JP3562076B2 - 分光感度測定装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、種々の感光性樹脂、特にレジストの分光感度特性を測定する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、レジストの分光感度特性の測定、評価は、レジストの分光吸収特性により推測する方法により行っていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
近年、半導体製造装置、例えばステッパーにおいては半導体素子の高集積化が進み、回路パターンを高速に露光することが求められている。従って、露光装置の性能は勿論、基板上に塗布されるレジストの性能を最大限に生かすことが必要である。回路パターンの露光速度においては基板上に塗布されるレジストの分光感度特性による影響が大きいからである。レジストの種類は様々であり、その分光感度特性も多種多様である。従って、基板上に塗布するレジストは露光装置(露光に使用する光の波長)に最適なものを使用する必要があり、従って、その分光感度特性を正確に計測しておかなければならない。
【0004】
しかしながら、上述の如き従来の方法ではその測定精度が低く、必ずしも最適なレジストを用いていたとは限らない。
本発明は上述のごとき従来の問題に鑑みてなされたもので、感光性樹脂の分光感度特性を精度よく測定するための装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上述の如き従来の問題を解決するため、請求項1記載の本発明は、光源(2)からの光を受けて波長が連続的に変化するスリット状の光として射出するプリズム(11)を有し、スリット状の光を感光性樹脂が塗布された基板(14)に対して照射する照射光学系(1、3、6、7、)と、スリット状の光の基板への照射時間を可変とする照射時間可変手段(54)と、基板(14)を保持するとともに、感光性樹脂が塗布された面に平行な方向に移動可能なステージ(15、16)と、ステージ(15、16)をステップ移動させるとともに照射時間可変手段によるスリット状の光の基板への照射時間を制御して、異なる露光時間でスリット状の光を基板上に並列させて露光する露光制御手段(31)とを有し、露光された基板を現像処理することにより得られる複数のスリット像に基づいて感光性樹脂の分光感度を測定することを特徴とする分光感度測定装置である。
【0006】
分散素子としてプリズムを用いることにより、分散が波長の屈折率に依存し、例えば回折格子を用いたときに生じる高次光の重なりは全くなく、安定して連続したスリット状の光が得られる。また、実際に感光性樹脂が塗布された基板状に波長が連続的に変化するスリット光を様々な露光時間で照射し、現像したときのスリット像を観察するため、瞬時に視覚的に感光性樹脂の分光感度特性を知ることができる。
【0007】
請求項2記載の本発明は、照射光学系中に配置され、光源(2)からの光のうち任意の波長帯域の光のみを透過して基板に照射させる波長選択手段(9)を有することを特徴とするものである。
これにより、例えば任意の波長の光を取り出してその波長の光が照射される基板上の位置を明らかにすることができる。すなわち、任意の波長の光が照射される基板上の位置をしるために、その波長の光を基板上に露光して位置を確認することができる。分散素子として回折格子を用いた場合は、露光した波長を知るために露光用光源以外に輝線を放射する光源を用意しなければないが、プリズム(11)と波長選択手段(9)を用いたことによりこの必要がなく、コンパクトで安価な装置を提供することができる。
【0008】
請求項3記載の本発明は、前述のステージ(15、16)は、基板の有する直線的なエッジ部(142)と基板上に照射されるスリット状の光との相対的な位置関係を一義的に決めるための基板固定部材(32)を有し、エッジと平行な方向に基板を移動させることを特徴とするものある。
これは基板上のどの位置にどの波長の光が照射されるかを知るため、基板のエッジを常にスリット光に対して所定の位置関係となるように位置決めすることにより、そのエッジを基準として求めることができる。
【0009】
請求項4記載の本発明は、スリット状の光を受光するとともに、波長に対応した光エネルギーを検出するエネルギー検出手段(44)を有することを特徴とするものである。
このエネルギー検出手段によって波長とエネルギーとの関係を求めておくことにより、露光に必要な光エネルギーを波長ごとに精度よく求めることが可能となる。
【0010】
請求項5に記載の本発明は、現像された基板を撮像して画像処理するとともに、基板上におけるスリット像の形成位置と、基板上または基板を位置決めする位置決め部に設けられた基準マークとを認識し、それらの相対位置関係に基づいて感光性樹脂の分光感度を測定する分光感度測定手段(131、1332、133)を有することを特徴とするものである。
【0011】
このように現像した基板を撮像してスリット像を画像処理することにより、感光性樹脂の分光感度特性を高速にかつ高精度に、基板を傷つけることなく求めることができる。
請求項6に記載の本発明は、前述の基準マークは基板の有する直線的なエッジ(142)、またはエッジを支持する支持部材(313)であることを特徴とするものである。
【0012】
基板の有する直線的なエッジまたはエッジを支持する支持部材は、基板に照射されるスリット光と所定の位置関係にある。従って、このエッジ又は支持部材を基準としてスリット像の形成位置を測定することにより、どの波長の光の照射された部分が露光されたかを簡単にかつ正確に求めることができる。
請求項7記載の本発明は、前述の分光感度測定手段は、マークと複数のスリット像の各々の端部との相対的な位置関係を検出することによって分光感度を測定することを特徴とするものである。
【0013】
