JP3560454B2 - 電力変換装置及びこれを利用した空気調和装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高力率コンバータとして知られる電力変換装置及びこれを利用した空気調和装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図15はツインコンバータとも呼ばれるこの種の電力変換装置の構成を示す回路図である。同図において、単相交流電源es に、フィルタリアクトルLs を介して、分圧コンデンサC1 ,C2 を直列接続してなる分圧回路が接続されている。ダイオードD1 〜D4 は単相ブリッジ接続されて周知の全波整流回路を形成している。この全波整流回路の交流入力端の一方、すなわち、直列接続されたダイオードD1 ,D2 の相互接続点と、分圧回路の一端との間にエネルギーを蓄積、放電させるためのリアクトルL1 が接続されている。また、全波整流回路の交流入力端の他方、すなわち、直列接続されたダイオードD3 ,D4 の相互接続点と、分圧回路の他端との間に同じくエネルギーを蓄積、放電させるためのリアクトルL2 が接続されている。
【0003】
さらに、全波整流回路の直流出力端の間、すなわち、ダイオードD1 ,D2 の直列回路及びダイオードD3 ,D4 の直列回路の並列接続回路の両端に、フライホイールダイオードDF1,DF2がそれぞれ逆並列接続されたスイッチング素子としてのIGBT1 ,IGBT2 が直列接続されてなるチョッパ回路と、平滑コンデンサCDCと、負荷抵抗RL とが接続されている。このうち、IGBT1 ,IGBT2 の相互接続点と分圧コンデンサC1 ,C2 の相互接続点とが接続されている。そして、IGBT1 及びIGBT2 を、単相交流電源es と比較して格段に高い周波数で交互にオン、オフすることによって、広い能力範囲にて高力率を維持することができる。
【0004】
チョッパ回路を構成するIGBT1 ,IGBT2 は、図15では図示を省略したチョッパ制御回路によって高力率を維持するように交互にオン、オフ制御されると共に、その周波数及び通電比(デューティ比)が変更される。この場合、交流電源es からの入力電流はスイッチング周波数に反比例し、通電比の2乗に比例する関係にあり、一般には通電比を一定に保持して周波数を切換え、場合によって通電比をも併せて切換える。
【0005】
図16はそのオン、オフ制御モードの一例であり、(a)は1周期をTとしてその半周期ずつオン、オフさせる、通電比が50%のゲートパルスTX1 ,TX2 を示し、負荷の変動等に応じて(b)に示すように周波数を1.5倍程度まで高くしたり、あるいは、(c)に示すように周波数をそのままにして通電比を25%程度まで小さくしたりしている。なお、(c)に示すゲートパルスTX1 ,TX2 は、ゲートパルスTX1 のオフ区間の中間にTX2 のオン区間が位置している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
一般に、通電比を50%に保持した場合、スイッチング素子としてのIGBTのオフ期間にリアクトルの放電電流は零になる動作を繰返すため、リアクトルL1 ,L2 に流れる電流のピーク値は電源電圧のピーク値に比例する。従って、交流入力電流の波形歪みは比較的小さく、従って高力率を維持することができる。
【0007】
一方、図16(c)に示すように通電比を25%程度に保持した場合、交流電源電圧のゼロクロス点の近辺においては、上述したと同様に、リアクトルの放電電流が零になる動作を繰返し、リアクトルL1 ,L2 に流れる電流のピーク値は電源電圧に比例するので、交流入力電流の波形歪みは小さい。しかしながら、交流入力電圧の瞬時値が大きい区間、すなわち、ゼロクロス点近辺を除いた区間においては、スイッチング素子としてのIGBTのオフ期間にリアクトルの放電電流は零にならないことがあり、そのために、リアクトルL1 ,L2 に流れる電流のピーク値が電源電圧の瞬時値に比例せず、そのために、力率が低下することが発明者が行った実験等により明らかになっている。このことを以下に説明する。
【0008】
図17(a),(b)は交流入力電圧の瞬時値が大きい区間にて、通電比を25%としたゲートパルスTX1 ,TX2 に対応するリアクトルL1 ,L2 の電流IL1,IL2の変化を示したものである。
【0009】
ここで、ゲートパルスTX1 ,TX2 は25%であるため、ゲートパルスTX1 のオフ区間の前半にてリアクトルL1 はエネルギーを放出し終わって電流IL1は零に戻り、時間Tq だけエネルギーの蓄積、放出を休止するが、オフ区間の後半の時刻t1 でエネルギーの蓄積から放出に転じた後、エネルギーを放出し終わらない時刻t2 にて、ゲートパルスTX1 のオン区間に応じて再びエネルギーの蓄積を開始するため、ゲートパルスTX1 のオン区間からオフ区間に変化する時刻t3 におけるリアクトル電流IL1のピーク値Ip が交流入力電圧の瞬時値に比例しなくなる。このことはリアクトルL2 に流れる電流IL2も同様で、ピーク値Ip が交流入力電圧の瞬時値に比例しなくなる。
【0010】
このように、リアクトル電流IL1,IL2のピーク値Ip が交流入力電圧の瞬時値に比例しなくなることは、図18に示したように、正弦波形を大きく歪ませることになり、その結果、力率が低下すると言う問題があった。
【0011】
一方、図15に示した電力変換装置は電源周波数と比較して格段に高い周波数でチョッパ回路を構成するIGBT1 ,IGBT2 をオン、オフ制御するため、全波整流回路を構成するダイオードD1 〜D4 として高速動作に適した高速ダイオード、例えば、高速回復ダイオードの使用を余儀なくされた。図19はこのことを説明するために、出力電圧と入出力電力との関係を示した線図であり、(a)は高速ダイオード使用時の関係を示したもので、出力電圧を150〜200Vの範囲で変化させたとしても、入力電力に対する出力電圧の比、すなわち、変換効率は略93〜95%程度であるのに対して、低速ダイオード使用時には(b)に示したように変換効率は85%以下に低下すると共に、電圧が高くなる程さらに低くなる。この変換効率の低下は整流部のスイッチングロスに起因するもので、高速ダイオードを使用しなければ高力率を維持し難いという問題もあった。
【0012】
本発明は上記の課題を解決するためになされたもので、第1の目的は、広い能力範囲に亘って力率を高い状態に維持することのできる電力変換装置を提供するにある。
【0013】
本発明の第2の目的は、整流部として低速ダイオードを使用しても、高速タイオード使用時と同程度の高力率を維持できる電力変換装置を提供するにある。
【0014】
本発明の第3の目的は、上記電力変換装置を用いることによって、冷凍サイクル系統を構成するモータの騒音を抑えることのできる空気調和装置を提供するにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、
複数のダイオードがブリッジ接続され、交流入力端がそれぞれ交流電源ラインに接続される整流部と、
整流部の交流入力端と交流電源ラインとの間にそれぞれ接続されたリアクトルと、
一端が交流電源ラインの各相にそれぞれ接続され、他端が相互に接続された分圧コンデンサを含んでなる分圧回路と、
一端が整流部の直流出力端にそれぞれ接続され、他端が相互に接続された2個のスイッチング素子を含み、これらのスイッチング素子の相互接続点が分圧コンデンサの相互接続点に接続されたチョッパ回路と、
チョッパ回路の両端に接続された平滑コンデンサと、
交流電源よりも周波数の高い繰返し周期を、略3等分した第1の区間がオンで、第2の区間がオフで、第3の区間がオフであるオン、オフモードに従ってスイッチング素子の一方を制御し、第1の区間がオフで、第2の区間がオンで、第3の区間がオフであるオン、オフモードに従ってスイッチング素子の他方を制御するチョッパ制御回路と、
を備えた電力変換装置である。
【0016】
請求項2に係る発明は、
複数のダイオードがブリッジ接続され、交流入力端がそれぞれ交流電源ラインに接続される整流部と、
前記整流部の交流入力端と前記交流電源ラインとの間にそれぞれ接続されたリアクトルと、
一端が前記交流電源ラインの各相にそれぞれ接続され、他端が相互に接続された分圧コンデンサを含んでなる分圧回路と、
一端が前記整流部の直流出力端にそれぞれ接続され、他端が相互に接続された2個のスイッチング素子を含み、これらのスイッチング素子の相互接続点が前記分圧コンデンサの相互接続点に接続されたチョッパ回路と、
前記チョッパ回路の両端に接続された平滑コンデンサと、
前記交流電源よりも周波数の高い繰返し周期を、略3等分した第1の区間がオンで、第2の区間がオフで、第3の区間がオンであるオン、オフモードと、繰返し周期の全ての区間がオフであるオン、オフモードとに従って、前記2個のスイッチング素子を交互に制御するチョッパ制御回路と、
を備えた電力変換装置である。
【0017】
請求項3に係る発明は、
請求項1又は2に記載の電力変換装置と、
この電力変換装置の直流電圧を可変電圧可変周波数の交流に変換し、冷凍サイクルを形成する圧縮機を駆動するインバータと、
を備えた空気調和装置である。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を好適な実施形態に基づいて詳細に説明する
