JP3557782B2 - 外観に優れた電気亜鉛めっき鋼板の製造方法 - Google Patents
外観に優れた電気亜鉛めっき鋼板の製造方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、めっき表面の色調が均一でめっきむらのない優れた外観を有する電気亜鉛めっき鋼板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
亜鉛めっき鋼板は、素地鋼板に対して亜鉛めっき皮膜が犠牲防食作用を有する結果、優れた耐食性を発揮するものであるから、自動車や家庭用電気製品等の外板材あるいは建築材料等として広く使用されている。この様な亜鉛めっき鋼板を製造するために汎用されている方法は、溶融亜鉛めっき浴中に鋼板を浸漬走行させることによって鋼板表面に亜鉛めっき皮膜を形成する溶融亜鉛めっき法、および亜鉛イオンを含む酸性溶液中に鋼板を浸漬し、電気化学反応によって鋼板表面に亜鉛めっき皮膜を析出させる電気亜鉛めっき法である。
【0003】
このうち電気亜鉛めっき法は、美麗で均質性の高い外観が得られるという理由で繁用されている。ところが、亜鉛めっき鋼板にクロメート処理や透明樹脂コーティング等の化成処理を施して耐食性、耐指紋性、潤滑性等を高めた特殊化成処理亜鉛めっき鋼板を裸(未塗装)のままで使用する風潮が高くなり、この様な裸用途への適用分野が拡大してくるにつれて亜鉛めっき鋼板の表面品質に対する需要者の要求は益々厳しくなり、最近では、従来の電気亜鉛めっき鋼板でも需要者の要求を満足できなくなっているのが実情である。
【0004】
現在、電気亜鉛めっきに指摘されている最大の難点は、電気亜鉛めっき表面に色調や光沢の異なる部分が不規則に存在し、表面外観を損なっている点である。この原因は、電気めっき条件によって亜鉛めっき層の結晶の規則性や結晶サイズ等が部分的に異なるものとなり、それに伴ってめっき表面で反射される光線量に変化が生じて色調や光沢にむらが生じるためと考えられている。
【0005】
この様な電気亜鉛めっき層の表面外観を改善するための手段として、めっき浴中に光沢剤を添加する方法が周知である。このうち酸性亜鉛系めっき浴中に添加される光沢剤としては、チオ尿素、芳香族アルデヒド、クマロン、アミン、イミノ化合物、デキストリン、グルコン酸等の低分子化合物が知られている。その他にめっき浴中に添加される光沢剤の例として、特公昭46−38888号公報にはポリアクリルアミド、特開昭61−127887号公報には、ポリアクリルアミドを主成分としカチオン性モノマーを共重合させたポリアクリルアミドが開示されている。
【0006】
上記光沢剤を添加すると、亜鉛系めっき結晶の全体が微細化かつ平滑化されるため、金属光沢のある美麗な外観が得られる。ところが、これら光沢剤の作用は非常に大きいため、光沢剤の添加前後でめっき外観が激変する。即ち、めっき浴中に添加される光沢剤の量が若干変化するだけで光沢度が著しく変化してしまうのである。従って、連続操業時において長時間めっき浴を電解し続けると、めっき開始時には光沢剤の含有量を適性範囲に制御しておいたとしても、時間が経つにつれ、その含有量が変化してしまい、適正な含有範囲を長時間維持し続けることが非常に困難となる。
【0007】
そこで本発明者らは、優れた外観改善作用が得られると共に、添加による色調変化も少ない添加剤について種々検討を重ねた結果、めっき浴中にポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールを添加すれば上記目的が達成されることを見出し、既に報告している。
【0008】
