JP3558574B2 - 花粉分別方法及び装置並びに花粉飛散数計測方法及び装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、人体アレルギーの発症の要因となる、杉、檜、ブタクサ、白樺等の植物から大気中に飛散する花粉粒子を、ディーゼル車排気ガス微粒子(DEP)に代表される浮遊粒子状物質(SPM)や鉱物粒子から分別する花粉分別方法及び装置、並びに当該分別を行い花粉粒子を計数する花粉飛散数計測方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、花粉アレルギー患者の増加が社会問題・医療問題となり、花粉飛散数の計測技術が開発されている。
【0003】
計測技術としては、例えば、(1)熟練者による顕微鏡観察の目視計数による落下式採取法(ダーラム法)、(2)レーザ式ダストカウンタ法、(3)抗原抗体反応を用いたバイオセンサ、(4)レーザーレーダによる花粉雲測定、(5)蛍光スペクトル測定、(6)顕微鏡画像の画像認識等がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記計測技術では、以下の問題がある。
即ち、(1)熟練者による顕微鏡観察の目視計数による落下式採取法(ダーラム法)では、観測者の人手による分別法であるが故に測定精度は必然的に観測者の熟練度に依存し測定誤差が大きく、又、熟練観測者を要するのでコスト高となり現場計測等を用いたセンシングシステム構築等の展開が困難である。
【0005】
(2)レーザ式ダストカウンタ法は、例えば、クリーンルーム内のダスト粒子の計測技術を応用し、吸引ポンプで大気を採取し、採取した粒子群にレーザを照射して得られる前方散乱光、後方散乱光の強度等から大気浮遊粒子の大きさと数とを計測する方法であるが、装置構成上、例えば、光学系、検出系等には高額なレーザ、光部品等を必要とするので、低価格化が困難となり、このことが普及の障害の一因となっている。
【0006】
(3)抗原抗体反応を用いたバイオセンサでは、採取した花粉を適当な抗体(モノクロナール抗体)と蛍光色素(FITC色素)で染色し、その後、レーザ光学系、画像処理技術を用いて花粉粒子を計数する。免疫学的手法を用いて花粉粒子を特定できる為、精度は高いものの、従来、手作業で行う免疫学的手法に基づく花粉染色工程の自動化の新規開発が自動計測を困難にしている。バイオセンサを実現化した装置は、(2)のレーザ式ダストカウンタ法を実現化した装置より高額となる。
【0007】
(4)レーザーレーダによる花粉雲測定では、花粉等の大気浮遊粒子に散乱されたレーザ光の偏光特性の変化から、花粉等の大気浮遊粒子の三次元空間分布を測定する。花粉以外の黄砂、土壌粒子との分別は研究課題であり、現状では精度に問題がある。又、装置構成上、高出力レーザ、検出器の狭帯域化フィルタなどが、装置の高価格化の要因となっている。
【0008】
(5)蛍光スペクトル測定では、花粉の蛍光スペクトルを計測して、花粉種を特定する。花粉など有機物等からなる生物の蛍光スペクトルピークは、無機物から構成される鉱物等のピークと類似しており、多種の大気浮遊粒子から花粉を分別するには、大規模な解析を必要とし、又、光学系、検出系を構成するには、蛍光発生と微弱光測定用として、高出力レーザ、光電子増倍管といった高額部品を必要とする。更には、装置の小型化が困難であり、現場測定に不向きである。
【0009】
(6)顕微鏡画像の画像認識では、花粉粒子のデジタル画像解析により花粉種を特定する。花粉以外の浮遊粒子が混入したサンプルの解析は研究段階であり、解析ソフトの開発費が高額である。
【0010】
例えば、毎年春先から発生する杉花粉症は、杉花粉が杉林から広範囲に飛散することにより生じる。近年花粉症患者は年々増加の傾向にあり、この為、花粉症対策の一環として、花粉飛散量予報が気象予報の一部として行われてきているものの、既存の花粉飛散量予報では、上記ダーラム法の目視計数データを用いており、ダーラム法では花粉採集に一日程度の時間を要するので、リアルタイム測定や局所短時間予報は不可能である。又、花粉予報では、前日の飛散量データを用いて翌日の予報を行うことなどにより、予報精度は低い。
【0011】
花粉症治療の医療分野にとっても、かかるリアルタイム測定、局所短時間予報は、例えば、処方箋の作用などに有用であり、将来的には、花粉センサとネットワーク技術を組み合わせた低コストのセンシングシステムの実現は、医療、ビジネスの分野において利用価値が高い。
【0012】
