JP3560046B2 - サイドローブキャンセラ - Google Patents

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【0001】
【産業上の利用分野】
この発明はアンテナのサイドローブから入射する複数の干渉波を抑圧するサイドローブキャンセラに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種のサイドローブキャンセラーとして、例えば特開昭60−41802に示されたものがあり、図15は上記文献に示されたサイドローブキャンセラー装置の構成図である(従来例1と呼ぶ)。
図において、1は所望信号方向にゲインを有する主アンテナ、2a,2bは補助アンテナ、3,4a,4bは受信機、5a,5bは補助アンテナ2a,2bの受信信号に重み付けをする乗算器、7は重み付けをする乗算器5a,5bの出力信号を加算する加算器、6は主アンテナの受信信号と加算器7の出力信号の差をとる減算器、8は減算器6の出力である差信号と補助アンテナ2a,2bの受信信号から重みを計算する荷重計算手段、10は適応フィルタである。
Sは所望波、J,Jは干渉波、d(k)は主アンテナ1の受信信号、x(k),x(k)はそれぞれ補助アンテナ2a,2bの受信信号、y(k)は適応フィルタ10の出力信号、z(k)は減算器の出力信号、w,wは乗算器5a,5bに印加する荷重である。
上記信号の表記式におけるkは時間を表す因子である。また、信号はすべて複素信号とする。
【0003】
ここでは説明を簡単にするため、補助アンテナ数を2、干渉波数を2とする。また、一般には、サイドローブキャンセラのアンテナは、3次元空間に配置されるが、ここでは図16に示すように、主アンテナ1と補助アンテナ2a,2bとをx−z平面上に配置し、その位置座標をそれぞれ(0,0,0),(ξ,0,η),(ξ,0,η)とする。
また、電波の入射方向を図16に示すように、エレベーション角θとアジマス角φで表し、所望波Sと干渉波J,Jの入射方向をそれぞれ(θ,φ),(θ,φ),(θ,φ)と表し、サイドローブキャンセラの動作を説明する。
サイドローブキャンセラの使用環境では所望波の電力に比べ、干渉波の電力が非常に大きいため無指向性の補助アンテナで受ける所望波は無視できる。このとき、主アンテナ1の受信信号d(k)および補助アンテナ2a,2bの受信信号x(k),x(k)はそれぞれ次式で表される。
【0004】
【数1】
Figure 0003560046
【0005】
ここで、
(k):所望波Sの時間波形
(k):干渉波Jの時間波形
(k):干渉波Jの時間波形
λ :所望波Sの波長
λ :干渉波Jの波長
λ :干渉波Jの波長
(θ,φ):主アンテナ1のアンテナパターン
G (θ,φ):補助アンテナ2a,2bのアンテナパターン
(k):受信機3の内部雑音
(k):受信機4aの内部雑音
(k):受信機4bの内部雑音
δ(0,h):干渉波Jの補助アンテナ2aと主アンテナ間の受信位相差を偏角にもつ複素数
δ(1,h):干渉波Jの補助アンテナ2bと主アンテナ間の受信位相差を偏角にもつ複素数
δは次のように表される。
【0006】
【数2】
Figure 0003560046
【0007】
ここで、式(2),式(3)で表された補助アンテナ2a,2bの受信信号x(k),x(k)は適応フィルタ10に送られ、適応フィルタ内部の乗算器5a,5bにおいて荷重w,wとの積がとられた後、加算器7に転送され、次式で表される適応フィルタ10の出力信号y(k)が生成される。
【0008】
【数3】
Figure 0003560046
【0009】
次に、上記の適応フィルタ10の出力信号y(k)と主アンテナ1の受信信号d(k)が減算器6に転送され、次式で表される差信号z(k)が生成される。
【0010】
【数4】
Figure 0003560046
【0011】
差信号z(k)はサイドローブキャンセラの出力信号であり、また荷重計算手段8に転送される。荷重計算手段8では、特開昭60−41802で示されるように、差信号z(k)と補助アンテナ2a,2bの受信信号x(k),x(k)の相関をとり、差信号z(k)の出力信号が最小となるように荷重w,wを決定する。
所望波S、干渉波J,J、及び受信機の内部雑音がそれぞれ統計的に独立であり、補助アンテナ2a,2bで受ける所望波Sが無視できる場合、減算器6において、主アンテナ1の受信信号d(k)に含まれる所望波信号および受信機雑音を抑圧することはないので、差信号z(k)に含まれる所望波信号は保存される。
このためz(k)の電力を最小化するとき、z(k)に含まれる干渉波成分のみが最小化され、サイドローブキャンセラの干渉波抑圧性能は最高になる。このときの荷重をwp,wp,差信号をzp(k)とすると、zp(k)は式(5),式(6)から次式のように表わされる。
【0012】
【数5】
Figure 0003560046
【0013】
次に、サイドローブキャンセラの出力信号の平均電力を最小化するように荷重が調整された場合の抑圧性能について説明する。
サイドローブキャンセラの干渉波抑圧性能を表すために、主アンテナ1の受信信号d(k)に含まれる干渉波成分の電力と、サイドローブキャンセラの出力信号zp(k)に含まれる干渉波成分の電力の比をIで表す。
上記のIはサイドローブキャンセラの出力信号zp(k)に含まれる干渉波成分の電力が小さくなると大きい値を示し、サイドローブキャンセラの抑圧性能を知ることができる。
【0014】
図17は従来のサイドローブキャンセラについて上記の抑圧性能Iを示す計算例である。干渉波Jの入射方向を固定し、干渉波Jの入射アジマス角φを変化させた場合の干渉波抑圧性能を示している。縦軸はIのデシベル値、横軸は干渉波Jの入射アジマス角φ(deg)である。
