JP3559827B2 - 透明材料内部の処理方法およびその装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、透明材料内部の処理方法およびその装置に関し、さらに詳細には、10−13秒オーダーのパルス幅を有するフェムト秒レーザーのレーザー光に対して透明な材料の内部の改質や加工などの処理を行う際に用いて好適な透明材料内部の処理方法およびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、サブナノ秒以下のレーザー光源として、10−13秒オーダーのパルス幅を有するフェムト秒レーザーが知られている。
こうしたフェムト秒レーザー、例えば、パルス幅が100〜150フェムト秒ほどのフェムト秒レーザーから出射されたレーザー光たるフェムト秒レーザー光(本明細書においては、「フェムト秒レーザーから出射されたレーザー光」を「フェムト秒レーザー光」と適宜に称することとする。)を、レンズを用いて当該フェムト秒レーザー光に対して透明な材料(本明細書においては、所定のレーザー光に対して透明な材料を称するにあたって、単に「透明材料」と適宜に称することとする。)の内部に集光すると、当該フェムト秒レーザー光を集光された集光位置たる集光点のみに多光子吸収を生じさせ、透明材料内部における集光点の改質や加工などの処理を行うことができるという現象が知られている。
近年においては、こうした現象を利用して、フェムト秒レーザー光に対して透明なガラス材料内部において屈折率を変化させたり、結晶析出を行ったり、マイクロボイドを生成したりすることが可能であることが報告されており、さらには、光導波路や3次元メモリーあるいはフォトニック結晶やマイクロチャネルなどの作成が報告されている。
【0003】
ところで、上記した現象を利用して作成された上記したマイクロチャネルなどの構造について、フェムト秒レーザー光のビームの進行方向に平行する方向の断面の形状を観察すると、その断面形状は、フェムト秒レーザー光の集光点における当該フェムト秒レーザー光の縦方向、即ち、当該フェムト秒レーザー光のビームの進行方向に平行する方向の空間強度分布に大きく依存していることが判明した。
即ち、本願発明者の計算結果によれば、例えば、開口数(Numerical Aperture:NA)が0.46(「開口数=0.46」は、倍率20倍に相当する。)の対物レンズを用いてフェムト秒レーザー光を集光した場合には、当該集光点におけるフェムト秒レーザー光のビームの進行方向に平行する方向の空間強度分布(図2におけるY−Z平面の空間強度分布である。)は、図1(a)に示すようにフェムト秒レーザー光のビームの進行方向に延びた縦長の楕円形状の強度分布を持つことになる。
その結果、透明材料内部における改質形状や加工形状などの処理形状も、透明材料内部の集光点におけるフェムト秒レーザー光のビームの進行方向に平行する方向の空間強度分布の影響を受けて、フェムト秒レーザー光のビームの進行方向に延びた縦長の楕円形状となってしまうものであった。
【0004】
しかしながら、透明材料内部における改質形状や加工形状などの処理形状が、フェムト秒レーザー光のビームの進行方向に延びた縦長の楕円形状となることは、工業的にマイクロチャネルや光導波路などを作成して利用することを考慮した場合には望ましいものではないという問題点があった。即ち、多くの場合に、透明材料内部における改質形状や加工形状などの処理形状としては、フェムト秒レーザー光のビームの進行方向に平行する方向の断面の形状が真円に近いものであることが要求されるものであった。
【0005】
ここで、透明材料内部における改質形状や加工形状などの処理形状として、フェムト秒レーザー光のビームの進行方向に平行する方向の断面の形状が真円に近いものを得るためには、透明材料内部の集光点におけるフェムト秒レーザー光のビームの進行方向に平行する方向の空間強度分布を真円に近いものとすればよいことになる。
一般に、透明材料内部の集光点において、フェムト秒レーザー光のビームの進行方向に平行する方向における真円に近い空間強度分布を得て、透明材料内部における改質形状や加工形状などの処理形状として、フェムト秒レーザー光のビームの進行方向に平行する方向の断面の形状が真円に近いものを得るための手法としては、例えば、開口数の大きい対物レンズを利用することが考えられる。
