JP3557543B2 - 美爪料用ゲル組成物及びそれを含有する美爪料 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、良好なチキソトロピー性を有するゲル組成物及びそれを含有する使用性、安定性並びに安全性に優れた美爪料に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
美爪料は、基本的にはニトロセルロースや樹脂成分に顔料やパール剤などの着色料をを配合し、有機溶剤に溶解したものである。そして、従来、顔料やパール剤などの着色料の沈降防止のために有機変性粘土鉱物を配合することが行われている。また溶剤にはトルエン等の芳香族炭化水素が用いられている。ところで、近年、トルエン等の芳香族炭化水素は人体への安全性上問題があると指摘され、特にトルエンを配合した美爪料を頻繁に使用すると、爪に損傷を与えることが懸念されている。
【0003】
そして、特公昭61−15845号には、有機変性モンモリロナイトクレーと、ニトロセルロースと、グリコール、エーテル及びエステルから選ばれた一種又は二種以上とを混練して得たチップ組成物をケトン系溶剤、アルコール系溶剤などの有機混合溶剤に溶解分散させゲル組成物となし、このゲル組成物を芳香族炭化水素を含まない極性有機溶剤を主成分とするネイルエナメルベース中に配合することが提案されている。また、特公昭61−1044号には、有機変性モンモリロナイトクレー、ニトロセルロース、(ポリ)アルキレングリコール類、フェニル基含有シリコーン化合物、及び脂肪族系揮発性有機溶剤を配合した美爪料用ゲル組成物が提案されている。これらはトルエンを使用したものに比べ、人体に安全であり、またチキソトロピー性があり、分散安定性、経時安定性も良好であるが、本発明はトルエン等の芳香族炭化水素系溶剤を用いることなく、更に安定性を改善した美爪料を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、人体に安全で、分散安定性、経時安定性に優れた美爪料用ゲル組成物を開発すべく、鋭意検討した結果、有機変性粘土鉱物にポリエーテル変性メチルフェニルポリシロキサンを特定量配合すると、人体に安全で、分散安定性、経時安定性に非常に優れた美爪料用ゲル組成物が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、次の成分(A)〜(D);
(A)有機変性粘土鉱物 0.5〜20重量%
(B)ポリエーテル変性メチルフェニルポリシロキサン 0.1〜40重量%
(C)ニトロセルロース(1/8〜1秒) 2〜40重量%
(D)肪族族系の揮発性有機溶剤 30〜90重量%
を含有する美爪料用ゲル組成物、並びにそれを含有する美爪料である。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明で用いられる有機変性粘土鉱物は、ヘクトライト、スメクタイト等の粘土鉱物の層間のカチオンを、第4級アンモニウム型のカチオン性界面活性剤などで、置き換えたもので、市販品としては、例えば、ベントン27、ベントン38(NLインダストリー社製)等が挙げられる。これらは必要に応じて任意に選択でき、一種又は二種以上を配合することができる。有機変性粘土鉱物の配合量は0.5〜20重量%(以下、単に「%」と記す)であり、より好ましくは1〜15%である。
【0006】
本発明で用いられるポリエーテル変性メチルフェニルポリシロキサンは、メチルフェニルポリシロキサンのメチル基の一部をポリエーテル基で置換したものである。ポリエーテル基は、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシドなどのアルキレンオキシド、或はこれらアルキレンオキシドの2種以上の共重合体かからなる。本発明で用いられるポリエーテル変性メチルフェニルポリシロキサンは下記一般式で表わされるものが好ましい。
【0007】
【化2】
【0008】
[式中、R1、R3はメチル基又は−C3H6O(C2H4O)a(C3H6O)b−R4基、R2は−C3H6O(C2H4O)a(C3H6O)b−R4基、Meはメチル基、Phはフェニル基を示す。また、m=0〜100、n=1〜50、l=1〜40、a=0〜100、b=0〜100、a+b≧1である。R4は水素又は炭素数1〜10のアルキル基を示す。]