ここで用いた主要パラメータは以下に示す。
所望波S :θ= 0°,φ= 0°,λ=5.882 cm,S/N比=24dB
干渉波J:θ=20°,λ=5.881 cm,J/N比=40dB
干渉波J:θ= 0°,φ=40°,λ=5.880 cm,J/N比=40dB
補助アンテナ2a:ξ=0.15 m,η=0 m
補助アンテナ2b:ξ=0.25 m,η=0 m
【0015】
図17によると、干渉波Jの入射アジマス角φが0°付近のときIは大きく低下するため、この方向から干渉波が入射する場合には、干渉波を抑圧出来ないことがわかる。
【0016】
以上のような抑圧性能Iの劣化は式(2),式(3)において、次の式(8),(9)の条件が満たされるときに起こる。
【0017】
【数6】
Figure 0003560046
【0018】
ここでcは複素数である。
これ以降、補助アンテナ2a,2bの受信信号x(k),x(k)における受信機4a,4bの内部雑音n(k),n(k)は、干渉波信号Ga(k),Ga(k)に比べて十分小さいとして無視する。
また、以降の説明において、2つの位相差が等しいとは、2つの位相差が、zを整数として、2πz(ラジアン)だけ違う場合も含まれるものとする。
式(8)が満たされるとき、x(k)における干渉波Jの成分a(k)δ(0,0)と干渉波Jの成分a(k)δ(0,1)の位相差と、x(k)における干渉波Jの成分a(k)δ(1,0)と干渉波Jの成分a(k)δ(1,1)の位相差とが一致するので、補助アンテナ2a,2bの受信信号x(k),x(k)の間に次のような関係が成り立つ。
【0019】
【数7】
Figure 0003560046
【0020】
式(10)より、x(k),x(k)は1次従属となる。
さらに、このとき、式(9)が同時に満たされる場合、主アンテナ1の受信信号の干渉波成分をx′(k)とすると、x′(k)における干渉波Jの成分a(k)と干渉波Jの成分a(k)の位相差は、x(k)における干渉波Jの成分a(k)δ(0,0)と干渉波Jの成分a(k)δ(0,1)の位相差、及びx(k)における干渉波Jの成分a(k)δ(1,0)と干渉波Jの成分a(k)δ(1,1)の位相差と一致しないので、x′(k)とx(k),x(k)の間に式(11)を満たすc′が存在しない。
よって、x′(k)はx(k),x(k)に対して、独立となる。
【0021】
【数8】
Figure 0003560046
【0022】
このため、どのような荷重w,wを選んでも、合成信号y(k)は、x(k),x(k)の1次結合であるので、x′(k)と等しくすることは出来ない。よって、この場合干渉波の抑圧性能Iは大きく劣化する。
一般に、サイドローブキャンセラでは、Nを自然数とし、N波の干渉波を抑圧するのに、N個の補助アンテナを用いた場合、以上のように複数の干渉波を受信すると、その抑圧性能は入射方向に大きく依存し、干渉波の入射方向によっては大きく抑圧性能が劣化する。
【0023】
図18は、特開平4−117802に示された従来の他のサイドローブキャンセラー装置の構成図である(従来例2と呼ぶ)。
図において、1は所望信号方向にゲインを有する主アンテナ、2a,2b,2cは同一直線上にない補助アンテナ、3,4a,4bは受信機、5a,5bは補助アンテナの受信信号から選んだ2つの受信信号に重み付けをする乗算器、7は乗算器5a,5bの出力信号を加算する加算器、6は主アンテナの受信信号と加算器7の出力信号の差をとる減算器、8は減算器6の出力である差信号と補助アンテナの受信信号から選んだ2つの受信信号の重みを計算する荷重計算手段、10は適応フィルタ、37は補助アンテナの受信信号のうち2つの受信信号を切替える切替装置、38は減算器6の出力信号の電力を最小にするように切替装置37を制御する切替制御器であり、
Nを2以上の自然数として、同一直線上にない補助アンテナ(N+1)個の受信信号のうちからN個の受信信号を切替える切替手段を設けて、複数の干渉波の入射方向に影響されずに干渉波抑圧性能を確保するようになっている。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】
従来のサイドローブキャンセラは以上のように構成されているので、従来例1のサイドローブキャンセラは複数の干渉波を受信した場合、その抑圧性能は入射方向に大きく依存し、干渉波の入射方向によっては大きく抑圧性能が劣化する。これに対して、従来例2のサイドローブキャンセラは同一直線上にない補助アンテナ(N+1)個の受信信号のうちからN個の受信信号を切替える切替手段を設け、複数の干渉波の入射方向に影響されずに干渉波抑圧性能を確保するようになっているが、補助アンテナの数が干渉波の数より多く必要とし、且つ補助アンテナの受信信号を切替える切替手段を必要とするなど構成が複雑になるという課題があった。
【0025】
この発明では上記の課題を解消するためになされたもので、第1と第2の干渉波の入射方向に影響されずに干渉波抑圧性能を確保でき、且つ構成の簡単なサイドローブキャンセラを得ることを目的としている。
【0026】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1に係わる発明は、サイドローブから入射する複数の干渉波を抑圧するサイドローブキャンセラにおいて、主アンテナと、第1と第2の補助アンテナと、上記各補助アンテナの受信信号を入力とする適応フィルタと、上記主アンテナの受信信号と上記適応フィルタの出力信号との差信号を出力する減算手段と、を備え、
上記主アンテナと上記第1と第2の補助アンテナの位相中心を同一直線上に置き、上記主アンテナと上記第1の補助アンテナの位相中心間の距離をd1、上記第1と第2の補助アンテナの位相中心間の距離をd2とし、nを自然数とし、d1とd2の比をn対1を基準として配置したものである。