しかし、上記した様に(1)乃至(6)の計測技術では、例えば、レーザ等を用いた場合には、高出力レーザ、高感度検出器等を用いることになるので、低コスト化、メインテナンスフリー化、現場計測が困難となり、抗原抗体反応を用いたバイオセンサでは、例えば、免疫学的手法に基づく花粉の染色工程の自動化が難しく、自動計測は困難でしかも高額となり、又、花粉の顕微鏡画像の画像認識を用いる場合では、顕微鏡装置、画像解析システム等を用いるので、自動計測、低コスト化が困難である。
【0013】
本発明は、上記問題点を解決する為に為されたもので、本発明の解決すべき主要な目的は以下の通りである。
【0014】
本発明の第1の目的は、花粉予報の精度を高められる花粉分別方法及び装置並びに花粉飛散数計測方法及び装置の提供にある。
【0015】
本発明の第2の目的は、メインテナンスフリーな花粉分別方法及び装置並びに花粉飛散数計測方法及び装置の提供にある。
【0016】
本発明の第3の目的は、自動化でき且つコストを押さえられる花粉分別方法及び装置並びに花粉飛散数計測方法及び装置の提供にある。
【0017】
本発明の他の目的は、明細書、図面、特に、特許請求の範囲における各請求項の記載から自ずと明らかとなろう。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明分別方法は、上記課題の解決に当たり、粒子の重力沈降、各粒子に作用する外力作用の相違を利用して大気浮遊粒子群から花粉粒子のみを分別する特徴的構成手段を講じる。
【0019】
本発明計測方法は、上記課題の解決に当たり、大気浮遊粒子群から上記本発明分別方法を用いて花粉粒子のみを分別し、花粉粒子のみを計数する特徴的構成手法を講じる。
【0020】
本発明分別装置は、上記課題の解決に当たり、大気を吸入して当該大気に含まれる浮遊する粒子を採取する単基ファンと、当該採取した粒子群から花粉粒子より大なる粗大粒子を排除する第一分別手段と、当該第一分別手段で粗大粒子を排除した粒子群から花粉粒子のみを分別する第二分別手段とで構成される特徴的構成手段を講じる。
【0021】
本発明計測装置は、上記課題の解決に当たり、重力沈降、各粒子に作用する外力の作用の相違を利用して、採取した粒子群から花粉粒子のみを分別する分別手段と、当該分別手段により分別した花粉粒子のみを計数する計数手段とで構成される特徴的構成手段を講じる。
【0022】
更に、具体的詳細に述べると、当該課題の解決では、本発明が次に列挙する上位概念から下位概念にわたる新規な特徴的構成手法又は手段を採用することにより、上記目的を達成するように為される。
【0023】
本発明分別方法の第1の特徴は、大気に浮遊する粒子群を吸入採取し当該採取した粒子群から花粉粒子のみを分別する分別方法であって、前記花粉粒子より粒径又は比重の大なる粗大粒子の沈降速度より小さな流入速度で、前記大気を吸入し、当該採取した粒子群から前記粗大粒子を排除し、前記粗大粒子を排除した粒子群から、重力沈降、各粒子に作用する重力又は遠心力の作用の相違を利用して、前記花粉粒子より小なる微小粒子を排除し、花粉粒子のみを分別してなる花粉分別方法の構成採用にある。
【0024】
本発明計測方法の第1の特徴は、大気に浮遊する粒子群を吸入採取し当該採取した粒子群から花粉粒子のみの飛散数を計測する方法であって、前記採取した粒子群から花粉粒子を、上記本発明分別方法により、分別した後に、当該分別した花粉粒子を計数してなる花粉飛散数計測方法の構成採用にある。
【0025】
本発明計測方法の第2の特徴は、上記本発明計測方法の第1の特徴における前記計数が、前記分別した花粉粒子に照射した光の散乱光の検出に基づいて為されてなる花粉飛散数計測方法の構成採用にある。
【0026】
本発明計測方法の第3の特徴は、上記本発明計測方法の第1の特徴における前記計数が、前記分別した花粉粒子を帯電させ当該帯電した花粉粒子による電流の測定に基づいて為されてなる花粉飛散数計測方法の構成採用にある。
【0027】
本発明計測方法の第4の特徴は、上記本発明計測方法の第1の特徴における前記計数が、前記分別して堆積した花粉粒子の総重量の測定に基づいて為されてなる花粉飛散数計測方法の構成採用にある。
【0028】
本発明分別装置の第1の特徴は、大気に浮遊する粒子群を吸入採取して当該採取した粒子群から花粉粒子のみを分別する分別装置であって、大気を吸入して当該大気に含まれる浮遊粒子を採取する単基ファンと、当該ファンにて大気の流入速度を花粉粒子より粒径又は比重の大なる粗大浮遊粒子の沈降速度より小さく設定することにより、前記吸入採取した粒子群から花粉粒子より大なる粗大粒子を排除する第一分別手段と、当該第一分別手段で粗大粒子を排除した粒子群から花粉粒子のみを分別する第二分別手段とで、構成される花粉分別装置の構成採用にある。
