JP3562811B1 - 移動式仮設トイレ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 左右側面部1a,1dと、背面部1eと、扉を備えた前面部1bと、上面部1cとから構成されるボックスとこのボックスの内部に設けられた便器と便槽とを有する移動式仮設トイレ1において、前面部1bは扉3の上部に鴨居が設けられておらず、前面部1b上部と左右側面部1a,1d上部と背面部1e上部によって形成される第1の框とこの第1の框に対応して上面部1cによって形成される第2の框との間にこれらの框を架橋する伸縮機構を備え、第2の框から垂設され伸縮機構によって伸縮開閉する蛇腹状のルーフ部2を備え、このルーフ部2のうち扉3上部に垂下するルーフ部2aは暖簾状に切込みが形成されているものである。
【選択図】 図1
Description
このため、従来では電話ボックス式の可搬式トイレをトラックの荷台に積んで現場まで運搬し、トラックの荷台から下ろして現場近くにこれを仮設して使用していた。
しかしながら、電話ボックス式の可搬式トイレは重量が重く現場近くに仮設する際にはクレーン等を用いて積み下ろししなければならない。また、この可搬式トイレを別の場所に設置する場合には再びクレーン等を用いてトラックの荷台に載置しなければならず設置作業及び運搬作業に手間が生じるという課題があった。
さらに、電話ボックス式の可搬式トイレは縦長であるためトラックで運搬する際には安定性の面から横に倒して載置運搬していたが、このような運搬方法では便器内の汚物や給水タンク内の水が可搬式トイレ内に散乱したり悪臭を放つ可能性があり衛生上好ましくないという課題があった。これにより、清掃の手間も生じるためメンテナンスに時間や費用がかかるという課題があった。
例えば、特許文献1には、「移動式仮設トイレ」という名称で、機動性に優れ運搬コストがかからない移動式仮設トイレに関する発明が開示されている。
特許文献1に開示された移動式仮設トイレは、側面に扉が取り付けられた高さを変えることのできる部屋と、これを搭載し車道を走行できる車輪と牽引アームとを備えた台車とから構成され、部屋の中間位置より上部あるいは全体を可撓性シートで形成した伸縮自在なテント部としたものである。また、部屋の高さを高くした場合の可撓性シート、つまり、テント部の形状保持は、可撓性シートの四隅に設けられる棒状の骨材とこの骨材から部屋の中間位置に向けて斜めに架橋しているヒンジアームによって行われている。さらに、部屋の扉に連設されるテント部の扉はファスナー等によって開閉可能な構造となっている。
このような構造により、移動式仮設トイレを運搬する際には部屋の伸縮部分を部屋内に収納して運ぶことで仮設トイレのコンパクト化を向上させることができるとともに、車道走行中に受ける風圧を少なくして運搬中に移動式仮設トイレが転倒するのを防止することができる。もって、走行中の安全性を向上させることができる。加えて、従来の電話ボックス式の仮設トイレに比べて重量が軽く、しかも、仮設トイレである部屋は移動可能な台車に搭載されているため、運搬作業が容易であるという効果がある。また、移動式仮設トイレを使用する場合には台車を任意の場所に留めて部屋内に収納されているテント部を起こして部屋の高さを高くするという容易な作業で仮設トイレを設置することで使用できる。なお、トイレの便槽は部屋と台車との間に設けられている。
図8(a)に示すように、特許文献1のトイレットカーは軽貨物自動車27の運転者室34の後部に設けられた貨物室28内に便器39、手洗器40、ハイタンク式給水タンク42、カウンター36及び収納室37等からなる水洗式のトイレットが収納されたものである。また、貨物室28の屋根は一部を開口してこの開口部に冠装する昇降屋根32が備えられており開口部と昇降屋根32との間を防水性幕布31で連繋した構造となっている。加えて、防水性幕布31はリンク機構33によって伸縮自在に設けられている。図8(a)中では逆L字形かまち30が開口部に相当し、符号29は固定屋根である。
このような構造により、トイレットを使用しない軽貨物自動車27走行時には昇降屋根32を下ろした状態、すなわち、昇降屋根32と固定屋根29が略同一面を形成する状態にして走行することが可能であるため、自動車の規制高さを保持した状態で走行することができる。また、工事現場等でトイレを使用する場合には軽貨物自動車27を所望の場所に停車し昇降屋根32を上部へ上げて貨物室28内のトイレットを使用する。通常の昇降屋根32を下げた状態では昇降屋根32が固定屋根29と同じ高さであるため、貨物室28内のトイレットを使用しようとすると貨物室28内を前傾姿勢で移動しなければならず不具合が生じるが、昇降屋根32を上方へ上昇させることによって貨物室28内の天井の高さを高くすることができ楽な姿勢でトイレットを使用することができる。
