JP3560130B2 - 巻取り紙の偏芯検査装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、抄紙機で抄造されワインダなどで巻き直された巻取り紙の外径寸法を計測して該巻取り紙の偏芯状態を検査する巻取り紙の偏芯検査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
長網式抄紙機などで抄造される紙は、生産性を向上させるなどのために、通常4m以上の幅で抄かれ、抄紙機出口において当該幅でロール状に巻き取られる。斯かるロール状に巻取られた紙ロールは、輸送上の問題や、印刷機や加工機などの幅その他需要者による使用の態様上の問題などのため、抄造されたままの幅員で印刷工場などに出荷できない場合がある。このような場合には、製紙工場では、抄造された巻取紙ロールをワインダやリワインダに供して、スリッターなどで所望の幅員に裁断し、必要に応じて巻取長さを調整して、需要者の印刷機などの仕様に適合するよう小巻に巻き直して出荷している。そして、小巻に巻き直す際には、芯に紙管、いわゆるコアが用いられる。
【0003】
この小巻にされた巻取り紙のロール(以下、「巻取紙ロール」という。)は、印刷工場などにおいては入荷された状態で印刷機などに供給され、印刷が施される。このとき、巻取紙ロールの断面形状が真円でなく偏芯した状態にあると、印刷機を走行する際にばたついたり、断紙や印刷のズレなどを生じてしまい適正な印刷を行えなかったり、ばたついた紙が印刷機に咬み込まれたりしてしまうおそれがある。このため、製紙工場では、各巻取紙ロールについて、偏芯量を検査し、偏芯量が許容範囲に収まっているもののみを出荷するようにしている。
【0004】
従来のこの巻取紙ロールの偏芯量の検査は、人手によって行われている。すなわち、ノーズと呼ばれる円筒状又は円錐状のチャッキング金物を巻取紙ロールの前記コアの中に差し込み、該ノーズを中心として回動自在に支持されたスケールを回転させながらその目盛を読み取ることにより、巻取紙ロールの外周全長に亘って中心からの半径を測定している。そして、その最大値と最小値との差が一定値以上のものは、不良品として、出荷を停止することになる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の人手による方法では手間がかかるうえに、ノーズとコアの間にノーズを回転させるための隙間が必要であり、この隙間が大きい場合に測定誤差の原因となったり、小さい場合にはノーズの回転がスムーズに行えず、測定作業が停滞するという問題がある。また、目盛りを目視することにより半径を測定するため、人的な測定誤差も生じ、不良巻取紙ロールを見落としてしまうおそれがある。
【0006】
そこで、この発明は、機械的に偏芯量を測定することによって人的な測定誤差の発生を取り除き、巻取紙ロールに非接触で測定することによって円滑な測定を行えるようにした巻取り紙の偏芯検査装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するための技術的手段として、この発明に係る巻取り紙の偏芯検査装置は、偏芯検査に供する巻取紙ロールの紙管の端部側面に対向させた位置に、撮影光学系の光軸を該紙管の長手方向に平行にして設けた第1撮影手段と、前記巻取紙ロールの紙管の端部側面を臨む位置に、前記第1撮影手段の光軸と平行な方向の軸を中心として回動自在に設けた支持アームと、前記支持アームに支持され、前記第1撮影手段の前記光軸と平行な光軸を有する撮影光学系を備えた第2撮影手段とからなり、前記第1撮影手段で前記紙管の端部を撮影し、前記第2撮影手段を前記支持アームの回動により前記巻取紙ロールの外周に沿わせて旋回させながら該外周部を撮影し、前記第1撮影手段で捕捉した紙管の画像から該紙管の中心を求め、前記第2撮影手段で捕捉した外周部の画像から該巻取紙ロールの偏芯量を測定することを特徴としている。
【0008】
