JP3557326B2 - 液晶表示装置の駆動方法、駆動ic、および駆動回路 - Google Patents

液晶表示装置の駆動方法、駆動ic、および駆動回路 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶表示装置、特にマトリクス状の画素構造を有する単純マトリクス型の液晶表示装置の駆動方法、この駆動方法に用いられる駆動IC、およびこの駆動ICを用いた駆動回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示装置は近年その表示容量が飛躍的に増大し、薄型軽量の特長によりパーソナルコンピュータやワードプロセッサなどの表示用ディスプレイとして広く用いられている。なかでも、スーパーツイステッドネマティック(STN)型の液晶表示装置は薄膜トランジスタ(TFT)型の液晶表示装置に比べて安価なことから、低価格の製品に広く用いられている。
【0003】
STN型液晶表示装置は、例えば特開昭60−107020号公報や特開平2−139519号公報に開示されているように、液晶分子のねじれ角を二百数十度程度に増加させることにより液晶表示装置の電気−光学特性のしきい値特性を急峻にして表示容量を増大させる。STN型液晶表示装置は、走査電極と信号電極との重なり部分で画素が形成される単純マトリクス構造で良好なコントラストを得ることができる。このためSTN型液晶表示装置は、各画素にスイッチング素子を形成したアクティブマトリクス構造をとるTFT型液晶表示装置に比べて安価に作製することができる。
【0004】
このSTN型液晶を含む単純マトリクス型液晶表示装置の駆動方法として、一般にマルチプレックス駆動と呼ばれる方法が用いられる。単純マトリクス構造では画素ごとのスイッチング素子がないので、各画素の表示輝度は、その画素の走査電極が選択されていない状態を含む実効値電圧によって定まる。このマルチプレックス駆動方法では、オン画素相互、及び、オフ画素相互の実効値電圧を等しくすることにより表示の均一性を確保する。
【0005】
図47を用いてこの駆動方法を説明する。図中、503は液晶パネル、504〜507は走査電極、508〜511は信号電極を示している。走査電圧パルス(+Vs)501によって1本の走査電極が順次選択され、その走査電極上にある画素の表示のオン・オフ状態に応じた信号電圧502がそれぞれの信号電極に印加される。信号電圧は、表示オンの場合は−Vd、表示オフの場合は+Vdである。液晶に交流電圧が印加されるようにするために、所定の期間ごとにすべての電圧の極性が反転される。
【0006】
現実の液晶パネルでは、走査電極および信号電極の電極抵抗、駆動ICの出力抵抗、そして液晶層の容量等によって形成されるCR回路のために、液晶層に印加される電圧波形にスイッチング歪が生じる。このため、各画素に印加される実効値電圧は理想値から外れ、本来は一定であるべき画素の明るさが、他の部分の表示パターンによって変化する現象が発生する。これが、いわゆるクロストークである。
【0007】
クロストークにはいくつかの発生原因があるが、そのうち最も重要で根元的なものは、データ信号のスイッチング歪に起因するものである。図47において、走査電極は504〜507の4本だけが示されているが、走査電極507の下側にさらに複数の走査電極が設けられ、それらの画素はすべて表示オン(全面白表示)であるとする。例えば信号電極509に印加される信号電圧は、走査電極504〜507が走査される間に、オフからオンへまたはオンからオフへ、3回スイッチングしているが、信号電極508に印加される信号電圧は1回もスイッチングせずにオン信号が続いている。このため、信号電極509上の画素は、信号電極508上の画素に比べて、スイッチング歪の分だけ低い実効値電圧が印加されることになる。その結果、信号電極509上の画素の白表示は信号電極508上の白表示より暗くなり、全面白の表示部分に縦縞模様が現れる。このクロストークを文字クロストークと呼ぶ。
【0008】
前述のように、液晶表示装置においては一定の周期で走査電圧の極性を反転し、それに伴ってデータ側の信号電圧の極性も反転させて、液晶層に直流電圧が印加されるのを防止している。特開昭60−19195号公報や、テレビジョン学会技術報告書IPD82−4(1983年)には、文字クロストークを低減するために、1フレームより短い複数の水平走査期間ごとに、駆動電圧の極性反転を行って、ベタ表示部でのデータ信号反転回数を増やす方法が開示されている。現在は、10〜30本程度の水平走査期間ごとに極性を反転させ、200本から500本程度の走査線がある液晶表示装置の場合には、1フレーム当たり10回から数十回程度極性反転を行う場合が多い。
【0009】
しかしながら、この方法は完全に文字クロストークをなくすものではなく、また、極性反転に伴って走査電極に電圧歪が生じるため、縦棒を表示した場合に新たなクロストーク(縦ラインクロストーク)が発生するという問題がある(例えば、第2回ファインプロセステクノロジー・ジャパン’92セミナーテキストR17参照)。
【0010】
上述の方法とは別の文字クロストーク低減方法として、特開平4−360192号公報や特開平8−292744号公報に開示されている方法がある。この方法では、走査電圧の非選択レベルに対して信号電圧のレベルが反転するときに、スイッチング歪を補償するように信号電圧の出力レベルをずらすことによってクロストークを防止する。即ち、図48に示すように、信号電圧の出力レベル反転時に信号電圧の出力レベルを一定期間ずらした補償パルス521が印加され、これによって波形歪による実効値電圧の低下を補償している。なお、この図では、走査電圧の極性が反転する際に走査電圧の非選択レベルをV1からV4にシフトさせているが、これは走査側ICの出力電圧幅を低く抑えるためである。
【0011】
図48の波形を得るために、特開平4−360192号公報では、図49に示す駆動回路が用いられている。この駆動回路は補償電圧を印加するために4つの電圧レベルVDD、V2、V3、V5を新たに発生する。LCD駆動電圧発生回路525が10レベルの電圧VDD, VDD´, V1−V5, V2´, V3´, V5´を発生し、このうち8つの電圧を信号側駆動回路523に供給している。522は液晶表示パネル、524は走査側駆動回路である。
【0012】
なお、走査電圧の非選択レベルを一定値V1とした場合は、信号電圧波形が図50に示すようになる。これは、図48の信号電圧波形の後半部を平行移動したものである。走査側ICは正負の走査パルス(±Vs)を出力する必要があるが、図49のLCD駆動電圧発生回路525で発生する電圧レベルのうち下側の半分が不要となる。
【0013】
一方、特開平8−292744号公報に開示された駆動方法では図48又は図50の波形を得るために、信号側駆動回路への供給電圧に補償パルスを重畳している。この駆動方法は、信号電圧が反転しない場合は信号側駆動ICの出力をハイインピーダンス状態にして補償パルスが信号電極に到達しないようにし、信号電圧が反転する場合には信号側駆動ICを導通状態にして補償パルスを信号電極に印加する。
【0014】
特開平5−333315号公報に別の駆動方法が記載されている。この駆動方法は、上記の特開平4−360192号公報や特開平8−292744号公報とは逆に、信号電圧のレベル反転がない場合に信号電圧の実効値を減少させるパルス電圧を重畳して、レベル反転がある場合と同等の波形歪を生じさせ、互いの実効値電圧を等しくする。補償電圧レベルとして、走査電極の非選択レベル、または信号電圧の逆側のレベル(オン信号連続時にはオフレベル、オフ信号連続時にはオンレベル)を用い、新たな電圧レベルを設けることなくクロストーク補償を行う。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような信号電圧に補償パルスを印加する駆動方法においては、以下のような問題が生じている。
【0016】
まず、特開平4−360192号公報に示された方法では、液晶駆動ICに供給する電圧レベル数が増加するため、駆動IC内のバス配線やスイッチの数、さらには外部電源回路と駆動ICとの接続線数が増える。信号側駆動ICに供給される電圧レベル数は、補償パルスを印加することにより、図48の波形を用いた場合には4から8に、図50の波形を用いた場合には2から4に増加する。このため駆動ICの面積や接続配線部の面積が増加して、液晶パネル周辺部分の面積が大きくなったり、ICがコスト高になったりするという点が問題になっている。
【0017】
次に、特開平8−292744号公報に示された方法では、信号側駆動ICの出力をハイインピーダンス状態にしている間は、その出力に対応する信号電極はフローティング状態にあり、信号電極の電荷が放電されてしまう。このため、液晶表示装置のコントラストが低下したり、この放電現象による新たな表示むらが生じるという点が問題になっている。
【0018】
また、特開平5−333315号公報に開示された方法では、補償電圧のレベルを他の電圧レベルと共用しているので補償のための電圧スイッチング幅が比較的大きい。この方法では、1水平走査期間に比較的大きな電圧スイッチングが、信号電圧が反転する場合は1回、信号電圧の反転がない場合には補償パルスの立ち上がりと立ち下がりのため2回生じる。一方、クロストーク補償を行わない駆動方法では、信号電圧が反転しない場合には電圧スイッチングはない。走査線数をnラインとすると、1フレーム期間に比較的大きな信号電圧のスイッチングが、特開平5−333315号公報に開示された方法ではn〜2n回生じ、クロストーク補償を行わない駆動方法の0〜n回に比べて大きく増加する。このスイッチング回数増にともなって消費電力が増加するという点が問題になっている。
【0019】
さらに、いずれの方法においても補償波形の周波数成分が高いため画面内での補償の均一性が良好ではない点や、液晶パネルのサイズ、画素数や液晶材料の物性定数などにより補償性能が変わってしまうという点が問題になっている。
【0020】
そこで、本発明は、上記のような従来の駆動方法を改良することにより、クロストークを解消または低減し、液晶表示装置の表示品位を高めながらも、液晶表示装置の周辺部分の面積の増加や駆動ICのコストの増加や消費電力の増加を抑え、コンパクトで安価で低消費電力な液晶表示装置の実現に寄与することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
本発明による液晶表示装置の第1の駆動方法は、複数の走査電極に走査電圧を順次印加し、複数の信号電極に信号電圧を印加し、第1設定時間は、連続する2つの水平走査期間で信号電圧が負レベルから正レベルに変化する信号電極に供給される信号電圧のみに、そのレベル変化に伴う波形歪による実効値電圧の低下を補償する補償パルスを重畳し、第2設定時間は、連続する2つの水平走査期間で前記信号電圧が正レベルから負レベルに変化する信号電極に供給される信号電圧のみに、そのレベル変化に伴う波形歪による実効値電圧の低下を補償する補償パルスを重畳することを特徴とする。
【0022】
本発明による液晶表示装置の第2の駆動方法は、複数の走査電極に走査電圧を順次印加し、複数の信号電極に信号電圧を印加し、第1設定時間は、連続する2つの水平走査期間で信号電圧が正レベルを維持する信号電極に供給される信号電圧のみに、信号電圧レベルが変化した場合に生ずる波形歪による実効値電圧の低下に相当する実効値電圧の低下を与える補償パルスを重畳し、第2設定時間は、連続する2つの水平走査期間で前記信号電圧が負レベルを維持する信号電極に供給される信号電圧のみに、信号電圧レベルが変化した場合に生ずる波形歪による実効値電圧の低下に相当する実効値電圧の低下を与える補償パルスを重畳することを特徴とする。
【0023】
上記のような第1または第2の駆動方法によれば、補償パルスによって信号電圧の実効値変動が抑えられるので、文字クロストークが解消または低減される。しかも、任意の時点において、信号電圧に補償パルスが重畳される信号電極が上記のように限定されているので、限定しない場合に比べると、同時に必要な電圧レベルの種類が減る。従って、駆動ICにおけるスイッチの数や配線の数が減り、駆動ICの面積が削減され、表示部周辺部分がコンパクトになると共に駆動ICが安価になる。さらに、印加される補償パルスレベルの切り替え周波数が低くてすむため、消費電力の増加や電源ノイズによる表示むらがほとんど生じない。
【0024】
また、第1または第2の駆動方法において、第1設定時間と第2設定時間の長さは等しく設定することが好ましい。このようにすれば、補償パルスの印加により液晶層に直流電圧が印加されて液晶特性が劣化することを防止できる。
【0025】
第1および第2設定時間を極性信号(極性反転信号とも言う)に応じて設定することが好ましく、こうすれば他に特別な制御信号を用いることなく第1および第2の設定時間を切り替えることができる。この場合、補償パルスを重畳するか否かを、表示データのオン・オフを用いた論理条件により決めるようにすれば、補償パルスを発生するための論理表や論理回路が簡略化される。
【0026】