確かに、開口数が1以上の対物レンズを用いてフェムト秒レーザー光を透明材料内部に集光して、当該透明材料内部における改質や加工などの処理を行った場合には、当該集光点における改質形状や加工形状などの処理形状としては、フェムト秒レーザー光のビームの進行方向に平行する方向の断面の形状に関して真円に近い形状を得られることが知られている(Hiroaki MISAWA et al., Proc.SPIE Vol.4088, p29−32)。
しかしながら、開口数が1以上の対物レンズを用いてフェムト秒レーザー光を透明材料内部に集光する場合には、ワーキングディスタンス(ワーキングディスタンスとは、対物レンズと試料、即ち、改質や加工などの処理対象の透明材料との間の距離である。)が数百μm以下(開口数が1の対物レンズを用いてフェムト秒レーザー光を透明材料内部に集光する場合には、ワーキングディスタンスは200〜300μmとなる。)となるため、透明材料内部の深い位置の領域に対して改質や加工などの処理を行うことは不可能であるという問題点が指摘されていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記したような従来の技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、数mm以上のワーキングディスタンスをとることのできる開口数の比較的小さい集光レンズを用いてフェムト秒レーザー光を透明材料内部に集光するようにしても、集光位置たる集光点における改質形状や加工形状などの処理形状として、フェムト秒レーザー光のビームの進行方向に平行する方向の断面の形状が真円に近いものを得ることができるようにした透明材料内部の処理方法およびその装置を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のうち請求項1に記載の発明は、フェムト秒レーザー光を略長方形状のスリットを通過させることにより、前記フェムト秒レーザー光のビームの進行方向に直交する方向の断面のビーム形状を略長方形状に成形し、前記進行方向に直交する方向の断面のビーム形状を略長方形状に成形したフェムト秒レーザー光をレンズに入射して、前記レンズにより前記透明材料の内部に集光し、前記透明材料の内部に集光したフェムト秒レーザー光の作用により前記透明材料の内部を処理するようにしたものである。
また、本発明のうち請求項2に記載の発明は、透明材料に対し相対的に走査されるフェムト秒レーザー光を、前記走査方向に延長して形成された略長方形状のスリットを通過させることにより、前記フェムト秒レーザー光のビームの進行方向に直交する方向の断面のビーム形状を前記走査方向に延長した略長方形状に成形し、前記進行方向に直交する方向の断面のビーム形状を前記走査方向に延長した略長方形状に成形したフェムト秒レーザー光をレンズに入射して、前記レンズにより前記透明材料の内部に集光し、前記透明材料の内部に集光したフェムト秒レーザー光の作用により前記透明材料の内部を処理するようにしたものである。
また、本発明のうち請求項3に記載の発明は、透明材料に対し相対的に走査されるフェムト秒レーザー光を、前記走査方向と直交する方向に延長して形成された略長方形状のスリットを通過させることにより、前記フェムト秒レーザー光のビームの進行方向に直交する方向の断面のビーム形状を前記走査方向と直交する方向に延長した略長方形状に成形し、前記進行方向に直交する方向の断面のビーム形状を前記走査方向と直交する方向に延長 した略長方形状に成形したフェムト秒レーザー光をレンズに入射して、前記レンズにより前記透明材料の内部に集光し、前記透明材料の内部に集光したフェムト秒レーザー光の作用により前記透明材料の内部を処理するようにしたものである。
また、本発明のうち請求項4に記載の発明は、フェムト秒レーザー光を十字型状のスリットを通過させることにより、前記フェムト秒レーザー光のビームの進行方向に直交する方向の断面のビーム形状を十字型状に成形し、前記進行方向に直交する方向の断面のビーム形状を十字型状に成形したフェムト秒レーザー光をレンズに入射して、前記レンズにより前記透明材料の内部に集光し、前記透明材料の内部に集光したフェムト秒レーザー光の作用により前記透明材料の内部を処理するようにしたものである。
また、本発明のうち請求項5に記載の発明は、レーザー光を出射するフェムト秒レーザーと、前記フェムト秒レーザーから出射されたレーザー光が通過する略長方形状のスリットを備え、前記フェムト秒レーザーから出射されたレーザー光のビームの進行方向に直交する方向の断面のビーム形状を略長方形状に成形するビーム形状成形手段と、前記ビーム形状成形手段により前記進行方向に直交する方向の断面のビーム形状を略長方形状に成形されたレーザー光を入射して、該レーザー光を透明材料の内部に集光するレンズとを有し、前記レンズにより前記透明材料の内部に集光されたレーザー光の作用により前記透明材料の内部を処理するようにしたものである。
