JP3559934B2 - 非水リチウム二次電池用正極活物質およびリチウム二次電池 - Google Patents

非水リチウム二次電池用正極活物質およびリチウム二次電池 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、非水リチウム二次電池の正極活物質として有効なLiNiO粒子と、該粒子を主成分とする正極板を用いて充放電容量の高容量化とサイクル性の向上を図ったリチウム二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、LiNiOを製造する代表的な技術としては、リチウム化合物とニッケル化合物との混合物を750℃程度の温度で15時間酸素気流中で焼成を行って所望のLiNiOを合成し、Liインターカレーション型の結晶構造を発達させ、リチウムイオンの移動を容易にして電池容量を高めていた。
【0003】
しかしながら、このような従来の技術にあっては、初期の高容量化のための結晶構造を得る条件(例えば出発原料や焼成条件)の検討はなされているが、容量の再現性が低く、また、二次電池としての他の特性、具体的には繰り返しの充放電(以下サイクルと称す)による容量低下を抑制する必要があるにもかかわらず、有効な対策がなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように、従来の製造法によって得られた正極活物質には、得られた物質の初期容量の再現性が悪い等の課題があり、LiNiOを正極活物質として用いる非水系リチウム二次電池において、初期容量の再現性を確保することと、サイクルによる容量低下を抑制する新規な正極活物質を開発することが望まれていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本出願人等はかかる課題を解決するために鋭意研究したところ、従来公知のLiNiO粉末であっても、特定範囲の粉末を正極活物質として用いることによって従来の問題点を解決できることを見いだし、本発明を提出することができた。
【0006】
すなわち、本発明は第1に、Ni成分の一部をCoで置換した水酸化ニッケルを用いて得られた二次粒子径が3〜30μmの範囲内にあるLiNiO粉末において、細孔体積の80%以上が50nm以下の細孔半径を有し、且つ平均細孔半径が3〜10nmの範囲内にあり、初期放電容量が174mAh/g以上であるLiNiO二次粒子からなることを特徴とする非水リチウム二次電池用正極活物質であり、第2に、Ni成分の一部をCoで置換した水酸化ニッケルを用いて得られた二次粒子径が3〜30μmの範囲内にあるLiNiO粉末において、細孔体積の80%以上が50nm以下の細孔半径を有し、且つ平均細孔半径が3〜10nmの範囲内にあり、初期放電容量が174mAh/g以上であり、50回後放電容量の減少率が22%以下であるLiNiO二次粒子からなることを特徴とする非水リチウム二次電池用正極活物質であり、第3に、二次粒子径が3〜23μmの範囲内にあるLiNiO粉末において、細孔体積の80%以上が50nm以下の細孔半径を有し、且つ平均細孔半径が3.3〜7.2nmの範囲内にあり、初期放電容量が177mAh/g以上であるLiNiO二次粒子からなることを特徴とする非水リチウム二次電池用正極活物質であり、第4に、二次粒子径が3〜23μmの範囲内にあるLiNiO粉末において、細孔体積の80%以上が50nm以下の細孔半径を有し、且つ平均細孔半径が3.3〜7.2nmの範囲内にあり、初期放電容量が177mAh/g以上であり、50回後放電容量が130mAh/g以上であるLiNiO二次粒子からなることを特徴とする非水リチウム二次電池用正極活物質であり、第5に、二次粒子径が7〜15μmの範囲内にあるLiNiO粉末において、細孔体積の80%以上が50nm以下の細孔半径を有し、且つ平均細孔半径が4〜8nmの範囲内にあり、初期放電容量が180mAh/g以上であるLiNiO二次粒子からなることを特徴とする非水リチウム二次電池用正極活物質であり、第6に、二次粒子径が7〜15μmの範囲内にあるLiNiO粉末において、細孔体積の80%以上が50nm以下の細孔半径を有し、且つ平均細孔半径が4〜8nmの範囲内にあり、初期放電容量が180mAh/g以上であり、50回後放電容量が140mAh/g以上であるLiNiO二次粒子からなることを特徴とする非水リチウム二次電池用正極活物質であり、第7に、前記LiNiO二次粒子が、水酸化リチウムと水酸化ニッケルを混合した後、成形または塊にし、次いで焼成してなるLiNiO二次粒子である、第1〜6のいずれかに記載の非水リチウム二次電池用正極活物質であり、最後に第8に、第1〜7のいずれかに記載のLiNiO二次粒子を導電剤および結着剤と混練して成形した成形体を正極板として用いることを特徴とするリチウム二次電池である。
