JP3561877B2 - スイッチング電源の電流検出回路 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の二次巻線を有するトランスの一次巻線にオン,オフ制御するスイッチングトランジスタを接続し、このスイッチングトランジスタのオン期間を二次側の出力電圧を検出して設定値となるように制御し、複数の二次巻線の誘起電圧をそれぞれ整流平滑化して出力し、且つ整流平滑出力電圧を積み上げて複数種類の安定化出力電圧を負荷に供給する多出力のスイッチング電源の電流検出回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
図10は従来例の多出力電源装置の説明図であり、C1〜C3はコンデンサ、Tはトランス、N1は一次巻線、N21は基本二次巻線、N22は積み上げ用二次巻線、L1,L2はチョークコイル、D1〜D5はダイオード、Q1はスイッチングトランジスタ、Q2はリセット用のトランジスタ、R1〜R3,R11〜R14は抵抗、SLは可飽和リアクトル、PWMはパルス幅制御回路、A1,A2は誤差増幅器、Vr1,Vr2は基準電圧を示す。
【0003】
基本二次巻線N21側はフォワード型の構成であり、又積み上げ用二次巻線N22側は可飽和リアクトル型(磁気増幅器型又はマグアンプ型)の構成の場合を示す。又トランスTの一次巻線N1とスイッチングトランジスタQ1との直列回路に、図示を省略した直流電源から直流電圧を印加し、スイッチングトランジスタQ1をパルス幅制御回路PWMによってオン,オフ制御し、トランスTの一次巻線N1に流れる電流をオン,オフし、トランスTの二次巻線N21に誘起した電圧を、ダイオードD1,D2とチョークコイルL1とコンデンサC1とからなる整流平滑回路により整流して平滑化し、出力電圧V1とする。
【0004】
又二次巻線N22に誘起した電圧を、可飽和リアクトルSLを介して、ダイオードD3,D4とチョークコイルL2とコンデンサC3とからなる整流平滑回路により整流して平滑化し、且つ可飽和リアクトルSLとトランジスタQ2とにより、平滑化した出力電圧の安定化を行う。その場合、基本二次巻線N21の誘起電圧と、積み上げ用二次巻線N22の誘起電圧とを加算した電圧に相当する出力電圧V2とするものである。
【0005】
又出力電圧V1を抵抗R11,R12により分圧して基準電圧Vr1と誤差増幅器A1により比較してパルス幅制御回路PWMを制御し、出力電圧V1を安定化するように、スイッチングトランジスタQ1のオン期間を制御する。又出力電圧V2を抵抗R13,R14により分圧して基準電圧Vr2と誤差増幅器A2により比較してトランジスタQ2を制御し、可飽和リアクトルSLのリセットを行って、出力電圧V2の安定化を行う。
【0006】
このような多出力電源装置の電流を検出し、過電流保護等を行う場合、基本二次巻線N21の誘起電圧に対応する出力電圧V1による負荷電流は、例えば、図11に示す構成によって検出することができる。同図に於いて、図10と同一符号は同一部分を示し、R15は電流検出用の抵抗、OPA1,OPA2は演算増幅器を示す。抵抗R15の両端の電圧が電流に比例することから、演算増幅器OPA2から電流検出値Viを出力することができる。この電流検出値Viが基準値を超えている場合に、過電流であると判定して、パルス幅制御回路PWNを図示を省略した制御経路で制御して、出力電圧V1を垂下させることができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
出力電圧V1による電流が大きい場合、前述のように、抵抗R15により電流検出を行うと、損失が大きく、発熱量が多くなり、放熱機構等により電源装置が大型化する問題がある。そこで、カレントトランスを用いることが考えられるが、抵抗R15の位置は直流電圧のみが流れるので、カレントトランスでは電流検出ができないことになり、二次巻線N21,N22と直列的にカレントトランスの一次巻線を接続することになる。
【0008】
例えば、二次巻線N21に直列的にカレントトランスの一次巻線を接続し、二次巻線の誘起電圧により電流を検出する場合、二次巻線N21には、出力電圧V2による積み上げ用の二次巻線N22を介して流れる電流も含まれるものであるから、出力電圧V1による電流を検出することができないものである。
