JP2000034485A - コークス炉の炉壁の補修方法 - Google Patents

コークス炉の炉壁の補修方法

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JP2000034485A
JP2000034485A JP10202513A JP20251398A JP2000034485A JP 2000034485 A JP2000034485 A JP 2000034485A JP 10202513 A JP10202513 A JP 10202513A JP 20251398 A JP20251398 A JP 20251398A JP 2000034485 A JP2000034485 A JP 2000034485A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 開気孔がなく、かつ平滑な補修面を形成する
ことができるコークス炉の炉壁の補修方法を提供するこ
と。 【解決手段】 空窯になった際の高温の炉壁30に、平
均組成でSiO2を40〜95wt%、B2 3 ,Na2
O,K2Oの中から選ばれた酸化物を合計で5〜30w
t%含有するセラミックシートと、アルミニウムフォイ
ルの2層からなる補修シートを、アルミニウムフォイル
を炉壁30側にして接触させ、この補修シートをローラ
ー12で転圧し、加圧密着させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はコークス炉の炉壁の
補修方法に関する。
【0002】
【従来の技術】コークス炉は石炭を乾留してコークスを
製造する炉であり、石炭を装入する炭化室と、この炭化
室を加熱するために燃料を供給して燃焼させる燃焼室が
仕切り壁を介して交互に配列されている。石炭の乾留に
際しては、まず、常温の石炭が炭化室の上部に設けられ
た装入口から装入される。この常温の石炭の装入によっ
て、炭化室側の炉壁が冷却されるが、燃焼室側から炉壁
を通じて炭化室側へ熱が伝わって、炭化室側の炉壁が再
び昇温し、石炭に熱が伝えられる。そして、石炭の熱分
解が起こり、乾留が進行する。乾留が終了すると、押し
出し機側とコークス側の蓋が外され、高温のコークスが
押出機によりコークス側へ排出される。このような操作
の繰り返しにより、炉壁の加熱と冷却が繰り返される。
【0003】炉壁は、通常、厚さ50〜150mmの珪
石煉瓦で形成されている。この珪石煉瓦はクリストバラ
イトとトリジマイトを主構成結晶相とし、18〜22%
の開気孔を有している。炉壁は加熱、冷却の繰り返しに
より、煉瓦間の目地や煉瓦本体に亀裂が発生する。これ
らの損傷が炭化室側から燃焼室側へ進展して炉壁を貫通
した状態になると、炭化水素を含む乾留ガスが炭化室か
ら燃焼室へ漏洩するので、コークス炉の操業が困難にな
る。また、炭化室側の壁面には、熱的スポーリング、コ
ークスの押し出しによる機械的な磨耗、カーボンの付着
成長等によって、凹凸が発生する。この凹凸が大きくな
ると、コークスを押し出す際の圧力が過大になって炉壁
煉瓦に割れが発生し、破片が脱落する。そして、炉壁の
凹凸がさらに大きくなる。このため、炉壁にかかる押圧
が上昇し、状況によってはコークスの押し出しが不能に
なりコークスの生産に支障を来す。このため、炉壁の補
修が行われる。
【0004】補修については、幾つかの方法が知られて
いる。その一つとして、空にした炭化室へ焼結性の耐火
物粉末を気流輸送し、貫通亀裂部の閉塞を図るドライシ
ール法が知られている。
【0005】また、他の補修方法として、湿式吹き付け
法が知られている。この方法は耐火性粉末に無機バイン
ダーと水を加えて混合し、損傷部に吹き付ける方法であ
る。
【0006】さらに、他の補修方法としては、溶射法が
知られている。この溶射法は、耐火物粉末を酸素一燃料
ガスからなる火炎中に投入する火炎溶射法による方法
(特公平3−9815)、あるいは耐火物粉末に金属粉
末を混合して炉内に噴射し、金属の燃焼によって火炎を
形成するテルミット反応法による方法(特公昭62−1
5508)などがある。これらの方法は材料を半溶融ま
たは溶融状態にして炉壁の損傷部位に接着させるもので
ある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ドライシール法による
場合、一時的にガス漏れを減少させることは可能である
が、その効果を長続きさせることはできない。これは、
貫通亀裂部を閉塞させた耐火物粉末が焼結した際に収縮
するので、再び空隙が発生することは避けられず、この