また、本発明のうち請求項6に記載の発明は、レーザー光を出射するフェムト秒レーザーと、前記フェムト秒レーザーから出射されたレーザー光が通過する十字型状のスリットを備え、前記フェムト秒レーザーから出射されたレーザー光のビームの進行方向に直交する方向の断面のビーム形状を十字型状に成形するビーム形状成形手段と、前記ビーム形状成形手段により前記進行方向に直交する方向の断面のビーム形状を十字型状に成形されたレーザー光を入射して、該レーザー光を透明材料の内部に集光するレンズとを有し、前記レンズにより前記透明材料の内部に集光されたレーザー光の作用により前記透明材料の内部を処理するようにしたものである。
また、本発明のうち請求項7に記載の発明は、レーザー光を出射するフェムト秒レーザーと、焦点距離がf1の第1のシリドリカルレンズと焦点距離がf2の第2のシリンドリカルレンズとを、前記第1のシリンドリカルレンズと前記第2のシリンドリカルレンズとの間の距離を「f1+f2」にして、前記フェムト秒レーザーから出射されたフェムト秒レーザー光のビームの進行方向に対して直交するとともに互いに平行かつ同一方向に延長するようにして順次配置し、前記フェムト秒レーザーから出射されたレーザー光のビームの進行方向に直交する方向の断面のビーム形状を略長方形状に成形するビーム形状成形手段と、前記ビーム形状成形手段により前記進行方向に直交する方向の断面のビーム形状を略長方形状に成形されたレーザー光を入射して、該レーザー光を透明材料の内部に集光するレンズとを有し、前記レンズにより前記透明材料の内部に集光されたレーザー光の作用により前記透明材料の内部を処理するようにしたものである。
また、本発明のうち請求項8に記載の発明は、本発明のうち請求項5、請求項6または請求項7のいずれか1項に記載の発明において、さらに、前記透明材料の内部に集光されるレーザー光の集光位置を前記透明材料に対して相対的に移動する移動手段とを有するようにしたものである。
【0008】
従って、上記した本発明のうち請求項1乃至請求項8に記載の発明によれば、透明材料内部の集光点におけるフェムト秒レーザー光のビームの進行方向に平行する方向の空間強度分布が真円に近いものとなり、その結果、透明材料内部における改質形状や加工形状などの処理形状として、フェムト秒レーザー光のビームの進行方向に平行する方向の断面の形状が真円に近いものを得ることができるようになる。
即ち、上記した本発明のうち請求項1乃至請求項8に記載の発明のように、フェムト秒レーザーから出射されるレーザー光のビームの進行方向に直交する方向の断面のビーム形状を略長方形状や十字型状に成形してレンズに入射すると、回折効果により、透明材料内部の集光点におけるフェムト秒レーザー光のビームの進行方向に平行する方向の空間強度分布が真円に近いものとなるので、透明材料内部における改質形状や加工形状などの処理形状として、フェムト秒レーザー光のビームの進行方向に平行する方向の断面の形状が真円に近いものを得ることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、添付の図面に基づいて、本発明による透明材料内部の処理方法およびその装置の実施の形態の一例について詳細に説明するものとする。
【0010】
図2には、本発明による透明材料内部の処理装置の概念構成説明図が示されている。なお、この図2においては、本発明による透明材料内部の処理装置を用いて、透明材料としての感光性ガラス製の試料100の内部における処理として、試料100の内部にマイクロチャネル102を形成するために、マイクロチャネル102となる領域の改質の処理を行う場合が示されている。なお、感光性ガラスとしては、例えば、フォーチュランガラス(Forturan Glass)を用いることができる。
この図2に示す透明材料内部の処理装置は、10−13秒オーダーのパルス幅を有するフェムト秒レーザー光として、例えば、パルス幅が100〜150フェムト秒ほどのフェムト秒レーザー光を照射するフェムト秒レーザー10と、フェムト秒レーザー10から出射されたレーザー光のビームの進行方向に直交する方向の断面のビーム形状を所定の形状に成形するビーム形状成形手段としてフェムト秒レーザー10から出射されたフェムト秒レーザー光が通過する略長方形状のスリット12aが形成されたスリット部材12と、スリット部材12のスリット12aを通過したフェムト秒レーザー光を試料100の内部に集光するレンズとしての対物レンズ14とを有して構成されている。
