JP3560648B2 - 搬送車両の運行制御方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、熱圧延工場における圧延鋼板コイルの搬送車両などに好適に実施される運行制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
前記熱圧延工場などで用いられ、予め規定されたループ経路上に複数の積卸地点を設定し、またその経路上を予め定める方向に複数の搬送車両を運行する運行制御方法において、第1の従来技術では、搬送要求が発生した順に、その搬送要求の積卸地点の前にある搬送車両が順次割付けられる。
【0003】
しかしながらこのような先行技術では、前記予め定める方向にしか走行することができない搬送車両の相互間の干渉を一切考慮しておらず、したがってたとえば2つの積卸地点で搬送要求が発生している場合、手前側の積卸地点で先に搬送要求が発生したときには、その地点よりも手前にある2台の搬送車両のうち、先行の搬送車両がまずその要求が発生した手前側の積卸地点のために割付けられてしまい、続いて発生した搬送要求に対応する先の積卸地点へ向かうべき手前側の搬送車両の進路を塞ぐ干渉が生じてしまう。このように第1の従来技術では、搬送車両間の干渉を考慮していないので、最適な配車および走行予定を決定することができないという問題がある。
【0004】
一方、このような問題を解決するために、人工知能を用いた推論処理によって、最適な運行制御を行う、いわゆるエキスパートシステムが用いられるようになってきている。ところがこのエキスパートシステムは、定量的な評価が困難である。このため第2の従来技術である特開平4−252364では、前記エキスパートシステムで決定された運行計画をコンピュータによって再度シミュレーションを行って補正している。
【0005】
また、前記エキスパートシステムでは、搬送要求に対する待機中の搬送車両の組合せ通りだけ存在する配車パターンの中から、最適な配車パターンを推論するのに長時間を要し、したがって搬送要求数および搬送車両数が増加するにつれて飛躍的に増加するこのような配車パターンの選択を行うために、第3の従来技術である特開平2−228710が提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前記第2の従来技術では、実際の運行計画を作成するまでに、シミュレーション装置を設ける必要があり大掛かりになる。また第3の従来技術では、考えられる配車パターンの中からの最適パターンの抽出にオペレータの経験に基づくノウハウを用いているので、前記ノウハウの蓄積が乏しいときには、必ずしも最適な配車パターンを選択できるとは限らず、また汎用性に欠けるという問題がある。
【0007】
本発明の目的は、複数の搬送要求と搬送車両との組合せの中から、簡便に最適な運行を行うことができる搬送車両の運行制御方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、予め規定されたループ経路上に、複数の積卸地点が設定されるとともに、複数の搬送車両を予め定める方向に運行するための制御方法において、
複数の搬送要求が発生すると、すべての搬送要求を達成した場合に搬送車両が最も多く通過することになる積卸地点間の区間を求め、
前記区間の前後のいずれか一方のみに、荷積地点が集中しないように、使用可能な搬送車両数分の搬送要求の組合わせを順次求め、
各搬送車両の現在位置に基づいて、求められた各組合わせ毎に各搬送要求のための搬送車両を順次割付け、
各組合わせ毎に、各割付けられた搬送車両の走行順を定め、
各組合わせにおける搬送車両の走行時間の総和が最小となる組合わせの搬送要求、車両割付けおよび走行順を選択することを特徴とする搬送車両の運行制御方法である。
【0009】
また本発明は、各搬送要求のための搬送車両を割付けるにあたっては、求められた各組合わせ内で、搬送要求相互間に干渉が生じるか否かを判断し、干渉が生じないときにのみ、各搬送車両の現在位置に基づいて、求められた各組合わせ毎に各搬送要求のための搬送車両を順次割付けることを特徴とする。
