JP3558802B2 - 樹脂組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は樹脂組成物、より詳しくはα−オレフィン−不飽和カルボン酸共重合体系アイオノマー樹脂、およびビニル芳香族化合物−オレフィン性化合物ブロック共重合体とアクリル系樹脂からなる熱可塑性エラストマー組成物を含有する樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、α−オレフィン−不飽和カルボン酸共重合体系アイオノマー樹脂は、その優れた靱性、耐摩耗性、耐油性等を活かして自動車部品、ゴルフボール、スキー靴などに利用されているが、中でも反発弾性に優れるという特性を生かし、ゴルフボールの製造に好んで使用されている。しかしながら、α−オレフィン−不飽和カルボン酸共重合体系アイオノマー樹脂にあっては、反発弾性と硬度との間に正の相関関係があり、高い反発弾性を求めると、それに伴って硬度も高くなる。そのため、α−オレフィン−不飽和カルボン酸共重合体系アイオノマー樹脂を使用したゴルフボールは十分な反発弾性を有するものの打球感が悪いという問題がある。このため、反発弾性等の優れた特性を損なうことなく、α−オレフィン−不飽和カルボン酸共重合体系アイオノマー樹脂に柔軟性を付与することが望まれている。
【0003】
α−オレフィン−不飽和カルボン酸共重合体系アイオノマー樹脂に柔軟性を付与する試みとして、▲1▼特開平1−308577号公報には、軟質アイオノマー樹脂、すなわちオレフィン系化合物、不飽和モノカルボン酸およびアクリルエステルなどの不飽和モノマーからなる3元共重合体の塩をα−オレフィン−不飽和カルボン酸共重合体系アイオノマー樹脂に配合することが提案され、また、▲2▼特開平5−345051号公報には、特定のエチレン−アクリル酸エチル共重合体のケン化物をα−オレフィン−不飽和カルボン酸共重合体系アイオノマー樹脂に配合することが提案されている。
さらに、▲3▼米国特許第4,986,545号には、α−オレフィン−不飽和カルボン酸共重合体系アイオノマー樹脂に無水マレイン酸等によって変性された熱可塑性エラストマーを配合することが提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記▲1▼および▲2▼に記載されたα−オレフィン−不飽和カルボン酸共重合体系アイオノマー樹脂組成物から得られる成形体は、柔軟性において今一つ満足できるものではない。
一方、上記▲3▼に記載されたα−オレフィン−不飽和カルボン酸共重合体系アイオノマー樹脂組成物は柔軟性に優れた成形体を与えるものであるが、上記▲3▼によれば、α−オレフィン−不飽和カルボン酸共重合体系アイオノマー樹脂との相溶性の関係から無水マレイン等によって変性された熱可塑性エラストマーを使用した場合に限り満足できる結果が得られるとされ、α−オレフィン−不飽和カルボン酸共重合体系アイオノマー樹脂に未変性の熱可塑性エラストマーを配合した場合、両者の相溶性が十分ではなく、得られる成形体は、耐衝撃性など、耐久性が十分ではないと記載されている。
このように、柔軟性に優れた成形体を与えるα−オレフィン−不飽和カルボン酸共重合体系樹脂組成物は比較的限られている。
【0005】
しかして本発明は、十分な反発弾性、靱性、耐摩粍性、耐油性等のアイオノマー樹脂のもつ優れた特性を損なうことなく、柔軟性の付与されたα−オレフィン−不飽和カルボン酸共重合体系アイオノマー樹脂組成物を新たに提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、特定のビニル芳香族化合物−オレフィン性化合物ブロック共重合体とアクリル系樹脂からなる熱可塑性エラストマー組成物がα−オレフィン−不飽和カルボン酸共重合体系アイオノマー樹脂との相溶性に優れており、両者をブレンドすることにより上記の課題を解決し得る樹脂組成物が得られることを見出し、さらに検討した結果、本発明を完成させるに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、(a)α−オレフィン−不飽和カルボン酸共重合体系アイオノマー樹脂100重量部、および(b)ビニル芳香族化合物からなる重合体ブロックAを1個以上、およびオレフィン性重合体からなり、ガラス転移温度が−20℃以下でかつ結晶融解熱が8cal/g以下である重合体ブロックBを1個以上有し、ビニル芳香族化合物の含有率が5〜50重量%の範囲にあり、ASTM D−1238に従って、200℃、荷重2160gにおいて測定したときのメルトフローインデックスが5〜30g/10分であるブロック共重合体とアクリル系樹脂を、前者/後者=30/70〜90/10の重量比で含有する熱可塑性エラストマー組成物5〜200重量部を含有する樹脂組成物である。