図1は本発明の第1の実施形態の構成を示す回路図である。図中、従来装置を示す図15と同一の符号を付したものはそれぞれ同一の要素を示している。ここでは、図15に示した電力変換装置に対して、負荷抵抗RL の両端電圧すなわち直流出力電圧を検出する電圧検出回路21と、予め定められたオン、オフモードに従ってIGBT1 ,IGBT2 をオン、オフ制御するためのゲート信号TX1 、TX2 を出力すると共に、電圧検出回路21によって検出される電圧が予め設定した基準値を超えたとき、スイッチング動作を停止するチョッパ制御回路22とを備えた構成になっている。このうち、チョッパ制御回路22は方形波発振器、アーム短絡防止のためのデットタイム回路、信号絶縁、増幅のゲートドライブ回路、オン、オフモード及び通電比(デューティ)等をテーブルとして記憶させた記憶装置及びそのデータを読出して切換え操作する回路等でなるが、これらは文献等で公知であるので省略し、本発明に関係する動作についてのみ以下に説明する。
【0030】
この第1の実施形態の特徴は、図2(a)に示すように、所定の区間Tを略3等分した第1の区間にてIGBT1 をオン状態に、IGBT2 をオフ状態にし、第2の区間にてIGBT1 をオフ状態に、IGBT2 をオン状態にし、第3の区間にてIGBT1 ,IGBT2 の両方をオフ状態にする制御(IGBT1 ,IGBT2 を交互にオン、オフさせた後にIGBT1 とIGBT2 の両方をオフとする休止期間を設ける制御)を順次繰返すようなゲート信号TX1 ,TX2 をチョッパ制御回路22が出力するもので、さらに、直流出力電圧に応じて、ゲート信号TX1 ,TX2 のオン、オフモード、周波数、通電比を切換える点にある。
【0031】
ここで、フィルタリアクトルLs として1.0mH、コンデンサC1 、C2 として2.0μF、リアクトルL1 、L2 として1.0mH、平滑コンデンサCDCとして2200μFのものを用い、動作条件として交流電源es が100V/50Hz 、スイッチング周波数fsw(1/T)を15.0kHz 、昇圧比αを1.40(直流電圧200V)とすると、図2(b)に示す電流IL1,IL2がリアクトルL1 ,L2 を流れる。
【0032】
図2(b)に示す電流IL1,IL2は交流電源電圧の半周期において図示した6個のモードで変化する。つまり、IGBTのスイッチングのオン、オフに伴いリアクトルL1 ,L2 の蓄積エネルギーが増減し、それに合わせて各モードが繰返される。以下、図3及び図4を用いてモード1乃至モード6の動作を、電源電圧の正の半周期について解析する。なお、電源電圧の負の半周期では、ダイオードD2 ,D3 がダイオードD1 ,D4 に替わってオンするだけであるのでその説明を省略する。
【0033】
▲1▼ モード1:図3(a)に示すように、このモードは、IGBT1 がオンするとコンデンサC1 、リアクトルL1 、ダイオードD1 、IGBT1 を通るループで電流が流れ、リアクトルL1 にエネルギーが蓄積される。また、リアクトルL2 の電流は零となる期間である。
【0034】
▲2▼モード2:図3(b)に示すように、IGBT1 がオフすると同時に、IGBT2 のゲートにオン信号を与える。リアクトルL1 に蓄積されているエネルギーが図示した経路により、平滑コンデンサCDC及び負荷抵抗RL に放出される。また、リアクトルL2 にエネルギーが蓄積される。
【0035】
▲3▼ モード3:モード2においてリアクトルL1 に蓄えられていたエネルギーがなくなると、図示したモード3に移り、リアクトルL2 にエネルギーが蓄積され続ける。
【0036】
▲4▼ モード4:図4(a)に示したように、IGBT2 がオフするとリアクトルL2 のエネルギーが平滑コンデンサCDC及び負荷抵抗RL に放出される。IGBT1 及びフライホイールダイオードDF1に流れる電流は、リアクトルL2 のエネルギーの放出による電流と、リアクトルL1 へのエネルギー蓄積の電流との代数和によって決定される。このようにモード4では、リアクトルL2 のエネルギー放出と同時にリアクトルL1 のエネルギーの蓄積が始まる。両者が等しくなったとき次のモードに移る。
【0037】
▲5▼ モード5:図4(b)に示すように、このモードはリアクトルL1 とリアクトルL2 が同時に負荷側にエネルギーを放出する。ここで、リアクトルL1 とL2 に流れる電流は等しい。
【0038】
▲6▼ モード6:図4(c)に示すように、このモードではリアクトルL1 ,L2 に蓄えられたエネルギーがなくなり、リアクトルL1 とリアクトルL2 に流れる電流が零となる期間である。
【0039】
ここで、図17に示した従来方式のゲート信号TX1 ,TX2 に対応するリアクトル電流IL1,IL2と、図2に示した第1の実施形態によるゲート信号TX1 ,TX2 に対応するリアクトル電流IL1,IL2とを比較すると、従来方式ではリアクトルのエネルギーが放出し終わらないうちに、すなわち、リアクトル電流IL1,IL2が零にならないうちにリアクトルL1 ,L2 におけるエネルギーの蓄積が行われる区間が存在したが、本実施形態ではリアクトルL1 ,L2 のいずれにおいてもそのエルギーの放出が始まると、すなわち、リアクトル電流IL1,IL2が減少に転じたときは、常に零になる動作が繰返され、リアクトルL1 においては休止期間Tq1、Tq2後にエネルギーの蓄積が開始され、リアクトルL2 においては休止期間Tq3後にエネルギーの蓄積が開始される。このため、リアクトル電流IL1,IL2のピーク値Ip は交流入力電圧の瞬時値に略比例することになる。これによってリアクトル電流は正弦波形に近付くことから、1サイクル期間の全体に亘って電流波形が整形されると共に、歪み率及び電源高調波を低減させることができる。なお、説明の都合上、図2に示したオン、オフモードによってチョッパ回路を制御する方式を連続休止方式と呼ぶことにする。
【0040】
図5は従来方式の図18に対応させて示した入力電圧と入力電流との関係を示した波形図であり、本実施形態では入力電流波形が正弦波により近似していることが分かる。
【0041】
ところで、この種の電力変換装置装置ではIGBT1 ,IGBT2 のいずれか一方が短絡又は短絡に近い不良の状態に陥ったとき、昇圧比が増大して出力電圧が過大になることがある。そこで、電圧検出回路21によって出力電圧を検出し、電圧検出値が予め定めた基準値を超えたとき、チョッパ回路のオン、オフ制御を停止し、IGBT1 ,IGBT2 の両方をオフ状態にする。この結果、通常のコンデンサインプット形のコンバータの機能を維持することができる。
【0042】
図6は本発明に係る第2の実施形態の説明図である。この場合、ハードウェア構成は図1と全く同一であるために省略し、チョッパ制御回路22から出力されるIGBT1 ,IGBT2 をオン、オフ制御するゲート信号TX1 ,TX2 を示している。ここで、ゲート信号TX1 ,TX2 は周期T毎に交互に変化するオン、オフモードになっている。すなわち、最初の周期Tにおいては、ゲート信号TX1 は周期Tの全体がオフ状態に保たれるオンオフモードになっており、一方、ゲート信号TX2 は第1の区間でオン、第2の区間でオフになり、第3の区間でオンになるオン、オフモードになっており、次の周期Tではゲート信号TX1 ,TX2 のオン、オフモードが逆になっており、以下、これらのモードが交互に繰返される。
【0043】
この第2の実施形態の動作モードは第1の実施形態と同様にして解析できるが、図面及び説明の簡単化のため、ここでは入力電圧と入力電流の関係のみを図7に示す。図7から明らかなように、入力電流波形が正弦波により近似し、図18に示した従来方式と比較して波形が改善されていることが分かる。なお、説明の都合上、図6に示したオン、オフモードによってチョッパ回路を制御する方式をクロス連続休止方式と呼ぶことにする。
【0044】
因みに、図15乃至図18を用いて説明した従来方式と、図1乃至図5を用いて説明した本発明の第1の実施形態と、図6及び図7を用いて説明した第2の実施形態について、昇圧比を1.40(出力電圧200V)に制御した場合の歪率、3次高調波、5次高調波、7次高調波を図表で示すと図8のようになる。この図表から明らかなように、歪率と3次高調波に着目した場合、従来方式と比較して第1の実施形態が格段に小さくなり、第2の実施形態が第1の実施形態よりも小さくなっていることが分かる。
【0045】
なお、上述した第1及び第2の実施形態では制御の容易性を考慮して、所定の周期Tを略3等分して、このうちの一つの区間だけIGBT1 ,IGBT2 の両方をオフ状態にしたが、要はIGBT1 ,IGBT2 の両方がオフである区間はそれ以前にエネルギーが蓄積されたリアクトルの放電電流が零になるに要する時間幅を有するオン、オフモードであれば、上述したと略同様な効果が得られる。
【0046】
なおまた、上述した第1及び第2の実施形態では便宜的に消費電力が一定の負荷抵抗RL を接続しているので直流出力電圧は略一定に保たれるが、負荷の軽重に応じて直流出力電圧は変化する。そのためにチョッパ制御回路22はオン、オフモード及び通電比等を記憶させたテーブルを利用して、次の動作を行わせる機能をも備えている。
イ、直流出力電圧が一定になるように、オン、オフ制御モードの周波数を切換える。