加えて、軽貨物自動車27自体にトイレが備え付けられた構造であるため、従来の電話ボックス式の仮設トイレのような積み下ろし作業を行う必要性がないとともに、積み下ろしによる仮設トイレの破損を生じる可能性も削減されるという効果もある。符号38,41,43は壁面、水洗配管及び換気扇である。
図8(b)に示す現場サポートカー44は図8(a)に示す特許文献2のトイレットカーと同様に運転席後部の貨物室内に簡易トイレを設け、かつ、貨物室の屋根の一部が伸縮及び開閉可能なポップアップルーフ部45を備えたものであり、貨物室の後部にさらに標示板収納部52及び工事用電光標示板53a,53bを設けたものである。図8(b)において荷室部50、カバー47、ルーフ部50a及びガスダンパー49は図8(a)中の貨物室28、防水性幕布31、固定屋根29及びリンク機構33に相当する。また、ポップアップルーフ部45の開閉は特許文献2のトイレットカーと同様に手動で行われ、貨物室28内の簡易トイレを使用しない場合あるいは現場サポートカー44を走行させる場合には把手46を手で下方に引き下げてポップアップルーフ部45を閉じロック金物48で昇降屋根32を固定屋根29と同平面に固定する。反対に荷室部50内の簡易トイレを使用する場合には把手46を手動で方に押し上げることによってカバー47を広げて使用する。これにより、特許文献2と同様に走行中の車の規制高さの保持することができるとともに、不具合を生じることなく簡易トイレを使用することができるという効果がある。
加えて、現場サポートカー44の荷室部50の背面部50cには標示板単体54a,54bを介して左右の工事用電光標示板53a,53bが設けられており、標示板単体54a,54bは蝶番55a,55bを軸に回動可能な構造となっている。このため、荷室部50内のトイレを使用する場合あるいは現場で工事を行う際に現場サポートカー44を路上に駐車する場合には、左右の工事用電光標示板53a,53bを背面部50cに表示して周囲の交通の妨げを最小限にとどめることができるという効果がある。また、トイレを使用しない場合や工事用電光標示板53a,53bを使用しない場合には蝶番55a,55bを軸として標示板単体54a,54bを回動させ標示板単体54a,54b上の工事用電光標示板53a,53bを標示板収納部52内に収納することもできる。符号50bは荷室部50の側面部であり、扉51が設けられている。
特許文献4の自動車用伸縮ボディは上下方向への長さを可変することのできるコンテナ状のボディであり、内箱部と、これに覆設する外箱部と、これらを連結する連結部と、内箱部に対して外箱部を上下方向に移動させる駆動部から構成されている。また、このような自動車用伸縮ボディの内部には、簡易トイレ等が収容されており、この内箱部と外箱部に連設されたドアが設けられている。このため、自動車停車時には油圧を利用した駆動部により外箱部を上方へ移動させることによって自動車用伸縮ボディの高さを高くして様々な用途の仮設施設として使用することができる。例えば、簡易トイレ、シャワー室や更衣室等の簡易施設、たこ焼きやお好み焼き等の調理販売車及び移動販売車、移動図書館、キャンピングカー、放送中継車や医療検診車などとして利用することが可能である。加えて、走行時には外箱部を再び下方へと移動させて内箱部に重ね特許文献2及び特許文献3と同様に規制高さに不具合を生じない高さにすることができる。
上記構成の移動式仮設トイレにおいては、上面部がルーフ部によって伸縮開閉可能な構造とすることで移動式仮設トイレ利用時には伸縮機構を用いて上面部を開き移動式仮設トイレの高さを高くするという作用を有するとともに、移動式仮設トイレを使用しない場合あるいは移動式仮設トイレ運搬時には上面部を閉じて移動式仮設トイレの高さを低くしてコンパクト化するという作用を有する。また、移動式仮設トイレ前面部の扉上部に鴨居を設けずルーフ部のうちの扉上部に垂下するルーフ部を暖簾状に切込みを形成した構造とすることで移動式仮設トイレの高さが高くなると同時に扉の開閉空間の高さも高くなるという作用を有する。第1の框と第2の框との間にルーフ部を設けることによっては雨天時の移動式仮設トイレ内への雨の降り込みを防止するという作用を有する。
さらには、移動式仮設トイレは左右側面部、背面部及び前面部のうちいずれかをボルトやナット等の固定具で運搬車に固定することによって運搬車の荷台に載置されるものであるため、運搬車走行時や移動式仮設トイレ使用時の移動式仮設トイレの安定性を保つという作用を有する。加えて、特許文献2乃至特許文献4のように運搬車自体を改造する必要性がないという作用を有する。
