JP3558369B2 - 感光性樹脂組成物の感度調整方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
この発明は、半導体装置等の製造で用いられるレジストの構成材料、無機ケイ酸系膜の形成材料などとして使用可能な感光性樹脂組成物の、感度の調整方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
感光性樹脂組成物は、例えば半導体装置の製造等に不可欠なものとなっている。感光性樹脂組成物の一例として、例えばこの出願の出願人に係る特願平4−17588号(特開平5−216237号公報)に開示のものがある。これは、アルコキシ基を有するポリ(シロキサン)誘導体と露光により酸を発生する酸発生剤とを含むものであった。この感光性樹脂組成物では、これを露光すると露光された部分においてポリ(シロキサン)誘導体が有するアルコキシ基のC−O−Si結合が切断されシラノールが生成する。シラノールは縮合し易いので、この感光性樹脂組成物の露光された部分は、シロキサンに変換され分子量が増加するから、ゲル化する。このゲル化した部分は、例えば現像液に不溶になるので、この感光性樹脂組成物は例えばネガ型レジストの構成材料として使用出来る。特に、2層レジストプロセスの上層レジストの構成材料として好適なものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、感光性樹脂組成物は、種々の露光源(例えば光、電子線、X線など)で使用できるものが好ましい。また種々の露光源で使用する場合露光装置ごとに最も適する感度が存在することが多いため、感光性樹脂組成物の感度を調整出来る方法が必要になる。アルコキシ基を有するポリ(シロキサン)誘導体と酸発生剤とを含む上述したような感光性樹脂組成物の感度調整は、例えば、▲1▼:酸発生剤の種類を違える方法、▲2▼:酸発生剤の混合量を違える方法、▲3▼:感光性樹脂組成物の露光時や露光後のプロセス条件(例えば加熱条件)を違える方法などがあり、それぞれ有効な方法として使用されている。しかし、感光性樹脂組成物の感度調整を、上記▲1▼〜▲3▼とは別の方法で出来れば、感度調整の自由度が向上し種々の点で便宜と考えられる。
【0004】
【課題を解決するための手段及び作用】
そこで、この発明によれば、側鎖がアルコキシ基とされ、かつ両末端の一方又は両方が水酸基とされているポリ(シロキサン)誘導体と、露光により分解して酸を発生する酸発生剤とを含む感光性樹脂組成物の感度を調整するに当たり、当該ポリ(シロキサン)誘導体に一官能性基を導入し、その導入率により感度を調整することを特徴とする。
【0005】
この発明によれば、次のような作用が得られる。側鎖にアルコキシ基を有するポリ(シロキサン)誘導体と、露光により分解して酸を発生する酸発生剤とを含む感光性樹脂組成物では、これを露光すると露光された部分においてポリ(シロキサン)誘導体が有するアルコキシ基のC−O−Si結合が切断されシラノールが生成する。そして、シラノールは縮合し易いので、この感光性樹脂組成物の露光された部分は、ゲル化する。これらの点は既に説明した通りである。ところで、シラノールの縮合が開始されるためにはある程度の量のシラノールが必要である。したがって、少ない露光量で露光部分をゲル化させたい場合は、側鎖にアルコキシ基を有するポリ(シロキサン)誘導体はその末端が水酸基(場合によっては側鎖の一部も水酸基)となっているものであるのが良いといえる。これに対しこの発明では、側鎖にアルコキシ基を有するポリ(シロキサン)誘導体に一官能性基を導入するのでこのポリ(シロキサン)誘導体中の水酸基の数がその分減少する。このため、この発明では、側鎖にアルコキシ基を有するポリ(シロキサン)誘導体および酸発生剤を含む感光性樹脂組成物の感度を低下させる方向で感度の調整が出来る。
【0006】
なお、この発明の実施に当たり、一官能性基の導入は、上記ポリ(シロキサン)誘導体と、一官能性基を有する反応性モノマーとを混合することにより行ない、導入率は反応性モノマーの使用量により制御するのが好適である。この方法であると、アルコキシ基および水酸基を有するポリ(シロキサン)誘導体から、必要に応じ所望の感度の感光性樹脂組成物を調整できるので便利である。
【0007】
また、この発明の実施に当たり、一官能性基の導入は、合成容器中に、上記ポリ(シロキサン)誘導体を合成するためのモノマーと、一官能性基を有する反応性モノマーとを混合することにより行ない、導入率は反応性モノマーの使用量により制御しても構わない。なお、この後者の方法では一官能性置換基を有する反応性モノマーを合成時に使用するため、重合反応は若干遅くなる。しかし、重合速度が若干遅くなるのみであり、反応自体には大きな変化がない。つまり、感度を違えるごとに特別に重合条件を変更するようなことは基本的にないので合成段階での感度調整であるといえど比較的簡便である。