また、この透明材料内部の処理装置は、対物レンズ14により試料100の内部に集光されるフェムト秒レーザー光の集光位置を、試料100に対して相対的に移動する移動手段としての移動テーブル200を備えており、この移動テーブル200上に試料100が載置されている。なお、移動テーブル200は、図2においてX方向、Y方向ならびにZ方向に任意に移動可能なようになされており、この移動はモータなどの駆動手段(図示せず)により制御されるものとする。
即ち、この透明材料内部の処理装置は試料100に対して位置決めされて固定されているが、試料100を移動テーブル200上に載置してX方向、Y方向ならびにZ方向に任意に移動することにより、試料100の内部に集光されるフェムト秒レーザー光の集光位置を試料100に対して相対的にX方向、Y方向ならびにZ方向に任意に移動し、試料100の内部でフェムト秒レーザー光をX方向、Y方向ならびにZ方向に任意に走査することができるように構成されている。
ここで、スリット部材12に形成された略長方形状のスリット12aは、試料100に対してフェムト秒レーザー光が相対的に走査されるX方向に延長するように形成されており、長手方向の長さLは、例えば、3mmであり、幅方向の長さWは、例えば、0.5mmである。
また、この透明材料内部の処理装置においては、対物レンズ14としては、例えば、開口数が0.46(倍率20倍)のものを用いることができる。
【0011】
以上の構成において、フェムト秒レーザー10から出射されたフェムト秒レーザー光は、スリット部材12のスリット12aを通過して、スリット12aの形状と同じビーム形状をもって対物レンズ14に入射される。即ち、フェムト秒レーザー10から出射されたフェムト秒レーザー光のビームの進行方向に直交する方向の断面のビーム形状は、当該フェムト秒レーザー光がスリット部材12のスリット12aを通過することにより略長方形状に成形され、ビームの進行方向に直交する方向の断面のビーム形状が略長方形状に成形されたフェムト秒レーザー光が対物レンズ14に入射される。
そして、対物レンズ14に入射されたフェムト秒レーザー光たる、ビームの進行方向に直交する方向の断面のビーム形状がスリット12aの形状と同じ略長方形状に成形されたビーム形状をもったフェムト秒レーザー光は、対物レンズ14により集光されて、試料100の内部に位置する集光位置たる集光点に集光される。
上記のようにして、フェムト秒レーザー光をスリット12aを通過させてから対物レンズ14により集光することにより、本願発明者の計算結果によれば、集光点におけるフェムト秒レーザー光のビームの進行方向に平行する方向の空間強度分布(図2におけるY−Z平面の空間強度分布である。)は大幅に改善され、図1(b)に示すように集光点の中心部では真円に近い形状の空間強度分布が得られる。
【0012】
ここで、本発明による透明材料内部の処理装置により空間強度分布が改善された理由は、フェムト秒レーザー光のビーム形状をスリット12aによりX方向に対して細長いビーム形状に成形したため、この方向に対して回折効果が生じ、対物レンズ14によって集光された地点でビームがY方向に広がったためである(集光点におけるフェムト秒レーザー光のビーム形状は、対物レンズ14に入射されたフェムト秒レーザー光のビーム形状をフーリエ変換したものに一致する。)。
従って、フェムト秒レーザー光のビーム形状をX方向に対して細長く成形したとき、Y方向のビーム幅は増加することになるが、集光位置における中心部分の空間強度が成形しなかった場合に比べてかなり弱くなっているため、フェムト秒レーザー光により処理される領域をより細く限定することができるようになる。
このため、Y方向のビーム幅が増加したにもかかわらず、図3乃至図4に示すように、ビームを成形した方が形成されたマイクロチャネルの幅は細くなっている。
また、図5(a)に示すように、スリット(図5(a)において符号12a’により示す。)が位置する方向を図2に示すスリット12aの方向から90度回転させて、Y方向に細長いビーム形状に成形すると、フェムト秒レーザー光の集光位置ではビームを走査する方向たるX方向に細長いビーム形状となるので、さらに細いチャネルの作成が可能となる。
【0013】
次に、図2に示す透明材料内部の処理装置を用いて行われた、本願発明者による実験結果について説明する。
なお、この実験において用いた透明材料内部の処理装置においては、スリット部材12に形成された略長方形状のスリット12aの大きさを、長手方向の長さL(図2参照)を3mmとし、幅方向の長さW(図2参照)を0.5mmとした。また、対物レンズ14は、開口数が0.46(倍率20倍)のものを用いた。さらに、フェムト秒レーザー10から出射されるフェムト秒レーザー光としては、「エネルギー=490nJ」のものを用いた。そして、試料100の内部に集光したフェムト秒レーザー光を当該試料100の内部で走査させる際の速度は、「速度=250μm/s」とした。