あるいは、第1設定時間と第2設定時間を極性信号だけでなく、それとは別の制御信号をも用いて、例えば両信号の論理積に応じて設定してもよい。例えば、極性反転周期より長い周期の制御信号を併用して、極性信号と第1および第2設定時間との関係を周期的に入れ替えることができる。この場合も、補償パルスを重畳するか否かを、表示データのオン・オフを用いた論理条件により決めることが好ましい。
【0027】
さらに、第1設定時間と第2設定時間との設定に極性信号を用いず、極性信号とは独立に設定された制御信号のみを用いてもよい。
【0033】
第1または第2の駆動方法において、補償パルスのパルス幅が次式で示される液晶パネルの画素部分の時定数Binの1.5倍以上とすることができる
【0034】
Bin=(Rpix×n)×(Cpix×n)/2
但し、Rpixは、液晶パネルの1画素当たりの信号電極の抵抗、Cpixは1画素あたりの静電容量を、nは1本の信号線上の画素数である。
【0036】
この駆動方法によれば、補償パルスの減衰や歪による液晶パネル内での補償パルスの電圧差が抑えられるので、液晶パネル面内で表示が均一になる。この駆動方法において、補償パルスの幅を液晶パネルの画素部分の時定数の4倍以上にすれば、さらに表示の均一性が良好となる。
【0037】
第1または第2の駆動方法において好ましくは、補償パルスが矩形波よりも周波数成分の低い波形を有する。
【0039】
この駆動方法によれば、上記の駆動方法に比べて、補償パルスの減衰や歪による液晶パネル内での補償パルスの電圧変動が抑えられるので、液晶パネル面内で表示がさらに均一になる。具体的には、補償パルスとして矩形波状のパルスの他に正弦波状、三角波、または円弧状のパルスを用いることができる。矩形波状パルスの場合は電源回路が簡単になる利点があり、正弦波パルスの場合は含まれる周波数成分が低いので歪や減衰が少なく、効率的で液晶パネル面内の均一性のよい補償が行われる利点を有する。
第1または第2の駆動方法において好ましくは、信号電圧の立ち上がり部と立ち下がり部とに傾斜を持たせる。この駆動方法によれば、信号電圧の波形歪みが小さいのでクロストークが生じにくく、補償パルスによる補償量が少なくて済む。また、信号電圧の減衰や歪が小さいので、液晶パネル面内で表示がさらに均一になる。
【0040】
第1または第2の駆動方法において好ましくは、前記補償パルスの重畳位置及びパルス幅の少なくとも一方が、クロックのカウント値に応じて設定された補償パルス制御信号により制御される。この駆動方法によれば、液晶パネルの特性に応じて補償パルスの実効値電圧を容易に最適の値に設定できる。
【0041】
第1または第2の駆動方法において好ましくは、前記補償パルスの幅と高さの少なくとも一方が、走査側電極の給電側から終端側に向かって徐々に変化している。走査パルスの波形歪に起因するクロストーク量は、一般に走査側駆動回路からの距離によって変化する。この駆動方法によれば、この変化に対応させて補償パルスの幅と高さ(即ち補償量)を変化させるので、液晶パネル面内での表示の均一性が向上する。
【0042】
第1または第2の駆動方法において好ましくは、前記補償パルスの幅と高さの少なくとも一方が、前記2つの水平走査期間に対応する2つの走査電極上のオン画素数の差、またはオフ画素数の差によって制御される。この駆動方法によれば、表示パターンによって変化する走査電極上の電圧歪に起因するクロストーク量に応じて補償量を制御するので、液晶パネル面内での表示の均一性が向上する。
【0043】
第1または第2の駆動方法において好ましくは、前記補償パルスが前記液晶表示装置の上半面と下半面とで独立に制御される。この駆動方法によれば、上下画面における表示パターンの違いによって生じるクロストーク量の違いに応じて補償量を制御するので、画面の上半分と下半分でのクロストーク補償を適切に行うことができ、両者の間に境界線が生じることを回避できる。
【0046】
上記のような各駆動方法を実施することにより、走査電圧の極性反転を頻繁に行う必要がなくなるの。好ましくは、極性反転周期をフレーム周期の1/4以上とする。つまり、1フレーム当たりの極性反転を4回以下とする。1フレーム当たりの極性反転を1回としても問題ない。これによって、走査電圧の波形歪に伴う縦ラインクロストークが低減される。
【0047】
上述のような駆動方法に適した本発明による駆動ICの第1の構成は、第1の水平走査期間における第1の信号データを保持する第1のラッチ回路と、第1の水平走査期間に隣接する第2の水平走査期間における第2の信号データを保持する第2のラッチ回路と、前記2つのラッチ回路の出力に基づいて、複数の入力電圧のうちの一つを選択して前記信号電圧として出力するスイッチ回路の組と、前記スイッチ回路の組に前記複数の入力電圧を供給する複数のバス配線とを備え、前記スイッチ回路は、第1設定時間には、前記2つのラッチ回路の出力が、前記第1及び第2の水平走査期間の間で前記信号電圧が負レベルから正レベルに変化することを示す信号電極に対してのみ、そのレベル変化に伴う波形歪による実効値電圧の低下を補償する補償パルスが重畳された前記入力電圧を選択し、第2設定時間には、前記2つのラッチ回路の出力が、前記第1及び第2の水平走査期間の間で前記信号電圧が正レベルから負レベルに変化することを示す信号電極に対してのみ、前記補償パルスが重畳された前記入力電圧を選択することを特徴とする。
【0048】
本発明による駆動ICの第2の構成は、第1の水平走査期間における第1の信号データを保持する第1のラッチ回路と、第1の水平走査期間に隣接する第2の水平走査期間における第2の信号データを保持する第2のラッチ回路と、前記2つのラッチ回路の出力に基づいて、複数の入力電圧のうちの一つを選択して前記信号電圧として出力するスイッチ回路の組と、前記スイッチ回路の組に前記複数の入力電圧を供給する複数のバス配線とを備え、前記スイッチ回路は、第1設定時間には、前記2つのラッチ回路の出力が、前記第1及び第2の水平走査期間の間で前記信号電圧が正レベルを維持することを示す信号電極に対してのみ、信号電圧レベルが変化した場合に生ずる波形歪による実効値電圧の低下に相当する実効値電圧の低下を与える補償パルスが重畳された前記入力電圧を選択し、第2設定時間には、前記2つのラッチ回路の出力が、前記第1及び第2の水平走査期間の間で前記信号電圧が負レベルを維持することを示す信号電極に対してのみ、前記補償パルスが重畳された前記入力電圧を選択することを特徴とする
【0049】
駆動ICの第1または第2の構成において好ましくは、少なくとも1本のバス配線が複数の電圧レベルに共有されている。それにより、バス配線の本数及び出力スイッチ数が減るので、駆動ICの面積の低減、ひいては表示部周辺のコンパクト化および駆動ICのコスト低減が可能になる。前記バス配線上の電圧レベルのうち少なくとも1つ(好ましくは補償パルスの電圧レベル)を制御信号に応じて反転させる反転回路とを備えた構成とすることもできる。この場合もバス配線の本数及び出力スイッチ数が減るので、駆動ICの面積の削減による表示部周辺のコンパクト化や駆動ICのコスト低減が可能になる。
【0050】
好ましくは、複数の電圧レベルに共有されたバス配線に接続されたスイッチ回路、または電圧レベルが反転されるバス配線に接続されたスイッチ回路が他のスイッチ回路の出力抵抗より高い。また、前記スイッチ回路の出力抵抗が他のスイッチ回路の出力抵抗の2倍以上50倍以下であることが好ましく、5倍以上20倍以下であればさらに好ましい。
【0053】
上記のような駆動ICを用いた本発明による液晶表示装置の第1の駆動回路は、上記駆動ICを用いた信号側駆動回路と、前記入力電圧を前記信号側駆動回路に供給する電源回路とを備え、前記スイッチ回路は、第1設定時間には、前記2つのラッチ回路の出力が、前記第1及び第2の水平走査期間の間で前記信号電圧が負レベルから正レベルに変化することを示す信号電極に対してのみ、前記信号電圧のレベル変化に伴う波形歪による実効値電圧の低下を補償する補償パルスが重畳された前記入力電圧を選択し、第2設定時間には、前記2つのラッチ回路の出力が、前記第1及び第2の水平走査期間の間で前記信号電圧が正レベルから負レベルに変化することを示す信号電極に対してのみ、前記補償パルスが重畳された前記入力電圧を選択し、前記第1及び第2設定時間と記補償パルスの電圧レベルが各々、所定の制御信号に応じて切り替えられることを特徴とする。制御信号として極性信号を用いることもできる。このような構成によれば電源回路及び駆動ICを含む周辺回路の簡素化が可能となり、クロストークを適切に抑えながら、コンパクトで安価な液晶表示装置を提供することができる。
【0054】
本発明による液晶表示装置の第2の駆動回路は、上記駆動ICを用いた信号側駆動回路と、前記入力電圧を前記信号側駆動回路に供給する電源回路とを備え、前記スイッチ回路は、第1設定時間には、前記2つのラッチ回路の出力が、前記第1及び第2の水平走査期間の間で前記信号電圧が正レベルを維持することを示す信号電極に対してのみ、前記信号電圧レベルが変化した場合に生ずる波形歪による実効値電圧の低下に相当する実効値電圧の低下を与える補償パルスが重畳された前記入力電圧を選択し、第2設定時間には、前記2つのラッチ回路の出力が、前記第1及び第2の水平走査期間の間で前記信号電圧が負レベルを維持することを示す信号電極に対してのみ、前記補償パルスが重畳された前記入力電圧を選択し、前記第1及び第2設定時間と前記補償パルスの電圧レベルが各々、所定の制御信号に応じて切り替えられることを特徴とする
【0055】
第1または第2の駆動回路において好ましくは、信号電圧レベルおよび所定の波形の補償パルスの電圧レベルを発生する電源回路と、前記両電圧レベルが供給される入力端子を備えた駆動ICとを備えている。このような構成によって、均一な表示特性の液晶表示装置を提供することができる。この駆動回路において、電源回路が半波整流回路または三角波発生回路を有することが好ましい。簡単な波形発生回路を用いて均一な表示特性の液晶表示装置を提供することができる。
【0056】
第1または第2の駆動回路において好ましくは、走査電圧レベルと信号電圧レベルを発生する電源回路と、前記電圧レベルが供給される駆動ICを含む信号側駆動回路とを備え、前記電源回路が補償パルスの電圧レベルを作り出す抵抗分圧回路を含む。前記電源回路が、補償パルスの電圧レベルを反転する電圧反転回路をさらに含むことが好ましい。また、補償パルスの電圧レベルが液晶駆動電圧に連動して変化する構成であれば好ましい。こうすれば、液晶表示装置の輝度調整を行った場合、または液晶表示装置の製造時に表示特性最適化のためバイアス抵抗を変更した場合に、クロストーク補償条件が崩れることがなく、良好な表示特性が保たれる。
【0057】
第1または第2の駆動回路において好ましくは、前記信号電極が上下に分割されている液晶表示装置装置の駆動回路であって、液晶表示面の上半分用と下半分用とで独立に補償パルス制御回路を備えている。これにより、画面の上半分と下半分との表示パターンの違いによって生じるクロストーク量の違いに応じてそれぞれの補償パルス制御回路を独立に調整することができるので、画面全体で良好なクロストーク補償を行うことができ、また画面中央部に境界線が生じることがない。
【0058】
【発明の実施形態】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。
(実施形態1)
図1に本発明の第1の実施形態である液晶表示装置の駆動方法による駆動波形を示す。図において101はデータ信号電圧であり、表示に応じてV2またはV4の電圧レベルをとる。102は走査電圧、103は極性信号である。104はラッチパルスであり、thは1つの走査ラインが走査される時間幅(水平走査期間)、tvは1画面が走査される時間幅(フレーム周期)を示している。
【0059】
本実施形態は、第1の設定時間では信号電圧101がV4からV2(負から正)に切り替わるときに正の補償電圧パルス105(以下、単に「補償パルス」という)を信号電圧101に重畳し、第2の設定時間では信号電圧101がV2からV4(正から負)に切り替わるときに負の補償パルス106を信号電圧に重畳するものである。
【0060】
以下、上記の第1と第2の設定時間を極性信号103に応じて定める場合について説明する。図1において、極性信号103がハイレベルにあるとき(第1の設定時間)には正の走査電圧によって走査が行われ、選択された走査線上の画素は、データ信号101がV2のときオフ状態、V4のとき選択ライン上の画素はオン状態である。極性信号103がローレベルにあるとき(第2の設定時間)には、これとは逆にV2がオンレベル、V4がオフレベルである。従って、V2とV4は表示データのオンとオフに対応し、その対応状態が設定時間に応じて逆転することになる。
【0061】
図1においては、信号電圧がオンレベルからオフレベルに切り替わるときに高さVc、幅tcの補償パルス105,106が信号電圧に重畳されている。即ち、極性信号がハイレベルにあるときは信号電圧がV4からV2に切り替わるときに正の補償パルス105が、極性信号がローレベルにあるときは信号電圧がV2からV4に切り替わるときに負の補償パルス106が信号電圧に重畳されている。極性信号の反転周期はフレーム周期と一致している。
【0062】