【0029】
または、サイドローブから入射する複数の干渉波を抑制するサイドローブキャンセラにおいて、主アンテナと、第1と第2の補助アンテナと、上記各補助アンテナの受信信号を入力とする適応フィルタと、上記主アンテナの受信信号と上記適応フィルタの出力信号との差信号を出力する減算手段と、
上記減算手段の出力電力が最小値となる上記補助アンテナの所要位置に上記補助アンテナの位相中心を設定する手段を備え、
上記補助アンテナの位相中心を設定する手段として、減算手段の出力電力が最小値となる補助アンテナの位置を求める制御手段と、上記制御手段出力に基づいて上記補助アンテナの位相中心の位置を動かす移動手段と、を備えたものである。
【0030】
または、サイドローブから入射する複数の干渉波を抑制するサイドローブキャンセラにおいて、主アンテナと、第1と第2の補助アンテナと、上記各補助アンテナの受信信号を入力とする適応フィルタと、上記主アンテナの受信信号と上記適応フィルタの出力信号との差信号を出力する減算手段と、
上記減算手段の出力電力が最小値となる上記補助アンテナの所要位置に上記補助アンテナの位相中心を設定する手段を備え、
上記補助アンテナの位相中心を設定する手段として、減算手段の出力電力の変化分を求め補助アンテナの移動量を求める制御手段と、上記制御手段出力に基づいて上記補助アンテナの位相中心を動かす移動手段と、を備えたものである。
【0031】
または、サイドローブから入射する複数の干渉波を抑圧するサイドローブキャンセラにおいて、Nを3以上の自然数とし、N個の素子アンテナと上記素子アンテナの受信信号を合成する合成器とを有する主アンテナと、
上記N個の素子アンテナのうちから選択した第1と第2の補助アンテナの受信信号を入力とする適応フィルタと、
上記主アンテナの受信信号と上記適応フィルタの出力信号との差信号を出力する減算手段と、を備え、
上記主アンテナと上記第1と第2の補助アンテナの位相中心を同一直線上に置き、上記主アンテナと第1の補助アンテナの位相中心間の距離をd1、上記第1と第2の補助アンテナの位相中心間の距離をd2とし、nを自然数として、d1とd2の比をn対1を基準として配置したものである。
【0032】
また更に、サイドローブキャンセラにおいて、主アンテナのビーム方向に応じて、上記主アンテナを構成するN個の素子アンテナのうちから選択する第1と第2の補助アンテナを切替える切替手段を備えたものである。
【0033】
【作用】
以上のように構成された、請求項1に係わる発明のサイドローブキャンセラでは、主アンテナと第1と第2の補助アンテナの位相中心を同一直線上に置き、主アンテナと第1の補助アンテナの位相中心間の距離と、第1と第2の補助アンテナの位相中心間の距離の比をn対1を基準として配置することにより、
第1と第2の補助アンテナ間で生じる、第1の干渉波の受信位相差と、第2の干渉波の受信位相差とが一致して、第1と第2の補助アンテナの受信信号が1次従属となる場合には、主アンテナと第1の補助アンテナ間で生じる、第1の干渉波の受信位相差と、第2の干渉波の受信位相差とが一致して、主アンテナの受信信号の干渉波成分と第1の補助アンテナの受信信号は1次従属となり、簡単な構成で、第1と第2の干渉波の入射方向に影響されずに干渉波の抑圧性能の劣化を防ぐことができる。
【0036】
または、主アンテナと、第1と第2の補助アンテナと、上記各補助アンテナの受信信号を入力とする適応フィルタと、上記主アンテナの受信信号と上記適応フィルタの出力信号との差信号を出力する減算手段と、上記減算手段の出力電力が最小値となる上記補助アンテナの所要位置に上記補助アンテナの位相中心を設定する手段と、を備え、補助アンテナの位相中心を設定する手段として、
減算手段の出力電力が最小値となる上記補助アンテナの位置を求める制御手段と、上記制御手段出力に基づいて上記補助アンテナの位相中心の位置を動かす移動手段とを備えたことにより、補助アンテナを増さずに、第1と第2の干渉波の入射方向に影響されずに干渉波の抑圧性能の劣化を防ぐことができる。
【0037】
または、主アンテナと、第1と第2の補助アンテナと、上記各補助アンテナの受信信号を入力とする適応フィルタと、上記主アンテナの受信信号と上記適応フィルタの出力信号との差信号を出力する減算手段と、上記減算手段の出力電力が最小値となる上記補助アンテナの所要位置に上記補助アンテナの位相中心を設定する手段と、を備え、補助アンテナの位相中心を設定する手段として、
減算手段の出力電力の変化分を求めて補助アンテナの移動量を求める制御手段と、上記制御手段出力に基づいて上記の補助アンテナの位相中心を動かす移動手段とを備えたことにより、補助アンテナを増さずに、第1と第2の干渉波の入射方向に影響されずに干渉波の抑圧性能の劣化を防ぐことができる。
【0038】
または、Nを3以上の自然数とし、主アンテナを構成するN個の素子アンテナのうちから第1と第2の補助アンテナを選択し、上記主アンテナと上記第1と第2の補助アンテナの位相中心を同一直線上に置き、上記主アンテナと第1の補助アンテナの位相中心間の距離をd1、上記第1と第2の補助アンテナの位相中心間の距離をd2とし、nを自然数として、d1とd2の比をn対1を基準として配置することにより、サイドローブキャンセラの構成要素を変えずに、第1と第2の干渉波の入射方向に影響されずに干渉波抑圧性能の劣化を防ぐことができる。
【0039】
また更に、主アンテナのビーム方向に応じて、上記主アンテナを構成するN個の素子アンテナのうちから選択する第1と第2の補助アンテナを切替える切替手段を備えることにより、
主アンテナがビーム方向を変えたときも、簡単な構成で、第1と第2の干渉波の入射方向に影響されずに干渉波の抑圧性能の劣化を防ぐことができる。
【0040】
【実施例】
実施例1.