あるいは添加剤を用いずにめっき外観を改善する方法として、被めっき材の表面結晶粒度をフェライト結晶粒の直径:10μm以上35μm以下に制御する方法が開示されている(特開昭61−166992号公報)。この方法は、亜鉛系めっき結晶が、被めっき材の表面結晶粒に沿ってエピタキシャルに成長するという現象を利用するものであり、被めっき材の表面結晶粒径を小さくすることによって亜鉛系めっき結晶を微細化かつ平滑化する方法である。しかしながら、被めっき材の結晶粒度をすべての用途に対して特定範囲に制御することは困難であり、部分的に結晶粒度が異なる被めっき材の場合には、結果的に、色調の異なる電気亜鉛系めっき鋼板が生成するという問題がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の様な事情に着目してなされたものであって、その目的は、めっき表面の色調が均一で優れた外観を有する電気亜鉛めっき鋼板を効率よく製造することのできる方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成することのできた本発明に係る電気亜鉛めっき鋼板の製法とは、酸性溶液中にてカチオンを形成する窒素含有有機化合物(以下、含窒素化合物と略記する場合がある)であって、該窒素含有有機化合物が、第一級アミン(但し、ベンジルアミンを除く)、第二級アミン、第三級アミン、第四級アンモニウム塩および複素環式化合物よりなる群から選択される少なくとも1種である化合物(好ましくは、第二級アミン、第三級アミン、第四級アンモニウム塩および複素環式化合物よりなる群から選択される少なくとも1種である化合物)を50〜3000ppm含む酸洗浴中で被処理鋼板を酸洗処理した後、電気亜鉛めっきを施すことに要旨を有するものである。
【0011】
上記含窒素化合物として第一級アミン、第二級アミン、第三級アミン、第四級アンモニウム塩および複素環式化合物よりなる群から選択される少なくとも1種を用いる方法は本発明の好ましい実施態様である。これらの中では多環系構造を有する複素環式化合物の使用が推奨され、より好ましくは多環系化合物の各環に少なくとも1個の窒素原子を有する化合物(特にヘキサメチレンテトラミン)である。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明者らは、電気亜鉛めっき鋼板の外観が部分的に色調・光沢変化(ムラ)を生じる原因について鋭意検討を重ねた結果、亜鉛めっき結晶の成長方向あるいは結晶粒のサイズが部分的に変化すると、これがめっき表面の微細な凹凸の変化となってムラが生じること、そしてこの亜鉛めっき結晶は素地鋼板の表面状態の影響を強く受け、素地鋼板表面にNi,Si,C,Al等の不純物元素が濃化したり、酸化物層の厚さが異なる部分が存在すると、その部分では亜鉛の析出過電圧が異なるために亜鉛めっき結晶形態が変化し、それが色調差となって現れることを見出している。
【0013】
この様に素地鋼板表面の不均一さがめっき外観を損なう主な原因になっていることから、素地鋼板表面を何等かの方法によって均一な状態に仕上げることができれば、優れためっき外観を得ることが可能になる。
【0014】
そこで本発明者らは、めっき前の素地鋼板表面を均一にする方法について鋭意研究を重ねた結果、酸性溶液中でカチオンを形成する窒素含有有機化合物を含む酸洗浴中で被処理鋼板を酸洗処理することにより、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成したのである。
【0015】
この様に本発明では、酸洗浴中に所定量の含窒素化合物を添加する点に最大の特徴を有する。含窒素化合物を酸洗溶液中に添加すると、窒素原子に水素、アルキル基、フェニル基等が結合して4価のカチオンが形成されるので、後記する素地鋼板表面の均一化作用を有効に発揮することができる。
本発明に用いられる上記含窒素化合物としては、第一級アミン、第二級アミン、第三級アミン、第四級アンモニウム塩および複素環式化合物が好ましい。
【0016】
ここで上記第一級アミンとは、R−NH2 (Rは炭化水素残基)で表される含窒素化合物であり、具体的にはCn H2n+1−NH2 で表される脂肪族第一級アミン(即ち、Rはアルキル基またはその置換体である)または芳香族アミン[Rの全部または一部が芳香族炭化水素残基(フェニル基またはその置換体等)]が挙げられる。
【0017】
