JP3562473B2 - 画質評価装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、テレビ放送受信機能や映像再生機能を持ちあるいは映像分配伝送系の供試機器に外部より妨害が加わった時の画像障害等を判断する画質評価装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
テレビ受信機などのビデオ信号を扱う機器のイミュニティ試験の国際規格として国際無線障害特別委員会が定めたCISPR20があり、具体的な規制例として欧州規格標準化委員会が定めたEN55020がある。他国でも良く似た規格が制定されている。これらの規格は、供試機器の外部より受信放送局以外の放送電波や妨害電波、強電界、妨害電圧、妨害電流を加えても供試機器のビデオ信号が妨害を受けにくく、テレビ画面には正常な画面が映ることを目的にしている。この評価に影響を与える要因は数多くあり、室内照明やテレビ画面の解像度、大きさ、明るさ等の他に測定距離も規定され、目視による検査法で定義されている。この目視による画質評価は、予想もしていないようなさまざまな画像障害を確認することが出来るという特徴がある。
【0003】
ところで一般的に妨害を加えていない場合の数値的な画質評価の方法がある。供試機器からビデオ信号を出力して、そのテレビ画像になる部分の映像のみを取り出してビデオS/Nを測定し、そのS/N値の大きさで画質評価を下す方法である。映像部ノイズは最終的にはビデオルミナンスノイズと、クロミナンスノイズのAMノイズやPMノイズの三つの要素に分解される。したがって画質評価はその三種類のビデオS/Nを測定すれば出来る。例えば図6に従来のビデオS/N測定に用いるビデオ信号図を示す。ビデオルミナンスノイズのS/Nを測定する場合は、供試機器に図6(a)の白信号を出力させて映像部の白レベルに乗るノイズを分離増幅し、その実効電圧を測定して白レベル振幅電圧に対するノイズの電圧比という形でS/Nを求める。クロミナンスノイズのAMノイズやPMノイズのS/Nを測定する場合は、供試機器に図6(b)の一色カラー信号を出力させて、出力のクロミナンス信号に計測器の内部発振器を位相ロックさせ、AMノイズの場合は振幅ノイズ成分、PMノイズの場合は位相変動ノイズ成分を分離増幅し、その実効電圧を測定して出力のクロミナンス信号に対する電圧比という形でS/Nを求める。このように一般に機器を評価する時に、三つの要素のノイズ分析をして弱いところを調べて画質向上を図る手法がある。
【0004】
また近年ビデオ信号がデジタル化され、圧縮伸張された符号化処理画像の画質評価装置の技術が知られるようになった。これは圧縮伸張処理前後の同一画素間の情報の変質比較を行う。例えば、原画像と符号化処理画像を符号化処理時と同じ複数のブロックに分割して、個々のブロック毎に劣化画質の変化量を算出する方法がある。また例えば、デジタルビデオ磁気テープ記録再生機で再生された信号とデジタルビデオ原信号間のエラー検出と、その解析による評価方法がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら従来のテレビ画面の目視による画質評価は、検査する人の主観評価で結果が左右されるという問題点を有していた。例えばテレビ画面に映し出された鮮やかなカラーバーが、妨害の影響を受けているかどうかを評価する場合をあげる。ほとんどの人が画面を見て問題が無いと思っても、注視を続けると薄墨の透明な膜がカラーバーの表面に部分的に漂っているのが見えたりする。画面上で幾本かの縦あるいは斜めの直線が大きな時間周期で平行に左右に速度を変えて移動し、静止状態に近付いて初めて直線ノイズの存在に気づいたりする場合がある。カラーバー自体の縦縞画面に妨害ノイズが隠れて見落としが発生する場合もある。あるいは供試機器が発生する固有のノイズが妨害ノイズと並存して見える場合は、妨害ノイズが消える妨害の強さの条件を求める際にその見える固有ノイズに邪魔されて誤判断をしてしまうこともある。このような諸問題に加えて、さらに供試機器に外部より加える妨害周波数の選び方が複雑に結果に影響をする。例えば規格に基づき、ある連続した妨害周波数間での振幅変調による妨害周波数の画質評価をする場合、加える妨害周波数を無限に細かく変化させ測定することは出来ない。すなわち細かい周波数ステップで変化させると、その個々の妨害周波数毎に測定するために細かさに反比例して長い検査時間が必要になる。現実には検査する人の経験上の判断で、測定する妨害周波数や、変化させる妨害周波数ステップを決めている。したがって妨害耐性の能力は充分あると判断した供試機器においても、測定した二つの妨害周波数の間に、評価確認漏れの妨害耐性の非常に悪い部分が潜む可能性もある。このような見落としも本来あってはならないが、完全に否定できない。
【0006】
また目視による画質評価ではなく、妨害を供試機器の外部より加えてビデオS/N値の大きさで画質評価をする方法や、近年のデジタル技術の応用としての画質評価においても、ある連続した妨害周波数間での振幅変調による妨害周波数の画質評価をする場合、同様に測定した二つの妨害周波数の間に、評価確認漏れの妨害耐性の非常に悪い部分が潜む可能性がある。
【0007】