この実験は、透明材料内部の処理装置を用いて、感光性ガラス製の試料100の内部にマイクロチャネル102を形成するものであり、まず、フェムト秒レーザー光を試料100の内部で集光し、移動テーブル200をX方向に移動することにより、移動テーブル200上に載置された試料100をX方向に移動して、試料100に対して相対的にフェムト秒レーザー光をX方向に走査することにより、マイクロチャネル102の流路102aの改質を行う。
続いて、フェムト秒レーザー光をX方向に走査して改質した流路102aの一方の端部にフェムト秒レーザー光の集光点を位置させてから、移動テーブル200をZ方向に移動することにより、移動テーブル上に載置された試料100をZ方向に移動して、試料100に対して相対的にフェムト秒レーザー光をZ方向に走査することにより、マイクロチャネル102の流路102bの改質を行う。なお、この際に、フェムト秒レーザー光の集光点が試料100の上面100aまで走査されるように、試料100をZ方向に移動する。
同様に、フェムト秒レーザー光をX方向に走査して改質した流路102aの他方の端部にフェムト秒レーザー光の集光点を位置させてから、移動テーブル200をZ方向に移動することにより、移動テーブル200上に載置された試料100をZ方向に移動して、試料100に対して相対的にフェムト秒レーザー光をZ方向に走査することにより、マイクロチャネル102の流路102cの改質を行う。なお、この際に、フェムト秒レーザー光の集光点が試料100の上面100aまで走査されるように、試料100をZ方向に移動する。
以上のようにして、試料100に対してフェムト秒レーザー光を照射した後に熱処理を行うと、フェムト秒レーザー光を照射した領域は、フェムト秒レーザー光を照射されていない領域に対して、フッ酸溶液に関して数十倍のエッチング速度を持つ。このエッチング速度の差を利用して、フェムト秒レーザー光を照射した領域のみを選択的にエッチングすることができ、試料100の内部にマイクロチャネル102を穿設して形成した。
図3(a)(b)(c)(d)には、上記のようにして試料100に作成されたマイクロチャネル102の顕微鏡写真が示されている。なお、図3(a)(b)は、スリット部材12を用いずにフェムト秒レーザー光を直接に対物レンズ14で集光して試料100の内部に照射したという従来の場合を示し、図3(c)(d)は、スリット部材12を用いてフェムト秒レーザー光を略長方形状のスリット12aを通過させた後に対物レンズ14で集光して試料100の内部に照射した本発明の場合を示している。
また、図3(a)(c)は試料100の側面、即ち、図2におけるA矢視から観察した結果を示し、図3(b)(d)は試料100を上面100aから下面100bに向けて図2におけるB−B線に沿って機械的に切断して当該切断した試料100の内部に形成されたマイクロチャネル102のフェムト秒レーザー光のビームの進行方向に直交する方向の断面をC矢視から観察した結果を示している。
これら図3(a)(b)(c)(d)に示されているように、マイクロチャネル102の断面形状の横方向(幅方向)の長さは、図3(b)に示すものが40μmであり、図3(d)に示すものが38μmであって、スリット部材12を用いた方がわずかに細くなっている。
さらに、マイクロチャネル102の断面形状の縦方向(高さ方向)の長さは、図3(b)に示すものが119μmであり、図3(d)に示すものが60μmであって、両者の間には大きな差異がある。従って、マイクロチャネル102の断面形状の縦方向と横方向との長さの比である縦横比(アスペクト比:Aspect ratio)は、図3(b)に示すものが「3:1」となり、図3(d)に示すものが「1.6:1」となって、フェムト秒レーザー光がスリット12aを通過することによって、縦横比が「3:1」から「1.6:1」に大幅に改善された。
【0014】
図4(a)(b)には、スリット部材12に形成された略長方形状のスリット12aの大きさを、長手方向の長さLを3mmとし、幅方向の長さWを0.2mmとする点を除いては、図3に示す実験と全く同一の実験条件において実験した結果を示している。なお、図4(a)は試料100の側面、即ち、図2におけるA矢視から観察した結果を示し、図4(b)は試料100を上面100aから下面100bに向けて図2におけるB−B線に沿って機械的に切断して当該切断した試料100の内部に形成されたマイクロチャネル102のフェムト秒レーザー光のビームの進行方向に直交する方向の断面をC矢視から観察した結果を示している。
