JP3558367B2 - ミシンの軸受装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、ミシンの軸受装置に係り、特に駆動軸を本体フレームに枢支する際に使用されるミシンの軸受装置に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来からミシンの組立てにおいては、ミシン本体上面の一部やベッド裏面に穿設された開口穴、また小型縁かがりミシンでは前述した開口穴の他にミシン本体の正面に穿設された開口穴から色々な部品を組付けている。この組付作業は、ミシン本体に設けられた軸受に駆動軸を少しずつ挿入しながら上述した開口穴より種々の部品を組付けていたので、組立てに技術を必要とし、また時間がかかっていた。
【0003】
このような問題点に対して、図3に示すようなミシンフレームが提案されている(特公昭48−4063号公報)。このミシンフレーム50は背板51の前方に突出する一対の受座52、53が設けられ、この一対の受座52、53にはクランクボス57、針棒58、ストップカラー59、ジグザグ発生用ウォームギヤ60、三角カム61及び駆動ベルト用歯車62などが固定された上軸56が、上軸56の両端部近傍に取付けられた球状メタル54、55を介して取付板及びネジ等にて取着されている。
【0004】
また、ミシン用の球状メタル及び受座として、ミシンにおける軸の軸受構造(実開昭59−131621号公報)やミシンにおける下軸支持装置の構造(実開平3−58273号公報)が提案されている。ミシンにおける軸の軸受構造は図4に示すように、外周面を球状にしたブッシュ(球状メタル)71、72が、受座73、74に形成された嵌合溝75、76に嵌合されて止め部材77、78及びネジ等により取着され、このブッシュ71、72には駆動機構等が固定された下軸79が挿入されている。またミシンにおける下軸支持装置の構造は図5に示すように、ミシンにおける軸の軸受構造と同様に、外形を球状に形成した軸受ブッシュ(球状メタル)81、82が、受座83、84に形成された嵌合溝85、86に嵌合されて止め部材87、88及びネジ等により取着され、この軸受ブッシュ81、82には駆動機構等が固定された下軸89が挿入されている。
【0005】
しかしながら、球状メタルを球面にて支持するために、駆動機構等の部品、特に球状メタル及び受座に対して高い加工精度及び組付精度が要求されていた。
【0006】
このような問題点に対して、ミシンの上軸取付装置(実公昭60−40877号公報)が提案されている。ミシンの上軸取付装置は図6に示すように、上軸95に嵌入、固定された球状メタル91、92を、受座93、94に形成されたV字状をなす逆四角錐の4つの傾斜面93a〜93d、94a〜94dに係合して位置決めを行なう。この位置決め作業の終了後、ネジにより取付片の取付孔を介して各支持板により各球状メタル91、92が各受座93、94に押圧固定される。
【0007】
しかしながら、このミシンの上軸取付装置の球状メタル及び受座は固より、何れの球状メタル及び受座においても強固に固定する構造ではないので、ミシンを輸送若しくは持運び中に過って落下させたり、ぶつけたりして駆動軸等に衝撃を与えた場合に、球状メタルが駆動軸等に追従して微動するため、球状メタルの位置ずれが発生することがあった。これにより球状メタルは元の位置に戻らず駆動系にかかるトルクが重くなるので、ミシンの故障原因になっていた。
【0008】
【発明の目的】
本発明はこのような従来の問題点を解決するためになされたもので、加工精度を必要とせず、また組立コストを下げ、而もミシンを輸送若しくは持運び中に過って落下させたり、ぶつけたりしても駆動系に影響を与えないミシンの軸受装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成する本発明のミシンの軸受装置は、駆動軸に嵌入される球状メタルと、球状メタルを本体フレームに取付けるための蓋とから成るミシンの軸受装置において、本体フレーム及び蓋には本体フレームに蓋を固定した際に球状メタルが回動可能に嵌合される球状溝が形成され、球状溝、球状メタル間には隙間が形成されると共に、球状メタルの駆動軸の回転方向のみ運動を制限し、その他の方向には隙間によって自由度を与える回転止手段が設けられたものである。
