JP2004347542A - シートの厚み測定方法及びシートの厚み測定装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】画像処理技術を利用して、データ処理方法を工夫することにより、平行レーザー光とテレビカメラと画像処理装置との組合せにより、離れた位置からロール上のシートの厚さを精度良く測定できるシートの厚み測定方法及びシートの厚み測定装置を提供する。
【解決手段】光照射装置11により円筒2上に巻き付けたシート3の表面部に光を照射し、カメラ12により前記照射部分を撮影し、画像処理装置13により、前記カメラ12で撮影した画像から前記照射部分の端部位置を検出し、該端部位置から算出した前記円筒2上の前記シート3の外周端の位置データと、予め計測した前記シート無し状態の前記円筒2の外周端の位置データとから、前記シート3の厚みを算出する。
【選択図】 図1
【解決手段】光照射装置11により円筒2上に巻き付けたシート3の表面部に光を照射し、カメラ12により前記照射部分を撮影し、画像処理装置13により、前記カメラ12で撮影した画像から前記照射部分の端部位置を検出し、該端部位置から算出した前記円筒2上の前記シート3の外周端の位置データと、予め計測した前記シート無し状態の前記円筒2の外周端の位置データとから、前記シート3の厚みを算出する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、タイヤ製造のシートカレンダー作業等における、シートの厚みを測定するためのシートの厚み測定方法及びシートの厚み測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
タイヤ製造のシートカレンダー作業等では、ゴムシートの厚みが製品の良否に大きな影響を与えるので、このシートの厚み測定が重要となる。
【0003】
このシートの厚みは、ロール等の円筒上で計測されることが多いが、この円筒上におけるシートの厚みの測定方法としては、作業を停止した時にダイヤルゲージで測定する方法や、渦電流センサや、ローラの位置を検出する渦電流センサとシートの表面を検出するレーザー測定装置の組合せで測定する方法等がある(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−351856号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの方法では、ロールの磁気特性や温度や熱やガスの影響を受けるために測定精度が保証できないという問題や、ロールに近接してセンサを設ける必要があり、シートカレンダーの作業の邪魔になるという問題がある。そのため、センサの設置場所を確保できない。
【0006】
一方、ビデオセンサを利用した画像処理技術があり、対象物から画像情報を取り込む画像入力、取り込んだ画像のノイズ除去や画像強調等の前処理、面積や周囲長や角度等の特徴を抽出する特徴抽出、良否の判断や計測等のパターン認識等の画像処理により、外観による欠陥検査、仕分け、分類、位置決め等を行うことができ、産業界の自動化の分野に役立っている。
【0007】
本発明の目的は、画像処理技術を利用して、データ処理方法を工夫することにより、平行レーザー光とテレビカメラと画像処理装置との組合せにより、離れた位置からロール上のシートの厚さを精度良く測定できるシートの厚み測定方法及びシートの厚み測定装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するためのシートの厚み測定方法は、円筒上に巻き付けたシートの厚みを計測するシートの厚み測定方法であって、光照射装置により前記円筒上に巻き付けた前記シートの表面部に光を照射し、カメラにより前記照射部分を撮影し、画像処理装置により、前記カメラで撮影した画像から前記照射部分の端部位置を検出し、該端部位置から算出した前記円筒上の前記シートの外周端の位置データと、予め計測した前記シート無し状態の前記円筒の外周端の位置データとから、前記シートの厚みを算出する方法として構成される。
【0009】
円筒の外周端とは、円筒を側面視した時に、矩形に見える側面の外側の辺に相当する部分のことをいい、円筒上に巻き付けられたシートの外周端も、同様に、側面の外側の辺に相当する部分のことをいう。また、このシートの円筒上への巻き付けは完全に全周券き付けする場合も、円筒の一部のみに巻き付けられる場合も含む。
【0010】
この円筒の境界部に光を照射し、カメラを用いた画像処理により円筒上のシートの厚みの測定を行う方法によれば、光照射装置とカメラを測定部位より離れた位置に配置することができるので、シートカレンダー作業用のロール等の円筒の表面近傍の熱やガスの影響を防ぐことができる。また、作業用のスペースが確保できるので、作業の邪魔にならない。
【0011】
その上、渦流式センサ等のように円筒やシートの磁気特性の影響を受けないので、精度良く計測でき、校正も比較的簡単に行うことができる。
【0012】
精度良い連続測定が可能となるため、作業の制御とオンライン化することにより、シートの厚みをフィードバック制御することが可能になり、作業用の設定値を常時最適な値にして制御することができる。従って、シートの厚みを所望の厚さに維持しながら、シートを圧延することができるので、材料の無駄を省いて材料の使用量を削減できる。
【0013】
そして、本発明において、前記シートの外周端の計測と同時に前記シートの近傍の前記円筒の外周端を計測し、この同時に計測したシートの無い部分の前記円筒の外周端の計測位置データを、前記の予め計測した前記円筒の外周端の位置データの代りに用いるように構成すると、計測時に生じる円筒の振動や軸方向の曲げ変形よる計測誤差を排除でき、精度良くシートの厚みを計測することができる。
【0014】
また、本発明において、前記照射する光として平行レーザー光を使用すると、円筒またはシートの外周端の端部と空間部分との境界を明確に捉えることができるようになるので、計測精度を著しく向上することができる。
【0015】
つまり、通常のビデオセンサにおいては、照明装置には、直流点灯や蛍光灯の高周波点灯やストロボ等が使用されるが、平行レーザー光の使用により画像、特に境界の鮮明性を得ることができる。また、光照射装置を円筒表面及びシート表面から大きく離れた所に配置することができるようになる。