図1はこの発明の実施例1を示す構成図である。従来装置と同一部分には同一符号を付し説明を省く。
この実施例1の特徴は、主アンテナ1と第1と第2の補助アンテナ2a,2bの位相中心を直線上に置き、主アンテナ1と主アンテナに近い第1の補助アンテナ2aの位相中心間の距離をd1、第1と第2の補助アンテナ2a,2bの位相中心間の距離をd2とし、nを自然数として、d1とd2の比を、n対1を基準として配置しているところにある。
ここで、位相中心とはアンテナの電気的な中心を表す。以下の説明においてアンテナの位置とは上記位相中心の位置のことである。
【0041】
図2において、直線上に、主アンテナ1と第1と第2の補助アンテナ2a,2bの位相中心を配置し、干渉波J,Jが入射するとき、第1と第2の補助アンテナ2a,2b間で生じる、干渉波Jの受信位相差21、干渉波Jの受信位相差22、及び主アンテナ1と第1の補助アンテナ2a間で生じる、干渉波Jの受信位相差23、干渉波Jの受信位相差24、を定義する。
ここで、2つの補助アンテナ2a,2b間で生じる、干渉波Jの受信位相差21と、干渉波Jの受信位相差22が一致すると、図1における第1と第2の補助アンテナ2a,2bの受信信号x(k),x(k)の間に式(10)で示される関係が成り立ち、2つの補助アンテナの受信信号は1次従属となる。
この場合、主アンテナ1の受信信号d(k)の干渉波成分x′(k)と、第1と第2の補助アンテナ2a,2bの受信信号x(k),x(k)が1次従属でない場合には、サイドローブキャンセラは干渉波を抑圧することができないが、1次従属の場合には、干渉波を抑圧することができる。
そこで、主アンテナ1の受信信号d(k)の干渉波成分x′(k)と、第1と第2の補助アンテナ2a,2bの受信信号x(k),x(k)が1次従属となる条件を考える。
図2に示すように、主アンテナに対する補助アンテナ2aの位置ベクトルをva、補助アンテナ2aに対する補助アンテナ2bの位置ベクトルをvdと表し、干渉波J,Jの入射方向単位ベクトルを夫々e0,e1とする。
このとき、条件式(8)は、複素数cの絶対値が1であるので、条件式(8)の偏角の条件を位置ベクトルvdを用いて次のように書き替える。
【0042】
【数9】
Figure 0003560046
【0043】
このときに、式(9)が満たされず、δ(0,0)=δ(0,1)となれば、主アンテナ1の受信信号d(k)の干渉波成分x′(k)と補助アンテナの受信信号x(k)は1次従属となり、抑圧性能の劣化を防ぐことが出来る。
条件式δ(0,0)=δ(0,1)の偏角の条件を位置ベクトルvaを用いて次のように書き替える。
【0044】
【数10】
Figure 0003560046
【0045】
式(12)と式(13)が同時に成り立つための位置ベクトルva,vdの条件は次式で与えられる。
【0046】
【数11】
Figure 0003560046
【0047】
これは、図1に示すように、直線上に、主アンテナ1と第1と第2の補助アンテナ2a,2bの位相中心を置き、主アンテナ1と第1の補助アンテナ2aの位相中心間の距離をd1、第1と第2の補助アンテナ2a,2bの位相中心間の距離をd2とし、d1とd2の比をn対1とすることである。
【0048】
図3は、図17と同じパラメータを用い、第1と第2の補助アンテナ2a,2bの位相中心の位置をそれぞれ(0.1 ,0 ,0 )(0.2 ,0 ,0 )(単位はm)として、主アンテナ1と第1と第2の補助アンテナ2a,2bの位相中心を直線上に置き、主アンテナ1と第1の補助アンテナ間の距離と、第1と第2の補助アンテナ2a,2b間の距離との比を、1対1とした場合のサイドローブキャンセラの抑圧性能Iを示すもので、干渉波J,Jの入射方向によらず、良好な抑圧性能が得られていることがわかる。
【0049】
以上のように、主アンテナ1と第1と第2の補助アンテナ2a,2bを配置することにより、干渉波J,Jが入射するとき、簡単な構成で、干渉波の入射方向に影響されずに、干渉波の抑圧性能を確保できるサイドローブキャンセラを得ることができる。
【0050】
実施例2.