スリット像の端部は、その露光時間で露光された波長の上限、下限を表すものであり、この上限、下限を求めることにより、感光性樹脂の分光感度を精度よくらら求めることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1は本発明のレジストの分光感度測定装置の実施形態における概略的な構成を示す図である。
光源2は連続スペクトルを放射するもので、例えばXeランプである。光源2からの光は反射ミラー1によって反射し、集光レンズ3によって集光する。この集光位置にはスリット5、及びシャッタ4が設けられている。シャッタ4は主制御系31によってその開閉が制御され、基板14に照射する時間が調節される。スリット5を通過した光はコリメータミラー7によって平行光となる。この平行光の光路に対して挿脱可能にアパーチャ8が設けられ、さらに波長選択部9が設けられている。波長選択部は複数の光路中に挿脱可能に配置された複数の干渉フィルターを有し、光路中に挿入する干渉フィルターの枚数が選択でき、所定波長域の光のみを通過させることができる。またアパーチャ8を光路中に挿脱することにより、光量の調整を行うことができる。これはアパーチャに限らず、NDフィルターであってもよい。この波長選択部9の干渉フィルター及びアパーチャ8の光路への挿脱は、駆動装置30によって駆動され、駆動装置30は主制御系31によって制御される。
【0015】
プリズム11で分散された光はミラー6によってフォトレジストが塗布された基板14上に照射される。基板14はホルダ15に保持されており、このホルダ15は移動装置16上に載置されている。移動装置16とホルダ15とでステージを構成している。移動装置16は図1の紙面に垂直な方向に移動可能となっている。ホルダ15には基板の有する直線的なエッジに当接して基板を位置決めする基板固定部材32が設けられている。この基板固定部材32は図1の紙面に垂直な方向に並設された複数の位置決めピンである。基板保持部材32は基板14と基板14上に照射されるスリット状の光との相対的な位置関係を一義的に決める。横方向の位置決めは不図示の横方向位置決めピンにより位置決めされている。これら位置決めピンは試料の形状、大きさによりその位置を変えることができる。
【0016】
箱13は移動装置16及びホルダ15を囲んでおり、外部の光の遮光と気密容器とを兼ねている。上述のスリット光は箱13に設けられた窓12を介して基板に照射される。窓12は気体を通過せず、箱13内の気密が保たれるように箱13に設けられている。この箱13内部にガス充満装置10にて窒素ガスを充満させることにより、窒素雰囲気下での露光が可能となる。
【0017】
主制御系31はシャッタ4、波長選択部9、アパーチャ8を制御する他、装置全体を統制御する。
主制御系31は、基板に対してスリット光を露光する際、スリット光の露光時間を変えながらステージをステッピング移動させていく。例えば1回目にt秒露光したのちステージを所定量移動し、2回目に2t秒露光をおこなう。さらにステージを所定量移動させて3回目に22 t秒の露光を行う。これを繰り返しN回目には2(n−1) tの露光を行う。露光時間はこれに限らず、例えばt、2t、3t・・・のようにしても良い。
【0018】
図2は上述のごとく10回の露光が行われたときの基板14を現像して得られるスリット像を示す図である。図2の破線で示す10個の長方形領域は、スリット光による露光領域であり、その中の黒く示す部分が現像して得られたスリット像である。また、図2における基板14の左方向に行くに従って、露光時間が長いスリット像を示し、上方に行くに従って、照射したスリット光の波長が長いことを示す。また、前述した基板保持部材によって保持されたエッジは、図2の下側のエッジ142である。このエッジ142とスリット光との位置関係は予め分かっており、さらに基板上に照射されるスリット光の波長分布も光学設計で計算される逆線分散曲線から予め求めることができるため、縦方向(図2の上方向)におけるエッジからの距離が分かればその位置に照射された波長が分かる。図3は逆線分散曲線から求めたスリット光の波長分散グラフを示す。従って、使用者はそのスリット像を見ることによりどの波長の光が何秒の露光時間で感光したかという情報を得ることができ、測定したレジストに最適な露光波長を知ることができる。
【0019】
また、図2に示すパターン41、42、43は波長選択部9によって選択された異なる波長λ1 、λ2 、λ3 の光で露光したときに得られるパターン像である。これは10回目の露光が終了した後さらに所定量だけステップ移動して夫々の波長の光を露光したときのものである。従って、波長λ1 、λ2 、λ3 の光が照射される位置(エッジ142からの距離)がこのパターンを目印にすることで瞬時に把握することができる。
【0020】
波長選択部9が有する干渉フィルターは原理的には1枚で良いが、複数個あれば上述の逆線分散曲線を補正することができ、より正確な波長の決定が可能となる。
また、図4に示すように、ホルダ15上の周辺部(基板が載置される領域外)に光パワーメータ44(例えばシリコンディテクタ等)を配置し、基板への露光の前または後にスリット光をこの光パワーメータ44に照射することにより、任意波長での光エネルギー(エネルギー密度)を検出することができる。このとき、移動装置16はホルダ15を図4における上下方向(スリット光の長手方向)に移動させ、連続的に波長が変化するスリット光に対して所定波長の光のエネルギーを順次検出していく。この光パワーメータ44で検出したスリット光の光エネルギー分散のグラフを図5に示す。このグラフのデータは主制御系31に出力され、主制御系31はこのデータを記憶する。使用者はこの光エネルギーのデータに基づいて、測定したレジストに対して必要な露光エネルギーを任意の露光波長において計算することができ、さらに精度よくレジストの分光感度特性を知ることができる。光パワーメータとしては上述の構成に限らず、例えば予め複数のパワーメータをスリット光の長手方向に並設しても良い。この場合は各パワーメータ間で検出感度のキャリブレーションを行うことが必要である。