【0009】
具体的には、例えば、下記式で示される化合物が挙げられる。
【0010】
【化3】
【0011】
【化4】
【0012】
【化5】
【0013】
【化6】
【0014】
ポリエーテル変性メチルフェニルポリシロキサンの配合量は0.1〜40%であり、より好ましくは0.5〜30%である。
【0015】
本発明で用いられるニトロセルロースは、通常美爪料に用いられる周知のものが使用でき、例えば、ニトロセルロースRS1秒、1/2秒、1/4秒、1/8秒等が挙げられ、これらの一種又は二種以上を適宜配合することができる。ニトロセルロースの配合量は2〜40%であり、より好ましくは5〜30%である。
【0016】
本発明に用いられる脂肪族系の揮発性溶剤としては、酢酸n−ブチル、酢酸エチル、アセトン、メチルエチルケトン、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等が挙げられ、これらの一種又は二種以上を配合することができる。脂肪族系の揮発性有機溶剤の配合量は30〜90%であり、より好ましくは35〜80%である。
【0017】
本発明の美爪料用ゲル組成物は、まず有機変性粘土鉱物、ポリエーテル変性メチルフェニルポリシロキサン及びニトロセルロースを混合し二本ロールを用いるなどしてよく混練し、次いで脂肪族系有機溶剤に分散して調製する。本発明のゲル組成物は、ポリエーテル変性メチルフェニルポリシロキサンを配合したので、チキソトロピー性があり、優れたゲル特性を有し、安定性に優れた美爪料の製造に適する。
【0018】
本発明の上記ゲル組成物から美爪料を作るには、該ゲル組成物に通常の美爪料に使用される成分、例えば、酸化鉄、酸化チタン、タルク、マイカ、雲母チタン、アルミ末、シリコーンパウダー、ナイロンパウダー、ウレタンパウダー、魚鱗箔等の顔料類や染料、アルキッド樹脂、アクリル樹脂、アクリルシリコーン樹脂等の皮膜形成剤、ジブチルフタレート、クエン酸アセチルトリブチル等の可塑剤、紫外線吸収剤、美容成分、シリコーン系添加剤、香料等を本発明の効果を損なわない範囲で配合する。また必要に応じて脂肪族系揮発性溶剤を添加する。ゲル組成物の美爪料中の配合量は特に限定されないが5〜40%が好ましい。本発明のゲル組成物並びに美爪料は、トルエン等の芳香族炭化水素を実質的に含有しないことを必須とする。
【0019】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。
【0020】
実施例1 ゲル組成物(1)
ベントン27を25部、ニトロセルロース(1/4秒)を55部、下記化学式で表されるポリエーテル変性メチルフェニルポリシロキサン20部を二本ロールで混練処理した。その20部を酢酸ブチル80部に分散し、ゲル組成物を得た。
【0021】
【化7】
【0022】
実施例2 ゲル組成物(2)
ベントン27を25部、ニトロセルロース(1/4秒)を55部、下記化学式で表されるポリエーテル変性メチルフェニルポリシロキサン20部を二本ロールで混練処理した。その20部を酢酸ブチル80部に分散し、ゲル組成物を得た。
【0023】
【化8】
【0024】
実施例3 ゲル組成物(3)
ベントン27を25部、ニトロセルロース(1/4秒)を55部、下記化学式で表されるポリエーテル変性メチルフェニルポリシロキサン20部を二本ロールで混練処理した。その20部を酢酸ブチル80部に分散し、ゲル組成物を得た。
【0025】
【化9】
【0026】
実施例4 ゲル組成物(4)
ベントン27を25部、ニトロセルロース(1/4秒)を55部、下記化学式で表されるポリエーテル変性メチルフェニルポリシロキサン20部を二本ロールで混練処理した。その20部を酢酸ブチル80部に分散し、ゲル組成物を得た。
【0027】
【化10】
【0028】
比較例1 ゲル組成物(5)
ベントン27を25部、ニトロセルロース(1/4秒)を55部、クエン酸アセチルトリブチル20部を二本ロールで混練処理した。その20部を酢酸ブチル80部に分散し、ゲル組成物を得た。
【0029】
比較例2 ゲル組成物(6)
ベントン27を25部、ニトロセルロース(1/4秒)を55部、クエン酸アセチルトリブチル20部を二本ロールで混練処理した。その20部をトルエン80部に分散し、ゲル組成物を得た。
【0030】
比較例3 ゲル組成物(7)