本発明は上記の連続した妨害周波数間の評価確認漏れによる見落としが発生しにくい客観的な判定手法の開発を目的とする。従って従来の規格で定められた目視による画質評価以上に信頼性が高い画質評価装置が期待できる。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために本発明の画質評価装置は、ビデオ信号が所定の連続した周波数範囲の妨害を外部より加えられる映像を扱う供試機器の出力であり、ビデオ信号を入力し画質評価部分として任意の位置と大きさの選別ゲートを設定して任意の映像部ノイズを出力しさらに選別ゲートから外れる映像部と同期信号部を零出力とする映像部選別手段と、映像部選別手段の出力を入力として分析周波数幅とその解像度に応じて水平走査線を順次に分割して時系列に分析する周波数分析手段と、ビデオ信号を入力し同期信号を検出し周波数分析手段に出力する同期検出手段と、周波数分析手段が複数画面を測定してその内の基準画面の周波数分析結果を水平走査線分割と同順に記録する周波数分析手段の出力にある第一の記録手段と、比較したい毎回の画面の周波数分析結果を水平走査線分割と同順に記録する周波数分析手段の出力にある第二の記録手段と、第一の記録手段と第二の記録手段の出力にあり第一の記録手段の水平走査線と第二の記録手段の水平走査線の相対位置を同期させて特定区間を選びその特定区間内において第一の記録手段と第二の記録手段間の同一各周波数ポイントでの差のスペクトラムの第一演算をしかつ時間方向平均のスペクトラムの第二演算をする比較演算手段と、比較演算手段の出力を入力として調査する周波数全域のノイズ量を求めるノイズ検出演算手段と、さらにノイズ検出演算手段の出力を入力として複数画面を測定する時に全て基準画面と同一の測定条件で所定回数繰り返したノイズ検出演算手段の出力の取り得る分布上限値を定めるかあるいは外部より分布上限値に代わる値に設定可能な機能を持つ判定値設定手段と、基準画面を供試機器の外部より妨害が加えられない画面とし比較する画面を供試機器の外部より妨害を加えられた画面としノイズ検出演算手段の出力と判定値設定手段の出力とを入力して毎回の妨害の影響を判定する画質判定手段と、さらにまた画質判定手段の出力を入力してノイズ検出演算手段の出力が判定値設定手段の出力と同等もしくはそれより大きいならばある条件の下でその差の量に応じて供試機器の外部から加える妨害の強さを変更しノイズ検出演算手段の出力が判定値設定手段の出力以下になったと判定される時には供試機器の外部から加える次の新しい妨害周波数と妨害レベルを含む妨害条件に切り替え測定を継続するプログラム機能を併せ持ち妨害波が振幅変調と周波数変調を重ねた搬送波からなる妨害設定手段を備えた構成を有している。
【0009】
この構成によって、連続的な妨害周波数の全範囲において妨害耐性の評価確認漏れを防ぐことが容易となり、信頼性が従来よりも高い画質評価装置が得られる。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、ビデオ信号が所定の連続した周波数範囲の妨害を外部より加えられる映像を扱う供試機器の出力であり、前記ビデオ信号を入力し画質評価部分として任意の位置と大きさの選別ゲートを設定して任意の映像部ノイズを出力しさらに前記選別ゲートから外れる映像部と同期信号部を零出力とする映像部選別手段と、前記映像部選別手段の出力を入力として分析周波数幅とその解像度に応じて水平走査線を順次に分割して時系列に分析する周波数分析手段と、前記ビデオ信号を入力し同期信号を検出し前記周波数分析手段に出力する同期検出手段と、前記周波数分析手段が複数画面を測定してその内の基準画面の周波数分析結果を前記水平走査線分割と同順に記録する前記周波数分析手段の出力にある第一の記録手段と、比較したい毎回の画面の周波数分析結果を前記水平走査線分割と同順に記録する前記周波数分析手段の出力にある第二の記録手段と、前記第一の記録手段と前記第二の記録手段の出力にあり前記第一の記録手段の水平走査線と前記第二の記録手段の水平走査線の相対位置を同期させて特定区間を選びその特定区間内において前記第一の記録手段と前記第二の記録手段間の同一各周波数ポイントでの差のスペクトラムの第一演算をしかつ時間方向平均のスペクトラムの第二演算をする比較演算手段と、前記比較演算手段の出力を入力として調査する周波数全域のノイズ量を求めるノイズ検出演算手段と、さらに前記ノイズ検出演算手段の出力を入力として前記複数画面を測定する時に全て前記基準画面と同一の測定条件で所定回数繰り返した前記ノイズ検出演算手段の出力の取り得る分布上限値を定めるかあるいは外部より前記分布上限値に代わる値に設定可能な機能を持つ判定値設定手段と、前記基準画面を前記供試機器の外部より妨害が加えられない画面とし比較する画面を前記供試機器の外部より妨害を加えられた画面とし前記ノイズ検出演算手段の出力と前記判定値設定手段の出力とを入力して毎回の妨害の影響を判定する画質判定手段と、さらにまた前記画質判定手段の出力を入力して前記ノイズ検出演算手段の出力が前記判定値設定手段の出力と同等もしくはそれより大きいならばある条件の下でその差の量に応じて前記供試機器の外部から加える妨害の強さを変更し前記ノイズ検出演算手段の出力が前記判定値設定手段の出力以下になったと判定される時には前記供試機器の外部から加える次の新しい妨害周波数と妨害レベルを含む妨害条件に切り替え測定を継続するプログラム機能を併せ持ち妨害波が振幅変調と周波数変調を重ねた搬送波からなる妨害設定手段を備えたことを特徴としたものであり、テレビ画面の水平走査線を順次に周波数分析をして、妨害有無両画面間の水平走査線のスペクトラム変化を求め、調査する周波数全域のそのスペクトラム変化より妨害によるノイズ成分を検出し一個の定量的な数値に変換することにより、その数値の大きさで画像障害の相対画質評価を行ない、妨害周波数が振幅変調のみによるよりも更に周波数変調を重ねることで周波数変移幅離れた近隣の周波数も合わせて妨害耐性の評価確認をして近隣周波数の見落としを防ぎ、画質評価の信頼性を高めることを目的とし、さらに外部より加えた妨害の強さを弱めて妨害を加えていない画質相当レベルにすることにより供試機器の画像障害の生じ易い程度を表す相対画質評価数値を、外部より加える画像障害を引き起こさない最大許容妨害レベルの普遍的な評価数値に置き換えるという作用と、この測定が終了すると前述の妨害耐性の評価確認の見落としを防ぎながら次の新しい妨害周波数を含む妨害条件に切り替え、測定が容易に簡単に進めることができるという作用を有する。
【0011】
以下、本発明の実施の形態について、図1から図14を用いて説明する。