【0029】
本発明分別装置の第2の特徴は、上記本発明分別装置の第1の特徴における前記第二分別手段が、重力沈降作用を用いた前記第一分別手段である第一流路管で粗大粒子を排除した粒子群から、花粉粒子より小なる微小粒子を排除して花粉粒子のみを採取する第二流路管である花粉分別装置の構成採用にある。
【0030】
本発明分別装置の第3の特徴は、上記本発明分別装置の第2の特徴における前記第二流路管の排気口の排出速度が、花粉粒子より小なる微小粒子の沈降速度より大きくてなる花粉分別装置の構成採用にある。
【0031】
本発明分別装置の第4の特徴は、上記本発明分別装置の第1の特徴における前記第二分別手段が、重力沈降作用を用いた前記第一分別手段である第一流路管で粗大粒子を排除した粒子群から、花粉粒子のみを検出する第二流路管である花粉分別装置の構成採用にある。
【0032】
本発明分別装置の第5の特徴は、上記本発明分別装置の第4の特徴における前記単基ファンが、所定の一定時間作動停止させて、粗大粒子を排除した粒子群を第二流路管に流入自在な配置構造である花粉分別装置の構成採用にある。
【0033】
本発明分別装置の第6の特徴は、上記本発明分別装置の第1の特徴における前記第二分別手段が、重力沈降作用を用いた前記第一分別手段である流路管で粗大粒子を排除した粒子群から、花粉粒子より小なる微小粒子を排出し花粉粒子のみを採取するサイクロンである花粉分別装置の構成採用にある。
【0034】
本発明分別装置の第7の特徴は、上記本発明分別装置の第6の特徴における前記サイクロンが、渦巻き状の回転流れを発生させ、花粉粒子より小なる微小粒子を大気と共に排出する手段である花粉分別装置の構成採用にある。
【0035】
本発明分別装置の第8の特徴は、大気に浮遊する粒子群を吸入採取して当該採取した粒子群から花粉粒子のみを分別する分別装置であって、大気を吸入して当該大気に含まれる浮遊粒子を採取する単基ファンと、前記採取した粒子群から花粉粒子より大なる粗大粒子を排除する第一分別手段と、当該第一分別手段で粗大粒子を排除した粒子群から花粉粒子のみを分別する第二分別手段とで、構成され、前記第一分別手段は、前記花粉粒子より比重の大きい前記粗大粒子を、カスケードインパクタ上に堆積させる手段であり、前記第二分別手段は、前記第一分別手段であるカスケードインパクタにより前記粗大粒子を排除した粒子群から、前記花粉粒子より小なる微小粒子を排除し、花粉粒子のみを採取するルーパで多段構成されるルーパ型分級手段である花粉分別装置の構成採用にある。
【0036】
本発明計測装置の第1の特徴は、大気に浮遊する粒子群を吸入採取し当該採取した粒子群から花粉粒子を分別して花粉粒子のみの飛散数を計測する装置であって、重力沈降、各粒子に作用する外力の作用の相違を利用して、前記採取した粒子群から花粉粒子のみを分別する上記花粉分別装置である分別手段と、当該分別手段により分別した花粉粒子のみを計数する計数手段と、で構成されてなる花粉飛散数計測装置の構成採用にある。
【0037】
【発明の実施の形態】
(発明の原理)
本発明分別の原理は、各粒子の重力沈降、各粒子に作用する外力(重力、遠心力、運動抵抗力など)の作用の相違を利用して、花粉粒子の粒径又は比重により花粉粒子のみを分別することであり、サイクロン、カスケードインパクタ、ルーパ型分級などで、低コストで実現できる。
【0038】
本発明計測の原理は、先ず上記本発明分別の原理を用いて大気中の浮遊粒子から花粉粒子のみを分別して、センサを用いて当該分別した花粉粒子のみを計数することであり、当該センサとしては、光散乱、帯電、花粉堆積による重量変化を、それぞれ利用するなどした各センサ等があり、低コストで実現できる。
【0039】
以下、本発明の一実施形態を例示した図面を参照して発明の実施の形態を説明するが、厭くまで例示であり、発明を限定するものではない。
【0040】
(花粉分別装置例1、花粉飛散数計測装置例1)
図1は、本発明の一実施形態である花粉飛散数計測装置の概念的構成図であり、花粉分別装置例も内在図示してある。
【0041】
花粉飛散数計測装置αは、比重1.2〜1.3、直径約30μmの球状粒子を捕捉・計測する装置であり、大気を吸入して大気に含まれる浮遊粒子を採取する単基ファン1と、当該採取した浮遊粒子群から粒径又は比重の大なる粗大粒子を排除する第一分別手段である第一流路管2と、第一流路管2で粗大粒子を排除した粒子群から微小粒子を排除して花粉粒子のみを採取する第二分別手段である第二流路管3と、第二流路管3で分別した花粉粒子のみを計数するセンサ4とで構成される。