【0009】
本発明は、比較的簡単な構成で、基本二次巻線N21の誘起電圧に対応した出力電圧V1による電流のみを検出することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明のスイッチング電源の電流検出回路は、(1)複数の二次巻線N21,N22を有するトランスTの一次巻線N1にオン,オフ制御するスイッチングトランジスタQ1を接続し、複数の二次巻線の誘起電圧をそれぞれ整流平滑化して出力し、且つ整流平滑出力電圧を積み上げて複数種類の出力電圧V1,V2とする多出力のスイッチング電源の電流検出回路であって、2個の一次巻線n1,n2と1個の二次巻線n3とを有し、一方の一次巻線n1を、トランスTの基本二次巻線N21に直列的に接続し、他方の一次巻線n2をトランスTの積み上げ用二次巻線N22に直列的に接続し、二次巻線n3に、一方の一次巻線n1と他方の一次巻線n2とに流れる電流の差分に相当する電流を流すように接続したカレントトランスCTと、このカレントトランスCTの二次巻線n3に接続して基本二次巻線N21の誘起電圧のみにより負荷に供給する電流の検出値を出力する電流・電圧変換部1とを備えている。
【0011】
又(2)基本二次巻線N21と積み上げ用二次巻線N22とを有するトランスTの一次巻線N1にスイッチングトランジスタQ1を接続し、基本二次巻線N21に整流平滑回路を接続し、この整流平滑回路の出力端子に積み上げ用二次巻線N22を接続し、この積み上げ用二次巻線N22に可飽和リアクトルSLを含む電圧安定化部と整流平滑回路とを接続した多出力のスイッチング電源の電流検出回路であって、2個の一次巻線n1,n2と1個の二次巻線n3とを有し、一方の一次巻線n1を、トランスTの基本二次巻線N21に直列的に接続し、他方の一次巻線n2をトランスTの積み上げ用二次巻線N22に直列的に接続し、二次巻線n3に、一方の一次巻線n1と他方の一次巻線n2とに流れる電流の差分に相当する電流を流すように接続したカレントトランスCTと、このカレントトランスCTの二次巻線n3に接続して基本二次巻線N21の誘起電圧のみにより負荷に供給する電流の検出値を出力する電流・電圧変換部1とを有し、この電流・電圧変換部1は、カレントトランスCTの二次巻線n3に接続した抵抗の両端の電圧をピーク整流するダイオードとコンデンサと、前記抵抗を短絡するスイッチ回路と、前記スイッチングトランジスタQ1のターンオンのタイミングの信号を所定時間遅延させて前記スイッチ回路をオフとする遅延回路とを有するものである。
【0012】
なお、前記抵抗を短絡又は開放するスイッチ回路は、トランジスタ,比較器等の構成を適用することができ、又スイッチングトランジスタQ1のターンオンのタイミング信号は、スイッチングトランジスタQ1の駆動信号,トランスTの二次巻線の誘起電圧又はトランスTに三次巻線を設けて、その三次巻線の誘起電圧を用いることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の第1の実施の形態の説明図であり、1は電流・電圧変換部、2は電圧検出部、3はパルス幅制御回路(PWM)、Viは電流検出値、C1〜C3はコンデンサ、Tはトランス、N1は一次巻線、N21は基本二次巻線、N22は積み上げ用二次巻線、L1,L2はチョークコイル、D1〜D5はダイオード、Q1はスイッチングトランジスタ、Q2はリセット用のトランジスタ、R1〜R3は抵抗、SLは可飽和リアクトル、CTはカレントトランス、n1,n2は一次巻線、n3は二次巻線を示す。
【0014】
カレントトランスCTは、2個の一次巻線n1,n2と1個の二次巻線n3とを有し、この二次巻線n3に電流・電圧変換部1を接続する。このカレントトランスCTの一方の一次巻線n1を、トランスTの基本二次巻線N21に直列的に接続し、ダイオードD1,D2とチョークコイルL1とコンデンサC2とを含む整流平滑回路を接続し、この整流平滑回路の出力電圧V1を基本電圧とする。
【0015】