紙管の中心軸と前記第1撮影手段の光軸とを平行にして、該第1撮影手段によって紙管の端部側面を撮影する。この撮影画像を、第1撮影手段の光軸など撮像範囲の所定点を原点とする第1座標系に重ね合わせれば、紙管端面の位置をこの第1座標系上で表すことができるから、第1座標系における紙管の中心位置を求めることができる。なお、紙管はほぼ真円と考えられるから、紙管の外周の3点の座標からその中心位置を求めることができる。
【0009】
前記支持アームを回動させると、前記第2撮影手段が該支持アームの回動軸を中心として旋回する。この第2撮影手段の撮影光学系の光軸は第1撮影手段の光軸と平行であるから、該第2撮影手段の撮影方向は第1撮影手段の撮影方向とほぼ等しい。支持アームの回動軸を原点とする座標系を基準座標系とした場合、該支持アームの回動軸と第2撮影手段の光軸との距離は既知、又は自動的に計測することができる機構を採用することで容易に知ることができるから、第2撮影手段が旋回するとその光軸が描く円弧の該基準座標系における座標は既知である。この第2撮影手段で前記巻取紙ロールの外周面を撮影すると、撮影された画像上における外周面のそれぞれの位置と第2撮影手段の光軸との距離が求められるから、該外周面の位置を前記基準座標系の座標として求めることができる。この外周面の座標を前記紙管の中心位置を原点とする座標系に変換すれば、紙管の中心と外周面との距離、即ち巻取紙ロールの半径が求められるから、その最大値と最小値との差を求めれば偏芯量を求めることができる。そして、この偏芯量が許容範囲内にある巻取紙ロールを出荷する。
【0010】
また、請求項2の発明に係る巻取り紙の偏芯検査装置は、偏芯検査に供する巻取紙ロールの紙管の端部側面を臨む位置に該紙管の長手方向と平行な方向を軸として回動自在に設けた支持アームと、前記支持アームの一部であって、該支持アームの前記回動中心の近傍に設けて該支持アームの回動によって撮影光学系の光軸が旋回する第1撮影手段と、前記支持アームに支持され、前記第1撮影手段の前記光軸と平行な光軸を有する撮影光学系を備えた第2撮影手段とからなり、前記第1撮影手段で前記紙管の端部を撮影し、前記第2撮影手段を前記支持アームの回動により前記巻取紙ロールの外周に沿わせて旋回させながら該外周部を撮影し、前記第1撮影手段で捕捉した紙管の画像から該紙管の中心を求め、前記第2撮影手段で捕捉した外周部の画像から該巻取紙ロールの偏芯量を測定することを特徴としている。
【0011】
紙管の外径が小さい場合には、前記第1撮影手段は紙管の端部側面の画像を捕捉できる位置に固定されたものであって構わないが、紙管外径が大きくて端部側面の全体を捕捉できない場合には、第1撮影手段を旋回させながら紙管の外周部を撮影して適宜位置の画像を捕捉し、その位置データから紙管の中心を求める。このため、前記第1撮影手段を支持アームに支持させて、該支持アームの回動によって第1撮影手段を旋回させるようにする。この構成とする場合には、該支持アームの回動中心を原点とした基準座標系における第1撮影手段の光軸の座標が既知であるから、該第1撮影手段で捕捉された紙管端面の画像から該紙管の中心位置の基準座標系における座標を求めることができる。他方、第2撮影手段で捕捉された巻取紙ロールの外周面のそれぞれの位置は該基準座標系における座標で表される。この外周面の座標を、紙管の中心位置を原点とする座標系に変換すれば半径の最大値と最小値とを求めることができ、偏芯量を求めることができる。
【0012】
また、請求項3の発明に係る巻取り紙の偏芯検査装置は、前記支持アームの長さを可変とし、前記第1撮影手段の光軸と第2撮影手段の光軸との距離を可変としたことを特徴としている。
【0013】
偏芯量を測定すべき巻取紙ロールの外径寸法は、需要者の要求に応じて種々のものがある。前記支持アームの長さを可変とすることにより、これら種々の外径の巻取紙ロールに対応して偏芯量を測定することができる。
【0014】
また、請求項4の発明に係る巻取り紙の偏芯検査装置は、前記第1撮影手段の撮影光学系の光軸と前記支持アームの回動中心とを一致させたことを特徴としている。
【0015】