【0016】
また、前記カメラによる前記照射部分の撮影を、ズームアップ可能なカメラのズームアップ撮影で行うことにより、カメラを円筒表面及びシート表面から大きく離れた所に配置することができるため、円筒近傍で発生する熱やガス等の影響を受けなくなり、耐久性が増し、保守も容易となる。
【0017】
更に、校正シートでキャリブレーションを行うことで容易に取付及び精度維持ができる。
【0018】
そして、上記のシートの厚み測定方法を実施するためのシートの厚み測定装置は、円筒上に巻き付けたシートの厚みを計測するシートの厚み測定装置であって、前記円筒上に巻き付けた前記シートの表面部に、光を照射する光照射装置と、該光の照射部分を含む前記円筒又は前記シートの境界部を撮影するカメラと、該カメラで撮影した画像を画像処理して、画像上において前記光が照射されている部分の端部位置を検出し、該端部位置から算出した前記円筒上の前記シートの外周端の位置データと、予め計測した前記円筒の外周端の位置データとから、シートの厚みを算出する画像処理装置とを備えて構成される。
【0019】
また、上記のシートの厚み測定装置において、前記光照射装置と前記カメラの撮影セットを複数有すると共に、前記画像処理装置が、前記シートのある部分と、前記シートの近傍の前記円筒部分を、別々の前記撮影セットで同時に撮影し、同時に計測した前記円筒の外周端の位置データとから、シートの厚みを算出する画像処理装置として構成される。つまり、予め計測した前記円筒の外周端の位置データの代りに、同時に計測した前記円筒の外周端の位置データを用いる。
【0020】
更に、上記のシートの厚み測定装置において、前記光照射装置が照射する光として平行レーザー光を照射する光照射装置として構成され、あるいは、前記カメラがズームアップ撮影可能なカメラとして構成される。また、校正シートでキャリブレーションを行うことで容易に取付及び精度維持ができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る実施の形態のシートの厚み測定方法及び測定装置について、図面を参照しながら説明する。なお、ここでは、タイヤ製造時のシートカレンダー作業におけるゴムシートの厚み測定を例にして説明するが、本発明はこれらのシートカレンダー作業におけるシートの厚み測定に限定されるものではなく、合成樹脂シートや非導電性シートやフィルム等の他のシート部材の厚み測定にも適用可能である。
【0022】
最初に、シートの厚み測定装置について、図1〜図4を参照しながら説明する。
【0023】
図1に示すように、本発明のシートの厚み測定装置1は、平行レーザー光を照射する光照射装置11と、平行レーザー光で照射された部分2bを含むロール(円筒)2の境界部2aを撮影するカメラ12と、このカメラ12で撮影した画像を画像処理して、シート(ゴム層)3の厚みt(=ΔAL)を算出する画像処理装置13を備えて構成される。
【0024】
この平行レーザー光を照射する光照射装置11は、レーザーダイオードと非球面レンズ/コリメータレンズの組合せにて、レーザー光を均一な平行光線にしたラインレーザー発生装置にて平行レーザー光とする装置であり、被検査物であるシート3が巻き付けられるローラ2から離れた位置に配置され、平行レーザー光は、このローラ2の回転する胴部と背景に向かって照射される。
【0025】
カメラ12はズームアップ可能なカメラが好ましく、図2に示すように平行レーザーで照射された部分2bを含むロール2の境界部2aを視野に入れて撮影でき、しかも、照射された平行レーザーが直接カメラ12に入射しないように配置される。つまり、カメラ12は平行レーザー光の照射側に置かれ、好ましくは、取扱いを容易にするため、カメラ12と光照射装置11とは一体的に配置される。そして、照射部分2aをズームアップ撮影する。このズームアップでレーザー光をレーザー光面として処理し、これにより、測定精度を向上させる。
【0026】
画像処理装置13は、カメラ12の出力信号(ビデオ信号:画像信号)を得て、明暗等の光情報をデジタル情報に変換して、このデジタル情報の演算処理により、図3や図4に例示するような画像上において平行レーザー光が照射されている部分2aの端部位置(境界線)Pを検出すると共に、この端部位置Pからロール2の外周端R0,Rの位置データやロール2上に巻き付けられたシート3の外周端Mの位置データを算出し、これらの位置情報から、シート3の厚みtを算出する。
【0027】
次に、第1の実施の形態のシートの厚み計測装置1とシートの厚み計測方法について説明する。
【0028】
この第1の実施の形態では、図5に示すように、ローラ2に対して光照射装置11とカメラ12の撮影セットが一組設けられる。
【0029】
そして、この外周端の位置データの取り込みでは、光照射装置11により平行レーザー光をロール2や校正シート3’やシート3等の被測定物の外形部分(測定点をPとする)に照射する。
【0030】
そして、カメラ12でこの照射部分(P)を含む外形部分をズームアップ撮影し、画像処理装置13により、このズームアップ画像を、設定したウインドウの画像処理ボード上に図3や図4に示すような画像として取り込む。この画像で平行レーザー光が照射されている部分の端部(P)、即ちローラ2等の端部であって平行レーザー光を反射する部分2a,3aと、平行レーザー光が透過し反射しない空間部分4との境界Pを画像処理によって検出し、この検出値(xp,yp)から、ロール2の回転軸2cに略平行な画像上の基準線BLに対する距離Lpを算出し、外周端の位置データLpとする。
【0031】
この時、ロール2の回転の原点θ0 をエンコーダ21で検出し、この原点θ0 の検出値をトリガーにして、ロール角度(θ:エンコーダのカウント値等)と対応させながら、I周回転分のデータLpi(i,θ)を取り込み、このI周回転分のデータLpi(i,θ)から平均データ(Lp(θ)=ΣLpi(i,θ)/I)を算出し、この平均データを外周端の位置データLp(θ)とする。
【0032】
ロール2に対して一周分(θ=0°〜360°)のデータを取ることにより、ロール2の偏心や撓みによる誤差を除去できる。