【0042】
尚、センサ4の配置は、図示した場合のみでなく、第二流路管3の底部に設けるなどしてよい。又、センサ4を設けない構成が、花粉分別装置となる(以下に示す他の実施の形態も同様)。
【0043】
図2は、センサ4′の構造の概略を示した概略図である。図2のセンサ4′は、光散乱を利用した光学的なセンサで、分別した花粉粒子のみを計数する手段であり、半導体レーザ等の光源11と、光源11からの光を集光するレンズ12と、散乱光を集光する集光レンズ13、14と、散乱光の検出器15、16、17とを図2の様に配置構成したものである。
【0044】
図3は、図2とは別原理・別構造のセンサ4″の概略を示した概略図である。図3のセンサ4″は、花粉粒子の帯電を利用して分別された花粉粒子のみを計数する手段であり、コロナ放電用電線21と、放電用電極22、23と、帯電検出用電線24、電流計25とを図3の様に配置構成したものである。
【0045】
尚、センサ4′,4″は、図2、図3に示した構成は厭くまでセンサ4の例示である。
【0046】
(花粉分別方法例1、花粉飛散数計測方法例1)
図1の花粉飛散数計測装置αを説明しながら、本発明の一実施形態である花粉飛散数計測方法を説明する。
尚、当該花粉飛散数計測方法は本発明の一実施形態である花粉分別方法を採用しているので、併せて説明する。
【0047】
当該実施形態では、気流中の粒子の運動が、粒径と粒子の比重に依存して変化することを利用している。例えば、粒径10μm程度以下の微小粒子と、30μm程度の花粉粒子と、50μm程度以上の粗大粒子とを分別し、30μm程度の花粉粒子を計数する。又、気流中の粒子の運動として粒子の重力による自然沈降現象に着目し、沈降速度が粒子径と粒子の比重に依存して変化することを利用して、大気浮遊粒子群から花粉粒子のみを分別している。
【0048】
以下、粒径により沈降速度が異なることを利用して、先ず粒径30μm程度の花粉粒子のみを分別し、次いで当該分別した花粉粒子を計数する花粉飛散数計測装置αの動作の手順を説明する。
【0049】
先ず単基ファン1により第一流路管2の吸入口2aから、様々な粒径の大気浮遊粒子を含んだ大気を花粉飛散数計測装置α内に導入する。このとき、大気の流入速度を、例えば粒径50μm程度以上の粒子の沈降速度より小さくすることにより、粒径50μm程度以上の粗大粒子を第一流路管2の底部に蓄積し、導入口3aから第二流路管3に導入しない様にすることが可能となる。
【0050】
次に、第二流路管3において、第一流路管2で一次分別した粒子群を第二流路管3の排気口3bより大気に排出する排出速度を、粒径30μm未満の花粉粒子の沈降速度より大きくすることにより、粒径30μm程度未満の微小粒子を外気に排出することが可能になる。
【0051】
かようにして、粒径30μm程度の花粉粒子のみを選択的に第二流路管3の底部に蓄積させることにより、様々な粒径の大気浮遊粒子群から、粒径30μm程度の花粉粒子のみを二次分別できる。
【0052】
以上説明した様に、大気浮遊粒子を含む気流の流速を調整することにより、大気浮遊粒子群から花粉粒子のみを分別する。以下に、粒子の沈降速度の計算例を示す。
【0053】
粒子の沈降速度は、粒子の質量、浮力、気流中の粒子の運動抵抗から決まる。
気流中の粒子の運動抵抗は、例えば、管内を流体が充満して流れるなど、流体の圧縮性を考慮しなくても良い場合には、粒子の流動現象、流体中の物体の運動を特徴付ける式(1)のレイノルズ数Reに依存し、以下に示す様に決まる。
【数1】
ここで、Lは流路の代表長さ、Vは流体の速度、νは動粘性係数である。
【0054】
気流中の粒子の運動抵抗は、レイノルズ数Reに依存して、以下の様に決まる。
ストークスの法則が成立する場合:レイノルズ数が1以下で気体の粘性が無視できない場合には、運動する粒子に作用する抵抗FDは、式(2)で表される。
FD=3πμVd 式(2)
ここで、μは粘性係数、Vは流体の速度、dは球形粒子の直径である。
【0055】
ニュートンの抵抗法則が成立する場合:レイノズル数が103以上では、運動する粒子に作用する抵抗FDは、式(3)で表される。
【数2】
ここで、CDは圧力抵抗係数、ρgは気体密度、Vは流体の速度、dは球形粒子の直径である。
【0056】
ストークスの法則が成立する場合に、粒子の(重力)沈降速度を演繹すると、以下の様になる。
先ず、式(2)を用いて運動粒子に作用する力の釣り合いの条件より式(4)を得る。尚、ρpは粒子の密度、gは重力加速度である。
【数3】
【0057】
ここで、気体の質量は無視できるので、最終沈降速度VTSは式(5)で与えられる。
【数4】
【0058】