ロ、直流出力電圧が一定になるように、オン、オフ制御モードの周波数及び通電比を切換える。通電比の変更はIGBT1 ,IGBT2 の両方がオフ状態になる時間を変更する。
ハ、直流出力電圧が一定になるように、オン、オフ制御モードの周波数を切換え、周波数が予め定めた基準値を超えたとき通電比を切換える。
ニ、IGBT1 ,IGBT2 を通電比50%にて交互にオン、オフする。
【0047】
かくして、第1の実施形態又は第2の実施形態によれば、広い能力範囲に亘って力率を高い状態に維持することができる。また、一つの周期Tを3等分したオン、オフ制御モードを用いた場合、装置の構成が簡易化される利点もある。
【0048】
図9は本発明の第3の実施形態に係る電力変換装置の構成を示す回路図である。図中、図1と同一又は同様の機能を有する要素には同一の符号を付してその説明を省略する。また、IGBT1 、IGBT2 をオン、オフ制御するための構成も同一であるので、図1にて示した電圧検出回路21及びチョッパ制御回路22をも省略して主回路のみを示している。この実施形態の特徴は、図1に示したフィルタリアクトルLs 、分圧コンデンサC1 ,C2 及びリアクトルL1 ,L2 を整流部の直流出力側に設けると共に、平滑コンデンサCDCから分圧コンデンサC1 ,C2 及びリアクトルL1 ,L2 に電流が流れ込むことを防止する逆流防止ダイオードDR を設けた点にある。すなわち、ダイオードD1 〜D4 をブリッジ接続してなる整流部の交流側端子に交流電源es が直接接続され、この整流部の直流側端子間にフィルタリアクトルLs を介して分圧コンデンサC1 ,C2 を直列接続してなる分圧回路が接続されている。この分圧回路の正側端子にリアクトルL1 の一端が、負側端子にリアクトルL2 の一端がそれ接続されている。これらのリアクトルL1 ,L2 の他端間に、それぞれフライホイールダイオードが逆並列接続されたIGBT1 ,IGBT2 を直列接続してなるチョッパ回路が接続され、このチョッパ回路を構成するIGBT1 ,IGBT2 の相互接続点と分圧回路を構成するコンデンサC1 、C2 の相互接続点が接続されている。また、チョッパ回路の両端には逆流防止用ダイオードDR を介して平滑コンデンサCDC及び負荷抵抗RL が接続されている。
【0049】
この構成によれば、チョッパ回路を構成するIGBT1 ,IGBT2 をオン、オフ制御したことによるリアクトルL1 ,L2 の放電電流が逆流防止用ダイオードDR を通して平滑コンデンサCDC及び負荷抵抗RL に流れる。しかし、フィルタリアクトルLs の介在により、整流部のダイオードD1 〜D4 には流れない。従って、逆流防止用ダイオードDR として高速ダイオードを使用すれば、整流部を構成するダイオードD1 〜D4 は低速ダイオードで済むことになる。
【0050】
一般に高周波ノイズを低減するために図9中に破線で示したように、フィルタリアクトルLs の前段にフィルタコンデンサCs を接続することが多い。しかしながら、フィルタコンデンサCs を設けると、ここに電荷が蓄積され残留するため、交流電圧波形のゼロクロス近辺で入力電流波形が大きく歪む。従って、フィルタコンデンサCs の追加は入力電流波形に悪影響を及ぼしてしまうため、これを整流部の出力側に置くことは好ましくない。よって、本実施形態ではフィルタリアクトルLs のみでなるノイズフィルタを接続している。
【0051】
ここで、図1に示す第1の実施形態の整流部に高速ダイオードを使用した場合、低速ダイオードを使用した場合、図9に示す第3の実施形態の整流部に低速ダイオードを使用してIGBT1 ,IGBT2 を通電比50%にて交互にオン、オフする場合のそれぞれについて、出力電圧の変化に対するコンバータの効率を測定すると図10に示す結果が得られた。すなわち、第1の実施形態の整流部に低速ダイオードを使用すると、一点鎖線で示したように、電圧が高くなるに従ってコンバータの効率が著しく低下するのに対して、第3の実施形態の整流部に低速ダイオードを使用したとしても、第1の実施形態に高速ダイオードを使用した場合と略同様に95%程度の高い変換効率を達成していることが分かる。
【0052】
かくして、第3の実施形態によれば図2に示した連続休止方式又は図6に示したクロス連続休止方式のオン、オフ制御モードを用いなくとも高力率状態を維持することができ、さらに、整流部において高周波のスイッチングロスを受けないため、整流用に低速ダイオードを使用しても効率面において十分な性能を発揮する実用的な回路とすることができる。
【0053】
また、図9に示した第3の実施形態においても、連続休止方式又はクロス連続休止方式のオン、オフ制御モードに従ってIGBT1 ,IGBT2 を制御することによって、力率をさらに高めることができる。
【0054】
尚、拘束ダイオード(応答速度の速いダイオード)とはインバータの発振周波数の1サイクル期間に対して十分に逆回復時間(trr)が短いものであり、例えば、インバータの発振周波数が20KHzの場合は、50μsec以下、一般的には100分の1以下の0.5μsec以下のものが使われいる。一方、低速ダイオード(応答速度の遅いダイオード)は逆回復時間が50μsecよりも長いものが該当する。
【0055】
図11は本発明に係る電力変換装置の第4の実施形態の構成を示す回路図であり、特に、主回路は特開平8−196077号公報に開示された三相電源を対象としている。この電力変換装置を構成するIGBT1 ,IGBT2 を前述した電圧検出回路21及びチョッパ制御回路22によつて、図2又は図6に示すオン、オフ制御モードによってオン、オフ制御するものを示している。図11において、6個のダイオードD1 〜D6 がブリッジ接続されており、これらが整流部を構成している。この整流部の交流側端子、すなわち、直列接続されたダイオードD1 ,D2 の相互接続点、D3 ,D4 の相互接続点、及びダイオードD5 ,D6 の相互接続点がそれぞれフィルタリアクトルL1 、L2 ,L3 を介して三相の交流電源et に接続されている。交流電源et とフィルタリアクトルL1 、L2 ,L3 との間の各電源ライン間にフイルタコンデンサCX1 ,CX2 ,CX3 が接続されている。また、これらの各電源ラインにコンデンサC1 ,C2 ,C3 の一端が接続され、これらのコンデンサC1 ,C2 ,C3 の他端が共通に接続されて単相電源の分圧回路と同様な回路構成になっている。一方、ダイオードD1 ,D2 の直列回路、D3 ,D4 の直列回路及びダイオードD5 ,D6 の直列回路を互いに並列接続した両端、すなわち、整流部の直流側端子間にそれぞれフライホイールダイオードDF1,DF2が逆並列接続されたIGBT1 ,IGBT2 を直列接続してなるチョッパ回路が接続されている。これらIGBT1 ,IGBT2 の相互接続点と分圧回路を形成するコンデンサC1 ,C2 ,C3 の共通接続端とが接続されている。また、整流部の直流側端子間に平滑コンデンサCDCが接続され、さらに、負荷抵抗RL の代わりにインバータ11を設けると共に、このインバータに負荷としてのモータ12が接続されている。
【0056】
図11に示したコンデンサCX1 ,CX2 ,CX3 はラインインピーダンスZ1 ,Z2 ,Z3 の影響を受けて発振を起こし、入力電流及び入力電圧波形が歪むという現象を抑えるために設けられている。一方、チョッパ制御回路22は図2に示す連続休止方式又は図6に示すクロス連続休止方式のオン、オフ制御モードに従ってIGBT1 及びIGBT2 をオン、オフ制御する。また、電圧検出回路20によって検出された電圧が保護レベルを超えたとき、保護回路21はチョッパ回路のオン、オフ制御を停止し、IGBT1 ,IGBT2 の両方をオフ状態にする指令をチョッパ制御回路22に加える。この結果、通常のコンデンサインプット形のコンバータの機能を維持することができる。
【0057】
かくして、図11に示した第4の実施形態によれば、三相交流電圧を入力とする電力変換装置においても、広い能力範囲に亘って力率を高い状態に維持することができる。
【0058】
なお、チョッパ制御回路22Aは、オン、オフモード及び通電比等を記憶させたテーブルを利用して、次の動作を行わせる機能をも備えている。
イ、直流出力電圧が一定になるように、オン、オフ制御モードの周波数を切換える。
ロ、直流出力電圧が一定になるように、オン、オフ制御モードの周波数及び通電比を切換える。通電比の変更はIGBT1 ,IGBT2 の両方がオフ状態になる時間を変更する。
ハ、直流出力電圧が一定になるように、オン、オフ制御モードの周波数を切換え、周波数が予め定めた基準値を超えたとき通電比を切換える。
ニ、IGBT1 ,IGBT2 を通電比50%にて交互にオン、オフする。
【0059】
図12は本発明に係る電力変換装置の第5の実施形態の構成を示す回路図であり、図中、図11と同一の要素には同一の符号を付してその説明を省略する。ここでは、図11中の電圧検出回路21を除去し、その代わりに、整流部の入力側に設けた変流器CTの出力信号に基づき、電流検出回路23が入力電流を検出し、その検出信号をチョッパ制御回路22Aに加える構成になっている。
【0060】