【0007】
【作用】
電池内のリチウムの移動をモデル的に見ると、非水系の二次電池の場合には、充電時に正極活物質からリチウムが抜け出て電解液または電解質を通って負極に析出する。放電時にはこの逆の変化が生じるが、これらの時、リチウムはイオンあるいは錯体などの化合物の状態で移動すると考えられている。
【0008】
LiNiOの一次粒子は不完全ではあるが、一個のLiNiO結晶粒子と考えられており、充放電により一次粒子内のリチウムは、結晶格子のインターカレーションした層をイオンの状態で固体拡散により移動する。
【0009】
また、LiNiO活物質粉末は、一次粒子の集まった二次的な構造を有しており、これら一次粒子間の空間には多少とも電解液か電解質が保持されている。正極は、この活物質、導電剤、結着剤および電解質を含む三次構造から成り立っている。
【0010】
一般に、一次粒子と三次構造内外でのリチウムの移動について特性の良否が検討されているが、二次構造中のリチウムの移動については検討がなされていないのが現状である。しかしながら、一次粒子内の通路の大きさがオングストロームのオーダーであり、一方、三次構造中の通路の大きさがμmのオーダーであるため、特に放電時の二次構造中の通路が重要なことは自明である。
【0011】
二次構造中のリチウムの移動は、電解液を通じての液体拡散であると推定され、また、一次粒子間の空間は電解液を満たした細管と考えられており、この細管の太さは、細孔半径の平均値と分布で示されている。
【0012】
電池の見かけの容量は、一定容積に詰められる活物質の量で決まり、また充放電を繰り返す場合には、結晶構造の変化に伴い一次粒の体積変化が繰り返される。この場合、体積変化を抑制すればサイクル寿命を延ばすことができるので、一次粒子の充填は密であることが望ましいと考えられており、結果として細管径は細くなっている。
【0013】
ところが、リチウムのイオン半径は0. 7オングストロームであり、リチウムの錯体または化合物はこれより大きくなるため、移動物質の大きさに対して相対的に細管が細くなれば物質移動に対し物理的な抵抗が働くので、細管は太く、つまり一次粒子の充填は疎となる方が望ましい。従って細管径の下限は自ずから制限されることになる。
【0014】
反対に、細管の径が太すぎる場合にもサイクル性が低くなる。これは、電解液の濡れ性または毛管現象に起因するものであり、二次構造の空間への電解液の浸透が困難なため、あるいは電解液成分が選択的に吸収されるため細管が変質し、三次構造での活物質と電解質の間の電気化学的バランスが変化することが原因ではないかと推定されている。
【0015】
また、活物質粉末の粒径はリチウムの移動距離に関係し、粒径の大きな活物質粉末は、リチウムの移動に対して抵抗性を示すことが知られている。
【0016】
これらのことを考慮しながら細孔半径の適正範囲を経験的に求めたところ、細孔体積の80%以上が50nm以下の細孔半径を有し、且つ平均細孔半径が3〜10nmである活物質粉末が最適であることが分かった。
【0017】
この場合、細孔半径の分布と平均値は、ガス吸着法の吸着・脱離等温線によって求めることが望ましく、また解析はBJH法によれば充分である。
【0018】
これは以下の理由による。すなわち、水銀圧入式では測定時に粉末間の空間も測定されてしまうので粉粒子内の測定と評価が困難であり、また、ガス吸着法であっても結果の解析にM−P法を採用する必要はない。これは、現在の測定法では7オングストローム以下の細孔は不明であることによる。更に、二次構造内では、リチウムの移動はイオンとしての移動でなく、より大きな形での移動と考えられている。
【0019】
本発明の製造法について、従来法と対比しながら説明する。一般にLiNiOの製造において、ニッケル原料成分とリチウム成分を混合し、加熱により反応を行うが、必要によって粉砕も行う。この場合、ニッケル原料としては水酸化物、塩基性炭酸塩、オキシ水酸化物、酸化物が使用可能とされており、リチウム原料としては水酸化物が代表的である。
【0020】
更に焼成時の反応性を高め、結果として得られるLiNiO粉末を電池用活物質として良好な結晶相とするため、ニッケルとリチウムの成分が相互に微細かつ均質に分散することが望ましいと考えられている。