【0010】
さらにまた本発明の前記干渉は、或る搬送要求の運行経路内に、すべての運行経路が含まれる他の搬送要求が存在することであることを特徴とする。
【0011】
また本発明は、搬送車両の走行順を定めるにあたっては、搬送車両が割付けられた搬送要求による積卸地点間に先行車両が存在するときには、その先行車両の走行が可能となると、その先行車両の搬送要求が発生していなくても、搬送要求による後続の搬送車両の荷卸地点以遠への退避走行も含めて、走行すべき搬送車両の走行順を定めることを特徴とする。
【0012】
【作用】
本発明に従えば、予め規定されたループ経路上を、複数の搬送車両が予め定める方向に走行し、前記経路上に定められた複数の積卸地点で選択的に荷積みまたは荷卸しを行うことによって荷物を搬送するために、配車および走行予定などの運行予定を作成するにあたって、複数の搬送要求が発生したときには、まず、使用可能な搬送車両数分の搬送要求の選択を行う。したがって、搬送要求数をnとし、使用可能な搬送車両数をmとするとき、nCm通りの搬送要求の組合わせが求められる。その後、すべての搬送要求を達成した場合に搬送車両が最も多く通過することになる積卸地点間の区間を求める。次に、その区間の前後のいずれか一方のみに荷積地点が集中しないように搬送要求の組合わせを順次求める。
【0013】
続いて、各搬送車両の現在位置に基づいて、求められた各組合わせ毎に各搬送要求のための搬送車両を順次割付けてゆき、さらに割付けられた搬送車両の走行順を定める。このようにして選択された搬送要求、車両割付けおよび走行順の組合わせから、各組合わせにおける搬送車両の走行時間の総和が最小となる組合わせを選択する。
【0014】
したがって、前記nCm通りだけ求められた搬送要求の各組合わせに対して、まず、最も混雑する区間の前後のいずれか一方のみに荷積地点が集中しないようにして、さらに考えられ得る車両割付けおよび走行順を求めて、それらを定量的に評価して最適な選択を行うことができる。これによって、シミュレーションなどの複雑な工程を不要として、広範囲な用途に対して、簡便、かつオペレータの経験などによることもなく、常に最適な運行予定を作成することができる。
【0015】
また本発明に従えば、前記運行予定を作成するにあたって、たとえば上述のようにして複数の搬送要求から予め定める基準で使用可能な搬送車両数分の実行すべき搬送要求の組合わせを求めると、次に、求められた各組合わせ内で搬送要求相互間に干渉が生じるか否かを判断する。たとえば或る搬送要求に割付けた搬送車両の運行経路内に、他の搬送要求のために割付けられた搬送車両のすべての運行経路が含まれるか否か、したがって前記或る搬送要求の荷積地点と荷卸地点との間に前記他の搬送要求の荷積地点および荷卸地点がともに存在し、或る搬送要求のための搬送車両の走行が他の搬送要求のための搬送車両によって阻止されてしまうか否かを判定する。
【0016】
このような干渉が生じていないときにのみ、各搬送車両の現在位置に基づいて、それぞれ求められた各組合わせ毎に搬送要求のための搬送車両の割付けが行われる。さらにその後、各組合わせ毎に割付けられた搬送車両の走行順を定めて、その走行時間の総和から、搬送要求、車両割付けおよび走行順が選択される。これによってもまた、シミュレーションなどの複雑な工程を不要として、広範囲な用途に対して、簡便、かつオペレータの経験などによることもなく、常に最適な運行予定を作成することができる。
【0017】
さらにまた本発明に従えば、前記運行予定を作成するにあたって、上述のようにして搬送要求の各組合わせ、およびそれに対応する搬送車両の割付けを求めた後、搬送車両が割付けられた搬送要求の積卸地点間に、空荷や荷卸中の先行車両が存在するときには、前記荷卸などが終了してその先行車両の走行が可能となると、その先行車両の搬送要求が発生していなくても、後続の搬送要求によって走行すべき搬送車両の荷卸地点以遠への退避走行も含めて、走行すべき搬送車両の走行順を定める。
【0018】
