JP3558579B2 - 新規な常温保存安定性のある還元性濃縮エキス及びその製法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、成鶏肉等に含まれる水溶性体成分を、可能な限り、その含まれる状態のまま抽出し、抽出液中に含まれる体成分本来の特性を失うことなく処理し、鶏肉等の固有の食味と風味を備え、常温流通(保存)を可能にした、低濃縮常温流通型エキスを製造する方法に関するものである。
本明細書に用いる用語は、畜産物流通統計(農林水産省統計情報部)食鳥流通統計調査における『用語の定義及び約束事項』による。
ブロイラー: ふ化後3ケ月未満の鶏で、食用に供するものであって、一般に『ひなどり』及び『肉用若鶏』と呼称されているものである。
その他の肉用鶏: ふ化後3ケ月以上のものをいい、一般的に『地鶏』といわれるものをいう(シャモ、比内鶏、名古屋コーチン等をいい、地方名を冠しているものが多い) 。
成鶏(廃鶏):採卵を目的にして飼養している鶏及び種鶏として飼養している鶏で廃用されたものをいう。
と(屠)体: 食鳥(生体) をと殺して放血、脱羽したままのものをいう。
中ぬき: 『と(屠)体』をさらに、肝臓を除いた内臓の全部、総排せつ口、気管及び食道を除去したものをいう。
解体品: 中ぬきを更に解体して、『骨つき肉』、『正肉』及び『副品目』に区分したものをいう。
【0002】
【従来の技術】
江戸時代まで、食鳥として食用に供されていたのは、キジ、カモ、さらには、ツル、サギなどを含む野鳥がその中心であった。明治維新以後、欧風料理や肉料理の普及とともに、鶏肉・鶏卵の需要が増加し、欧米諸国からの新鶏種の導入が相次ぎ、採卵事業の定着に伴って、産卵率の悪い個体(駄鶏)、産卵を終わった成鶏(廃鶏)、若オスなどが市場に供給され、その需要の定着に伴い、卵・肉両市場とも、着実な規模拡大を遂げた。第二次大戦後のブロイラー産業の興隆は、スーパーマーケットやチェーンストアによる食料品の大量流通、大量販売方式に代表される流通革命と相俟って、外食産業という新市場分野形成の引き金となった。かくの如く、鶏肉は、戦後の我が国の食習慣のみならず、市場構造の変革にも影響を与え、戦前は、貴重品とされた『かしわ(鶏肉)』を、最も安価で健康的(高蛋白、低脂肪、易消化性)な動物性蛋白源として定着させ、国民の栄養状況の改善に、大きく貢献した。
【0003】
わが国の養鶏事業は、戦前の卵肉兼用種主流から、戦後は、採卵事業とブロイラー産業(食鳥事業) に二分され、鶏肉に関しては、ブロイラーを中心に、採卵鶏由来の成鶏と、その他の肉用鶏が固有の市場を形成してきた。ブロイラーとその他の肉用鶏由来の鶏肉は、鶏肉としての流通経路が確立されているが、成鶏肉はその評価が低く、『かたい』『脂が多い』『スジが多い』などの理由から、ハム・ソーセージ等の加工品原料としての用途が多い。しかしながら、近年、食鳥制度の整備と規模拡大により、新鮮で均質な原料が入手可能となったことから、ブロイラー・その他の肉用鶏に準ずる鶏肉流通ルートが確立されつつある。にも拘わらず、成鶏は、依然として、卵生産に伴う産業廃棄物との認識が支配的であり、ひな購入価格の高騰、卵価の低位安定、土地価格の高騰と公害対策などの制約を背景に、生産地が消費地から遠く離れたことが、採卵農家の経営上の困難さを助長してきた。かかる状況からの脱却のための具体的な施策として、成鶏の有効活用こそが、この悪循環を断ち、資源の循環を可能にするカギと判断した、本発明の背景である。
【0004】
我が国では、鶏屠体は、通常、解体して市場に出荷される。屠体から最初に内臓が摘出され、しかるのち首・脚が分離されて『なかぬき』となり、更に解体されて、部分肉・精肉(正肉)と鶏骨(ガラ)に分かれる。屠体の処理工程は、ブロイラー・その他の肉用鶏・成鶏で全く共通である。内臓は、心、胃、肝臓等が食品用として選別され、その他の臓器は廃棄物として処理されるが、成鶏由来の内臓は、全てレンダリングに向けられる。首・脚部分は、調理素材の他、医薬品原料としての用途が拓けており、部分肉・精肉は鶏肉として、解体過程で副生した鶏骨は、ガラスープ(チキンボーンエキス) の原料となり、その抽出物の風味が肉エキスに近いことから、チキンエキスの主流を占めてきた。