【0033】
そして、シートの厚み計測は、図11に示すようなシートの厚み計測フローに従って、ステップS10の校正(キャリブレーション)、ステップS20のロールの形状計測、ステップS30のシートの形状計測、及び、ステップS40のシートの厚みの算出によって行われる。
【0034】
このステップS10の校正においては、図12に例示するような校正フローに従って、ステップS11のロールの外周端のデータを取り込みで、図5(a)に示すように、ロール2を回転しながら、カメラ3で撮影し、画像処理装置4で画像処理して、このロール2の境界R0の位置データ、即ち、回転角度θに対応したローラ端部R0(θ)の位置データLr0(θ)を取り込む。
【0035】
次に、ステップS12の校正シートの貼り付けで、ロール2の表面にシートの厚み(tn)が既知の校正シート(キャリブレーションシート)3’を貼り付ける。なお、この校正シート3’を磁気シートで形成すると、貼り付け及び取り外し作業が容易となる。
【0036】
ステップS13の校正シートの外周端のデータを取り込みで、図5(b)に示すように、校正シートが貼り付けられたロール2を回転しながら、カメラ12で撮影し、画像処理装置13で画像処理して、このロール2上の校正シート3’の境界Snの位置データ、即ち、回転角度θに対応したシート端部Sn(θ,n)の位置データLs(θ,n)を取り込む。
【0037】
ステップS14の校正シートの枚数チェックで、重ねた校正シート3’の枚数nが、所定の枚数N以上であるか否かを判定し、所定の枚数Nに達していない場合には、ステップS12に戻り、更に、校正シート3’を重ねて、ステップS13を繰り返して、シートの厚みの計測範囲を超える所定の厚さまで、ロール2上の校正シート3’の境界Snの位置データLs(θ,n)を取り込む。
【0038】
ステップS14のチェックで、校正シート3’の枚数nが、所定の枚数N以上であれば、ロール2上の校正シート3’の境界の位置データLs(θ,n)の取り込みを終了する。
【0039】
この取り込んだローラ2の位置データLr0(θ)と校正シート3’の位置データLs(θ,n)の関係を、図7に示す。
【0040】
そして、ステップS15の校正曲線の算出及びメモリへの登録で、図8に示すように、ローラ2の境界Rの位置データLr0(θ)及び校正シートの境界Snの位置データLs(θ,n)と、校正シートの実際の厚み(tn)、即ち各校正点Snの実際距離AL(θ,n)との関係から、画像上の距離ΔL(θ)を実際の距離ΔAL(θ)に換算するための校正曲線f(L,θ)を得て、この校正曲線を画像処理装置4内のメモリに登録する。
【0041】
なお、厚さ既知の校正シート3’の厚さtnと位置情報Lとの間の校正であるので、必ずしも、ローラ2を回転させる必要はないが、ローラ2を回転させた方が、同時に、ローラ2の偏心や真円度や軸方向の曲げ変形等の影響を受けた実際のローラ2の外周端の位置データも得られるので好ましい。
【0042】
キャリブレーションは、画面データと計測データの校正を目的とし、レンズの周差の補正やカメラ取付位置(上下・左右)の誤差の補正やカメラズームの補正を行うことができ、これにより、カメラの取付のカメラのズーム設定の簡易化を図ることができ、また、経年変化による取付位置やズーム量の変化に対応することができる。
【0043】
そして、図11のステップS20のロールの形状計測では、積層するシート3が無い図5(a)に示す状態で、ロール2の外周端Rの位置データLr(θ)の取り込みを行う。
【0044】
また、図11のステップS30のシートの形状計測では、ロール2上に被測定物であるシート3を巻き付けた図5(b)に示すような状態で、シート3の外周端Mの位置データLm(θ)の取り込みを行う。つまり、照射部分2aの端部M点の画面上の位置(xm(θ),ym(θ))から、位置データLm(θ)を算出する。
【0045】
この取り込んだローラ2の位置データLr(θ)とシート3の位置データLm(θ)の関係を、図9に示す。なお、ステップS11の校正時のロール形状計測のローラ2の位置データLr0(θ)とステップS20のローラ2の位置データLr(θ)は一致する場合が多いが、シートカレンダー作業のセッテイング等により差異を生じる場合もあるので、より計測精度を高めるためには、ステップS20を設けてシート巻き付け直前に計測するのが好ましい。
【0046】
図11のステップS40では、図9に示すように、シート3の外周端の位置データLm(θ)とロール2の外周端の位置データLr(θ)から画面上の厚みΔL(θ)=Lm(θ)−Lr(θ)を算出すると共に、校正曲線f(L,θ)のデータをメモリより読み出し、図10に示すように、校正曲線f(L,θ)のデータを用いて、実際のシートの厚みΔAL(θ)=f(L,θ)×ΔL(θ)を算出する。
【0047】
以上のステップS10〜ステップS40により、ロール2に巻き付けたシート3の厚さt(=ΔAL(θ))を計測できる。なお、図5(b)ではシート3をローラ2の外周一周分を巻き付けた状態としているが、ローラ2の外周の一部分のみ巻き付けた図1や図2に示すような状態であっても同様に計測することができる。
【0048】
ただし、ロール2に一周分巻き付けたシートの場合には、θに関してはN周分を取り込んで平均したものからシートの厚みを算出してもよいが、ロール2の一部分にだけ巻き付け得られたシートの場合には、連続して計測する必要があるので、N周回分の平均値を使用することはできず、図11に点線で示すように、所定のΔθ毎にサンプリングして、ステップS30とステップS40を繰り返しながら計測することになる。
【0049】
次に、ローラ2に対して、光照射装置11とカメラ12の撮影セットを複数セット備えて構成される第2の実施の形態のシートの厚み計測装置1Aとシートの厚み計測方法について説明する。
【0050】
この第2の実施の形態では、図6に示すように、光照射装置11とカメラ12の撮影セットを、ロール2の軸方向に複数セット(図6では、5組)配置し、一つのロール2に巻き付かれた2つのシート3、3のM1部分とM2部分と共に、シート3、3が巻き付かれていない露出したロール2のA,B,C部分、即ちシート3の近傍の円筒の外周端を同時に計測する。
【0051】