部位からガスが流通して、焼結片が飛散し、再び亀裂が
拡大する。また、施工時に粉末が貫通亀裂部を通って反
対側の燃焼室まで到達して堆積し、別の問題が生じる。
すなわち、燃焼室から粉末を除去することは困難であ
り、これを放置すると、燃焼空間が狭まり、燃焼性能が
低下する。
【0008】また、湿式吹き付け法や溶射法により得ら
れる補修層は通気性を有しており、また、表面に凹凸が
多い。このため、石炭の乾留の過程で発生するピッチの
蒸気が石炭とともに補修層の気孔へ進入して熱分解し、
カーボン、灰分を蓄積させ、ここを起点にしてカーボン
の付着成長が起こり、凹凸が増加する。この現象は炉壁
煉瓦の補修層に共通して見られる。
【0009】また、ドライシール法、湿式吹き付け法、
溶射法においては、補修に使用した耐火材料の一部が飛
散して炉底に溜まり損失となる。このようなリバウンド
ロスが不可避であると言う問題点もある。
【0010】本発明は、開気孔がなく、かつ平滑な補修
面を形成することができるコークス炉の炉壁の補修方法
を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、第1の発明は、稼働中のコークス炉の炉壁の補修方
法であって、空窯になった際の高温の炉壁に、主成分と
してSiO2 を40〜95wt%、B23 、Na
2 O、K2 Oの中から選ばれた酸化物を合計で5〜30
wt%含有するセラミックシートと、軟質金属フォイル
の2層からなる補修シートを、軟質金属フォイルを炉壁
側にして加圧密着させることを特徴としている。
【0012】第2の発明は、第1の発明において、補修
シートを構成する軟質金属フォイルがアルミニウムフォ
イルであることを特徴としている。
【0013】第3の発明は、第1の発明または第2の発
明において、補修シートを構成するセラミックシートが
セラミッククロスよりなるものであることを特徴として
いる。
【0014】第4の発明は、第1〜第3の何れかの発明
において、補修シートを構成するセラミックシートがセ
ラミッククロスとこのセラミッククロスに担持させたセ
ラミック粉末よりなるものであることを特徴としてい
る。
【0015】第5の発明は、第1〜第4の何れかの発明
において、補修シートを構成するセラミックシートが面
積当りの質量が200g/m2 以上のものであることを
特徴としている。
【0016】第6の発明は、第1〜第5の何れかの発明
において、補修シートを炉壁に接触させ、この補修シー
トをローラーで転圧することにより炉壁に加圧密着させ
ることを特徴としている。
【0017】次に、セラミックシートと軟質金属フォイ
ルよりなる補修シートについて説明する。
【0018】セラミックシートが上記の組成を有するも
のであると、炉壁に加圧密着させた際に、破断すること
なく炉壁表面の形状に合わせて変形する。加圧密着した
セラミックシートは、炉壁との接触部位から急速に加熱
され、軟化して溶融する。この過程で溶融物が炉壁表面
の凸部から凹部へ流れ込み凹部を埋める。次いで、溶融
物から揮発成分が気化して放散し、残留物の融点が上昇
して固化する。そして、炉壁表面に開気孔の殆どない平
滑な膜(表層膜)が形成される。
【0019】セラミックシートの主成分をSiO2 とす
ることにより、溶融した際に、煉瓦の珪石あるいはSi
2 を主成分とする補修層と良く濡れ、密着性がよくな
る。また、セラミックシートの主成分をSiO2とする
ことにより、SiO2 を主体とした結晶相からなる表層
膜が形成されるので、表層膜の熱膨張特性を珪石および
補修層に近づけることができる。このような観点から、
セラミックシートのSiO2 含有率は40wt%以上で
あることが望ましい。
【0020】ところで、燃焼室側から加熱される炉壁の
炭化室側は900から1300℃の温度になるので、補
修シートを構成するセラミックシートはこの温度で溶融
するものでなければならない。このため、融点降下物質
を添加し、SiO2 の融点を下げる必要がある。融点降
下物質としては、B2 3、Na2 O、K2 Oが挙げら
れ、これらの中から選ばれた酸化物を合計で5〜30w
t%含有させることによって、上記温度範囲でセラミッ
クシートを溶融させることができる。このように、5〜
30wt%の融点降下物質を含有させる必要があるの
で、セラミックシートのSiO2 の含有率は95wt%
以下とする。
【0021】セラミックシートが溶融した際には、その
溶融物が適度の粘性を有している必要がある。溶融物の
粘度が低過ぎると、溶融物の炉壁への浸透が過度にな
り、表層膜の形成が困難になる。また、粘度が高過ぎる
と、溶融物の炉壁への浸透が不足し、表層膜の接着強度