【0008】
ここで、この発明でいうアルコキシ基を有するポリ(シロキサン)誘導体は、例えば、下記の(1)式で示されるもの、下記の(2)式で示されるもの及び、下記(1)式で示されるものと下記(2)式で示されるものとの共重合体から選ばれる1または複数のものであることができる。ただし、(1)式、(2)式中のR1 、R2 、R5 、R6 各々はアルキル基を表し、同一でも異なっていても良い。また、R3 、R7 、R8 各々は水素又は一官能性基を表す。また、R4 、R9 、R10各々は水素又は一官能性基を表し、同一でも異なっていても良い。但し、R 3 又はR 4 のいずれか一方、及びR 7 、R 8 、R 9 又はR 10 のうち、少なくとも1つは水素である。また、m,nは重合度を示す正の整数である。
【0009】
【化1】
【0010】
例えば、この発明において用いられるポリ(シロキサン)誘導体であって、それに対応するモノマーを加水分解・縮合させ得られたポリ(シロキサン)誘導体は、その合成条件によっては、側鎖が全てアルコキシ基となっていて、末端が全て水酸基になっているものとなり得る。
【0011】
また、感度調整のために導入される、一官能性基を有する反応性モノマーとしては、例えば下記(3)式で表される一官能性シリル基が好適である。ただし、(3)式において、Yはメチル基を表し、Xはアセトキシ基、ハロゲンまたはフェノキシ基を表す。この反応性モノマーはケイ素を含むので、そうでないものを用いる場合に比べ、感光性樹脂組成物のケイ素含有率が反応性モノマーの導入により低下するのを抑制できるからである。
【0012】
Y3 SiX ・・・(3)
また、酸発生剤は露光により酸を発生する物質であるならば特定されない。例えば、下記の(4)式で表されるヨードニウム塩および(5)式で表されるスルホニウム塩などのオニウム塩、(6)式で表されるp−トルエンスルホナート、(7)式で表されるトリクロロメチル置換トリアジン、(8)式で表されるトリクロロメチル置換ベンゼンは、酸発生剤として用い得る。
【0013】
【化2】
【0014】
【化3】
【0015】
これら酸発生剤は、市販されているか、または、J.V.Crivello等による合成方法(例えば文献I:ジャーナル オブ ポリマー サイエンス.,ポリマー ケミストリー エディション(J.Polymer Sci.,Polymer Chem.Ed.,18,2677(1980))や、T.Endo等による合成方法(例えば文献II:ジャーナル オブ ポリマー サイエンス.,ポリマー ケミストリー エディション(J.Polymer Sci.,Polymer Chem.Ed.,23,359(1985))に従って合成出来る。
【0016】
これら酸発生剤を適当に選択することにより種々の露光源に容易に対応することが出来る。また、酸発生剤は、用いるポリ(シロキサン)の重量に対し、その下限を0.01%好ましくは0.05%、上限を50%好ましくは30%の範囲で添加するのが良い。この範囲を外れると、当該放射線感応性樹脂組成物の成膜に高温を必要としたり、塗布膜が脆弱になったりするからである。
【0017】
また、この発明の感度調整方法の対象である感光性樹脂組成物は架橋剤をさらに含むものであっても良い。架橋剤としては例えば下記の(9)式で示されるものが好適である。この架橋剤はケイ素を含むので、そうでないものを用いる場合に比べ、感光性樹脂組成物のケイ素含有率が架橋剤を含む構成としたことで低下するのを抑制できるからである。ただし、(9)式において、j,k,L(エル)おのおのは、j≧1、2≦k≦2(j+1)、L(エル)=2(j+1)−kを満足する正の整数を表す。RA は水素、アルキル基、アリール基またはアルケニル基を表し、k個のRA は同一でも異なっても良い。RB は1価の炭化水素基または水素を表し、L(エル)個のRB は同じでも異なっても良い。
【0018】
(RA O)k RB L Sij O(j-l) ・・・(9)
架橋剤は用いるポリ(シロキサン)誘導体の重量に対し、その下限を0.05%、上限を50%好ましくは30%の範囲で添加するのが良い。この範囲を外れると、当該放射線感応性樹脂組成物の成膜に高温を必要としたり、塗布膜が脆弱になったりするからである。架橋剤を用いると、ポリ(シロキサン)誘導体および酸発生剤の二成分系では達成出来ない高感度の感光性樹脂組成物が得られる。
