JP3560779B2 - プレス機械のダイハイト調節装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プレス機械のダイハイト調節装置に関するものである。ダイハイトはプレス機械に装着する型の高さ、あるいはプレス機械の仕様の1つで、プレス機械に型を装着してプレス加工をする場合は、プレス機械の下死点におけるスライドの高さを調節して当該ダイハイトにする必要がある。
【0002】
【従来の技術】
従来、ダイハイト調節装置は、通常プレス機械のスライド部に設けられる。
【0003】
しかし、ダイハイト調節装置を組み込むに足るスペースがプレス機械のスライドに設けにくい、スライドの駆動機構の都合でダイハイト調節装置をスライドに設けにくい、ダイハイト調節装置部分の剛性を上げてプレス機械全体の剛性を極力上げたい場合には、ダイハイト調節装置をスライドに組み込むことは好ましくない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記問題を解決すること、すなわち繰り返して言えば、ダイハイト調節装置を組み込むに足るスペースがプレス機械のスライドに設けにくい、スライドの駆動機構の都合でダイハイト調節装置をスライドに設けにくい、ダイハイト調節装置部分の剛性を上げてプレス機械全体の剛性を極力上げたい場合に適用されるダイハイト調節装置を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明においては、ダイハイト調節装置をプレス機械のベッド部分に設けた。
【0006】
【発明の実施の形態】
図1において、プレス機械のフレーム1にクランクシャフト7が回転自在に設けられ、クランクシャフト7はメインモータによって、フライホイール5、クラッチ・ブレーキ6を介して駆動される。クランクシャフト7の偏心部にはコネクチングロッド8の大径部が連結されている。他方、スライド2はプランジャ9に接続され、プランジャ9はフレーム1で案内されている。プランジャ9の上端部はコネクチングロッド8の小径部に連結されている。クランクシャフト7が回転すると、スライド2は昇降する構成になっている。
【0007】
図1において、フレーム1のベッド部4にダイハイト調節装置が組み込まれている。ベッド部4にウオームシャフト10が回転自在に設けられ、ウオームシャフト10はウオームホイール11と噛み合っている。ウオームホイール11は、上下方向に移動しないように拘束されている。そして、ウオームホイール11の内周にスプラインが形成されている。
【0008】
一方、ボルスタ3はガイドロッド14に固定され、ガイドロッド14はフレーム1に対して昇降自在になっている。ガイドロッド14にスリーブ13が回転自在に嵌合されている。
【0009】
図2において、スリーブ13の上方部にはスプラインが形成され、スリーブ13は前記ウオームホイール11とスプラインによって結合されている。スリーブ13とウオームホイール11は軸方向に相対的に移動可能であって、ウオームホイール11の回転は、スリーブ13に伝達される構造になっている。
【0010】
スリーブ13の下方部には雄ねじが形成され、この雄ねじは、フレーム1に固定されたナット12に形成された雌ねじと噛み合っている。モータによって、ウオームシャフト10、ウオームホイール11を介してスリーブ13が回されると、スリーブ13はねじ機構により昇降する。
【0011】
前記ガイドロッド14の下方部にピストン16が形成されていて、フレーム1にこのピストン16を収容する油圧室が設けられている。この油圧室のうち、ピストン16の上側部分を上油圧室部19、下側部分を下油圧室部20と呼ぶ。ピストン16の上面にスリーブ13の下端面が当接する構造になっている。
【0012】
ガイドロッド14の下端面に回り止めアーム17が固定され、回り止めアーム17に回り止めピン18が固定されている。回り止めピン18はフレーム1に明けられた穴に差し込まれている。回り止めアーム17、回り止めピン18の作用によってガイドロッド14、ボルスタ3の回転は防止される。
【0013】
ロックシリンダ15は、ベッド部4の中間に装着され、ガイドロッド14の中間部を挟持して、ダイハイトを調節したボルスタ3の高さ位置を保持する。
【0014】
ロックシリンダ15は、図3、図4にその構造が示されている。図3の左半分はアンロック状態を、右半分がロック状態をそれぞれ示している。フランジ15A、ロックスリーブ15C及びフランジ15Bは、ボルトで一体化されている。ロックスリーブ15Cの材質としては、弾性体、金属等油圧で弾性変形するものが使用される。図3の場合は、ロックスリーブ15Cはガイドロッド14に締まりばめされ、すなわちガイドロッド14の外周は、ロックスリーブ15Cの内周によってしっかりと保持され、ガイドロッド14が昇降出来ない状態になっている。ガイドロッド14を昇降させるときは、ガイドロッド14の外周とロックスリーブ15Cの内周との間に圧油を供給してロックスリーブ15Cを弾性変形させることによってガイドロッド14を解放させる。