【0021】
次に、レジストの分光感度特性を画像処理によって自動的に測定する装置について説明する。図6は分光感度特性を評価する装置の概略的な構成を示す図である。131は撮像部、132はコンピュータ、133は画像取り込みボード、134はモニタである。撮像部131により撮影された基板の画像は画像取り込みボード33によりアナログ・デジタル変換され、不図示の画像メモリに取り込まれ、コンピュータ132により画像処理される。図7は撮像部131の構成を示す図である。311はCCDカメラ、312はレンズ、313は位置決めピン、314は透過用照明、315はホルダ、316は反射用照明である。
【0022】
基板14がガラスのような透明な場合、透過照明314を使用する。試料14がシリコンウェハのように光を透過しない場合は、反射照明316を使用する。反射照明を使用する場合、カメラ311と基板14と反射照明316との位置関係は反射照明316の照明光が基板14で正反射してカメラ311に入射するような配置にする。透過照明314と反射照明316とは均一な拡散面照明である。また、反射照明316は基板14の全面にわたって正反射光がカメラ311に入射するだけの大きさが必要である。
【0023】
また、ハーフミラーを用いて反射照明とカメラとを同軸とすることもできるが、部品点数が増えてしまうことから、図4に示す配置の方がコストがかからなくてすむ。
図8はコンピュータによる主な画像処理の流れを示すフローチャートである。コンピュータはまずカメラキャリブレーションを行う(ステップ101)。撮像部131で取り込まれた画像はカメラ311、レンズ312の光軸に対して基板14が斜めに配置されているため、歪んだ画像となる。また、レンズ312にはもともとディストーション等の収差があり、得られた画像はこのディストーションによって多少歪んだものとなっている。収差を補正するためにカメラキャリブレーションという方法が一般的に行われている。本装置においてはカメラキャリブレーションで基板を斜めに配置することによる歪と、レンズディストーションによる歪とを特に区別せず、同時に取り除くような処理をする。そのために基準となるデータの取り込みから行う。図9は基準試料61を示し、基板上に白、黒の正方形パターンが縦横交互に碁盤の目上に並んで配置されている。キャリブレーションの方法としては、既知の寸法の基準試料61をホルダ315に設置し、反射照明316を用いて撮像し、各画素の歪み量をルックアップテーブルや近似式により記憶する。試料61、基板14の撮像時には、撮像部131からの画像はモニタ134上に表示される。測定時、基板14の画像の各画素は、前述のルックアップテーブルや近似式により画像メモリが書き換えられ補正される。このとき、測定精度に影響するのは図2に示す基板の縦方向(波長方向)であるため、波長方向のみを補正して計算量を減らしてもかまわない。
【0024】
次に露光シーケンスの入力を行う(ステップ102)。露光シーケンスは図1に示す装置において露光をおこなったときの露光条件(露光時間等)や、基板の形状等の情報である。
次に試料の撮像を行う(ステップ103)。カメラ311によって撮像された基板の像を図10に示す。図1に示す装置にて位置決めされたエッジ142は位置決めピン313に当接して基板14が再び位置決めされている。横方向の位置決めは不図示の横方向位置決めピンにより位置決めされている。これら位置決めピンは試料の形状、大きさによりその位置を変えることができる。特に方形の基板と円形のシリコンウェハのような基板とではそれらのピンの位置を変える必要がある。また、位置決めピン313の位置は、図1に示す装置と同じ位置に設定することより、測定誤差を最小限に抑えることができる。
【0025】
基板14が所定の位置に位置決めされると、画面内にはスリット像143と基準面であるエッジ142と、位置決めピン313が写るように設定されている。操作者はコンピュータ132を走査してこの画像を取り込む。
次に画像の補正を行う(ステップ104)。画像の補正はカメラキャリブレーションにより作成したルックアップテーブル又は近似式に基づいて、歪んだ画像を正しい画像に補正し、コンピュータ132のモニタ134上に表示する。
【0026】
次に2値化を行う(ステップ105)。2値化に関しては広く種々の方法が知られており、適した処理方法を選ぶことが好ましい。
次に基準面の認識を行う(ステップ106)。前述の基板14の撮像において写された位置決めピン313の画像内の位置は前述の露光シーケンスの入力で入力した基板の形状で決まるほぼ同じ位置に撮像される。図10に示す位置決めピン313の頭部表面には、画像処理により位置が測定し易いように白黒の模様が縦横交互に並ぶように描いてある。これにより位置決めピン313の中心位置が正確に求まり、左右の位置決めピン313を結ぶことにより基準面であるエッジ142の位置を割り出すことができる。
【0027】
また、直接エッジ142の微分やハフ変換により認識しても良いが、ガラス基板や端面の面取りしてあるものは端面が明瞭に撮像され難く、誤差が生じ易いので位置決めピン313をもとに基準面(エッジ)を割り出す方法が安定している。
次にスリット像(感光領域)を夫々の部分に区分けしクラスタリングを行う(ステップ107)。これは図10における感光領域を右側から1、2、3・・・10と番号をつけて区分けすることであり、夫々をクラスタと呼ぶ。
【0028】
次に各クラスタの上端、下端の位置の算出を行う(ステップ108)。図10の各クラスタ内の画素で、波長方向最上端の画素の座標と、最下端の画素の座標とを求め、予め求めておいた画素の大きさと前述のエッジの認識で求めたエッジ142の座標とから、エッジ142との距離をミリメートル換算する。また、コンピュータ132には図3、図5に示す波長分散グラフ、エネルギー分散のグラフが夫々、離散的に記憶し内装する方法や、近似式や、ルックアップテーブル等により記憶されている。各クラスタの上端、下端位置の算出で求めた上端位置、下端位置を図3に示す波長分散に上記いずれかの方法を用いて波長nmに換算する。さらに波長を図9に示すエネルギー分散mJに換算する(ステップ109)。