【0019】
なお、感光性樹脂組成物の使用にあたってスピンコート法により当該組成物を基板上に塗布しこの皮膜を基板上に形成する場合は、そのための塗布溶液調製のための溶剤が必要になる。この溶剤としては、例えば、2−メトキシ酢酸エチル、クロロベンゼン、キシレン、ジオキサン、メチルイソブチルケトン(MIBK)、酢酸イソアミル等を挙げることが出来る。
【0020】
また、この感光性樹脂組成物の使用にあたっては、当該組成物の皮膜を露光後その試料を加熱処理をすることにより、該皮膜の露光部分の現像液に対する不溶化が容易になる。
【0021】
【実施例】
以下、この発明の感光性樹脂組成物の感度調整方法の実施例について説明する。なお、以下の説明中で述べる、使用材料及び材料の使用量、処理時間、温度、膜厚等の数値的条件は、この発明の範囲内の好適例にすぎない。従って、この発明がこれら条件にのみ限定されるものでないことは理解されたい。
【0022】
1.第1実施例および比較例
(第1実施例)
先ず、末端がすべて水酸基となっていて、側鎖がアルコキシ基の一種であるt−ブトキシ基となっていて、重量平均分子量が10,000であるポリ(ジ−t−ブトキシシロキサン)190g(1mol)を、5l(リットル)のメチルイソブチルケトンに溶解させ、この溶液を氷浴によって3℃に冷却する。なお、下記の(10)式にポリ(ジ−t−ブトキシシロキサン)の構造式を示した。なお、ここで用いたポリ(ジ−t−ブトキシシロキサン)は、原料モノマーとしてジアセトキシ−ジ−t−ブトキシシラン(t−BuO)2 (CH3 CO2 )2 Siを用い、溶媒としてメチルイソブチルケトンを用い、触媒としてトリエチルアミンを用いた加水分解・縮合による合成法で形成出来る。その手順は、この出願の出願人に係る特願平4−17588号(特開平5−216237号公報)に記載されているので省略する。
【0023】
【化4】
【0024】
次に、この溶液に、一官能性基を有する反応性モノマーとしてこの場合トリメチルシリルクロライド0.500l(リットル。4mol)を加え攪拌し、さらに、トリエチルアミンを0.560l(リットル。4mol)を滴下し、その後、16時間室温で攪拌を続けた。得られた反応液を濾過しさらに溶媒を留去することにより無色の結晶が得られた。この結晶の構造式は下記の(11)式と考えられる。ただし、(11)式中、Rはトリメチルシリル(TMS)基または水素を表す。
【0025】
【化5】
【0026】
得られた結晶の重量平均分子量は、10,000であり、反応性モノマーを導入した場合もポリ(ジ−t−ブトキシシロキサン)の分子量は変動しないことが理解出来る。また、この結晶をNMRにより分析したところ、δ値が1.2PPMにt−ブチル基に含まれるメチル基由来のピークが認められ、δ値が0.14PPMにトリメチルシリル(TMS)基由来のピークが確認された。
【0027】
次に、上記得られた結晶190gと、酸発生剤の一種である下記(12)式で表されるトリフェニルスルホニウムトリフレート(Ph 3 S+ OTf- )8.25g(0.02mol)とを、メチルイソブチルケトン1780gに溶解し、この溶液を穴径0.2μmの孔を有するメンブレンフィルタで濾過することにより感光性樹脂組成物の塗布溶液を調製する。
【0028】
【化6】
【0029】
次に、この塗布溶液を回転塗布法によりシリコンウエハ上に0.2μmの膜厚に塗布し、次いで、この試料をホットプレート上で80℃の温度で1分間プリベークする。プリベーク後の試料を電子線露光装置を用い加速電圧20KVの条件で露光する。露光の済んだ試料をホットプレート上で100℃の温度で2分間ポストエクスポージャベークを行い、その後、メチルイソブチルケトンで30秒間現像し、その後、シクロヘキサンで30秒間リンスする。この試料の残存膜厚を初期膜厚(上記0.2μm)規格化し、この値を露光量の対数に対してプロットして曲線(いわゆる特性曲線)を求める。この曲線から感度を求める。感度は10μC/cm2 であることが分かった。
【0030】
(比較例1)
第1実施例で用いた、末端がすべて水酸基となっていて、側鎖がアルコキシ基の一種であるブトキシ基となっていて、重量平均分子量が10,000であるポリ(ジ−t−ブトキシシロキサン)190gそのものと、トリフェニルスルホニウムトリフレート8.25gとを、メチルイソブチルケトン1780gに溶解し、この溶液を穴径0.2μmの孔を有するメンブレンフィルタで濾過することにより比較例1の感光性樹脂組成物の塗布溶液を調整する。すなわち、反応性モノマーとしてのトリメチルシリルクロライドを用いた処理を行わないこと以外は第1実施例と同様にして比較例1の感光性樹脂組成物の塗布溶液を調整する。