【0012】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における画質評価装置の構成を示すブロック図である。図1において100は外部より妨害を加えられる供試機器である。101は供試機器100内臓のビデオ信号発生部でありビデオ信号を出力する。102は映像部選別手段でありビデオ信号を入力し、分析しょうとする映像部ノイズを出力する。103は周波数分析手段で、映像部選別手段102の出力を入力とし、第一の記録手段104と第二の記録手段105に出力する。107は同期検出手段であり、ビデオ信号を入力して周波数分析手段103に奇数あるいは偶数フィールドの垂直同期信号を出力する。106は比較演算手段であり、第一の記録手段104と第二の記録手段105の出力を入力する。110はノイズ検出演算手段であり、比較演算手段106の出力を入力とする。ノイズ検出演算手段110は切り替え二出力を持つ。供試機器100に外部から妨害が加えられていない状態で複数画面のノイズ検出演算値の分布上限値を測定する場合は、判定値設定手段111に出力する。供試機器100に外部から妨害が加えられていない場合と加えられた場合の相対画質評価数値を測定する場合は、画質判定手段112に出力する。判定値設定手段111は前述の分布上限値あるいは外部よりその分布上限値に代わる任意値を設定して画質判定手段112に出力し、画質判定手段112はその判定値設定手段111からの値を判定レベルとしてノイズ検出演算手段110からの入力を判定する。画質判定手段112の出力に妨害設定手段113の入力が接続され、その値に応じて妨害設定手段113の出力は供試機器100の外部から加える妨害条件の設定をする。以上のように構成された画質評価装置について以下に詳細に述べる。
【0013】
映像部選別手段102は、テレビ画面の画質評価部分に任意の位置と大きさの選別ゲートを設定して、任意の映像部ノイズを出力し、さらに選別ゲートから外れる映像部と同期信号部を零出力にする。ところで映像部選別手段102の映像部ノイズには、ビデオルミナンスノイズと、クロミナンスノイズのAMノイズやPMノイズが選べる。映像部選別手段102の入力信号には、一般の画質評価において前述したように、ビデオルミナンスノイズの場合は図6(a)に示す白信号を入力し、またクロミナンスノイズのAMノイズやPMノイズの場合は、図6(b)に示す一色カラー信号を入力信号に用いる。三つの要素のノイズを確認するために図6(a)と(b)の二つの入力信号が必要になる。しかし実際には上記のような3つのノイズ要素を調査することは、煩雑でその分時間がかかるので避けたい。したがって個別に分離して確認する必要はないので、可能な限りクロミナンスノイズだけの測定を避け、ビデオルミナンスノイズと一緒に測定することで画質評価にかかる時間を削減し、高速化を図りたい。すなわちビデオ信号の入力に、図6(b)に示す一色カラー信号を用い、そのビデオルミナンスノイズを確認するようにする。以下PAL方式と略称するが、PALカラーテレビ方式を用いて説明する。例えば映像部選別手段102には4.43MHzで0.7Vp−pの電圧が0.35Vp−pの電圧の白信号に重畳されて入力される。この映像部選別手段102の出力をビデオルミナンスノイズ設定にすると、何も妨害を受けていない場合は4.43MHzの周波数波形を出力するだけであるが、クロミナンスノイズがあればその一部要素がビデオルミナンスノイズとして混ざり込む。もちろん本来のビデオルミナンスノイズの周波数成分も出力される。したがって映像部選別手段102に図6(b)に示す一色カラー信号を入力に用い、この出力には任意の映像部ノイズを選べるがビデオルミナンスノイズに設定する。また補足的にクロミナンスノイズを測定する必要を感じれば、その時は出力をクロミナンスノイズ設定に切換えて測定することが出来る。こうすることで少なくとも入力信号の切換えの手間が省略でき、また測定の簡素化も図れる効果がある。
【0014】
図2は本発明の実施の形態1における映像部選別手段102の入出力の関係図である。図2(a)は水平走査線単位の図6(b)と同じ一色カラー信号の入力信号を表す。水平ブランキング201の期間は11.8μs〜12.3μsで、202はテレビ画像になる部分の映像部であり、この両者を加えたものが周期64μsの水平走査線を構成する。映像部選別手段102はテレビ画像になる部分の映像部202の一部を切り出してその部分を増幅して図2(b)に見られるように選別映像部ノイズ204を出力し、水平ブランキング201の期間を含む選別外の映像部205は零出力にする。この様にして映像部選別手段102は、テレビ画面のノイズ周波数を検出するのに邪魔になる水平ブランキング201の高い周波数成分および垂直同期信号等を除去する。次段の周波数分析手段103は、フーリエ変換を用いることを特徴とした計測器であり、選別映像部ノイズ204と零出力の選別外の映像部205との複合選別信号210の周波数分析をする。
【0015】
図3は本発明の実施の形態1における周波数分析手段103の読込タイミングと出力データの関係図である。実際にはどのように水平走査線302を分割し、どのように時間的にずらして周波数分析手段103に読み込み分析を繰り返すかを、図3(a)のテレビ画面301を使ってその横に区切り線を並べて表す。テレビ画面301上の分割本数303幅の水平走査線302を読込む。304が水平走査線302の読込ずれ本数である。左のテレビ画面301上の読込ずれ本数304幅だけずらして、次の連続した分割本数303幅の水平走査線302を読込む。先の分割本数303と次の分割本数303の重なっている部分は、同じ水平走査線302のデータを多重使用し、オーバーラップさせる。図3(b)は、周波数分析手段103が読み込み分析を繰り返した結果のデータシートを重ねて表した。最初に測定のデータシートを一番下に敷き、その次のデータシートをその上に積み上げて、測定回数の増加に伴い空間的にデータシートをずらした。
【0016】