【0029】
次に表、グラフ、目盛りの表示を行う(ステップ110)。図11は露光に必要なエネルギー各波長別に表示したグラフである。縦軸は露光に必要なエネルギー(mJ)、横軸は波長(nm)である。前のステップ109で求めた波長と露光エネルギーとの関係を図11に示すような表にしてモニタ134に表示する。操作者はこれらの測定結果のデータをコンピュータ内に記憶させたり、印刷したりすることができる。
【0030】
このような装置では、基板上のスリット像を撮像して画像処理して、自動的にレジストの分光感度特性を測定しているため、瞬時に正確なレジストの分光感度特性を知ることができる。
また、コンピュータ132は図12に示すように、撮影した基板の像と波長の目盛りとを重ねて表示しても良い。ここでは図3に示す波長分散から算出して水銀ランプのg、h、i線の各位置を換算して表示した例を示す。これは必要により波長を数字で表示しても良い。このような表示によって、瞬時に視覚的にレジストの分光感度特性を認識することができる。
【0031】
【発明の効果】
以上のような本発明によれば、感光性樹脂の分光感度特性を、高精度で且つ安定して測定することができる。また、簡単な構成でかつ安価な装置を提供することができる。
請求項1記載の本発明においては、分散素子としてプリズムを用いることにより、分散が波長の屈折率に依存し、例えば回折格子を用いたときに生じる高次光の重なりは全くなく、安定して連続したスリット状の光が得られる。また、実際に感光性樹脂が塗布された基板状に波長が連続的に変化するスリット光を様々な露光時間で照射し、現像したときのスリット像を観察するため、瞬時に視覚的に感光性樹脂の分光感度特性を知ることができる。
【0032】
請求項2記載の本発明においては、例えば任意の波長の光を取り出してその波長の光が照射される基板上の位置を明らかにすることができる。すなわち、波長とその波長が照射される位置との関係がわかるので、その波長の光を基板上に露光して位置を確認することができる。
請求項3記載の本発明においては、基板上のどの位置にどの波長の光が照射されるかを知るため、基板のエッジを常にスリット光に対して所定の位置関係となるように位置決めすることにより、そのエッジを基準として求めることができる。
【0033】
請求項4記載の本発明においては、エネルギー検出手段によって波長とエネルギーとの関係を求めておくことにより、露光に必要な光エネルギーを波長ごとに精度よく求めることが可能となる。
請求項5記載の本発明においては、現像した基板を撮像してスリット像を画像処理することにより、感光性樹脂の分光感度特性を高速にかつ高精度に、基板を傷つけることなく求めることができる。
【0034】
請求項6記載の本発明においては、エッジ又は支持部材を基準としてスリット像の形成位置を測定することにより、どの波長の光の照射された部分が露光されたかを簡単にかつ正確に求めることができる。
請求項7記載の本発明においては、スリット像の端部は、その露光時間で露光された波長の上限、下限を表すものであり、この上限、下限を求めることにより、感光性樹脂の分光感度を精度よくらら求めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の分光感度測定装置の概略的な構成を示す図である。
【図2】露光した基板を現像したときに得られるスリット像を示す図である。
【図3】露光波長と基板上に照射される位置との関係を示すグラフである。
【図4】基板を保持するホルダを示す図である。
【図5】露光波長とエネルギーとの関係を示すグラフである。
【図6】レジストの分光感度特性を評価する装置の概略的な構成を示す図である。
【図7】撮像部の構成を示す図である。
【図8】分光感度特性を測定する際のフローチャートである。
【図9】キャリブレーション用の基準試料を示す図である。
【図10】カメラで撮影される基板の像を示す図である。
【図11】波長と露光に必要なエネルギーとの関係を示すグラフである。
【図12】モニタに表示する基板像の他の例である。
【符号の説明】
2・・・光源
8・・・アパーチャ
9・・・波長選択部
11・・・プリズム
14・・・基板
15・・・ホルダ
16・・・移動装置
30・・・駆動装置
31・・・主制御系
32・・・保持部材
44・・・光パワーモニタ
131・・・撮像部
132・・・コンピュータ
133・・・画像取り込みボード
134・・・モニタ
【発明の属する技術分野】
本発明は、種々の感光性樹脂、特にレジストの分光感度特性を測定する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、レジストの分光感度特性の測定、評価は、レジストの分光吸収特性により推測する方法により行っていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
近年、半導体製造装置、例えばステッパーにおいては半導体素子の高集積化が進み、回路パターンを高速に露光することが求められている。従って、露光装置の性能は勿論、基板上に塗布されるレジストの性能を最大限に生かすことが必要である。回路パターンの露光速度においては基板上に塗布されるレジストの分光感度特性による影響が大きいからである。レジストの種類は様々であり、その分光感度特性も多種多様である。従って、基板上に塗布するレジストは露光装置(露光に使用する光の波長)に最適なものを使用する必要があり、従って、その分光感度特性を正確に計測しておかなければならない。
【0004】
