JP3562328B2 - コークス炉の炉壁の補修方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はコークス炉の炉壁の補修方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
コークス炉は石炭を乾留してコークスを製造する炉であり、石炭を装入する炭化室と、この炭化室を加熱するために燃料を供給して燃焼させる燃焼室が仕切り壁を介して交互に配列されている。石炭の乾留に際しては、まず、常温の石炭が炭化室の上部に設けられた装入口から装入される。この常温の石炭の装入によって、炭化室側の炉壁が冷却されるが、燃焼室側から炉壁を通じて炭化室側へ熱が伝わって、炭化室側の炉壁が再び昇温し、石炭に熱が伝えられる。そして、石炭の熱分解が起こり、乾留が進行する。乾留が終了すると、押し出し機側とコークス側の蓋が外され、高温のコークスが押出機によりコークス側へ排出される。このような操作の繰り返しにより、炉壁の加熱と冷却が繰り返される。
【0003】
炉壁は、通常、厚さ50〜150mmの珪石煉瓦で形成されている。この珪石煉瓦はクリストバライトとトリジマイトを主構成結晶相とし、18〜22%の開気孔を有している。炉壁は加熱、冷却の繰り返しにより、煉瓦間の目地や煉瓦本体に亀裂が発生する。これらの損傷が炭化室側から燃焼室側へ進展して炉壁を貫通した状態になると、炭化水素を含む乾留ガスが炭化室から燃焼室へ漏洩するので、コークス炉の操業が困難になる。また、炭化室側の壁面には、熱的スポーリング、コークスの押し出しによる機械的な磨耗、カーボンの付着成長等によって、凹凸が発生する。この凹凸が大きくなると、コークスを押し出す際の圧力が過大になって炉壁煉瓦に割れが発生し、破片が脱落する。そして、炉壁の凹凸がさらに大きくなる。このため、炉壁にかかる押圧が上昇し、状況によってはコークスの押し出しが不能になりコークスの生産に支障を来す。このため、炉壁の補修が行われる。
【0004】
補修については、幾つかの方法が知られている。その一つとして、空にした炭化室へ焼結性の耐火物粉末を気流輸送し、貫通亀裂部の閉塞を図るドライシール法が知られている。
【0005】
また、他の補修方法として、湿式吹き付け法が知られている。この方法は耐火性粉末に無機バインダーと水を加えて混合し、損傷部に吹き付ける方法である。
【0006】
さらに、他の補修方法としては、溶射法が知られている。この溶射法は、耐火物粉末を酸素一燃料ガスからなる火炎中に投入する火炎溶射法による方法(特公平3−9815)、あるいは耐火物粉末に金属粉末を混合して炉内に噴射し、金属の燃焼によって火炎を形成するテルミット反応法による方法(特公昭62−15508)などがある。これらの方法は材料を半溶融または溶融状態にして炉壁の損傷部位に接着させるものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ドライシール法による場合、一時的にガス漏れを減少させることは可能であるが、その効果を長続きさせることはできない。これは、貫通亀裂部を閉塞させた耐火物粉末が焼結した際に収縮するので、再び空隙が発生することは避けられず、この部位からガスが流通して、焼結片が飛散し、再び亀裂が拡大する。また、施工時に粉末が貫通亀裂部を通って反対側の燃焼室まで到達して堆積し、別の問題が生じる。すなわち、燃焼室から粉末を除去することは困難であり、これを放置すると、燃焼空間が狭まり、燃焼性能が低下する。
【0008】
また、湿式吹き付け法や溶射法により得られる補修層は通気性を有しており、また、表面に凹凸が多い。このため、石炭の乾留の過程で発生するピッチの蒸気が石炭とともに補修層の気孔へ進入して熱分解し、カーボン、灰分を蓄積させ、ここを起点にしてカーボンの付着成長が起こり、凹凸が増加する。この現象は炉壁煉瓦の補修層に共通して見られる。
【0009】
また、ドライシール法、湿式吹き付け法、溶射法においては、補修に使用した耐火材料の一部が飛散して炉底に溜まり損失となる。このようなリバウンドロスが不可避であると言う問題点もある。
【0010】