ここで横軸が周波数、縦軸がスペクトラムレベルの図3(b)のデータシートを透明なものとして上下、斜めに重ねて時間経過が分かるようにしたものを一般にウォータ・フォール表示と呼ぶ。このような3次元表示として他に、横軸が周波数、縦軸が時間経過で、色あるいは白黒濃淡でスペクトラムレベルの強さを表すスペクトログラム表示もある。勿論時刻を特定すれば、ウォータ・フォール表示でもスペクトログラム表示でも、その時刻の横軸が周波数、縦軸がスペクトラムレベルの周波数分析データが得られる。フーリエ変換アルゴリズムを用いて周波数分析をするFFTアナライザで、上記のウォータ・フォール表示と、スペクトログラム表示が可能な計測器がある。例えばソニー・テクトロニクス社の3056型リアルタイム・スペクトラム・アナライザがある。このような表示を使うと、テレビ画面301の水平走査線上に現れるノイズの時々刻々変化する様子の観察が容易になる。複合選別信号210をこの計測器に入力し、その周波数分析で最適な画質評価をすることが出来る。例えばPAL方式では625本の水平走査線302で1フレームの絵を作る。1秒間に25フレームの絵が切り替わるが、1フレームは奇数と偶数の2フィールドで構成されている。すなわち625本の半分の水平走査線302で粗く2回テレビ画面301を掃引する。これらのフィールドが交互に切り替わる間に、垂直同期信号部が水平走査線302の約25本分の長さで存在して、走査中の水平走査線302がテレビ画面301を下から上に移動する。この間はテレビの通常の映像信号は無い。したがって図3(b)のデータシートの枚数は、垂直同期信号部も含めて1フィールドでは次式で表せる。
【0017】
625/{2×(水平走査線の読込ずれ本数304の数値)}
すなわち周波数分析手段103が、水平走査線302の読み込み分析を上記回数分繰り返す。
【0018】
さらに、このFFTアナライザの基本動作の理解を深めるために使用例を示す。この計測器は、サンプリング周波数が25.6MHzで、時間領域を1,024ポイント、12ビット分解能でデータを読込む。高速フーリエ変換の演算を毎秒12,500回行って、分析周波数幅が0.2MHzスパンの場合は641ポイントの周波数分析データ、分析周波数幅が5MHzスパンの場合は801ポイントの周波数分析データを得る。分析周波数幅が0.2MHzスパンの場合は、PAL方式水平走査線の分割本数303は50本で、水平走査線の読込ずれ本数304を3.125本にすると、テレビ1フィールド分の長さでは、100回分のデータが得られる。この場合毎回の分析時する水平走査線302のオーバーラップ量は、93.75%になる。分析周波数幅が5MHzスパンの場合は、水平走査線の分割本数303は2.5本、水平走査線の読込ずれ本数304を2.5本にすると、テレビ1フィールド分の長さでは、125回分のデータが得られる。この場合の分析する水平走査線302のオーバーラップ量は、丁度0%になる。また図3(a)に見られるように、映像部選別手段102はテレビ画面301上に一点鎖線で示した選別ゲート305を設定する。選別ゲート305内の水平走査線302による周波数分析手段103の入力は、すでに述べた図2(b)の複合選別信号210である。選別ゲート305外の水平走査線302においては、映像部選別手段102は零出力しか出さないために周波数分析手段103の入力は、図2(b)の複合選別信号210の選別映像ノイズ204は無くなり、その全ての水平走査線期間中は選別外の映像部205のみとなる。このように複合選別信号210の周波数スペクトラムの観測を通して、数フィールドに渡るテレビ画面301に現れる選別ゲート305内ノイズの様子が容易に観察される。
【0019】
図4に本発明の実施の形態1における1フィールド分のスペクトログラム表示データの時間軸拡大図を示し、測定したデータを1本1本識別する。例えば奇数フィールド垂直同期信号で同期をかけた1フィールドが125本のデータで構成された場合を考える。1番目のデータ401が選別ゲート外映像部と垂直同期信号部のスペクトログラム501の始め、29番目のデータ429が選別ゲート外映像部と垂直同期信号部のスペクトログラム501の終り、30番目のデータ430が奇数フィールド選別ゲート内映像部のスペクトログラム502の始め、125番目のデータ625が奇数フィールド選別ゲート内映像部のスペクトログラム502の終りに位置する。各データと、周波数分析手段103の入力タイミングを図3(a)を併用して述べる。1番目のデータ401は、テレビ画面301の選別ゲート305を下に外れた最初の水平走査線302から読み込みが始まったデータとする。それから順に、垂直同期信号部の読み込みを経て、テレビ画面301上部の水平走査線302の読み込みに移り、次に選別ゲート305内の水平走査線302の読み込みに進む。30番目のデータ430の読み込み途中で、選別ゲート305の外から内へ水平走査線302の読み込みが移ったとする。これまで映像部選別手段102の働きで周波数分析手段103には連続した零入力があったが、突然に選別ゲート305で切り取った図2(b)に示すような選別映像部ノイズ204が混じり始める。この場合は選別映像部ノイズ204と、零出力の選別外の映像部205が全体に規則正しく交じり合っていない。途中で選別映像部ノイズ204が新しく加わる変化のために、周波数分析手段103の出力には過渡的な別の周波数成分が混じる。このように水平走査線の分割本数303内に選別ゲート305の切り替わりの不規則が生じると、選別ゲート内映像部のノイズ周波数を正確に表せなくなる。これが選別ゲート305の上下両端で発生する端効果である。したがってテレビ画面に映った部分の画質評価を行うには、全体に規則正しく交じり合って連続した複合選別信号210のスペクトログラム部分の時間方向平均をする必要がある。端効果は、30番目のデータ430と125番目のデータ625の近辺に現れる。図4ではデータが安定する特定区間を40番目のデータ440から120番目のデータ620に選び、時間方向平均区間655とすると、奇数フィールド選別ゲート内映像部のスペクトログラム502のより正しい時間方向平均スペクトラムが得られる。このようにして他のフィールドにおいても時間方向平均スペクトラムを求めることが出来る。隣接する偶数フィールド選別ゲート内映像部のスペクトログラムの時間方向平均区間は、1フィールドのデータピッチである125の数値を加えて、165番目から245番目のデータ間を選べば良い。
【0020】