【0021】
従って、従来法においては、ニッケル原料とリチウム原料とを有機溶剤中で微粉砕・混合することによって、平均粒径が1μm前後の混合原料を得、これを乾燥した後500℃程度の温度で仮焼し、圧密成形し、焼成するが、LiNiOの焼成温度を750℃前後とすることが多い。
【0022】
この焼成により、ニッケル原料を母胎としてリチウムが拡散してLiNiOを形成するようである。この過程でLiNiOが2〜3μm程度の粒径に成長するが、顕微鏡で観察すると、二次粒子が疎であることが分かる。
【0023】
更に、水酸化ニッケルと水酸化リチウムによる公知条件での試作品は、その細孔半径が2nm前後であり、その作成ロット毎の容量とサイクル特性を測定すると測定値が安定しない。このようなLiNiO粉末は、実用レベルには程遠いものである。
【0024】
本発明法は、以上のような従来法の欠点を制御することにより、活物質としての特性の改善を意図するものである。
【0025】
本発明法において使用するリチウム原料は公知の塩であるが、水酸化リチウムで充分であり、LiNiOは、焼成によりニッケル原料を母胎として成長する。従って、LiNiO粉末の平均径と細孔を制御するには、焼成に至るまでのニッケル原料の形態が重要である。
【0026】
このような場合には、水酸化ニッケルとして比表面積が100m/g以下の範囲のものを45μm以下の粒径で用いることが反応上は望ましいが、原料の種類によって処理条件は若干異なる。
【0027】
焼成条件として、750℃付近の温度および10〜20時間の保持時間で、酸化雰囲気、好ましくは酸素気流中にて熱処理することは公知であるが、本発明法においても、これ以上の温度で処理することは不要である。
【0028】
混合した粉体を示差熱分析したところ、用いる原料の種類と組合せ工程の条件によって一定の数値とはならないが、700℃前後において吸熱ピークが観察された。この温度より低温側で熱処理されたものには高温保持特性の低下が見られることから、この吸熱ピークの示す温度より高温側で熱処理することが望ましい。
【0029】
この場合、リチウムは、焼成によりその0. 5%程度が揮発するので、必要ならば、前もってこの分を多く計量するとよい。焼成後の外観は黒色塊状となるが、正極活物質として使用するには、この塊を解碎して分級する。
【0030】
一般に電池用の正極材用活物質粉末としては、その成形方式や条件から、また短絡や保存中の放電を防ぐ理由から、経験的に、その粒径が1μm以上100μm以下の範囲内のものが適切であるとされている。本発明においても3〜30μmの平均径で同様の結果が得られたが、7〜15μmの平均径および4〜8nmの細孔半径が好ましいことが判明した。
【0031】
尚、塊の解砕と分級には一般的な装置を使用できる。
【0032】
リチウム原料とニッケル原料の成分比が、モル比においてLi/Ni=1/1ではなくても、Li/Ni=(1±0. 05)/1の範囲内にあれば、電池特性において同程度の結果が得られ、少量の添加物を用いた場合であっても、その結果が本発明の効果と同様であれば本発明の範囲に含まれる。
【0033】
このようにして得られたLiNiOを正極活物質として用い、これに、導電剤としてケッチェンブラック、結着剤としてポリテトラフルオロエチレン(P. T. F. E. )を重量比で8:1:1の割合で加えて混練し、2ton/cmの圧力で直径37mmの円盤状に加圧成形を行った。
【0034】
この加圧成形体を図1に示す試験セル内の正極4として用い、負極7には厚さ0. 7mmのリチウム金属を切り抜いたものを用いた。図中のセパレーター5にはポリプロピレンのフィルムを切り抜いたものを使用し、電解液には、プロピレンカーボネート(PC)と1,2ージメトキシエタン(DME)の体積比1:1の混合液に6フッ化リン酸リチウム(LiPF)を0. 5mol/lの濃度に溶解させたものを用いた。
【0035】
また、本発明においては、繰り返しによる放電容量の低下についても併記し、二次電池としての耐久性を相対評価した。
【0036】
以下、実施例をもって本発明を詳細に説明する。
【0037】
【実施例1】
平均径1μmの水酸化リチウムと表1に示す平均径の水酸化ニッケルとを、モル比でLi/Ni=1. 01/1となるように秤量し、これらの粉末を水や溶剤を使用せずに混合し、200℃で乾燥した。
【0038】
次いで、これらの混合粉を1kg/cmの圧力で、直径25mm、厚み2mmに成形し、酸素気流中740℃で10時間熱処理を行い、焼成物を乳鉢内にて粉砕し、表1に示すLiNiO粉末を得た。この結果、LiNiOの平均径は水酸化ニッケルに対して20%程度収縮していることが判明した。