図2は上記の補償パルスの効果を示すもので、(a)は、図1における極性信号がハイレベルにある場合の電圧波形、(b)は極性信号がローレベルにある場合の電圧波形をそれぞれ示している。いずれの場合も、外部より印加するデータ信号電圧101は液晶パネルのCR回路により歪み、実際に画素に印加される際には画素印加電圧107となる。この場合、波形の歪により実効値電圧の低下分108,109が生じるが、補償パルス105,106の効果により本来の電圧値より高い補償電圧部分110が発生し、この部分が実効値電圧の低下分を補償するので、画素には本来の実効値電圧が印加されることになる。
【0063】
データ信号電圧の極性が変わらない場合には図1に示すように補償パルスは印加されないが、波形の歪も発生しないので、画素には本来の実効値電圧が印加されている。従って、表示データに関わらず画素には本来の実効値電圧が印加され、文字クロストークが解消し、または大幅に低減される。
【0064】
補償パルスを信号電圧のV2およびV4のうちの片側のみに重畳した場合は、正負レベルのバランスが崩れて液晶層に直流電圧成分が印加されることになる。しかし、本実施形態の駆動方法では走査電圧の極性反転に伴って補償パルスの極性も反転するので、直流電圧成分が打ち消される。特に、同一の表示パターンが継続する間は、波形の切り替わり回数が正負の走査期間で完全に等しくなるため、直流電圧成分は完全に相殺される。
【0065】
図1の駆動波形において、V2からV4への信号電圧の変化とV4からV2への信号電圧の変化が生じる回数は等しいので、図2における実質的な補償パルス部分110が実効値電圧の低下分108と109の和をほぼ補償するように補償パルスの高さVcと幅tcを設定するのが望ましい。補償パルスの高さと時間幅は、液晶パネルのサイズ、電極抵抗や静電容量によって異なるが、例えば、電極のシート抵抗が7.5Ω/□で10.4型の640×480ドットで信号電極が上下に分割されていない単連駆動型のカラーSTN型LCDパネルの場合、Vcとtcの積が0.4〜10V・μsecの間、さらに好ましくは1〜6V・μsecの間にあるパルスが良好な補償条件を示した。
【0066】
液晶パネルの条件が上記と異なる場合にはVcとtcの積をそれに応じて変化させる必要がある。信号波形の歪みは信号電極の負荷でほぼ定まる。したがって、1画素あたりの信号電極の抵抗をRpix、1画素あたりの容量をCpix、1本の信号線上の画素数をnとすると、信号電圧切り替わり時の電圧歪は、式(数1)に示すAにほぼ比例する。
【0067】
【数1】A=(Rpix×n)×(Cpix×n)×(V2−V4)
Vcとtcの積はこのAを用いて式(数2)の範囲に設定するのが望ましく、さらには式(数3)の範囲に設定するのが望ましい。
【0068】
【数2】0.08×A ≦ Vc×tc ≦ 1.8×A
【0069】
【数3】0.18×A ≦ Vc×tc ≦ 1.0×A
液晶層の容量は印加電圧によって変化するので、オン画素とオフ画素の平均をとってCpixとすればよい。なお、パルス幅が狭すぎる場合には、補償パルスの周波数成分が高くなりすぎ、パネル内で減衰して補償量にむらが生じるので好ましくない。パルス幅は後述する第14の実施形態で説明する範囲に設定するのが望ましい。
【0070】
上記の駆動方法においては、正の補償パルス105または負の補償パルス106のどちらを用いるかは極性信号によって定まっており、これはすべての信号電極に対して共通である。従って、複数の信号電極を考えた場合でも、正負の補償パルスが同時に出力されることはなく、信号側の駆動ICからの同時出力は図1におけるV2,V3、およびV1とV5のいずれか片方の3レベルが最低限あればよい。このため、クロストーク補償を行うために最低限でもV1,V2,V4,V5の4レベルが必要な従来の駆動方法に比べて、駆動ICや駆動回路の構成を簡略化できるという利点がある。
【0071】
尚、本実施形態では、信号電圧がオンレベルからオフレベルに切り替わるときに補償パルスをデータ信号に重畳したが、逆に、信号電圧がオフレベルからオンレベルに切り替わるときに補償パルスをデータ信号に重畳しても同じ効果が得られる。さらに、補償パルスを重畳するデータ信号の切り替わり条件(オンからオフ、及び、オフからオン)を適当な時間で交代させることにより、2つの条件を混在させてもよい。この場合、駆動ICや駆動回路の正負電圧に対する微妙な特性差の表示特性への影響を緩和することができる。
【0072】
また、補償パルスを重畳する位置(タイミング)は、データ信号電圧が切り替わる際の立上がりまたは立下がりエッジに限らず、水平走査期間thの期間内であればどこであっても同様のクロストーク補償が行われる。
【0073】
補償パルスがデータ信号の立ち上がりまたは立ち下がりエッジに重畳されている場合は、補償パルスの受ける波形歪は、電圧レベルがV4からV1に(またはV2からV5に)大きく変化するときの歪みである。これに対して、補償パルスがデータ信号の立ち上がりまたは立ち下がりエッジから離れたところに重畳されている場合は、補償パルスの受ける波形歪は、電圧レベルがV2からV1に(またはV4からV5に)変化するときの歪みである。このときの歪量は先に述べた電圧レベルが大きく変化するときの歪量より少ない。歪量が少なければ重畳すべき補償パルスのVcとtcの積は小さくて済む。
【0074】
信号電極のCR時定数Bは、分布定数回路計算によって求められるが、画素部を含まない1ライン当たりの抵抗、即ち、パネル配線抵抗、接続抵抗、IC出力抵抗等の総和をRoutとすると、式(数4)で近似される。
【0075】
【数4】B=(Rout+Rpix×n)×(Cpix×n)/2
水平走査期間thの開始から補償パルス印加までの時間が式(数4)で近似されるCR時定数Bの2倍以上ある場合は、データ信号の立ち上がりまたは立ち下がりエッジに補償パルスを重畳する場合に比べて、補償パルスのVcとtcの積を80%程度に下げることができる。但し、補償パルス幅tcは前述の場合と同様に第14の実施形態で説明する範囲内に設定することが望ましい。
【0076】
上記の説明では、正負いずれの補償パルスを重畳するか(即ち第1と第2の設定時間)を極性信号に応じて決定した。これにより、各信号電極における補償パルス重畳の有無が、表示データのオン・オフの切り替わり方向から決定できるという利点が生じた。また、正負の補償パルスいずれを印加するかを選択するために新たな制御信号を用いる必要がないという利点もある。
【0077】
しかしながら、これは走査パルスの極性反転とは独立な他の信号により決定してもよい。これにより、パネル特性により適応した補償パルス印加条件を設定できるという利点が生じる。第1の設定時間と第2の設定時間は等しい長さに設定するのが望ましく、こうすれば液晶パネルに直流電圧が印加されることはない。この場合も上記の説明と同様に、信号側駆動ICへの供給電圧が3レベルであっても良好なクロストーク補償が行われる。
【0078】
なお、第1・第2設定時間の長さは、それぞれが1フレーム期間を大きく越えないようにするのがフリッカの出現を防止する意味で望ましい。この設定時間が短すぎると、電源あるいは駆動IC内での補償電圧レベルのスイッチング回数が増えて消費電力がやや増加する。通常の機器においては、この電力増は問題にならない場合が多いが、携帯機器など消費電力を特に低減したい場合には、それぞれの設定時間の長さをフレーム期間の1/10程度以上にするのが望ましい。
【0079】
(実施形態2)
次に、本発明の第2の実施形態に係る液晶表示装置の駆動ICおよび駆動回路のブロック図を図3に示す。本実施形態の駆動ICおよび駆動回路は、図1に示した第1の実施形態の駆動方法における駆動信号を発生するためのものである。図3において、駆動IC207は出力スイッチ回路、スイッチ制御回路、2つのラッチ、及びシフトレジスタを含んでいる。出力スイッチ回路は出力1に対する部分のみが描かれ、出力2以後に対応する部分については同じブロックの繰り返しであるので図示を省略している。
【0080】
駆動IC207には外部から電源電圧や各種の制御信号が与えられる。206はスイッチ組であり3つのスイッチのうち1つがオンすることによりIC出力電圧を選択する。201から203は外部電源回路からのDC電圧をスイッチ組206に供給するためのバス配線である。ICの出力端子数は例えば240本である。
【0081】
また、208は外部電源回路であり、V1,V2,V4,V5の電圧源とスイッチ回路とを含んでいる。スイッチAまたはスイッチBが択一的にオンになることにより、駆動IC207への供給電圧がV1またはV5に切換えられる。
【0082】
この駆動ICおよび駆動回路の動作の概略は以下の通りである。最初に、外部電源回路の動作を説明する。外部電源回路には極性信号Mが与えられており、これに基づいてスイッチAおよびBのオン・オフが制御される。信号電圧がオンレベルからオフレベルに切り替わるときに補償パルスを重畳する場合を例にとると、表1に示す論理表に基づいてスイッチAおよびBのオン・オフが制御され、駆動ICのバス配線202に供給される電圧が決定される。
【0083】
【表1】
Figure 0003557326
【0084】
表1において、極性信号Mは走査電圧の正負の極性を示している。走査電圧が正のときは補償電圧としてV1が駆動ICに供給され、走査電圧が負のときはV5が供給される。この結果、駆動ICのバス配線202には時間帯ごとに異なるレベルの補償電圧が供給されることになる。
【0085】
次に駆動ICの動作について説明する。まず、1走査線分の表示データDがクロック信号CLKに同期して入力され、シフトレジスタに蓄えられる。1走査線分のデータは、ラッチパルスLPにより一括してラッチ1に送られる。これと同時に、いままでラッチ1に保持されていたデータはラッチ2に送られる。スイッチ制御回路は、ラッチ1より供給される現在の走査線上にある画素の表示データDt、ラッチ2より供給される1つ前の走査線上にある画素の表示データDt−1、極性信号M、および補償パルス制御信号Pwから、表2に示す論理表に基づいて各出力ラインごとに出力tを決定し、この決定に従ってスイッチ組206のオン・オフを制御する。スイッチ2がオン状態にある場合にはバス配線202への供給電圧がIC出力電圧となるが、バス配線202は2つの補償電圧に共有されている。いずれの補償電圧がバス配線202上にあるかは、表1に示したように、M信号により定まっているので、駆動ICからの出力電圧は表2に示すようになる。
【0086】
【表2】
Figure 0003557326
【0087】
表2において、表示データDtおよびDt−1は、ローレベルがオン状態、ハイレベルがオフ状態を表している。補償パルス制御信号Pwは補償パルスの時間幅(図1等におけるtc)を制御する信号であり、これがハイレベルのときだけ補償パルスが印加される。例えば、ラッチパルスの立ち上がりと同時にPwをハイレベルとし、tc経過後にPwをローレベルにすれば、信号電圧の先頭部分に補償パルスを重畳することができる。即ち、ある走査期間thの開始直後にはPwがハイレベルであるので、データと制御信号の条件に応じてV1またはV5の補償電圧が出力されるが、時間tcの経過後にPwがローレベルとなると、表2の論理表より、出力電圧がV1であった場合にはtc以降の出力はV2に、出力電圧がV5であった場合にはtc以降の出力はV4となる。こうして、図1に示した出力波形を得ることができる。1ラインの走査期間th内における補償パルスの位置は、Pwをローレベルからハイレベルにするタイミングをラッチパルスに対して調整することにより、任意の位置に調整することができる。
【0088】
なお、信号電圧がオフ状態からオン状態に切り替わるときに補償パルスを重畳する場合には、表3と表4に示す論理表に基づいて、外部電源回路から駆動ICへの供給電圧、および駆動ICからの出力電圧を決定すればよい。
【0089】
【表3】
Figure 0003557326
【0090】
【表4】
Figure 0003557326
【0091】
なお、第1の実施形態に示したように補償パルスを重畳するデータ信号の切り替わり条件(オンからオフまたはオフからオン)を適当に交代させ、2つの条件を混在させる場合には、上記の論理表の組(表1と表2、または表3と表4)を別の制御信号により切り替えて用いればよい。あるいは、別の制御信号を条件に含めた新たな論理表を作成してそれに応じて出力を決定すればよい。
【0092】
実際、このICを信号側の駆動ICとして用い、走査側には通常の走査用ICを用いてSTN型の液晶表示装置を構成し、800×600ドットのカラー表示を行ったところ、クロストークがほとんどなく非常に良好な表示を行うことができた。尚、極性反転周期は1フレーム周期に設定した。
【0093】
本実施形態に示す駆動ICと駆動方法を用いることにより、駆動IC内のバス配線の本数が3本で、1出力当たりのスイッチ数が3つであっても、上記のように良好なクロストーク補償効果を得ることができた。したがって、従来の駆動ICに比べて、ICのチップ面積が10〜20%程度削減でき、液晶パネルの額縁部(表示画面の周辺部)の面積の低減により液晶表示装置の小型化が可能になると共に、IC価格の低減により安価な液晶表示装置を得ることができる。
【0094】
(実施形態3)