このうち脂肪族第一級アミンとして好ましいのは、n=2〜12のエチルアミン〜ドデシルアミン等であり、芳香族アミンとして好ましいのはアニリン、o−トルイジン、m−トルイジン、p−トルイジン、ベンジルアニリン、α−ナフチルアミン、β−ナフチルアミン等である。
【0018】
上記第二級アミンとは、R−NH−R’(R及びR’は炭化水素残基)で表される含窒素化合物であり、脂肪族第二級アミンとして好ましいのはジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン等であり、芳香族アミンとして好ましいのは、メチルアニリン、エチルアニリン、ジベンジルアニリン、ジフェニルアミン等である。
【0019】
また、上記第三級アミンとは、RR’R’’N(R,R’及びR’’は炭化水素残基)で表される含窒素化合物であり、そのうち脂肪族第三級アミンとして好ましいのは、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリアミルアミン等が挙げられ、芳香族アミンとして好ましいのはジメチルアニリン、ジエチルアニリン、トリベンジルアミン、トリフェニルアミン、ジメチルベンジルアミン、ジエチルベンジルアミン、及びオキシメチレンやオキシエチレン等のオキシアルキレン基が好ましくは2〜10個結合したポリオキシアルキレンを含有するトリ(ポリオキシエチレン)アミン等である。
【0020】
上記複素環式化合物としては、例えば五員環のピロール、チアゾール等;六員環のピリジン等の様に窒素原子を1個含有するもの;イミダゾール、ピリミジン、チミン等の様に窒素原子を2個含有するもの;トリアゾール等の様に窒素原子を3個含有するもの;これらの複素環がベンゼン環と縮合したインドール、キノリン、メルカプトベンズイミダゾール、メルカプトベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾトリアゾール等;複素環同士が縮合したプリン、プテリジン等;アザビシクロヘプタン、ヘキサメチレンテトラミン等の多環系化合物;またはそれらの誘導体が挙げられる。
【0021】
これら複素環式化合物のなかでも多環構造を有する化合物が好ましく、より好ましくは各環に少なくとも1個以上の窒素原子を含む化合物であり、最も好ましくはヘキサメチレンテトラミン(1,3,5,7−テトラアザトリシクロ[3.3.1.13,7]デカン)である。ヘキサメチレンテトラミンは、後記する素地鋼板表面性状の均一化作用に優れており、幅広い添加量範囲内において、安定して優れためっき表面色調の均一化作用を有するものである。
【0022】
あるいは、上記第三級アミンにハロゲン化アルキル等を反応させることによって得られる第四級アンモニウム塩[例えば塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム等のハロゲン化アルキルトリメチルアンモニウム;塩化ラウリルジメチルベンジルアンモニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム等のハロゲン化アルキルジメチルベンジルアンモニウム;塩化トリペンタオキシエチレンステアリルアンモニウム、塩化トリペンタオキシエチレンラウリルアンモニウム等のハロゲン化アルキルトリ(ポリオキシエチレン)アンモニウム等]や、上記複素環式化合物にハロゲン化アルキル等を反応させることによって得られる四級化された化合物(例えば、塩化ピリジニウム等のハロゲン化ピリジニウム、塩化ブチルピコリニウムクロリド等のハロゲン化アルキルメチルピリジニウム等)等も用いられる。その他、例えば脂肪酸より合成した第四級アンモニウム塩(例えばカチオン性界面活性剤、両性界面活性剤等)も用いられる。このうちカチオン性界面活性剤としては、ドデシルトリメチルアンモニウムクロリド、ヒドロキシエチルセルロース−2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリドエーテル等が挙げられ、両性界面活性剤としては、N−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムベタイン、2アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン等が挙げられる。