【0010】
また本発明のミシンの軸受装置において、回転止手段は球状メタルの球状面の外周方向には溝が形成され且つ溝には球状溝に密着させる弾性体が挿着されている。この弾性体は例えばOリングである。
【0011】
【作用】
このような軸受装置を適用したミシンを組立る際、予め駆動軸に球状メタルを含む色々な部品から構成される駆動機構部を組付けた後、球状メタルを本体フレームの所定位置に設けられた球状溝の位置に合せるだけで、駆動機構部をミシン本体に一括組込できる。
【0012】
また、このミシンに衝撃が加わると、駆動機構部が組付けられた駆動軸の軸線方向のずれに追従して球状メタルが微動する。しかし、球状メタルは本体フレーム及び蓋に形成された球状溝に対して回動可能に嵌合され、而もこの球状溝、球状メタル間には球状メタルの駆動軸の回転方向のみ運動を制限し、その他の方向には自由度を与える回転止手段が設けられているので、駆動軸が元の位置に戻る動作に従って球状メタルも元の位置に戻される。
【0013】
このような回転止手段が球状メタルの球状面の外周方向に形成された溝に弾性体、例えばOリングが装着されたものでは、駆動機構が組込まれた駆動軸の軸線方向のずれに追従して球状メタルが微動してもOリングがそのずれを吸収し、駆動軸が元の位置に戻るときにはOリングの柔軟性により、球状メタルは容易に元の位置に戻ることができる。従って、自動調心式の軸受装置として使用することができる。
【0014】
【実施例】
以下、本発明のミシンの軸受装置を縁かがりミシンに適用した実施例について図面を参照して説明する。
【0015】
縁かがりミシンは図1に示すように、プーリ1と同軸回転する駆動軸2に球面カム3が固着される。球面カム3はその1周に亘って2つのカム溝、上ルーパカム溝31と下ルーパカム溝32が形成されている。これらカム溝31及び32は、駆動軸2の軸線に垂直な線に対し所定の角度を持って形成され、且つ互いの位相が約36°ずれている。
【0016】
この上ルーパカム溝31及び下ルーパカム溝32には、上ルーパ駆動腕4及び下ルーパ駆動腕5の先端に嵌着された各カムローラ(図示せず)が係合されている。また上ルーパ駆動腕4はその脚部が上ルーパ軸6に固着される。上ルーパ軸6は駆動軸2と直交し、ミシンの本体フレーム40の一部に枢着される。また上ルーパ軸6には上ルーパ取付軸駆動腕7が上ルーパ駆動腕4と所定の角をなすように固着されており、上ルーパ駆動腕4の揺動に伴い一体に揺動する。上ルーパ取付軸駆動腕7の先端には上ルーパ取付軸8がピン9により回動可能に連結される。上ルーパ取付軸8はミシンの本体フレーム40の一部に回転自在に取付けられたピボット10内を摺動可能に貫通しており、上端には上ルーパ11が固着される。
【0017】
一方、下ルーパ駆動腕5はその脚部が下ルーパ軸12に固着される。下ルーパ軸12は駆動軸2に直交し、ミシンの本体フレーム40の一部に枢着される。また下ルーパ軸12には下ルーパ取付腕13が固着され下ルーパ駆動腕5の揺動に伴い下ルーパ駆動腕5と一体に揺動する。下ルーパ取付腕13の先端には下ルーパ14が固着される。また、本実施例では球面カム3と一体に針棒偏心カム15が形成される。針棒偏心カム15は球面カム3とは別個に駆動軸2に固着してもよい。針棒偏心カム15には針棒たてロッド16が結合し、針棒たてロッド16上端は針棒クランク腕17の一方の揺動腕17aが連結される。針棒クランク腕17はクランク軸18を中心に揺動し、もう一方の揺動腕17bに針棒リンク19を介して針棒抱き20が連結される。針棒抱き20には針棒21が固定され、更に針棒21には針22が取付けられる。
【0018】