が不十分となる。このため、必要に応じて、Al
2 3,CaO,MgO,ZrO2 ,TiO2 等の酸化
物を加えて溶融時の粘度を調節してもよい。また、A
l,Si等の金属を添加し、これらの金属の酸化発熱に
よって溶融物の粘度を調節してもよい。
【0022】上記のようにして形成される表層膜はSi
2 を主成分とするものであるので、その熱膨張特性は
炉壁の特性に近いが、両者の熱膨張特性が一致する訳で
はない。このため、炉壁とセラミックシートを直接接合
させて表層膜を形成させると、炉壁温度の周期的な変化
により、炉壁との界面近傍で亀裂が発生し、表層膜が剥
離しやすい。
【0023】このような問題に対処し、本発明において
は、補修シートをセラミックシートと軟質金属フォイル
の2層からなるものにし、生成した表層膜と炉壁との間
に軟質金属の層を存在させる。そして、温度変化によっ
て起る表層膜と炉壁の膨張・収縮の度合いに差が生じ、
これによる応力が発生しても、上記軟質金属が変形し、
その応力を吸収するので、表層膜の亀裂や剥離は防止さ
れる。
【0024】本発明において、軟質金属とは、フォイル
化可能な展性を有し、低融点の金属(合金を含む)を指
すものとする。このような軟質金属の中で、特に好まし
い金属はアルミニウムである。
【0025】アルミニウムは炭化室側の炉壁温度である
900〜1300℃の温度領域では溶融状態になってお
り、炉壁と表層膜の間に発生する応力を極めて容易に吸
収する。また、アルミニウムは強固な酸化膜を形成する
金属であり、内部の酸化が防止されるので、その内部が
金属アルミニウムの状態で維持される。このため、応力
吸収効果が長期間持続する。
【0026】軟質金属フォイルの厚さは20〜200μ
m程度であるのが望ましい。その厚さが20μm未満で
は応力吸収効果の発現が不十分であり、また、200μ
mを超えると、表層膜が溶融した軟質金属層の部分から
剥離する。
【0027】なお、上記のような作用をなす軟質金属の
層は表層膜と炉壁の間の全面にわたって存在しなければ
ならないものではなく、断続的に存在していてもよい。
【0028】また、セラミックシートの面積当りの質量
は200g/m2 以上とすることが望ましい。200g
/m2 未満では、セラミックシートが溶融して炉壁の凹
部を埋める際に、その溶融物の量が不足し、平滑な膜を
形成することが困難となる。
【0029】セラミックシートはセラミッククロスより
なるものであってもよい。セラミッククロスとしては、
上記組成範囲のセラミック繊維を織ったものを用いる。
セラミック繊維は非晶質のガラス繊維であっても、結晶
質の繊維であってもよい。セラミック繊維の太さについ
ては特に制約されない。また、織り方については、平織
り、綾織り、朱子織り等、何れであってもよい。
【0030】セラミックシートはセラミッククロスとこ
のセラミッククロスに担持させたセラミック粉末よりな
るものであってもよい。セラミック粉末としては、珪
砂、ろう石等の天然鉱物を主成分とし、これに上記融点
降下成分を添加したものであってもよい。また、セラミ
ック粉末としては、E−グラス組成、C−グラス組成の
カレットを使用することもできる。
【0031】また、セラミックシートの形成に際して
は、上記セラミック粉末に有機バインダーと水を添加し
てスラリーとし、このスラリーをセラミッククロスに塗
布し、乾燥してもよい。また、セラミッククロスをキャ
リアシートとし、ドクターブレード法により上記スラリ
ーをシート状に形成し、乾燥してもよい。さらに、セラ
ミックシートの形成に際しては、平均組成が上記範囲に
なるように調整する。
【0032】セラミックシートを炉壁表面に加圧密着さ
せる方法については、特に制約されものではなく、例え
ば、平板を押し付けて加圧密着させたり、ローラーを押
し付けてこれを転動させて加圧密着させもよい。
【0033】セラミックシートをローラーにより加圧密
着させる方法は、炉壁表面に沿ってローラーを移動させ
るだけで均一に加圧することができるので、より好まし
い方法である。このローラーによる方法は、ローラーが
1段であってもよく、複数段であってもよい。ローラー
が複数段の場合には、まず、1段目のローラーでセラミ
ックシートを炉壁に密着させる。このセラミックシート
が溶融して発泡し、次いで、気泡が抜けて開気孔がある
溶融膜ができた後、この溶融膜が固化する前に2段目以
降のローラーで加圧して開気孔を潰し、緻密な表層膜を
形成させる。また、ローラーが1段であっても、1段目
のローラーを時間をおいて往復させることにより複数段
の機能を果たさせてもよい。
【0034】