本発明は、開気孔がなく、かつ平滑な補修面を形成することができるコークス炉の炉壁の補修方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、第1の発明は、稼働中のコークス炉の炉壁の補修方法であって、空窯になった際の高温の炉壁に、主成分としてSiO2 を40〜95wt%、B2O3 、Na2 O、K2 Oの中から選ばれた酸化物を合計で5〜30wt%含有するセラミックシートと、軟質金属フォイルの2層からなる補修シートを、軟質金属フォイルを炉壁側にして加圧密着させることを特徴としている。
【0012】
第2の発明は、第1の発明において、補修シートを構成する軟質金属フォイルがアルミニウムフォイルであることを特徴としている。
【0013】
第3の発明は、第1の発明または第2の発明において、補修シートを構成するセラミックシートがセラミッククロスよりなるものであることを特徴としている。
【0014】
第4の発明は、第1〜第3の何れかの発明において、補修シートを構成するセラミックシートがセラミッククロスとこのセラミッククロスに担持させたセラミック粉末よりなるものであることを特徴としている。
【0015】
第5の発明は、第1〜第4の何れかの発明において、補修シートを構成するセラミックシートが面積当りの質量が200g/m2 以上のものであることを特徴としている。
【0016】
第6の発明は、第1〜第5の何れかの発明において、補修シートを炉壁に接触させ、この補修シートをローラーで転圧することにより炉壁に加圧密着させることを特徴としている。
【0017】
次に、セラミックシートと軟質金属フォイルよりなる補修シートについて説明する。
【0018】
セラミックシートが上記の組成を有するものであると、炉壁に加圧密着させた際に、破断することなく炉壁表面の形状に合わせて変形する。加圧密着したセラミックシートは、炉壁との接触部位から急速に加熱され、軟化して溶融する。この過程で溶融物が炉壁表面の凸部から凹部へ流れ込み凹部を埋める。次いで、溶融物から揮発成分が気化して放散し、残留物の融点が上昇して固化する。そして、炉壁表面に開気孔の殆どない平滑な膜(表層膜)が形成される。
【0019】
セラミックシートの主成分をSiO2 とすることにより、溶融した際に、煉瓦の珪石あるいはSiO2 を主成分とする補修層と良く濡れ、密着性がよくなる。また、セラミックシートの主成分をSiO2とすることにより、SiO2 を主体とした結晶相からなる表層膜が形成されるので、表層膜の熱膨張特性を珪石および補修層に近づけることができる。このような観点から、セラミックシートのSiO2 含有率は40wt%以上であることが望ましい。
【0020】
ところで、燃焼室側から加熱される炉壁の炭化室側は900から1300℃の温度になるので、補修シートを構成するセラミックシートはこの温度で溶融するものでなければならない。このため、融点降下物質を添加し、SiO2 の融点を下げる必要がある。融点降下物質としては、B2 O3、Na2 O、K2 Oが挙げられ、これらの中から選ばれた酸化物を合計で5〜30wt%含有させることによって、上記温度範囲でセラミックシートを溶融させることができる。このように、5〜30wt%の融点降下物質を含有させる必要があるので、セラミックシートのSiO2 の含有率は95wt%以下とする。
【0021】
セラミックシートが溶融した際には、その溶融物が適度の粘性を有している必要がある。溶融物の粘度が低過ぎると、溶融物の炉壁への浸透が過度になり、表層膜の形成が困難になる。また、粘度が高過ぎると、溶融物の炉壁への浸透が不足し、表層膜の接着強度が不十分となる。このため、必要に応じて、Al2 O3 ,CaO,MgO,ZrO2 ,TiO2 等の酸化物を加えて溶融時の粘度を調節してもよい。また、Al,Si等の金属を添加し、これらの金属の酸化発熱によって溶融物の粘度を調節してもよい。
【0022】
上記のようにして形成される表層膜はSiO2 を主成分とするものであるので、その熱膨張特性は炉壁の特性に近いが、両者の熱膨張特性が一致する訳ではない。このため、炉壁とセラミックシートを直接接合させて表層膜を形成させると、炉壁温度の周期的な変化により、炉壁との界面近傍で亀裂が発生し、表層膜が剥離しやすい。