第1の実施の形態では、ロール2の外周端の位置データとしては、シート3を巻き取る前の状態で取り込んだ位置データLr(θ)を使用するが、この第2の実施の形態では、より精度を高めるために、シート3、3の外周端の位置データLm1(θ),Lm2(θ)の取り込みと同時に、このシート3、3の両側のロール2の外周端の位置データLa(θ),Lb(θ),Lc(θ)を取り込み、この位置データLa(θ)とLb(θ)の平均値,Lb(θ)とLc(θ)の平均値を位置データLr(θ)の代りに用いる。
【0052】
このシートの厚み計測の場合には、図13に示すシートの厚み計測フロー(その2)に示すように、ステップS10Aの校正を行った後に、ステップS20Aのロール2の各部(A、B、C)の形状計測とステップS30Aの各シート3、3のM1部及びM2部の形状計測とを同時に行い、その後でステップS40Aのシートの厚みの算出を行う。
【0053】
各ステップの校正やロールの形状計測、シートの形状計測は、第1の実施の形態と同様に行われるが、ステップS40Aのシートの厚みの算出においては、ロール2の位置データLr(θ)の代りに、シート3の両側のロール2のA部とB部の外周端の位置データLa(θ)とLb(θ)、Lb(θ)とLc(θ)の平均を用いる。
【0054】
即ち、ΔLm1(θ)=Lm1(θ)−0.5×(La(θ)+Lb(θ))、及び、ΔLm2(θ)=Lm2(θ)−0.5×(Lb(θ)+Lc(θ))を算出し、校正曲線f(L,θ)のデータを用いて、実際のシートの厚みΔALm1(θ)=f(L,θ)×ΔLm1(θ)、及び、ΔALm2(θ)=f(L,θ)×ΔLm2(θ)を算出する。
【0055】
なお、各カメラで取り込んだ画像において、基準位置BLを揃えておくことが好ましく、校正時にローラ2の回転軸2cと平行に配置した基準直線(直線定規等)を撮影して基準位置BLを取り込んでおく。
【0056】
これにより、シート3の圧延作業等で、ロール2が回転軸方向に曲げ変形したときでも、その曲げ変形量をシート3の両側のロール2の変形量から推定できるので、より高い計測精度でシートの厚みを計測できる。
【0057】
以上説明したように、これらのシートの厚み計測装置1,1A、及び、シートの厚み計測方法により、ロール2上に巻き付けられたシート3の厚みを測定できる。
【0058】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明のシートの厚み計測装置及びシートの厚み計測方法によれば、平行レーザー光を使用し、この平行レーザー光の照射部分をカメラでズームアップ撮影した画像処理によってシートの厚みを測定するので、シートとシートが巻き付けられるロール(円筒)との距離を大きく取れる。そのため、ロール近傍における温度やガス等に影響されずに、精度良く、迅速に計測できる。また、ロール近傍に、センサを設ける必要がないため、作業スペースを確保でき、作業者の邪魔にならない。
【0059】
また、通常センサの取り付けは非常に厳しい精度が要求され、取り付けに時間がかかるが、キャリブレーションシートにより較正するため、取り付けが簡易となり、調整作業が短縮化されると共に、維持管理も容易となる。
【0060】
従って、従来の手動計測による1点管理から、オンラインによる連続測定が可能となるため、シートカレンダーの作業中に精度良く測定でき、フィードバック制御により、作業用の設定値を常に最適な値に設定することができるようになる。これにより、所望の厚さでシートを圧延することができるので、材料の無駄が無くなり、材料の使用量を削減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の厚さ計測装置の構成と厚さ計測方法の原理を示す図である。
【図2】カメラの視野と平行レーザー光と被測定物との関係を示す図である。
【図3】シート無し状態の画像の一例を示す図である。
【図4】シート有り状態の画像の一例を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態の厚さ計測装置を示す図で、(a)はシート無しの計測状態を示し、(b)はシート有りの計測状態を示す。
【図6】本発明の第2の実施の形態の厚さ計測装置を示す図で、シート有りの計測状態を示す。
【図7】校正時のローラの位置データと校正シートの位置データの関係を示す図である。
【図8】ローラ及び校正シートの位置データと、校正曲線の関係を示す図である。
【図9】ロールの形状測定時のローラの位置データとシートの形状測定時のシートの位置データの関係を示す図である。
【図10】校正曲線と、画像上の距離と実際の距離・厚さとの関係を示す図である。
【図11】第1の実施の形態におけるシートの厚み計測フローの一例を示す図である。
【図12】校正フローの一例を示す図である。
【図13】第2の実施の形態におけるシートの厚み計測フローの一例を示す図である。
【符号の説明】
1,1A シートの厚み計測装置
2 ローラ
3 シート
3’ 校正シート
4 空間部分
11 光照射装置
12 カメラ
13 画像処理装置
【発明の属する技術分野】
本発明は、タイヤ製造のシートカレンダー作業等における、シートの厚みを測定するためのシートの厚み測定方法及びシートの厚み測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
タイヤ製造のシートカレンダー作業等では、ゴムシートの厚みが製品の良否に大きな影響を与えるので、このシートの厚み測定が重要となる。
【0003】
このシートの厚みは、ロール等の円筒上で計測されることが多いが、この円筒上におけるシートの厚みの測定方法としては、作業を停止した時にダイヤルゲージで測定する方法や、渦電流センサや、ローラの位置を検出する渦電流センサとシートの表面を検出するレーザー測定装置の組合せで測定する方法等がある(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−351856号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの方法では、ロールの磁気特性や温度や熱やガスの影響を受けるために測定精度が保証できないという問題や、ロールに近接してセンサを設ける必要があり、シートカレンダーの作業の邪魔になるという問題がある。そのため、センサの設置場所を確保できない。