図4に、本発明の第3の実施形態に係る液晶表示装置の駆動ICおよび駆動回路の構成をブロック図で示す。本実施形態の駆動IC及び駆動回路も図1に示した駆動波形を発生するためのものである。図4において、図3(第2の実施形態)に示したブロック図と同じ構成要素には同じ番号を付している。図3との違いは、図4では外部電源回路に補償電圧レベルを切り替えるスイッチがなく、そのかわり、駆動ICに電圧反転回路が備えられている点にある。
【0095】
この構成により、外部電源回路から駆動ICには補償電圧レベルの片方V1のみが供給され、他方の補償電圧レベルV5は駆動IC内の電圧反転回路で極性信号に従って作り出される。この結果、バス配線202の電圧は第2の実施形態の表1または表3に示したものと同じになり、表2または表4に示す論理表に基づいて駆動ICからの出力電圧が決定される。また、第2の実施形態に示した方法によって、補償パルスを重畳するデータ信号条件を混在させることもできる。
【0096】
本実施形態に示す駆動ICと駆動方法を用いることにより、第2の実施形態と同様に、駆動IC内のバス配線の本数が3本で、1出力当たりのスイッチ数が3つであっても、良好なクロストーク補償効果を得ることができた。この結果、従来の駆動ICに比べて、ICのチップ面積が10〜20%程度削減でき、液晶パネルの額縁部の面積を低減して液晶表示装置をよりコンパクトにすることが可能になると共に、IC価格を低減してより安価な液晶表示装置を得ることができる。本実施形態の駆動ICと駆動回路を用いた場合には、ICの設計条件によっては、第2の実施形態に比べてわずかに駆動ICの面積が増加する場合もあるが、外部電源回路が簡略化されるという利点がある。
【0097】
なお、第2・第3の実施形態では、正負の補償パルスのいずれを重畳するか(即ち第1と第2の設定時間)を極性信号により決定する場合について説明したが、他の信号によりこの設定時間を決定する場合も、論理表を若干変更するだけで第2・第3の実施形態の駆動ICと駆動回路はそのまま用いることができる。
【0098】
(実施形態4)
本実施形態は、第1の設定時間では正の信号電圧が連続して印加される場合に、第2の設定時間では負の信号電圧が連続して印加される場合に、データ信号電圧の実効値が減少する方向に補償パルスを重畳するものである。
【0099】
以下、上記の第1と第2の設定時間を極性信号に応じて定める場合について説明する。こうすれば、第1の実施形態で説明したように、正負の信号電圧は表示データのオンとオフに対応し、その対応状態が設定時間に応じて逆転する。
【0100】
図5は本発明の第4の実施形態に係る駆動方法による駆動波形を示している。図5に示す波形では、データ信号としてオン電圧が連続して印加される場合に高さVc、幅tcの補償パルス121,122をデータ信号電圧の実効値が減少する方向に重畳している。データ信号が反転したときは前述のように立ち上がり部または立ち下がり部の波形歪によって実効値が低下するが、本実施形態の方法によれば、オン信号が連続するとき(データ信号は反転しない)にも実効値電圧が低下する。その結果、データ信号の波形歪による各信号ラインの実効値電圧の差が緩和され、文字クロストークが解消され、または減少する。
【0101】
本実施形態においても、極性信号103がハイレベルの場合には補償パルス121のみが印加され、極性信号103がローレベルの場合には補償パルス122のみが印加されるので、第1の実施形態に示した方法と同様に、信号側駆動ICから同時に出力される電圧レベル数は3であり、駆動ICや駆動回路の構成を簡略化できるという利点がある。また、液晶層に印加される直流電圧成分も、第1の実施形態の方法と同様に極性反転に伴って打ち消される。
【0102】
文字クロストーク低減の効果は第1の実施形態に示したものとほぼ同等であるが、本実施形態では、補償パルスがデータ電圧の実効値を減少させる方向に重畳されるので、データ信号の駆動ICの出力電圧の上限に制約がある場合に有利である。即ち、データ電圧の実効値を増加させる方向に補償パルスを重畳する場合は、駆動ICの耐圧や電源電圧の制約のために、十分な電圧レベルの補償パルスを印加できない場合があるが、本実施形態の方法ではこのような制約を受けずに十分なクロストーク補償を行うことができる。
【0103】
液晶パネルは、液晶分子の誘電異方性のためオン画素とオフ画素でその静電容量が異なっている。通常、オン画素はオフ画素の1.2倍〜3.0倍程度の静電容量を有する。従って、多くのオン画素が接続されている信号電極は、オフ画素が多く接続されている信号電極に比べて、データ信号切り替わり時の波形歪が大きいので、信号の切り替わり回数が同じでも実効値電圧の低下分が大きい。本実施形態の補償パルスはデータ電圧の実効値を減少させる効果を有するので、補償パルスはオフ電圧側に重畳する方が、静電容量の違いに伴う電圧歪みの差を緩和する意味で望ましい。
【0104】
しかしながら、オフ電圧側のみに補償パルスを重畳すると、オン画素数が多い信号電極にはほとんど補償パルスが重畳されなくなる。これを避けるため、補償パルスを第1期間はオフ電圧側に重畳し、その後、第2期間にオン電圧側に重畳することを繰り返すことが望ましい。補償パルスをオフ電圧側に設定する第1期間とオン電圧側に重畳する第2期間との比の最適値は、液晶パネルの仕様や補償パルスの高さと幅等に依存する。通常は第1期間を第2期間の1.2〜3倍程度にすれば補償量のバランスが良好になる場合が多い。なお、ここで述べた第1期間と第2期間は、先に述べた第1・第2の設定時間とは別に設定されるものである。
【0105】
このように、補償パルスを印加する信号電極を、オン電圧が連続する信号電極とオフ電圧が連続する信号電極との間で交代させることにより、信号電極上のオン画素数とオフ画素数が表示パターンによって異なっても、良好な表示特性を得ることができる。また、駆動ICや駆動回路の正負電圧に対する微妙な特性差の表示特性への影響を緩和することもできる。
【0106】
なお、図5では補償パルス121,122を水平走査期間thの期間の先頭に重畳しているが、補償パルスの位置はこれに限らず、水平走査期間thの期間内であればどこに重畳しても同様にクロストーク補償を行うことができる。
【0107】
本実施形態の駆動方法では、補償パルスがデータ信号の切り替わりと同時に重畳されることはなく、信号電圧が本来のレベルV1またはV5に落ちついた後に補償パルスが重畳される。このため、第1の実施形態で水平走査期間thの開始から時間を遅らせて補償パルスを印加する場合と同様に、補償パルス自体の歪は図1の波形に比べて小さくなる。従って、補償パルスの高さVcと幅tcの積は、第1の実施形態で式(数2)と式(数3)で説明した範囲の80%程度に設定するのが望ましい。補償パルス幅tcについては、第14の実施形態で説明する範囲に設定するのが望ましい。
【0108】
上記の説明では、正負いずれの電圧レベルに補償パルスを重畳するか(即ち第1と第2の設定時間)を極性信号に応じて決定した。これにより、各信号電極における補償パルス重畳の有無が、表示データのオン・オフの切り替わり方向から決定できるという利点が生じた。また、正負の補償パルスいずれを印加するかを選択するために新たな制御信号を用いる必要がないという利点もある。
【0109】
しかしながら、これは走査パルスの極性反転とは独立な他の信号により決定してもよい。これにより、パネル特性により適応した補償パルス印加条件を設定できるという利点が生じる。第1の設定時間と第2の設定時間は等しい長さに設定するのが望ましく、こうすれば液晶パネルに直流電圧が印加されることはない。この場合も上記の説明と同様に、信号側駆動ICへの供給電圧が3レベルであっても良好なクロストーク補償が行われる。
【0110】
なお、第1・第2設定時間の長さは、これを第1の実施形態で説明した範囲にに設定するのが望ましい。
(実施形態5)
図6に、本発明の第5の実施形態に係る液晶表示装置の駆動ICおよび駆動回路の構成をブロック図で示す。本実施形態の駆動IC及び駆動回路は図5に示した駆動波形を発生するためのものである。図6において、図3(第2の実施形態)に示したブロック図と同じ構成要素には同じ番号を付している。図3との違いは、外部電源回路にある。図6の外部電源回路では、V1とV5とがオン・オフ電圧レベルであり、V2とV4とが補償電圧レベルとなっている。
【0111】
第2の実施形態と同様に、極性信号Mにより表5の論理表に基づいて、駆動IC207のバス配線202に供給される補償電圧レベルが決定される。
【0112】
【表5】
Figure 0003557326
【0113】
駆動ICの動作については、実施形態2で説明したものと同様であり、表6に示す論理表に基づいて各出力ラインの出力信号が決定される。
【0114】
【表6】
Figure 0003557326
【0115】
表5と表6はデータ信号としてオン電圧が連続するときに補償パルスを印加する例を示しているが、オフ電圧が連続するときに補償パルスを印加する場合には、表7と表8に示す論理表に基づいて、外部電源回路から駆動ICへの供給電圧、および駆動ICからの出力電圧を決定すればよい。
【0116】
【表7】
Figure 0003557326
【0117】
【表8】
Figure 0003557326
【0118】
なお、第4の実施形態に示したように補償パルスを重畳するデータ信号の切り替わり条件(オンが連続とオフが連続)を適当に交代させ、2つの条件を混在させる場合には、上記の論理表の組(表5と表6、または表7と表8)を別の制御信号により切り替えて用いたり、別の制御信号を条件に含めた論理表を新たに作成してそれに応じて出力を決定すればよい。
【0119】
このICを信号側の駆動ICとして用い、走査側には通常の走査用ICを用いてSTN型の液晶表示装置を構成し、800×600ドットのカラー表示を行ったところ、クロストークがほとんどなく非常に良好な表示を行うことができた。尚、極性反転周期は1フレーム周期に設定した。
【0120】
本実施形態に示す駆動ICと駆動回路を用いることにより、駆動IC内のバス配線の本数が3本で、1出力当たりのスイッチ数が3つであっても、上記のように良好なクロストーク補償効果を得ることができた。この結果、従来の駆動ICに比べて、ICのチップ面積が10〜20%程度削減でき、液晶パネルの額縁部の面積を低減して液晶表示装置をよりコンパクトにすることが可能になると共に、IC価格を低減してより安価な液晶表示装置を得ることができる。
【0121】
(実施形態6)
図7に、本発明の第6の実施形態に係る液晶表示装置の駆動ICおよび駆動回路の構成をブロック図で示す。本実施形態の駆動IC及び駆動回路も図5に示した駆動波形を発生するためのものである。図7において、図6(第5の実施形態)に示したブロック図と同じ構成要素には同じ番号を付している。本実施形態においても、第3の実施形態で説明したものと同様に、外部電源回路に補償電圧レベルを切り替えるスイッチがなく、そのかわり、駆動ICに電圧反転回路が備えられている。
【0122】
この構成により、外部電源回路から駆動ICには補償電圧レベルの片方V2のみが供給され、もう片方の補償電圧レベルV4は駆動IC内の電圧反転回路で極性信号に従って作り出される。この結果、バス配線202の電圧は第5の実施形態の表5または表7に示したものと同じになり、表6または表8に示す論理表に基づいて駆動ICからの出力電圧が決定される。
【0123】
本実施形態に示す駆動ICと駆動方法を用いることにより、第5の実施形態と同様に、駆動IC内のバス配線の本数が3本で、1出力当たりのスイッチ数が3つであっても、良好なクロストーク補償効果を得ることができた。この結果、従来の駆動ICに比べて、ICのチップ面積が10〜20%程度削減でき、液晶パネルの額縁部の面積を低減して液晶表示装置をよりコンパクトにすることが可能になり、また、IC価格を低減してより安価な液晶表示装置を得ることができる。本実施形態の駆動ICと駆動回路を用いた場合には、ICの設計条件によっては、第5の実施形態に比べてわずかに駆動ICの面積が増加する場合もあるが、外部電源回路が簡略化されるという利点がある。
【0124】
なお、第5・第6の実施形態では、正負いずれの信号電圧レベルに補償パルスを重畳するか(即ち第1と第2の期間)を極性信号により決定する場合について説明したが、他の信号によりこの期間を決定する場合も、論理表を若干変更するだけで第5・第6の実施形態の駆動ICと駆動回路はそのまま用いることができる。
【0125】
(実施形態7)
図19は本発明の第7の実施形態に係る液晶表示装置の駆動方法による駆動波形を示している。本実施形態の方法は従来の方法と同じく、信号電圧がV4からV2に切り替わった場合とV2からV4に切り替わった場合の双方に、補償パルス129,130を信号電圧に重畳している。この補償パルスにより、データ信号の歪による画素電圧の実効値低下分が補償され、画素に本来の実効値電圧が印加されることは従来の方法と同様である。
【0126】
従来の方法との違いは、信号電圧がV4からV2に変化した場合にV2に重畳される補償パルス129の水平走査期間th内における位置と、信号電圧がV2からV4に変化した場合にV4に重畳される補償パルス130の水平走査期間th内における位置を異ならせた点にある。図19では、水平走査期間thの前半に補償パルス129が重畳され、水平走査期間thの後半に補償パルス130が重畳されている。
