季の昼間には、ハウス内温度が換気扇動作温度(25℃)よりも高くなる場合がある。このような場合には、換気扇(5)が動作するが、換気扇(5)だけでは栽培空間(S)の温度上昇が抑制されず、栽培植物(イチゴ)の生育に適した温度を超えて栽培植物の成長を阻害するような高温になるおそれがある。そこで、ハウス内温度が換気扇動作温度(25℃)よりも高くなると、噴霧装置(14)によって霧状の水分が噴出される。これにより、霧状の水分が気化することによって、農業ハウス(1)内の空気が冷却されるため、栽培空間(S)の温度が低下する。
このように噴霧装置(14)の噴霧動作が制御されることにより、一年中、栽培空間(S)が栽培植物(イチゴ)の苗段階から収穫段階までの成長に応じた環境となる。
−栽培方法−
上記農業ハウス(1)の栽培空間(S)では、コントローラ(16)により、一年を通して遮光カーテン(11)の開閉動作が制御されると共に、遮光カーテン(11)によって閉鎖された際に、常に空調機(12)が運転される。
遮光カーテン(11)の開閉動作を切り換えると、栽培空間(S)の日長(昼間の長さ)が人工的に調節される。一方、空調機(12)の運転動作を切り換えると、栽培空間(S)の温度(栽培植物の温度環境)が人工的に調節される。つまり、遮光カーテン(11)と空調機(12)の動作を切り換えることによって、季節毎に変化する日長及び温度環境が人工的に調節される。
このように、上記農業ハウス(1)の栽培空間(S)では、栽培空間(S)の日長を一年を通して遮光カーテン(11)によって調節すると共に、該遮光カーテン(11)によって閉鎖された栽培空間(S)の温度を常に空調機(12)によって調節し、そのような環境下で植物の栽培が行われる。これにより、栽培植物は、一年中、栽培段階から収穫段階までの成長に応じた環境(日長、温度)下で栽培される。このような栽培方法を採用しているため、上記農業ハウス(1)では、単一の栽培空間(S)において、一年中、植物の促成栽培が行われる。
−実施形態の効果−
以上より、本空調システム(10)によれば、栽培空間(S)が栽培植物の苗段階から収穫段階までの成長に応じた環境となるように、遮光カーテン(11)によって一年を通して日長を調節すると共に、遮光カーテン(11)によって閉鎖された夜間の状態の栽培空間(S)の温度を常に空調機(12)によって制御することとした。そのため、単一の栽培空間(S)において、一年中、植物の促成栽培を行うことができる。つまり、花芽分化の誘引のみを行った後に、その後の促成栽培のために他の施設に定植する必要がなく、1つの栽培空間(S)において促成栽培の最初から最後まで(例えば、育苗から収穫まで)を行うことができる。よって、一年のうちで、空調システム(10)を使用せずに放置する時期がなく、空調システム(10)を有効に用いることができる。これにより、空調システム(10)を用いた促成栽培における栽培コストを低減すると共に植物の栽培が可能な期間を延長することができる。
また、本空調システム(10)によれば、栽培空間(S)を、一年中、栽培植物の苗段階から収穫段階までの成長に適した環境に制御することができるため、収穫される植物の収量と品質(大きさ、味、成分等)の向上を図ることができる。
さらに、本空調システム(10)によれば、遮光カーテン(11)によって閉鎖された栽培空間(S)のみを空調機(12)によって空調することとした。つまり、遮光カーテン(11)によって空調を行う空間を制限することとした。これにより、空調負荷を低減することができるため、空調システム(10)の省エネルギー化を図ることができる。
ところで、盛夏には、太陽光の入射によって栽培空間(S)の温度が著しく上昇する。そのため、栽培空間(S)の温度が著しく高くなる盛夏には、栽培空間(S)の温度が栽培植物の生育に適した温度を超え、栽培植物の成長を阻害するような高温になるおそれがあった。また、このように盛夏には、太陽光の入射によって栽培空間(S)の温度が著しく上昇するため、日中に遮光カーテン(11)で栽培空間(S)を閉鎖して空調機(12)で冷房を行う所謂夜冷処理が、能力及びコストの両面から困難であった。