この整流平滑回路にカレントトランスCTの他方の一次巻線n2とトランスTの積み上げ用二次巻線N22とを直列的に接続し、可飽和リアクトルSLを介して、ダイオードD3,D4とチョークコイルL2とコンデンサC3とを含む整流平滑回路を接続し、積み上げ用二次巻線N22による整流出力電圧を基本電圧に積み上げて、出力電圧V2とする。又抵抗R1,R2,R3と、トランジスタQ2とダイオードD5とにより、可飽和リアクトルSLのリセット回路を構成し、電圧検出部2により検出した出力電圧V2に対応してトランジスタQ2を制御し、出力電圧V2を安定化する電圧安定化部を構成している。
【0016】
又カレントトランスCTの二次巻線n3には、一方の一次巻線n1に流れる電流Iaと、他方の一次巻線n2に流れる電流Ibとの差分に相当する電流が流れるように、一次巻線n1,n2と、トランスTの二次巻線N21,N22とを接続する。又トランスTの一次巻線N1に接続したスイッチングトランジスタQ1を、パルス幅制御回路3によってオン,オフ制御し、電圧検出部2により出力電圧V1を検出し、この出力電圧V1が一定化するように、パルス幅制御回路3によってスイッチングトランジスタQ1のオン期間を制御する。
【0017】
前述のように、カレントトランスCTの一方の二次巻線n1には、トランスTの基本二次巻線N21の電流Iaが流れ、他方の二次巻線n2には、トランスTの積み上げ用二次巻線N22の電流Ibが流れ、カレントトランスCTの二次巻線n3には、Ia−Ib、即ち、出力電圧V1により負荷に供給する電流を、電流・電圧変換部1により変換して電流検出値Viとすることができる。又カレントトランスCTによる損失は無視できる程度のものであり、スイッチング電源を大型化することなく、電流検出が可能となる。
【0018】
図2は本発明の第2の実施の形態の説明図であり、図1と同一符号は同一部分を示し、N3はトランスTの三次巻線、D6,D7はダイオード、R4,R5は抵抗、C4はコンデンサ、SWはスイッチ回路、DLは遅延回路、VdsはスイッチングトランジスタQ1のドレイン・ソース間電圧、Vdrは駆動電圧、Iaは基本二次巻線N21に流れる電流、Ibは積み上げ用二次巻線N22に流れる電流、IctはカレントトランスCTの二次巻線n3に流れる電流を示す。又電圧検出部2からパルス幅制御部3に出力電圧V1の検出値を入力する信号経路の図示を省略している。
【0019】
又ダイオードD6,D7とコンデンサC4と抵抗R4,R5とスイッチ回路SWと遅延回路DLとによる構成は、図1の電流・電圧変換部1に相当するものであり、スイッチ回路SWは、少なくともカレントトランスCTの二次巻線n3に電流Ictが流れる初期はオン状態となり、遅延回路DLによる遅延時間後にオフとなるように制御されるものである。
【0020】
トランスTの積み上げ用二次巻線N22側は、可飽和リアクトル制御による電圧安定化部により出力電圧V2の安定化が行われるもので、流れる電流の位相が、基本二次巻線N21に流れる電流の位相と異なることになる。図3は、図2に於ける各部の電圧,電流の波形の一例を示すもので、駆動電圧VdrによりスイッチングトランジスタQ1がオンとなると、ドレイン・ソース間電圧Vdsは0Vとなる。そして、スイッチングトランジスタQ1のドレイン電流Idは、トランスTの二次巻線N21,N22を介して負荷に供給する電流に対応した値となる。
【0021】
又基本二次巻線N21に流れる電流Iaは、スイッチングトランジスタQ1のオン期間に従って流れるが、積み上げ用二次巻線N22に流れる電流Ibは、可飽和リアクトル制御構成の為に、電流Iaより遅れて流れる。又基本二次巻線N21の誘起電圧VN21は、スイッチングトランジスタQ1のドレイン・ソース間電圧Vdsの波形を反転した波形に類似したものとなる。
【0022】
カレントトランスCTの二次巻線n3に流れる電流Ictは、Ia−Ibとなるから、この時、スイッチ回路SWをオフのままとすると、抵抗R5の両端の電圧は、Vr5’に示すものとなる。この電圧Vr5’をダイオードD7とコンデンサC4とによりピーク整流を行うと、電流Iaのピーク値を検出した値Viとなる。そこで、スイッチ回路SWをオン状態としておき、トランスTの三次巻線N3の誘起電圧を遅延回路DLにより時間τだけ遅延させてスイッチ回路SWのオフ信号とする。それにより、抵抗R5の両端の電圧は、Vr5に示すものとなる。即ち、ダイオードD7とコンデンサC4とよるピーク整流により、Ia−Ibの値のピーク値、即ち、出力電圧V1により負荷に供給する電流の検出値Viを得ることができる。