【0127】
本実施形態の駆動方法によれば、補償パルス129を構成する電圧レベルV1は水平走査期間thの前半のみに出力され、補償パルス130を構成する電圧レベルV5は水平走査期間thの後半のみに出力される。したがって、複数の信号電極を考えた場合でも2つの補償パルスが同時に出力されることはなく、第1の実施形態に示した方法と同様に、信号側駆動ICから同時に出力される電圧レベル数は3であり、駆動ICや駆動回路の構成を簡略化できるという利点がある。
【0128】
本実施形態の駆動ICおよび駆動回路には、図3あるいは図4にブロック図を示すものを用いることができる。バス配線202に供給される電圧は、図3では駆動IC外部のスイッチにより切り替えられ、図4では駆動IC内部の電圧反転回路によって電圧レベルが反転される。第2の実施形態や第3の実施形態ではこれをM信号(極性反転信号)に応じて変化させていたが、本実施形態ではバス配線202に、水平走査期間thの前半はV1が供給され、水平走査期間thの後半はV5が供給されるように供給電圧の制御を行う。さらに、水平走査期間の前半と後半で別々に論理表を構成して、信号電圧がV4からV2に変化した場合には水平走査期間thの前半に、信号電圧がV2からV4に変化した場合には水平走査期間thの後半にバス配線202上の電圧が出力されるようにすれば、図19の駆動波形を得ることができる。論理表は連続する2走査期間の信号電圧レベル(補償電圧を重畳しないもの)Vt−1とVtを用いて、水平走査期間thの前半を表9、後半を表10のように構成することができる。
【0129】
【表9】
Figure 0003557326
【0130】
【表10】
Figure 0003557326
【0131】
本実施形態の駆動方法はさらに、正負の補償パルスの補償量調整が容易になるという特長を有する。即ち、位相制御によって水平走査期間thの前半のある期間だけ補償電圧を出力しないようにすれば正方向の補償量を減らすことができ、水平走査期間thの後半のある期間だけ補償電圧を出力しないようにすれば負方向の補償量を減らすことができる。このようにして、制御信号により正負いずれかあるいは双方の補償電圧の出力を部分的に停止することにより、容易に正負の補償量調整を行うことができる。これは、補償パルス制御信号Pwがハイレベルとなる期間を水平走査期間thの前半と後半で異ならせることにより実現される。図3の回路構成の場合には外部電源の電圧レベル(V1,V5)を所定の期間だけV2やV4に切り替えておいてもよい。
【0132】
なお、本実施形態の説明では補償パルスの幅は水平走査期間thのほぼ半分であるものとしたが、これより狭いパルス幅でもよく、後述する第14の実施形態で説明した範囲であれば良好な補償を行うことができる。特に、補償パルスを水平走査期間thの始端と終端から離して配置すれば、データ信号の切り替わり歪と補償パルスが干渉することがないため表示特性が良好になったり、また、第8の実施形態で述べるようにバス配線202やそれにつながるスイッチなどの抵抗を高くできるため駆動ICや外部回路の設計が容易になるという効果が得られる。本実施形態の方法では補償電圧パルスの数が第1の実施形態の2倍になるので、補償パルスの高さVcと時間幅tcの積は第1の実施形態に示した値の半分に設定するのが望ましい。
【0133】
2種類の補償パルスの重畳位置に関しては、これらが水平走査期間th内において重なりあう期間がないように設定されていればよく、必ずしも水平走査期間の前半と後半に別れている必要はない。
【0134】
また、補償パルスを重畳する位置を適当な時間で交代させれば正負の波形がより対称になり、駆動ICや駆動回路の正負電圧に対する微妙な特性差の表示特性への影響を緩和することができる。例えば、データ信号がオンからオフに切り替わる場合は水平走査期間thの前半に補償パルスを印加し、オフからオンに切り替わる場合は水平走査期間thの後半に補償パルスを印加するようにすれば、V1とV5の出力される水平走査期間th内の位置は極性信号に応じて自然に交代する。この場合は、信号電圧レベルVt−1とVtの代わりに、データ信号Dt−1とDt及び極性信号Mを用いて、論理表を構成すればよい。
【0135】
補償パルスを対称にする別の方法としては、2つの水平走査期間を組にして、ある水平走査期間は前半に正の補償パルス、後半に負の補償パルスを重畳するようにし、次の水平走査期間は前半に負の補償パルス、後半に正の補償パルスを重畳するようにする方法がある。こうすれば、2水平走査期間で正負の補償パルスの印加位置のバランスがとれるだけでなく、正から負、負から正への補償レベルの切り替えが1水平期間に1回で済むようになり、切り替え回数が半分になるという利点もある。
【0136】
本実施形態の方法は、第1の実施形態の方法に比較して、正負の補償パルスの反転回数が多いのでやや消費電力は大きいが、以下に述べるようにフリッカが生じにくいという利点がある。即ち、本実施形態の方法では個々の画素を考えた場合に、信号電圧の立ち上がり(正の補償パルス印加)が生じた後には、いくつかの水平走査期間の後に必ず信号電圧の立ち下がり(負の補償パルス印加)が伴うので、第1の実施形態の方法に比べて正負の補償パルスの相殺が早く完了する。従って、個々の画素について画素電圧の低周波成分によるフリッカが発生しにくい。さらに、画面全体についても、本実施形態の駆動方法では1水平走査期間内に正負の補償パルスが両方とも出力されるので、第1の実施形態の方法に比べて正負の補償パルスが面内でばらまかれるため、個々の画素のフリッカが面内で相殺される。以上の2点により、本実施形態にはフリッカ特性にすぐれるという利点がある。
【0137】
本実施形態ではデータ信号の極性が反転した場合に実効値を増加させる補償パルスを重畳するものとして説明を行ったが、データ信号の極性反転がない場合に実効値を減少させる補償パルスを重畳する駆動方法に本実施形態の方法を用いても同様の効果が発揮される。
【0138】
(実施形態8)
図8は本発明の第8の実施形態に係る駆動方法による駆動波形を示している。図8に示す波形では、従来例と同様にデータ信号電圧のオン・オフが切り替わる場合に高さVc、幅tcの補償パルス123,124を重畳しているが、まず本来の信号電圧レベルV2またはV4が出力され、その後、補償パルスが重畳された電圧レベルV1またはV5が出力されるように、補償パルスを重畳している。
【0139】
図9は、上記の補償パルスの効果を示すものである。本実施形態においても第1の実施形態と同様に実効値電圧の低下分108が補償パルス123,124の効果により発生する実効値電圧補償部110によって補償され、画素には本来の実効値電圧が印加される。
【0140】
本実施形態の駆動方法の特長は、比較的大きな電圧変化を伴うスイッチングは必ず信号電圧レベルに向かって行われ、補償電圧レベルに向かうスイッチングはその電圧変化が小さいため、駆動ICや外部電源回路の設計が容易になることにある。以下、これを説明する。
【0141】
信号電圧V2とV4は±2V程度の電圧であるので、信号電圧変化に伴う波形歪は約4Vの電圧スイッチングに対して生じる。これが図9における実効値電圧のロス分108をもたらすが、このロス分が少ない方が補償パルス123,124による補償量が少なくて済み、補償が容易になる。
【0142】
一方、本実施形態においては、補償パルスの波形歪はV1とV2の間、あるいはV4とV5の間の電圧スイッチングに対して生じる。補償パルスの高さVcは数十〜数百mV程度であるので、補償パルスへの波形歪は信号電圧への波形歪に比べてかなり小さく、全体の実効値電圧にはあまり影響を及ぼさない。
【0143】
補償パルスの立ち上がりと立ち下がりはV1,V2,V4,およびV5のすべての電圧レベルに向かって生じているが、本実施形態の波形を用いれば、信号電圧レベルのスイッチングは必ずV2またはV4の電圧レベルに向かって生じる。先に説明したように、信号電圧のスイッチング歪は小さい方が望ましいが、補償パルスの波形歪は多少大きくても構わない。そこで、本実施形態の方法を用いれば、V2とV4につながる電源ラインやスイッチの抵抗を低くしておけば、V1とV5につながる電源ラインやスイッチの抵抗を高くしても表示特性にはあまり影響がなく、駆動ICや外部電源回路の構成の自由度が高まり、設計が容易になる。
【0144】
図8に示す波形では、補償パルスを水平走査期間thの中央部に重畳したが、スイッチングがほぼ完了した後であれば、どこに補償パルスを重畳しても上記の効果を得ることができる。
【0145】
V2またはV4への電圧スイッチングの時定数Bは、第1の実施形態と同様に、画素部を含まない1ライン当たりの抵抗(パネル配線抵抗、接続抵抗、IC出力抵抗等の総和)をRoutとすると、式(数5)で近似される。但し、駆動ICの出力抵抗のように、出力電圧によって値が異なるものは、V2またはV4が出力されている時の値を用いる。
【0146】
【数5】B=(Rout+Rpix×n)×(Cpix×n)/2
スイッチング後の電圧は、時定数の2倍の時間が経過すると最終到達電圧の86%に達し、3倍の時間では95%、5倍の時間では99%に達する。したがって、水平走査期間thの始端から2×B時間経過後に補償パルスの印加を開始すれば、本実施形態で説明した効果を得ることができる。3×B時間経過後であればさらに望ましく、5×B時間経過以降であればほぼ完全にその効果が発揮される。なお、補償パルスが水平走査期間thの後端近くに位置すると、次の水平走査期間に信号電圧のスイッチングが生じた場合に、このスイッチングによる波形歪と補償パルスの波形歪が干渉し、補償パルスの補償効果が変動する場合があるので、補償パルスの後端から水平走査期間thの後端までの時間として上記範囲の時間を確保しておくことが望ましい。
【0147】
(実施形態9)
図10に、本発明の第9の実施形態に係る液晶表示装置の駆動ICおよび駆動回路の構成をブロック図で示す。本実施形態の駆動IC及び駆動回路は図8に示した駆動波形を発生するためのものである。図10において、図3(第2の実施形態)に示したブロック図と同じ構成要素には同じ番号を付している。図3との違いは、外部電源回路のスイッチが無くなっている点、駆動ICの1出力当たりのスイッチが4つである点、そしてバス配線204が追加されている点である。
【0148】
駆動ICの動作については、実施形態2で説明したものと同様であり、表11に示す論理表に基づいて各出力ラインの出力信号が決定される。
【0149】
【表11】
Figure 0003557326
【0150】
本実施形態の駆動ICでは、第8の実施形態に示す駆動方法の効果を利用してそのチップサイズを低減している。すなわち、信号電圧V2,V4を出力するスイッチ2及び3の出力抵抗は500Ωであるが、補償パルスV1,V5を出力するスイッチ1及び4の出力抵抗は5kΩとなっている。この結果、スイッチ1とスイッチ4の面積が約十分の一になり、チップ面積が10%程度削減される。スイッチ1とスイッチ4の出力抵抗が高すぎる場合には、補償パルスの歪が大きくなり、低すぎる場合にはチップ面積低減の効果が十分でない。これらの出力抵抗は、1kΩ〜25kΩの範囲に設定することが望ましく、2kΩ〜10kΩの範囲に設定することがさらに望ましい。より厳密には、補償電圧を出力するスイッチの出力抵抗を、信号電圧を出力するスイッチの出力抵抗の2〜50倍の範囲にすることが望ましく、4〜20倍の範囲に設定することがさらに望ましい。
【0151】
本実施形態においては、補償電圧レベルを出力するスイッチの出力抵抗に応じて補償パルスの高さVcと幅tcを調整することが望ましい。第1の実施形態に示した式(数1)のAを用いると、信号電圧の出力抵抗と補償電圧レベルの出力抵抗の比が5倍程度までの場合には、Vcとtcの積を式(数6)の範囲に設定することが望ましく、式(数7)の範囲に設定することがさらに望ましい。
【0152】
【数6】0.032×A ≦ Vc×tc ≦ 0.72×A
【0153】
【数7】0.072×A ≦ Vc×tc ≦ 0.40×A
この場合、パルス幅tcは、第14の実施形態で説明する範囲に設定することが望ましい。
【0154】
補償電圧レベルの出力抵抗が信号電圧レベルの出力抵抗の10倍程度である場合には、Vcとtcの積を上記の値の2倍程度にすることが望ましく、tcは上記の範囲の2倍以上に設定することが望ましい。
【0155】
補償電圧レベルの出力抵抗が信号電圧レベルの出力抵抗の20倍以上の場合には、Vcとtcの積を上記の値の3倍程度にすることが望ましく、tcは上記の範囲の3倍以上に設定することが望ましい。
【0156】
このICを信号側の駆動ICとして用い、走査側には通常の走査用ICを用いてSTN型の液晶表示装置を構成し、800×600ドットのカラー表示を行ったところ、スイッチ1及び4の出力抵抗を500Ωとしたものと同等の、クロストークがほとんどなく非常に良好な表示を行うことができた。尚、極性反転周期は1フレーム周期に設定した。
【0157】