【0039】
得られた粉末をXRD測定したところ、図2に示すように、従来報告されているLiNiOと同形のパターンを得た。
【0040】
また平均径38μm径の場合のみ、50nm以上の細孔が27%であった。
【0041】
尚、図1の中で、1は正極リード線、2はセル固定用ナット、3は正極集電体、4は正極、5はセパレーター、6はセパレーター固定用スペーサー、7は負極、8は負極集電体、9はセル固定用ビス、10は電解液注入栓、11は負極リード線をそれぞれ表す。
【0042】
次いで、これらを図1の試験セルとして組み立て、充放電試験を行った結果を表1に併せて示した。これらの結果から、平均細孔半径が3〜10nmの範囲内にある場合、繰り返しによる放電容量の低下が少ないことが判明した。
【0043】
【表1】
Figure 0003559934
【0044】
【実施例2】
水酸化リチウムと表2に示す平均径を有する水酸化ニッケルとをモル比でLi/Ni=1. 01/1となるように秤量し、これらの粉末を水中に投入した後、クエン酸を水酸化ニッケルに対して50重量%加え、60℃で撹拌しながら乾燥した。
【0045】
次いで、乾燥物を直径約2cmの塊にして酸素気流中740℃において熱処理を行い、得られた焼成物を乳鉢内にて粉砕して150メッシュの粉体を得、実施例1に示す手順で充放電試験を行った。その結果を表2に併せて示した。
【0046】
表2から、実施例1と同様に、平均細孔径が3〜10nmの範囲内にある場合、繰り返しによる放電容量の低下が少ないことが判明した。
【0047】
【表2】
Figure 0003559934
【0048】
【実施例3】
水酸化リチウム一水和物(LiOH・HO)と水酸化ニッケルを300℃で熱処理して得た酸化ニッケル(NiO)をモル比においてLi/Ni=0. 97/1およびLi/Ni=1. 04/1となるように秤量し、クエン酸をリチウムとニッケルの合量に対して60重量%添加して、水中にて90℃で4時間混合した後冷却した。
【0049】
次いで、該混合物を撹拌容器から取り出して10mm以下に解砕し、充分に乾燥させ、酸素気流中730℃で15時間熱処理を行い、焼成物を乳鉢内で粉砕したところ、酸化ニッケルの平均径は14μmで、得られたLiNiOの平均径は11μmとなった。
【0050】
熱処理後の粉末をXRD測定したところ、実施例1で示した図2と同形のパターンが得られた。
【0051】
更に、これらの粉末を正極活物質として用い、実施例1に示す手順で充放電試験をおこなったところ、各々190mAh/gと206mAh/gとなり、Li/Ni=1/1の時と同程度の電池特性を得ることができた。平均細孔半径はどちらも5nm代であり、繰り返しによる容量低下は、50回後で各々21%と17%であった。
【0052】
【実施例4】
平均粒径1μmのLiOHと平均粒径23μmの塩基性炭酸ニッケルをモル比でLi/Ni=1/1となるように秤量し、実施例1と同様の条件で乾燥した。
【0053】
次いで、得られた塊を350℃大気中で焼成し、冷却後に0. 5ton/cmの圧力で加圧成形し、直径25mm、厚み2mmの円盤状の成形体を得た。この成形体を酸素気流中750℃で10時間焼成した。
【0054】
得られた焼成物を乳鉢内で解碎して、平均径19μmの粉体を得た。この粉末をXRD測定したところ、実施例1における図2と同様の結果を得た。
【0055】
更にこの粉末を正極活物質として用い、以下実施例1と同様に試験セルを組み立てて充放電試験を行ったところ、第一サイクルの充電容量と放電容量は、各々206mAh/gと196mAh/gであった。
【0056】
また、50サイクル後の充放電容量としては、いずれも150mAh/g前後の値が得られた。この場合、使用した粉末の細孔体積の90%以上が10nm以下であり、平均細孔半径は4. 7nmであった。
【0057】
【実施例5】
Ni成分の5%または10%をCoで置換した水酸化ニッケルを二種類各自用いた他は実施例1と同様の条件で処理を行い、得られた水酸化ニッケルの粒径は共に18μmであり、得られたLiNiOの粒径は14μmであった。
【0058】
これらの粉末を用いて充放電試験を行ったところ、初期放電容量の値はそれぞれ186mAh/gと174mAh/gであり、50サイクル後の減少率はそれぞれ22%と18%であった。この場合の平均細孔半径は6. 3と7. 2nmであるが、これらの粉末を用いると、平均電圧が実施例1の場合より0. 03V程度上昇していることが分かった。