【0023】
これらの含窒素化合物の中には、電気亜鉛めっき鋼板の光沢度を増す為に、従来より光沢添加剤としてめっき浴中に添加されていたものもあるが、本発明では、これら化合物をめっき浴中に添加せずに電気めっきラインにおける酸洗処理工程に使用する点で、その使用形態が全く異なるものである。従来の如く、めっき浴中に上記含窒素化合物を添加した場合には、該含窒素化合物は亜鉛めっきの成長点に常に作用し、且つめっき層中に共析されることから、めっき層全体の亜鉛結晶形態、或いは光沢度、硬度等の物理的性質を大きく変化させる。この様にめっき浴中への添加は、めっき層全体に作用することから添加量の僅かな変化に対して、めっき特性が大きく変化するという問題がある。特にめっき層中への共析による悪影響として、光沢度の大幅な変化によるめっき外観の激変が挙げられる。上述した様に、本発明の目的は、めっき表面に存在する部分的な色調むらを無くしてめっき外観を均一にする点にあるが、たとえ色調むらを無くすことができたとしても、従来の製品外観とは大幅に異なる外観色調になると、製品の価値そのものが存在しなくなり、この様な事態は本発明の目的とするところでは決してない。更に、めっき層中への共析により亜鉛結晶に強い歪みが生じるため、素地鋼板との密着性が劣化し、軽度の加工等によりめっき剥離が容易に生じるという問題もある。従って、適正なめっき特性を維持するためには、非常に厳格な制御が必要であり、必然的にその添加量範囲はごく限られた狭い範囲にならざるを得ず、製造効率の点で大きな問題がある。更にめっき浴中への添加は、前記の如く主に亜鉛めっき層自身に作用するため、低添加量領域では、本発明の本来の目的である素地鋼板表面の均一化によるめっき外観不良低減効果を十分に得ることができない。逆に高添加量領域では、めっき外観不良改善効果を期待できるものの、前述した各種めっき特性の劣化および添加量に対する大幅な変化が問題となる。
【0024】
これに対して、本発明では上記含窒素化合物をめっき浴中に添加せずに酸洗浴中に添加しているので、めっき前の素地鋼板表面に対してのみ作用する。従って、亜鉛めっきの初期成長点のみに作用し、後の電析過程において直接作用することはなく、また、めっき層中に共析されることも全くない。即ち、前述した光沢度、硬度などのめっき特性には何等影響を及ぼすことなく、めっき外観のみを均一にすることが可能である。更に、後述する作用により素地鋼板表面が均一化されていることから、低添加量領域から高添加量領域まで非常に広い添加量範囲において、常に安定しためっき外観改善効果を如何なく発揮することができるものである。このことは、後記する実施例において両者を比較検討した結果からも実証される。
【0025】
従って、本発明の最大特徴である酸洗浴中に含窒素化合物を添加する方法は、従来の如く、光沢度上昇の目的で、めっき浴中に含窒素化合物を添加する方法とは、その目的および作用が全く異なるものであり、技術的にも全く新規な知見である。
【0026】
本来、酸洗処理の主たる目的は、めっき前の素地鋼板表面のpH調整作用(めっき液が酸性のため表面を酸性にする)および該素地鋼板表面の極薄酸化層の除去にある。しかしながら、前述した様にめっき前の素地鋼板表面に不均一な不純物元素の濃化層が存在すると、その不均一さの程度に対応して、亜鉛めっき結晶の形態が変化し、外観不良となって顕著に表れる。本発明の如く、電気亜鉛めっき処理前の酸洗処理液中に含窒素化合物を添加すると、表面に不均一さを有する素地鋼板に、上記含窒素化合物が物理的吸着或は化学的吸着(後述する)を起こして素地鋼板表面を均一な状態にするので、めっき表面の色調が均一な外観が得られるのである。
【0027】
本発明における酸洗法によって、素地鋼板表面が均一化され、優れためっき外観が得られる機構については、詳細には不明であるが、例えば以下の様な物理的吸着現象や化学的吸着現象が考えられる。
【0028】
まず、物理的吸着現象について説明する。