さらにその後、求められた各組合わせによる搬送車両の走行時間の総和を評価して、搬送要求、車両割付けおよび走行順を選択する。さらにこれによってもまた、シミュレーションなどの複雑な工程を不要として、広範囲な用途に対して、簡便、かつオペレータの経験などによることもなく、常に最適な運行予定を作成することができる。
【0019】
【実施例】
図1は、本発明の一実施例の搬送装置1の構成を示すブロック図である。この搬送装置1は、圧延されたコイル鋼板を冷却・保管するための製鉄所のコイルヤードで使用される。この搬送装置1は、大略的に、前記コイルヤード内に敷設されたループ状の軌道である搬送経路2と、該搬送経路2上を参照符3で示す予め定める走行方向に走行する複数の搬送車両V1〜V5(総称するときは以下参照符Vで示す)と、該搬送車両Vの運行指令装置4とを備えて構成されている。
【0020】
前記搬送経路2には、クレーンなどを有し、前記搬送車両Vが停車してコイルの積卸しが行われる複数の積卸地点P1〜P20(総称するときは以下参照符Pで示す)が設けられている。前記搬送経路2は、これらの積卸地点P1〜P20間が閉塞区間L1〜L20(総称するときは参照符Lで示す)とされ、これらの閉塞区間Lまたは積卸地点Pには、運行指令装置4によって搬送車両Vが1台だけ進入することができる。
【0021】
また、各搬送車両Vがどの閉塞区間Lまたは積卸地点Pにあるかが、たとえば前記軌道の短絡状況やクレーンの動作状況などから運行指令装置4に認識されている。さらにまた、運行指令装置4からの運行指令信号は、軌道または無線などによって各搬送車両Vへ伝送され、その運行指令信号に対応して搬送車両Vが走行を行う。
【0022】
運行指令装置4は、トラッキング装置5と、運行予定決定装置6と、制御装置7とを備えて構成されている。トラッキング装置5は、各積卸地点Pにおけるクレーンの動作状況および各閉塞区間Lの状況などを監視しており、コイルの積卸作業の終了など搬送車両Vの状態が変化すると、または新たなコイルの生成などによる搬送要求が発生すると、運行予定決定装置6へ運行予定の作成要求を出力する。
【0023】
運行予定決定装置6は、前記トラッキング装置5によって収集された情報を編集するための処理装置、前記情報の記述言語をエキスパートシステムの言語に変換する言語変換装置およびエキスパートシステムで構成された人工知能による処理装置などを含んで構成される。この運行予定決定装置6は、後述するようにして前記運行予定を決定し、その決定内容を制御装置7へ出力する。制御装置7は、前記運行予定に対応して搬送車両Vの走行状態を制御する。
【0024】
図2は、上述のように構成された搬送装置1の運行指令装置4における運行予定の決定手順の大略的構成を説明するためのフローチャートである。ただし、各搬送車両Vへのコイルの積卸時間は同一であるものとし、また搬送経路2の全長はたとえば400mであり、搬送車両Vの速度は200m/minであり、したがって前記積卸時間は搬送車両Vが搬送経路2を1周する時間よりも長い場合を想定する。
【0025】
ステップk1では、発生されている搬送要求の中から、前記コイルの積載されていない待機状態にある搬送車両Vの台数分の搬送要求が選択される。ステップk2では、その選択された搬送要求が後述するような制約条件を満たしているか否かが判断され、そうでないときにはステップk3に移って他の選択が可能であるか否かが判断され、そうであるときには前記ステップk1に戻る。こうしてステップk1〜k3で制約条件を満たしている搬送要求が選択されると、ステップk4に移る。
【0026】
ステップk4では、選択された各搬送要求に、後述するようにして前記待機中の搬送車両Vを配車し、ステップk5では、その配車パターンから後述するような車両間の干渉が生じないかなどの制約条件を満たしているか否かが判断され、そうでないときにはステップk6に移り、他の配車パターンがあるか否かが検討され、そうであるときには前記ステップk4に戻る。こうして制約条件を満たす配車を終了すると、ステップk7に移る。
【0027】