図4はこの発明の実施例2を示す構成図である。従来装置と同一部分には同一符号を付し説明を省く。
この実施例2の特徴は、主アンテナ1と第1と第2の補助アンテナ2a,2bの位相中心を直線上に置き、第1と第2の補助アンテナ2a,2b間の距離を所望波Sの波長の2分の1以下にしているところにある。
【0051】
このようにすると、干渉波J,Jの波長λ,λがほぼ等しいとき、第1と第2の補助アンテナ2a,2b間において生ずる干渉波Jの受信位相差21と、干渉波Jの受信位相差22が一致する場合は、干渉波Jの入射方向ベクトルe0と位置ベクトルvdのなす角と、干渉波Jの入射方向ベクトルe1と位置ベクトルvdのなす角とがほぼ等しいときに限られる。この条件は次式で与えられる。
【0052】
【数12】
Figure 0003560046
【0053】
これは、式(12)でmが0である場合である。このとき、式(13)が同時に満たされるための位置ベクトルva,vdの条件は次式で与えられる。
【0054】
【数13】
Figure 0003560046
【0055】
式(16)は、主アンテナ1と補助アンテナ2a,2bの位相中心を直線上に配置することを示している。
以上のように、第1と第2の補助アンテナ2a,2b間の距離を所望波Sの波長の2分の1以下にして、主アンテナ1と補助アンテナ2a,2bの位相中心を直線上に配置することにより、
式(12)が満たされ、第1と第2の補助アンテナ2a,2b間において生ずる干渉波Jの受信位相差21と、干渉波Jの受信位相差22が一致する場合でも、式(13)が満たされ、干渉波Jの受信位相差23と干渉波Jの受信位相差24も一致するので、主アンテナ1の受信信号d(k)の干渉波成分x′(k)と第1の補助アンテナの受信信号x(k)は1次従属となり、サイドローブキャンセラは干渉波を抑圧することができる。
【0056】
図5は、図17と同じパラメータを用い、第1と第2の補助アンテナ2a,2bの位相中心の位置を夫々(0 ,0 ,0.1 )(0.02,0 ,0.1 )(単位はm)として、主アンテナ1と第1と第2の補助アンテナ2a,2bの位相中心が直線上になく、第1と第2の補助アンテナ2a,2b間の距離を所望波Sの波長の2分の1以下とした場合のサイドローブキャンセラの抑圧性能Iを示すものであり、干渉波Jの入射方向を固定して、干渉波Jの入射アジマス角方向を動かすときアジマス角が41度付近で、抑圧性能Iの劣化がみられる。
【0057】
一方、図6は、図17と同じパラメータを用い、第1と第2の補助アンテナ2a,2bの位相中心の位置を夫々(0.1 ,0 ,0 )(0.12,0 ,0 )(単位はm)として、図4に示すように、主アンテナ1と第1と第2の補助アンテナ2a,2bの位相中心を直線上に置き、第1と第2の補助アンテナ間の距離を所望波Sの波長の2分の1以下とした場合のサイドローブキャンセラの抑圧性能Iを示すもので、干渉波J,Jの入射方向によらず、良好な抑圧性能が得られていることがわかる。
【0058】
以上のように、主アンテナ1と第1と第2の補助アンテナ2a,2bを配置することにより、干渉波J,Jが入射するとき、簡単な構成で、第1と第2の干渉波の入射方向に影響されずに、干渉波の抑圧性能を確保できるサイドローブキャンセラを得ることができる。
【0059】
実施例3.
図7はこの発明の実施例3を示す構成図である。従来装置と同一部分には同一符号を付し説明を省く。
この実施例3の特徴は補助アンテナの位相中心を所要位置に設定する手段として、減算手段の出力電力が最小値となる補助アンテナの所要位置に上記補助アンテナの位相中心を設定するようにしたものである。
【0060】
最初の調整段階で所望波Sがなく、干渉波J,Jが入射する場合、第1と第2の補助アンテナ2a,2b間において生ずる、干渉波Jの受信位相差21と、干渉波Jの受信位相差22が一致して、サイドローブキャンセラが干渉波を抑圧出来ない場合には、減算器6の出力に干渉波成分が含まれるので出力電力が大きくなる。即ち、減算器6の出力電力が小さいほど抑圧性能が良いことになる。
この実施例では、先ず、制御手段14は、補助アンテナ2bのアンテナ位置L(n)に対応した減算器6の出力電力を記憶手段16に記憶し、記憶データから減算器6の出力電力を最小とするアンテナ位置L(n)を選び出し、移動手段15に指令を与えて、補助アンテナ2bの位相中心をアンテナ位置L(n)に移動するものである。
ここで、位相中心の移動とは、機械的な移動に限るものではなく、電気的な移動、即ち移相器による位相の移動でもよい。
【0061】
以上のように、所定の補助アンテナの位相中心を所要位置に設定することにより、干渉波J,Jが入射するとき、補助アンテナの数を増加することなく、干渉波の入射方向に影響されずに、干渉波の抑圧性能を確保できるサイドローブキャンセラを得ることができる。
【0062】
実施例4.