【0023】
図4は本発明の第3の実施の形態の説明図であり、図2と同一符号は同一部分を示し、パルス幅制御回路3からスイッチングトランジスタQ1の駆動信号の一部を、スイッチングトランジスタQ1をターンオンするタイミングの信号として、遅延回路DLを介してスイッチ回路SWのオフ信号とする場合を示す。それにより、カレントトランスCTの一次巻線n1,n2にそれぞれ流れる電流Ia,Ibの位相のずれを補正して、Ia−Ibに比例した電流の検出値Viを得ることができる。又トランスTの二次巻線N21の誘起電圧、又は二次巻線N22の誘起電圧は、図2に於ける三次巻線N3と同一の位相となるから、例えば、二次巻線N21の誘起電圧を、点線で示すように遅延回路DLに入力し、この遅延回路DLを介してスイッチ回路SWのオフ信号とすることもできる。
【0024】
図5は本発明の第4の実施の形態の説明図であり、図2と同一符号は同一部分を示し、D8はダイオード、4はタイマ、5はクロック発生部である。この実施の形態は、トランスTの三次巻線N3の誘起電圧をダイオードD8を介してタイマ4に入力し、クロック発生部5からのクロック信号のカウント等による設定時間(前述の遅延時間τ)後、タイマ4の出力信号をスイッチ回路SWのオフ信号とする。それにより、電流Ia,Ibが同時に流れるタイミングに於いて、Ia−Ibに比例した電流の検出値Viを得ることができる。なお、クロック発生部5は、パルス幅制御回路3内の鋸歯状波発生回路に於けるクロック信号を利用する構成とすることも可能であり、又タイマは、CR時定数回路等の各種の構成を適用することができる。この場合のトランスTの三次巻線N3の誘起電圧の代わりに、トランスTの二次巻線N21,N22の誘起電圧或いはスイッチングトランジスタQ1の駆動信号を利用することも可能である。
【0025】
図6は本発明の第5の実施の形態の説明図であり、図2と同一符号は同一部分を示し、Q3はトランジスタ、C5はコンデンサ、R6,R7と抵抗を示す。この実施の形態は、トランジスタQ3により前述のスイッチ回路SWを構成し、コンデンサC5と抵抗R6,R7とにより前述の遅延回路DLを構成したものであり、トランスTの三次巻線N3の誘起電圧をコンデンサC5と抵抗R6とを介してトランジスタQ3のゲートに入力して、トランジスタQ3をオンとし、コンデンサC5と抵抗R6,R7とにより、トランジスタQ3のゲート電圧が遅延時間τ後に閾値以下に低下して、トランジスタQ3はオフとなる。
【0026】
即ち、抵抗R5の両端を短絡するスイッチ回路SWと同様に、トランスTの二次巻線N21の誘起電圧と同一位相の三次巻線N3の誘起電圧を利用して、二次巻線N21に流れる電流Iaの立上りでトランジスタQ3をオンとし、二次巻線N22の誘起電圧により可飽和リアクトルSLを介して流れる電流Ibの立上りタイミング、即ち、遅延時間τ後に、トランジスタQ3をオフとして、Ia−Ibに比例した電流の検出値Viを得ることができる。
【0027】
この場合のトランジスタQ3のゲート電圧Vgは、例えば、図7の動作説明図のVgに示すように変化する。即ち、スイッチングトランジスタQ1が駆動電圧Vdrによりオンとなると、ドレイン・ソース間電圧Vdsは0Vとなる。そして、スイッチングトランジスタQ1のドレイン電流Idは、トランスTの二次巻線N21,N22に流れる電流に対応した値となる。
【0028】
なお、図3と同一符号は同一部分の電圧,電流の波形を示し、基本二次巻線N21に流れる電流Iaは、スイッチングトランジスタQ1のオン期間に従って流れるが、積み上げ用二次巻線N22に流れる電流Ibは、可飽和リアクトル制御構成の為に、電流Iaより遅れて流れる。又基本二次巻線N21の誘起電圧VN21は、スイッチングトランジスタQ1のドレイン・ソース間電圧Vdsの波形を反転した波形に類似したものとなる。
【0029】