ステップk7では、配車された各搬送車両Vの走行予定が決定される。ステップk8ではその走行予定が後述するような干渉が生じないかなどの制約条件を満たしているか否かが判断され、そうでないときにはステップk9に移って他の走行予定が求められるか否かが判断され、そうであるときに前記ステップk7に戻る。こうして制約条件を満たす走行予定が求められると、ステップk10に移り、運行予定の解候補とされる。
【0028】
前記ステップk10で解候補が決定されると、前記ステップk9へ移り、他の走行予定が求められ得るか否かが判断され、そうであるときには前記ステップk7へ戻り、そうでないときにはさらにステップk6へ移って、他の配車パターンでの配車が可能であるか否かが判断され、そうであるときにはステップk4へ戻り、そうでないときにはステップk3へ移る。ステップk3で他の搬送要求の選択が可能であるか否かが判断され、そうでないとき、すなわちステップk2での制約条件を満たすように選択された各搬送要求に、ステップk5の制約条件を満たす配車パターンで、さらにステップk8の制約条件を満たす運行予定案のすべてが解候補とされ、それらの解候補からステップk11において後述するような評価関数によって最良解が求められ、その最良解が運行予定として制御装置7へ出力されて動作を終了する。
【0029】
図3は、前記ステップk1およびk2における搬送要求の選択動作を説明するための図である。説明の簡略化のため、ここでは搬送要求数を5とし、待機中の搬送車両数を3とする。図3(0)で示す各閉塞区間L1,L2…に対して発生した搬送要求RQ1〜RQ5がそれぞれ図3(1)〜図3(5)で示されるとき、まずすべての搬送要求を達成した場合の各閉塞区間Lの利用状況を図3(6)で示すように集計する。この図3で示す例では、閉塞区間L4,L5が4つの搬送要求RQ1〜RQ4に重複している。したがってこの閉塞区間L4,L5の前後のいずれか一方のみに荷積地点が集中しないように、前記搬送車両数分の搬送要求の組合せが順次求められる。したがって本実施例では、搬送要求RQ5を必ず含み、残余の搬送要求RQ1〜RQ4の中から任意の2つの搬送要求が選択されて、制約条件を満たす搬送要求の候補とされる。
【0030】
図4は、上述の図3の動作を説明するためのフローチャートである。ステップs1では、発生した搬送要求のすべてを達成した場合に最も多く搬送車両Vが通過することになる閉塞区間が探索される。ステップs2では、搬送要求数をn個とし、待機中の使用可能な搬送車両数をmとする場合、nCm通りの組合せの中から搬送要求の組合せが選択される。すなわちたとえば、上述のようにn=5とし、m=3とするとき、nCm=5×4×3/(3×2×1)=10通りの搬送要求の組合せの中からの選択が行われる。
【0031】
ステップs3では、選択された搬送要求における荷積地点がともに前記閉塞区間の前後のいずれか一方に集中しているか否かが判断され、そうであるときには前記ステップs2に戻り、こうして順次的に選択された搬送要求の組合せが制約条件を満たしているか否かが判断されてゆく。
【0032】
ステップs3において制約条件が満足されているときには、ステップs4に移って、その搬送要求の組合せが解候補の1つとして選択されて動作を終了する。したがって上述の図3の場合には、搬送要求RQ5を含む搬送要求の組合せ、すなわちRQ1−RQ2−RQ5、RQ1−RQ3−RQ5、RQ1−RQ4−RQ5、RQ2−RQ3−RQ5、RQ2−RQ4−RQ5、RQ3−RQ4−RQ5の6通りの組合せが解候補として選択される。
【0033】
図5は、前記図2のステップk4,k5における配車方法を説明するための図である。図5(1)で示すように、2台の搬送車両V1,V2が使用可能な状態で、かつこれらの搬送車両V1,V2は走行方向3に対して搬送車両V1が手前側に位置しているものとする。これら2台の搬送車両V1,V2よりも後方側で2つの搬送要求RQ1,RQ2が発生したものとする。搬送要求RQ1の荷積地点P4と、荷卸地点P15とは、それぞれ搬送要求RQ2の荷積地点P2と、荷卸地点P11との手前側にあるものとする。
【0034】