本実施形態に示したような小面積で安価な駆動ICを用いても、上記のように良好なクロストーク補償効果を得ることができた。この結果、液晶パネルの額縁部の面積を低減して液晶表示装置をよりコンパクトにすることが可能になり、また、ICコストを低減してより安価な液晶表示装置を提供することができる。
【0158】
なお、第8の実施形態に示す駆動方法を用いれば、図10の駆動ICにおいて、V1とV5を供給するバス配線201,204の抵抗を202,203に比べて高く設定できるので、このライン幅を狭くしてチップ面積を削減することも可能である。これは、先に説明したスイッチ1および4の出力抵抗を大きくすることと独立に実施することができる。
【0159】
また、第8の実施形態に示す駆動方法を用いれば、外部電源回路208においても、V1とV5の電流容量をV2とV4より低く設定したり、V1とV5の配線抵抗を他より高くすることもできる。この結果、外部電源回路をコンパクト化したり、より安価に構成したりすることが可能になる。
【0160】
(実施形態10)
本発明の第10の実施形態に係る駆動ICと駆動回路について説明する。本実施形態は、信号電圧が同一レベルで連続する場合に実効値を低減する補償パルスを重畳する駆動方法に、第9の実施形態で説明した駆動ICと駆動回路を適用したものである。
【0161】
まず、図11に駆動波形を示す。同一信号が連続する場合に、実効値電圧を低減する補償パルス125,126が駆動信号に重畳されている。
駆動ICと駆動回路の構成を示すブロック図は図10(第9の実施形態)に示したものと同じであるが、図11の駆動波形は図8の駆動波形とは異なり、V1とV5が信号電圧レベル、V2とV4が補償電圧レベルとなっている。したがって、出力波形を決める論理表が、本実施形態と第9の実施形態の間で異なっている。表12に本実施形態で用いる論理表を示す。
【0162】
【表12】
Figure 0003557326
【0163】
図11に示す駆動波形では、補償パルスをthのどこに重畳しても、スイッチング幅の大きい電圧変化はV1またはV5に向かって生じており、補償電圧レベルへのスイッチングが大きな実効値電圧低下を招くことはない。但し、補償パルスがthの後端付近に重畳される場合には、第8の実施形態で説明したように、補償波形の歪とデータ電圧のスイッチング歪が干渉するので、補償パルスはthの後端からは離して印加するのが望ましい。
【0164】
本実施形態では、V2とV4が補償電圧レベルであるので、スイッチ2とスイッチ3の出力抵抗を高抵抗にすれば、第9の実施形態に示したものと同様の効果を得ることができる。これらの出力抵抗については、第9の実施形態に示した範囲に設定するのが望ましい。また、V2とV4の電源の電流容量を小さくしたり、それにつながる配線や駆動IC内のバス配線の抵抗を高くすることにより、表示装置のコンパクト化や低価格化を図ることができる点も第9の実施形態と同じである。
【0165】
補償パルスの幅tcが狭すぎると、補償パルスの周波数成分が高くなりすぎてパネル内部で減衰し、均一な補償ができなくなる。従来の方法のように補償電圧レベルV2,V4を、データ信号レベルV1,V5、あるいは走査電圧の非選択レベルV3に一致させると、駆動ICから出力される電圧レベル数の増加はないが、補償パルスの高さVcが高くなる。このため、補償パルスの幅tcを狭くする必要が生じ、補償が不均一になる場合が多い。一方、本実施形態の駆動ICおよび駆動回路を用いれば、従来の方法に比べて駆動ICのチップ面積をほとんど増加させることなく、補償電圧レベルV2,V4を他の電圧レベルとは別に設定できる。従って、補償パルスの高さVcが高すぎて幅tcが狭くなることがなくなり、表示画面内で均一な補償特性を得ることができる。
【0166】
また、補償電圧レベルV2,V4を他の電圧レベルとは別に設定して補償パルスの高さVcを低くすることにより、補償パルスのスイッチングによる消費電力の増加がほとんどなくなるという効果も生じる。
【0167】
(実施形態11)
図12は本発明の第11の実施形態に係る駆動方法による駆動波形を示している。本実施形態は、第8の実施形態の方法を図1(第1の実施形態)の波形に適用したものである。図12では、データ信号がオンからオフに切り替わるときに高さVc、幅tcの補償パルス127,128を重畳しているが、重畳に際しては、まず本来の信号電圧レベルV2またはV4が出力され、その後、補償パルスが重畳された電圧レベルV1またはV5が出力されるようにしている。
【0168】
本実施形態においても、第8の実施形態と同様に、補償電圧レベルを出力するICの出力抵抗が高い場合や、補償電圧レベルの外部電源の電流容量が小さい場合、さらに、それにつながる配線や駆動IC内のバス配線の抵抗が高い場合にも、文字クロストークが解消され、または低減される。本実施形態の方法を用いれば、第1の実施形態で説明したように、信号側駆動ICからの同時出力は3レベルでよいので、第8の実施形態の駆動方法に比べて、さらに駆動ICや駆動回路の構成を簡略化できる。
【0169】
水平走査期間th内での補償パルスの重畳位置は、第8の実施形態での説明と同様の範囲に設定するのが望ましい。
本実施形態の方法においても、補償パルスの高さVcと幅tcとは、補償電圧レベルを出力するスイッチの出力抵抗に応じて変化させるのが好ましいが、補償電圧パルスの数が第8の実施形態の半分になるので、補償パルスの高さVcと幅tcの積を第8の実施形態に示した値の2倍に設定するのが望ましい。補償パルス幅tcについては、第14の実施形態で示す範囲に設定するのが望ましい。
【0170】
(実施形態12)
本発明の第12の実施形態として、図12の駆動波形を発生するための駆動ICと駆動回路について説明する。駆動ICおよび駆動回路の構成を示すブロック図は図3(第2の実施形態)に示したものと同じであるが、本実施形態では補償電圧レベルV1とV5に向かって電圧スイッチングが生じる場合には、必ずその電圧幅が小さくなっている。このため、第8の実施形態と同様の原理により、補償電圧レベルを出力するスイッチ2の出力抵抗を高くして、液晶表示装置のコンパクト化や低価格化を図ることができる。本実施形態に示す技術を用いることにより、第2の実施形態に比べて、駆動ICのチップ面積を5〜10%削減することができる。スイッチ2の出力抵抗については、第9の実施形態で示した範囲に設定するのが望ましい。
【0171】
なお、V1とV5の電源の電流容量を小さくしたり、それにつながる配線や駆動IC内のバス配線の抵抗を高くすることにより、表示装置のコンパクト化や低価格化が図れることも、第9の実施形態と同じである。
【0172】
また、図3の構成に代えて、電圧反転回路を駆動ICに内蔵させた図4の構成を用いても、同様の効果を得ることができる。
(実施形態13)
本発明の第13の実施形態に係る駆動ICと駆動回路について説明する。本実施形態は、図6(第5の実施形態)にブロック図を示す駆動ICと駆動回路に第9又は第12の実施形態に示す技術を適用して、液晶表示装置のコンパクト化や低価格化を図ったものである。図6の駆動ICと駆動回路は、図5(第4の実施形態)の駆動波形を発生するためのものであるが、比較的大きな電圧幅のスイッチングは、必ず信号電圧レベルV1またはV5に向かって行われており、補償電圧レベルV2,V4へのスイッチングはその電圧幅が小さい。
【0173】
従って、第9の実施形態と同様の原理により、補償電圧レベルを出力するスイッチ2の出力抵抗を高くして、液晶表示装置のコンパクト化や低価格化を図ることができる。本実施形態に示す技術を用いることにより、第5の実施形態に比べて、駆動ICのチップ面積を5〜10%削減することができる。スイッチ2の出力抵抗については、第9の実施形態で示した範囲に設定するのが望ましい。
【0174】
なお、V2とV4の電源の電流容量を小さくしたり、それにつながる配線や駆動IC内のバス配線の抵抗を高くして、装置のコンパクト化や低価格化が図れることも、第9の実施形態と同じである。
【0175】
また、図6の構成に代えて、電圧反転回路を駆動ICに内蔵させた図7の構成を用いても、同様の効果を得ることができる。
(実施形態14)
図13に本発明の第14の実施形態である液晶表示装置の駆動方法による駆動波形を示す。図において101はデータ信号電圧であり、表示に応じてV2またはV4の電圧レベルをとる。従来例の駆動波形と同様に、データ信号電圧の極性が切り替わる場合に、高さVc,幅tcの補償パルス131,132がデータ信号に重畳されている。また、104はラッチパルスであり、thは1つのラインが走査される時間幅を示している。
【0176】
図14は上記の補償パルスの効果を示すものである。第1の実施形態で説明したのと同様に、外部から印加されたデータ信号電圧101は液晶パネルのCR回路により歪み、実際に画素に印加される電圧(画素印加電圧)は133で示す波形となる。この場合、波形の歪により実効値電圧の低下分134が生じるが、補償パルス131,132の効果により本来の電圧値より高い補償電圧部分135が発生し、この部分が実効値電圧の低下分を補償するので、画素には本来の実効値電圧が印加される。データ信号電圧の極性が変わらない場合には図13に示すように補償パルスは印加されないが、波形の歪も発生しないので、画素には本来の実効値電圧が印加されている。従って、表示データに関わらず画素には本来の実効値電圧が印加され、文字クロストークが大幅に低減される。
【0177】
しかしながら液晶パネルの内部では、電極抵抗や画素容量により形成されたCR回路のため外部より印加された電圧は徐々に減衰していく。図15はこれを説明するためのもので、V4からV2に切り替わる信号電圧に補償パルスが重畳された場合を例にとっている。外部から印加されたデータ信号電圧101に対し、データ信号給電部に最も近い(給電側)画素に実際に印加される電圧波形は136で示すもので比較的歪は小さい。一方、データ信号給電端から最も遠い(終端側)画素に印加される電圧波形は137のように大きく歪んだものになる。歪量の大きい波形の立ち上がり部分を考えると、終端側は給電側に比べて138に示す分だけ信号電圧のロス成分が大きく、139に示す分だけ補償電圧が小さい。このため、終端側はクロストーク補償量が相対的に不足し、給電側はクロストーク補償量が相対的に過剰となり、液晶パネルの全領域で良好なクロストーク補償特性を得ることは困難である。
【0178】
われわれの実験によれば、例えば、電極のシート抵抗が7.5Ω/□で10.4型の640×480ドットで信号電極が上下に分割されていない単連駆動型のカラーSTNパネルの場合、補償パルスの幅tcが1μsec以上であれば実用上ほぼ満足できる表示が行え、3μsec以上であれば均一性の良好な表示が行えることが判明した。実験及びシミュレーションによる検討を重ねた結果、液晶パネルの条件が異なる場合には、引き出し配線や接続部などの周辺部分を除いた液晶パネル画素部分のCR時定数に応じてtcの値を定めれば良いことが明らかになった。
【0179】
液晶パネルの1画素当たりの信号電極の抵抗をRpix、1画素あたりの容量をCpix、1本の信号線上の画素数をnとすると、液晶パネルの画素部分のCR時定数は、式(数8)で近似される。
【0180】
【数8】Bin=(Rpix×n)×(Cpix×n)/2
補償パルスの幅tcを上式のBinの1.5倍以上にすれば実用的にほぼ満足できる表示が行え、Binの4倍以上にすれば均一性の良好な表示が行える。なお、液晶層の容量は印加電圧によって変化するので、オン画素とオフ画素の平均をとってCpixと考えればよい。
【0181】
補償パルスの高さと時間幅の積についても同様に検討を行った結果、上記に例示した液晶パネルの場合、Vcとtcの積が0.2から5(V・μsec)の間、さらに好ましくは0.5から3(V・μsec)の間にあるパルスが良好な補償条件を示した。サイズや画素数などが異なる液晶パネルの場合には、Vcとtcの積もそれに応じて変化させる必要があるが、信号波形の歪みは信号電極への負荷でほぼ定まるので、信号電圧切り替わり時の電圧歪は、式(数9)に示すAにほぼ比例する。Vcとtcの積はこのAを用いて式(数10)の範囲に設定するのが望ましく、式(数11)の範囲に設定するのがさらに望ましい。
【0182】
【数9】A=(Rpix×n)×(Cpix×n)×(V2−V4)
【0183】
【数10】0.04×A ≦ Vc×tc ≦ 0.9×A
【0184】
【数11】0.09×A ≦ Vc×tc ≦ 0.5×A
本実施形態の駆動波形は図16にブロック図を示す駆動ICおよび駆動回路により発生させることができる。図16において、図3に示したブロック図と同じ構成要素については同じ番号を付けて説明を省略する。図3との違いは、外部電源がV1〜V5の5レベルになっている点と、バス配線が201〜205の5本になっている点である。図において、V2とV4はデータ信号電圧、V1とV5は補償電圧であり、V3は走査電極における非選択電圧である。V3は必要に応じて液晶層への印加電圧を0とするために用いられるが、V3、これにつながるバス配線203及びスイッチ3を省略して、図10にブロック図を示す駆動ICと駆動回路を用いても構わない。
【0185】
駆動IC及び駆動回路の動作は、第2の実施形態で説明したものとほぼ同じである。出力を決定する論理表は第9の実施形態に示した表11のものを用いることができ、この論理表に基づいて各出力ラインごとに出力tが決定される。