図5は本発明の実施の形態1における1フィールドが125本のデータで構成された応用データ取得図である。2種類のスペクトログラム表示データと、それから求められる平均された差のスペクトラムの関係を示す。図5(a)は供試機器100に外部から妨害が加わっていない時の第一の記録手段104のスペクトログラム表示データである。図5(b)は供試機器100に外部から何らかの妨害が加わった時の第二の記録手段105のスペクトログラム表示データである。それぞれ同じ奇数フィールド垂直同期信号で同期をかけて3フィールド分の長さで求めた。垂直同期信号部を含めた各フィールドの幅は、先に述べた説明から0.2MHzスパンの分析周波数幅では100本のデータ、5MHzスパンの場合は125本のデータからなる。このようにすると、後の比較演算手段106においては、二画面の相対位置合わせをした演算が容易に出来る。501の選別ゲート外映像部と垂直同期信号部のスペクトログラムは零出力にしているために、周波数分析結果のスペクトラムレベルは例えば−90dBm近辺を示す。また502と512は奇数フィールド選別ゲート内映像部のスペクトログラムで、503と513は偶数フィールド選別ゲート内映像部のスペクトログラムであり、いずれもテレビ画面301上の選別ゲート305で囲まれた部分の周波数分析データである。特にノイズの少ない部分は−80dBm近辺の値を取る。これらのレベルは、映像部選別手段102に内蔵のノイズ出力の増幅率や、周波数分析手段103の分析周波数幅とその解像度等の測定する条件によって指示値が変わる。
【0021】
比較演算手段106は異なる記録手段のスペクトログラムを構成するスペクトラム間の差を求める第一演算と、同一スペクトログラム内で時系列に並んだスペクトラムの時間方向平均の第二演算をするが、この第一演算と第二演算は順序を入れ替えても同一の結果をもたらす。すなわち図5(a)の奇数フィールド選別ゲート内映像部のスペクトログラム502と、図5(b)の奇数フィールド選別ゲート内映像部のスペクトログラム512それぞれのスペクトログラムで、40番目のデータ440から120番目のデータ620までの時間方向平均スペクトラムを求め、図5(b)の時間方向平均スペクトラムから図5(a)の時間方向平均スペクトラムを引いたものが、図5(c)で示す平均された差のスペクトラムとなる。縦軸はスペクトラムのレベル差を表し、供試機器100に外部妨害が加わった時のスペクトラム変化が分かる。横軸は周波数であるがすでに述べたように、分析周波数幅が0.2MHzスパンの場合641ポイント、分析周波数幅が5MHzスパンの場合は801ポイントのデータからなる。図5(b)の周波数Fnでは、時間の経過と共に妨害により発生するノイズ周波数が細かく振動するレベルの高い鋸歯状ピークがあり、それから図5(a)の妨害が無い部分を引くので、図5(c)に示すように正方向にレベルが上がる。一方で図5(a)、図5(b)のように周波数Faにおいて供試機器固有の単一ピークのノイズがあり供試機器100に外部から妨害を加えても妨害の影響が無く、そのレベルが変わらないものとすると、図5(c)に示すように周波数Faには何も現れない。他の周波数成分の所は、互いにノイズの非常に少ない部分同士の差し引きであるので、横軸0dBを中心にして小さく凹凸を繰り返す。周波数分析手段103に用いる実際の計測器の特性として、0周波数の所でレベルが時間経過と共に変動を生ずる可能性があるので、この平均された差のスペクトラムにはその不安定部分を外して調査する周波数域を設定する。この調査する周波数全域の図5(c)の各周波数ポイントにおけるレベルの絶対値の和を求めて1つの値にすれば、その絶対値和の大小で妨害が加えられた後の供試機器100の画像障害を評価することが出来る。この場合ノイズ検出演算手段110は、調査する周波数全域で平均された差のスペクトラムの各周波数ポイントにおけるレベルの絶対値を1つの値に加算する演算機能を持つ。
【0022】
しかしテープ等の記録媒体を使ったビデオ磁気テープ記録再生機に応用すると、妨害を加えていない場合でも、記録されたテープの巻き始めや、巻き中、巻き終わり等違う場所を再生するだけで、互いに二信号のノイズの非常に少ない部分同士の差し引きで、平均された差のスペクトラムは横軸0dBからある値の片方に浮かび上がる場合がある。つまり供試機器100の映像ノイズのスペクトラムを求めた場合に、特にノイズを検出しない低レベルにおいて再生するテープの位置では常に一定値を示さない。その外に、計測機器類の温度ドリフト等で同様の問題を発生する可能性も考える必要がある。ある時点の一点のデータを基準にして、他の測定データを比較演算する時に基準データからの測定時間間隔や、再生場所が離れ過ぎるとこの問題を引き起こし易い。すなわち画像障害の影響を正しく評価出来なくなりこのような問題点を克服するために、別の演算方法を導入する。
【0023】
この別の演算方法とは平均された差のスペクトラムから調査する周波数全域において平均値を求め、この平均値とこの平均された差のスペクトラム間とのレベルの偏り値を演算して、調査する周波数全域の各周波数ポイントのその自乗和を求め、一個の値を得て相対画質評価をする。以下に数式を使って説明する。
【0024】
ここで分析周波数幅の各ポイントを原点側から下式のように整数値を与える。X=1、2、3、・・・・・、641(もしくは801: 分析周波数幅による)調査範囲の周波数両端を上に準じて最小値をXmin、最大値をXmaxとする。
【0025】
Xポイントの平均された差のスペクトラム値をDxとし、平均値をMとすれば
【0026】
【数1】
Figure 0003562473
【0027】
求める自乗和をPとすれば
【0028】
【数2】
Figure 0003562473
【0029】