一例として素地鋼板表面に、素地鋼板(Fe)より貴な金属が不均一に濃化している場合を考える。勿論、この素地鋼板表面には、ポーラスな鉄酸化物層が一面に存在しているものと考えられる。めっき前の酸洗溶液中に、本発明で用いられる含窒素化合物が存在しない場合、貴な金属が濃化している部位では、Feとの電位差から局部電池を形成するため、貴な金属が濃化していない部位と比較するとFeの溶解が促進される[局部アノード反応である下式(1)参照]。従って、局部カソード反応である酸化皮膜の還元反応が一層促進されることになる[下式(2)参照]。
局部アノード反応:Fe=Fe2++2e …(1)
局部カソード反応:Fe3 O4 +8H+ +2e=3Fe2++4H2 O …(2)
【0029】
即ち、酸洗処理終了時には、貴金属濃化部と非濃化部において、素地鋼板表面に形成される酸化物皮膜の膜厚に格段の差異が生じる。そして、その後連続して行われる電気亜鉛めっき処理によって、両部位における亜鉛析出過電圧は有意な差となって現れ、めっき結晶の形態に差が生じ、最終的にめっき外観不良として認識されるのである。
【0030】
これに対して、本発明の如く酸洗溶液中に上記含窒素化合物を添加した場合を考える。この様な溶液中においても上記(1)式および(2)式で示される局部電池反応が起こる。ところが含窒素化合物は酸性溶液中にてカチオン性基を形成するので、式(2)の如き反応が生じる局部カソード部に静電気的に移動し吸着する結果(物理的吸着)、カソード表面への水素イオンの供給が阻害され、酸化皮膜の還元反応が抑制される。この様な反応は素地鋼板表面において生じるが、貴金属濃化部位で一層顕著に発生し、酸洗終了時点では、貴金属濃化部と非金属濃化部における素地鋼板表面の酸化皮膜状況の差異は殆どなくなる様になる。従って、酸洗処理後に行われる電気亜鉛めっき時には、貴金属濃化部と非濃化部における亜鉛析出過電圧は同程度となり、亜鉛結晶が均一に形成される結果、優れた外観を有する電気亜鉛めっき鋼板を得ることが可能になるのである。
【0031】
次に化学的吸着現象について説明する。本発明に用いられる含窒素化合物は、窒素を含有するため不対電子対(非共有電子対)を有している。この不対電子対は活性であるため、素地鋼板表面のアノード点において鉄の空のd軌道と結合し、該含窒素化合物自身が強く素地鋼板表面に結合される(化学的吸着)。この様な現象は、素地鋼板表面に無数に存在する局部アノード点において生じるため、均一な含窒素化合物層を形成することになる。従って、たとえ素地鋼板表面に不均一さ(不均一な不純物濃化層、不均一な酸化物層等)があったとしても、その上層に均一な含窒素化合物層が存在するため、これが亜鉛析出の核となり、不純物層に影響されることなく均一なめっき結晶が形成される。
【0032】
この様な物理的吸着および化学的吸着は、基本的に素地鋼板表面の一原子層のみについて生じることから、吸着量は酸洗浴中への添加量によらずほぼ一定の値となる。即ち、本発明では酸洗浴中に上記含窒素化合物を添加しているので、その添加量に依らず常に安定しためっき外観均一化効果を発揮できるという、従来のめっき浴中への含窒素化合物添加法には見られなかった非常に優れた特性を有する。
【0033】
更に、本発明によれば、亜鉛めっき層中への上記含窒素化合物の共析が生じないため、成膜された亜鉛結晶の歪みが小さく、優れた加工性およびめっき密着性を有するが、これは光沢添加材をめっき浴中に添加する従来例では得られなかったものである。
【0034】