このように組込まれているミシンの駆動機構にプーリ1を介してモータによる駆動力を伝達する駆動軸2には、プーリ1と針棒たてロッド16との間に球状メタル23が回動可能に嵌入され、球面カム3の反プーリ1側に球状メタル24が回動可能に嵌入される。この両球状メタル23、24は図2に示すように、各球状メタル23、24の球状面の頂点の外周方向に溝23a、24aが形成され、この各溝23a、24aには弾性体であるOリング25、26が挿着されている。この各Oリング25、26は、球状メタル23、24の外周方向の回転運動を制限するために、JIS B 2401に規格される運動用Oリングを使用するのが好ましい。
【0019】
この両球状メタル23、24は、ミシンの本体フレーム40のアーム部41、42に載置される。各アーム部41、42には各球状メタル23、24を押えるための蓋27、28がネジ29にて固定される。この各アーム部41、42及び各蓋27、28には、各アーム部41、42に各蓋27、28を固定した際に各球状メタル23、24が回動可能に嵌合される球状溝41a、42a、27a、28aが形成される。この受座41及び蓋27により形成される球状溝41a、27aと球状メタル23、及び受座42及び蓋28により形成される球状溝42a、28aと球状メタル24の各隙間は、駆動軸2に正常な回転運動を行なわせるために、JIS B 0401(はめあい)に規格されるH7、h7級(すきまばめ)の組合せ、好ましくは0.01mm程度がよい。
【0020】
これにより各球状メタル23、24は各Oリング25、26により球状溝41a、27a、球状溝42a、28aに密着されるので、駆動軸2の回転方向のみ運動を制限され、その他の方向には隙間によって自由度が与えられる。
【0021】
このように構成された本実施例の軸受装置を適用した縁かがりミシンの組立ては、ミシン本体側において駆動軸2に球状メタル23、針棒たてロッド16、針棒偏心カム15、球面カム3及び球状メタル24を順次嵌入し、球状メタル23、24を除き駆動軸2上に固定する。従って球状メタル23、24は回動可能に嵌入されている。各球状メタル23、24はミシンの本体フレーム40のアーム部41、42に設けられた球状溝41a、42aに載置できるように、駆動軸2の軸線方向に適宜に摺動させる。各球状メタル23、24の位置決めが終了後、各球状メタル23、24を各球状溝41a、42aに載置し、この各球状溝41a、42aに各球状メタル23、24を押えるための各蓋27、28をネジ29にて固定し、駆動軸2側の組立体を作る。
【0022】
このように駆動軸2側の組立体をミシン本体に一括組込みできるので、組立に要する時間を削減することができる。
【0023】
駆動軸2側の組立体をミシン本体に組込後、上ルーパ駆動腕4及び下ルーパ駆動腕5が球面カム3に係合するように、上ルーパ軸6、下ルーパ軸12、上ルーパ駆動腕4、下ルーパ駆動腕5、ピボット10、上ルーパ取付け軸駆動腕7及び下ルーパ取付腕13等から構成されるミシン側板側の組立体を組立てる。
【0024】
なお、本実施例においては、ミシン本体のアーム部に球状溝が形成されていたが、これに限らず、ミシン本体のアーム部に球状溝が形成された受座を固定し、この受座に球状メタルを枢支してもよい。
【0025】
また、本実施例においては、縁かがりミシンについて説明したが、本発明の軸受装置は縁かがりミシンのみならず他の全てのミシンに適用できることはいうまでもない。
【0026】
【発明の効果】
以上の実施例からも明らかなように、本発明のミシンの軸受装置は、駆動軸に嵌入される球状メタルと、球状メタルを本体フレームに取付けるための蓋とから成るミシンの軸受装置において、本体フレーム及び蓋には本体フレームに蓋を固定した際に球状メタルが回動可能に嵌合される球状溝が形成され、球状溝、球状メタル間には球状メタルの駆動軸の回転方向のみ運動を制限し、その他の方向には自由度を与える回転止手段が設けられているので、組立精度を必要とせず、而もミシンを輸送若しくは持運び中に過って落下させたり、ぶつけたりしても駆動系に悪影響を与えない。これにより低廉で高品質なミシンの軸受装置を提供することができる。
【0027】