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明において用いられるα−オレフィン−不飽和カルボン酸共重合体系アイオノマー樹脂(a)とは、エチレン、プロピレン等のα−オレフィンおよびアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸等の不飽和カルボン酸からなる共重合体またはα−オレフィン、不飽和カルボン酸およびそのエステルからなる共重合体のカルボキシル基の少なくとも一部が、ナトリウム、カリウム、リチウム、銅、マグネシウム、亜鉛、アルミニウム等の金属陽イオンとの塩を形成している樹脂のことを意味する。
【0009】
本発明では、かかるα−オレフィン−不飽和カルボン酸共重合体系アイオノマ−樹脂として公知のものを特に制限なく用いることができ、例えば、デュポン社製の「サ−リン(SURLYN)」(商品名)、三井デュポンポリケミカル(株)社製の「ハイミラン(HI−MILAN)」(商品名)、エクソン社製の「イオテック(IOTEK)」(商品名)など市販のものが好適に使用される。
α−オレフィン−不飽和カルボン酸共重合体系アイオノマー樹脂(a)は単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0010】
また、本発明において用いられる熱可塑性エラストマー組成物(b)は、ビニル芳香族化合物からなる重合体ブロックAを1個以上、およびオレフィン性重合体からなり、ガラス転移温度が−20℃以下でかつ結晶融解熱が8cal/g以下である重合体ブロックBを1個以上有し、ビニル芳香族化合物の含有率が5〜50重量%の範囲にあり、ASTM D−1238に従って、200℃、荷重2160gにおいて測定したときのメルトフローインデックスが5〜30g/10分であるブロック共重合体とアクリル系樹脂を、前者/後者=30/70〜90/10の重量比で含有する熱可塑性エラストマー組成物である。
【0011】
上記のブロック共重合体における重合体ブロックAを構成するビニル芳香族化合物としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、o−、m−またはp−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセンなどが挙げられる。これらの中でもスチレンおよびα−メチルスチレンが好ましく用いられる。これらのビニル芳香族化合物は単独で用いてもよいし、二種類以上を併用してもよい。
【0012】
ブロック共重合体におけるビニル芳香族化合物の含有率は5〜50重量%の範囲内にあることが必要である。ブロック共重合体におけるビニル芳香族化合物の含有率が50重量%より大きくなると熱可塑性エラストマー組成物(b)はゴム弾性が十分ではなく、樹脂組成物から得られる成形体の柔軟性が損なわれてしまう。一方、ブロック共重合体におけるビニル芳香族化合物の含有率が5重量%より少なくなると、樹脂組成物から得られる成形体の強度が低下する。
ブロック共重合体におけるビニル芳香族化合物の含有率は10〜35重量%の範囲内にあることが好ましい。
【0013】
一方、上記のブロック共重合体におけるオレフィン性重合体からなる重合体ブロックBは、ブロック共重合体のソフトセグメントであり、そのガラス転移温度が−20℃以下でありかつ結晶融解熱が8cal/g以下であることが必要である。重合体ブロックBのガラス転移温度が−20℃より高くなると、樹脂組成物から得られる成形体には十分な柔軟性が付与されず、また、重合体ブロックBの結晶融解熱が8cal/gより大きくなると、該成形体の柔軟性が劣る。
なお、重合体ブロックBの構造は、ガラス転移温度および結晶融解熱が上記の範囲内となるような構造である限り、特に制限されないが、例えば、アルキル分岐の割合などを適宜調節することにより、ガラス転移温度および結晶融解熱が上記の範囲内にある重合体ブロックBとすることができる。