単位密度の球の沈降速度VTSは、標準的な大気の条件を式(5)に代入すると、式(6)を得る。
VTS=0.0028d2 式(6)
尚、沈降速度VTS、直径dの単位は、それぞれcm/s、μmである。
【0059】
式(6)から、直径が10、30、50μmのとき、単位密度の球の沈殿速度を数値計算すると、それぞれ0.28、2.5、7cm/sとなる。
【0060】
尚、粒子が非球形の場合には、最終沈降速度VTSは、動力学的形状係数χにより補正され、式(7)となる。
【数5】
【0061】
以上の計算結果で示した様に、各粒径の粒子群の沈降速度の違いにより、上記手順に従い、粒径30μm程度の花粉粒子のみを分別することができる。即ち、ファン1により第一流路管2の吸入口2aより、様々な粒径の大気浮遊粒子を含む大気を導入する際、大気の流入速度を、例えば粒径50μm程度の粒径の粒子の沈降速度である7cm/sより小さくし、導入口3aから粒径50μm程度以上の粒子を第二流路管3に導入しない様に第一流路管2の底部に堆積させる。
【0062】
第二流路管3では、第一流路管2で一次分別した粒子群を第二流路管3の排気口3bから大気に排出する排出速度を、粒径30μm程度の花粉粒子の沈降速度である2.5cm/sより大きくすることにより、粒径30μm未満の微小粒子群を外気に排出する。
【0063】
これにより、粒径30μm程度の花粉粒子のみを二次分別でき、この花粉粒子を計数するセンサ4により、第二流路管3に堆積する又はしつつある花粉粒子のみを計数する。
【0064】
ここで、センサ4の動作について詳説する。
図2のセンサ4′を用いた場合には、分別された花粉粒子のみが、重力沈降により、集光点を通過する様に所定部位の流路を定め、光源11より花粉粒子に光Lを照射し、花粉粒子により、前方、側方、後方に散乱された散乱光を、検出器15、16、17により検出し、花粉粒子のみを計数する。
【0065】
図3のセンサ4″を用いた場合には、コロナ放電用電線21と放電用電極22、23とを用いてコロナ放電を発生させ、コロナ放電部分に重力沈降する花粉粒子のみを通過させて花粉粒子を帯電させた後、引き続き重力沈降する帯電した花粉粒子を帯電検出用電線24に接触させ、接触した、帯電した花粉粒子からアースに流れる電流を電流計25で計測し、当該電流から花粉粒子を計数する。
【0066】
尚、上記に限らず、分別して堆積した花粉粒子のみの総重量を電子天秤などで測定して花粉粒子を計数することもできる。
【0067】
(花粉分別装置例2、花粉飛散数計測装置例2)
図4は、本発明の一実施形態である花粉飛散数計測装置の概念的構成図であり、花粉分別装置例も内在図示してある。
【0068】
花粉飛散数計測装置βは、比重1.2乃至1.3、直径約30μmの球状粒子を捕捉・計測する装置であり、大気を吸入して大気に含まれる浮遊粒子を採取する単基ファン1と、当該採取した浮遊粒子群から粗大粒子を排除する第一分別手段である第一流路管2′と、第一流路管2′で粗大粒子を排除した粒子群から微小粒子を分別して花粉粒子のみを検出する第二分別手段である第二流路管3′と、この花粉粒子を計数するセンサ4とで構成され、センサ4の例示として、図2、3の構成がある。
【0069】
(花粉分別方法例2、花粉飛散数計測方法例2)
図4の花粉飛散数計測装置βを説明しながら、本発明の一実施形態である花粉飛散数計測方法を説明する。
尚、当該花粉飛散数計測方法は本発明の一実施形態である花粉分別方法を採用しているので、併せて説明する。
【0070】
当該実施形態では、気流中及び静止気体中の粒子の運動が、粒子径と粒子の比重に依存して変化することを利用して、例えば、粒径10μm程度以下の微小粒子と、30μm程度の花粉粒子と、50μm程度以上の粗大粒子とを分別し、30μm程度の花粉粒子のみを計数する。又、当該実施形態では、気流中の粒子の運動として粒子の重力による自然沈降現象に着目し、沈降速度が粒子径と粒子の比重に依存して変化することを利用して、大気浮遊粒子群から花粉粒子のみを分別している。
【0071】
以下、各粒径による粒子の沈降速度の違いを利用して、粒径30μm程度の花粉粒子のみを分別する花粉飛散数計測装置βの動作の手順を説明する。
【0072】
先ず単基ファン1により第一流路管2′の吸入口2a′より、様々な粒径の大気浮遊粒子を含んだ大気を花粉飛散数計測装置β内に導入する。このとき、大気の流入速度を、例えば粒径50μm程度以上の粒子を沈降速度より小さくすることにより、粒径50μm程度以上の粗大粒子を第一流路管2′の底部に蓄積し、導入口3a′から第二流路3′に導入しない様にすることが可能となる。
【0073】