カレントトランスCTの二次巻線n3に流れる電流Ictは、Ia−Ibとなる。この時、トランジスタQ3のゲート電圧Vgは、コンデンサC5と抵抗R6,R7とによって、閾値thを超えた値となり、トランジスタQ3はオンとなる。そして、遅延時間τ後に閾値thより低下するから、トランジスタQ3はオフとなる。従って、抵抗R5の両端の電圧Vr5は、Ia−Ibに比例した値となり、これをピーク整流した値が検出値Viとなる。この場合のトランスTの三次巻線N3の誘起電圧の代わりに、前述の実施の形態と同様に、トランスTの二次巻線N21,N22の誘起電圧或いはスイッチングトランジスタQ1の駆動信号を利用することも可能である。
【0030】
図8は本発明の第6の実施の形態の説明図であり、図2と同一符号は同一部分を示し、C6はコンデンサ、R8,R9は抵抗、CMPは比較器、Vrfは基準電圧を示す。この実施の形態は、比較器CMPによりスイッチ回路を構成し、コンデンサC6と抵抗R8,R9により遅延回路を構成した場合に相当する。
【0031】
比較器CMPは、入力電圧の比較結果に対応して、出力端子をハイレベル又はローレベルに切替えるものであるから、ハイレベルの時は、前述のスイッチ回路SWをオフ、ローレベルの時は、スイッチ回路SWをオンとした場合に相当することになる。そこで、トランスTの三次巻線N3の誘起電圧を抵抗R8,R9とコンデンサC6との回路を介して比較器CMPに入力し、基準電圧Vrfと比較する。
【0032】
この場合、三次巻線N3の誘起電圧が抵抗R8を介してコンデンサC6を充電することになるから、初期状態は抵抗R9の両端の電圧はほぼ零であり、次第に上昇する。比較器CMPは、基準電圧Vrfより低い電圧の場合にローレベルの出力状態となり、反対に、基準電圧Vrfより高い電圧の場合にハイレベルとなる。従って、抵抗R9の両端の電圧が基準電圧Vrfを超えると、比較器CMPはハイレベルの出力状態となり、スイッチ回路SWオフと同様となる。その時、抵抗R5の両端の電圧は、Ia−Ibに比例した値となり、これをピーク整流して電流の検出値Viとすることができる。
【0033】
図9は本発明の第6の実施の形態の動作説明図であり、図3及び図7と同一符号は同一の電圧又は電流の波形を示し、VcはコンデンサC6の端子電圧を示す。即ち、トランスTの三次巻線N3の誘起電圧を抵抗R8を介してコンデンサC6に印加するから、コンデンサC6の端子電圧は、その時定数に従って上昇し、基準電圧Vrfを超えると、比較器CMPの出力端子はハイレベルとなり、抵抗R5の両端の電圧Vr5が、Ia−Ibに比例した値となる。
【0034】
従って、前述のように、出力電圧V2により負荷に供給する電流Ibと、この電流Ibを含むトランスTの二次巻線N21に流れる電流Iaとの差分を求めて、出力電圧V1により負荷に供給する電流を検出値Viとして出力することができる。又トランスTの三次巻線N3の誘起電圧を利用した場合を示すが、トランスTの二次巻線N21,N22の誘起電圧を利用することも可能である。又パルス幅制御回路3からスイッチングトランジスタQ1を制御するオン信号を利用することもできる。又電流Ia,Ibが同一の位相で流れる場合は、遅延回路DL及びスイッチ回路SW或いはそれらを構成する回路を省略することができる。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、2個の一次巻線n1,n2と1個の二次巻線n3とを有するカレントトランスCTを用いて、トランスTの基本二次巻線N21に流れる電流と、積み上げ用二次巻線N22に流れる電流との差分をカレントトランスCTの二次巻線n3から出力させ、電流・電圧変換部1により、基本二次巻線N21の誘起電圧に対応した出力電圧V1による負荷電流を示す検出値Viを得ることができる。この場合、カレントトランスCTを用いるものであるから、抵抗により電流を検出する場合に比較して大幅な損失低減が可能となる利点がある。又出力電圧V1による負荷電流を検出することができるから、過電流制御を確実に行うことができる。
【0036】