上記構成の移動式仮設トイレにおいては、係止部のロックを解除することによって上面部を開きロープ状の接続部を手繰り寄せることによって上面部を閉じるという作用を有する。また、ロープ状の接続部を手繰り寄せる長さを調節することによって上面部の開閉角度を調節可能とするという作用を有する。
図1に示す移動式仮設トイレ1はパネル1aによって構成される左側面部と、図示されない右側面部と、パネル1bによって構成される前面部と、図示されない背面部と、パネル1cによって構成される上面部とからなるボックス式の仮設トイレであり、トラック11等の荷台に載置固定して運搬あるいは利用するものである。
符号4a,4bは、移動式仮設トイレ1をトラック11に固定するためのつまみナット、符号5a,5bはL字型金具、符号12a,12bはボルトである。また、左側面部のパネル1a、右側面部、前面部のパネル1b及び背面部それぞれの上部によって形成される框(以下、第1の框と呼ぶ。)と、上面部のパネル1cの框(以下、第2の框と呼ぶ。)との間にはパネル1cの開閉のための伸縮機構が備えられており、また、第2の框には、可撓性の防水シートで形成された蛇腹状のルーフ2が設けられており、このルーフ2の伸縮も先の伸縮機構による。
さらには、第1及び第2の框の縁部にはロープ係止部材9a,9bが具備されておりこれらはロープ10に繋がれているとともに、第2の框縁部に備えられているフック係止部材8がパネル1b壁面に取付けられているフック6によって係止される構造となっている。符号7はレバーであり、レバー7を下方に引っ張るとフック6がパネル1b壁面側に倒れてフック6によって係止されロックがかかり、レバー7を上方へ押し上げるとフック6が図1に示す状態となりロックが解除される仕組みである。
パネル1cが閉じている場合の移動式仮設トイレ1の高さはトラック11の走行中の規制高さを超えない高さでありトイレ使用者が起立している状態よりも低い高さであるが、パネル1cを開くことによってトイレ使用者が立った状態でも楽に移動式仮設トイレ1内を移動できるようになる。
加えて、特許文献2や特許文献3の発明においてはトイレ利用者が貨物室等に入室するための扉の上に鴨居がある構造であったが、図1に示すとおり本発明の移動式仮設トイレ1のドア3の上部には鴨居がない構造であり代わりにドア3上部に垂下するルーフ2の部分に複数の切込みが形成されており暖簾2aになっている。このため、トイレ利用時にはトイレ利用者はドア3を開け立ったままの姿勢で頭を下げたり前傾姿勢となることなく移動式仮設トイレ1内にスムーズに入ることができる。よって、入室時の不具合を解消することができる。
なお、図1ではパネル1cが斜めに開く構造としたがパネル1c全体が上下に伸縮する構造としてもよい。このような構造においてはよりコストがかかるものの移動式仮設トイレ1内の空間をより広くすることができる。
図2は簡易トイレを収容した本発明の実施の形態に係る移動式仮設トイレの概念図である。図2において、図1に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
図2中では図示しなかったが、簡易トイレ13内には図2で説明したもの以外にペーパーホルダー25が具備されている。また、移動式仮設トイレ1は図3に示すように前面部のパネル1bにドア3が設けられ、上面部であるパネル1c(図示せず)が開閉可能であるパネル1a〜1eによって構成されるボックスの中にユニット式の簡易トイレ13を収容したものである。この簡易トイレ13はユニットタイプであるため、それ自体が壁13aによって囲まれる構成となっているため、ドア3の部分以外は2重構造となっている。
このパネル1a〜1eによって構成されるボックスをトラック11の荷台に固定することによって、市販の壁付のユニット型の簡易トイレ13をトラック11の荷台上のボックスに収容して載置固定するため、簡易トイレ13を直接固定する必要がない。簡易トイレ13の交換は、ボックスをトラック11の荷台から取外すことによって容易に行うことができる。
このような構造においては簡易トイレ13を使用者の希望や用途に応じたタイプの簡易トイレ、化粧室やシャワー室等に取り替えることができるとともに、移動式仮設トイレ1が不要な場合には容易に取外して普通のトラック11として使用することができる。これにより、移動式仮設トイレの運搬車を改造する必要がないため、移動式仮設トイレの製造コストを削減することも可能である。