このように一個の自乗和Pの値を得て相対画質評価が出来る。この場合妨害を加えていないもの同士の二画面を比較するだけでも相当に大きな数値になるが、妨害の影響が現れた場合はその数倍から時により数百倍の値を示し、それとの大小比較を行うと十分に相対画質評価が可能である。したがってテレビ画面の水平走査線を順次に周波数分析をして、基準画面と比較したい画面間のスペクトラム変化を求め、調査する周波数全域での平均値からの各周波数ポイントでのレベルの偏り値を自乗和する演算方法は、供試機器100がノイズの発生の少ない周波数域で前述のビデオ磁気テープ記録再生機で再生した時の問題や計測機器の温度ドリフト等でそのレベルが多少変動するものでも十分に適用でき、比較したい画面の相対画質評価に使える。この場合のノイズ検出演算手段110は、調査する周波数全域でスペクトラム平均値からの各周波数ポイントにおけるレベルの偏り値を1つの値に自乗和する演算機能を持つ。
【0030】
ところで供試機器100に妨害を加えないで、ノイズ検出演算手段110の値を何度も求めるとバラツキ幅を持つ。そこで前もってノイズ検出演算手段110の値の分布を調べ、その分布上限値を定めるかあるいは外部よりその分布上限値に代わる値を設定して比較基準を作るのが判定値設定手段111である。112は画質判定手段であり、妨害を加えられない画面と妨害を加えられた画面間の平均された差のスペクトラムのノイズ検出演算手段110の出力と判定値設定手段111の出力とを差し引き入力して妨害が加えられた画面の画像障害の大きさを判定する。判定値設定手段111の出力に比べノイズ検出演算手段110の出力が小さければその妨害による画像障害は無いと判定される。したがってこの構成により、妨害の加えられた画面の相対画質評価を容易にすることができる。
【0031】
以上に述べたノイズ検出演算手段110の各周波数ポイントにおけるレベルの絶対値を1つの値に加算する絶対値和あるいは平均値からレベルの偏り値の自乗和の数値自体は、相対画質評価を表す普遍的な数値ではない。したがって妨害を供試機器100の外部より加えても、画像障害を引き起こさない最大許容妨害レベルという普遍的な評価数値に置き換える。以下説明を簡単にするためにノイズ検出演算手段110を、平均値からのレベルの偏り値の自乗和の演算をするものとしてその値を自乗和と略称し、その自乗和から判定値設定手段111を引いたものを自乗和の差と略称する。妨害設定手段113は自乗和の差の大きさに応じて、供試機器100に外から加える妨害の強さの条件設定をする。最初に供試機器100には、それ自体が必要最小限度耐えなければならない妨害レベルや、設備が許容する強さの妨害が加えられる。その時検出されたその自乗和の差の値により、以降の再測定で加えられる妨害の下げ方を例えば以下のように決める。(1)10,000≦自乗和の差の時、妨害を16dB下げて再測定する。(2)5,000≦自乗和の差<10,000の時、妨害を8dB下げて再測定する。(3)1,000≦自乗和の差<5,000の時、妨害を4dB下げて再測定する。(4)200≦自乗和の差<1,000の時、妨害を3dB下げて再測定する。(5)50≦自乗和の差<200の時、妨害を2dB下げて再測定する。(6)0≦自乗和の差<50の時、妨害を1dB下げて再測定する。(7)最初が1,000≦自乗和の差で、再測定1回目に自乗和の差<0になると直前の下げた値の半値を逆に大きくして再々測定をし、以降妨害を下げる測定を繰り返す。(8)再測定2回目以降、自乗和の差<0になると、再測定を終える。その時の供試機器100の外部より加える妨害は、画像障害を引き起こさない最大許容妨害レベルとして供試機器100の普遍的な評価数値となる。
【0032】
妨害設定手段113が発生する妨害信号について述べる。連続した周波数範囲で例えば1kHz80%の振幅変調した妨害波を供試機器に加え、目視により画質を評価するイミュニティ試験には、電圧流入妨害耐性、電流流入妨害耐性、放射妨害耐性等がある。図7は1kHz80%振幅変調の妨害周波数Fdデータを表す。図7(a)はこの妨害波を時間方向に平均したスペクトラム波形で、図7(b)はそのスペクトログラムを表して周波数Fdの所で時間軸方向に1kHz80%のレベル変動である点線が現れる。従来はこの妨害波が供試機器に加えられ、妨害耐性が低いと供試機器のビデオ出力に影響を与え、テレビ画面に障害を引き起こしていた。この従来の目視法で用いられる振幅変調だけの妨害波の代わりに、ここでは振幅変調と周波数変調を重ねる妨害波を提案する。例えば、図8に1kHz80%振幅変調と300Hz正弦波で99kHz変移の周波数変調による妨害周波数Fdデータを示す。図8(a)はこの妨害波を時間方向に平均したスペクトラム波形である。周波数Fdを中心にして±99kHzで、すなわちFdl〜Fdh区間でレベルが高くなる。周波数変調の信号の選び方を正弦波にするとFdl、Fdhの両周波数端で高くなる器型で、鋸歯状波を信号に選ぶとFdl〜Fdh区間が平な台形型になる。図8(b)はスペクトログラムを表す。周波数Fdを中心に時間軸方向に300Hz正弦波で±99kHzのピークで変動する。
【0033】
このような妨害波を、欧州テレビE3chを受信中の供試機器の電源線に加えた例を以降に述べる。図9は1kHz80%振幅変調の妨害周波数43.1MHzを加えた一例である。図9(b)はそのスペクトログラムである。測定スパンが5MHzで、4.43MHzはクロマ周波数、Faは供試機器固有の単一ピークのノイズを示し、妨害無しの状態でも常時同じレベルの大きさで現れる。振幅変調の妨害が、周波数F0とF1に1kHzの点線の形で現れる。図4と同じスペクトログラム構成であるとする。選別ゲート305の端効果を外して40番目のデータから120番目のデータ間を時間方向に平均したスペクトラム波形が図9(a)である。チューナの映像中間周波数は38.9MHzであるので、F1は妨害周波数43.1MHzとの差の周波数4.2MHzになる。F0はこの4.2MHzと、クロマ周波数4.43MHzとの差の周波数2.3125kHzとなる。図10は1kHz80%振幅変調と300Hz正弦波で99kHz変移の周波数変調による妨害周波数43.1MHzを加えた一例である。図10(b)の図9(b)と違うところは、周波数F1とF0を中心としてそれぞれF1l,F1hとF0l,F0hの周波数を両端とする時間軸方向に300Hz正弦波の±99kHzでピークが変動することである。