ここで、チョッパ制御回路22Aは検出電流が最小になるように、チョッパ回路を構成するIGBT1 ,IGBT2 を連続休止方式又はクロス連続休止方式のオン、オフ制御モードに従ってオン、オフ制御する。この場合、チョッパ制御回路22Aは入力電流が最小になるように、IGBT1 ,IGBT2 に対するスイッチング周波数及び通電比のうち、少なくともスイッチング周波数の切換え制御を実行する。なお、入力電流が直流出力電圧が過大になる値に対応する値以下に降下した場合には、チョッパ回路を構成するIGBT1 ,IGBT2 に対するスイッチング動作を停止する。
【0061】
かくして、第5の実施形態によれば、三相交流電圧を入力とする電力変換装置がインバータを含み、負荷状態が変化する場合でも、1サイクル期間の全体に亘って電流波形が整形されると共に、歪み率及び電源高調波を低減させることができる。
【0062】
図13は本発明に係る第6の実施形態の構成を示す回路図であり、図中、図12と同一の要素には同一の符号を付してその説明を省略する。ここでは平滑コンデンサCDCとインバータ11とを接続する経路に電流検出抵抗Rs を設け、この電流検出抵抗Rs の両端に発生する電圧に基づいて電流検出回路24が出力電流を検出し、その電流検出値をチョッパ制御回路22Bに加えている。チョッパ制御回路22Bは次のイ、ロに示す二つの機能を備え、使用者が随時切換えるようになっている。
イ、電流検出回路24で検出された電流値が最小になるようにチョッパ回路のIGBT1 ,IGBT2 に対するスイッチング周波数及び通電比のうち、少なくともスイッチング周波数の切換え制御を実行する機能。
ロ、電流検出回路24で検出された電流値が予め設定した基準値よりも小さいとき、IGBT1 ,IGBT2 を、交流電源よりも格段に高い繰返し周波数で交互にオン、オフ制御し、基準値以上のとき、連続休止方式又はクロス連続休止方式のオン、オフ制御モードに従ってオン、オフ制御する機能。
【0063】
かくして、図13に示す第6の実施形態によっても、1サイクル期間の全体に亘って電流波形が整形されると共に、歪み率及び電源高調波を低減させることができる。
【0064】
ところで、上述した電力変換装置が有する効果、すなわち、歪み率及び電源高調波を低減させることのできる点は、これを利用する装置にも大きな恩恵を与える。例えば、インバータを用いて能力制御する空気調和装置に適用した場合、電圧波形が安定するために、室外送風機及び室内送風機をそれぞれ駆動するモータから発生する異常騒音を抑えることができる。以下、直流電圧に対する電圧検出回路21を備えた電力変換装置を用いたインバータ駆動の空気調和装置について説明する。
【0065】
図14は本発明に係る空気調和装置の実施形態の構成を示す回路図である。これは、図11中のモータ12の代わりに圧縮機31を駆動するモータ32を接続している。ここで、圧縮機31は四方弁33、室内熱交換器34、膨張弁35及び室外熱交換器36によって周知の冷凍サイクルを形成し、室内熱交換器34の熱交換を促進するために、室内送風機37が、室外熱交換器36の熱交換を促進するために室外送風機38がそれぞれ設けられている。これはA矢印方向に冷媒を循環させて暖房モード運転をする場合を例示しており、冷房モード運転する場合には四方弁33を切換えてA矢印とは逆方向に冷媒を循環させることになる。また、インバータ11は空調負荷に応じて出力周波数を変更すると共に、予め定めた電圧と周波数との関係を示す、いわゆる、V/Fパターンに従って周波数を制御するようになっている。この空調負荷に対応した圧縮機31の能力制御運転及びV/Fパターンについては公知であるのでその説明を省略する。
【0066】
かかる構成によれば、入力電流が増大したとしても電源側の電圧波形の歪みが低く抑えられるので、電圧波形歪みに起因するモータの異常騒音の発生を抑えることができる。特に、空気調和装置の室内ユニットにおいては、電圧波形の歪みによって発生する室内送風機37のモータの異常騒音が室内に漏れて快適性を乱すことがあったが、この騒音を抑えたことにより快適性が維持され、製品品質の向上が図られる。また、室外ユニットの室外送風機38のモータの異常騒音の発生も抑えられる。さらにまた、入力電流波形の歪みも少なくなるので、外部からのノイズの影響も受け難く、誤動作の割合を少なくすることができ、信頼性を向上させる効果もある。
【0067】
なお、上述した空気調和装置は三相交流電源の交流を直流に変換するコンバータ装置を用いたが、この代わりに、図1又は図9に示す単相の電力変換装置を用い、直流出力電圧を検出してその値が設定値を超えたときにスイッチング動作を停止したり、整流部の入力電流を検出して軽負荷時にチヨッパ回路のスイッチング動作を停止したり、あるいは、インバータの出力電流を検出してその電流が最小になるようにチチョッパ回路の周波数及び通電比のうち、少なくとも周波数を変えるようにすることもできる。
【0068】
なおまた、上記実施形態では、チョッパ回路を構成するスイッチング素子としてIGBTを用いたが、これ以外のパワートランジスタを用いる構成のものにも本発明を適用できることは言うまでもない。
【0069】
【発明の効果】
以上の説明によって明らかなように、本発明に係る電力変換装置によれば、広い能力範囲に亘って力率を高い状態に維持することができる。また、本発明に係る他の電力変換装置によれば広い能力範囲に亘って力率を高い状態に維持することができると同時に、整流部として低速ダイオードを使用しても、高速ダイオード使用時と同程度の高力率を維持できる効果が得られる。
【0070】
また、本発明に係る空気調和装置によれば、上記電力変換装置を用いることによって、冷凍サイクル系統を構成するモータの騒音を低く抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電力変換装置の第1の実施形態の構成を示す回路図。
【図2】図1に示した実施形態の動作を説明するために、スイッチング素子に対するオン、オフ制御波形及びこれに対応するリアクトルの電流波形を示した図。
【図3】図1に示した実施形態の動作を解析するための動作モード図。
【図4】図1に示した実施形態の動作を解析するための動作モード図。
【図5】図1に示した実施形態の動作を説明するための、入力電圧及び入力電流の1サイクル分の波形図。
【図6】本発明に係る電力変換装置の第2の実施形態の動作を説明するために、スイッチング素子に対するオン、オフ制御波形を示した図。
【図7】図6に示した実施形態の動作を説明するための、入力電圧及び入力電流の1サイクル分の波形図。
【図8】本発明の電力変換装置の第1及び第2の実施形態の効果を説明するために、歪率及び高調波を従来方式と比較した図表。
【図9】本発明に係る電力変換装置の第3の実施形態の構成を示す回路図。
【図10】図9に示した実施形態の効果を説明するために、出力電圧と効率との関係を示した線図。
【図11】本発明に係る電力変換装置の第4の実施形態の構成を示す回路図。
【図12】本発明に係る電力変換装置の第5の実施形態の構成を示す回路図。
【図13】本発明に係る電力変換装置の第6の実施形態の構成を示す回路図。
【図14】本発明に係る空気調和装置の構成を示す回路図。
【図15】従来の電力変換装置の主回路の構成を示す回路図。
【図16】図15に示した従来の電力変換装置のスイッチング素子に対するオン、オフ制御波形を示した図。
【図17】図15に示した従来の電力変換装置の動作を説明するために、スイッチング素子に対するオン、オフ制御波形及びこれに対応するリアクトルの電流波形を示した図。
【図18】図15に示した従来の電力変換装置の動作を説明するための、入力電圧及び入力電流の1サイクル分の波形図。
【図19】図15に示した従来の電力変換装置に低速ダイオードを使用した場合の高速ダイオードに対する差異を説明するために、出力電圧と電力との関係を示した線図。
【符号の説明】
es 単相交流電源
et 三相交流電源
Ls フィルタリアクトル
C1 ,C2 ,C3 分圧コンデンサ
L1 ,L2 ,L3 リアクトル
D1 〜D6 ダイオード
DR 逆流防止用ダイオード
IGBT1 ,IGBT2 スイッチング素子としてのトランジスタ
CDC 平滑コンデンサ
RL 負荷抵抗
11 インバータ
12 モータ
13 インバータ制御回路
21 電圧検出回路
22,22A,22B チョッパ制御回路
23,24 電流検出回路
31 圧縮機
32 圧縮機駆動モータ
33 四方弁
34 室内熱交換器
35 膨張弁
36 室外熱交換器
【発明の属する技術分野】
本発明は、高力率コンバータとして知られる電力変換装置及びこれを利用した空気調和装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図15はツインコンバータとも呼ばれるこの種の電力変換装置の構成を示す回路図である。同図において、単相交流電源es に、フィルタリアクトルLs を介して、分圧コンデンサC1 ,C2 を直列接続してなる分圧回路が接続されている。ダイオードD1 〜D4 は単相ブリッジ接続されて周知の全波整流回路を形成している。この全波整流回路の交流入力端の一方、すなわち、直列接続されたダイオードD1 ,D2 の相互接続点と、分圧回路の一端との間にエネルギーを蓄積、放電させるためのリアクトルL1 が接続されている。また、全波整流回路の交流入力端の他方、すなわち、直列接続されたダイオードD3 ,D4 の相互接続点と、分圧回路の他端との間に同じくエネルギーを蓄積、放電させるためのリアクトルL2 が接続されている。
【0003】