【0006】
一方、ビデオセンサを利用した画像処理技術があり、対象物から画像情報を取り込む画像入力、取り込んだ画像のノイズ除去や画像強調等の前処理、面積や周囲長や角度等の特徴を抽出する特徴抽出、良否の判断や計測等のパターン認識等の画像処理により、外観による欠陥検査、仕分け、分類、位置決め等を行うことができ、産業界の自動化の分野に役立っている。
【0007】
本発明の目的は、画像処理技術を利用して、データ処理方法を工夫することにより、平行レーザー光とテレビカメラと画像処理装置との組合せにより、離れた位置からロール上のシートの厚さを精度良く測定できるシートの厚み測定方法及びシートの厚み測定装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するためのシートの厚み測定方法は、円筒上に巻き付けたシートの厚みを計測するシートの厚み測定方法であって、光照射装置により前記円筒上に巻き付けた前記シートの表面部に光を照射し、カメラにより前記照射部分を撮影し、画像処理装置により、前記カメラで撮影した画像から前記照射部分の端部位置を検出し、該端部位置から算出した前記円筒上の前記シートの外周端の位置データと、予め計測した前記シート無し状態の前記円筒の外周端の位置データとから、前記シートの厚みを算出する方法として構成される。
【0009】
円筒の外周端とは、円筒を側面視した時に、矩形に見える側面の外側の辺に相当する部分のことをいい、円筒上に巻き付けられたシートの外周端も、同様に、側面の外側の辺に相当する部分のことをいう。また、このシートの円筒上への巻き付けは完全に全周券き付けする場合も、円筒の一部のみに巻き付けられる場合も含む。
【0010】
この円筒の境界部に光を照射し、カメラを用いた画像処理により円筒上のシートの厚みの測定を行う方法によれば、光照射装置とカメラを測定部位より離れた位置に配置することができるので、シートカレンダー作業用のロール等の円筒の表面近傍の熱やガスの影響を防ぐことができる。また、作業用のスペースが確保できるので、作業の邪魔にならない。
【0011】
その上、渦流式センサ等のように円筒やシートの磁気特性の影響を受けないので、精度良く計測でき、校正も比較的簡単に行うことができる。
【0012】
精度良い連続測定が可能となるため、作業の制御とオンライン化することにより、シートの厚みをフィードバック制御することが可能になり、作業用の設定値を常時最適な値にして制御することができる。従って、シートの厚みを所望の厚さに維持しながら、シートを圧延することができるので、材料の無駄を省いて材料の使用量を削減できる。
【0013】
そして、本発明において、前記シートの外周端の計測と同時に前記シートの近傍の前記円筒の外周端を計測し、この同時に計測したシートの無い部分の前記円筒の外周端の計測位置データを、前記の予め計測した前記円筒の外周端の位置データの代りに用いるように構成すると、計測時に生じる円筒の振動や軸方向の曲げ変形よる計測誤差を排除でき、精度良くシートの厚みを計測することができる。
【0014】
また、本発明において、前記照射する光として平行レーザー光を使用すると、円筒またはシートの外周端の端部と空間部分との境界を明確に捉えることができるようになるので、計測精度を著しく向上することができる。
【0015】
つまり、通常のビデオセンサにおいては、照明装置には、直流点灯や蛍光灯の高周波点灯やストロボ等が使用されるが、平行レーザー光の使用により画像、特に境界の鮮明性を得ることができる。また、光照射装置を円筒表面及びシート表面から大きく離れた所に配置することができるようになる。
【0016】
また、前記カメラによる前記照射部分の撮影を、ズームアップ可能なカメラのズームアップ撮影で行うことにより、カメラを円筒表面及びシート表面から大きく離れた所に配置することができるため、円筒近傍で発生する熱やガス等の影響を受けなくなり、耐久性が増し、保守も容易となる。
【0017】
更に、校正シートでキャリブレーションを行うことで容易に取付及び精度維持ができる。
【0018】
そして、上記のシートの厚み測定方法を実施するためのシートの厚み測定装置は、円筒上に巻き付けたシートの厚みを計測するシートの厚み測定装置であって、前記円筒上に巻き付けた前記シートの表面部に、光を照射する光照射装置と、該光の照射部分を含む前記円筒又は前記シートの境界部を撮影するカメラと、該カメラで撮影した画像を画像処理して、画像上において前記光が照射されている部分の端部位置を検出し、該端部位置から算出した前記円筒上の前記シートの外周端の位置データと、予め計測した前記円筒の外周端の位置データとから、シートの厚みを算出する画像処理装置とを備えて構成される。
【0019】
また、上記のシートの厚み測定装置において、前記光照射装置と前記カメラの撮影セットを複数有すると共に、前記画像処理装置が、前記シートのある部分と、前記シートの近傍の前記円筒部分を、別々の前記撮影セットで同時に撮影し、同時に計測した前記円筒の外周端の位置データとから、シートの厚みを算出する画像処理装置として構成される。つまり、予め計測した前記円筒の外周端の位置データの代りに、同時に計測した前記円筒の外周端の位置データを用いる。
【0020】
更に、上記のシートの厚み測定装置において、前記光照射装置が照射する光として平行レーザー光を照射する光照射装置として構成され、あるいは、前記カメラがズームアップ撮影可能なカメラとして構成される。また、校正シートでキャリブレーションを行うことで容易に取付及び精度維持ができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る実施の形態のシートの厚み測定方法及び測定装置について、図面を参照しながら説明する。なお、ここでは、タイヤ製造時のシートカレンダー作業におけるゴムシートの厚み測定を例にして説明するが、本発明はこれらのシートカレンダー作業におけるシートの厚み測定に限定されるものではなく、合成樹脂シートや非導電性シートやフィルム等の他のシート部材の厚み測定にも適用可能である。
【0022】