図10(a)は図10(b)の40番目のデータから120番目のデータ間を時間方向に平均したスペクトラム波形である。図11は妨害周波数43.3MHzで変調方式を変えた場合の比較スペクトラム波形である。図11(a)は1kHz80%振幅変調のみ、図11(b)は1kHz80%振幅変調と300Hz正弦波で99kHz変移の周波数変調を重ねたものである。妨害周波数が前述の場合より0.2MHz高くなったので、図11(a)のF1は4.4MHz,F0は0.3125kHzになり4.43MHzあるいは0周波数のピークに接近する。一方図11(b)のF1lは4.301MHz、F1hは4.499MHzで、F0lは0周波数ピークに隠れ、F0hは1.3025kHzとなり、それぞれ周波数変調したピーク変動の端が図11(a)と違って隣接周波数ピークから大きく飛び出す。この波形の差が妨害の影響の検出に大きな効果として現れる。すなわち1kHz80%振幅変調だけの妨害波よりも、1kHz80%振幅変調と300Hz正弦波99kHz変移の周波数変調を重ねた方の検出感度がピーク波形の飛び出した分だけ高くなる。図12は、1kHz80%振幅変調だけの妨害周波数と妨害レベルを変化した自乗和立体グラフである。妨害周波数が42.5MHz〜43.5MHzの間を0.1MHz間隔で妨害有りと無しのスペクトラムを比較して、調査する周波数全域を50kHz〜4.2MHzとして自乗和を演算した。判定値設定手段には450の一定値を設定して、前述したように自乗和の差の大きさによって供試機器に外部から加える妨害レベルを140dBμVから順に強度を落とした場合の経過を示す。見方として、妨害周波数が43.1MHzの140dBμVでは自乗和が3,616であるので、レベルを4dB下げ136dBμVで再び自乗和を求めると1,400、この値に対してはレベルを3dB下げて133dBμVと順に下げて121dBμVで初めて自乗和が450を割り、437となってこの妨害周波数の画像障害を引き起こさない最大許容妨害レベルが121dBμVであると求められる。この図の43.3MHzの妨害波では前述したようにほとんどF0が0周波数に接近するので、妨害成分が検出しにくくなる。その結果、140dBμVでは自乗和が537で、次の138dBμVでは464、さらに137dBμVになって自乗和が372で450を下回り最大許容妨害レベルが137dBμVと求められる。一方で図13は1kHz80%振幅変調と300Hz正弦波99kHz変移の周波数変調を重ねた妨害周波数と妨害レベルを変化した自乗和立体グラフである。43.3MHzの妨害周波数だけに注意すると、前述のスペクトラム波形変化の効果が現れて、140dBμVでは自乗和が3880となる。最終的に124dBμVで初めて自乗和が450を割り395となり、最大許容妨害レベルが124dBμVとなる。この値の方が従来法の目視で得られた数値と相関性が高く一致する。以上の説明のように周波数分析手段103を使用した画質評価装置においては供試機器に外部から加える妨害波は、振幅変調だけの妨害波の代わりに、振幅変調と周波数変調を重ねる妨害波の方がより望ましい結果を導くことが分かる。図14に2種類の変調方式で求めた最大許容妨害レベル比較を示した。破線で示した1kHz80%振幅変調だけの妨害波データ141よりも、実線で示した1kHz80%振幅変調と300Hz正弦波99kHz変移の周波数変調を重ねた妨害波データ142の方が、前述した妨害周波数43.3MHzのところで検出感度を落とすことなく安定している。しかし従来の目視法にこの様な振幅変調だけでなく周波数変調を重ねる妨害波を適用すると、今までテレビ画面上に見えていた妨害ノイズが、さらに細かく動いて濃さが薄く見にくくなり、今までの振幅変調のみの妨害波による目視データと相関が取れない。従ってこの目視法への適用は困難である。周波数分析手段103を使用し水平走査線を順次に周波数分析をして、基準画面と比較したい画面間のスペクトラム変化を求め、調査する周波数全域で平均された差のスペクトラムを得てノイズ検出演算手段110で画像障害を評価する方法においては、この様な振幅変調に周波数変調を重ねる妨害波を適用すると、たとえ一個所の妨害周波数の測定だけであっても、周波数変調の偏移分の幅広い周波数での一括した評価確認が出来る。しかも従来の目視法とデータの相関性が認められる。従って振幅変調と周波数変調を重ねることで検出感度を高めるだけでなく、連続した広い妨害周波数範囲内の少ない妨害周波数ポイントで評価確認漏れを防ぐ効果も合わせて期待できる。
【0034】
なお、以上の説明ではノイズ検出演算手段110は自乗和の演算をするものとして判定値設定手段111の値を450とした。もしノイズ検出演算手段110が先に述べた絶対値和の演算をするものであれば、供試機器100を妨害無しの状態にして同一条件の下で何度も繰り返してノイズ検出演算手段110の出力値を求め、判定値設定手段111でその分布上限値を求めるか、その分布上限値に代わる数値を設定すると、妨害波が振幅変調だけよりも振幅変調と周波数変調を重ねることで同様に検出感度を高めるだけでなく、少ない妨害周波数ポイントで評価確認漏れを防ぐ効果も合わせて期待できる。
【0035】
さらになお実施の形態1では、妨害波は振幅変調に周波数変調を重ねるとしたが、妨害波は振幅変調と細かな周波数ステップ掃引を同時に重ねるとしても良い。そして図4における特定区間を時間方向平均区間655としたが、この同じ区間を妨害波によりスペクトラムのピークが刻々と変化し掃引されるので、その状態を掴むために時間方向平均区間では無くMAXホールド区間とする。そうすると妨害波に振幅変調と周波数変調を重ねた場合の図10(a)とほぼ等価的なスペクトラム軌跡を得る。従って妨害波の周波数変調と特定区間の時間方向平均のそれぞれの代わりに、妨害波の周波数掃引と特定区間のMAXホールドの組み合せが代替え方法として容易に考えられる。
【0036】