【0014】
オレフィン性重合体からなる重合体ブロックBとしては、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエンまたはこれらの混合物の重合体の水素添加物の他、イソブチレンまたはα−オレフィンの重合体などが挙げられる。
これらの中でも重合体ブロックBとして好ましいものは、1,3−ブタジエン、イソプレンまたはこれらの混合物の重合体の水素添加物である。
【0015】
重合体ブロックBが1,3−ブタジエンやイソプレン等の共役ジエンの重合体の水素添加物である場合、該共役ジエンに基づく炭素−炭素二重結合の70%以上が水素添加されていることが耐熱老化性に優れた成形体を与える樹脂組成物を得ることができるので好ましく、また1,2−結合および3,4−結合の含有量が50モル%以下であることが柔軟性に優れた成形体を与える樹脂組成物を得ることができるので好ましい。
【0016】
ブロック共重合体の溶融粘度はASTM D−1238に従って、200℃、荷重2160gにおいて測定したときのメルトフローインデックスが5〜30g/10分であることが必要である。ブロック共重合体のメルトフローインデックスが5g/10分未満である場合には、アクリル系樹脂との相溶性が悪く、アクリル系樹脂およびアイオノマー樹脂とブレンドして得られる樹脂組成物は成形性が十分ではない。また、ブロック共重合体のメルトフローインデックスが30g/10分を越える場合には、アクリル系樹脂およびアイオノマー樹脂とブレンドして得られる樹脂組成物が膠着性を示す傾向にある。
【0017】
ブロック共重合体の数平均分子量については特に制限はないが、通常、5,000〜100,000の範囲内である。なお、本発明でいうブロック共重合体の数平均分子量とは、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定されたポリスチレン換算の数平均分子量である。
【0018】
ブロック共重合体の分子構造は、直鎖状、分岐状あるいはこれらの任意の組み合わせのいずれであってもよい。また、ブロック共重合体は、その特性が失われない限り、分子末端または分子鎖中に水酸基、カルボキシル基、エポキシ基、アミノ基、ハロゲン原子等の置換基を有していてもよい。
【0019】
ブロック共重合体の製造方法としては、公知の方法を特に制限なく使用することができ、アニオン重合により得られた重合体を水素添加する方法、カチオン重合法、チーグラー重合法、シングルサイト重合法、ラジカル重合法など、いずれの方法を用いてもよい。
【0020】
一方、アクリル系樹脂としては、メタクリル酸メチルの単独ポリマー、あるいはメタクリル酸メチルを主成分として他の単量体を少量共重合させたコポリマーが好ましく使用される。ここで他の単量体としては、例えば、アクリル酸;アクリル酸金属塩;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸s−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシルなどのアクリル酸エステル類;メタクリル酸;メタクリル酸金属塩;メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸s−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸シクロヘキシルなどのメタクリル酸エステル類;酢酸ビニルなどの酢酸エステル類;スチレン、α−メチルスチレンなどの芳香族ビニル化合物;無水マレイン酸、マレイン酸モノアルキルエステル類、マレイン酸ジアルキルエステル類、N−フェニルマレイミド等のマレイミド類などが挙げられる。また、限定されるものではないが、本発明では、アクリル系樹脂としてクロロホルム中、25℃で測定したときの固有粘度が0.2〜1dl/gの範囲内のものが通常使用される。
【0021】
ブロック共重合体とアクリル系樹脂とのブレンド比は前者/後者=30/70〜90/10(重量比)であることが必要である。アクリル系樹脂の割合が上記の範囲より少ない場合、本発明の樹脂組成物から得られる成形体は硬度の低下が大きく、一方、アクリル系樹脂の割合が上記の範囲より多くなると、柔軟性に優れた成形体が得られない。ブロック共重合体とアクリル系樹脂とのブレンド比は前者/後者=30/70〜70/30(重量比)であることが好ましい。