以上の様にして、導入口3a′から大気浮遊粒子を含んだ大気を花粉飛散数計測装置β内に一定時間導入して、花粉粒子を含む粒子群を第一流路管2′内に導入した後、単基ファン1を停止する。
【0074】
次に、第一流路管2′で粗大粒子を排除した粒子群が重力沈降により第二流路管3′に流入するので、粒径30μm程度の花粉粒子のみをセンサ4で計測し、花粉飛散数を計測する。
【0075】
(花粉分別装置例3、花粉飛散数計測装置例3)
図5は、本発明の一実施形態である花粉飛散数計測装置の概念的構成図であり、花粉分別装置例も内在図示してある。
【0076】
花粉飛散数計測装置γは、比重1.2乃至1.3、直径約30μmの球状粒子を捕捉・計測する装置であり、大気を吸入して大気に含まれる浮遊粒子を採取する単基ファン1と、当該採取した浮遊粒子群から粗大粒子を排除する第一分別手段である流路管5と、流路管5で粗大粒子を排除した粒子群から微小粒子を排出して花粉粒子のみを採取する第二分別手段であるサイクロン6と、サイクロン6で分別・採取した花粉粒子のみを計数するセンサ4とで構成され、センサ4の例示としては、図2、3の構成がある。
【0077】
(花粉分別方法例3、花粉飛散数計測方法例3)
図5の花粉飛散数計測装置γを説明しながら、本発明の一実施形態である花粉飛散数計測方法を説明する。
尚、当該花粉飛散数計測方法は本発明の一実施形態である花粉分別方法を採用しているので、併せて説明する。
【0078】
当該実施形態では、気流中の粒子の運動が、粒子径と粒子の比重に依存して変化することを利用して、例えば、粒子径10μm程度の微小粒子と、30μm程度の花粉粒子と、50μm程度以上の粗大粒子とを分別し、30μm程度の花粉粒子のみを計数する。又、気流中の粒子の運動として、粒子の重力による沈降現象と、遠心力による拡散現象とに着目して、当該沈降の速度と拡散速度が粒径と粒子の比重に依存することを利用して、大気浮遊粒子群から花粉粒子のみを分別している。
【0079】
以下、各粒子径による粒子の沈降速度、拡散速度の違いを利用して、粒径30μm程度の花粉粒子のみを分別する花粉飛散数計測装置γの動作手順を説明する。
【0080】
先ず単基ファン1により流路管5の吸入口5aより、様々な粒径の大気浮遊粒子を含んだ大気を導入する。この際、図1の一実施形態(花粉分別装置/方法例1、花粉飛散数計測装置/方法例1)の様に、大気の流入速度を、例えば、粒径50μm程度以上の粒子の沈降速度より小さくすることにより、粒径50μm程度以上の粒子を流路管5の底部に堆積させ、サイクロン6に導入しない様にする。
【0081】
次に、サイクロン6では、渦巻き状の回転流れを発生させ、遠心力の作用の小さい粒径である30μm未満の微小粒子を大気と共に排出すると同時に、粒径30μm程度の花粉粒子のみには、(微小粒子より)比較的大きな遠心力が作用して、気流中の拡散速度が大きくなるので、粒径30μm程度の花粉粒子のみを排出しないで、サイクロン6の外壁に向かって拡散させ、当該拡散した花粉粒子を採取して、サイクロン6の底部に接続したセンサ4に採取した花粉粒子のみを導入し、センサ4を用いて花粉粒子を計数する。
【0082】
この場合、サイクロン6で分別できる限界粒径は、次に述べる解析に基づき得られ、解析の結果はサイクロン6の設計データとして用いられている。サイクロン6で分別できる限界粒径の計算の手法としては、良く知られたロージン・ラムラー式を用いる。尚、当該解析では、(ア)気流中で球形粒子の運動はストークスの法則に従い、(イ)サイクロン6入口6a断面で粒子群は均等、希薄に分布するものとし、粒子間の相互作用は無視でき、(ウ)粒子群は再飛散せず、(エ)旋回気流は非回転流れである、と仮定する。
【0083】
粒子に作用する遠心力と運動抵抗の釣り合い条件から式(8)が得られる。
【数6】
ここで、ρpは粒子の密度、dは球形粒子の直径、Voは粒子の速度、rは粒子の位置座標、μは粘性計数である。
【0084】
式(8)において、粒子の初期位置、即ち時刻t=0のときr=D1-sとして変数分離により式(8)を解くと、式(9)を得る。
【数7】
【0085】
サイクロン6の回転巻き数をNとし、時刻tで外壁D1/2に達したとすると、粒子径は、式(10)(11)で与えられる。
【数8】
【0086】
以上の様にして、気流中の粒子の重力による自然沈降現象と遠心力による拡散現象において、粒子の沈降速度と拡散速度が、粒径と粒子の比重に依存することを利用して、大気浮遊粒子群から花粉粒子のみを分別し、この分別した花粉粒子を、センサ4により計数する。
【0087】
(花粉分別装置例4、花粉飛散数計測装置例4)