【発明の実施の形態】図1は本発明において使用する補
修シートの一例を示す断面図である。この補修シート1
はセラミックシートであるセラミッククロス2と軟質金
属であるアルミニウムのフォイル3により構成されてい
る。セラミッククロス2の具体的な構成例としては、主
要成分がSiO2 54wt%、Al2 3 15wt%、
CaO20wt%、MgO3wt%、K2 O1wt%で
あるガラス繊維を平織りにしたもので、面積当りの質量
が340g/m2 、厚さが0.5mmのものが挙げられ
る。
【0035】図2は本発明によりコークス炉の炉壁に補
修シートが加圧されて密着する状態を示す断面図であ
る。ローラーを備えた補修装置を使用する場合、補修シ
ートは次のようにして加圧密着される。まず、補修シー
ト1をアルミニウムフォイル側を炉壁30の表面に接触
させる。ローラー12で補修シート1を炉壁30に押し
付けつつ、ローラー12を転動させて押し付ける位置を
連続的に移動させる。このようにして、炉壁30の表面
の凹凸を転写するように、補修シート1を変形させ、炉
壁に密着させる。セラミックシート1は炉壁30から受
熱して軟化し、容易に密着する。この際、凸部と接触し
ていた部分が凹部へ移動し、加圧面は平滑になる。そし
て、図3に示すように、加圧された補修シートは炉壁3
0の凹凸を均し、平滑な表層膜4となる。
【0036】表層膜4はさらに加熱されて溶融し、炉壁
30との接触界面においては溶融物の一部が炉壁中へ浸
透する。また、加圧密着された補修シートにおいては、
添加された融点降下剤の一部が気化して表層膜4が発泡
し、気化物質は表層膜4の表面から抜ける。この発泡が
繰り返される間に、融点が上昇し、溶融物は固化する。
このようにして、炉壁30に根を張った平滑な表層膜4
が形成される。
【0037】図4は補修シートをコークス炉の炉壁に加
圧密着させる補修装置を示す図である。(a)図は炭化
室内へ補修装置を挿入した状態を示す横断面図、(b)
図は炭化室内へ補修装置を挿入した状態を示す縦断面図
である。図4(a),(b)において、32a,32b
は燃焼室、31は炉壁30a,30bによって区画され
た炭化室、20はコークスの押し出し機、10は押し出
し機に取り付ける補修装置である。
【0038】補修装置10は、補修を開始する際に、押
し出し機のラムヘッド21の先端に取り付けるものであ
って、コイル状の補修シート1をセットするシートスト
ッカー11a,11bと、補修シート1を壁面に押圧す
るローラー12a,12bと、補修シート1の端を固定
するピンチ13a,13bとからなる。
【0039】炉壁の補修に際しては、押し出し機側とコ
ークス側の炉蓋を外して窯出し、炭化室31を空窯の状
態にした後、まず、シートストッカー11a,11bお
よびローラー12a,12bをコークスの押し出し機の
ラムヘッド21の先端に取り付ける。ピンチ13a,1
3bをそれぞれ炉壁30a,30bの炉外押し出し機側
に取り付ける。コイル状の補修シートをシートストッカ
ー11a,11bにセットし、その補修シート1a,1
bの端部をそれぞれピンチ13a,13bで固定する。
【0040】そして、押し出し機の駆動モーター22を
起動する。これにより、押し出し機のラムヘッド21が
押し出し機側からコークス側に向けて移動する。ラムヘ
ッド21の移動により、シートストッカー11a,11
bが回転して補修シートが巻き戻され、この補修シート
1a,1bが高温の炉壁30a,30bの壁面に供給さ
れる。この補修シート1a,1bは、転動するローラー
12a,12bにより、それぞれ炉壁30a,30bに
押し付けられて接着する。ラムヘッド21がコークス側
に行き着いたところで、シートストッカー11a,11
bは空になり、壁面に接着した補修シート1a,1bは
シートストッカー11a,11bから切り離された状態
になる。
【0041】次いで、駆動モーター22を逆回転させて
ラムヘッド21をコークス側から押し出し機側まで戻
す。この戻りの間に、補修シート1a,1bは、それぞ
れローラー12a,12bにより再度転圧される。この
再度の転圧によって、補修シート1a,1bは、内蔵さ
れていた気泡が潰され、緻密で気孔がなく、かつ、平滑
な表層膜となる。
【0042】
【実施例】コークス炉で26年間使用した珪石煉瓦を採
取した。この珪石煉瓦には炭化室側の壁面に当初面から
最大3mmの深さの凹部を有する凹凸があった。この炭
化室側の壁面を上にして、この面を、E−グラス(52
〜56wt%SiO2 、12〜16wt%Al2 3
15〜25wt%CaO、0〜6wt%MgO、8〜1
3wt%B2 3 、0〜1wt%(Na2 O+K