第1撮影手段の撮影光学系の光軸を支持アームの回動中心と一致させてあれば、前記基準座標系の原点をこれら第1撮影手段の撮影光学系の光軸と支持アームの回動中心とすることができ、偏芯量の演算が簡略化される。
【0016】
また、請求項5の発明に係る巻取り紙の偏芯検査装置は、前記支持アームを回動させながら、前記第2撮影手段で、前記支持アームが所定の角度に位置するごとに巻取紙ロールの外周部の画像を捕捉することを特徴としている。
【0017】
巻取紙ロールの偏芯量を求めるに際しては、該巻取紙ロールの最大半径と最小半径とを求めるのであるから、該巻取紙ロールの外周全体にわたって画像を捕捉せずとも所定角度ごとに捕捉し、巻取紙ロールの概略の外径を求めても構わない。なお、回動角度を小さくして画像の捕捉点を多くすれば検査精度を向上させることができる。また、画像の捕捉は、支持ロールを回動させながら、第2撮影手段が所定の位置を通過する時点で行なえばよい。
【0018】
また、請求項6の発明に係る巻取り紙の偏芯検査装置は、前記第1撮影手段及び第2撮影手段をCCDカメラで構成したことを特徴としている。
【0019】
前記それぞれの撮影手段をCCDカメラで構成することにより、巻取り紙の偏芯検査装置を小型化及び軽量化することができる。
【0020】
さらに、前記第2撮影手段は巻取紙ロールの外周面の位置を捕捉するために設けられるものであるから、外周面の位置を捕捉することができるものであれば撮影手段に限られず、そのため請求項7の発明に係る巻取り紙の偏芯検査装置は、前記第2撮影手段を、測定位置の所定位置からのずれを検出することができるラインセンサとしたことを特徴としている。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図示した好ましい実施の形態に基づいて、この発明に係る巻取り紙の偏芯検査装置を具体的に説明する。
【0022】
図1はこの実施形態に係る巻取り紙の偏芯検査装置の概略の側面図で、偏芯量の検査に供される巻取紙ロール1は、紙管即ちコア2に巻き取られて形成されており、その幅員や巻取長さは需要者の要求に応じたものとしてある。
【0023】
前記コア2の端部側面に対向させて第1撮影手段としてCCDカメラによる第1カメラ3が配設されており、この第1カメラ3によってコア2の端部側面が撮影されるようにしてある。この第1カメラ3の撮影光学系の光軸は、前記コア2の中心軸と平行に設定されている。
【0024】
前記第1カメラ3の後方には、前記コア2の端部側面を臨んだ位置であって、前記光軸と平行な方向を軸として回動自在な支持アーム4が配設されている。この支持アーム4はシリンダその他のアクチュエータ5によって伸縮自在とされている。なお、この支持アーム4の回動軸は、前記第1カメラ3の光軸と一致させておくことが好ましい。また、図中7は、支持アーム4の回動機構である。
【0025】
そして、前記支持アーム4の先端部には、第2撮影手段としての第2カメラ6が支持されている。この第2カメラ6の撮影光学系の光軸は、前記第1カメラ3の撮影光学系の光軸と平行に設定されており、支持アーム4の回動によって旋回するようにしてある。この旋回によって巻取紙ロール1の外周縁を撮影することができるよう、巻取紙ロール1の外径寸法に応じて前記図示しないアクチュエータを操作して支持アーム4の長さが調整される。
【0026】
図2及び図3はこの巻取り紙の偏芯検査装置を実装した場合の概略の構造を示すもので、この偏芯検査装置によって検査することができる最も小径な巻取紙ロール1aと最も大径の巻取紙ロール1bとを併記してある。これら巻取紙ロール1は一対の支持ロール8a、8bからなる検査架台8に載置されることになり、該検査架台8に載置すると、該巻取紙ロール1のコア2の中心が該検査架台8の所定の位置の上方に位置するようにしてある。そして、前記第1カメラ3と支持アーム4、第2カメラ6などからなる偏芯検査装置は昇降装置9に取付けられており、第1カメラ3を、コア2を撮影することができる位置に位置させることができるようにしてある。また、これら前記第1カメラ3と支持アーム4、第2カメラ6などからなる偏芯検査装置は、前記検査架台8に載置された巻取紙ロール1の両側に配設されている。このため、巻取紙ロール1の偏芯検査は該巻取紙ロール1の両端部で行なえるようにしてある。