また、本発明のミシンの軸受装置は主軸が取付けられるミシン本体と、ルーパが取付けられるミシン側板とを別個の工程で組立ることができるので、組立作業が極めて容易になり、しかも組立に要する時間を大幅に削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のミシンの軸受装置が適用された縁かがりミシンを示す一部透視の全体斜視図。
【図2】本発明のミシンの軸受装置の断面図。
【図3】従来の球状メタル及び受座を使用するミシンフレームを示す部分詳細図。
【図4】従来の軸の軸受構造における球状メタル及び受座を示す部分斜視図。
【図5】従来の下軸支持装置における構造の球状メタル及び受座を示す部分斜視図。
【図6】従来の上軸取付装置における球状メタル及び受座を示す部分斜視図。
【符号の説明】
2・・・駆動軸
23、24・・・球状メタル
23a、24a・・・溝(回転止手段)
25、26・・・Oリング(回転止手段)
27、28・・・蓋
27a、28a・・・球状溝
40・・・本体フレーム
41、42・・・アーム部
41a、42a・・・球状溝
【産業上の利用分野】
この発明は、ミシンの軸受装置に係り、特に駆動軸を本体フレームに枢支する際に使用されるミシンの軸受装置に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来からミシンの組立てにおいては、ミシン本体上面の一部やベッド裏面に穿設された開口穴、また小型縁かがりミシンでは前述した開口穴の他にミシン本体の正面に穿設された開口穴から色々な部品を組付けている。この組付作業は、ミシン本体に設けられた軸受に駆動軸を少しずつ挿入しながら上述した開口穴より種々の部品を組付けていたので、組立てに技術を必要とし、また時間がかかっていた。
【0003】
このような問題点に対して、図3に示すようなミシンフレームが提案されている(特公昭48−4063号公報)。このミシンフレーム50は背板51の前方に突出する一対の受座52、53が設けられ、この一対の受座52、53にはクランクボス57、針棒58、ストップカラー59、ジグザグ発生用ウォームギヤ60、三角カム61及び駆動ベルト用歯車62などが固定された上軸56が、上軸56の両端部近傍に取付けられた球状メタル54、55を介して取付板及びネジ等にて取着されている。
【0004】
また、ミシン用の球状メタル及び受座として、ミシンにおける軸の軸受構造(実開昭59−131621号公報)やミシンにおける下軸支持装置の構造(実開平3−58273号公報)が提案されている。ミシンにおける軸の軸受構造は図4に示すように、外周面を球状にしたブッシュ(球状メタル)71、72が、受座73、74に形成された嵌合溝75、76に嵌合されて止め部材77、78及びネジ等により取着され、このブッシュ71、72には駆動機構等が固定された下軸79が挿入されている。またミシンにおける下軸支持装置の構造は図5に示すように、ミシンにおける軸の軸受構造と同様に、外形を球状に形成した軸受ブッシュ(球状メタル)81、82が、受座83、84に形成された嵌合溝85、86に嵌合されて止め部材87、88及びネジ等により取着され、この軸受ブッシュ81、82には駆動機構等が固定された下軸89が挿入されている。
【0005】
しかしながら、球状メタルを球面にて支持するために、駆動機構等の部品、特に球状メタル及び受座に対して高い加工精度及び組付精度が要求されていた。
【0006】
このような問題点に対して、ミシンの上軸取付装置(実公昭60−40877号公報)が提案されている。ミシンの上軸取付装置は図6に示すように、上軸95に嵌入、固定された球状メタル91、92を、受座93、94に形成されたV字状をなす逆四角錐の4つの傾斜面93a〜93d、94a〜94dに係合して位置決めを行なう。この位置決め作業の終了後、ネジにより取付片の取付孔を介して各支持板により各球状メタル91、92が各受座93、94に押圧固定される。
【0007】