最初に、シートの厚み測定装置について、図1〜図4を参照しながら説明する。
【0023】
図1に示すように、本発明のシートの厚み測定装置1は、平行レーザー光を照射する光照射装置11と、平行レーザー光で照射された部分2bを含むロール(円筒)2の境界部2aを撮影するカメラ12と、このカメラ12で撮影した画像を画像処理して、シート(ゴム層)3の厚みt(=ΔAL)を算出する画像処理装置13を備えて構成される。
【0024】
この平行レーザー光を照射する光照射装置11は、レーザーダイオードと非球面レンズ/コリメータレンズの組合せにて、レーザー光を均一な平行光線にしたラインレーザー発生装置にて平行レーザー光とする装置であり、被検査物であるシート3が巻き付けられるローラ2から離れた位置に配置され、平行レーザー光は、このローラ2の回転する胴部と背景に向かって照射される。
【0025】
カメラ12はズームアップ可能なカメラが好ましく、図2に示すように平行レーザーで照射された部分2bを含むロール2の境界部2aを視野に入れて撮影でき、しかも、照射された平行レーザーが直接カメラ12に入射しないように配置される。つまり、カメラ12は平行レーザー光の照射側に置かれ、好ましくは、取扱いを容易にするため、カメラ12と光照射装置11とは一体的に配置される。そして、照射部分2aをズームアップ撮影する。このズームアップでレーザー光をレーザー光面として処理し、これにより、測定精度を向上させる。
【0026】
画像処理装置13は、カメラ12の出力信号(ビデオ信号:画像信号)を得て、明暗等の光情報をデジタル情報に変換して、このデジタル情報の演算処理により、図3や図4に例示するような画像上において平行レーザー光が照射されている部分2aの端部位置(境界線)Pを検出すると共に、この端部位置Pからロール2の外周端R0,Rの位置データやロール2上に巻き付けられたシート3の外周端Mの位置データを算出し、これらの位置情報から、シート3の厚みtを算出する。
【0027】
次に、第1の実施の形態のシートの厚み計測装置1とシートの厚み計測方法について説明する。
【0028】
この第1の実施の形態では、図5に示すように、ローラ2に対して光照射装置11とカメラ12の撮影セットが一組設けられる。
【0029】
そして、この外周端の位置データの取り込みでは、光照射装置11により平行レーザー光をロール2や校正シート3’やシート3等の被測定物の外形部分(測定点をPとする)に照射する。
【0030】
そして、カメラ12でこの照射部分(P)を含む外形部分をズームアップ撮影し、画像処理装置13により、このズームアップ画像を、設定したウインドウの画像処理ボード上に図3や図4に示すような画像として取り込む。この画像で平行レーザー光が照射されている部分の端部(P)、即ちローラ2等の端部であって平行レーザー光を反射する部分2a,3aと、平行レーザー光が透過し反射しない空間部分4との境界Pを画像処理によって検出し、この検出値(xp,yp)から、ロール2の回転軸2cに略平行な画像上の基準線BLに対する距離Lpを算出し、外周端の位置データLpとする。
【0031】
この時、ロール2の回転の原点θ0 をエンコーダ21で検出し、この原点θ0 の検出値をトリガーにして、ロール角度(θ:エンコーダのカウント値等)と対応させながら、I周回転分のデータLpi(i,θ)を取り込み、このI周回転分のデータLpi(i,θ)から平均データ(Lp(θ)=ΣLpi(i,θ)/I)を算出し、この平均データを外周端の位置データLp(θ)とする。
【0032】
ロール2に対して一周分(θ=0°〜360°)のデータを取ることにより、ロール2の偏心や撓みによる誤差を除去できる。
【0033】
そして、シートの厚み計測は、図11に示すようなシートの厚み計測フローに従って、ステップS10の校正(キャリブレーション)、ステップS20のロールの形状計測、ステップS30のシートの形状計測、及び、ステップS40のシートの厚みの算出によって行われる。
【0034】
このステップS10の校正においては、図12に例示するような校正フローに従って、ステップS11のロールの外周端のデータを取り込みで、図5(a)に示すように、ロール2を回転しながら、カメラ3で撮影し、画像処理装置4で画像処理して、このロール2の境界R0の位置データ、即ち、回転角度θに対応したローラ端部R0(θ)の位置データLr0(θ)を取り込む。
【0035】
次に、ステップS12の校正シートの貼り付けで、ロール2の表面にシートの厚み(tn)が既知の校正シート(キャリブレーションシート)3’を貼り付ける。なお、この校正シート3’を磁気シートで形成すると、貼り付け及び取り外し作業が容易となる。
【0036】
ステップS13の校正シートの外周端のデータを取り込みで、図5(b)に示すように、校正シートが貼り付けられたロール2を回転しながら、カメラ12で撮影し、画像処理装置13で画像処理して、このロール2上の校正シート3’の境界Snの位置データ、即ち、回転角度θに対応したシート端部Sn(θ,n)の位置データLs(θ,n)を取り込む。
【0037】
ステップS14の校正シートの枚数チェックで、重ねた校正シート3’の枚数nが、所定の枚数N以上であるか否かを判定し、所定の枚数Nに達していない場合には、ステップS12に戻り、更に、校正シート3’を重ねて、ステップS13を繰り返して、シートの厚みの計測範囲を超える所定の厚さまで、ロール2上の校正シート3’の境界Snの位置データLs(θ,n)を取り込む。
【0038】
ステップS14のチェックで、校正シート3’の枚数nが、所定の枚数N以上であれば、ロール2上の校正シート3’の境界の位置データLs(θ,n)の取り込みを終了する。
【0039】
この取り込んだローラ2の位置データLr0(θ)と校正シート3’の位置データLs(θ,n)の関係を、図7に示す。
【0040】
そして、ステップS15の校正曲線の算出及びメモリへの登録で、図8に示すように、ローラ2の境界Rの位置データLr0(θ)及び校正シートの境界Snの位置データLs(θ,n)と、校正シートの実際の厚み(tn)、即ち各校正点Snの実際距離AL(θ,n)との関係から、画像上の距離ΔL(θ)を実際の距離ΔAL(θ)に換算するための校正曲線f(L,θ)を得て、この校正曲線を画像処理装置4内のメモリに登録する。