これに対し、本空調システム(10)によれば、栽培空間(S)が栽培植物の苗段階から収穫段階までの成長に応じた環境となるように、遮熱フィルム(13)の開閉動作を制御することとした。これにより、栽培空間(S)の温度が著しく高くなる際には、遮熱フィルム(13)を閉じることによって栽培空間(S)への太陽光の入射を抑制することができるため、栽培空間(S)の温度上昇を抑制することができる。よって、本空調システム(10)によれば、栽培空間(S)の温度が著しく高くなる盛夏であっても、栽培空間(S)の温度を栽培植物の生育に適した温度に調節することができる。これにより、所謂夜冷処理を行うことができる。従って、空調システム(10)を一年中使用することができるため、空調システム(10)を用いた促成栽培における栽培コストを低減すると共に植物の栽培が可能な期間を延長することができる。
また、本空調システム(10)によれば、栽培空間(S)が栽培植物の苗段階から収穫段階までの成長に応じた環境となるように、噴霧装置(14)の運転動作を制御することとした。これにより、栽培空間(S)の温度が著しく高くなる際には、噴霧装置(14)から霧状の水分が噴出されて遮熱フィルム(13)と栽培植物との間の空気を冷却することができるため、栽培空間(S)の温度を低下させることができる。よって、本空調システム(10)によれば、栽培空間(S)の温度が著しく高くなる盛夏であっても、栽培空間(S)の温度を栽培植物の生育に適した温度に調節することができる。これにより、所謂夜冷処理を行うことができる。従って、空調システム(10)を一年中使用することができるため、空調システム(10)を用いた促成栽培における栽培コストを低減すると共に植物の栽培が可能な期間を延長することができる。
また、本空調システム(10)によれば、既設の農業ハウス(1)に、遮光カーテン(11)、空調機(12)及びコントローラ(16)を付け加えるだけで、一年中植物の促成栽培を行うことができる空調システム(10)を容易に構成することができる。
また、本空調システム(10)によれば、コントローラ(16)が、栽培空間(S)の温度を作業に適した温度に調節可能に構成されているため、栽培作業を行う作業者の負担を軽減することができる。
《その他の実施形態》
上記実施形態では、遮光カーテン(11)は、アルミ箔によって形成されていたが、遮光可能であればいかなるものであってもよい。例えば、遮光カーテン(11)は、アルミ箔とポリエチレンとの多層フィルム等によって構成されていてもよい。
また、上記実施形態では、遮光カーテン(11)は、アルミ箔によって形成されていたが、遮光カーテン(11)を、例えば、暗幕と、断熱性を有する材料で構成された透明のカーテンとを用いて二重構造としてもよい。その場合、例えば、暗幕は、上記実施形態の遮光カーテン(11)と同様に開閉を制御することで上記実施形態と同様に日長を調整することができる。一方、透明カーテンは、暗幕が閉じられた夜間の状態の際に同時に閉じることで、栽培空間(S)の断熱性を向上させることができる。また、透明カーテンを、暗幕が開けられた昼間の状態であって暗幕内のCO濃度が農業ハウス(1)内のCO濃度よりも高い場合に閉じることとする。これにより、夜間に植物が吐き出した高濃度のCOを光合成に利用することができ、植物の成長をより促進することができる。さらに、収穫作業中にCO濃度が人体に影響を与える程に高いときには、警告を出して透明カーテンを開けることとしてもよい。
また、上記実施形態では、栽培植物の周辺の空気を冷却する冷却装置として霧状の水分を噴霧する噴霧装置について説明していたが、本発明に係る冷却装置はこれに限られず、気化潜熱を利用して栽培植物の周辺の空気を冷却可能なものであればいかなるものであってもよい。例えば、冷却装置は、パッド・アンド・ファン方式のものであってもよい。