【0022】
本発明の樹脂組成物において、α−オレフィン−不飽和カルボン酸共重合体系アイオノマー樹脂(a)と、熱可塑性エラストマー組成物(b)の配合比は、α−オレフィン−不飽和カルボン酸共重合体系アイオノマー樹脂(a)100重量部に対して、熱可塑性エラストマー組成物(b)が5〜200重量部の範囲内にあることが必要である。
α−オレフィン−不飽和カルボン酸共重合体系アイオノマー樹脂(a)100重量部に対する熱可塑性エラストマー組成物(b)の配合比が200重量部を越えると、樹脂組成物から得られる成形体は柔軟になりすぎ、反発弾性が損なわれる。一方、α−オレフィン−不飽和カルボン酸共重合体系アイオノマー樹脂(a)100重量部に対する熱可塑性エラストマー組成物(b)の配合比が5重量部未満であれば、樹脂組成物から得られる成形体の柔軟性が劣ることとなる。
両者の配合比は、α−オレフィン−不飽和カルボン酸共重合体系アイオノマー樹脂(a)100重量部に対して、熱可塑性エラストマー組成物(b)が7〜150重量部の範囲内にあることが好ましく、10〜100重量部の範囲内にあればより好ましい。
【0023】
本発明の樹脂組成物は、その特性を損なわない範囲で、スチレン系樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリオキシメチレン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂などを配合することができる。また、プロセスオイル、低分子量ポリエチレン、ポリエチレングリコールなどの可塑剤を配合することもできる。
また、本発明の樹脂組成物には、無機充填剤を添加することもできる。かかる無機充填剤の具体例としては、例えば、タルク、炭酸カルシウム、カオリン、酸化チタンなどが挙げられる。
【0024】
さらに、本発明の樹脂組成物には、その改質を目的として、ガラス繊維、カーボン繊維、熱老化防止剤、光安定剤、帯電防止剤、離型剤、難燃剤、発泡剤、顔料、染料、増白剤などを添加することもできる。
【0025】
本発明の樹脂組成物は、熱可塑性エラストマー組成物(b)をまず調製し、次いでα−オレフィン−不飽和カルボン酸共重合体系アイオノマー樹脂(a)と混合することによって調製することができ、単軸押出機、二軸押出機、ニーダー、バンバリーミキサー、ロールなどの混練機を用いて各構成成分を加熱溶融状態で混練することによって得られる。この際、ブロック共重合体とアクリル系樹脂から一旦ペレット状の熱可塑性エラストマー組成物(b)を得た後、α−オレフィン−不飽和カルボン酸共重合体系アイオノマー樹脂(a)と混練することが望ましいが、所望により、単軸押出機や二軸押出機等でブロック共重合体とアクリル系樹脂を混練して熱可塑性エラストマー組成物(b)とした後、引続いてサイドフィードによりα−オレフィン−不飽和カルボン酸共重合体系アイオノマー樹脂(a)を添加し、混練してもよい。
【0026】
このようにして得られた本発明の樹脂組成物は、射出成形、ブロー成形、プレス成形、押出成形、カレンダー成形などの任意の成形法によって成形することができる。
【0027】
本発明の樹脂組成物は、十分な反発弾性を有するとともに柔軟性に優れた成形体を与えるので、かかる特長を生かして、各種の用途に利用することができる。具体的には、ボディーパネル、サイドシールなどの自動車部品、ゴルフボール、スキー靴などのスポーツ用品、食品包装材、シリンジガスケットなどの医療用品、レジャー用品、日用品、玩具用品などに利用できる。
【0028】
【実施例】
以下に本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
【0029】
なお、以下の参考例において、数平均分子量はGPC測定によるポリスチレン換算の分子量であり、水添率はH−NMR法によって測定したものであり、ガラス転移温度および結晶融解熱はDSC(示差走査量計)により求めたものである。
【0030】
また、以下の実施例および比較例においては、得られた樹脂組成物の物性は次の方法により評価した。
(硬度)
ASTM D−2240に記載された方法に従って測定した。すなわち、シート状の試験片(11cm×11cm×0.2cm)を作製し、ASTM Dの硬度計を用いて測定した。
(反発弾性)
JIS K−6301に記載された方法に従って測定した。試験温度は25℃である。