【0027】
また、前記第1カメラ3と第2カメラ6によって捕捉された位置データや、支持アーム4の回動角度や長さに関するデータは、図示しない処理装置に入力される。
【0028】
以上により構成されたこの実施形態に係る巻取り紙の偏芯検査装置について、その作用を図4を参照しながら以下に説明する。なお、支持アーム4の回動軸を原点とする座標系を基準座標系とし、第1カメラの撮像範囲の所定点、例えば光軸との交点を原点とする座標系を第1座標系とし、この第1座標系の原点と基準座標系の原点とが一致しているものとして説明する。
【0029】
検査に供される巻取紙ロール1は、図示しない搬送装置によってこの偏芯検査装置に給送され、検査架台8に載置されると、該巻取紙ロール1のコア2の中心が、該検査架台8の所定位置の鉛直線上に位置することになる。図示しない昇降装置を作動させて、第1カメラ3の撮影範囲内にコア2が位置するよう、該第1カメラ3及び支持アーム4を昇降させる。また、支持アーム4の長さを、前記第2カメラ6が巻取紙ロール1の外周縁を撮影できる位置となる状態に、アクチュエータ5を作動させて調整する。
【0030】
前記第1カメラ3でコア2のコア画像Cを捕捉すると、該コア2がほぼ真円であるから、その中心Qをコア画像Cの位置データから求めることができ、しかも第1カメラ3で撮影しているため、第1座標系の座標として求めることができ、この第1座標系の原点と基準座標系の原点とが一致しているから、コア2の中心Qの位置は前記基準座標系上の座標として求めることができる。この中心Qの基準座標系における座標を(xSQ、ySQ)とする。
【0031】
そして、支持アーム4を回動させながら、前記第2カメラ6で巻取紙ロール1の外周縁を撮影する。このとき、支持アーム4を適宜角度で回動させながら、外周縁の画像を取得する。例えば、図4において第2カメラ6によって外周上の点Rの位置にある画像が取得されたとする。この点Rは、第2カメラ6の撮影光学系の光軸その他任意の点を原点とする第2座標系における座標で表示することができるので、例えば光軸を原点とする第2カメラ6の第2座標系におけるこの点Rの座標を(x2R、y2R)とする。
【0032】
前記支持アーム4の長さは、前記アクチュエータ5にパルスモータを利用してそのパルス数をカウントしたり、エンコーダなどを設けておけば容易に認識することができるので既知であり、第2カメラ6における第2座標系の前記原点は定点であり、点Rの画像を取得した時点における支持アーム4の回動角度θは既知であるので、前記点Rの第2座標系上の座標(x2R、y2R)は基準座標系における座標(xSR、ySR)として求めることができる。すなわち、図4上破線で示す円弧Dを支持アーム4の回動による第2カメラ6の座標系の原点の軌跡を表すものとした場合、前記点Rを通る円弧Dの半径方向の直線の該円弧Dとの交点Sの基準座標系における座標は、点Pの座標(xSP、ySP)=(xS0、yS0)と回動角度θから求めることができ、この交点Sは第2カメラ6の座標系の原点であるから、点Rの基準座標系における座標(xSR、ySR)を求めることができる。
【0033】
そして、支持アーム4の回動軸Pを原点とした前記基準座標系におけるコアCの中心Qの座標(xSQ、ySQ)も求められているから、前記点RからコアCの中心Qまでの距離Lは基準座標系における2点間の距離として算出することができる。
【0034】
したがって、支持アーム4を適宜角度ごとに間欠回動させながら点Rの基準座標系における座標からそれぞれの位置における前記距離Lを求めることによって、巻取紙ロール1の外形形状を得ることができる。図4において、第2カメラ6の座標系の原点軌跡の円弧Dとの関係における該巻取紙ロール1の外形形状Fを実線で示してある。
【0035】