実施例3における補助アンテナの位相中心を所要位置に設定する手段は、減算手段の出力電力が最小となる補助アンテナの所要位置に補助アンテナの位相中心を設定するようにしたものであるが、自動的に制御するものに限らず、サイドローブキャンセラの操作員が上記の所要位置に手動操作で補助アンテナの位相中心を移動させるものでもよい。
【0063】
実施例5.
図8はこの発明の実施例5を示す補助アンテナの位相中心を所要位置に設定する手段の動作を説明するフローチャートである。
図7,図8を参照して動作について説明する。ここでは第1と第2の補助アンテナのうち第2の補助アンテナ2bを所定の補助アンテナとし、補助アンテナ2bの位相中心の位置をnを自然数としL(n)と表す。
先ず、ステップ41において、制御手段14はnを1に設定し、
次に、ステップ42,43において、補助アンテナ2bをアンテナ位置L(n)へ移動し、
次に、ステップ44において、減算器6の出力信号の電力P(n)を記憶手段16に保存し、
次に、ステップ45において、nが所定の最大値になるまでステップ42〜44をnを1ずつ増して繰り返し、全てのアンテナ位置L(n)について上記電力P(n)を保存し、
次に、ステップ47において、制御手段14は保存データの中から電力P(n)が最小であるアンテナ位置L(n)を選択し、
次に、ステップ48において、制御手段14の指令により移動手段15は補助アンテナ2bの位相中心をアンテナ位置L(n)へ移動する。
【0064】
以上のように、図7に示した構成のサイドローブキャンセラの補助アンテナの位相中心を所要位置に設定する手段が動作し、制御手段14が減算器の出力電力が最小となるアンテナ位置L(n)を求め、移動手段15が補助アンテナの位相中心を上記アンテナ位置L(n)へ動かすことにより、干渉波J,Jが入射する場合、補助アンテナの数を増加することなく、干渉波の入射方向に影響されず干渉波の抑圧性能を確保できるサイドローブキャンセラを得ることができる。
【0065】
実施例6.
図9はこの発明の実施例6を示す補助アンテナの位相中心を所要位置に設定する手段の動作を説明する他のフローチャートである。
図7,9を参照して動作について説明する。ここでは第1と第2の補助アンテナのうち第2の補助アンテナ2bを所定の補助アンテナとし、補助アンテナ2bの位相中心の位置をnを自然数としL(n)と表す。
先ず、ステップ41において制御手段14がnを1に設定し、
次に、ステップ42,43において、補助アンテナ2bをアンテナ位置L(n)へ移動し、
次に、ステップ44において、減算器6の出力信号の電力P(n)を記憶手段16に保存し、
次に、ステップ51において、nが2より小さいならnを1だけ増してステップ42〜44を繰り返し、nが2以上ならば、ステップ52において前回測定した電力との変化分ΔP=P(n)−P(n−Δn)を計算し、
次に、ステップ53において、適当な定数kを乗じて小数点以下を切り捨てて、移動量Δnを計算する。
以上の1連のステップ42〜54をΔnが0となるまで繰り返す。
【0066】
図10に補助アンテナ2bのアンテナ位置L(n)と、減算器6の出力電力P(n)の関係を示す。
図10に示すように減算器6の出力電力が最小となるアンテナ位置L(n)付近では、電力変化分ΔPが小さくなる。
電力変化分ΔPがkより小さくなれば、Δnが0となるので、この時点で補助アンテナの位相中心の移動を中止するので最適なアンテナ位置に補助アンテナの中心位相の位置を設定することができる。
【0067】
以上のように、図7に示した構成のサイドローブキャンセラの補助アンテナの位相中心を所要位置に設定する手段が動作し、制御手段14が減算器の出力電力の変化分を求めて補助アンテナの移動量Δnを求め、移動手段15が補助アンテナの位相中心を上記補助アンテナの移動量Δnが0となるよう動かして、減算器6の出力電力が最小となるアンテナ位置L(n)に設定することにより、干渉波J,Jが入射する場合も、補助アンテナの数を増加することなく、干渉波の入射方向に影響されず干渉波の抑圧性能を確保できるサイドローブキャンセラを得ることができる。
本実施例は、実施例5の場合よりも短時間で補助アンテナを上記所要位置へ移動させることができる利点がある。
【0068】
実施例7.
図11はこの発明の実施例7を示す構成図である。
図11において、34は主アンテナであり、Nを自然数とし、N個の素子アンテナ31と、上記各素子アンテナに縦続接続する受信機32と、受信機32の出力信号を合成する合成器33とを有している。
主アンテナを構成するN個の素子アンテナ31のうち素子アンテナ31a,31bを第1と第2の補助アンテナとし、上記第1と第2の補助アンテナの受信信号を適応フィルタ10に入力する。
従来装置と同一部分には同一符号を付し説明を省く。
図12に主アンテナ34の素子アンテナ配列の1例を示す。
この実施例7の特徴は、主アンテナ34の位相中心C1と第1と第2の補助アンテナの位相中心が同一直線上にあり、主アンテナ34と第1の補助アンテナの位相中心間の距離と、第1と第2の補助アンテナの位相中心間の距離の比が、nを自然数とし、n対1となるものが選ばれている。
以上のような構成をとることにより実施例1と同様の効果が得られる。
【0069】
実施例8.