【0023】
このような問題に対処し、本発明においては、補修シートをセラミックシートと軟質金属フォイルの2層からなるものにし、生成した表層膜と炉壁との間に軟質金属の層を存在させる。そして、温度変化によって起る表層膜と炉壁の膨張・収縮の度合いに差が生じ、これによる応力が発生しても、上記軟質金属が変形し、その応力を吸収するので、表層膜の亀裂や剥離は防止される。
【0024】
本発明において、軟質金属とは、フォイル化可能な展性を有し、低融点の金属(合金を含む)を指すものとする。このような軟質金属の中で、特に好ましい金属はアルミニウムである。
【0025】
アルミニウムは炭化室側の炉壁温度である900〜1300℃の温度領域では溶融状態になっており、炉壁と表層膜の間に発生する応力を極めて容易に吸収する。また、アルミニウムは強固な酸化膜を形成する金属であり、内部の酸化が防止されるので、その内部が金属アルミニウムの状態で維持される。このため、応力吸収効果が長期間持続する。
【0026】
軟質金属フォイルの厚さは20〜200μm程度であるのが望ましい。その厚さが20μm未満では応力吸収効果の発現が不十分であり、また、200μmを超えると、表層膜が溶融した軟質金属層の部分から剥離する。
【0027】
なお、上記のような作用をなす軟質金属の層は表層膜と炉壁の間の全面にわたって存在しなければならないものではなく、断続的に存在していてもよい。
【0028】
また、セラミックシートの面積当りの質量は200g/m2 以上とすることが望ましい。200g/m2 未満では、セラミックシートが溶融して炉壁の凹部を埋める際に、その溶融物の量が不足し、平滑な膜を形成することが困難となる。
【0029】
セラミックシートはセラミッククロスよりなるものであってもよい。セラミッククロスとしては、上記組成範囲のセラミック繊維を織ったものを用いる。セラミック繊維は非晶質のガラス繊維であっても、結晶質の繊維であってもよい。セラミック繊維の太さについては特に制約されない。また、織り方については、平織り、綾織り、朱子織り等、何れであってもよい。
【0030】
セラミックシートはセラミッククロスとこのセラミッククロスに担持させたセラミック粉末よりなるものであってもよい。セラミック粉末としては、珪砂、ろう石等の天然鉱物を主成分とし、これに上記融点降下成分を添加したものであってもよい。また、セラミック粉末としては、E−グラス組成、C−グラス組成のカレットを使用することもできる。
【0031】
また、セラミックシートの形成に際しては、上記セラミック粉末に有機バインダーと水を添加してスラリーとし、このスラリーをセラミッククロスに塗布し、乾燥してもよい。また、セラミッククロスをキャリアシートとし、ドクターブレード法により上記スラリーをシート状に形成し、乾燥してもよい。さらに、セラミックシートの形成に際しては、平均組成が上記範囲になるように調整する。
【0032】
セラミックシートを炉壁表面に加圧密着させる方法については、特に制約されものではなく、例えば、平板を押し付けて加圧密着させたり、ローラーを押し付けてこれを転動させて加圧密着させもよい。
【0033】
セラミックシートをローラーにより加圧密着させる方法は、炉壁表面に沿ってローラーを移動させるだけで均一に加圧することができるので、より好ましい方法である。このローラーによる方法は、ローラーが1段であってもよく、複数段であってもよい。ローラーが複数段の場合には、まず、1段目のローラーでセラミックシートを炉壁に密着させる。このセラミックシートが溶融して発泡し、次いで、気泡が抜けて開気孔がある溶融膜ができた後、この溶融膜が固化する前に2段目以降のローラーで加圧して開気孔を潰し、緻密な表層膜を形成させる。また、ローラーが1段であっても、1段目のローラーを時間をおいて往復させることにより複数段の機能を果たさせてもよい。
【0034】
【発明の実施の形態】