このような条件で搬送要求RQ1に対して搬送車両V1が配車され、搬送要求RQ2に対して搬送車両V2が配車されると、搬送車両V2の荷積地点P2での積込中は搬送車両V1の荷積地点P4への移動を妨げることとなり、干渉が生じてしまう。これに対して、搬送要求RQ1に搬送車両V2を配車し、搬送要求RQ2に対して搬送車両V1を配車すると、上述のような干渉が生じることなく、搬送車両V1,V2はそれぞれの荷積地点P2,P4へ走行し、荷積後、荷卸地点P11,P15へ、それぞれ干渉が生じることなく走行することができる。したがってこのような干渉が制約条件とされ、該干渉が生じることのないように配車が行われる。
【0035】
また図5(2)で示すように、2台の使用可能な搬送車両V1,V2のうち、1つの搬送要求RQ2のみが発生している状態で手前側にある搬送車両V1を配車すると、その後方側にある搬送車両V2は前記搬送要求RQ1に対応する荷卸地点P11よりも搬送方向3の後方側に回送する必要が生じ、配車効率が低下する。したがってこのような不必要な回送が必要となる配車パターンも制約条件とされる。
【0036】
本発明では、上述のような配車処理は、代数処理を用いるのではなく、記号処理を用いて知識工学的に処理する。すなわち、図5(1)の場合を例に示すと、搬送車両V1が積卸地点P1にあり、搬送車両V2が積卸地点P2にあるとき、搬送要求RQ1に搬送車両V2を割付け、搬送要求RQ2に搬送車両V1を割付けたときには、各搬送車両V1,V2の走行経路の関係は図6(1)で示すようになる。
【0037】
これに対して搬送要求RQ1に搬送車両V1を割付け、搬送要求RQ2に搬送車両V2を割付けた場合の走行経路の関係は、図6(2)で示すようになる。したがって図6(1)および図6(2)を比較して明らかなように、一方の搬送車両の走行経路内に他方の搬送車両の走行経路がすべて含まれているときには、干渉が生じることになる。本発明では、前記記号処理によって簡便にこのような干渉の有無を判定して配車を行う。
【0038】
図7は、図5および図6の配車方法を説明するためのフローチャートである。ステップt1では、或る搬送要求に対して、使用可能なm台の搬送車両の割付けが行われる。ステップt2では、割付けられた搬送車両が他の搬送車両によって干渉されるか否かが判断され、そうであるときには前記ステップt1に戻り、そうでないときにはステップt3に移って配車パターンの解候補に選択されて動作を終了する。
【0039】
このような図7に示す動作を繰返すことによって、使用可能な前記m台の搬送車両から、干渉が生じないように搬送車両が順次割付けられてゆく。
【0040】
こうして搬送要求の選択が終了し、また配車パターンが決定されると、図8で示すようにして走行予定が決定される。すなわち、発生した搬送要求RQ2に割付けられた搬送車両V1の荷積地点P2から、荷卸地点P11への移動経路中の地点P4において、荷卸作業をしている先行の搬送車両V2が搬送車両V1に干渉することになる。このような場合には、搬送車両V2を、その荷卸作業が終了した後に、搬送車両V1の荷卸地点P11よりも先に移動することが制約条件となり、この制約条件を満たすときには前記ステップn10で示すように、選択されてきた搬送要求ならびに配車および走行予定が運行予定の解候補となる。
【0041】
上述の各制約条件は、幾何学的な判断が必要となり、数式化するのは困難である。このため、本発明では、前記制約条件を信号処理を用いる制約論理プログラミング言語を用いて記述し、知識ベース化して運行予定決定装置6内にストアしている。
【0042】
このようにして求められた解候補が複数あるときには、それらの解候補の中から、各搬送車両Vの走行時間の和が最小となるように、すなわち走行距離が最短となるように最良解の探索が行われる。たとえば表1で示すような5つの搬送要求RQ1〜RQ5が前記図3および図4で示すようにして選択された状態で、5台の各搬送車両V1〜V5の待機している初期位置が表2で示されるとき、各搬送車両V1〜V5に割付けられる最良解となる搬送要求は表3で示すようになる。
【0043】
【表1】
Figure 0003560648
【0044】
【表2】
Figure 0003560648
【0045】
【表3】
Figure 0003560648
【0046】