図4(a)(b)に示す実験結果によれば、略長方形状のスリット12aの幅方向の長さを0.2mmとすることにより、マイクロチャネル102の断面形状の横方向の長さが25μmとなり、マイクロチャネル102の断面形状の縦方向の長さが33μmとなって、縦横比は「1.3:1」にさらに改善された。
従って、略長方形状のスリット12aの幅方向Wの長さを短くすれば、縦横比が改善されて、マイクロチャネル102の断面形状は真円に近づく。
【0015】
なお、上記した実施の形態は、以下の(1)乃至(5)に示すように変形してもよい。
(1)上記した実施の形態においては、フェムト秒レーザーから出射されたレーザー光のビームの進行方向に直交する方向の断面のビーム形状を所定の形状に成形するビーム形状成形手段として、フェムト秒レーザー10から出射されたフェムト秒レーザー光が通過する略長方形状のスリット12aが、フェムト秒レーザー光の走査方向のうちの図2におけるX方向に沿って形成されたスリット部材12を用いたが、これに限られるものではないことは勿論である。
例えば、フェムト秒レーザー10から出射されたフェムト秒レーザー光が通過する略長方形状のスリット12a’が、フェムト秒レーザー光の走査方向のうちの図2におけるX方向と直交するY方向に沿って形成されたスリット部材12’(図5(a)参照)を用いてもよい。
また、フェムト秒レーザー10から出射されたフェムト秒レーザー光が通過するスリットとして、十字型状のスリット12a’’が形成されたスリット部材12(図5(b)参照)を用いてもよい。
さらには、フェムト秒レーザー10から出射されたフェムト秒レーザー光が通過するスリットの形状は適宜の形状を選択することができ、また、フェムト秒レーザー10から出射されたフェムト秒レーザー光に対してスリットを配置する際の配置位置も適宜に選択することができる。
ここで、図5(a)に示すようなスリットを用いた場合には、上記において説明したように、より細いマイクロチャネルを形成することが可能になる。
また、図5(b)に示すようなスリットを用いた場合には、真円(一方向に対してのみ円形)状ではなくて真球(全ての方向に対して円形)状の強度分布が得られる。従って、この図5(b)に示すようなスリットを用いることにより、マイクロチャネルや光導波路だけではなく、マイクロボイドや屈折率変化による3次元メモリーやフォトニック結晶の作成にも応用することができる。
(2)上記した実施の形態においては、フェムト秒レーザーから出射されたレーザー光のビームの進行方向に直交する方向の断面のビーム形状を所定の形状に成形するビーム形状成形手段として、フェムト秒レーザー10から出射されたフェムト秒レーザー光が通過する略長方形状のスリット12aが、フェムト秒レーザー光の走査方向に沿って形成されたスリット部材12を用いたが、これに限られるものではないことは勿論である。
即ち、スリット部材12を用いてフェムト秒レーザー10から出射されたフェムト秒レーザー光のビームの進行方向に直交する方向の断面のビーム形状を所定の形状に成形する場合には、多くのエネルギーを損失する恐れがある。こうしたエネルギーの損失の恐れを排除するためには、図6に示したように、焦点距離がf1の第1のシリンドリカルレンズ300と、焦点距離がf2の第2のシリンドリカルレンズ302とを、フェムト秒レーザー10から出射されたフェムト秒レーザー光のビームの進行方向に対して直交するとともに、互いに平行かつ同一方向に延長するようにして、フェムト秒レーザー10と対物レンズ14との間に順次配置すればよい。この際に、第1のシリンドリカルレンズ300と第2のシリンドリカルレンズ302との間の距離は、「f1+f2」とする。
以上のように構成すると、フェムト秒レーザー10から出射されて第1のシリンドリカルレンズ300と第2のシリンドリカルレンズ302とに順次に入射されたフェムト秒レーザー光のビームの進行方向に直交する方向の断面のビーム形状は、第2のシリンドリカルレンズ302から出射された際には略長方形状となり、ビームの進行方向に直交する方向の断面のビーム形状が略長方形状に成形されたフェムト秒レーザー光が対物レンズ14へ入射されて集光される。
従って、上記したように、例えば、2枚のシリンドリカルレンズを用いてフェムト秒レーザー光のビームの進行方向に直交する方向の断面のビーム形状を成形するようにすれば、損失をほとんどなくしてスリット12aを形成されたスリット部材12を用いた場合と同じ略長方形状のビーム形状を得ることができる。