図1は本発明において使用する補修シートの一例を示す断面図である。この補修シート1はセラミックシートであるセラミッククロス2と軟質金属であるアルミニウムのフォイル3により構成されている。セラミッククロス2の具体的な構成例としては、主要成分がSiO2 54wt%、Al2 O3 15wt%、CaO20wt%、MgO3wt%、K2 O1wt%であるガラス繊維を平織りにしたもので、面積当りの質量が340g/m2 、厚さが0.5mmのものが挙げられる。
【0035】
図2は本発明によりコークス炉の炉壁に補修シートが加圧されて密着する状態を示す断面図である。ローラーを備えた補修装置を使用する場合、補修シートは次のようにして加圧密着される。まず、補修シート1をアルミニウムフォイル側を炉壁30の表面に接触させる。ローラー12で補修シート1を炉壁30に押し付けつつ、ローラー12を転動させて押し付ける位置を連続的に移動させる。このようにして、炉壁30の表面の凹凸を転写するように、補修シート1を変形させ、炉壁に密着させる。セラミックシート1は炉壁30から受熱して軟化し、容易に密着する。この際、凸部と接触していた部分が凹部へ移動し、加圧面は平滑になる。そして、図3に示すように、加圧された補修シートは炉壁30の凹凸を均し、平滑な表層膜4となる。
【0036】
表層膜4はさらに加熱されて溶融し、炉壁30との接触界面においては溶融物の一部が炉壁中へ浸透する。また、加圧密着された補修シートにおいては、添加された融点降下剤の一部が気化して表層膜4が発泡し、気化物質は表層膜4の表面から抜ける。この発泡が繰り返される間に、融点が上昇し、溶融物は固化する。このようにして、炉壁30に根を張った平滑な表層膜4が形成される。
【0037】
図4は補修シートをコークス炉の炉壁に加圧密着させる補修装置を示す図である。(a)図は炭化室内へ補修装置を挿入した状態を示す横断面図、(b)図は炭化室内へ補修装置を挿入した状態を示す縦断面図である。図4(a),(b)において、32a,32bは燃焼室、31は炉壁30a,30bによって区画された炭化室、20はコークスの押し出し機、10は押し出し機に取り付ける補修装置である。
【0038】
補修装置10は、補修を開始する際に、押し出し機のラムヘッド21の先端に取り付けるものであって、コイル状の補修シート1をセットするシートストッカー11a,11bと、補修シート1を壁面に押圧するローラー12a,12bと、補修シート1の端を固定するピンチ13a,13bとからなる。
【0039】
炉壁の補修に際しては、押し出し機側とコークス側の炉蓋を外して窯出し、炭化室31を空窯の状態にした後、まず、シートストッカー11a,11bおよびローラー12a,12bをコークスの押し出し機のラムヘッド21の先端に取り付ける。ピンチ13a,13bをそれぞれ炉壁30a,30bの炉外押し出し機側に取り付ける。コイル状の補修シートをシートストッカー11a,11bにセットし、その補修シート1a,1bの端部をそれぞれピンチ13a,13bで固定する。
【0040】
そして、押し出し機の駆動モーター22を起動する。これにより、押し出し機のラムヘッド21が押し出し機側からコークス側に向けて移動する。ラムヘッド21の移動により、シートストッカー11a,11bが回転して補修シートが巻き戻され、この補修シート1a,1bが高温の炉壁30a,30bの壁面に供給される。この補修シート1a,1bは、転動するローラー12a,12bにより、それぞれ炉壁30a,30bに押し付けられて接着する。ラムヘッド21がコークス側に行き着いたところで、シートストッカー11a,11bは空になり、壁面に接着した補修シート1a,1bはシートストッカー11a,11bから切り離された状態になる。
【0041】
次いで、駆動モーター22を逆回転させてラムヘッド21をコークス側から押し出し機側まで戻す。この戻りの間に、補修シート1a,1bは、それぞれローラー12a,12bにより再度転圧される。この再度の転圧によって、補修シート1a,1bは、内蔵されていた気泡が潰され、緻密で気孔がなく、かつ、平滑な表層膜となる。
【0042】
【実施例】