図13はこの発明の実施例8を示す構成図である。
図13において、34は主アンテナであり、Nを自然数とし、N個の素子アンテナ31と、上記各素子アンテナに縦続接続する受信機32と、受信機32の出力信号を合成する合成器33とを有している。
主アンテナを構成するN個の素子アンテナ31のうち素子アンテナ31a,31bを第1と第2の補助アンテナとして、上記第1と第2の補助アンテナの受信信号を適応フィルタ10に入力する。
また、切替手段36を備え、主アンテナを構成するN個の素子アンテナ31のうち上記素子アンテナ31c,31dを第1と第2の補助アンテナとして、この補助アンテナの受信信号を適応フィルタ10に入力することが出来る。
図14に、主アンテナ34を構成する素子アンテナの配列の一例を示す。
上記素子アンテナ31a,31bは、主アンテナ34の1つの位相中心C1を通る直線上にあり、且つ、主アンテナ34の位相中心C1と素子アンテナ31a間の距離と、素子アンテナ31aと31b間の距離の比がn対1となるものが選ばれている。
また、素子アンテナ31c,31dは、主アンテナ34が主ビームの向きを変えたとき、予め決まる位相中心C2を通る直線上にあり、主アンテナ34の位相中心C2と素子アンテナ31c間の距離と、素子アンテナ31cと31d間の距離の比がn対1となるものが選ばれている。
従来装置と同一部分には同一符号を付し説明を省く。
【0070】
本実施例において、例えば、主アンテナ34の位相中心がC1にあるときには素子アンテナ31a,31bが第1と第2の補助アンテナとして選ばれ、主アンテナ34が主ビームの向きを変え、主アンテナ34の位相中心がC2にあるときには素子アンテナ31c,31dが第1と第2の補助アンテナとして選ばれ、切替手段36により素子アンテナ31c,31dの受信信号が適応フィルタ10に入力する。
【0071】
以上のように、主アンテナが主ビームの向きを変えて、主アンテナ34の位相中心が移動する場合でも、主アンテナ34の位相中心と、第1,第2の素子アンテナの位相中心は直線上にあり、nを自然数とし、主アンテナと第1の補助アンテナの位相中心間の距離と、第1と第2の補助アンテナの位相中心間の距離の比がn対1となるものが選ばれている。
以上のような構成をとることにより実施例1と同様の効果が得られる。
【0072】
【発明の効果】
以上のように請求項1に係わる発明によれば、主アンテナと第1と第2の補助アンテナの位相中心を同一直線上に配置し、主アンテナと第1の補助アンテナの位相中心間の距離と、第1と第2の補助アンテナの位相中心間の距離との比をnを自然数としn対1を基準として配置して、簡単な構成で、第1と第2の干渉波の入射方向に影響されずに、干渉波抑圧性能を確保できるサイドローブキャンセラを得ることができる。
【0075】
または、補助アンテナの位相中心を所要位置に設定する手段として、減算手段の出力電力が最小値となる上記補助アンテナの位置を求める制御手段と、上記制御手段出力に基づいて上記補助アンテナの位相中心の位置を動かす移動手段とを備え、補助アンテナを増さずに、第1と第2の干渉波の入射方向に影響されずに、干渉波抑圧性能を確保できるサイドローブキャンセラを得ることができる。
【0076】
または、補助アンテナの位相中心を所要位置に設定する手段として、減算手段の出力電力の変化分を求めて補助アンテナの移動量を求める制御手段と、上記制御手段出力に基づいて上記の補助アンテナの位相中心を動かす移動手段とを備え、補助アンテナを増さずに、第1と第2の干渉波の入射方向に影響されずに、干渉波抑圧性能を確保できるサイドローブキャンセラを得ることができる。
【0077】
または、Nを3以上の自然数とし、主アンテナを構成するN個の素子アンテナのうちから第1と第2の補助アンテナを選択し、上記主アンテナと上記第1と第2の補助アンテナの位相中心を同一直線上に置き、上記主アンテナと第1の補助アンテナの位相中心間の距離をd1、上記第1と第2の補助アンテナの位相中心間の距離をd2とし、nを自然数として、d1とd2の比をn対1を基準として配置して、サイドローブキャンセラの構成要素を変えずに、第1と第2の干渉波の入射方向に影響されずに、干渉波抑圧性能を確保できるサイドローブキャンセラを得ることができる。
【0078】
また更に、主アンテナのビーム方向に応じて、上記主アンテナを構成するN個の素子アンテナのうちから選択する第1と第2の補助アンテナを切替える切替手段を備え、
主アンテナがビーム方向を変えたときも、簡単な構成で、第1と第2の干渉波の入射方向に影響されずに干渉波の抑圧性能を確保できるサイドローブキャンセラを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1に係わる発明の実施例1を示す構成ブロック図である。
【図2】主アンテナと第1と第2の補助アンテナ間で生ずる、干渉波Jの受信位相差と干渉波Jの受信位相差について説明する図である。
【図3】図1のサイドローブキャンセラの性能を示す図である。
【図4】請求項2に係わる発明の実施例2を示す構成ブロック図である。
【図5】図4のサイドローブキャンセラの性能を従来と比較する図である。
(主アンテナと第1と第2の補助アンテナが直線上にない場合)
【図6】図4のサイドローブキャンセラの性能を示す図である。