チキンエキスは、中華料理のみならず、和・洋・欧・亜の全ての料理の基礎食材として、どの民族に対しても、宗教的制約がないことが重なって、市場からの要請は強いが、諸般の事情から、良質なものが、十分に供給される状態にはなっていない。その原因の最大のものは、抽出技術の不確実さと、無菌化の困難さに由来する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明者らは、上記従来技術に鑑み、成鶏の有効活用の一環として、従来品とは質的に異なり鶏本来の風味を保持し、全ての料理の基礎食材たりうる『チキンエキス』の製造技術確立を目標として、鋭意検討の結果、所期の目標たる『低濃縮常温流通型丸鶏エキス』等を得ることに成功し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、成鶏屠体(中ぬき) を原料として、高品質のチキンエキス(低濃縮常温流通型丸鶏エキス) 等を製造する方法を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するための本発明は、例えば、以下の技術手段より成る。
(1)成鶏屠体(中ぬき)から、微加圧領域における抽出法、遠心薄膜式真空蒸発装置による抽出液の濃縮、膜処理法による無菌化技術の組み合わせによる『低濃縮常温流通型丸鶏エキス』の製造方法。
(2)成鶏原料の品質を、K値を指標として管理する前記(1)記載のチキンエキスの製造方法。
(3)1.5−5倍加水、103℃前後の微加圧領域、1〜4時間の条件で加水加熱抽出する前記(1)記載のチキンエキスの製造方法。
(4)上記抽出原液を、遠心薄膜式真空蒸発装置を用いて濃縮する前記(1)記載のチキンエキスの製造方法。
(5)上記濃縮物の無菌化を膜処理にて達成する前記(1)記載のチキンエキス製造方法。
【0007】
【発明の実施の形態】
続いて、鶏肉の場合を例に、本発明について詳細に説明する。
鶏は、戦前からの食材の一つであり、家庭用・業務用を問わず、常識の範囲内での取り扱いがなされてきた。しかしながら、本発明に基づく技術体系を駆使して、所期の目的を達成するためには、下記の事項・事柄が、厳密に満たされることが不可欠である。
1)成鶏の選別
採卵鶏は、ケージ飼育が主流で、ひなの導入から成鶏としての排出まで、同週令の集団を一つの群として取り扱う『オールイン・オールアウト方式』が支配的であるが、この方式においても、日常的な健康度チェック及び産卵率データ等から、不良鶏は随時淘汰される。採卵鶏は、品種的には、白色レグホーン系(白ドリ、平均体重1.7kg)と名古屋コーチン系(赤ドリ、平均体重2.3kg)の二系列が主流で、肉自体は赤ドリが美味とされ、卵についても、赤卵の人気は根強い。一方、成鶏処理場サイドからは、その品種、ふ化後の飼育期間、成育状態などを特定できる立場にはなく、食鳥制度に従って、インスペクター(獣医師) が、食鳥として健全(健康・安全) と判定したものを採用するほかないが、原料たる成鶏の生鳥は、国内産に限定されなけれはならず、その備うべき要件は、次のように要約される。
・ 国内採卵場で飼育された健全な成鶏で、群としての均質性を備えたもの。
・ 顔色が良好で、外見上の故障が認められず、抗菌性物質が検出されないもの。
・ 望むらくは、成鶏として選別後、一定期間解放飼育されたもの。
一定期間(少なくとも3〜7日)解放飼育されたものは、飛翔の習性をとりもどし、飛翔に不可欠といわれるジペプチド類(アンセリンとカルノシン)が増加する。
【0008】
2)成鶏の処理
食鳥制度の整備と衛生基準の強化に伴い、食鳥処理は大型処理システムによる拠点化が進んだ。成鶏処理場も、年間処理羽数30万羽(許可羽数)以上の『食鳥検査対象施設(成鶏を主たる対象とする処理場)』47ケ所が、全国24道県で稼働中である。