ベントン27を25部、ニトロセルロース(1/4秒)を55部、次式のメチルフェニルポリシロキサン20部をニ本ロールで混練処理した。その20部を酢酸ブチル80部に分散し、ゲル組成物を得た。
【0031】
【化11】
【0032】
(評価方法)
本発明の実施例1〜4及び比較例1〜3について、ゲルを調製後、30℃の恒温槽に一晩放置後、レオメーターを用いて、ゲルの硬さを測定した。アダプターは、10mmφ、針入速度6cm/min、針入度は15mmで行った。その結果を下記表1に示す。
【0033】
【表1】
【0034】
表1の結果から明らかなように、実施例1〜4は、測定値が70以上で、ゲルとして充分な硬さを有していた。しかしながら、比較例1及び3は、ゲルとしての硬さが満足すべきものではなかった。また、比較例2は、ゲルとしては充分な硬さを有するものの、トルエンを含んでいるため安全性上好ましくない。
【0035】
下記表2に示す組成の美爪料を製造し、官能特性並びに経時安定性について評価した。
【0036】
【表2】
【0037】
(製造方法)
成分1〜12を成分13〜15に添加混合して、美爪料を得た。
【0038】
(評価方法)
1.官能評価
専門評価パネル10名により、「塗布しやすさ」並びに「光沢」について下記基準より5段階評価し、その平均点より判定した。
[評価][内容]
5点:非常に良好。
4点:良好。
3点:普通。
2点:やや不良。
1点:不良。
[判定][内容]
◎:平均点4.5点以上。
○:平均点3.5点以上4.5点未満。
△:平均点2.5点以上3.5点未満。
×:平均点2.5点未満。
【0039】
2.経時安定性
得られた美爪料を50℃の恒温槽に4週間放置し、沈澱、分離等の経時安定性について肉眼にて観察した。
[評価][内容]
○:変化なし。
△:やや変化の兆候あり。
×:沈澱、分離等の変化が観察された。
上記評価方法により得られた結果を表3に示す。
【0040】
【表3】
【0041】
得られた結果から明らかなように、本発明に係わる実施例5〜8は、官能特性並びに経時安定性のいずれの項目においても優れたものであった。それに対し、比較例4及び6はいずれにおいても満足する結果は得られず、また比較例5は、トルエンを配合しているため、安全性上好ましくない。
【0042】
【発明の効果】
本発明で得られたゲル組成物は、良好なゲル形成性を有し、さらにそれを含有する美爪料は、塗りやすさや光沢等の官能特性並びに経時安定性に優れ、爪に対して安全なものである。
Claims (3)
- 次の成分(A)〜(D);
(A)有機変性粘土鉱物 0.5〜20重量%
(B)ポリエーテル変性メチルフェニルポリシロキサン 0.1〜40重量%
(C)ニトロセルロース(1/8〜1秒) 2〜40重量%
(D)脂肪族系有機溶剤 30〜90重量%
を含有し、且つ実質的に芳香族炭化水素を含有しないことを特徴とする美爪料用ゲル組成物。 - 請求項1又は2記載のゲル組成物を含有することを特徴とする美爪料。
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---|---|---|---|
JP03687198A JP3557543B2 (ja) | 1998-02-19 | 1998-02-19 | 美爪料用ゲル組成物及びそれを含有する美爪料 |
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---|---|---|---|
JP03687198A JP3557543B2 (ja) | 1998-02-19 | 1998-02-19 | 美爪料用ゲル組成物及びそれを含有する美爪料 |
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JPH11228351A JPH11228351A (ja) | 1999-08-24 |
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---|---|---|---|
JP03687198A Expired - Fee Related JP3557543B2 (ja) | 1998-02-19 | 1998-02-19 | 美爪料用ゲル組成物及びそれを含有する美爪料 |
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