上記含窒素化合物の添加による作用を発揮させるには、酸洗溶液中に50〜3000ppmを添加することが必要である。50ppm未満では上記作用を有効に発揮させることができないだけでなく、低添加量のため鋼板表面への均一吸着性に劣り、新たなめっき外観不良を招く等の問題もある。好ましいのは80ppm以上、より好ましくは100ppm以上である。一方、その上限が3000ppmを超えると、素地鋼板表面への吸着量が著しく増加することから、酸洗処理後に鋼板表面に過剰に残存した処理液の不均一流れ模様や、水洗不足に起因する水洗むら模様等の新たなめっき後の外観不良を生じる。また、酸洗本来の目的である素地鋼板表面の酸化物除去能力が著しく弱められ、且つ素地鋼板表面に過剰の有機物層を形成することになることから、めっき密着性の不良を招く。さらに、素地鋼板表面の過剰な含窒素化合物が、めっき液中に持ち込まれてめっき液の汚染を招くため、その上限を3000ppmとする。好ましいのは2700ppm以下、より好ましくは2500ppm以下である。なお、上記含窒素化合物は単独で用いても良いし、あるいは2種以上を併用しても良く、要するに添加総量が上記範囲内であれば良いのである。
【0035】
本発明における酸洗処理とは、酸洗浴中に被処理鋼板を浸漬することを意味し、酸性浴としては硫酸、塩酸、硝酸、フッ化水素酸等、およびこれらの混合酸等を使用することができるが、本発明の作用を有効に発揮させるには塩酸、硫酸等の使用が好ましい。
次に、本発明における酸洗処理工程における他の条件(酸洗浴の濃度、温度、酸洗時間等)について説明する。
【0036】
まず、濃度に関しては1〜30%(重量%、以下同じ)が好ましい。酸洗浴濃度が1%を下回る場合には、本来の目的である酸化皮膜除去作用が充分に発揮できない。一方酸洗濃度が30%を超えると、溶解力が強すぎて素地荒れ(過酸洗)を招く他、硫酸浴を使用する場合には、逆に酸化剤として作用するため素地鋼板表面のスケール除去能力が低下する。
【0037】
また、温度に関しては特に規定されず、脱錆、脱スケール能力、発煙等の問題を回避することを目的として、使用する酸洗浴の種類に適した温度に適宜設定することが好ましい。例えば塩酸浴を使用する場合には、塩酸は揮発性を有するために20〜30℃で使用することが好ましく、一方硫酸浴の場合は不揮発性である点を考慮して脱錆、脱スケール能力を有効に発揮し得る至適温度(20〜70℃)で使用することが推奨される。
【0038】
更に酸洗時間に関しても特に規定されるものではないが、酸洗後の表面仕上りの程度(過酸洗、酸洗不足等)に応じて2〜60秒の範囲で適宜変更することが可能である。
【0039】
その他、素地鋼板表面は通常、油分等によっても汚染されているため、本発明の酸洗処理を行う前に、アルカリ脱脂、電解脱脂、有機溶剤脱脂等を単独あるいは適宜組合わせて行うことが推奨される。
【0040】
上述した様に、本発明の方法は酸洗処理工程に最大の特徴を有するものであり、酸洗処理後に行われる電気亜鉛めっき法は特に限定されず、通常の方法を採用し得る。また、電気亜鉛めっきを施すことによって付与される亜鉛めっき付着量については何等制限されるものではなく、本発明の方法は、亜鉛付着量の如何に拘らず優れた効果を発揮するものである。ただし、めっき付着量が1g/m2 未満では、亜鉛めっき本来の耐食性を十分に発揮させることができず、一方100g/m2 を超えると製造時の電力コストが上昇すること等を考慮すれば、好ましいめっき付着量は1〜100g/m2 である。
【0041】
更に、実使用上における耐食性、表面耐疵付き性、耐指紋性、加工性等の各種性能の向上を目的として、亜鉛めっき層の表面に1層または2層以上の化成処理を施すことも有効である。上記化成処理層としては、クロメート皮膜層、有機皮膜層、無機皮膜層、リン酸塩皮膜層等が挙げられる。このうちクロメート皮膜層としては、反応型クロメート皮膜や塗布型クロメート皮膜等が挙げられるが、塗布型クロメート皮膜の場合には、耐食性を一層向上させることを目的としてリン酸、コロイダルシリカ、有機樹脂を添加することが推奨される。また、上記有機皮膜層としては、例えばポリエチレン系、エポキシ系、アクリル系、ウレタン系、ポリエステル系、フッ素樹脂系およびこれらの混合物、共重合体、変性樹脂等を適宜選択して使用することが可能である。更に、耐食性の向上を目的として、該有機皮膜中にシリカゲル、コロイダルシリカ等を添加したり、塗膜付与後の加工性の向上を目的として、各種ワックス成分を微量添加したり、あるいは塗膜密着性の向上を目的としてシランカップリング剤を添加することも可能である。上記無機皮膜層としては珪酸塩等が挙げられる。
【0042】