国内産鶏でも、微生物汚染のない個体を望みえぬ現状では、成鶏を含めた食鳥処理で最も重要なポイントは、屠体の鮮度保持と微生物汚染防止の2点に絞られる。それゆえ、食鳥処理工程は、サルモネラ・カンピロバクターに代表される汚染原因菌の存在を前提として組み立てられており、汚染拡大防止のため、湯漬工程での薬液による体表付着菌の殺滅、中ぬき工程以降の汚染防止(pH5以下の浸漬液中で、急速に0℃近辺まで冷却)と共に、鮮度保持が図られている。汚染防止の観点からは、血液・内臓・羽毛の処理が重要であり、工程設計と運転の両面から、多くの工夫が凝らされている。
食鳥処理システムは、その処理能力によって単位時間当たりの処理羽数が異なるものの、連続処理における1羽当たりの処理時間(チェーン掛けから首・脚分離と予冷までの所要時間)は、ほぼ一定(約40分)である。その間、湯漬けから脱毛、バーナーによる毛焼きの各工程では、都合10〜15分間、加熱状態におかれるため、その後の急冷によって、蛋白質を中心とした体成分の変性劣化を最小限に抑えなければならない。
【0009】
3)屠体の鮮度評価
鶏肉は、外観観察によって、ある程度までその鮮度判定が可能であるが、魚類におけるような的確な判断は難しく、丸鶏の場合はなおさらである。鶏屠体の新鮮度判定のための外観検査には、(1) 色沢、弾力、粘液発生の有無、アンモニア発生の有無、(2) リトマス試験紙の反応(新鮮品のpHは6.5近傍)、(3) 血液臭の有無、等が含まれる。新鮮度判定の理化学試験には、(1) 肉のpH測定、(2) 煮沸試験(沸騰時、異常臭・腐敗臭の有無)、(3) 揮発性塩基態窒素(TVB)のほか、(4) 魚蛋白の新鮮度の目安とされてきたK値が、鶏肉の鮮度の正しい指標たりうることが明かにされた。
K値:魚類は、死後、体内のATPが経時的にヒポキサンチンにまで分解するが、新鮮な魚肉ほどヌクレオチド(ATP、ADP、AMP、IMP) が多く、ヌクレオシド(HxR)、塩基(Hx)が少ない。ヌクレオチド・ヌクレオシド・塩基の総量(分子数) に対するヌクレオシドと塩基の合計(分子数)の百分比が『K値』と定義され、即殺魚のK値は10%以下、鮮度の非常に良いものは20%以下、一般の鮮魚は35〜40%、すり身・カマボコ原料では60〜80%になることもある。
(5) 水分は、鶏蛋白質を鶏肉として保持するうえで重要な成分であり、処理直後の80%程度から、冷蔵・冷凍保存中における水分の蒸発・ 揮散は、筋蛋白質の変性を促し、筋繊維の収縮・弛緩に伴う保水力に影響を与える。このような変化は、鶏肉の食味を損なうものであり、かかる変化を防ぐためには、水蒸気不透性素材(プラスチックフィルム、防水布等) で、屠体をおおう必要があり、このことが鶏肉の風味の維持につながることから、原料特性の保持には、重要な事柄である。
【0010】
4)中ぬきの処理
我が国では、鶏肉を切り身で調理するのが一般的であり、その大部分は正肉(精肉) として販売されてきた。中ぬきの解体によって残されたガラが、専らチキンエキスの原料として用いられてきたが、従来から、エキス原料としても、ガラに比して肉が、味の面で優れており、内臓は、肉、ガラ由来のものとは異質なエキスを与え、その味は著しく劣ることが、経験的な事実として確かめられ、伝承されてきた。
このように、鶏の調理に関する事柄は、概ね公知の事実として、その技術面から顧みられることは希で、当該領域において体系的に記述された代表的な資料として、次のものを挙げることができる。
(1) 趣智・福地、チキンエキスの抽出とその利用、New Food Industry, 11, 24(1969)
(2) 越智宏倫、天然調味料、p.11(光琳:1993)
越智(ら) は、チキンエキスの原料としては、鮮度良好なるものを使用するほか、肉・ガラ・内臓のどの部分を使用するか、エキスの使用目的と製造意図によって原料が選別されねばならず、これらの前提を踏まえてエキス抽出条件を設定しなければ、経済的なエキス製造はなしえないとして、エキス製造について、次のように要約している。
原料と収率:肉・ガラ・内臓よりの総収量(全N、固形分収量、脂肪収量の総和)は、全ての条件で肉が最も多く、ガラと内臓は、ほぼ同量である。