【0031】
比較例1の感光性樹脂組成物の感度を第1実施例と同様な手順で求める。その感度は2μC/cm2 であることが分かった。
【0032】
比較例1と第1実施例とから、末端がすべて水酸基となっているポリ(ジ−t−ブトキシシロキサン)に一官能性基(ここではTMS基)を導入することで感度を低い側に調整できることが理解出来る。
【0033】
(比較例2)
第1実施例で調整した感光性樹脂組成物の塗布溶液に架橋剤とし上記(9)式で示される物質の一例であるテトラフェノキシシラン[(PhO)4 Si]を6.72gさらに加え比較例2の感光性樹脂組成物の塗布溶液を調整する。そして、この電子線に対する感度を第1実施例同様に求める。その感度は8.5μC/cm2 であることが分かった。比較例2と第1実施例とから、架橋剤を用いると感度を高い側に調整できることが理解出来る。
【0034】
2.第2実施例
反応性モノマーとして用いるトリメチルシリルクロライドの量を、第1実施例の場合の半分に当たる、0.250l(リットル。2mol)とし、それに対応させトリエチルアミンの量を0.28l(2mol)としたこと以外は、第1実施例と同様な手順で感光性樹脂組成物の塗布溶液を調整し、さらにこの組成物の電子線に対する感度を求める。その感度は5μC/cm2 であることが分かった。
【0035】
3.第3実施例
反応性モノマーとして用いるトリメチルシリルクロライドの量を、第1実施例の場合の2倍に当たる、1.000l(リットル。8mol)とし、それに対応させトリエチルアミンの量を1.120l(8mol)としたこと以外は、第1実施例と同様な手順で感光性樹脂組成物の塗布溶液を調整し、さらにこの組成物の電子線に対する感度を求める。その感度は120μC/cm2 であることが分かった。
【0036】
4.第4実施例
上述の第1〜第3実施例では、ポリ(シロキサン)誘導体に、一官能性基を有する反応性モノマーを混合することで、ポリ(シロキサン)誘導体中に一官能性基を導入していた。しかし、一官能性基の導入は、ポリ(シロキサン)誘導体の合成中に合成容器中に一官能性基を有する反応性モノマーを混合することにより行なっても良い。この第4実施例はその例である。
【0037】
反応器(合成容器)にモノマーとしてジアセトキシ−ジ−t−ブトキシシランを290g(1mol)入れ、また、溶媒としてメチルイソブチルケトン5000ml(0.2mol/l)入れる。これらを攪拌し水冷する。次に、この反応器に触媒としてトリエチルアミンを14ml(0.1mol)加え、さらに水を180ml(10mol)加え、1時間攪拌する。この反応器にさらにトリエチルアミンを560ml(4mol)加え、さらにこの反応器に一官能性基を有する反応性モノマーとしてトリメチルシリルクロライド500ml(4mol)を滴下する。この反応液を50℃に加熱し6時間重合を行う。この間ゲルの生成は認められなかった。得られた溶液の有機層を水で洗浄し、さらに硫酸マグネシウムで脱水し、さらに溶媒を留去することにより目的の樹脂が得られる。この樹脂の重量平均分子量は8000であることが分かった。
【0038】
この樹脂を第1実施例と同様な手順および同様な混合比で酸発生剤と混合して第4実施例の感光性樹脂組成物の塗布溶液を調整し、さらに第1実施例同様に電子線に対する感度を測定する。その感度は11μC/cm2 であることが分かった。この第4実施例の場合も、比較例1の場合すなわち末端がすべて水酸基となっていて、側鎖がアルコキシ基の一種であるブトキシ基となっている、ポリ(ジ−t−ブトキシシロキサン)を用いた場合に比べ、感度を低い側に調整できることが分かる。
【0039】
第1〜第4実施例および比較例1おのおのの構成と、各構成で得られる感度とを下記の表にまとめて示した。ただし、表中、モノマーとは、アルコキシ基を有するポリシロキサンの合成の際に用いたモノマーすなわちジアセトキシ−ジ−t−ブトキシシランのことである。該当欄の数字はこれらモノマーの使用量である。また、TMSClとはトリメチルシリルクロライドのことである。該当欄の数字はTMSClの使用量である。
【0040】
【表1】
【0041】
この表1から理解出来るように、一官能性基を有する反応性モノマーであるTMSClの使用量が増加すると感度が低下することが分かる。これは、TMSClの使用量が増加するとTMSのポリ(シロキサン)に対する導入率(TMS化率)が増加するためと考えられる。
【0042】
5.酸素プラズマ耐性について
次に、この発明の感光性樹脂組成物の感度調整方法が、この組成物の酸素プラズマ耐性にどのように影響するかを調べる。
【0043】
5−1.