コークス炉で26年間使用した珪石煉瓦を採取した。この珪石煉瓦には炭化室側の壁面に当初面から最大3mmの深さの凹部を有する凹凸があった。この炭化室側の壁面を上にして、この面を、E−グラス(52〜56wt%SiO2 、12〜16wt%Al2 O3 、15〜25wt%CaO、0〜6wt%MgO、8〜13wt%B2 O3 、0〜1wt%(Na2 O+K2 O))の繊維を平織にし、質量2010g/m2 、厚さ3.0mmにしたガラスクロスで覆い、マッフル炉に入れた。15℃/分の昇温速度で1100℃まで加熱し、10分間保持後、内部を観察したところ、ガラスクロスが発泡状態になって珪石煉瓦の表面を覆っていた。マッフル炉の前面扉を開けて、軟鋼製ローラーを挿入して転圧した後、直ちにローラーを取り出して扉を閉じた。10分間保持後、炉の電源を切って放冷した。このような処理を施した珪石煉瓦の上面は緻密で平滑な白色の膜により覆われていた。この表層膜には亀裂はなく、100倍の顕微鏡で観察した結果では開気孔は認められなかった。表層膜の一部を採取してX線回折にかけたところ、クリストバライトとトリジマイトの結晶の存在が確認された。
【0043】
稼働中のコークス炉の炉壁の補修をシミュレートした上記の実験により、平均組成でSiO2 を40〜95wt%、B2 O3 、Na2 O、K2 Oの中から選ばれた酸化物を合計で5〜30wt%含有し、かつ、質量200g/m2 以上の補修シートを炉壁表面に加圧密着させることにより、緻密で平滑な表層膜が得られることがわかった。
【0044】
【発明の効果】
本発明の方法によれば、炉壁に、開気孔がなく、かつ平滑な補修面を形成することできる。このため、コークスの押し出しが容易となり、壁面を傷めることもなくなる。また、補修面に開気孔がでず、カーボンや灰分が付着し難いので、付着物の成長による凹凸の増加も起こらない。従って、補修後の壁面を平滑な状態に維持することができ、長期にわたって安定したコークス炉の操業が可能となる。
【0045】
また、本発明の方法によれば、ドライシール法、湿式吹き付け法、溶射法等の従来技術で施工した場合に問題となる材料のリバウンドロスが発生しない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明において使用する補修シートの一例を示す断面図である。
【図2】本発明によりコークス炉の炉壁に補修シートが加圧されて密着する状態を示す断面図である。
【図3】補修シートが炉壁に密着して平滑な表層膜が形成された状態を示す断面図である。
【図4】補修シートをコークス炉の炉壁に加圧密着させる補修装置を示す断面図である。
【符号の説明】
1,1a,1b 補修シート
2 セラミッククロス
3 アルミニウムフォイル
4 表層膜
10 補修装置
11a,11b シートストッカー
12a,12b ローラー
13a,13b ピンチ
20 押し出し機
21 押し出し機のラムヘッド
22 押し出し機の駆動モーター
30,30a,30b 炉壁
Claims (6)
- 稼働中のコークス炉の炉壁の補修方法であって、空窯になった際の高温の炉壁に、主成分としてSiO2 を40〜95wt%、B2O3 、Na2 O、K2 Oの中から選ばれた酸化物を合計で5〜30wt%含有するセラミックシートと、軟質金属フォイルの2層からなる補修シートを、軟質金属フォイルを炉壁側にして加圧密着させることを特徴とするコークス炉の炉壁の補修方法。
- 補修シートを構成する軟質金属フォイルがアルミニウムフォイルであることを特徴とする請求項1に記載のコークス炉の炉壁の補修方法。
- 補修シートを構成するセラミックシートがセラミッククロスよりなるものであることを特徴とする請求項1または請求項2記載のコークス炉の炉壁の補修方法。
- 補修シートを構成するセラミックシートがセラミッククロスとこのセラミッククロスに担持させたセラミック粉末よりなるものであることを特徴とする請求項1〜請求項3の何れかに記載のコークス炉の炉壁の補修方法。
- 補修シートを構成するセラミックシートが面積当りの質量が200g/m2 以上のものであることを特徴とする請求項1〜請求項4の何れかに記載のコークス炉の炉壁の補修方法。
- 補修シートを炉壁に接触させ、この補修シートをローラーで転圧することにより炉壁に加圧密着させることを特徴とする請求項1〜請求項5の何れかに記載のコークス炉の炉壁の補修方法。
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