味・匂い:肉が一番良く、ガラは肉に近い、内臓の味は異質で、肉・ ガラより劣る。
抽出率:肉は抽出圧力(温度) によってあまり変化しないが、ガラは圧力に比例して全Nと固形分収量が上昇する。
抽出条件:抽出圧力(温度)、抽出時間、抽出液量(加水量)の組み合わせで条件が決定されるが、ガラの場合には、高温・高圧条件で芳しい香りのエキスがえられ、過酸化物価も低下する。
ボーンエキス:使用目的により、抽出条件は次の如く分類される。
その他:天然調味料の保存性を高めるためには、油脂分を完全に除去することが大切で、この目的達成のためには、遠心分離器(シャープレス) 等の使用が重要である。
【0011】
5)中ぬきからのエキスの抽出
本件については、体系的に記述された報告がなく、本発明者らにより、次の諸点が明らかにされた。
中ぬきよりのエキスの抽出は、加水量、抽出温度、抽出時間に比例して進む。エキス品質は常圧抽出品が、油の混入も少なく良好であるが、取得量は少ない。120℃以上で加圧抽出すると、固形分の回収率は高まるが、エキスの着色(褐変) が著しく、その品質は極端に劣化する。エキスの製造条件の設定に際しては、(1) 抽出条件、(2) 抽出されたエキス成分の抽出系における安定性、(3) エキス成分の濃縮条件下における安定性、の三つが、重要な要因となる。
常圧抽出した良質なエキスを、種々の温度条件下に放置して、次の結果をえた(所定の温度で3時間加熱、エキス分濃度2%)。
温度の上昇と共に着色が進み、120℃以上で著しかった。味も顕著に劣化した。
【0012】
次に、抽出温度とエキス抽出率、エキス品質との関係を調べた結果を示す。
【0013】
上記の表に示した通り、30%品取得率(%)は、温度(圧力)が高いほど高かった。
95℃−aは、澄明であったが、それ以外は、程度の差はあるものの、全て濁りが認められた。
濁りの原因は、液層の循環に伴う油の混合(エマリ)と考えられる。
味は、110℃以上に加熱すると、トリ本来の旨みが消失し、苦味と着色は温度上昇と平行して進行し、香は、常圧品を除いて、総じて弱かったが、香自体は良好であった。香に関しては、トリ固有の風味を保つため、濃縮工程における揮散に十分留意する必要がある。
【0014】
6)微加圧領域におけるチキンエキス抽出の概念の創出
上記の結果を踏まえて、屠体(中ぬき) の前処理の有無、加水量、温度、抽出時間、エキス、抽出率、エキス品質との相関を検討した結果、次の点が明かになった。
前処理:胴部分でカット(1/2カット)、肉部分のみに切れ目(ランダムカット)、無処理品では、前処理加工がエキスの収率を著しく向上させる。
加水量:加水量が多いほど、エキス収量が向上。
温度:抽出率は、高温ほど高いが、味・風味から判断して、中ぬきでは105℃が上限。
時間:3時間に固定して実施したが、加水量を増した場合には、抽出時間短縮の可能性がある。
これらの結果は、次表のように要約される。
良質なエキス(澄明で、固有の風味を有するもの、「清汁」)を得るためには、『常圧、沸点以下の加熱』が必須とされており、95℃に代表される領域では、呈味成分の抽出量は多くないものの、抽出された呈味成分が抽出系中で安定に保たれるため、品質的には極めて優れていた。120℃に代表される高温域では、呈味成分の抽出は効率的に進むものの、系中での分解が著しく、呈味成分の無味化、着色、更には苦味成分の生成につながり、十分な量が確保されるものの、その品質は劣悪であった。
【0015】
そこで、95℃と120℃の間に、エキス品質と取得量の両方を満足させる領域の存在を想定し、現場実機によるテストを通じて、下記に示した『微加圧領域』という新概念を創り出し、当該領域における、中ぬきからの、チキンエキス抽出法を完成するに至った。
中ぬき(丸鶏) 無処理(前処理なし)
加水量 対中ぬき(屠体)1.5〜5倍加水
抽出温度 103℃
抽出時間 1〜4時間
【0016】