上記クロメート皮膜層の付着量は特に限定されないが、耐食性の観点から5mg/m2 以上が好ましい。その上限は特に規定されないが、300mg/m2 を超えると耐食性改善効果が飽和すると共に、製造コストが上昇するので好ましくない。同様の理由から、上記有機皮膜層および無機皮膜層の膜厚についても0.5〜20μmとすることが推奨される。
【0043】
以下実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、下記実施例は本発明を制限するものではなく、前・後記の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施することは全て本発明の技術的範囲に包含される。
【0044】
【実施例】
以下の実施例では、素地鋼板として、部分的に濃化元素量(Mn,Ni,Al等)の異なる部位を有するAlキルド冷延鋼板を用い、以下に示す工程にて電気亜鉛めっき処理を行った。
アルカリスクラパー脱脂(3%オルト珪酸Na,60℃)→電解脱脂(3%オルト珪酸Na,60℃,50A/dm2 )→水洗→酸洗→電気亜鉛めっき(詳細は表1を参照)→水洗
【0045】
【表1】
【0046】
実施例1
本実施例において、酸洗液中に添加する各種含窒素化合物の種類および量を表2、3に示す。なお、ベースとなる酸洗浴は60℃の5%硫酸水溶液を用い、該酸洗浴中に素地鋼板表面を約3〜5秒間浸漬処理した。この様にして作製された電気亜鉛めっき鋼板について、下記項目を評価し、その結果を表2、3に併記した。
【0047】
<めっき外観均一性>
素地鋼板表面において不純物元素濃化量の異なる部位(即ち、不純物濃化の少ない部位と多い部位)について、それぞれめっき後の光沢度をJIS Z8741に記載のGs60の方法に準じて測定して光沢度の比を算出し、以下に示す基準でめっき外観均一性を評価した。
◎:光沢度比(0.9以上1.0未満)…外観不均一性なし
○:光沢度比(0.8以上0.9未満)…外観不均一性が僅かに認められる
△:光沢度比(0.6以上0.8未満)…外観不均一性が認められる
×:光沢度比(0.6未満) …外観不均一性が著しく認められる
【0048】
【表2】
【0049】
【表3】
【0050】
表に示す結果から明らかな様に、酸洗浴中に本発明で規定する含窒素化合物を単独で所定量含有した本発明例(No.1〜13)は、いずれもめっき後の外観改善効果に優れていることが分かる。この様な作用は、上記含窒素化合物を2種類以上混合して添加した場合(No.14〜18)においても同様に認められた。
【0051】
これに対して、本発明で規定する含窒素化合物以外の化合物(ノニオン性またはアニオン性基を有する界面活性剤)を酸洗浴中に添加した比較例では、顕著な外観改善作用が見られなかった。更に、アニオン性界面活性剤を用いた比較例(No.19〜21)では、時間の経過と共に酸洗浴中で沈殿物が生じ、浴中の安定性という観点からも使用に適さないことが分かった。
【0052】
次に、本発明例の代表例としてNo.3(塩化アニリニウム)、No.11(塩化ピリジニウム)およびNo.13(ヘキサメチレンテトラミン)を用いた場合における酸洗浴中の添加量に対する光沢度比(めっき外観均一性の指標)を調べた結果を図1に示す。
【0053】
図1の結果より、添加量が50ppm以上の場合は光沢度比が0.8以上と非常に優れた外観均一性を有することが分かる。この様な効果は、添加量が50〜3000ppmに至る非常に広い範囲にわたって持続して見られる。なかでも特にヘキサメチレンテトラミンを使用した場合には、広範囲にわたって高光沢度比が得られるという点で安定性に優れ、良好な外観均一性効果を有することが分かる。しかしながら、添加量が本発明で規定する上限値(3000ppm)を超えると、光沢度比が再び低下すると共に、酸洗後の水洗能力が不足するため、新たな外観むらが発生した。
なお、この実験結果は上記化合物に限らず、本発明で用いられる他の含窒素化合物についても同様の傾向が認められた。
【0054】
実施例2