しかしながら、上述の如き従来の方法ではその測定精度が低く、必ずしも最適なレジストを用いていたとは限らない。
本発明は上述のごとき従来の問題に鑑みてなされたもので、感光性樹脂の分光感度特性を精度よく測定するための装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上述の如き従来の問題を解決するため、請求項1記載の本発明は、光源(2)からの光を受けて波長が連続的に変化するスリット状の光として射出するプリズム(11)を有し、スリット状の光を感光性樹脂が塗布された基板(14)に対して照射する照射光学系(1、3、6、7、)と、スリット状の光の基板への照射時間を可変とする照射時間可変手段(54)と、基板(14)を保持するとともに、感光性樹脂が塗布された面に平行な方向に移動可能なステージ(15、16)と、ステージ(15、16)をステップ移動させるとともに照射時間可変手段によるスリット状の光の基板への照射時間を制御して、異なる露光時間でスリット状の光を基板上に並列させて露光する露光制御手段(31)とを有し、露光された基板を現像処理することにより得られる複数のスリット像に基づいて感光性樹脂の分光感度を測定することを特徴とする分光感度測定装置である。
【0006】
分散素子としてプリズムを用いることにより、分散が波長の屈折率に依存し、例えば回折格子を用いたときに生じる高次光の重なりは全くなく、安定して連続したスリット状の光が得られる。また、実際に感光性樹脂が塗布された基板状に波長が連続的に変化するスリット光を様々な露光時間で照射し、現像したときのスリット像を観察するため、瞬時に視覚的に感光性樹脂の分光感度特性を知ることができる。
【0007】
請求項2記載の本発明は、照射光学系中に配置され、光源(2)からの光のうち任意の波長帯域の光のみを透過して基板に照射させる波長選択手段(9)を有することを特徴とするものである。
これにより、例えば任意の波長の光を取り出してその波長の光が照射される基板上の位置を明らかにすることができる。すなわち、任意の波長の光が照射される基板上の位置をしるために、その波長の光を基板上に露光して位置を確認することができる。分散素子として回折格子を用いた場合は、露光した波長を知るために露光用光源以外に輝線を放射する光源を用意しなければないが、プリズム(11)と波長選択手段(9)を用いたことによりこの必要がなく、コンパクトで安価な装置を提供することができる。
【0008】
請求項3記載の本発明は、前述のステージ(15、16)は、基板の有する直線的なエッジ部(142)と基板上に照射されるスリット状の光との相対的な位置関係を一義的に決めるための基板固定部材(32)を有し、エッジと平行な方向に基板を移動させることを特徴とするものある。
これは基板上のどの位置にどの波長の光が照射されるかを知るため、基板のエッジを常にスリット光に対して所定の位置関係となるように位置決めすることにより、そのエッジを基準として求めることができる。
【0009】
請求項4記載の本発明は、スリット状の光を受光するとともに、波長に対応した光エネルギーを検出するエネルギー検出手段(44)を有することを特徴とするものである。
このエネルギー検出手段によって波長とエネルギーとの関係を求めておくことにより、露光に必要な光エネルギーを波長ごとに精度よく求めることが可能となる。
【0010】
請求項5に記載の本発明は、現像された基板を撮像して画像処理するとともに、基板上におけるスリット像の形成位置と、基板上または基板を位置決めする位置決め部に設けられた基準マークとを認識し、それらの相対位置関係に基づいて感光性樹脂の分光感度を測定する分光感度測定手段(131、1332、133)を有することを特徴とするものである。
【0011】
このように現像した基板を撮像してスリット像を画像処理することにより、感光性樹脂の分光感度特性を高速にかつ高精度に、基板を傷つけることなく求めることができる。
請求項6に記載の本発明は、前述の基準マークは基板の有する直線的なエッジ(142)、またはエッジを支持する支持部材(313)であることを特徴とするものである。
【0012】
基板の有する直線的なエッジまたはエッジを支持する支持部材は、基板に照射されるスリット光と所定の位置関係にある。従って、このエッジ又は支持部材を基準としてスリット像の形成位置を測定することにより、どの波長の光の照射された部分が露光されたかを簡単にかつ正確に求めることができる。
請求項7記載の本発明は、前述の分光感度測定手段は、マークと複数のスリット像の各々の端部との相対的な位置関係を検出することによって分光感度を測定することを特徴とするものである。
【0013】
スリット像の端部は、その露光時間で露光された波長の上限、下限を表すものであり、この上限、下限を求めることにより、感光性樹脂の分光感度を精度よくらら求めることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1は本発明のレジストの分光感度測定装置の実施形態における概略的な構成を示す図である。
光源2は連続スペクトルを放射するもので、例えばXeランプである。光源2からの光は反射ミラー1によって反射し、集光レンズ3によって集光する。この集光位置にはスリット5、及びシャッタ4が設けられている。シャッタ4は主制御系31によってその開閉が制御され、基板14に照射する時間が調節される。スリット5を通過した光はコリメータミラー7によって平行光となる。この平行光の光路に対して挿脱可能にアパーチャ8が設けられ、さらに波長選択部9が設けられている。波長選択部は複数の光路中に挿脱可能に配置された複数の干渉フィルターを有し、光路中に挿入する干渉フィルターの枚数が選択でき、所定波長域の光のみを通過させることができる。またアパーチャ8を光路中に挿脱することにより、光量の調整を行うことができる。これはアパーチャに限らず、NDフィルターであってもよい。この波長選択部9の干渉フィルター及びアパーチャ8の光路への挿脱は、駆動装置30によって駆動され、駆動装置30は主制御系31によって制御される。