さらに、全波整流回路の直流出力端の間、すなわち、ダイオードD1 ,D2 の直列回路及びダイオードD3 ,D4 の直列回路の並列接続回路の両端に、フライホイールダイオードDF1,DF2がそれぞれ逆並列接続されたスイッチング素子としてのIGBT1 ,IGBT2 が直列接続されてなるチョッパ回路と、平滑コンデンサCDCと、負荷抵抗RL とが接続されている。このうち、IGBT1 ,IGBT2 の相互接続点と分圧コンデンサC1 ,C2 の相互接続点とが接続されている。そして、IGBT1 及びIGBT2 を、単相交流電源es と比較して格段に高い周波数で交互にオン、オフすることによって、広い能力範囲にて高力率を維持することができる。
【0004】
チョッパ回路を構成するIGBT1 ,IGBT2 は、図15では図示を省略したチョッパ制御回路によって高力率を維持するように交互にオン、オフ制御されると共に、その周波数及び通電比(デューティ比)が変更される。この場合、交流電源es からの入力電流はスイッチング周波数に反比例し、通電比の2乗に比例する関係にあり、一般には通電比を一定に保持して周波数を切換え、場合によって通電比をも併せて切換える。
【0005】
図16はそのオン、オフ制御モードの一例であり、(a)は1周期をTとしてその半周期ずつオン、オフさせる、通電比が50%のゲートパルスTX1 ,TX2 を示し、負荷の変動等に応じて(b)に示すように周波数を1.5倍程度まで高くしたり、あるいは、(c)に示すように周波数をそのままにして通電比を25%程度まで小さくしたりしている。なお、(c)に示すゲートパルスTX1 ,TX2 は、ゲートパルスTX1 のオフ区間の中間にTX2 のオン区間が位置している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
一般に、通電比を50%に保持した場合、スイッチング素子としてのIGBTのオフ期間にリアクトルの放電電流は零になる動作を繰返すため、リアクトルL1 ,L2 に流れる電流のピーク値は電源電圧のピーク値に比例する。従って、交流入力電流の波形歪みは比較的小さく、従って高力率を維持することができる。
【0007】
一方、図16(c)に示すように通電比を25%程度に保持した場合、交流電源電圧のゼロクロス点の近辺においては、上述したと同様に、リアクトルの放電電流が零になる動作を繰返し、リアクトルL1 ,L2 に流れる電流のピーク値は電源電圧に比例するので、交流入力電流の波形歪みは小さい。しかしながら、交流入力電圧の瞬時値が大きい区間、すなわち、ゼロクロス点近辺を除いた区間においては、スイッチング素子としてのIGBTのオフ期間にリアクトルの放電電流は零にならないことがあり、そのために、リアクトルL1 ,L2 に流れる電流のピーク値が電源電圧の瞬時値に比例せず、そのために、力率が低下することが発明者が行った実験等により明らかになっている。このことを以下に説明する。
【0008】
図17(a),(b)は交流入力電圧の瞬時値が大きい区間にて、通電比を25%としたゲートパルスTX1 ,TX2 に対応するリアクトルL1 ,L2 の電流IL1,IL2の変化を示したものである。
【0009】
ここで、ゲートパルスTX1 ,TX2 は25%であるため、ゲートパルスTX1 のオフ区間の前半にてリアクトルL1 はエネルギーを放出し終わって電流IL1は零に戻り、時間Tq だけエネルギーの蓄積、放出を休止するが、オフ区間の後半の時刻t1 でエネルギーの蓄積から放出に転じた後、エネルギーを放出し終わらない時刻t2 にて、ゲートパルスTX1 のオン区間に応じて再びエネルギーの蓄積を開始するため、ゲートパルスTX1 のオン区間からオフ区間に変化する時刻t3 におけるリアクトル電流IL1のピーク値Ip が交流入力電圧の瞬時値に比例しなくなる。このことはリアクトルL2 に流れる電流IL2も同様で、ピーク値Ip が交流入力電圧の瞬時値に比例しなくなる。
【0010】
このように、リアクトル電流IL1,IL2のピーク値Ip が交流入力電圧の瞬時値に比例しなくなることは、図18に示したように、正弦波形を大きく歪ませることになり、その結果、力率が低下すると言う問題があった。
【0011】
一方、図15に示した電力変換装置は電源周波数と比較して格段に高い周波数でチョッパ回路を構成するIGBT1 ,IGBT2 をオン、オフ制御するため、全波整流回路を構成するダイオードD1 〜D4 として高速動作に適した高速ダイオード、例えば、高速回復ダイオードの使用を余儀なくされた。図19はこのことを説明するために、出力電圧と入出力電力との関係を示した線図であり、(a)は高速ダイオード使用時の関係を示したもので、出力電圧を150〜200Vの範囲で変化させたとしても、入力電力に対する出力電圧の比、すなわち、変換効率は略93〜95%程度であるのに対して、低速ダイオード使用時には(b)に示したように変換効率は85%以下に低下すると共に、電圧が高くなる程さらに低くなる。この変換効率の低下は整流部のスイッチングロスに起因するもので、高速ダイオードを使用しなければ高力率を維持し難いという問題もあった。
【0012】
本発明は上記の課題を解決するためになされたもので、第1の目的は、広い能力範囲に亘って力率を高い状態に維持することのできる電力変換装置を提供するにある。
【0013】
本発明の第2の目的は、整流部として低速ダイオードを使用しても、高速タイオード使用時と同程度の高力率を維持できる電力変換装置を提供するにある。
【0014】
本発明の第3の目的は、上記電力変換装置を用いることによって、冷凍サイクル系統を構成するモータの騒音を抑えることのできる空気調和装置を提供するにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、
複数のダイオードがブリッジ接続され、交流入力端がそれぞれ交流電源ラインに接続される整流部と、
整流部の交流入力端と交流電源ラインとの間にそれぞれ接続されたリアクトルと、
一端が交流電源ラインの各相にそれぞれ接続され、他端が相互に接続された分圧コンデンサを含んでなる分圧回路と、
一端が整流部の直流出力端にそれぞれ接続され、他端が相互に接続された2個のスイッチング素子を含み、これらのスイッチング素子の相互接続点が分圧コンデンサの相互接続点に接続されたチョッパ回路と、
チョッパ回路の両端に接続された平滑コンデンサと、
交流電源よりも周波数の高い繰返し周期を、略3等分した第1の区間がオンで、第2の区間がオフで、第3の区間がオフであるオン、オフモードに従ってスイッチング素子の一方を制御し、第1の区間がオフで、第2の区間がオンで、第3の区間がオフであるオン、オフモードに従ってスイッチング素子の他方を制御するチョッパ制御回路と、
を備えた電力変換装置である。
【0016】
請求項2に係る発明は、
複数のダイオードがブリッジ接続され、交流入力端がそれぞれ交流電源ラインに接続される整流部と、
前記整流部の交流入力端と前記交流電源ラインとの間にそれぞれ接続されたリアクトルと、
一端が前記交流電源ラインの各相にそれぞれ接続され、他端が相互に接続された分圧コンデンサを含んでなる分圧回路と、
一端が前記整流部の直流出力端にそれぞれ接続され、他端が相互に接続された2個のスイッチング素子を含み、これらのスイッチング素子の相互接続点が前記分圧コンデンサの相互接続点に接続されたチョッパ回路と、
前記チョッパ回路の両端に接続された平滑コンデンサと、
前記交流電源よりも周波数の高い繰返し周期を、略3等分した第1の区間がオンで、第2の区間がオフで、第3の区間がオンであるオン、オフモードと、繰返し周期の全ての区間がオフであるオン、オフモードとに従って、前記2個のスイッチング素子を交互に制御するチョッパ制御回路と、
を備えた電力変換装置である。
【0017】
請求項3に係る発明は、
請求項1又は2に記載の電力変換装置と、
この電力変換装置の直流電圧を可変電圧可変周波数の交流に変換し、冷凍サイクルを形成する圧縮機を駆動するインバータと、
を備えた空気調和装置である。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を好適な実施形態に基づいて詳細に説明する
図1は本発明の第1の実施形態の構成を示す回路図である。図中、従来装置を示す図15と同一の符号を付したものはそれぞれ同一の要素を示している。ここでは、図15に示した電力変換装置に対して、負荷抵抗RL の両端電圧すなわち直流出力電圧を検出する電圧検出回路21と、予め定められたオン、オフモードに従ってIGBT1 ,IGBT2 をオン、オフ制御するためのゲート信号TX1 、TX2 を出力すると共に、電圧検出回路21によって検出される電圧が予め設定した基準値を超えたとき、スイッチング動作を停止するチョッパ制御回路22とを備えた構成になっている。このうち、チョッパ制御回路22は方形波発振器、アーム短絡防止のためのデットタイム回路、信号絶縁、増幅のゲートドライブ回路、オン、オフモード及び通電比(デューティ)等をテーブルとして記憶させた記憶装置及びそのデータを読出して切換え操作する回路等でなるが、これらは文献等で公知であるので省略し、本発明に関係する動作についてのみ以下に説明する。
【0030】