比較例1の感光性樹脂組成物(末端が全て水酸基であり一官能性基を導入しなかったもの)をシリコンウエハ上に回転塗布法により塗布する。この試料をホットプレート上で80℃の温度で1分間プリベークする。次に、感光性樹脂組成物の皮膜に対し、DEM451平行平板型ドライエッチャー(アネルバ社製)で酸素リアクティブイオンエッチングを20分間行う。ただし、このエッチングは、O2 ガス圧を1.0Pa、O2 ガス流量を20SCCM、RFパワー密度を0.12W/cm2 とそれぞれした条件で行う。このエッチングにおける比較例1の感光性樹脂組成物のエッチング量は14nmであることが分かった。
【0044】
5−2.
用いる感光性樹脂組成物を第3実施例のもの(反応性モノマーの使用量が最も多かったもの)としたこと以外は5−1.項の手順と同様な手順で第3実施例の組成物の皮膜の酸素プラズマによるエッチング量を測定する。この場合のエッチング量は12nmであることが分かった。
【0045】
上述の5−1項および5−2項の結果から明らかなように一官能性基を導入しても酸素プラズマによるエッチング量は変わらないことが理解出来る。
【0046】
【発明の効果】
上述した説明からも明らかなように、この発明の感光性樹脂組成物の感度の調整方法によれば、所定のポリ(シロキサン)誘導体および酸発生剤を含む感光性樹脂組成物のポリ(シロキサン)誘導体に一官能性基を導入しその導入率により感度を調整する。ポリ(シロキサン)の骨格自体を維持したまま感度調整ができるので、感光性樹脂組成物の基本的な性質たとえばケイ素含有率や重量平均分子量を変動することなく感度調整ができる。また、酸発生剤を適当に選択することにより種々の露光源に対応することができる。
Claims (3)
- 側鎖がアルコキシ基とされ、かつ両末端の一方又は両方が水酸基とされているポリ(シロキサン)誘導体と、露光により分解して酸を発生する酸発生剤とを含む感光性樹脂組成物の感度を調整するに当たり、
前記ポリ(シロキサン)誘導体に一官能性基を導入し、その導入率により感度を調整すること
を特徴とする感光性樹脂組成物の感度調整方法。 - 請求項1に記載の感光性樹脂組成物の感度調整方法において、
前記一官能性基の導入は、前記ポリ(シロキサン)誘導体と、一官能性基を有する反応性モノマーとを混合することにより行ない、
前記導入率は前記反応性モノマーの使用量により制御すること
を特徴とする感光性樹脂組成物の感度調整方法。 - 請求項1に記載の感光性樹脂組成物の感度調整方法において、
前記一官能性基の導入は、合成容器中に、前記ポリ(シロキサン)誘導体を合成するためのモノマーと、一官能性基を有する反応性モノマーとを混合することにより行ない、
前記導入率は前記反応性モノマーの使用量により制御すること
を特徴とする感光性樹脂組成物の感度調整方法。
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JP14593094A JP3558369B2 (ja) | 1994-06-28 | 1994-06-28 | 感光性樹脂組成物の感度調整方法 |
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