【0015】
プリズム11で分散された光はミラー6によってフォトレジストが塗布された基板14上に照射される。基板14はホルダ15に保持されており、このホルダ15は移動装置16上に載置されている。移動装置16とホルダ15とでステージを構成している。移動装置16は図1の紙面に垂直な方向に移動可能となっている。ホルダ15には基板の有する直線的なエッジに当接して基板を位置決めする基板固定部材32が設けられている。この基板固定部材32は図1の紙面に垂直な方向に並設された複数の位置決めピンである。基板保持部材32は基板14と基板14上に照射されるスリット状の光との相対的な位置関係を一義的に決める。横方向の位置決めは不図示の横方向位置決めピンにより位置決めされている。これら位置決めピンは試料の形状、大きさによりその位置を変えることができる。
【0016】
箱13は移動装置16及びホルダ15を囲んでおり、外部の光の遮光と気密容器とを兼ねている。上述のスリット光は箱13に設けられた窓12を介して基板に照射される。窓12は気体を通過せず、箱13内の気密が保たれるように箱13に設けられている。この箱13内部にガス充満装置10にて窒素ガスを充満させることにより、窒素雰囲気下での露光が可能となる。
【0017】
主制御系31はシャッタ4、波長選択部9、アパーチャ8を制御する他、装置全体を統制御する。
主制御系31は、基板に対してスリット光を露光する際、スリット光の露光時間を変えながらステージをステッピング移動させていく。例えば1回目にt秒露光したのちステージを所定量移動し、2回目に2t秒露光をおこなう。さらにステージを所定量移動させて3回目に22 t秒の露光を行う。これを繰り返しN回目には2(n−1) tの露光を行う。露光時間はこれに限らず、例えばt、2t、3t・・・のようにしても良い。
【0018】
図2は上述のごとく10回の露光が行われたときの基板14を現像して得られるスリット像を示す図である。図2の破線で示す10個の長方形領域は、スリット光による露光領域であり、その中の黒く示す部分が現像して得られたスリット像である。また、図2における基板14の左方向に行くに従って、露光時間が長いスリット像を示し、上方に行くに従って、照射したスリット光の波長が長いことを示す。また、前述した基板保持部材によって保持されたエッジは、図2の下側のエッジ142である。このエッジ142とスリット光との位置関係は予め分かっており、さらに基板上に照射されるスリット光の波長分布も光学設計で計算される逆線分散曲線から予め求めることができるため、縦方向(図2の上方向)におけるエッジからの距離が分かればその位置に照射された波長が分かる。図3は逆線分散曲線から求めたスリット光の波長分散グラフを示す。従って、使用者はそのスリット像を見ることによりどの波長の光が何秒の露光時間で感光したかという情報を得ることができ、測定したレジストに最適な露光波長を知ることができる。
【0019】
また、図2に示すパターン41、42、43は波長選択部9によって選択された異なる波長λ1 、λ2 、λ3 の光で露光したときに得られるパターン像である。これは10回目の露光が終了した後さらに所定量だけステップ移動して夫々の波長の光を露光したときのものである。従って、波長λ1 、λ2 、λ3 の光が照射される位置(エッジ142からの距離)がこのパターンを目印にすることで瞬時に把握することができる。
【0020】
波長選択部9が有する干渉フィルターは原理的には1枚で良いが、複数個あれば上述の逆線分散曲線を補正することができ、より正確な波長の決定が可能となる。
また、図4に示すように、ホルダ15上の周辺部(基板が載置される領域外)に光パワーメータ44(例えばシリコンディテクタ等)を配置し、基板への露光の前または後にスリット光をこの光パワーメータ44に照射することにより、任意波長での光エネルギー(エネルギー密度)を検出することができる。このとき、移動装置16はホルダ15を図4における上下方向(スリット光の長手方向)に移動させ、連続的に波長が変化するスリット光に対して所定波長の光のエネルギーを順次検出していく。この光パワーメータ44で検出したスリット光の光エネルギー分散のグラフを図5に示す。このグラフのデータは主制御系31に出力され、主制御系31はこのデータを記憶する。使用者はこの光エネルギーのデータに基づいて、測定したレジストに対して必要な露光エネルギーを任意の露光波長において計算することができ、さらに精度よくレジストの分光感度特性を知ることができる。光パワーメータとしては上述の構成に限らず、例えば予め複数のパワーメータをスリット光の長手方向に並設しても良い。この場合は各パワーメータ間で検出感度のキャリブレーションを行うことが必要である。
【0021】
次に、レジストの分光感度特性を画像処理によって自動的に測定する装置について説明する。図6は分光感度特性を評価する装置の概略的な構成を示す図である。131は撮像部、132はコンピュータ、133は画像取り込みボード、134はモニタである。撮像部131により撮影された基板の画像は画像取り込みボード33によりアナログ・デジタル変換され、不図示の画像メモリに取り込まれ、コンピュータ132により画像処理される。図7は撮像部131の構成を示す図である。311はCCDカメラ、312はレンズ、313は位置決めピン、314は透過用照明、315はホルダ、316は反射用照明である。
【0022】
基板14がガラスのような透明な場合、透過照明314を使用する。試料14がシリコンウェハのように光を透過しない場合は、反射照明316を使用する。反射照明を使用する場合、カメラ311と基板14と反射照明316との位置関係は反射照明316の照明光が基板14で正反射してカメラ311に入射するような配置にする。透過照明314と反射照明316とは均一な拡散面照明である。また、反射照明316は基板14の全面にわたって正反射光がカメラ311に入射するだけの大きさが必要である。