(3)上記した実施の形態においては、移動テーブル200により試料100を移動することにより、試料100に対して相対的にフェムト秒レーザー光の集光点を移動したが、これに限られるものではないことは勿論である。
即ち、上記した実施の形態とは逆に、試料100に対して透明材料内部の処理装置を移動するように構成し、透明材料内部の処理装置が移動することにより試料100内部におけるフェムト秒レーザー光の集光点を走査するように構成してもよい。
(4)上記した実施の形態においては、マイクロチャネルを作成する場合について説明したが、これに限られるものではないことは勿論であり、本発明は光導波路や3次元メモリなどのその他の構造の作成にも応用することができる。
(5)上記した実施の形態ならびに上記した(1)乃至(4)に示す変形例は、適宜に組み合わせて用いるようにしてもよい。
【0016】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したように構成されているので、数mm以上のワーキングディスタンスをとることのできる開口数の比較的小さい集光レンズを用いてフェムト秒レーザー光を透明材料内部に集光するようにしても、集光点における改質形状や加工形状などの処理形状として、フェムト秒レーザー光のビームの進行方向に平行する方向の断面の形状が真円に近いものを得ることができるようになるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、開口数が0.46の対物レンズを用いてフェムト秒レーザー光を集光した場合における、当該集光点におけるフェムト秒レーザー光のビームの進行方向に平行する方向の空間強度分布の計算結果を示すシミュレーション図である。(b)は、本発明による透明材料内部の処理装置(対物レンズとしては、開口数が0.46の対物レンズを用いている。また、対物レンズに入射されるビームの形状は「0.5mm×3mm」である。)を用いてフェムト秒レーザー光を集光した場合における、当該集光点におけるフェムト秒レーザー光のビームの進行方向に平行する方向の空間強度分布の計算結果を示すシミュレーション図である。なお、(a)ならびに(b)においては、シミュレーション図の中心ほど強度が高い状態を示している。
【図2】本発明による透明材料内部の処理装置の概念構成説明図である。
【図3】(a)(b)(c)(d)は、本願発明者による実験により作成されたマイクロチャネルの顕微鏡写真である。なお、(a)(b)は、スリット部材を用いずにフェムト秒レーザー光を直接に対物レンズで集光して試料の内部に照射したという従来の場合を示し、(c)(d)は、スリット部材を用いてフェムト秒レーザー光を略長方形状のスリットを通過させた後に対物レンズで集光して試料の内部に照射した本発明の場合を示している。また、(a)(c)は試料の側面、即ち、図2におけるA矢視から観察した結果を示し、(b)(d)は試料を上面から下面に向けて図2におけるB−B線に沿って機械的に切断して当該切断した試料の内部に形成されたマイクロチャネルのフェムト秒レーザー光のビームの進行方向に直交する方向の断面をC矢視から観察した結果を示している。
【図4】(a)(b)は、本願発明者による実験により作成されたマイクロチャネルの顕微鏡写真である。なお、(a)は試料の側面、即ち、図2におけるA矢視から観察した結果を示し、(b)は試料を上面から下面に向けて図2におけるB−B線に沿って機械的に切断して当該切断した試料の内部に形成されたマイクロチャネルのフェムト秒レーザー光のビームの進行方向に直交する方向の断面をC矢視から観察した結果を示している。
【図5】(a)(b)は、スリット部材の他の構成例を示す説明図である。
【図6】スリット部材とは異なるビーム形状成形手段の構成例を示す説明図である。
【符号の説明】
10 フェムト秒レーザー
12、12’、12’’ スリット部材
12a、12a’、12a’’ スリット
14 対物レンズ
100 試料
100a 上面
100b 下面
102 マイクロチャネル
102a、102b、102c 流路
200 移動テーブル
300 第1のシリンドリカルレンズ
302 第2のシリンドリカルレンズ
Claims (8)
- フェムト秒レーザー光を略長方形状のスリットを通過させることにより、前記フェムト秒レーザー光のビームの進行方向に直交する方向の断面のビーム形状を略長方形状に成形し、
前記進行方向に直交する方向の断面のビーム形状を略長方形状に成形したフェムト秒レーザー光をレンズに入射して、前記レンズにより前記透明材料の内部に集光し、