またこの表2および表3を図示すると、図9で示すようになる。これらを参照して明らかなように、各搬送車両V1〜V5は、その荷積位置において後続の搬送車両の干渉が生じることのないように、それぞれの初期位置から前記図5〜図7で示すようにして配車されている。また、荷卸位置が積卸地点P5となる搬送車両V1は前記図8で示すように、荷卸後、後続の搬送車両V3を干渉しないように積卸地点P8まで回送されている。さらにまた、搬送車両V2も積卸地点P1で荷卸しを終了した後、積卸地点P6まで回送されて搬送車両V3への干渉を解消している。
【0047】
これに対して、前記表1で示す搬送要求RQ1〜RQ5に対して、各搬送車両V1〜V5が表4で示される初期位置にあり、かつその中で搬送車両V1が荷卸中であるときには、最良解の探索結果は、表5および図10で示されるようになる。
【0048】
【表4】
Figure 0003560648
【0049】
【表5】
Figure 0003560648
【0050】
これら表4,5および図10から明らかなように、積卸地点P10で荷卸中の搬送車両V1によって、荷積位置が積卸位置P18,P15,P19となる搬送要求RQ1〜RQ3には搬送車両を割付けるすることはできず、このような場合には最良解は探索不能とされて、搬送車両V1の荷卸しが終了するなどの各搬送車両Vの状態の変化または新たな搬送要求が発生するまで待機することになる。
【0051】
以上のようにして求めた最良解で運行制御を行うことによって、本件発明者の実験によれば、搬送効率をほぼ20%向上することができる。したがって、搬送車両数を低減して建設コストを削減することができるとともに、電力消費の低減など、省力化を図ることができる。
【0052】
このように本発明に従う搬送装置1では、搬送車両Vの配車および走行予定などの運行予定を決定するにあたって、まず多数の搬送要求の中から最も混雑する閉塞区間を探索し、荷積位置がその閉塞区間の前後のいずれか一方に集中しないように搬送要求を選択するので、多数の搬送要求の組合せの中から、効率良く最適な搬送要求を探索することができる。
【0053】
また、探索された搬送要求に対して搬送車両V1〜V5を配車するときには、搬送車両同士の干渉が生じないように制約条件を設けて各搬送要求に対する搬送車両Vの割付けを行うので、配車効率を向上することができる。さらにまた、走行予定を決定するにあたって、荷卸し中の先行車両が後続の搬送車両に干渉するときには、荷卸しを終了後、干渉しない地点まで退避させるので、運行予定の最良解の探索範囲を広げることができる。また、探索された解候補の中から、最終的に走行時間の総和を評価関数として最良解の選択を行うので、シミュレーションなどによることなく、容易に最良解を求めることができる。
【0054】
なお、前記評価関数として、前記走行時間の他に、前記走行距離などの他のパラメータが用いられてもよい。また、前記搬送経路2は、分岐路や退避路を有していてもよく、また走行方向3が規定されていなくてもよい。
【0055】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、予め規定されたループ経路上を、複数の搬送車両を用いて荷物を搬送するために、配車および走行予定などの運行予定を作成するにあたって、複数の搬送予定が発生したときには、すべての搬送要求を達成した場合に搬送車両が最も多く通過することになる積卸地点間の区間を求め、その区間の前後のいずれか一方のみに荷積地点が集中しないように搬送要求の組合わせを順次求め、求められた各組合せ毎に対応する車両割付けおよび走行順の組合わせを定量的に評価して最適な選択を行うので、シミュレーションなどの複雑な工程を不要として、広範囲な用途に対して、簡便、かつオペレータの経験などによることもなく、常に最適な運行予定を作成することができる。
【0056】