またさらになお実施の形態1において、妨害波が振幅変調と周波数変調を重ねた搬送波からなると表現したが、特殊な例として振幅変調は0%の場合もあり得る。すなわち従来の目視による画質評価は、妨害による画像障害の視認性を高めるために振幅変調は80%と規格で定められてきた。しかし振幅変調が0%すなわち振幅変調が無い状態にしても、周波数分析手段103を用いてスペクトラムの変化よりノイズを演算し検出して、画像障害を評価できることを付記しておく。
【0037】
【発明の効果】
以上のように本発明は、外部より所定の連続した周波数範囲の妨害を加えて評価する画質評価装置であって、その妨害波が振幅変調のみだけでなく同時に周波数変調を重ねたものからなることと、周波数分析手段を用いて複数のテレビ画面の連続した水平走査線の周波数分析を比較し、相対的な位置のスペクトラム変動値から演算により定量的な画質評価数値や、画像障害を引き起こさない最大許容妨害レベルを得て、目視と相関性が良く、また測定した妨害周波数間の評価確認漏れを発生させにくくするという優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1における画質評価装置の構成を示すブロック図
【図2】本発明の実施の形態1における映像部選別手段の入出力の関係図
【図3】本発明の実施の形態1における周波数分析手段の読込タイミングと出力データの関係図
【図4】本発明の実施の形態1における1フィールド分のスペクトログラム表示データの時間軸拡大図
【図5】本発明の実施の形態1における応用データ取得図
【図6】従来のビデオS/N測定に用いるビデオ信号図
【図7】1kHz80%振幅変調の妨害周波数Fdデータを示す図
【図8】1kHz80%振幅変調と300Hz正弦波で99kHz変移の周波数変調による妨害周波数Fdデータを示す図
【図9】1kHz80%振幅変調の妨害周波数43.1MHzを加えた一例を示す図
【図10】1kHz80%振幅変調と300Hz正弦波で99kHz変移の周波数変調による妨害周波数43.1MHzを加えた一例を示す図
【図11】妨害周波数43.3MHzで変調方式を変えた場合の比較スペクトラム波形を示す図
【図12】1kHz80%振幅変調だけの妨害周波数と妨害レベルを変化した自乗和立体グラフ
【図13】1kHz80%振幅変調と300Hz正弦波99kHz変移の周波数変調を重ねた妨害周波数と妨害レベルを変化した自乗和立体グラフ
【図14】2種類の変調方式で求めた最大許容妨害レベル比較を示す図
【符号の説明】
100 供試機器
101 ビデオ信号発生部
102 映像部選別手段
103 周波数分析手段
104 第一の記録手段
105 第二の記録手段
106 比較演算手段
107 同期検出手段
110 ノイズ検出演算手段
111 判定値設定手段
112 画質判定手段
113 妨害設定手段
201 水平ブランキング
202 テレビ画像になる部分の映像部
204 選別映像部ノイズ
205 選別外の映像部
210 複合選別信号
301 テレビ画面
302 水平走査線
303 水平走査線の分割本数
304 水平走査線の読込ずれ本数
305 選別ゲート
401 1番目のデータ
430 30番目のデータ
620 120番目のデータ
655 時間方向平均区間
501 選別ゲート外映像部と垂直同期信号部のスペクトログラム
502 奇数フィールド選別ゲート内映像部のスペクトログラム
503 偶数フィールド選別ゲート内映像部のスペクトログラム
141 1kHz80%振幅変調だけの妨害波データ
142 1kHz80%振幅変調と300Hz正弦波99kHz変移の周波数変調を重ねた妨害波データ

Claims (1)

  1. ビデオ信号が所定の連続した周波数範囲の妨害を外部より加えられる映像を扱う供試機器の出力であり、前記ビデオ信号を入力し画質評価部分として任意の位置と大きさの選別ゲートを設定して任意の映像部ノイズを出力しさらに前記選別ゲートから外れる映像部と同期信号部を零出力とする映像部選別手段と、前記映像部選別手段の出力を入力として分析周波数幅とその解像度に応じて水平走査線を順次に分割して時系列に分析する周波数分析手段と、前記ビデオ信号を入力し同期信号を検出し前記周波数分析手段に出力する同期検出手段と、前記周波数分析手段が複数画面を測定してその内の基準画面の周波数分析結果を前記水平走査線分割と同順に記録する前記周波数分析手段の出力にある第一の記録手段と、比較したい毎回の画面の周波数分析結果を前記水平走査線分割と同順に記録する前記周波数分析手段の出力にある第二の記録手段と、前記第一の記録手段と前記第二の記録手段の出力にあり前記第一の記録手段の水平走査線と前記第二の記録手段の水平走査線の相対位置を同期させて特定区間を選びその特定区間内において前記第一の記録手段と前記第二の記録手段間の同一各周波数ポイントでの差のスペクトラムの第一演算をしかつ時間方向平均のスペクトラムの第二演算をする比較演算手段と、前記比較演算手段の出力を入力として調査する周波数全域のノイズ量を求めるノイズ検出演算手段と、さらに前記ノイズ検出演算手段の出力を入力として前記複数画面を測定する時に全て前記基準画面と同一の測定条件で所定回数繰り返した前記ノイズ検出演算手段の出力の取り得る分布上限値を定めるかあるいは外部より前記分布上限値に代わる値に設定可能な機能を持つ判定値設定手段と、前記基準画面を前記供試機器の外部より妨害が加えられない画面とし比較する画面を前記供試機器の外部より妨害を加えられた画面とし前記ノイズ検出演算手段の出力と前記判定値設定手段の出力とを入力して毎回の妨害の影響を判定する画質判定手段と、さらにまた前記画質判定手段の出力を入力して前記ノイズ検出演算手段の出力が前記判定値設定手段の出力と同等もしくはそれより大きいならばある条件の下でその差の量に応じて前記供試機器の外部から加える妨害の強さを変更し前記ノイズ検出演算手段の出力が前記判定値設定手段の出力以下になったと判定される時には前記供試機器の外部から加える次の新しい妨害周波数と妨害レベルを含む妨害条件に切り替え測定を継続するプログラム機能を併せ持ち妨害波が振幅変調と周波数変調を重ねた搬送波からなる妨害設定手段を備えたことを特徴とする画質評価装置。
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