本発明に用いられる含窒素化合物の一例として塩化トリペンタオキシエチレンステアリルアンモニウム(第四級アンモニウム塩)を用い、該含窒素化合物を本発明法である酸洗浴に添加した場合と、酸洗浴ではなくめっき浴に添加した場合における、添加量に対するめっき外観均一化効果およびめっき外観変化、並びにめっき密着性を調査した。ここでめっき外観均一化効果の指標としては前記光沢度比を用い、素地鋼板表面の不均一化に起因する光沢度の変化を調べ、その結果を図2に示した。一方、本実施例におけるめっき外観変化は、素地鋼板表面の状態に依らず上記含窒素化合物の添加によるめっき鋼板の色調変化を調べることを目的とするものであり、具体的には、或る特定部位における外観を目視観察することにより、上記含窒素化合物を添加しない場合のめっき鋼板が本来有する外観に比べて、どの程度変化するかを調べた。めっき外観変化の評価は、元々のめっき鋼板が有する外観と比較して、同等の外観を有する場合を”○”、異なる外観を有する場合を”×”、大幅に異なる外観を有する場合を”××”で表し、その結果を表4に示した。
【0055】
更にめっき密着性の評価は、めっき層を外側に180度密着曲げ試験を行なった後、曲げ部についてセロハンテープ剥離試験を行ない、セロハンテープに付着した亜鉛めっき層を目視観察し、セロハンテープに亜鉛めっき層が全く付着していない場合を、”○”、僅かに付着している場合を”△”、多量に付着している場合を”×”として表4に併記した。
【0056】
【表4】
【0057】
図2の結果より、上記含窒素化合物を本発明法である酸洗浴に添加した場合、低添加量領域から高添加量領域までの非常に広い範囲で常に優れた外観均一性を有することがわかる。これに対して、めっき浴中に添加した場合には、非常に狭い添加量範囲(50〜100ppm)でしか外観均一性を得ることはできなかった。
【0058】
更に、表4の結果より、本発明の酸洗浴添加の場合、上記含窒素化合物の添加によるめっき外観の変化はほとんど見られず、広い添加量範囲にわたって同程度のめっき外観が得られることがわかる。これに対して含窒素化合物をめっき浴中に添加した場合には、めっき外観が大きく変化しており、使用には適さないことが明らかである。
また、めっき密着性についても、含窒素化合物を酸洗浴中に添加せずにめっき浴中に添加を行なった場合には、著しく劣化することが判明した。
【0059】
【発明の効果】
本発明は以上の様に構成されているので、めっき表面の色調が均一でめっきむらのない優れた外観を有する電気亜鉛めっき鋼板を効率よく製造することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】塩化アニリニウム、塩化ピリジニウムおよびヘキサメチレンテトラミンを酸洗浴中に添加した際の添加量と光沢度比の関係を示すグラフである。
【図2】塩化トリペンタオキシエチレンステアリルアンモニウムを酸洗浴中に添加した場合とめっき浴中に添加した場合における光沢度比の推移を示すグラフである。
Claims (5)
- 酸性溶液中にてカチオンを形成する窒素含有有機化合物であって、該窒素含有有機化合物が、第一級アミン(但し、ベンジルアミンを除く)、第二級アミン、第三級アミン、第四級アンモニウム塩および複素環式化合物よりなる群から選択される少なくとも1種である化合物を50〜3000ppm含む酸洗浴中で被処理鋼板を酸洗処理した後、電気亜鉛めっきを施すことを特徴とするめっき表面の色調が均一でめっきむらのない外観に優れた電気亜鉛めっき鋼板の製造方法。
- 前記窒素含有有機化合物が、第二級アミン、第三級アミン、第四級アンモニウム塩および複素環式化合物よりなる群から選択される少なくとも1種である請求項1に記載の製造方法。
- 前記窒素含有複素環式化合物が多環系化合物である請求項1または2に記載の製造方法。
- 前記多環系化合物の各環に少なくとも1個の窒素原子を含有する請求項3に記載の製造方法。
- 前記多環系化合物がヘキサメチレンテトラミンである請求項4に記載の製造方法。
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