えられたエキスは、固形分(鶏肉・骨) を分離・除去したのち、油層を分離し、更に遠心分離器(シャープレス) にて油分を除去したのち、減圧濃縮によって、風味に優れ、呈味力の強い濃縮物に仕上げる。優れた呈味力と芳香を有する抽出原液を用いても、減圧濃縮装置の選択次第では、濃縮中の風味・香味揮散と呈味成分の分解・消失・着色成分への変化等により、劣悪な品質の濃縮物に変質する場合がありうるので、濃縮装置の選択は、エキスの品質創出に重大な影箸を与える要因として、十分に検討されねばならない。減圧濃縮に用いる装置としては、抽出原液の特性(呈味性、風味、香味) を可能な限り損なう事なく、水分を留去せしめうるものが選択さるべきであり、この目的のためには、例えば、遠心薄膜式真空蒸発装置(大川原製作所製) 等が好ましい。
エキスの保存性をよくするためには、食塩の添加が不可欠であるが、一般論としては、濃縮の程度が進むほど、その風味が損なわれ、チキンエキスの特性が失われる。それゆえ、どのような商品形態で市場に上市するかは、使用目的またはユーザーの意向次第であり、製造サイドで一方的には決定しえない。代表的なものを、下記に列挙するが、他に、スプレードライ品も上市されている。
タイプ 濃縮度合 エキス成分(BX) 塩 流通形態 備考
ストレートタイプ − 2.5〜3 無 レトルト 丸鶏スープ
低度濃縮 〜4倍 10〜15 無 冷凍
高度濃縮 〜15倍 30〜50 加 常温
高度濃縮 〜15倍 30〜50 無 冷凍
【0017】
7)チキンエキスの膜処理による無菌化:低濃縮常温流通型丸鶏エキスの開発
上記のとおり、チキンエキスに固有の呈味と風味をそなえたストレートタイプ乃至低度濃縮品は、レトルトタイプまたは冷凍状態で流通されている。周知のとおり、レトルト品は、加工時に、缶詰と同程度の過酷な条件にさらされるため、含まれる成分の変質・劣化が著しい。それゆえ、品質を保持し、汎用性を維持するための止むを得ぬ方策として、無塩(塩無添加)状態で冷凍品として上市されているが、量的には、未だ、全くの少数派である。
低濃縮タイプで、レトルト品以外に常温流通品が上市されてない原因は、チキンエキスの無菌化の困難さに基づくものであり、チキンエキス及び同濃縮物中における高熱菌(胞子形成性の枯草菌ならびに類緑菌) の存在による。液体製品の無菌充填法としては、プレート型殺菌機による場合が多い。しかしながら、低濃縮チキンエキス(BX10)を130℃、30秒の殺菌条件で充填を実施したところ、約半数の充填物から微生物(枯草菌)が検出され、充填物を50〜60℃に放置すると、急激なガス発生を伴って腐敗が進行した。
チキンエキスの無菌化の困難さの一因は、主たる原因菌が、胞子形成性(耐熱性) の枯草菌であることと、チキンエキス中に含まれるゼラチン質を中心とする粘性物質が、原因菌の殺菌を妨げる保護物質として機能していることが考えられる。レトルト品は、利便性において冷凍品に比して、流通・保管の面では格段に優れているが、胞子形成菌の完全殺菌のために、過酷な熱処理がなされており、抽出原液の風味の著しい損傷が、エキス品質を劣化せしめ、その普及の妨げとなっている。
チキンエキスの膜処理によって無菌化が達成されるならば、殺菌・充填工程における加熱工程が省略され、エキス品質の劣化を免れうる。問題は、膜処理効率であり、プレート型殺菌機を用いる方法に匹敵するコストで処理できる『膜処理システム』の構築が課題である。
液体食品の無菌化は、多くの食品について実績があり、その基本的な方法論も確定している。水、ビール、日本酒、清涼飲料等の粘度の低い液体については、ケイソウ土等を用いる前処理と孔径の大きいプレフィルターろ過により負荷を軽減したうえで、ファイナルフィルターによって無菌化する方式が採用されている。プレフィルターとファイナルフィルターの材質は、合成高分子を主成分とするものが主流で、セルロース誘導体を構成成分とするものも市販されている。フィルター類は、強じんな構成成分から成るものが多く、反復使用が可能なことから、十分なろ速さえ得られれば、ランニングコストを低く抑えることができ、プレート型殺菌機に相当する処理コストでの無菌充填が可能となる。膜処理法の最大の利点は、上述のとおり、充填工程における加熱殺菌の省略による品質劣化の回避にある。
チキンエキスの膜処理による無菌化検討の過程で、次の事実が判明した。