【0186】
この決定に従って、スイッチ制御回路はスイッチ組206のオン・オフを制御する。ICの出力端子数は例えば240本である。極性信号Mや補償パルス幅制御信号Pwの働きも第2の実施形態での説明と同様である。
【0187】
本実施形態では補償パルス131,132は波形電圧が切り替わると同時にその先頭部に重畳されているものとして説明を行ったが、補償パルスの位置はthの期間内であればどこに位置しても、上記に説明した範囲にtcやVcを設定すれば同様の効果を得ることができる。
【0188】
また、本実施形態での説明のうち補償パルスの幅tcの好ましい範囲に関する部分は、矩形波パルスの重畳によりクロストーク補償を行うすべての駆動波形に対して有効である。例えば上記に説明した第1の実施形態(図1)、第4の実施形態(図5)、第7の実施形態(図19)、第8の実施形態(図8)、第10の実施形態(図11)、及び第11の実施形態(図12)で説明した駆動波形に対して、補償パルスの幅を式(数8)に示したBinの1.5倍以上にすれば実用的にほぼ満足できる表示が行え、Binの4倍以上にすれば均一性の良好な表示が行える。
【0189】
(実施形態15)
図17に、本発明の第15の実施形態である液晶表示装置の駆動方法による駆動波形を示す。第14の実施形態の方法では矩形波状の補償パルスをデータ信号に重畳したが、本実施形態の方法では正弦波状の補償パルス141,142をデータ信号に重畳している。
【0190】
本実施形態の方法でも、データ信号の歪による画素電圧の実効値低下分が補償パルス141,142により補償され、画素に本来の実効値電圧が印加されることは第14の実施形態と同じである。本実施形態の方法は、補償パルスが正弦波状であるため補償パルスが含む周波数成分が矩形波状の補償パルスに比べて低く、補償パルス自体が液晶パネルの中で歪んだり減衰したりしにくいので、パネルの大型化や液晶の高速応答化のための狭ギャップ化に伴いパネルのCR時定数が大きい場合にも、パネル内の補償量が均一であるといった利点を有する。
【0191】
画面対角のサイズが35cmを越える14型程度又はそれ以上の大きさの液晶表示装置を走査側・信号側ともに片側からの給電で駆動する場合は、図13に示した矩形波状の補償パルスで画面全体に良好な補償を行うにはかなりの困難が伴うが、本実施形態の方法のように、正弦波状の補償パルスを用いた場合は均一で非常に良好な補償を容易に行うことができた。
【0192】
図17では、正弦波状の補償パルスを重畳する時間幅tcが水平走査期間thにほぼ等しくなっているが、これに限定されるものではない。正弦波を重畳する時間幅tcは補償パルスの周波数成分を低下させる意味からは広い方が好ましいが、式(数8)に示したBinの1.5倍以上の時間幅であれば実用上大きな問題はなく、Binの4倍以上の時間幅であれば望ましい。これがBinの8倍以上の時間幅であれば一層望ましい。
【0193】
一方、重畳する補償パルスの時間幅を水平走査期間thより狭くした場合は、V2の側とV4の側に重畳する補償電圧の位置をずらしたり、正弦波状の補償パルスの振幅を比較的大きくしたりできるので、IC回路や外部回路の設計の自由度が増したり電圧の精度が比較的粗くてよいといった利点がある。
【0194】
補償パルスの振幅と時間幅は、液晶パネルのサイズ、電極抵抗や電気容量によって異なるが、例えば、電極のシート抵抗が7.5Ω/□で10.4型の640×480ドット、そして信号電極が上下に分割されていない単連駆動型のカラーSTNパネルの場合、図17に示すVcとtcの積が0.2〜5V・μsec、好ましくは0.5〜3V・μsec範囲内にあるときに良好な補償を示した。
【0195】
液晶パネルの条件が上記と異なる場合に、Vcとtcの積もそれに応じて変化させる条件については、第14の実施形態で説明したように、式(数9〜11)に従って決めればよい。Vcとtcの積が等しい場合、正弦波は矩形波より外部から与えられる補償電圧量は少ないが、正弦波は矩形波に比べて波形歪が生じにくいので、画素に印加される補償電圧量はほぼ同等になる。
【0196】
本実施形態の駆動波形は、第14の実施形態で説明した図16(あるいは図10)の駆動ICと駆動回路を用いて、補償電圧レベルV1とV5を所定の電圧波形とすることにより発生させることができる。
【0197】
なお、本実施形態では重畳する補償パルスの波形を正弦波状としたが、これに代えて、例えば三角波や円弧状の波形を用いることもできる。要は、含まれる周波数成分が矩形波に比べて低い波形であればよい。
【0198】
また、本実施形態ではデータ信号の極性が反転した場合に実効値を増加させる補償パルスを重畳するものとして説明を行った。これに代えて、図18に示すように、データ信号の極性反転がない場合に実効値を減少させる補償パルス143,144を重畳する場合にも、周波数成分が矩形波に比べて低い波形を重畳することにより、同様に均一性の良好な補償を容易に行うことができる。
【0199】
(実施形態16)
図20は本発明の第16の実施形態に係る液晶表示装置の駆動方法による駆動波形を示している。本実施形態の方法は、第7の実施形態の駆動方法において正弦波状の補償パルス145,146を印加するようにしたものである。
【0200】
本実施形態においても、水平走査期間thの前半にはV2に補償パルス145が重畳され、水平走査期間thの後半にはV4に補償パルス146が重畳されており、複数の信号電極を考えた場合でも2つの補償パルスが同時に出力されることはない。従って、駆動ICから同時に出力される電圧レベル数が3つで済み、駆動ICや駆動回路の構成を簡略化できるという利点や、正負の補償パルスの補償量調整が容易になるという利点のあることは、第7の実施形態と同様である。
【0201】
本実施形態の駆動方法は、補償パルスが正弦波状であるため補償パルスが含む周波数成分が矩形波状の補償パルスに比べて低い。このため、第15の実施形態で説明したのと同様に、パネルの大型化や狭ギャップ化に伴いパネルのCR時定数が大きい場合にも、パネル内の補償量が均一であるといった利点を有する。この特長により、例えば、画面対角のサイズが35cmを越える14型程度又はそれ以上の大きさの液晶表示装置においても、電極抵抗の大幅な低抵抗化などによりCR時定数を大幅に低下させなくても、非常に良好な表示を容易に行うことができる。
【0202】
補償パルスの高さVcと幅tcについては、第15の実施形態で説明したのと同様にこれらを設定すればよい。
なお、本実施形態では重畳する補償パルスの波形を正弦波状としたが、これに代えて、例えば三角波や円弧状の波形を用いることもできる。要は、含まれる周波数成分が矩形波に比べて低い波形であればよい。
【0203】
なお、本実施形態ではデータ信号の極性が反転した場合に実効値を増加させる補償パルスを重畳する場合について説明を行ったが、データ信号の極性反転がない場合に実効値を減少させる補償パルスを重畳する駆動方法に本実施形態の方法を適用し、例えば図21に示す電圧波形で液晶表示装置を駆動しても同様の効果が発揮される。
【0204】
本実施形態では第7の実施形態に基づいて水平走査期間内で正負の補償パルスの位置を異ならせる場合についてて説明を行ったが、第1あるいは第4の実施形態に基づいて補償パルスの印加されるデータ条件を限定する駆動方法に本実施形態の方法を適用することもできる。このようにしても、複数の信号電極を考えた場合でも2つの補償パルスが同時に出力されることはないので本実施形態と同様の効果が発揮される。
【0205】
(実施形態17)
図22は本発明の液晶表示装置の駆動ICおよび駆動回路の構成を示すブロック図である。本実施形態は図20の波形を発生するためのものである。図において、図16(第14の実施形態)と同じ構成要素には同一の番号を付けて説明を省略する。図16との違いは外部電源回路208にある。図22の電源回路においては、正弦波を発生する信号源と半波整流回路を用いることにより、V1を直流電圧V2の上に半波が重畳した電圧波形とし、V5を直流電圧V4から半波が差し引かれた形の波形としている。図23はこれらの波形を示したものである。図に示すようにV1とV5の波形は半波が重畳される位置がラッチパルスLPに対して位相が180°ずれており、液晶パネルへの出力波形は図20に示すように、出力がV2からV4に切り替わった場合にはthの後半部分に、V4からV2に切り替わった場合にはthの前半部分に実効値補償のための半波が重畳される。
【0206】
スイッチ制御部の動作も第14の実施形態で説明したものと同様であり、第14の実施形態と同じく表11に示す論理表に基づいて各出力ラインの出力信号が決定される。
【0207】
本実施形態においては、Pwを用いてV1やV5の電圧に含まれる半波の一部が出力されないようにすることにより両者の補償特性の微調整を行うことができる。図24はその一例を説明するもので、151はICからの出力波形、152はPw信号、153はラッチパルスを示している。Pw信号はthの先頭部の期間t1と最終部の期間t2の間はロー状態で、他の期間はハイ状態となっている。V1が出力される論理条件においてPwをロー状態にすると出力はV2となるので、図24において出力波形が立ち上がる場合には、半波の開始部分で期間t1だけV2を出力した後、Pwがハイ状態に切り換わって補償電圧V1が出力される。この結果、半波の開始部分がt2だけ削られる。期間t2については、もともとV1はV2に等しい電圧レベルをとるので、Pwをロー状態にしたことの影響はない。一方、出力波形が立ち下がる場合も同様に考えて、期間t2の間は出力がV5からV4に切り替わるので、半波の後部が期間t2だけ削られる。期間t1については、もともとV5はV4に等しい電圧レベルをとるので、Pwをローにしたことの影響はない。なお、半波を削るのはV1またはV5のいずれか一方のみでもかまわないし、削る位置も半波の前後端に限られるものではない。
【0208】
このICを信号側の駆動ICとして用い、走査側には通常の走査用ICを用いてSTN型の液晶表示装置を構成し、800×600ドットのカラー表示を行ったところ、クロストークがほとんどなく非常に良好な表示を行うことができた。尚、極性反転周期は1垂直走査期間に設定した。
【0209】
なお、図22において半波整流回路と逆相半波整流回路を入れ替えた構成にすれば、表13の論理表に基づいて、図21に示す波形を発生することができる。
【0210】
【表13】
Figure 0003557326
【0211】
また、これらの回路を他の信号発生回路で置き換えれば、他の波形で補償パルスを構成したり、第15の実施形態の波形を得たりすることができる。例えば、半波整流回路を三角波発生回路に置き換えれば、正弦波の代わりに三角波で補償電圧を構成することができる。
【0212】
また、図22において、V3は走査電圧の非選択電位をとるが、通常の駆動時にはこれは出力されることはない。したがって、V3およびこれに接続されるバス配線203とスイッチ3は省略することができる。
【0213】
(実施形態18)
図25および図26にブロック図を示す駆動ICおよび駆動回路は、バス配線202を2つの補償電圧レベルで共有した構成で、図20の駆動波形を発生させたものである。
【0214】
本実施形態の駆動ICおよび駆動回路ではバス配線202に、水平走査期間thの前半はV1が供給され、水平走査期間thの後半はV5が供給されるように、図25では駆動IC外部のスイッチを切り替え、図26では駆動IC内部の電圧反転回路によって電圧レベルを反転させる。さらに、水平走査期間の前半と後半で別々に論理表を構成して、信号電圧がV4からV2に変化した場合には水平走査期間thの前半に、信号電圧がV2からV4に変化した場合には水平走査期間thの後半にバス配線202上の電圧がスイッチ組206から出力されるようにする。
【0215】
本実施形態に示す駆動ICと駆動方法を用いることにより、第2あるいは第3の実施形態と同様に、駆動IC内のバス配線の本数が3本で、1出力当たりのスイッチ数が3つであっても、良好なクロストーク補償効果を得ることができた。したがって、従来の駆動ICに比べて、ICのチップ面積が10〜20%程度削減でき、液晶パネルの額縁部(表示画面の周辺部)の面積の低減により液晶表示装置の小型化が可能になると共に、IC価格の低減により安価な液晶表示装置を得ることができる。また、補償パルスを正弦波状としているので、第17の実施形態での説明と同様に、画面の大きい液晶表示装置においても均一な表示を行うことができた。
【0216】
なお、図25や図26において半波整流回路と逆相半波整流回路を入れ替えた構成にして、論理表を若干変更すれば、図21に示す波形を発生することができる。また、これらを他の信号発生回路で置き換えれてもよく、例えば、半波整流回路を三角波発生回路に置き換えれば、正弦波の代わりに三角波で補償電圧を構成することができる。
【0217】
(実施形態19)
図42は本発明の第19の実施形態に係る液晶表示装置の駆動方法における駆動波形を示しているる。本実施形態では、第15の実施形態の方法をさらに改良し、データ信号波形が負から正へ、又は正から負へと切り替わる場合、波形の立ち上がり又は立ち下がり部分の傾きを少しなだらかにして、信号電極側の駆動波形の周波数成分をさらに低下させている。