図6は、本発明の一実施形態である花粉飛散数計測装置の概念的構成図であり、花粉分別装置例も内在図示してある。
【0088】
花粉飛散数計測装置δは、比重1.2〜1.3、直径約30μmの球状粒子を捕捉・計測する装置であり、大気を吸入して大気に含まれる浮遊粒子を採取する単基ファン1と、当該採取した浮遊粒子群から粗大粒子を排除する第一分別手段であるカスケードインパクタ7と、カスケードインパクタ7で粗大粒子を排除した粒子群から微小粒子を排出して花粉粒子のみを採取する第二分別手段であるルーパ8で多段構成されるルーパ型分級器と、ルーパ型分級器で分別・採取した粒子のみを計数するセンサ4で構成され、センサ4の例示としては、図2、3の構成がある。
【0089】
(花粉分別方法例4、花粉飛散数計測方法例4)
図6の花粉飛散数計測装置δを説明しながら、本発明の一実施形態である花粉飛散数計測方法を説明する。
尚、当該花粉飛散数計測方法は本発明の一実施形態である花粉分別方法を採用しているので、併せて説明する。
【0090】
当該実施形態では、気流中の粒子の運動が、粒子径と粒子の比重に依存することを利用して、例えば、粒子径10μm程度以下の微小粒子と、30μm程度の花粉粒子と、50μm程度以上の粗大粒子とを分別し、30μm程度の花粉粒子のみを計数する。又、流れの方向が急激に変化する気流中の粒子の運動に着目して、そのとき、粒子の運動の方向変化が粒子径と粒子の比重に依存することを利用して、大気浮遊粒子群から花粉粒子のみを分別している。
【0091】
以下、粒径30μm程度の花粉粒子を分別する花粉飛散数計測装置δの動作の手順を説明する。
【0092】
先ず、単基ファン1によりカスケードインパクタ7の吸入口8aより、様々な粒径の大気浮遊粒子を含んだ大気を導入する。この際、比較的比重の大きい粒子は、流れ方向が急激に変化する気流中では、当該流れ方向の変化に追従できないので、カスケードインパクタ7上に当該比較的比重の大きい粒子が堆積し、カスケードインパクタ7下方のルーパ型分級器に流入しない様にすることができる。
【0093】
次に、カスケードインパクタ7により分級された粒子群は、ルーパ8で多段構成されるルーパ型分級器により、カスケードインパクタ7の動作原理と同様の動作原理で、比較的比重の小さい微小粒子を各段の排気口8bからルーパ型分級器の外に排出し、花粉粒子のみを分別し、センサ4に導入する。
【0094】
以上の様にして、流れの方向が急激に変化する気流中における粒子の追従が粒径及び粒子の比重に依存することを利用して、大気浮遊粒子群から花粉粒子のみを分別し、この分別した花粉粒子をセンサ4により計数する。
【0095】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は、必ずしも上記した事項に限定されるものではなく、本発明の目的を達成し、下記する効果を奏する範囲において、適宜変更実施可能である。
【0096】
【発明の効果】
本発明によれば、大気から採取した浮遊粒子群から、粒子の重力沈降、粒子に作用する外力(遠心力、重力等)の作用の相違を利用することにより、花粉粒子のみを分別し、当該分別して採取した花粉粒子にレーザを照射して散乱光を検出したり、又は当該花粉粒子を帯電させて電流を計測したり、花粉堆積による重量変化を測定するなどして、当該花粉粒子を計数することが可能になり、従来の技術上の問題を解決し、低コスト化、メインテナンスフリー化、現場計測、自動計測が可能で精度、確度、信頼度の高いという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である花粉飛散数計測装置の概念的構成図である。
【図2】同上におけるセンサの概略図である。
【図3】同上における図2とは別のセンサの概略図である。
【図4】図1とは別の本発明の一実施形態である花粉飛散数計測装置の概念的構成図である。
【図5】図1、図4とは別の、本発明の一実施形態である花粉飛散数計測装置の概念的構成図である。
【図6】図1、図4、図5とは別の、本発明の一実施形態である花粉飛散数計測装置の概念的構成図である。
【符号の説明】
α、β、γ、δ…花粉飛散数測定装置
1…ファン
2,2′…第一流路管
2a,2a′…吸入口
3,3′…第二流路管
3a,3a′…導入口
3b…排気口
4,4′,4″…センサ
5…流路管
5a…吸入口
6…サイクロン
6a…入口
7…カスケードインパクタ
8…ルーパ
8a…吸入口
8b…排気口
11…光源
12…レンズ
13、14…集光レンズ
15、16、17…検出器
21…コロナ放電用電線
22、23…放電用電極
24…帯電検出用電線