・ チキンエキスの膜処理は、製品状態にまで濃縮した状態(BX10)で実施すべきものと判断する。抽出原液(BX2−5)のような低濃度液の場合、処理量がばく大になり、そのうえ、濃縮後に再度、無菌化処理を施さねばならない。
・ チキンエキスには、ろ材の膜面に付着して、目詰まりを起こさせる『ゲル状物質』が含まれ、この物質の正体は未確定ながら、その除去を達成しないと、膜処理による無菌化は難しい。
・ 『ゲル状物質』は、遠心分離(3000rpm、10分)では除去不能、80℃2時間加熱でも無効。
・ このような物質の除去に適したプレフィルターは市販されてないし、可能性も少ない。
・ ゲルは、膜面にべタッと張り付いて目詰まりさせるが、ゲルが張り付く前(透過のごく初期)に透過するものがある。そういう透過液を集めて、再度、透過試験を行うと、一旦透過したゲルが、再び目詰まりを起こし、液が透過しなくなる。
・ 膜を目詰まりさせる『ゲル状物質』の除去が、チキンエキスの膜処理の成否の決め手であり、膜処理手段の選択よりも、前処理によるエキスの改質が優先課題である。
【0018】
『ゲル状物質』の除去方法について検討の結果、次の点が明かになった。
・エキスのpHを塩酸を用いて5以下に調整し、生ずる沈でんを除去後、か性ソーダで元のpH(6.5近傍)に戻したものは、容易にファイナルフィルター(孔径0.45μm)を通過する。
・ 濃縮エキス(BX10)を、高速遠心(10000rpm以上で10分間)処理した上澄液は、容易に、ファイナルフィルターを通過する。5000rpmでは、長時間処理しても有効でない。
・ 遠心処理によって除去される成分は、濃縮液1Lあたり、約300mgであり、濃縮液に含まれる固形分としての比率は0.03%、総固形分(濃縮液あたり10%)に占める比率は0.3%である。
【0019】
『ゲル状物質の除去方法1 としては、高速遠心処理が、工程としては最も単純であるが、10000rpm以上の高速処理には長時間を要し、濃縮液の特性(高粘度のため、20℃以下では、プリン状に固まり、遠心操作不可) から、30℃以上での取り扱いが必要なため、微生物汚染の危険が大きい。かかる事情から、ろ過助剤を用いるろ過処理が、前処理として、最も相応しい。
ろ過助剤としては、ケイソウ土、パーライト、活性炭、酸性白土などの粒状のものが使用でき、使用法としては、ボディーフィード法、プレコート法、両者の併用法が採用されうる。
ファイナルフィルターとして膜処理(無菌化) に用いる膜は、『エキス中に含まれる微生物を完全に除去』する必要があり、『孔径0.45μmのスクリーンフィルター』が基本となるが、デプスフィルターの性質を兼備したもの(例えば、日本ミリボア社の『HVLP膜』)も、微生物の除去が可能なものは使用しうる。ファイナルフィルターの形状は、カートリッジタイプが好ましく、SUS素材より成るハウジングに装著して使用するのが、作業工程上好都合である。市販されている膜のうち、例えば、次のものが、本目的に使用可能である。
【0020】
【実施例】
次に、実施例を開示して本発明を具体的に説明するが、本発明は当該実施例により何ら限定されるものではない。
実施例1
(1)生鳥の処理
生鳥処理システム(デンマーク、リンコ社製)の処理能力を時間あたり3,300羽に設定して、処理した。2種の系統の鶏について、生体重と各成分重量との相関は、次の通りであった(いずれも100羽についての平均値)。
【0021】
(2)K値の測定
得られた中抜き屠体各5羽について、むね肉ともも肉を等量サンプリングし、分析ハンドブック(平成3年9月、建白社)のK値測定法(同書544頁)に従って測定した。
【0022】
(3)中抜き屠体のK値の経時変化
生鳥と、中抜き屠体処理の時期にズレが生ずる場合を想定し、中抜き屠体の凍結状態における鮮度変化をK値で追跡した。K値の測定は、前項に準じて実施した(試料保存温度:−20±1℃)。
上記の通り、−20±1℃の保存(〜60日)では、K値の変化はみられなかった。
【0023】
(4)中抜き屠体よりエキスの抽出