巻取紙ロール1の外形形状Fを得るためには、支持アーム4の間欠回動角度を1度ごとにしてそれぞれの点Rを求めれば連続した外形形状Fを得ることができる。しかし、巻取紙ロール1の半径の最大値と最小値を求めるのであるから、外形形状Fを求める必要はない。例えば、間欠回動角度を適宜な角度として等間隔で前記点Rを求めれば、巻取紙ロール1の概略の外形形状を得ることができるから、この概略形状から半径の最大値と最小値を求めることができる。また、適宜な等間隔で点Rを求めると共に、前記Lをそれぞれ算出し、隣接する点Rの測定値におけるLが増から減へあるいは減から増へ増減関係が変化した場合に、これら隣接する点Rの間で測定点Rを多数にしてLを算出すれば、ほぼ正確に半径の最大値と最小値とを算出することができる。
【0036】
そして、算出された巻取紙ロール1の半径の最大値と最小値の差を偏芯量として定義すればよい。
【0037】
前述した説明において、第1カメラ3及び第2カメラ6において撮影したコア2や巻取紙ロール1の画像を処理して所定の点の座標を求めるにあたっては、これらのカメラ3、6にCCDカメラを用いて、その撮像面の画素のコントラストを画像処理することによって求めることができる。なお、所定の測定点の画像のコントラストを鮮明にするために、例えばコア2には巻取紙ロール1の色と明確なコントラストを現出させることができる色彩を備えた芯材などを挿入して、画像を捕捉すればよい。
【0038】
前述した作用の説明では、支持アーム4の回動軸P(基準座標系の原点)と第1カメラ3の撮像範囲が形成する第1座標系の原点とが一致したものとして説明したが、装置の機構上、基準座標系の原点と第1座標系の原点とが一致しない場合がある。斯かる機構となる場合には、第1座標系における基準座標系の原点の座標を検出し、その検出結果から第1座標系の原点を基準座標系の原点に一致させる演算を行なって、これら座標系の間の変換を行なえばよい。そして、支持アーム4の回動軸Pの第1座標系における座標を求めるには、例えば次の方法によることができる。なお、稼働初期においてこれらの原点を一致させる演算を行ないそのデータを格納しておけばその後の計測においても該データを利用できるが、経時変化などによってこれらの原点の関係がずれてしまう場合もあり、斯かる場合にこれらの原点の関係を求めればよい。
【0039】
所定のパターンなどが記載されているテストチャートを支持アーム4の回動軸Pに直交する状態にして該支持アーム4と共に回動するように設置し、該支持アーム4を回動させて該テストチャートの所定部分の画像を第1カメラ3で捕捉する。捕捉された画像は、第1カメラ3が固定されているため、該支持アーム4の回動軸Pを中心とする円弧上に位置することになり、この画像の円弧の中心を求めることによって第1座標系上の支持アーム4の回動軸Pの座標を求めることができる。
【0040】
図4は点Pを原点とした基準座標系におけるコア2の中心Qと巻取紙ロール1の外周面の点Rの座標を示した図である。巻取紙ロール1の外周面の点Rの基準座標系における座標(xSR、ySR)は、支持アーム4の回動軸Pから第2カメラ6の第2座標系の原点までの距離rと、点Rと点Sとの距離λ、支持アーム4の回動角度θから、
【数1】
SR = (r+λ)×cosθ
SR = (r+λ)×sinθ
によって算出することができる。
【0041】
そして、コア2の中心Qと点Rとの距離Lは、前記数1式のxSRとySRとを用いて、
【数2】
L = ((xSR−xSQ+(ySR−ySQ1/2
によって求めることができる。
【0042】
また、第2カメラ6によって点Rの画像を捕捉する際には、支持アーム4を断続させずに連続して回動させながら、該第2カメラ6のシャッターを開閉させて、所定角度となった位置における該画像を処理装置などに入力させるようにすれば、該支持アーム4を1回転させるだけで、巻取紙ロール1の外周面に関するデータを取得することができる。
【0043】