【0041】
なお、厚さ既知の校正シート3’の厚さtnと位置情報Lとの間の校正であるので、必ずしも、ローラ2を回転させる必要はないが、ローラ2を回転させた方が、同時に、ローラ2の偏心や真円度や軸方向の曲げ変形等の影響を受けた実際のローラ2の外周端の位置データも得られるので好ましい。
【0042】
キャリブレーションは、画面データと計測データの校正を目的とし、レンズの周差の補正やカメラ取付位置(上下・左右)の誤差の補正やカメラズームの補正を行うことができ、これにより、カメラの取付のカメラのズーム設定の簡易化を図ることができ、また、経年変化による取付位置やズーム量の変化に対応することができる。
【0043】
そして、図11のステップS20のロールの形状計測では、積層するシート3が無い図5(a)に示す状態で、ロール2の外周端Rの位置データLr(θ)の取り込みを行う。
【0044】
また、図11のステップS30のシートの形状計測では、ロール2上に被測定物であるシート3を巻き付けた図5(b)に示すような状態で、シート3の外周端Mの位置データLm(θ)の取り込みを行う。つまり、照射部分2aの端部M点の画面上の位置(xm(θ),ym(θ))から、位置データLm(θ)を算出する。
【0045】
この取り込んだローラ2の位置データLr(θ)とシート3の位置データLm(θ)の関係を、図9に示す。なお、ステップS11の校正時のロール形状計測のローラ2の位置データLr0(θ)とステップS20のローラ2の位置データLr(θ)は一致する場合が多いが、シートカレンダー作業のセッテイング等により差異を生じる場合もあるので、より計測精度を高めるためには、ステップS20を設けてシート巻き付け直前に計測するのが好ましい。
【0046】
図11のステップS40では、図9に示すように、シート3の外周端の位置データLm(θ)とロール2の外周端の位置データLr(θ)から画面上の厚みΔL(θ)=Lm(θ)−Lr(θ)を算出すると共に、校正曲線f(L,θ)のデータをメモリより読み出し、図10に示すように、校正曲線f(L,θ)のデータを用いて、実際のシートの厚みΔAL(θ)=f(L,θ)×ΔL(θ)を算出する。
【0047】
以上のステップS10〜ステップS40により、ロール2に巻き付けたシート3の厚さt(=ΔAL(θ))を計測できる。なお、図5(b)ではシート3をローラ2の外周一周分を巻き付けた状態としているが、ローラ2の外周の一部分のみ巻き付けた図1や図2に示すような状態であっても同様に計測することができる。
【0048】
ただし、ロール2に一周分巻き付けたシートの場合には、θに関してはN周分を取り込んで平均したものからシートの厚みを算出してもよいが、ロール2の一部分にだけ巻き付け得られたシートの場合には、連続して計測する必要があるので、N周回分の平均値を使用することはできず、図11に点線で示すように、所定のΔθ毎にサンプリングして、ステップS30とステップS40を繰り返しながら計測することになる。
【0049】
次に、ローラ2に対して、光照射装置11とカメラ12の撮影セットを複数セット備えて構成される第2の実施の形態のシートの厚み計測装置1Aとシートの厚み計測方法について説明する。
【0050】
この第2の実施の形態では、図6に示すように、光照射装置11とカメラ12の撮影セットを、ロール2の軸方向に複数セット(図6では、5組)配置し、一つのロール2に巻き付かれた2つのシート3、3のM1部分とM2部分と共に、シート3、3が巻き付かれていない露出したロール2のA,B,C部分、即ちシート3の近傍の円筒の外周端を同時に計測する。
【0051】
第1の実施の形態では、ロール2の外周端の位置データとしては、シート3を巻き取る前の状態で取り込んだ位置データLr(θ)を使用するが、この第2の実施の形態では、より精度を高めるために、シート3、3の外周端の位置データLm1(θ),Lm2(θ)の取り込みと同時に、このシート3、3の両側のロール2の外周端の位置データLa(θ),Lb(θ),Lc(θ)を取り込み、この位置データLa(θ)とLb(θ)の平均値,Lb(θ)とLc(θ)の平均値を位置データLr(θ)の代りに用いる。
【0052】
このシートの厚み計測の場合には、図13に示すシートの厚み計測フロー(その2)に示すように、ステップS10Aの校正を行った後に、ステップS20Aのロール2の各部(A、B、C)の形状計測とステップS30Aの各シート3、3のM1部及びM2部の形状計測とを同時に行い、その後でステップS40Aのシートの厚みの算出を行う。
【0053】
各ステップの校正やロールの形状計測、シートの形状計測は、第1の実施の形態と同様に行われるが、ステップS40Aのシートの厚みの算出においては、ロール2の位置データLr(θ)の代りに、シート3の両側のロール2のA部とB部の外周端の位置データLa(θ)とLb(θ)、Lb(θ)とLc(θ)の平均を用いる。
【0054】
即ち、ΔLm1(θ)=Lm1(θ)−0.5×(La(θ)+Lb(θ))、及び、ΔLm2(θ)=Lm2(θ)−0.5×(Lb(θ)+Lc(θ))を算出し、校正曲線f(L,θ)のデータを用いて、実際のシートの厚みΔALm1(θ)=f(L,θ)×ΔLm1(θ)、及び、ΔALm2(θ)=f(L,θ)×ΔLm2(θ)を算出する。
【0055】
なお、各カメラで取り込んだ画像において、基準位置BLを揃えておくことが好ましく、校正時にローラ2の回転軸2cと平行に配置した基準直線(直線定規等)を撮影して基準位置BLを取り込んでおく。
【0056】
これにより、シート3の圧延作業等で、ロール2が回転軸方向に曲げ変形したときでも、その曲げ変形量をシート3の両側のロール2の変形量から推定できるので、より高い計測精度でシートの厚みを計測できる。
【0057】
以上説明したように、これらのシートの厚み計測装置1,1A、及び、シートの厚み計測方法により、ロール2上に巻き付けられたシート3の厚みを測定できる。