前記透明材料の内部に集光したフェムト秒レーザー光の作用により前記透明材料の内部を処理する
透明材料内部の処理方法。 - 透明材料に対し相対的に走査されるフェムト秒レーザー光を、前記走査方向に延長して形成された略長方形状のスリットを通過させることにより、前記フェムト秒レーザー光のビームの進行方向に直交する方向の断面のビーム形状を前記走査方向に延長した略長方形状に成形し、
前記進行方向に直交する方向の断面のビーム形状を前記走査方向に延長した略長方形状に成形したフェムト秒レーザー光をレンズに入射して、前記レンズにより前記透明材料の内部に集光し、
前記透明材料の内部に集光したフェムト秒レーザー光の作用により前記透明材料の内部を処理する
透明材料内部の処理方法。 - 透明材料に対し相対的に走査されるフェムト秒レーザー光を、前記走査方向と直交する方向に延長して形成された略長方形状のスリットを通過させることにより、前記フェムト秒レーザー光のビームの進行方向に直交する方向の断面のビーム形状を前記走査方向と直交する方向に延長した略長方形状に成形し、
前記進行方向に直交する方向の断面のビーム形状を前記走査方向と直交する方向に延長した略長方形状に成形したフェムト秒レーザー光をレンズに入射して、前記レンズにより前記透明材料の内部に集光し、
前記透明材料の内部に集光したフェムト秒レーザー光の作用により前記透明材料の内部を処理する
透明材料内部の処理方法。 - フェムト秒レーザー光を十字型状のスリットを通過させることにより、前記フェムト秒レーザー光のビームの進行方向に直交する方向の断面のビーム形状を十字型状に成形し、
前記進行方向に直交する方向の断面のビーム形状を十字型状に成形したフェムト秒レーザー光をレンズに入射して、前記レンズにより前記透明材料の内部に集光し、
前記透明材料の内部に集光したフェムト秒レーザー光の作用により前記透明材料の内部を処理する
透明材料内部の処理方法。 - レーザー光を出射するフェムト秒レーザーと、
前記フェムト秒レーザーから出射されたレーザー光が通過する略長方形状のスリットを備え、前記フェムト秒レーザーから出射されたレーザー光のビームの進行方向に直交する方向の断面のビーム形状を略長方形状に成形するビーム形状成形手段と、
前記ビーム形状成形手段により前記進行方向に直交する方向の断面のビーム形状を略長方形状に成形されたレーザー光を入射して、該レーザー光を透明材料の内部に集光するレンズと
を有し、
前記レンズにより前記透明材料の内部に集光されたレーザー光の作用により前記透明材料の内部を処理する
透明材料内部の処理装置。 - レーザー光を出射するフェムト秒レーザーと、
前記フェムト秒レーザーから出射されたレーザー光が通過する十字型状のスリットを備 え、前記フェムト秒レーザーから出射されたレーザー光のビームの進行方向に直交する方向の断面のビーム形状を十字型状に成形するビーム形状成形手段と、
前記ビーム形状成形手段により前記進行方向に直交する方向の断面のビーム形状を十字型状に成形されたレーザー光を入射して、該レーザー光を透明材料の内部に集光するレンズと
を有し、
前記レンズにより前記透明材料の内部に集光されたレーザー光の作用により前記透明材料の内部を処理する
透明材料内部の処理装置。 - レーザー光を出射するフェムト秒レーザーと、
焦点距離がf1の第1のシリドリカルレンズと焦点距離がf2の第2のシリンドリカルレンズとを、前記第1のシリンドリカルレンズと前記第2のシリンドリカルレンズとの間の距離を「f1+f2」にして、前記フェムト秒レーザーから出射されたフェムト秒レーザー光のビームの進行方向に対して直交するとともに互いに平行かつ同一方向に延長するようにして順次配置し、前記フェムト秒レーザーから出射されたレーザー光のビームの進行方向に直交する方向の断面のビーム形状を略長方形状に成形するビーム形状成形手段と、
前記ビーム形状成形手段により前記進行方向に直交する方向の断面のビーム形状を略長方形状に成形されたレーザー光を入射して、該レーザー光を透明材料の内部に集光するレンズと
を有し、
前記レンズにより前記透明材料の内部に集光されたレーザー光の作用により前記透明材料の内部を処理する
透明材料内部の処理装置。 - 請求項5、請求項6または請求項7のいずれか1項に記載の透明材料内部の処理装置において、さらに、
前記透明材料の内部に集光されるレーザー光の集光位置を前記透明材料に対して相対的に移動する移動手段と
を有する透明材料内部の処理装置。
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