図4に示す換気口15、排気管16は図2中に示した換気口15及び排気管16と同様のものであり、これらによって簡易トイレ13内の排気と換気が行われている。また、符号26は太陽電池であり、図2中簡易トイレ13内に取付けられている照明器具17の点灯は太陽電池26に蓄えられた太陽エネルギーを利用したものである。
図5は簡易トイレ13を使用している状態の移動式仮設トイレ1をトラック11の後部から見た状態を示すものである。簡易トイレ13不使用時の移動式仮設トイレ1の状態については図7で説明する。
移動式仮設トイレ1を使用する場合にはまずトラック11を工事現場等の適当な位置に停車させてトラック11の荷台の後部を開き、荷台に昇降できるように踏み台等を設置する。そして、レバー7を上方へ押し上げてフック6をフック係止部材8から解除する。すると、ダンパー14の伸縮機構によってパネル1cが上方へと持ち上げられ移動式仮設トイレ1の高さが高くなる。パネル1cはロープ10が伸びきる位置まで開き、その開度は伸縮機構による付勢とロープ10による抑制のバランスを保ちながら固定される。これが図5に示す状態である。前述したとおりこのような状態においては楽な姿勢で移動式仮設トイレ1内の簡易トイレ13を使用することができる。
図6に示すように移動式仮設トイレ1を使用する状態でドア3を開くとドア3上部に相当するルーフ2部分が暖簾2aになっている。通常、パネル1bの高さは運搬車の高さの規制によりトイレ利用者の身長よりも低く設けられているため、特許文献2や特許文献3の発明のようにドア3の上部に鴨居が設けられている場合やルーフ2がドア3上部まで覆っている形状の場合には移動式仮設トイレ1内にトイレ利用者が入室する際に利用者の頭等に対してルーフ2が障害となるという不具合が生じる。
しかしながら、図6に示すようにルーフ2の一部に複数の切込みを入れて暖簾2aとすることでトイレ利用者は鴨居等に頭を当てることなくスムーズに移動式仮設トイレ1内に入ることができる。また、暖簾2aはドア3上部に当接する形状よりも長くドア3の開口部の一部を覆うように設けられているため、ドア3を閉めている状態であれば降雨時でも風で暖簾2aが捲り上げられることはなく雨の降り込みを最小限にとどめることができる。
また、ルーフ2全体としても全開時に第1の框部分よりも長く形成させて、パネル1a〜1eで構成されるボックスと、そのボックス内に収容される簡易トイレ13自体の壁13a(図3に図示)の間隙に垂下させることによってトイレの全周に亘って雨の降り込みを抑制することもできる。また、簡易トイレ13の壁13aとパネル1a〜1eを一体に設ける場合には外側に垂下させることによって雨の降り込みを防止するとよい。なお、ルーフ2の下端は第1の框に固定して完全に蛇腹状にしてもよい。
トラック11を適当な場所に停車して移動式仮設トイレ1内の簡易トイレ13を利用する場合には図1及び図2、図4乃至図6に示すようにパネル1cを開いた状態にしておいたが、トラック11で移動式仮設トイレ1を他の場所へ移動させる場合には図7に示すように移動式仮設トイレ1のパネル1cを閉じた状態にする。これはトラック11走行時に受ける風圧を極力抑えるという目的と走行中の高さ規制を守るという目的によるものである。移動式仮設トイレ1を図7に示す状態にするにはまずロープ10を手繰り寄せルーフ2を圧縮しながらパネル1cをパネル1b等の上部からなる第1の框と符合させる。そして、この状態でレバー7を下方へ引っ張ってフック6をフック係止部材8に係止させる。最後に、トラック11の荷台の後部を起こす。これが図7に示す状態である。移動式仮設トイレ1運搬時に図7に示すような形態にすることによっては、安全な状態で移動式仮設トイレ1を運搬することができるという効果がある。
Claims (2)
- 左右側面部と、背面部と、扉を備えた前面部と、上面部とから構成されるボックスとこのボックスの内部に設けられた便器と便槽とを有する移動式仮設トイレにおいて、前記前面部は前記扉の上部に鴨居が設けられておらず、前記前面部上部と前記左右側面部上部と前記背面部上部によって形成される第1の框とこの第1の框に対応して上面部によって形成される第2の框との間にこれらの框を架橋する伸縮機構を備え、前記第2の框から垂設され前記伸縮機構によって伸縮開閉する蛇腹状のルーフ部を備え、このルーフ部のうち前記扉上部に垂下するルーフ部は暖簾状に切込みが形成されていることを特徴とする移動式仮設トイレ。
- 前記第1の框に一の端部を前記第2の框に他の端部を接続されるロープ状の接続部と前記第1の框と第2の框を解除可能に係止する係止部とを備えるルーフ部開閉装置を有することを特徴とする請求項1に記載の移動式仮設トイレ。
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