又可飽和リアクトルを用いた電圧安定化部を積み上げ用二次巻線N22側に設けた多出力のスイッチング電源に於いては、フォワード型のスイッチング電源に於ける二次巻線に流れる電流の位相が相違するから、カレントトランスCTの二次巻線n3に接続した抵抗R5の両端を短絡又は開放するスイッチ回路SWを設けると共に、スイッチングトランジスタQ1のターンオンのタイミングの信号を遅延時間τだけ遅延させて、スイッチ回路SWをオフとすることにより、カレントトランスCTの一次巻線n1,n2に流れる電流の位相が一致した期間の電流差に相当する電流検出値Viを得るもので、電流位相が異なる場合でも、出力電圧V1による負荷電流の検出値Viを正確に得ることができる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の説明図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態の説明図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態の動作説明図である。
【図4】本発明の第3の実施の形態の説明図である。
【図5】本発明の第4の実施の形態の説明図である。
【図6】本発明の第5の実施の形態の説明図である。
【図7】本発明の第5の実施の形態の動作説明図である。
【図8】本発明の第6の実施の形態の説明図である。
【図9】本発明の第6の実施の形態の動作説明図である。
【図10】従来例の多出力電源装置の説明図である。
【図11】従来例の電流検出回路の説明図である。
【符号の説明】
1 電流・電圧変換部
2 電圧検出部
3 パルス幅制御回路(PWM)
T トランス
N1 一次巻線
N21,N22 二次巻線
Q1 スイッチングトランジスタ
CT カレントトランス
n1,n2 一次巻線
n3 二次巻線
D1〜D5 ダイオード
C1〜C3 コンデンサ
L1,L2 チョークコイル
SL 可飽和リアクトル
Q2 トランジスタ
R1〜R3 抵抗
Claims (2)
- 複数の二次巻線を有するトランスの一次巻線にオン,オフ制御するスイッチングトランジスタを接続し、前記複数の二次巻線の誘起電圧をそれぞれ整流平滑化して出力し、且つ該整流平滑出力電圧を積み上げて複数種類の出力電圧とし、前記複数の二次巻線の中の少なくとも1個の基本二次巻線の整流平滑出力電圧を検出して、該整流平滑出力電圧を安定化するように前記スイッチングトランジスタを制御する多出力のスイッチング電源の電流検出回路に於いて、
一方と他方との2個の一次巻線と1個の二次巻線とを有し、前記一方の一次巻線を、前記トランスの基本二次巻線に直列的に接続し、前記他方の一次巻線を前記トランスの積み上げ用二次巻線に直列的に接続し、前記二次巻線に、前記一方の一次巻線と前記他方の一次巻線とに流れる電流の差分に相当する電流を流すように接続したカレントトランスと、
該カレントトランスの前記二次巻線に接続して前記基本二次巻線の誘起電圧のみにより負荷に供給する電流の検出値を出力する電流・電圧変換部と
を備えたことを特徴とするスイッチング電源の電流検出回路。 - 基本二次巻線と積み上げ用二次巻線とを有するトランスの一次巻線にスイッチングトランジスタを接続し、前記基本二次巻線に整流平滑回路を接続し、該整流平滑回路の出力端子に前記積み上げ用二次巻線を接続し、該積み上げ用二次巻線に可飽和リアクトルを含む電圧安定化部と整流平滑回路とを接続した多出力のスイッチング電源の電流検出回路に於いて、
一方と他方との2個の一次巻線と1個の二次巻線とを有し、前記一方の一次巻線を、前記トランスの前記基本二次巻線に直列的に接続し、前記一方の一次巻線を前記トランスの前記積み上げ用二次巻線に直列的に接続し、前記二次巻線に、前記一方の一次巻線と前記他方の一次巻線とに流れる電流の差分に相当する電流を流すように接続したカレントトランスと、
該カレントトランスの前記二次巻線に接続して前記基本二次巻線の誘起電圧のみにより負荷に供給する電流の検出値を出力する電流・電圧変換部とを有し、
該電流・電圧変換部は、前記カレントトランスの二次巻線に接続した抵抗の両端の電圧をピーク整流するダイオードとコンデンサと、前記抵抗を短絡するスイッチ回路と、前記スイッチングトランジスタのターンオンのタイミングの信号を所定時間遅延させて前記スイッチ回路をオフとする遅延回路とを有する
ことを特徴とするスイッチング電源の電流検出回路。
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1999
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