【0059】
【比較例】
実施例1と同様に、LiOH・HOとNi(OH)をモル比でLi/Ni=1/1となるように秤量し、これらの粉末をエタノール中で50時間粉砕・混合し、酸素気流中750℃で15時間熱処理を行った。この場合、混合後の平均径は0. 8μmであった。
【0060】
この粉末をXRD測定したところ、実施例1における結果(図2参照)と同様の結果が得られ、また、この粉末のSEM写真を観察したところ、凝集粒子径が10μm程度となった。
【0061】
更に、この粉末を正極活物質として用い、以下実施例1と同様に試験セルを組み立てて充放電試験を行ったところ、放電容量は156mAh/gと低い値を示した。この場合、細孔体積の95%が10nm以下であり、平均細孔半径は約2nmであった。また、繰り返しによる放電容量の低下率は、50回後で46%であった。
【0062】
【発明の効果】
上述のように、本発明に示す特定範囲のLiNiO粒子を用いることによって、放電容量が高く且つサイクル性の高いリチウム二次電池用正極活物質が得られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例および比較例において作製した試験セルの断面概略図である。
【図2】実施例1で得られたLiNiO粉末のXRD回折図である。
【符号の説明】
1 正極リード線
2 セル固定用ナット
3 正極集電体
4 正極
5 セパレーター
6 セパレーター固定用スペーサー
7 負極
8 負極集電体
9 セル固定用ビス
10 電解液注入栓
11 負極リード線

Claims (8)

  1. Ni成分の一部をCoで置換した水酸化ニッケルを用いて得られた二次粒子径が3〜30μmの範囲内にあるLiNiO粉末において、細孔体積の80%以上が50nm以下の細孔半径を有し、且つ平均細孔半径が3〜10nmの範囲内にあり、初期放電容量が174mAh/g以上であるLiNiO二次粒子からなることを特徴とする非水リチウム二次電池用正極活物質。
  2. Ni成分の一部をCoで置換した水酸化ニッケルを用いて得られた二次粒子径が3〜30μmの範囲内にあるLiNiO粉末において、細孔体積の80%以上が50nm以下の細孔半径を有し、且つ平均細孔半径が3〜10nmの範囲内にあり、初期放電容量が174mAh/g以上であり、50回後放電容量の減少率が22%以下であるLiNiO二次粒子からなることを特徴とする非水リチウム二次電池用正極活物質。
  3. 二次粒子径が3〜23μmの範囲内にあるLiNiO粉末において、細孔体積の80%以上が50nm以下の細孔半径を有し、且つ平均細孔半径が3.3〜7.2nmの範囲内にあり、初期放電容量が177mAh/g以上であるLiNiO二次粒子からなることを特徴とする非水リチウム二次電池用正極活物質。
  4. 二次粒子径が3〜23μmの範囲内にあるLiNiO粉末において、細孔体積の80%以上が50nm以下の細孔半径を有し、且つ平均細孔半径が3.3〜7.2nmの範囲内にあり、初期放電容量が177mAh/g以上であり、50回後放電容量が130mAh/g以上であるLiNiO二次粒子からなることを特徴とする非水リチウム二次電池用正極活物質。
  5. 二次粒子径が7〜15μmの範囲内にあるLiNiO粉末において、細孔体積の80%以上が50nm以下の細孔半径を有し、且つ平均細孔半径が4〜8nmの範囲内にあり、初期放電容量が180mAh/g以上であるLiNiO二次粒子からなることを特徴とする非水リチウム二次電池用正極活物質。
  6. 二次粒子径が7〜15μmの範囲内にあるLiNiO粉末において、細孔体積の80%以上が50nm以下の細孔半径を有し、且つ平均細孔半径が4〜8nmの範囲内にあり、初期放電容量が180mAh/g以上であり、50回後放電容量が140mAh/g以上であるLiNiO二次粒子からなることを特徴とする非水リチウム二次電池用正極活物質。
  7. 前記LiNiO 二次粒子が、水酸化リチウムと水酸化ニッケルを混合した後、成形または塊にし、次いで焼成してなるLiNiO 二次粒子である、請求項1〜6のいずれかに記載の非水リチウム二次電池用正極活物質
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載のLiNiO二次粒子を導電剤および結着剤と混練して成形した成形体を正極板として用いることを特徴とするリチウム二次電池。
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