この第1の実施形態の特徴は、図2(a)に示すように、所定の区間Tを略3等分した第1の区間にてIGBT1 をオン状態に、IGBT2 をオフ状態にし、第2の区間にてIGBT1 をオフ状態に、IGBT2 をオン状態にし、第3の区間にてIGBT1 ,IGBT2 の両方をオフ状態にする制御(IGBT1 ,IGBT2 を交互にオン、オフさせた後にIGBT1 とIGBT2 の両方をオフとする休止期間を設ける制御)を順次繰返すようなゲート信号TX1 ,TX2 をチョッパ制御回路22が出力するもので、さらに、直流出力電圧に応じて、ゲート信号TX1 ,TX2 のオン、オフモード、周波数、通電比を切換える点にある。
【0031】
ここで、フィルタリアクトルLs として1.0mH、コンデンサC1 、C2 として2.0μF、リアクトルL1 、L2 として1.0mH、平滑コンデンサCDCとして2200μFのものを用い、動作条件として交流電源es が100V/50Hz 、スイッチング周波数fsw(1/T)を15.0kHz 、昇圧比αを1.40(直流電圧200V)とすると、図2(b)に示す電流IL1,IL2がリアクトルL1 ,L2 を流れる。
【0032】
図2(b)に示す電流IL1,IL2は交流電源電圧の半周期において図示した6個のモードで変化する。つまり、IGBTのスイッチングのオン、オフに伴いリアクトルL1 ,L2 の蓄積エネルギーが増減し、それに合わせて各モードが繰返される。以下、図3及び図4を用いてモード1乃至モード6の動作を、電源電圧の正の半周期について解析する。なお、電源電圧の負の半周期では、ダイオードD2 ,D3 がダイオードD1 ,D4 に替わってオンするだけであるのでその説明を省略する。
【0033】
▲1▼ モード1:図3(a)に示すように、このモードは、IGBT1 がオンするとコンデンサC1 、リアクトルL1 、ダイオードD1 、IGBT1 を通るループで電流が流れ、リアクトルL1 にエネルギーが蓄積される。また、リアクトルL2 の電流は零となる期間である。
【0034】
▲2▼モード2:図3(b)に示すように、IGBT1 がオフすると同時に、IGBT2 のゲートにオン信号を与える。リアクトルL1 に蓄積されているエネルギーが図示した経路により、平滑コンデンサCDC及び負荷抵抗RL に放出される。また、リアクトルL2 にエネルギーが蓄積される。
【0035】
▲3▼ モード3:モード2においてリアクトルL1 に蓄えられていたエネルギーがなくなると、図示したモード3に移り、リアクトルL2 にエネルギーが蓄積され続ける。
【0036】
▲4▼ モード4:図4(a)に示したように、IGBT2 がオフするとリアクトルL2 のエネルギーが平滑コンデンサCDC及び負荷抵抗RL に放出される。IGBT1 及びフライホイールダイオードDF1に流れる電流は、リアクトルL2 のエネルギーの放出による電流と、リアクトルL1 へのエネルギー蓄積の電流との代数和によって決定される。このようにモード4では、リアクトルL2 のエネルギー放出と同時にリアクトルL1 のエネルギーの蓄積が始まる。両者が等しくなったとき次のモードに移る。
【0037】
▲5▼ モード5:図4(b)に示すように、このモードはリアクトルL1 とリアクトルL2 が同時に負荷側にエネルギーを放出する。ここで、リアクトルL1 とL2 に流れる電流は等しい。
【0038】
▲6▼ モード6:図4(c)に示すように、このモードではリアクトルL1 ,L2 に蓄えられたエネルギーがなくなり、リアクトルL1 とリアクトルL2 に流れる電流が零となる期間である。
【0039】
ここで、図17に示した従来方式のゲート信号TX1 ,TX2 に対応するリアクトル電流IL1,IL2と、図2に示した第1の実施形態によるゲート信号TX1 ,TX2 に対応するリアクトル電流IL1,IL2とを比較すると、従来方式ではリアクトルのエネルギーが放出し終わらないうちに、すなわち、リアクトル電流IL1,IL2が零にならないうちにリアクトルL1 ,L2 におけるエネルギーの蓄積が行われる区間が存在したが、本実施形態ではリアクトルL1 ,L2 のいずれにおいてもそのエルギーの放出が始まると、すなわち、リアクトル電流IL1,IL2が減少に転じたときは、常に零になる動作が繰返され、リアクトルL1 においては休止期間Tq1、Tq2後にエネルギーの蓄積が開始され、リアクトルL2 においては休止期間Tq3後にエネルギーの蓄積が開始される。このため、リアクトル電流IL1,IL2のピーク値Ip は交流入力電圧の瞬時値に略比例することになる。これによってリアクトル電流は正弦波形に近付くことから、1サイクル期間の全体に亘って電流波形が整形されると共に、歪み率及び電源高調波を低減させることができる。なお、説明の都合上、図2に示したオン、オフモードによってチョッパ回路を制御する方式を連続休止方式と呼ぶことにする。
【0040】
図5は従来方式の図18に対応させて示した入力電圧と入力電流との関係を示した波形図であり、本実施形態では入力電流波形が正弦波により近似していることが分かる。
【0041】
ところで、この種の電力変換装置装置ではIGBT1 ,IGBT2 のいずれか一方が短絡又は短絡に近い不良の状態に陥ったとき、昇圧比が増大して出力電圧が過大になることがある。そこで、電圧検出回路21によって出力電圧を検出し、電圧検出値が予め定めた基準値を超えたとき、チョッパ回路のオン、オフ制御を停止し、IGBT1 ,IGBT2 の両方をオフ状態にする。この結果、通常のコンデンサインプット形のコンバータの機能を維持することができる。
【0042】
図6は本発明に係る第2の実施形態の説明図である。この場合、ハードウェア構成は図1と全く同一であるために省略し、チョッパ制御回路22から出力されるIGBT1 ,IGBT2 をオン、オフ制御するゲート信号TX1 ,TX2 を示している。ここで、ゲート信号TX1 ,TX2 は周期T毎に交互に変化するオン、オフモードになっている。すなわち、最初の周期Tにおいては、ゲート信号TX1 は周期Tの全体がオフ状態に保たれるオンオフモードになっており、一方、ゲート信号TX2 は第1の区間でオン、第2の区間でオフになり、第3の区間でオンになるオン、オフモードになっており、次の周期Tではゲート信号TX1 ,TX2 のオン、オフモードが逆になっており、以下、これらのモードが交互に繰返される。
【0043】
この第2の実施形態の動作モードは第1の実施形態と同様にして解析できるが、図面及び説明の簡単化のため、ここでは入力電圧と入力電流の関係のみを図7に示す。図7から明らかなように、入力電流波形が正弦波により近似し、図18に示した従来方式と比較して波形が改善されていることが分かる。なお、説明の都合上、図6に示したオン、オフモードによってチョッパ回路を制御する方式をクロス連続休止方式と呼ぶことにする。
【0044】
因みに、図15乃至図18を用いて説明した従来方式と、図1乃至図5を用いて説明した本発明の第1の実施形態と、図6及び図7を用いて説明した第2の実施形態について、昇圧比を1.40(出力電圧200V)に制御した場合の歪率、3次高調波、5次高調波、7次高調波を図表で示すと図8のようになる。この図表から明らかなように、歪率と3次高調波に着目した場合、従来方式と比較して第1の実施形態が格段に小さくなり、第2の実施形態が第1の実施形態よりも小さくなっていることが分かる。
【0045】
なお、上述した第1及び第2の実施形態では制御の容易性を考慮して、所定の周期Tを略3等分して、このうちの一つの区間だけIGBT1 ,IGBT2 の両方をオフ状態にしたが、要はIGBT1 ,IGBT2 の両方がオフである区間はそれ以前にエネルギーが蓄積されたリアクトルの放電電流が零になるに要する時間幅を有するオン、オフモードであれば、上述したと略同様な効果が得られる。
【0046】
なおまた、上述した第1及び第2の実施形態では便宜的に消費電力が一定の負荷抵抗RL を接続しているので直流出力電圧は略一定に保たれるが、負荷の軽重に応じて直流出力電圧は変化する。そのためにチョッパ制御回路22はオン、オフモード及び通電比等を記憶させたテーブルを利用して、次の動作を行わせる機能をも備えている。
イ、直流出力電圧が一定になるように、オン、オフ制御モードの周波数を切換える。
ロ、直流出力電圧が一定になるように、オン、オフ制御モードの周波数及び通電比を切換える。通電比の変更はIGBT1 ,IGBT2 の両方がオフ状態になる時間を変更する。
ハ、直流出力電圧が一定になるように、オン、オフ制御モードの周波数を切換え、周波数が予め定めた基準値を超えたとき通電比を切換える。
ニ、IGBT1 ,IGBT2 を通電比50%にて交互にオン、オフする。
【0047】
かくして、第1の実施形態又は第2の実施形態によれば、広い能力範囲に亘って力率を高い状態に維持することができる。また、一つの周期Tを3等分したオン、オフ制御モードを用いた場合、装置の構成が簡易化される利点もある。
【0048】