また、上記実施形態では、光合成光量子センサ(34)によって光合成光量子束密度を検出し、該検出値をハウス内日射量としてコントローラ(16)へ出力していたが、ハウス内日射量の検出に、光合成光量子センサ(34)の代わりに日射量センサを用いてもよい。なお、日射量センサを用いる場合、上記実施形態における植物要求日射量を、栽培植物の光合成能力が上限に達するような日射量とする。
また、上記実施形態では、栽培空間(S)においてイチゴを栽培することとしていたが、該空調システム(10)の用途はこれに限られない。例えば、空調システム(10)を用いて栽培空間(S)における日長と夜間の状態の温度を制御することにより、イチゴの他、ホウレンソウ、トマト、キャベツ、レタス等の促成栽培を行うことも可能である。
また、上記実施形態では、栽培空間(S)の温度を作業に適した温度に調節する作業モードとして、収穫期に実行される収穫作業モードについて説明したが、本発明に係る作業モードはこれに限られず、例えば、所定期間毎に行われる点検作業等であってもよい。
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
以上説明したように、本発明は、空調機を用いて植物栽培空間の環境を制御する空調システム及び栽培方法に有用である。
1 農業ハウス
10 空調システム
11 遮光カーテン(遮光部材)
12 空調機
13 遮熱フィルム(透過抑制部材)
14 噴霧装置(冷却装置)
16 コントローラ(制御部)
S 栽培空間

Claims (6)

  1. 植物が栽培される複数の栽培ユニット(4)が設置された栽培空間(S)を開閉自在に一体的に覆い、上記栽培空間(S)の日長を調節する遮光部材(11)と、
    上記栽培空間(S)の温度を調節する空調機(12)と、
    上記栽培空間(S)が常に栽培植物の苗段階から収穫段階までの成長に応じた環境となるように、一年を通して上記栽培空間(S)の日長を上記遮光部材(11)によって制御すると共に、上記遮光部材(11)によって閉鎖された上記栽培空間(S)の温度を常に上記空調機(12)によって制御する制御部(16)とを備えている
    ことを特徴とする植物栽培空間の空調システム。
  2. 請求項1において、
    気化潜熱を利用して上記栽培植物の周辺の空気を冷却する冷却装置(14)を備え、
    上記制御部(16)は、上記栽培空間(S)が栽培植物の苗段階から収穫段階までの成長に応じた環境となるように、上記冷却装置(14)の運転動作を制御するように構成されている
    ことを特徴とする植物栽培空間の空調システム。
  3. 請求項1又は2において、
    上記遮光部材(11)の外側を開閉自在に覆い、太陽光の透過を抑制する透過抑制部材(13)を備え、
    上記制御部(16)は、上記栽培空間(S)が上記栽培植物の苗段階から収穫段階までの成長に応じた環境となるように、上記透過抑制部材(13)の開閉動作を制御するように構成されている
    ことを特徴とする植物栽培空間の空調システム。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1つにおいて、
    上記遮光部材(11)は、農業ハウス内に設けられている
    ことを特徴とする植物栽培空間の空調システム。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1つにおいて、
    上記制御部(16)は、上記栽培空間(S)の温度を作業に適した温度に調節する作業モードが実行可能に構成されている
    ことを特徴とする植物栽培空間の空調システム。
  6. 植物の苗段階から収穫段階までを1つの栽培空間(S)において育成させる栽培方法であって、
    上記栽培空間(S)の日長を一年を通して遮光部材(11)によって調節すると共に、
    上記遮光部材(11)によって閉鎖された上記栽培空間(S)の温度を常に上記空調機(12)によって調節する
    ことを特徴とする栽培方法。
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