(主アンテナと第1と第2の補助アンテナが直線上にある場合)
【図7】請求項3に係わる発明の実施例3を示す構成ブロック図である。
【図8】請求項4に係わる発明の実施例5を示す図7の制御手段と移動手段の動作を説明するフローチャートである。
【図9】請求項5に係わる発明の実施例6を示す図7の制御手段と移動手段の動作を説明するフローチャートである。
【図10】図9の補助アンテナの位置と、サイドローブキャンセラの出力電力(減算器の出力電力)との関係を示す図である。
【図11】請求項6に係わる発明の実施例7を示す構成ブロック図である。
【図12】図11の主アンテナ(アレーアンテナ)を構成する素子アンテナの配列を示す図である。
【図13】請求項7に係わる発明の実施例8を示す構成ブロック図である。
【図14】図13の主アンテナ(アレーアンテナ)を構成する素子アンテナの配列を示す図である。
【図15】従来のサイドローブキャンセラを示す構成ブロック図である。
【図16】波の入射方向およびアンテナ配置の説明図である。
【図17】図15の従来のサイドローブキャンセラの性能を示す図である。
【図18】従来の他のサイドローブキャンセラを示す構成ブロック図である。
【符号の説明】
1 主アンテナ
2a,2b 補助アンテナ
3 主アンテナの受信機
4a,4b 補助アンテナの受信機
5a,5b 乗算器
6 減算器(減算手段)
7 加算器
8 荷重計算手段
10 適応フィルタ
14 制御手段
15 移動手段
16 記憶手段
21 補助アンテナ2a,2b間で生ずる干渉波Jの受信位相差
22 補助アンテナ2a,2b間で生ずる干渉波Jの受信位相差
23 主アンテナと補助アンテナ2a間で生ずる干渉波Jの受信位相差
24 主アンテナと補助アンテナ2a間で生ずる干渉波Jの受信位相差
31,31a,31b,31c,31d 素子アンテナ
32,32a,32b,32c,32d 素子アンテナの受信機
33 合成器
34 主アンテナ
36 切替手段

Claims (5)

  1. サイドローブから入射する複数の干渉波を抑制するサイドローブキャンセラにおいて、
    主アンテナと、第1と第2の補助アンテナと、
    上記各補助アンテナの受信信号を入力とする適応フィルタと、
    上記主アンテナの受信信号と上記適応フィルタの出力信号との差信号を出力する減算手段と、を備え、
    上記主アンテナと上記第1の補助アンテナの位相中心間の距離をd1、上記第1と第2の補助アンテナの位相中心間の距離をd2とし、nを自然数とし、d1とd2の比をn対1を基準として配置したことを特徴とするサイドローブキャンセラ。
  2. サイドローブから入射する複数の干渉波を抑制するサイドローブキャンセラにおいて、
    主アンテナと、第1と第2の補助アンテナと、
    上記各補助アンテナの受信信号を入力とする適応フィルタと、
    上記主アンテナの受信信号と上記適応フィルタの出力信号との差信号を出力する減算手段と、
    上記減算手段の出力電力が最小値となる上記補助アンテナの所要位置に上記補助アンテナの位相中心を設定する手段を備え、
    上記補助アンテナの位相中心を設定する手段として、減算手段の出力電力が最小値となる補助アンテナの位置を求める制御手段と、上記制御手段出力に基づいて上記補助アンテナの位相中心の位置を動かす移動手段と、を備えたことを特徴とするサイドローブキャンセラ。
  3. サイドローブから入射する複数の干渉波を抑制するサイドローブキャンセラにおいて、
    主アンテナと、第1と第2の補助アンテナと、
    上記各補助アンテナの受信信号を入力とする適応フィルタと、
    上記主アンテナの受信信号と上記適応フィルタの出力信号との差信号を出力する減算手段と、
    上記減算手段の出力電力が最小値となる上記補助アンテナの所要位置に上記補助アンテナの位相中心を設定する手段を備え、
    上記補助アンテナの位相中心を設定する手段として、減算手段の出力電力の変化分を求め補助アンテナの移動量を求める制御手段と、上記制御手段出力に基づいて上記補助アンテナの位相中心を動かす移動手段と、を備えたことを特徴とするサイドローブキャンセラ。
  4. サイドローブから入射する複数の干渉波を抑圧するサイドローブキャンセラにおいて、Nを3以上の自然数とし、N個の素子アンテナと上記素子アンテナの受信信号を合成する合成器とを有する主アンテナと、
    上記N個の素子アンテナのうちから選択した第1と第2の補助アンテナの受信信号を入力とする適応フィルタと、
    上記主アンテナの受信信号と上記適応フィルタの出力信号との差信号を出力する減算手段と、を備え、
    上記主アンテナと上記第1と第2の補助アンテナの位相中心を同一直線上に置き、上記主アンテナと第1の補助アンテナの位相中心間の距離をd1、上記第1と第2の補助アンテナの位相中心間の距離をd2とし、nを自然数として、d1とd2の比をn対1を基準として配置したことを特徴とするサイドローブキャンセラ。
  5. 主アンテナのビーム方向に応じて、上記主アンテナを構成するN個の素子アンテナのうちから選択する第1と第2の補助アンテナを切替える切替手段を備えたことを特徴とする請求項記載のサイドローブキャンセラ。
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