しかしながら、このミシンの上軸取付装置の球状メタル及び受座は固より、何れの球状メタル及び受座においても強固に固定する構造ではないので、ミシンを輸送若しくは持運び中に過って落下させたり、ぶつけたりして駆動軸等に衝撃を与えた場合に、球状メタルが駆動軸等に追従して微動するため、球状メタルの位置ずれが発生することがあった。これにより球状メタルは元の位置に戻らず駆動系にかかるトルクが重くなるので、ミシンの故障原因になっていた。
【0008】
【発明の目的】
本発明はこのような従来の問題点を解決するためになされたもので、加工精度を必要とせず、また組立コストを下げ、而もミシンを輸送若しくは持運び中に過って落下させたり、ぶつけたりしても駆動系に影響を与えないミシンの軸受装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成する本発明のミシンの軸受装置は、駆動軸に嵌入される球状メタルと、球状メタルを本体フレームに取付けるための蓋とから成るミシンの軸受装置において、本体フレーム及び蓋には本体フレームに蓋を固定した際に球状メタルが回動可能に嵌合される球状溝が形成され、球状溝、球状メタル間には隙間が形成されると共に、球状メタルの駆動軸の回転方向のみ運動を制限し、その他の方向には隙間によって自由度を与える回転止手段が設けられたものである。
【0010】
また本発明のミシンの軸受装置において、回転止手段は球状メタルの球状面の外周方向には溝が形成され且つ溝には球状溝に密着させる弾性体が挿着されている。この弾性体は例えばOリングである。
【0011】
【作用】
このような軸受装置を適用したミシンを組立る際、予め駆動軸に球状メタルを含む色々な部品から構成される駆動機構部を組付けた後、球状メタルを本体フレームの所定位置に設けられた球状溝の位置に合せるだけで、駆動機構部をミシン本体に一括組込できる。
【0012】
また、このミシンに衝撃が加わると、駆動機構部が組付けられた駆動軸の軸線方向のずれに追従して球状メタルが微動する。しかし、球状メタルは本体フレーム及び蓋に形成された球状溝に対して回動可能に嵌合され、而もこの球状溝、球状メタル間には球状メタルの駆動軸の回転方向のみ運動を制限し、その他の方向には自由度を与える回転止手段が設けられているので、駆動軸が元の位置に戻る動作に従って球状メタルも元の位置に戻される。
【0013】
このような回転止手段が球状メタルの球状面の外周方向に形成された溝に弾性体、例えばOリングが装着されたものでは、駆動機構が組込まれた駆動軸の軸線方向のずれに追従して球状メタルが微動してもOリングがそのずれを吸収し、駆動軸が元の位置に戻るときにはOリングの柔軟性により、球状メタルは容易に元の位置に戻ることができる。従って、自動調心式の軸受装置として使用することができる。
【0014】
【実施例】
以下、本発明のミシンの軸受装置を縁かがりミシンに適用した実施例について図面を参照して説明する。
【0015】
縁かがりミシンは図1に示すように、プーリ1と同軸回転する駆動軸2に球面カム3が固着される。球面カム3はその1周に亘って2つのカム溝、上ルーパカム溝31と下ルーパカム溝32が形成されている。これらカム溝31及び32は、駆動軸2の軸線に垂直な線に対し所定の角度を持って形成され、且つ互いの位相が約36°ずれている。
【0016】
この上ルーパカム溝31及び下ルーパカム溝32には、上ルーパ駆動腕4及び下ルーパ駆動腕5の先端に嵌着された各カムローラ(図示せず)が係合されている。また上ルーパ駆動腕4はその脚部が上ルーパ軸6に固着される。上ルーパ軸6は駆動軸2と直交し、ミシンの本体フレーム40の一部に枢着される。また上ルーパ軸6には上ルーパ取付軸駆動腕7が上ルーパ駆動腕4と所定の角をなすように固着されており、上ルーパ駆動腕4の揺動に伴い一体に揺動する。上ルーパ取付軸駆動腕7の先端には上ルーパ取付軸8がピン9により回動可能に連結される。上ルーパ取付軸8はミシンの本体フレーム40の一部に回転自在に取付けられたピボット10内を摺動可能に貫通しており、上端には上ルーパ11が固着される。
【0017】