【0031】
参考例(熱可塑性エラストマー組成物の調製)
攪拌装置付き耐圧容器中にシクロヘキサン50kg、充分に脱水したスチレン1650gおよびsec−ブチルリチウムのシクロヘキサン溶液(10重量%)250gを加え、60℃で60分間重合し、次いでイソプレン6700gを加えて60分間、さらにスチレン1650gを加えて60分間重合し、スチレン−イソプレン−スチレン型ブロック共重合体を合成した。得られたブロック共重合体はスチレン含有率が33重量%、数平均分子量が35,000であった。このブロック共重合体のシクロヘキサン溶液に、ブロック共重合体に対して1重量%となる量のパラジウム触媒を加え、50kg/cmの水素雰囲気下で水素添加を行い、水添率90%のブロック共重合体1を得た。得られたブロック共重合体1のオレフィン性重合体部分(水添ポリイソプレンブロック)のガラス転移温度は−55℃、結晶融解熱は0.1cal/g未満であった。また、ASTM D−1238に従って、200℃、荷重2160gにおいて測定したブロック共重合体1のメルトフローインデックスは28g/10分であった。このブロック共重合体1とアクリル系樹脂[パラペットG(商品名)、クラレ製]を前者/後者=60/40(重量比)で、二軸押出機で200℃、200回転の条件で混練し、ペレット(熱可塑性エラストマー組成物1)を得た。また、同様の操作により、ブロック共重合体1と上記のアクリル系樹脂を前者/後者=40/60(重量比)の割合で混練し、ペレット(熱可塑性エラストマー組成物2)を得た。
【0032】
実施例1および2
α−オレフィン−不飽和カルボン酸共重合体系アイオノマー樹脂としてハイミラン1652(商品名、三井・デュポンポリケミカル(株)社製)を使用し、参考例で得られた2種類の熱可塑性エラストマー組成物とそれぞれ表1に示す割合で配合し、二軸押出機を用いてバレル温度230℃にて溶融混合して樹脂組成物を得た。
得られた樹脂組成物から、成形温度(バレル温度)230℃にて射出成形機を使用して所定形状の試験片を作製し、各種の物性を評価した。結果を表1に併せて示す。
【0033】
比較例1
α−オレフィン−不飽和カルボン酸共重合体系アイオノマー樹脂[ハイミラン1652(商品名、三井・デュポンポリケミカル(株)社製]と、参考例で得られたブロック共重合体1を表1に示す割合で配合し、二軸押出機を用いてバレル温度230℃にて溶融混合して樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物から、成形温度(バレル温度)230℃にて射出成形機を使用して所定形状の試験片を作製し、各種の物性を評価した。結果を表1に併せて示す。
【0034】
比較例2
α−オレフィン−不飽和カルボン酸共重合体系アイオノマー樹脂(ハイミラン1652)から、成形温度230℃にて射出成形機を使用して所定形状の試験片を作製し、各種の物性を評価した。結果を表1に併せて示す。
【0035】
参考例
硬度の低いα−オレフィン−不飽和カルボン酸共重合体系アイオノマー樹脂[ハイミラン1557(商品名、三井・デュポンポリケミカル(株)社製]から、成形温度230℃にて射出成形機を使用して所定形状の試験片を作製し、各種の物性を評価した。結果を表1に示す。
【0036】
【表1】
Figure 0003558802
【0037】
【発明の効果】
本発明によれば、十分な反発弾性、靱性、耐摩耗性、耐油性等のアイオノマー樹脂がもつ優れた特性を損なうことなく、柔軟性が付与された樹脂組成物が提供される。

Claims (1)

  1. (a)α−オレフィン−不飽和カルボン酸共重合体系アイオノマー樹脂100重量部、および
    (b)ビニル芳香族化合物からなる重合体ブロックAを1個以上、およびオレフィン性重合体からなり、ガラス転移温度が−20℃以下でかつ結晶融解熱が8cal/g以下である重合体ブロックBを1個以上有し、ビニル芳香族化合物の含有率が5〜50重量%の範囲にあり、ASTM D−1238に従って、200℃、荷重2160gにおいて測定したときのメルトフローインデックスが5〜30g/10分であるブロック共重合体とアクリル系樹脂を、前者/後者=30/70〜90/10の重量比で含有する熱可塑性エラストマー組成物5〜200重量部を含有する樹脂組成物。
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