また、この実施形態では、一の巻取紙ロール1の外周面の点Rの画像を捕捉する場合に、支持アーム4の長さを一定とした場合について説明したが、支持アーム4の回動軸Pの位置とコア2の中心Qとの位置が大きくずれているような場合には、支持アーム4の長さを一定とすることができない場合が生じる。斯かる場合、回動軸Pと中心Qとを接近させるように支持アーム4の位置を調整した後に点Rの画像を捕捉することは前述の通りであるが、支持アーム4を捕捉すべき点Rに対応した位置ごとに収縮させて該点Rの画像を捕捉することもできる。この場合には、支持アーム4の回動角度θと長さをデータとして取得しておけばよい。
【0044】
さらに、第1カメラ3の撮影光学系の光軸と支持アーム4の回動軸とを機構上一致させた構造とすれば、より操作や前記点Rの画像の捕捉が容易となる。また、第1カメラ3と第2カメラ6とによって捕捉された画像をモニタに表示させて、該モニタを視認しながら作業を行うようにすれば、より操作が容易となる。
【0045】
図5に、この発明に係る巻取り紙の偏芯検査装置と、従来の検査方法とによって巻取紙ロール1の偏芯量を測定した場合の最大偏芯量と測定に要した時間に関する結果を示す。同図において、実施例1はこの発明の巻取り紙の偏芯検査装置によって直径が1060mmの巻取紙ロール1bについて測定した結果を示し、実施例2は同じく 800mmの巻取紙ロール1aについて測定した結果を示す。また、比較例1及び比較例2は、それぞれ従来から使用されている通常のノーズを用いて人手によって従来と同様に巻取紙ロール1bと巻取紙ロール1aの偏芯量を測定した結果を示す。比較例3及び比較例4は、それぞれコア2に合せて調整して作成したノーズを用いて人手によって慎重に巻取紙ロール1bと巻取紙ロール1aの偏芯量を測定したもので、巻取紙ロール1のほぼ真の寸法を示す値である。
【0046】
図5に示す測定結果を比較すると、測定された最大偏芯量はこの発明に係る偏芯検査装置を用いた測定結果の方が比較例1、2の測定結果よりも真の寸法に近い値が得られてほぼ満足するデータを取得することができた。しかも、測定時間は従来の方法の場合よりも1/4に短縮することができ、測定時間の点でも有利なものである。
【0047】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明に係る巻取り紙の偏芯検査装置によれば、紙管を撮影する第1撮影手段と巻取紙ロールの外周部を撮影する第2撮影手段とを設けて、これら撮影手段によって捕捉された画像から、巻取紙ロールの偏芯量を求めるようにしたから、人手によらず偏芯量の検査を行うことができ、人為的な測定誤差の発生を排除することができる。しかも、巻取紙ロールに非接触で検査を行えるから、検査を円滑に行うことができる。
【0048】
また、請求項2の発明に係る巻取り紙の偏芯検査装置によれば、例えば紙管の外径が大きくて固定された第1撮影手段では該紙管の全体の画像を捕捉することができないような場合にも、第1撮影手段を回動させながら紙管の外周の画像を捕捉して該紙管の中心を求めることができる。したがって、第1撮影手段を大型化せず、偏芯検査装置の小型化を図ることができる。
【0049】
また、請求項3の発明に係る巻取り紙の偏芯検査装置によれば、支持アームの長さを変更することによって種々の径の巻取紙ロールの偏芯量を容易に検査することができる。
【0050】
また、請求項4の発明に係る巻取り紙の偏芯検査装置によれば、第1撮影手段で捕捉する紙管の画像に支持アームの回動によって第2撮影手段によって得られた巻取紙ロールの外周部の画像の位置を容易に重ね合わせることができるので、演算処理を迅速に行うことができ、偏芯量の検査を短時間で行うことができる。
【0051】
また、請求項5の発明によれば、第2撮影手段によって捕捉する巻取紙ロールの外周部の画像の数を減じられるから、取得すべきデータが減じられ、該画像を処理するための処理装置の能力を小さくすることができる。したがって、巻取り紙の偏芯検査装置のコストを削減することができる。
【0052】
そして、請求項6の発明に係る巻取り紙の偏芯検査装置によれば、第1及び第2撮影手段の小型化を図ることができることにより、巻取り紙の偏芯検査装置の小型化を図ることができる。
【0053】