一方、下ルーパ駆動腕5はその脚部が下ルーパ軸12に固着される。下ルーパ軸12は駆動軸2に直交し、ミシンの本体フレーム40の一部に枢着される。また下ルーパ軸12には下ルーパ取付腕13が固着され下ルーパ駆動腕5の揺動に伴い下ルーパ駆動腕5と一体に揺動する。下ルーパ取付腕13の先端には下ルーパ14が固着される。また、本実施例では球面カム3と一体に針棒偏心カム15が形成される。針棒偏心カム15は球面カム3とは別個に駆動軸2に固着してもよい。針棒偏心カム15には針棒たてロッド16が結合し、針棒たてロッド16上端は針棒クランク腕17の一方の揺動腕17aが連結される。針棒クランク腕17はクランク軸18を中心に揺動し、もう一方の揺動腕17bに針棒リンク19を介して針棒抱き20が連結される。針棒抱き20には針棒21が固定され、更に針棒21には針22が取付けられる。
【0018】
このように組込まれているミシンの駆動機構にプーリ1を介してモータによる駆動力を伝達する駆動軸2には、プーリ1と針棒たてロッド16との間に球状メタル23が回動可能に嵌入され、球面カム3の反プーリ1側に球状メタル24が回動可能に嵌入される。この両球状メタル23、24は図2に示すように、各球状メタル23、24の球状面の頂点の外周方向に溝23a、24aが形成され、この各溝23a、24aには弾性体であるOリング25、26が挿着されている。この各Oリング25、26は、球状メタル23、24の外周方向の回転運動を制限するために、JIS B 2401に規格される運動用Oリングを使用するのが好ましい。
【0019】
この両球状メタル23、24は、ミシンの本体フレーム40のアーム部41、42に載置される。各アーム部41、42には各球状メタル23、24を押えるための蓋27、28がネジ29にて固定される。この各アーム部41、42及び各蓋27、28には、各アーム部41、42に各蓋27、28を固定した際に各球状メタル23、24が回動可能に嵌合される球状溝41a、42a、27a、28aが形成される。この受座41及び蓋27により形成される球状溝41a、27aと球状メタル23、及び受座42及び蓋28により形成される球状溝42a、28aと球状メタル24の各隙間は、駆動軸2に正常な回転運動を行なわせるために、JIS B 0401(はめあい)に規格されるH7、h7級(すきまばめ)の組合せ、好ましくは0.01mm程度がよい。
【0020】
これにより各球状メタル23、24は各Oリング25、26により球状溝41a、27a、球状溝42a、28aに密着されるので、駆動軸2の回転方向のみ運動を制限され、その他の方向には隙間によって自由度が与えられる。
【0021】
このように構成された本実施例の軸受装置を適用した縁かがりミシンの組立ては、ミシン本体側において駆動軸2に球状メタル23、針棒たてロッド16、針棒偏心カム15、球面カム3及び球状メタル24を順次嵌入し、球状メタル23、24を除き駆動軸2上に固定する。従って球状メタル23、24は回動可能に嵌入されている。各球状メタル23、24はミシンの本体フレーム40のアーム部41、42に設けられた球状溝41a、42aに載置できるように、駆動軸2の軸線方向に適宜に摺動させる。各球状メタル23、24の位置決めが終了後、各球状メタル23、24を各球状溝41a、42aに載置し、この各球状溝41a、42aに各球状メタル23、24を押えるための各蓋27、28をネジ29にて固定し、駆動軸2側の組立体を作る。
【0022】
このように駆動軸2側の組立体をミシン本体に一括組込みできるので、組立に要する時間を削減することができる。
【0023】
駆動軸2側の組立体をミシン本体に組込後、上ルーパ駆動腕4及び下ルーパ駆動腕5が球面カム3に係合するように、上ルーパ軸6、下ルーパ軸12、上ルーパ駆動腕4、下ルーパ駆動腕5、ピボット10、上ルーパ取付け軸駆動腕7及び下ルーパ取付腕13等から構成されるミシン側板側の組立体を組立てる。
【0024】
なお、本実施例においては、ミシン本体のアーム部に球状溝が形成されていたが、これに限らず、ミシン本体のアーム部に球状溝が形成された受座を固定し、この受座に球状メタルを枢支してもよい。
【0025】
また、本実施例においては、縁かがりミシンについて説明したが、本発明の軸受装置は縁かがりミシンのみならず他の全てのミシンに適用できることはいうまでもない。