図9は本発明の第3の実施形態に係る電力変換装置の構成を示す回路図である。図中、図1と同一又は同様の機能を有する要素には同一の符号を付してその説明を省略する。また、IGBT1 、IGBT2 をオン、オフ制御するための構成も同一であるので、図1にて示した電圧検出回路21及びチョッパ制御回路22をも省略して主回路のみを示している。この実施形態の特徴は、図1に示したフィルタリアクトルLs 、分圧コンデンサC1 ,C2 及びリアクトルL1 ,L2 を整流部の直流出力側に設けると共に、平滑コンデンサCDCから分圧コンデンサC1 ,C2 及びリアクトルL1 ,L2 に電流が流れ込むことを防止する逆流防止ダイオードDR を設けた点にある。すなわち、ダイオードD1 〜D4 をブリッジ接続してなる整流部の交流側端子に交流電源es が直接接続され、この整流部の直流側端子間にフィルタリアクトルLs を介して分圧コンデンサC1 ,C2 を直列接続してなる分圧回路が接続されている。この分圧回路の正側端子にリアクトルL1 の一端が、負側端子にリアクトルL2 の一端がそれ接続されている。これらのリアクトルL1 ,L2 の他端間に、それぞれフライホイールダイオードが逆並列接続されたIGBT1 ,IGBT2 を直列接続してなるチョッパ回路が接続され、このチョッパ回路を構成するIGBT1 ,IGBT2 の相互接続点と分圧回路を構成するコンデンサC1 、C2 の相互接続点が接続されている。また、チョッパ回路の両端には逆流防止用ダイオードDR を介して平滑コンデンサCDC及び負荷抵抗RL が接続されている。
【0049】
この構成によれば、チョッパ回路を構成するIGBT1 ,IGBT2 をオン、オフ制御したことによるリアクトルL1 ,L2 の放電電流が逆流防止用ダイオードDR を通して平滑コンデンサCDC及び負荷抵抗RL に流れる。しかし、フィルタリアクトルLs の介在により、整流部のダイオードD1 〜D4 には流れない。従って、逆流防止用ダイオードDR として高速ダイオードを使用すれば、整流部を構成するダイオードD1 〜D4 は低速ダイオードで済むことになる。
【0050】
一般に高周波ノイズを低減するために図9中に破線で示したように、フィルタリアクトルLs の前段にフィルタコンデンサCs を接続することが多い。しかしながら、フィルタコンデンサCs を設けると、ここに電荷が蓄積され残留するため、交流電圧波形のゼロクロス近辺で入力電流波形が大きく歪む。従って、フィルタコンデンサCs の追加は入力電流波形に悪影響を及ぼしてしまうため、これを整流部の出力側に置くことは好ましくない。よって、本実施形態ではフィルタリアクトルLs のみでなるノイズフィルタを接続している。
【0051】
ここで、図1に示す第1の実施形態の整流部に高速ダイオードを使用した場合、低速ダイオードを使用した場合、図9に示す第3の実施形態の整流部に低速ダイオードを使用してIGBT1 ,IGBT2 を通電比50%にて交互にオン、オフする場合のそれぞれについて、出力電圧の変化に対するコンバータの効率を測定すると図10に示す結果が得られた。すなわち、第1の実施形態の整流部に低速ダイオードを使用すると、一点鎖線で示したように、電圧が高くなるに従ってコンバータの効率が著しく低下するのに対して、第3の実施形態の整流部に低速ダイオードを使用したとしても、第1の実施形態に高速ダイオードを使用した場合と略同様に95%程度の高い変換効率を達成していることが分かる。
【0052】
かくして、第3の実施形態によれば図2に示した連続休止方式又は図6に示したクロス連続休止方式のオン、オフ制御モードを用いなくとも高力率状態を維持することができ、さらに、整流部において高周波のスイッチングロスを受けないため、整流用に低速ダイオードを使用しても効率面において十分な性能を発揮する実用的な回路とすることができる。
【0053】
また、図9に示した第3の実施形態においても、連続休止方式又はクロス連続休止方式のオン、オフ制御モードに従ってIGBT1 ,IGBT2 を制御することによって、力率をさらに高めることができる。
【0054】
尚、拘束ダイオード(応答速度の速いダイオード)とはインバータの発振周波数の1サイクル期間に対して十分に逆回復時間(trr)が短いものであり、例えば、インバータの発振周波数が20KHzの場合は、50μsec以下、一般的には100分の1以下の0.5μsec以下のものが使われいる。一方、低速ダイオード(応答速度の遅いダイオード)は逆回復時間が50μsecよりも長いものが該当する。
【0055】
図11は本発明に係る電力変換装置の第4の実施形態の構成を示す回路図であり、特に、主回路は特開平8−196077号公報に開示された三相電源を対象としている。この電力変換装置を構成するIGBT1 ,IGBT2 を前述した電圧検出回路21及びチョッパ制御回路22によつて、図2又は図6に示すオン、オフ制御モードによってオン、オフ制御するものを示している。図11において、6個のダイオードD1 〜D6 がブリッジ接続されており、これらが整流部を構成している。この整流部の交流側端子、すなわち、直列接続されたダイオードD1 ,D2 の相互接続点、D3 ,D4 の相互接続点、及びダイオードD5 ,D6 の相互接続点がそれぞれフィルタリアクトルL1 、L2 ,L3 を介して三相の交流電源et に接続されている。交流電源et とフィルタリアクトルL1 、L2 ,L3 との間の各電源ライン間にフイルタコンデンサCX1 ,CX2 ,CX3 が接続されている。また、これらの各電源ラインにコンデンサC1 ,C2 ,C3 の一端が接続され、これらのコンデンサC1 ,C2 ,C3 の他端が共通に接続されて単相電源の分圧回路と同様な回路構成になっている。一方、ダイオードD1 ,D2 の直列回路、D3 ,D4 の直列回路及びダイオードD5 ,D6 の直列回路を互いに並列接続した両端、すなわち、整流部の直流側端子間にそれぞれフライホイールダイオードDF1,DF2が逆並列接続されたIGBT1 ,IGBT2 を直列接続してなるチョッパ回路が接続されている。これらIGBT1 ,IGBT2 の相互接続点と分圧回路を形成するコンデンサC1 ,C2 ,C3 の共通接続端とが接続されている。また、整流部の直流側端子間に平滑コンデンサCDCが接続され、さらに、負荷抵抗RL の代わりにインバータ11を設けると共に、このインバータに負荷としてのモータ12が接続されている。
【0056】
図11に示したコンデンサCX1 ,CX2 ,CX3 はラインインピーダンスZ1 ,Z2 ,Z3 の影響を受けて発振を起こし、入力電流及び入力電圧波形が歪むという現象を抑えるために設けられている。一方、チョッパ制御回路22は図2に示す連続休止方式又は図6に示すクロス連続休止方式のオン、オフ制御モードに従ってIGBT1 及びIGBT2 をオン、オフ制御する。また、電圧検出回路20によって検出された電圧が保護レベルを超えたとき、保護回路21はチョッパ回路のオン、オフ制御を停止し、IGBT1 ,IGBT2 の両方をオフ状態にする指令をチョッパ制御回路22に加える。この結果、通常のコンデンサインプット形のコンバータの機能を維持することができる。
【0057】
かくして、図11に示した第4の実施形態によれば、三相交流電圧を入力とする電力変換装置においても、広い能力範囲に亘って力率を高い状態に維持することができる。
【0058】
なお、チョッパ制御回路22Aは、オン、オフモード及び通電比等を記憶させたテーブルを利用して、次の動作を行わせる機能をも備えている。
イ、直流出力電圧が一定になるように、オン、オフ制御モードの周波数を切換える。
ロ、直流出力電圧が一定になるように、オン、オフ制御モードの周波数及び通電比を切換える。通電比の変更はIGBT1 ,IGBT2 の両方がオフ状態になる時間を変更する。
ハ、直流出力電圧が一定になるように、オン、オフ制御モードの周波数を切換え、周波数が予め定めた基準値を超えたとき通電比を切換える。
ニ、IGBT1 ,IGBT2 を通電比50%にて交互にオン、オフする。
【0059】
図12は本発明に係る電力変換装置の第5の実施形態の構成を示す回路図であり、図中、図11と同一の要素には同一の符号を付してその説明を省略する。ここでは、図11中の電圧検出回路21を除去し、その代わりに、整流部の入力側に設けた変流器CTの出力信号に基づき、電流検出回路23が入力電流を検出し、その検出信号をチョッパ制御回路22Aに加える構成になっている。
【0060】
ここで、チョッパ制御回路22Aは検出電流が最小になるように、チョッパ回路を構成するIGBT1 ,IGBT2 を連続休止方式又はクロス連続休止方式のオン、オフ制御モードに従ってオン、オフ制御する。この場合、チョッパ制御回路22Aは入力電流が最小になるように、IGBT1 ,IGBT2 に対するスイッチング周波数及び通電比のうち、少なくともスイッチング周波数の切換え制御を実行する。なお、入力電流が直流出力電圧が過大になる値に対応する値以下に降下した場合には、チョッパ回路を構成するIGBT1 ,IGBT2 に対するスイッチング動作を停止する。
【0061】
かくして、第5の実施形態によれば、三相交流電圧を入力とする電力変換装置がインバータを含み、負荷状態が変化する場合でも、1サイクル期間の全体に亘って電流波形が整形されると共に、歪み率及び電源高調波を低減させることができる。
【0062】
図13は本発明に係る第6の実施形態の構成を示す回路図であり、図中、図12と同一の要素には同一の符号を付してその説明を省略する。ここでは平滑コンデンサCDCとインバータ11とを接続する経路に電流検出抵抗Rs を設け、この電流検出抵抗Rs の両端に発生する電圧に基づいて電流検出回路24が出力電流を検出し、その電流検出値をチョッパ制御回路22Bに加えている。チョッパ制御回路22Bは次のイ、ロに示す二つの機能を備え、使用者が随時切換えるようになっている。