【0015】
図4は、ロックシリンダ15の他の実施例を示している。図4の左半分はガイドロッド14を解放した状態で、右半分はロックした状態をそれぞれ示している。ロックスリーブ15Cは、ガイドロッド14に若干の隙間をもたせた状態で嵌合している。ロックスリーブ15Cとアウタシリンダ15Eとの間に油室15Dを設ける。ガイドロッド14をロックさせたいときは、油室15Dに圧油を供給することによってロックスリーブ15Cを弾性変形させて、ガイドロッド14をロックさせる。
【0016】
図1において、スリーブ13を回して、スリーブ13の下端面をナット12の下端面と同じ、あるいは若干上にする。下油圧部20に圧油を供給してピストン16がナット12の下端面に当接させる。スリーブ13を回してスリーブ13の下端面をピストン16の上面に当接させる。この状態でボルスタ3は原点にあり、ボルスタ3は上限にあるので、ダイハイトは最小になっている。
【0017】
ダイハイトを大きくしたいときは、ロックシリンダ15のロックを解除し、スリーブ13を回して下油圧室部20の圧油に逆らってピストン16を押し下げる。ウオームシャフト10の回転角度でダイハイトの調節量は計算出来るからダイハイトを所望の値にすることが出来る。最後にガイドロッド14をロックシリンダ15でロックさせてダイハイト調節は終わる。
【0018】
プレス機械に型を装着、あるいは取り外しするときは、図1に示された上油室部19に圧油を供給して、ガイドロッド14を介してボルスタ3を大幅に下降させ、所謂型交換を容易にさせることが出来る。
【0019】
【発明の効果】
本発明によれば、ダイハイト調節装置を組み込むに足るスペースがプレス機械のスライドに設けにくい、スライドの駆動機構の都合でダイハイト調節装置をスライドに設けにくい、ダイハイト調節装置部分の剛性を上げてプレス機械全体の剛性を極力上げたい場合に適用されるダイハイト調節装置を提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例におけるプレス機械の正面の断面図
【図2】同じく、要部の説明図
【図3】同じく、ロッキングシリンダの説明図
【図4】他の実施例におけるロッキングシリンダの説明図
【符号の説明】
1はフレーム、2はスライド、3はボルスタ、4はベッド部、5はフライホイール、6はクラッチ・ブレーキ、7はクランクシャフト、8はコネクチングロッド、9はプランジャ、10はウオームシャフト、11はウオームホイール、12はナット、13はスリーブ、14はガイドロッド、15はロックシリンダ、15A、15Bはフランジ、15Cはロックスリーブ、15Dは油室、15Eはアウタシリンダ、16はピストン、17は回り止めアーム、18は回り止めピン、19は上油圧室部、20は下油圧室部、である。

Claims (2)

  1. ダイハイト調節装置をベッド部に設けたプレス機械において、
    ボルスタ(3)から下方へ伸びるガイドロッド(14)の中間部を挟持して固定するロックシリンダ(15)がベッド部( 4 )に設けられ、ベッド部( 4 )の下方部にあって前記ガイドロッド(14)の下部に上油圧室部(19)と下油圧室部(20)によって上下方向へ移動可能なピストン(16)があり、前記ロックシリンダ(15)のアンロック状態でピストン(16)を最高位置に上昇させてボルスタ(3)の原点とし、
    ベッド部( 4 )の下部に組み込まれた水平方向に回転するウオームシャフト(10)、回転を伝達するウオームホイール(11)、該ウオームホイール(11)とスプラインを介して前記ガイドロッド(14)の周縁を回動するスリーブ(13)、該スリーブ(13)の下方部に設けた雄ねじとこれに噛合うナット(12)があり、前記ウオームホイール(11)を所定量回転することによって前記スリーブ(13)の下端面が前記ピストン(16)を押下げて所望のダイハイト量を調節し、
    ついで、前記ロックシリンダ(15)をロックする機構であることを特徴とするプレス機械のダイハイト調節装置。
  2. 請求項1において、ガイドロッド(14)をロックする手段は、ベッド(4)にアウターシリンダ(15E)が拘束され、膨張、収縮する油室(15D)と該油室(15D)が膨張するときに前記ガイドロッド(14)をロックし、収縮するときに前記ガイドロッド(14)をアンロックする弾性体のロックスリーブ(15C)とを有することを特徴とするプレス機械のダイハイト調節装置。
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