25…電流計
L…光
Claims (14)
- 大気に浮遊する粒子群を吸入採取し当該採取した粒子群から花粉粒子のみを分別する分別方法であって、
前記花粉粒子より粒径又は比重の大なる粗大粒子の沈降速度より小さな流入速度で、前記大気を吸入し、当該採取した粒子群から前記粗大粒子を排除し、
前記粗大粒子を排除した粒子群から、重力沈降、各粒子に作用する重力又は遠心力の作用の相違を利用して、前記花粉粒子より小なる微小粒子を排除し、花粉粒子のみを分別する、
ことを特徴とする花粉分別方法。 - 大気に浮遊する粒子群を吸入採取し当該採取した粒子群から花粉粒子のみの飛散数を計測する方法であって、
前記採取した粒子群から花粉粒子を、請求項1に記載の花粉分別方法により、分別した後に、当該分別した花粉粒子を計数する、
ことを特徴とする花粉飛散数計測方法。 - 前記計数は、
前記分別した花粉粒子に照射した光の散乱光の検出に基づいて為される、
ことを特徴とする請求項2に記載の花粉飛散数計測方法。 - 前記計数は、
前記分別した花粉粒子を帯電させ当該帯電した花粉粒子による電流の測定に基づいて為される、
ことを特徴とする請求項2に記載の花粉飛散数計測方法。 - 前記計数は、
前記分別して堆積した花粉粒子の総重量の測定に基づいて為される、
ことを特徴とする請求項2に記載の花粉飛散数計測方法。 - 大気に浮遊する粒子群を吸入採取して当該採取した粒子群から花粉粒子のみを分別する分別装置であって、
大気を吸入して当該大気に含まれる浮遊粒子を採取する単基ファンと、
当該ファンにて大気の流入速度を花粉粒子より粒径又は比重の大なる粗大浮遊粒子の沈降速度より小さく設定することにより、前記吸入採取した粒子群から花粉粒子より大なる粗大粒子を排除する第一分別手段と、
当該第一分別手段で粗大粒子を排除した粒子群から花粉粒子のみを分別する第二分別手段とで、
構成される、
ことを特徴とする花粉分別装置。 - 前記第二分別手段は、
重力沈降作用を用いた前記第一分別手段である第一流路管で粗大粒子を排除した粒子群から、花粉粒子より小なる微小粒子を排除して花粉粒子のみを採取する第二流路管である、
ことを特徴とする請求項6に記載の花粉分別装置。 - 前記第二流路管の排気口の排出速度は、
花粉粒子より小なる微小粒子の沈降速度より大きい、
ことを特徴とする請求項7に記載の花粉分別装置。 - 前記第二分別手段は、
重力沈降作用を用いた前記第一分別手段である第一流路管で粗大粒子を排除した粒子群から、花粉粒子のみを検出する第二流路管である、
ことを特徴とする請求項6に記載の花粉分別装置。 - 前記単基ファンは、
所定の一定時間作動停止させて、粗大粒子を排除した粒子群を第二流路管に流入自在な配置構造である、
ことを特徴とする請求項9に記載の花粉分別装置。 - 前記第二分別手段は、
重力沈降作用を用いた前記第一分別手段である流路管で粗大粒子を排除した粒子群から、花粉粒子より小なる微小粒子を排出し花粉粒子のみを採取するサイクロンである、
ことを特徴とする請求項6に記載の花粉分別装置。 - 前記サイクロンは、
渦巻き状の回転流れを発生させ、花粉粒子より小なる微小粒子を大気と共に排出する手段である、
ことを特徴とする請求項11に記載の花粉分別装置。 - 大気に浮遊する粒子群を吸入採取して当該採取した粒子群から花粉粒子のみを分別する分別装置であって、
大気を吸入して当該大気に含まれる浮遊粒子を採取する単基ファンと、
前記採取した粒子群から花粉粒子より大なる粗大粒子を排除する第一分別手段と、
当該第一分別手段で粗大粒子を排除した粒子群から花粉粒子のみを分別する第二分別手段とで、
構成され、
前記第一分別手段は、前記花粉粒子より比重の大きい前記粗大粒子を、カスケードインパクタ上に堆積させる手段であり、
前記第二分別手段は、前記第一分別手段であるカスケードインパクタにより前記粗大粒子を排除した粒子群から、前記花粉粒子より小なる微小粒子を排除し、花粉粒子のみを採取するルーパで多段構成されるルーパ型分級手段である、
ことを特徴とする花粉分別装置。 - 大気に浮遊する粒子群を吸入採取し当該採取した粒子群から花粉粒子を分別して花粉粒子のみの飛散数を計測する装置であって、
重力沈降、各粒子に作用する外力の作用の相違を利用して、前記採取した粒子群から花粉粒子のみを分別する請求項6、7、8、9、10、11、12又は13に記載の花粉分別装置である分別手段と、
当該分別手段により分別した花粉粒子のみを計数する計数手段と、
で構成される、
ことを特徴とする花粉飛散数計測装置。
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