【0058】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明のシートの厚み計測装置及びシートの厚み計測方法によれば、平行レーザー光を使用し、この平行レーザー光の照射部分をカメラでズームアップ撮影した画像処理によってシートの厚みを測定するので、シートとシートが巻き付けられるロール(円筒)との距離を大きく取れる。そのため、ロール近傍における温度やガス等に影響されずに、精度良く、迅速に計測できる。また、ロール近傍に、センサを設ける必要がないため、作業スペースを確保でき、作業者の邪魔にならない。
【0059】
また、通常センサの取り付けは非常に厳しい精度が要求され、取り付けに時間がかかるが、キャリブレーションシートにより較正するため、取り付けが簡易となり、調整作業が短縮化されると共に、維持管理も容易となる。
【0060】
従って、従来の手動計測による1点管理から、オンラインによる連続測定が可能となるため、シートカレンダーの作業中に精度良く測定でき、フィードバック制御により、作業用の設定値を常に最適な値に設定することができるようになる。これにより、所望の厚さでシートを圧延することができるので、材料の無駄が無くなり、材料の使用量を削減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の厚さ計測装置の構成と厚さ計測方法の原理を示す図である。
【図2】カメラの視野と平行レーザー光と被測定物との関係を示す図である。
【図3】シート無し状態の画像の一例を示す図である。
【図4】シート有り状態の画像の一例を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態の厚さ計測装置を示す図で、(a)はシート無しの計測状態を示し、(b)はシート有りの計測状態を示す。
【図6】本発明の第2の実施の形態の厚さ計測装置を示す図で、シート有りの計測状態を示す。
【図7】校正時のローラの位置データと校正シートの位置データの関係を示す図である。
【図8】ローラ及び校正シートの位置データと、校正曲線の関係を示す図である。
【図9】ロールの形状測定時のローラの位置データとシートの形状測定時のシートの位置データの関係を示す図である。
【図10】校正曲線と、画像上の距離と実際の距離・厚さとの関係を示す図である。
【図11】第1の実施の形態におけるシートの厚み計測フローの一例を示す図である。
【図12】校正フローの一例を示す図である。
【図13】第2の実施の形態におけるシートの厚み計測フローの一例を示す図である。
【符号の説明】
1,1A シートの厚み計測装置
2 ローラ
3 シート
3’ 校正シート
4 空間部分
11 光照射装置
12 カメラ
13 画像処理装置
Claims (10)
- 円筒上に巻き付けたシートの厚みを計測するシートの厚み測定方法であって、光照射装置により前記円筒上に巻き付けた前記シートの表面部に光を照射し、カメラにより前記照射部分を撮影し、画像処理装置により、前記カメラで撮影した画像から前記照射部分の端部位置を検出し、該端部位置から算出した前記円筒上の前記シートの外周端の位置データと、予め計測した前記シート無し状態の前記円筒の外周端の位置データとから、前記シートの厚みを算出するシートの厚み測定方法。
- 前記シートの外周端の計測と同時に前記シートの近傍の前記円筒の外周端を計測し、この同時に計測した前記円筒の外周端の計測位置データを、前記の予め計測した前記円筒の外周端の位置データの代りに用いる請求項1に記載のシートの厚み測定方法。
- 前記照射する光として平行レーザー光を使用する請求項1又は2に記載のシートの厚み測定方法。
- 前記カメラによる前記照射部分の撮影を、ズームアップ可能なカメラのズームアップ撮影で行う請求項1〜3のいずれか1項に記載のシートの厚み測定方法。
- 校正シートでキャリブレーションを行う請求項1〜4のいずれか1項に記載のシートの厚み測定方法。
- 円筒上に巻き付けたシートの厚みを計測するシートの厚み測定装置であって、前記円筒上に巻き付けた前記シートの表面部に、光を照射する光照射装置と、該光の照射部分を含む前記円筒又は前記シートの境界部を撮影するカメラと、該カメラで撮影した画像を画像処理して、画像上において前記光が照射されている部分の端部位置を検出し、該端部位置から算出した前記円筒上の前記シートの外周端の位置データと、予め計測した前記円筒の外周端の位置データとから、シートの厚みを算出する画像処理装置とを備えたシートの厚み測定装置。
- 前記光照射装置と前記カメラの撮影セットを複数有すると共に、前記画像処理装置が、前記シートのある部分と、前記シートの近傍の前記円筒部分を、別々の前記撮影セットで同時に撮影し、同時に計測した前記円筒の外周端の位置データとから、シートの厚みを算出する画像処理装置である請求項6記載のシートの厚み測定装置。
- 前記光照射装置が照射する光として平行レーザー光を照射する光照射装置である請求項6又は7に記載のシートの厚み測定装置。
- 前記カメラがズームアップ撮影可能なカメラである請求項6〜8のいずれか1項に記載のシートの厚み測定装置。
- 校正シートでキャリブレーションを行う請求項6〜9のいずれか1項に記載のシートの厚み測定装置。
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JP2003147136A JP2004347542A (ja) | 2003-05-26 | 2003-05-26 | シートの厚み測定方法及びシートの厚み測定装置 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2012122155A (ja) * | 2010-12-06 | 2012-06-28 | Toptec Co Ltd | ナノ繊維製造装置及びナノ繊維製造方法 |
CN104296672A (zh) * | 2014-10-31 | 2015-01-21 | 桂林电子科技大学 | 基于图像的胎面缠绕厚度在线测量方法 |
CN104827765A (zh) * | 2015-05-15 | 2015-08-12 | 合肥京东方光电科技有限公司 | 一种印刷机及控制方法 |
-
2003
- 2003-05-26 JP JP2003147136A patent/JP2004347542A/ja active Pending
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