【0023】
また、ハーフミラーを用いて反射照明とカメラとを同軸とすることもできるが、部品点数が増えてしまうことから、図4に示す配置の方がコストがかからなくてすむ。
図8はコンピュータによる主な画像処理の流れを示すフローチャートである。コンピュータはまずカメラキャリブレーションを行う(ステップ101)。撮像部131で取り込まれた画像はカメラ311、レンズ312の光軸に対して基板14が斜めに配置されているため、歪んだ画像となる。また、レンズ312にはもともとディストーション等の収差があり、得られた画像はこのディストーションによって多少歪んだものとなっている。収差を補正するためにカメラキャリブレーションという方法が一般的に行われている。本装置においてはカメラキャリブレーションで基板を斜めに配置することによる歪と、レンズディストーションによる歪とを特に区別せず、同時に取り除くような処理をする。そのために基準となるデータの取り込みから行う。図9は基準試料61を示し、基板上に白、黒の正方形パターンが縦横交互に碁盤の目上に並んで配置されている。キャリブレーションの方法としては、既知の寸法の基準試料61をホルダ315に設置し、反射照明316を用いて撮像し、各画素の歪み量をルックアップテーブルや近似式により記憶する。試料61、基板14の撮像時には、撮像部131からの画像はモニタ134上に表示される。測定時、基板14の画像の各画素は、前述のルックアップテーブルや近似式により画像メモリが書き換えられ補正される。このとき、測定精度に影響するのは図2に示す基板の縦方向(波長方向)であるため、波長方向のみを補正して計算量を減らしてもかまわない。
【0024】
次に露光シーケンスの入力を行う(ステップ102)。露光シーケンスは図1に示す装置において露光をおこなったときの露光条件(露光時間等)や、基板の形状等の情報である。
次に試料の撮像を行う(ステップ103)。カメラ311によって撮像された基板の像を図10に示す。図1に示す装置にて位置決めされたエッジ142は位置決めピン313に当接して基板14が再び位置決めされている。横方向の位置決めは不図示の横方向位置決めピンにより位置決めされている。これら位置決めピンは試料の形状、大きさによりその位置を変えることができる。特に方形の基板と円形のシリコンウェハのような基板とではそれらのピンの位置を変える必要がある。また、位置決めピン313の位置は、図1に示す装置と同じ位置に設定することより、測定誤差を最小限に抑えることができる。
【0025】
基板14が所定の位置に位置決めされると、画面内にはスリット像143と基準面であるエッジ142と、位置決めピン313が写るように設定されている。操作者はコンピュータ132を走査してこの画像を取り込む。
次に画像の補正を行う(ステップ104)。画像の補正はカメラキャリブレーションにより作成したルックアップテーブル又は近似式に基づいて、歪んだ画像を正しい画像に補正し、コンピュータ132のモニタ134上に表示する。
【0026】
次に2値化を行う(ステップ105)。2値化に関しては広く種々の方法が知られており、適した処理方法を選ぶことが好ましい。
次に基準面の認識を行う(ステップ106)。前述の基板14の撮像において写された位置決めピン313の画像内の位置は前述の露光シーケンスの入力で入力した基板の形状で決まるほぼ同じ位置に撮像される。図10に示す位置決めピン313の頭部表面には、画像処理により位置が測定し易いように白黒の模様が縦横交互に並ぶように描いてある。これにより位置決めピン313の中心位置が正確に求まり、左右の位置決めピン313を結ぶことにより基準面であるエッジ142の位置を割り出すことができる。
【0027】
また、直接エッジ142の微分やハフ変換により認識しても良いが、ガラス基板や端面の面取りしてあるものは端面が明瞭に撮像され難く、誤差が生じ易いので位置決めピン313をもとに基準面(エッジ)を割り出す方法が安定している。
次にスリット像(感光領域)を夫々の部分に区分けしクラスタリングを行う(ステップ107)。これは図10における感光領域を右側から1、2、3・・・10と番号をつけて区分けすることであり、夫々をクラスタと呼ぶ。
【0028】
次に各クラスタの上端、下端の位置の算出を行う(ステップ108)。図10の各クラスタ内の画素で、波長方向最上端の画素の座標と、最下端の画素の座標とを求め、予め求めておいた画素の大きさと前述のエッジの認識で求めたエッジ142の座標とから、エッジ142との距離をミリメートル換算する。また、コンピュータ132には図3、図5に示す波長分散グラフ、エネルギー分散のグラフが夫々、離散的に記憶し内装する方法や、近似式や、ルックアップテーブル等により記憶されている。各クラスタの上端、下端位置の算出で求めた上端位置、下端位置を図3に示す波長分散に上記いずれかの方法を用いて波長nmに換算する。さらに波長を図9に示すエネルギー分散mJに換算する(ステップ109)。
【0029】
次に表、グラフ、目盛りの表示を行う(ステップ110)。図11は露光に必要なエネルギー各波長別に表示したグラフである。縦軸は露光に必要なエネルギー(mJ)、横軸は波長(nm)である。前のステップ109で求めた波長と露光エネルギーとの関係を図11に示すような表にしてモニタ134に表示する。操作者はこれらの測定結果のデータをコンピュータ内に記憶させたり、印刷したりすることができる。
【0030】
このような装置では、基板上のスリット像を撮像して画像処理して、自動的にレジストの分光感度特性を測定しているため、瞬時に正確なレジストの分光感度特性を知ることができる。
また、コンピュータ132は図12に示すように、撮影した基板の像と波長の目盛りとを重ねて表示しても良い。ここでは図3に示す波長分散から算出して水銀ランプのg、h、i線の各位置を換算して表示した例を示す。これは必要により波長を数字で表示しても良い。このような表示によって、瞬時に視覚的にレジストの分光感度特性を認識することができる。