また本発明によれば、前記運行予定を作成するにあたって、搬送要求の組合わせを求めると、求められた各組合わせ内で搬送要求相互間に干渉が生じるか否かを、たとえば或る搬送要求に割付けた搬送車両の運行経路内に、他の搬送要求のために割付けられた搬送車両のすべての運行経路が含まれるか否かから判定し、このような干渉が生じていないときにのみ、各組合わせ毎に搬送要求のための搬送車両の割付けを行い、さらに搬送車両の走行順を定めるので、これによってもまた、シミュレーションなどの複雑な工程を不要として、広範囲な用途に対して、簡便、かつオペレータの経験などによることもなく、常に最適な運行予定を作成することができる。
【0057】
さらにまた本発明によれば、前記運行予定を作成するにあたって、搬送要求の各組合わせ、およびそれに対応する搬送車両の割付けを求めた後、搬送車両が割付けられた搬送要求の積卸地点間に、空荷や荷卸中の先行車両が存在するときには、その先行車両の走行が可能となると、その先行車両の搬送要求が発生していなくても、後続の搬送車両の荷卸地点以遠への退避走行も含めて、搬送車両の走行順を定めるので、さらにこれによってもまた、シミュレーションなどの複雑な工程を不要として、広範囲な用途に対して、簡便、かつオペレータの経験などによることもなく、常に最適な運行予定を作成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の搬送装置1の構成を示すブロック図である。
【図2】前記搬送装置1の運行指令装置4における運行予定の決定手順の大略的構成を説明するためのフローチャートである。
【図3】搬送要求の選択動作を説明するための図である。
【図4】前記搬送要求の選択動作を説明するためのフローチャートである。
【図5】配車方法を説明するための図である。
【図6】配車にあたっての干渉を説明するための図である。
【図7】前記配車方法を説明するためのフローチャートである。
【図8】走行予定の決定方法を説明するための図である。
【図9】運行予定の最良解の例を説明するための図である。
【図10】運行予定の最良解が得られなかった状態を説明するための図である。
【符号の説明】
1 搬送装置
2 搬送経路
3 走行方向
4 運行指令装置
5 トラッキング装置
6 運行予定決定装置
7 制御装置
L1〜L20 閉塞区間
P1〜P20 積卸地点
V1〜V5 搬送車両

Claims (4)

  1. 予め規定されたループ経路上に、複数の積卸地点が設定されるとともに、複数の搬送車両を予め定める方向に運行するための制御方法において、
    複数の搬送要求が発生すると、すべての搬送要求を達成した場合に搬送車両が最も多く通過することになる積卸地点間の区間を求め、
    前記区間の前後のいずれか一方のみに、荷積地点が集中しないように、使用可能な搬送車両数分の搬送要求の組合わせを順次求め、
    各搬送車両の現在位置に基づいて、求められた各組合わせ毎に各搬送要求のための搬送車両を順次割付け、
    各組合わせ毎に、各割付けられた搬送車両の走行順を定め、
    各組合わせにおける搬送車両の走行時間の総和が最小となる組合わせの搬送要求、車両割付けおよび走行順を選択することを特徴とする搬送車両の運行制御方法。
  2. 各搬送要求のための搬送車両を割付けるにあたっては、求められた各組合わせ内で、搬送要求相互間に干渉が生じるか否かを判断し、干渉が生じないときにのみ、各搬送車両の現在位置に基づいて、求められた各組合わせ毎に各搬送要求のための搬送車両を順次割付けることを特徴とする請求項1記載の搬送車両の運行制御方法。
  3. 前記干渉は、或る搬送要求の運行経路内に、すべての運行経路が含まれる他の搬送要求が存在することであることを特徴とする請求項2記載の搬送車両の運行制御方法。
  4. 搬送車両の走行順を定めるにあたっては、搬送車両が割付けられた搬送要求による積卸地点間に先行車両が存在するときには、その先行車両の走行が可能となると、その先行車両の搬送要求が発生していなくても、搬送要求による後続の搬送車両の荷卸地点以遠への退避走行も含めて、走行すべき搬送車両の走行順を定めることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の搬送車両の運行制御方法。
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