さらに、請求項7の発明に係る巻取り紙の偏芯検査装置によれば、さらに安価な偏芯検査装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る巻取り紙の偏芯検査装置の構造を説明するための概略の正面図である。
【図2】この発明に係る巻取り紙の偏芯検査装置を実装した場合の概略の構造を示す正面図である。
【図3】図2における側面図である。
【図4】この発明に係る巻取り紙の偏芯検査装置によって偏芯量を算出する原理を説明するための図である。
【図5】この発明に係る巻取り紙の偏芯検査装置で測定した場合の結果と従来の方法によって測定した場合の結果、手作業によって慎重に測定した場合の結果を比較する図である。
【符号の説明】
1 巻取紙ロール
2 コア(紙管)
3 第1カメラ(第1撮影手段)
4 支持アーム
5 アクチュエータ
6 第2カメラ(第2撮影手段)
7 回動機構
8 検査架台
9 昇降装置

Claims (7)

  1. 偏芯検査に供する巻取紙ロールの紙管の端部側面に対向させた位置に、撮影光学系の光軸を該紙管の長手方向に平行にして設けた第1撮影手段と、
    前記巻取紙ロールの紙管の端部側面を臨む位置に、前記第1撮影手段の光軸と平行な方向の軸を中心として回動自在に設けた支持アームと、
    前記支持アームに支持され、前記第1撮影手段の前記光軸と平行な光軸を有する撮影光学系を備えた第2撮影手段とからなり、
    前記第1撮影手段で前記紙管の端部を撮影し、
    前記第2撮影手段を前記支持アームの回動により前記巻取紙ロールの外周に沿わせて旋回させながら該外周部を撮影し、
    前記第1撮影手段で捕捉した紙管の画像から該紙管の中心を求め、前記第2撮影手段で捕捉した外周部の画像から該巻取紙ロールの偏芯量を測定することを特徴とする巻取り紙の偏芯検査装置。
  2. 偏芯検査に供する巻取紙ロールの紙管の端部側面を臨む位置に該紙管の長手方向と平行な方向を軸として回動自在に設けた支持アームと、
    前記支持アームの一部であって、該支持アームの前記回動中心の近傍に設けて該支持アームの回動によって撮影光学系の光軸が旋回する第1撮影手段と、
    前記支持アームに支持され、前記第1撮影手段の前記光軸と平行な光軸を有する撮影光学系を備えた第2撮影手段とからなり、
    前記第1撮影手段で前記紙管の端部を撮影し、
    前記第2撮影手段を前記支持アームの回動により前記巻取紙ロールの外周に沿わせて旋回させながら該外周部を撮影し、
    前記第1撮影手段で捕捉した紙管の画像から該紙管の中心を求め、前記第2撮影手段で捕捉した外周部の画像から該巻取紙ロールの偏芯量を測定することを特徴とする巻取り紙の偏芯検査装置。
  3. 前記支持アームの長さを可変とし、前記第1撮影手段の光軸と第2撮影手段の光軸との距離を可変としたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の巻取り紙の偏芯検査装置。
  4. 前記第1撮影手段の撮影光学系の光軸と前記支持アームの回動中心とを一致させたことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の巻取り紙の偏芯検査装置。
  5. 前記支持アームを回動させながら、前記第2撮影手段で、前記支持アームが所定の角度に位置するごとに巻取紙ロールの外周部の画像を捕捉することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の巻取り紙の偏芯検査装置。
  6. 前記第1撮影手段及び第2撮影手段をCCDカメラで構成したことを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の巻取り紙の偏芯検査装置。
  7. 前記第2撮影手段を、測定位置の所定位置からのずれを検出することができるラインセンサとしたことを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の巻取り紙の偏芯検査装置。
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