イ、電流検出回路24で検出された電流値が最小になるようにチョッパ回路のIGBT1 ,IGBT2 に対するスイッチング周波数及び通電比のうち、少なくともスイッチング周波数の切換え制御を実行する機能。
ロ、電流検出回路24で検出された電流値が予め設定した基準値よりも小さいとき、IGBT1 ,IGBT2 を、交流電源よりも格段に高い繰返し周波数で交互にオン、オフ制御し、基準値以上のとき、連続休止方式又はクロス連続休止方式のオン、オフ制御モードに従ってオン、オフ制御する機能。
【0063】
かくして、図13に示す第6の実施形態によっても、1サイクル期間の全体に亘って電流波形が整形されると共に、歪み率及び電源高調波を低減させることができる。
【0064】
ところで、上述した電力変換装置が有する効果、すなわち、歪み率及び電源高調波を低減させることのできる点は、これを利用する装置にも大きな恩恵を与える。例えば、インバータを用いて能力制御する空気調和装置に適用した場合、電圧波形が安定するために、室外送風機及び室内送風機をそれぞれ駆動するモータから発生する異常騒音を抑えることができる。以下、直流電圧に対する電圧検出回路21を備えた電力変換装置を用いたインバータ駆動の空気調和装置について説明する。
【0065】
図14は本発明に係る空気調和装置の実施形態の構成を示す回路図である。これは、図11中のモータ12の代わりに圧縮機31を駆動するモータ32を接続している。ここで、圧縮機31は四方弁33、室内熱交換器34、膨張弁35及び室外熱交換器36によって周知の冷凍サイクルを形成し、室内熱交換器34の熱交換を促進するために、室内送風機37が、室外熱交換器36の熱交換を促進するために室外送風機38がそれぞれ設けられている。これはA矢印方向に冷媒を循環させて暖房モード運転をする場合を例示しており、冷房モード運転する場合には四方弁33を切換えてA矢印とは逆方向に冷媒を循環させることになる。また、インバータ11は空調負荷に応じて出力周波数を変更すると共に、予め定めた電圧と周波数との関係を示す、いわゆる、V/Fパターンに従って周波数を制御するようになっている。この空調負荷に対応した圧縮機31の能力制御運転及びV/Fパターンについては公知であるのでその説明を省略する。
【0066】
かかる構成によれば、入力電流が増大したとしても電源側の電圧波形の歪みが低く抑えられるので、電圧波形歪みに起因するモータの異常騒音の発生を抑えることができる。特に、空気調和装置の室内ユニットにおいては、電圧波形の歪みによって発生する室内送風機37のモータの異常騒音が室内に漏れて快適性を乱すことがあったが、この騒音を抑えたことにより快適性が維持され、製品品質の向上が図られる。また、室外ユニットの室外送風機38のモータの異常騒音の発生も抑えられる。さらにまた、入力電流波形の歪みも少なくなるので、外部からのノイズの影響も受け難く、誤動作の割合を少なくすることができ、信頼性を向上させる効果もある。
【0067】
なお、上述した空気調和装置は三相交流電源の交流を直流に変換するコンバータ装置を用いたが、この代わりに、図1又は図9に示す単相の電力変換装置を用い、直流出力電圧を検出してその値が設定値を超えたときにスイッチング動作を停止したり、整流部の入力電流を検出して軽負荷時にチヨッパ回路のスイッチング動作を停止したり、あるいは、インバータの出力電流を検出してその電流が最小になるようにチチョッパ回路の周波数及び通電比のうち、少なくとも周波数を変えるようにすることもできる。
【0068】
なおまた、上記実施形態では、チョッパ回路を構成するスイッチング素子としてIGBTを用いたが、これ以外のパワートランジスタを用いる構成のものにも本発明を適用できることは言うまでもない。
【0069】
【発明の効果】
以上の説明によって明らかなように、本発明に係る電力変換装置によれば、広い能力範囲に亘って力率を高い状態に維持することができる。また、本発明に係る他の電力変換装置によれば広い能力範囲に亘って力率を高い状態に維持することができると同時に、整流部として低速ダイオードを使用しても、高速ダイオード使用時と同程度の高力率を維持できる効果が得られる。
【0070】
また、本発明に係る空気調和装置によれば、上記電力変換装置を用いることによって、冷凍サイクル系統を構成するモータの騒音を低く抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電力変換装置の第1の実施形態の構成を示す回路図。
【図2】図1に示した実施形態の動作を説明するために、スイッチング素子に対するオン、オフ制御波形及びこれに対応するリアクトルの電流波形を示した図。
【図3】図1に示した実施形態の動作を解析するための動作モード図。
【図4】図1に示した実施形態の動作を解析するための動作モード図。
【図5】図1に示した実施形態の動作を説明するための、入力電圧及び入力電流の1サイクル分の波形図。
【図6】本発明に係る電力変換装置の第2の実施形態の動作を説明するために、スイッチング素子に対するオン、オフ制御波形を示した図。
【図7】図6に示した実施形態の動作を説明するための、入力電圧及び入力電流の1サイクル分の波形図。
【図8】本発明の電力変換装置の第1及び第2の実施形態の効果を説明するために、歪率及び高調波を従来方式と比較した図表。
【図9】本発明に係る電力変換装置の第3の実施形態の構成を示す回路図。
【図10】図9に示した実施形態の効果を説明するために、出力電圧と効率との関係を示した線図。
【図11】本発明に係る電力変換装置の第4の実施形態の構成を示す回路図。
【図12】本発明に係る電力変換装置の第5の実施形態の構成を示す回路図。
【図13】本発明に係る電力変換装置の第6の実施形態の構成を示す回路図。
【図14】本発明に係る空気調和装置の構成を示す回路図。
【図15】従来の電力変換装置の主回路の構成を示す回路図。
【図16】図15に示した従来の電力変換装置のスイッチング素子に対するオン、オフ制御波形を示した図。
【図17】図15に示した従来の電力変換装置の動作を説明するために、スイッチング素子に対するオン、オフ制御波形及びこれに対応するリアクトルの電流波形を示した図。
【図18】図15に示した従来の電力変換装置の動作を説明するための、入力電圧及び入力電流の1サイクル分の波形図。
【図19】図15に示した従来の電力変換装置に低速ダイオードを使用した場合の高速ダイオードに対する差異を説明するために、出力電圧と電力との関係を示した線図。
【符号の説明】
es 単相交流電源
et 三相交流電源
Ls フィルタリアクトル
C1 ,C2 ,C3 分圧コンデンサ
L1 ,L2 ,L3 リアクトル
D1 〜D6 ダイオード
DR 逆流防止用ダイオード
IGBT1 ,IGBT2 スイッチング素子としてのトランジスタ
CDC 平滑コンデンサ
RL 負荷抵抗
11 インバータ
12 モータ
13 インバータ制御回路
21 電圧検出回路
22,22A,22B チョッパ制御回路
23,24 電流検出回路
31 圧縮機
32 圧縮機駆動モータ
33 四方弁
34 室内熱交換器
35 膨張弁
36 室外熱交換器
Claims (3)
- 複数のダイオードがブリッジ接続され、交流入力端がそれぞれ交流電源ラインに接続される整流部と、
前記整流部の交流入力端と前記交流電源ラインとの間にそれぞれ接続されたリアクトルと、
一端が前記交流電源ラインの各相にそれぞれ接続され、他端が相互に接続された分圧コンデンサを含んでなる分圧回路と、
一端が前記整流部の直流出力端にそれぞれ接続され、他端が相互に接続された2個のスイッチング素子を含み、これらのスイッチング素子の相互接続点が前記分圧コンデンサの相互接続点に接続されたチョッパ回路と、
前記チョッパ回路の両端に接続された平滑コンデンサと、
前記交流電源よりも周波数の高い繰返し周期を、略3等分した第1の区間がオンで、第2の区間がオフで、第3の区間がオフであるオン、オフモードに従って前記スイッチング素子の一方を制御し、第1の区間がオフで、第2の区間がオンで、第3の区間がオフであるオン、オフモードに従って前記スイッチング素子の他方を制御するチョッパ制御回路と、
を備えた電力変換装置。 - 複数のダイオードがブリッジ接続され、交流入力端がそれぞれ交流電源ラインに接続される整流部と、
前記整流部の交流入力端と前記交流電源ラインとの間にそれぞれ接続されたリアクトルと、
一端が前記交流電源ラインの各相にそれぞれ接続され、他端が相互に接続された分圧コンデンサを含んでなる分圧回路と、
一端が前記整流部の直流出力端にそれぞれ接続され、他端が相互に接続された2個のスイッチング素子を含み、これらのスイッチング素子の相互接続点が前記分圧コンデンサの相互接続点に接続されたチョッパ回路と、
前記チョッパ回路の両端に接続された平滑コンデンサと、
前記交流電源よりも周波数の高い繰返し周期を、略3等分した第1の区間がオンで、第2の区間がオフで、第3の区間がオンであるオン、オフモードと、繰返し周期の全ての区間がオフであるオン、オフモードとに従って、前記2個のスイッチング素子を交互に制御するチョッパ制御回路と、
を備えた電力変換装置。 - 請求項1又は2に記載の電力変換装置と、
この電力変換装置の直流電圧を可変電圧可変周波数の交流に変換し、冷凍サイクルを形成する圧縮機を駆動するインバータと、
を備えた空気調和装置。
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