中抜き屠体(凍結品)300kgと水道水900l、ビタミンE15gを、1.4kl容加圧釜中にて、103℃、3時間加熱処理した。固液分離後、液層中の油を静置して分離したのち、シャープレス処理して残りの油分を除去した。得られた水層(エキス)のBxは2.0、取得液量は750l、固形分の対屠体収率は5%であった。
油層とシャープレスの分離分を合わせて温水洗浄し、鶏油27kgをえた、得られた鶏油は、黄色透明(室温で一部析出)、芳香を有し、次の分析結果を与えた。
得られたエキスを、遠心式薄膜真空蒸発装置(大川原製作所製)を用いて「加熱温度90℃蒸発温度30℃」で濃縮し、濃縮品(BX 10)150kgを得た。
得られた濃縮品は、淡黄色澄明で、芳香を有し、鶏肉の風味が強かった。
【0024】
(5)エキス濃縮物の膜による除菌
この種の液体品は、通常、プレートヒーター式無菌充填装置によって無菌品(常温流通品)に加工されるが、殺菌工程での加熱(130℃)により、エキス品質が著しく劣化する。
この弊害を避けるため、次の膜処理を行い、クリーンブース内で2kgずつ無菌的にプラスチック袋に充填した。濃縮品(BX 10)100kgを用いて処理し、風味に優れ、常温流通が可能な加工品40袋(80kg)を得た。
前処理:ケイソウ土ろ過(プレコート:標準品、ボディーコート:ハイフロスバーセル)/ドラムフィルター
膜処理:PVDF膜(孔径=0.45μm、カートリッジタイプ)
この充填品を、各5袋、30℃と60℃に6カ月間放置し、無菌的に開封して検査した結果、いずれの袋からも、菌(一般細菌、真菌)は検出されなかった。
【0025】
参考例1
下記の原料を実施例1と同様な以下の処理を行うことにより、各々Bx10の良好なエキスを得ることができるに至り、本方法の優位性が確かめられた。
(原料)
冷凍牛テール、冷凍豚足、冷凍秋鮭白子、冷凍ホタテのヒモ/白子/卵、冷凍オキアミ、冷凍甘エビ頭、乾燥しいたけ柄及びクズ
(処理)
・微加圧熱水静置抽出(3倍量加水、103℃3時間抽出)
・シャープレス処理(油分分離)
・遠心式薄膜真空蒸発装置にてBx10まで濃縮(加熱温度90℃、蒸発温度30℃)
・常温除菌(前処理ろ過及び膜処理)(芽胞菌除去)
・常温無菌充填(2kgパック)
【0026】
【表1】
【0027】
【発明の効果】
本発明によれば、新規な常温保存安定性のある還元性濃縮エキス及びその製法を提供することができる、素材の風味と食味を保持したエキスであって、常温保存安定性を有する還元性濃縮エキス及びその製法を提供することができる、という効果が得られる。
Claims (5)
- 原料の成鶏屠体(中ぬき)から低濃縮常温流通型丸鶏エキスを製造する方法であって、
(1)上記中ぬき屠体を、1.5〜5倍加水、103℃前後の微加圧領域、1〜4時間の条件で加熱抽出処理する、
(2)固液分離後、液層中の油を静置して分離したのち、シャープレス処理して残りの油分を除去する、
(3)油層とシャープレスの分離分を合わせて温水洗浄し、鶏油を得る、
(4)得られた水層(エキス)を、低度濃縮(〜4倍)して濃縮品(Bx10〜15)を得る、
(5)上記濃縮品をろ過助剤によりろ過処理してゲル状物質を除去した後、膜処理して無菌化する、
(6)上記エキスを無菌充填パックして常温流通用加工品とする、
ことを特徴とする低濃縮常温流通型丸鶏エキスの製造方法。 - 上記水層(エキス)を、遠心薄膜式真空蒸発装置により減圧濃縮して濃縮品(Bx10〜15)を得る、請求項1記載の方法。
- 上記濃縮品(Bx10〜15)を、pH5以下に調整し、生ずる沈でんをろ過した後、元のpH(6.5近傍)に戻し、フィルター膜で膜処理した後、無菌充填パックする、請求項1記載の方法。
- ろ過助剤として、ケイソウ土、パーライト、活性炭、又は酸性白土を使用してろ過処理してゲル状物質を除去した後、膜処理する、請求項1記載の方法。
- 原料品質をK値を指標として管理する請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
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