【0026】
【発明の効果】
以上の実施例からも明らかなように、本発明のミシンの軸受装置は、駆動軸に嵌入される球状メタルと、球状メタルを本体フレームに取付けるための蓋とから成るミシンの軸受装置において、本体フレーム及び蓋には本体フレームに蓋を固定した際に球状メタルが回動可能に嵌合される球状溝が形成され、球状溝、球状メタル間には球状メタルの駆動軸の回転方向のみ運動を制限し、その他の方向には自由度を与える回転止手段が設けられているので、組立精度を必要とせず、而もミシンを輸送若しくは持運び中に過って落下させたり、ぶつけたりしても駆動系に悪影響を与えない。これにより低廉で高品質なミシンの軸受装置を提供することができる。
【0027】
また、本発明のミシンの軸受装置は主軸が取付けられるミシン本体と、ルーパが取付けられるミシン側板とを別個の工程で組立ることができるので、組立作業が極めて容易になり、しかも組立に要する時間を大幅に削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のミシンの軸受装置が適用された縁かがりミシンを示す一部透視の全体斜視図。
【図2】本発明のミシンの軸受装置の断面図。
【図3】従来の球状メタル及び受座を使用するミシンフレームを示す部分詳細図。
【図4】従来の軸の軸受構造における球状メタル及び受座を示す部分斜視図。
【図5】従来の下軸支持装置における構造の球状メタル及び受座を示す部分斜視図。
【図6】従来の上軸取付装置における球状メタル及び受座を示す部分斜視図。
【符号の説明】
2・・・駆動軸
23、24・・・球状メタル
23a、24a・・・溝(回転止手段)
25、26・・・Oリング(回転止手段)
27、28・・・蓋
27a、28a・・・球状溝
40・・・本体フレーム
41、42・・・アーム部
41a、42a・・・球状溝
Claims (3)
- 駆動軸に嵌入される球状メタルと、前記球状メタルを本体フレームに取付けるための蓋とから成るミシンの軸受装置において、前記本体フレーム及び前記蓋には前記本体フレームに前記蓋を固定した際に前記球状メタルが回動可能に嵌合される球状溝が形成され、前記球状溝、前記球状メタル間には隙間が形成されると共に、前記球状メタルの前記駆動軸の回転方向のみ運動を制限し、その他の方向には前記隙間によって自由度を与える回転止手段が設けられたことを特徴とするミシンの軸受装置。
- 前記回転止手段は前記球状メタルの球状面の外周方向には溝が形成され且つ前記溝には前記球状溝に密着させる弾性体が挿着されることを特徴とする請求項1記載のミシンの軸受装置。
- 前記弾性体はOリングであることを特徴とする請求項2記載のミシンの軸受装置。
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| JP14501194A JP3558367B2 (ja) | 1994-06-27 | 1994-06-27 | ミシンの軸受装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP14501194A JP3558367B2 (ja) | 1994-06-27 | 1994-06-27 | ミシンの軸受装置 |
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| JPH08873A JPH08873A (ja) | 1996-01-09 |
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-
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- 1994-06-27 JP JP14501194A patent/JP3558367B2/ja not_active Expired - Fee Related
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