【0031】
【発明の効果】
以上のような本発明によれば、感光性樹脂の分光感度特性を、高精度で且つ安定して測定することができる。また、簡単な構成でかつ安価な装置を提供することができる。
請求項1記載の本発明においては、分散素子としてプリズムを用いることにより、分散が波長の屈折率に依存し、例えば回折格子を用いたときに生じる高次光の重なりは全くなく、安定して連続したスリット状の光が得られる。また、実際に感光性樹脂が塗布された基板状に波長が連続的に変化するスリット光を様々な露光時間で照射し、現像したときのスリット像を観察するため、瞬時に視覚的に感光性樹脂の分光感度特性を知ることができる。
【0032】
請求項2記載の本発明においては、例えば任意の波長の光を取り出してその波長の光が照射される基板上の位置を明らかにすることができる。すなわち、波長とその波長が照射される位置との関係がわかるので、その波長の光を基板上に露光して位置を確認することができる。
請求項3記載の本発明においては、基板上のどの位置にどの波長の光が照射されるかを知るため、基板のエッジを常にスリット光に対して所定の位置関係となるように位置決めすることにより、そのエッジを基準として求めることができる。
【0033】
請求項4記載の本発明においては、エネルギー検出手段によって波長とエネルギーとの関係を求めておくことにより、露光に必要な光エネルギーを波長ごとに精度よく求めることが可能となる。
請求項5記載の本発明においては、現像した基板を撮像してスリット像を画像処理することにより、感光性樹脂の分光感度特性を高速にかつ高精度に、基板を傷つけることなく求めることができる。
【0034】
請求項6記載の本発明においては、エッジ又は支持部材を基準としてスリット像の形成位置を測定することにより、どの波長の光の照射された部分が露光されたかを簡単にかつ正確に求めることができる。
請求項7記載の本発明においては、スリット像の端部は、その露光時間で露光された波長の上限、下限を表すものであり、この上限、下限を求めることにより、感光性樹脂の分光感度を精度よくらら求めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の分光感度測定装置の概略的な構成を示す図である。
【図2】露光した基板を現像したときに得られるスリット像を示す図である。
【図3】露光波長と基板上に照射される位置との関係を示すグラフである。
【図4】基板を保持するホルダを示す図である。
【図5】露光波長とエネルギーとの関係を示すグラフである。
【図6】レジストの分光感度特性を評価する装置の概略的な構成を示す図である。
【図7】撮像部の構成を示す図である。
【図8】分光感度特性を測定する際のフローチャートである。
【図9】キャリブレーション用の基準試料を示す図である。
【図10】カメラで撮影される基板の像を示す図である。
【図11】波長と露光に必要なエネルギーとの関係を示すグラフである。
【図12】モニタに表示する基板像の他の例である。
【符号の説明】
2・・・光源
8・・・アパーチャ
9・・・波長選択部
11・・・プリズム
14・・・基板
15・・・ホルダ
16・・・移動装置
30・・・駆動装置
31・・・主制御系
32・・・保持部材
44・・・光パワーモニタ
131・・・撮像部
132・・・コンピュータ
133・・・画像取り込みボード
134・・・モニタ
Claims (7)
- 光源からの光を受けて波長が連続的に変化するスリット状の光として射出するプリズムを有し、前記スリット状の光を感光性樹脂が塗布された基板に対して照射する照射光学系と、
前記スリット状の光の基板への照射時間を可変とする照射時間可変手段と、
前記基板を保持するとともに、前記感光性樹脂が塗布された面に平行な方向に移動可能なステージと、
前記ステージをステップ移動させるとともに前記照射時間可変手段による前記スリット状の光の前記基板への照射時間を制御して、異なる露光時間で前記スリット状の光を基板上に並列させて露光する露光制御手段とを有し、
前記露光された基板を現像処理することにより得られる複数のスリット像に基づいて前記感光性樹脂の分光感度を測定することを特徴とする分光感度測定装置。 - 前記照射光学系中に配置され、前記光源からの光のうち任意の波長帯域の光のみを透過して前記基板に照射させる波長選択手段を有することを特徴とする請求項1に記載の装置。
- 前記ステージは、前記基板の有する直線的なエッジ部と前記基板上に照射されるスリット状の光との相対的な位置関係を一義的に決めるための基板固定部材を有し、前記エッジと平行な方向に前記基板を移動させることを特徴とする請求項1又は2に記載の装置。
- 前記スリット状の光を受光するとともに、波長に対応した光エネルギーを検出するエネルギー検出手段を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の装置。
- 前記現像された基板を撮像して画像処理するとともに、前記基板上におけるスリット像の形成位置と、前記基板上または前記基板を位置決めする位置決め部に設けられた基準マークとを認識し、それらの相対位置関係に基づいて前記感光性樹脂の分光感度を測定する分光感度測定手段を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の装置。
- 前記基準マークは前記基板の有する直線的なエッジ、または前記エッジを支持する支持部材であることを特徴とする請求項5に記載の装置。
- 前記分光感度測定手段は、前記基準マークと前記複数のスリット像の各々の端部との相対的な位置関係を検出することによって前記分光感度を測定することを特徴とする請求項5又は6に記載の装置。
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