2 O))の繊維を平織にし、質量2010g/m2 、厚
さ3.0mmにしたガラスクロスで覆い、マッフル炉に
入れた。15℃/分の昇温速度で1100℃まで加熱
し、10分間保持後、内部を観察したところ、ガラスク
ロスが発泡状態になって珪石煉瓦の表面を覆っていた。
マッフル炉の前面扉を開けて、軟鋼製ローラーを挿入し
て転圧した後、直ちにローラーを取り出して扉を閉じ
た。10分間保持後、炉の電源を切って放冷した。この
ような処理を施した珪石煉瓦の上面は緻密で平滑な白色
の膜により覆われていた。この表層膜には亀裂はなく、
100倍の顕微鏡で観察した結果では開気孔は認められ
なかった。表層膜の一部を採取してX線回折にかけたと
ころ、クリストバライトとトリジマイトの結晶の存在が
確認された。
【0043】稼働中のコークス炉の炉壁の補修をシミュ
レートした上記の実験により、平均組成でSiO2 を4
0〜95wt%、B2 3 、Na2 O、K2 Oの中から
選ばれた酸化物を合計で5〜30wt%含有し、かつ、
質量200g/m2 以上の補修シートを炉壁表面に加圧
密着させることにより、緻密で平滑な表層膜が得られる
ことがわかった。
【0044】
【発明の効果】本発明の方法によれば、炉壁に、開気孔
がなく、かつ平滑な補修面を形成することできる。この
ため、コークスの押し出しが容易となり、壁面を傷める
こともなくなる。また、補修面に開気孔がでず、カーボ
ンや灰分が付着し難いので、付着物の成長による凹凸の
増加も起こらない。従って、補修後の壁面を平滑な状態
に維持することができ、長期にわたって安定したコーク
ス炉の操業が可能となる。
【0045】また、本発明の方法によれば、ドライシー
ル法、湿式吹き付け法、溶射法等の従来技術で施工した
場合に問題となる材料のリバウンドロスが発生しない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明において使用する補修シートの一例を示
す断面図である。
【図2】本発明によりコークス炉の炉壁に補修シートが
加圧されて密着する状態を示す断面図である。
【図3】補修シートが炉壁に密着して平滑な表層膜が形
成された状態を示す断面図である。
【図4】補修シートをコークス炉の炉壁に加圧密着させ
る補修装置を示す断面図である。
【符号の説明】
1,1a,1b 補修シート 2 セラミッククロス 3 アルミニウムフォイル 4 表層膜 10 補修装置 11a,11b シートストッカー 12a,12b ローラー 13a,13b ピンチ 20 押し出し機 21 押し出し機のラムヘッド 22 押し出し機の駆動モーター 30,30a,30b 炉壁

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 稼働中のコークス炉の炉壁の補修方法で
    あって、空窯になった際の高温の炉壁に、主成分として
    SiO2 を40〜95wt%、B23 、Na2 O、K
    2 Oの中から選ばれた酸化物を合計で5〜30wt%含
    有するセラミックシートと、軟質金属フォイルの2層か
    らなる補修シートを、軟質金属フォイルを炉壁側にして
    加圧密着させることを特徴とするコークス炉の炉壁の補
    修方法。
  2. 【請求項2】 補修シートを構成する軟質金属フォイル
    がアルミニウムフォイルであることを特徴とする請求項
    1に記載のコークス炉の炉壁の補修方法。
  3. 【請求項3】 補修シートを構成するセラミックシート
    がセラミッククロスよりなるものであることを特徴とす
    る請求項1または請求項2記載のコークス炉の炉壁の補
    修方法。
  4. 【請求項4】 補修シートを構成するセラミックシート
    がセラミッククロスとこのセラミッククロスに担持させ
    たセラミック粉末よりなるものであることを特徴とする
    請求項1〜請求項3の何れかに記載のコークス炉の炉壁
    の補修方法。
  5. 【請求項5】 補修シートを構成するセラミックシート
    が面積当りの質量が200g/m2 以上のものであるこ
    とを特徴とする請求項1〜請求項4の何れかに記載のコ
    ークス炉の炉壁の補修方法。
  6. 【請求項6】 補修シートを炉壁に接触させ、この補修
    シートをローラーで転圧することにより炉壁に加圧密着
    させることを特徴とする請求項1〜請求項5の何れかに
    記載のコークス炉の炉壁の補修方法。
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