【0218】
本実施形態でも、補償パルスが重畳されたデータ信号波形401の立ち上がり又は立ち下がりにおいて、波形の傾斜のため実効値が低くなっており、また若干の波形歪も発生するので、画素印加電圧の実効値が失われたりするが、信号波形401に電圧V2又はV4より絶対値が大きい部分が存在するので、この部分が実効値電圧の低下を補償する。その結果、最終的に画素に印加される実効値電圧は駆動電圧の切り替わりのない部分と等しい値に補正される。
【0219】
本実施形態ではデータ信号波形の立ち上がり又は立ち下がり部分の傾きが第15の実施形態に比べてなだらかであるので、補償パルスだけでなくデータ信号電圧の本体部分も液晶パネルの中で歪んだり減衰したりしにくい。従って、パネルの大型化、又は高速化のための狭ギャップ化によってパネルのCR時定数が大きくなった場合もパネル内の各画素に供給される電圧にむらがなく、より均一な表示を行うことができる。例えば、本実施形態の駆動波形を用いて画面対角のサイズが35cmを越える14型程度またはそれ以上の大きさの液晶表示装置を駆動したとき、走査側・信号側ともに片側から給電した場合でも十分に均一性の良好な表示を行うことができた。
【0220】
なお、補償パルスの電圧Vc及び幅tcは、信号波形の切り替わり部分の傾きに応じて既述の実施形態で示した範囲より大きくする必要がある。
(実施形態20)
次に、本発明の第20の実施形態に係る液晶表示装置の駆動方法を説明する。図27は、本実施形態における液晶表示装置の構成を示すブロック図である。図において、301は液晶パネルであり、マトリックスを形成した複数の走査電極302(X1,X2,X3,………,Xn)と、複数の信号電極303(Y1,Y2,Y3,………,Yn)と、この間に挟持された液晶層(図示せず)により構成されている。また、305は走査側の駆動回路、306は信号側の駆動回路で、それぞれ走査電極302と信号電極303に接続されている。307は走査側の駆動回路と信号側の駆動回路を制御するための制御回路である。
【0221】
走査側駆動回路305には制御回路307から、水平同期信号LP、走査開始信号FRM、および交流化信号(極性信号)Mが入力されている。信号側の駆動回路306には、表示データ、データシフトクロックCLK、データラッチパルス(水平同期信号と同じ)LP、および交流化信号Mが入力されている。上記の実施形態で説明したように、信号側駆動回路からは補償パルスがデータ信号電圧に重畳されてクロストーク補償を行うが、CL信号はこの補償パルスの幅や高さを制御するための制御パルス(補償パルス制御信号)である。
【0222】
308は液晶パネルを駆動するための所定の電圧を発生する駆動用電源回路である。ここで発生された電圧のうち、正負の走査電圧V+,V−、および非選択電位VMは走査側の駆動回路305に供給される。また、表示データのオン・オフに対応したデータ信号電圧VHとVL、および、補償電圧であるVHCとVLCは信号側の駆動回路305に供給される。
【0223】
図28は、前記制御回路のうち補償パルス制御信号を発生する部分を示すブロック図である。ここで、311と312はそれぞれ外部クロックOSCをカウントするカウント回路である。313はJKフリップフロップ(以下JKFFと呼ぶ)であり、そのセット入力にはカウント回路311の出力が、リセット入力にはカウント回路312の出力がそれぞれ接続されている。また、JKFFのクリア端子にはラッチパルスLPが、クロック端子には外部クロックOSCがそれぞれ接続されている。
【0224】
カウント回路311には、ラッチパルスLPの立ち上がり又は立ち下がりから補償パルス制御信号がハイレベルになるまでの時間をカウントするCLS設定端子が、カウント回路312には補償パルス制御信号のパルス幅を決定するCLW設定端子が接続されている。また、カウント回路311およびカウント回路312のクロック端子には外部クロックOSCが、リセット入力にはラッチパルスLPがそれぞれ接続されている。
【0225】
次に、図29を用いて図28にブロック図を示した回路の動作を説明する。図29は本実施形態の補償パルス制御信号のタイミングチャートを示したものである。
【0226】
ここでラッチパルスLPは1つの水平走査期間ごとに発生されるパルスであり、例えば1/300デューティーのSTN型液晶表示装置では1画面あたり300本のラッチパルスが発生される。OSCは外部から入力されるクロックであり、例えば数MHz程度の発振子から構成される。CLは図27の制御回路307から出力される補償パルス制御信号である。SEG波形は信号側駆動回路から液晶パネルに供給される電圧(データ信号電圧)であり、COM波形は走査側駆動回路から液晶パネルに供給される電圧(走査電圧)である。液晶パネルの各画素は信号電極と走査電極の交点で形成されているので、SEG波形とCOM波形の差に相当する電圧が画素に印加される電圧となる。
【0227】
ラッチパルスLPの立ち下がり(あるいは立ち上がり)に同期して、カウント回路311は外部クロックOSCのカウントを開始する。外部クロックが順次カウントされ、このカウント値がCLS設定端子によりセットされた値に達した時、JKFF313にセット入力信号が入り、補償パルス制御信号がハイレベルになる。これと同時に、カウント回路312が外部クロックOSCのカウントを開始する。カウント回路312のカウント値がCLW設定端子によりセットされた値に達した時、JKFF313にリセット入力信号が入り、補償パルス制御信号がローレベルになる。この結果、JKFF313の出力はCLS設定端子とCLWによって設定された期間のみ補償パルス制御信号CLがハイレベルとなる。
【0228】
信号側駆動回路306は、例えば前記の実施形態で説明した論理表により、連続する2水平走査期間の表示データが所定の条件となる場合に、補償パルス制御信号CLがハイレベルの期間のみ補償パルスを出力する。図29においては、CLがハイレベルにある期間のみSEG波形がVHCまたはVLCとなっている。
【0229】
このように本実施形態の駆動方法では、外部から供給されるクロック、このクロックをカウントする2つのカウント回路、この2つのカウント回路からの信号を入力信号とするJKFFを用いることにより、液晶パネルに印加する補償パルスの出現位置とパルス幅を可変なものにする補償パルス制御信号を容易に作成することができる。これにより、静電容量や電極抵抗などの材料特性、あるいは駆動デューティーなどが異なる液晶パネルに対しても、補償パルスの実効値を容易に最適設定することができ、効果的にクロストークが解消され、あるいは低減される。
【0230】
また、カウントのためのクロックとして外部で設定されたクロックを用いることにより、データシフトクロックCLKをカウントのために用いる場合と比較して、VGAチップの違いや、液晶パネルを駆動するフレーム周波数の設定値などの条件変化により補償特性が影響されることがなくなり、液晶パネルを接続する機器の条件によらず最適なクロストーク補償が常に行えるという利点もある。
【0231】
なお、補償パルス制御信号を発生する回路には、2つのカウント回路とJKFFを用いた例を示したが、補償パルス制御信号の発生回路はこれだけにはよらず、外部供給されたクロックにより補償パルス制御信号CLの発生位置と幅を可変できる回路であれば、同様の効果が得られることは言うまでもない。また、補償パルスの発生位置と幅のいずれか一方が可変であれば、多くの場合に上記に説明した効果を得ることができ、特にパルス幅が可変であれば、ほとんどの液晶表示装置で上記に説明した効果を得ることができる。
【0232】
本実施形態ではデータ信号の極性が反転した場合に実効値を増加させる矩形波の補償パルスを重畳する場合について説明を行ったが、上記のすべての実施形態の駆動方法に対して本実施形態の方法は適用できる。例えば、補償パルスを正弦波状とした駆動方法や、データ信号の極性反転がない場合に実効値を減少させる補償パルスを重畳する駆動方法に対して本実施形態の方法を適用しても同様の効果を得ることができる。
【0233】
(実施形態21)
図30は、本発明の第21の実施形態になる液晶表示装置における駆動用電源回路の内部構成を示す回路図である。ここで、R1,R2は液晶駆動用のバイアス回路を構成するバイアス抵抗であり、この抵抗の比が液晶駆動電圧のバイアス比(走査電圧と信号電圧の比)を決めている。また、RHとRLはそれぞれ、信号電圧に重畳する補償電圧VHCとVLCを作り出す可変抵抗であり、バイアス抵抗に直列に接続されている。
【0234】
ここで、液晶駆動電圧の発生方法について簡単に説明する。例えば、電源として20〜30ボルト程度の電圧を電源入力端子321に加え、抵抗R1,RH,R2,RLによりこれを分圧する。RHとR2の間の電位からは、走査電圧と信号電圧の非選択レベルVMがバッファ322を介して得られる。R2とRLの間の電位からは信号電圧のマイナス側のレベルVLがバッファ323を介して得られる。オペアンプ回路324により、VL電圧はVM電圧を基準として反転され、もう一方の信号電圧VHが得られる。補償電圧VHCの電位は抵抗RHの上側の電位、補償電圧VLCの電位は抵抗RLの下側の電位から、それぞれバッファ325,326を介して出力される。
【0235】
ここで、RHおよびRLを可変抵抗としたことの効果により、2つの補償電圧レベルを独立して変化させることができるので、良好な表示が行える。即ち、この抵抗値を調整すれば、補償パルスの高さを変えてクロストークが最小となるようにしたり、正負の補償量のバランスを調整して直流成分を除去してフリッカを解消したりすることができる。なお、RHとRLのいずれか一方が可変であれば、フリッカをほぼ完全に除去することができ、完全ではないがクロストーク調整も行える。
【0236】
また、RHおよびRLは前記バイアス回路と直列に接続されているので、例えば、パーソナルコンピュータなどの機器に接続して液晶表示装置を使用するときにコントラスト調整のために電源電圧を調整して液晶駆動電圧が変化した場合にも、これに連動して補償電圧のレベルも変化するのでクロストーク補償を効果的に行うことができる。また、液晶表示装置機器の製造時や機器との接続時に表示特性の調整のためにR1を取り替えてバイアス比を変更した場合でも、補償電圧のレベルはVHやVLを基準として変化するので、良好なクロストーク補償条件が保たれる。
【0237】
以上述べたように、本実施形態によれば、クロストーク補償電圧を、走査電圧レベルと信号電圧レベルの抵抗分割によって作製し、2つの補償抵抗のうち少なくとも一方を可変抵抗とすることにより、最適なクロストーク補償が可能になる。
【0238】
また、本実施形態の駆動回路を用いれば、補償電圧のレベルが液晶駆動電圧やバイアス比の変化に連動するので、駆動条件の変化に関わらず常に最適な補償条件を得ることができる。
【0239】
本実施形態ではデータ信号の極性が反転した場合に実効値を増加させる補償パルスを重畳する場合について説明を行ったが、データ信号の極性反転がない場合に実効値を減少させる補償パルスを重畳する駆動方法に対して本実施形態の方法を適用しても同様の効果を得ることができる。
【0240】
(実施形態22)
図31は、本発明の第22の実施形態になる液晶表示装置における駆動用電源回路の内部構成を示す回路図である。
【0241】
本実施形態の駆動回路は、補償電圧レベルを決定するための可変抵抗がRHL1つである点が第21の実施形態と異なっている。RHLは、第21の実施形態と同様、バイアス回路に直列接続されている。
【0242】
この回路における液晶駆動電圧の発生方法について簡単に説明する。例えば、電源として20〜30ボルトの電圧を電源入力端子331に加え、抵抗R1,R2,RHLによりこれを分圧する。R1とR2の間の電位からは、走査電圧と信号電圧の非選択レベルVMがバッファ332を介して得られる。この電位からR2によって電圧降下した電位からは、信号電圧のマイナス側のレベルVLがバッファ333を介して得られる。RHLによってさらに電圧降下した電位からはマイナス側の補償電圧レベルVLCがバッファ334を介して得られる。
【0243】
残りの2つの電圧レベルはオペアンプ回路によって作成される。即ち、オペアンプ回路335により、VL電圧はVM電圧を基準として反転され、もう一方の信号電圧VHが得られる。同様に、オペアンプ回路336により、VLC電圧はVM電圧を基準として反転され、プラス側の補償電圧VHCが得られる。
【0244】
ここで、RHLを可変抵抗としたことの効果により、2つの補償電圧レベルVHCとVLCを変化させることができ、良好な表示が行える。即ち、この抵抗値を調整すれば、補償パルスの高さを変えてクロストークが最小となるようにすることができる。
【0245】
本実施形態の場合には、2つの補償電圧レベルVHCとVLCは連動して変化する。このため、正負の補償量のバランスが調整済である場合には、補償パルスの高さを調整するためにRHLを変えた場合にも正負の補償量のバランスが崩れないという利点がある。正負の補償量のバランスは、オペアンプ回路336の抵抗値をあらかじめ調整しておけば所望のものにすることができる。
【0246】
また、RHLがバイアス回路と直列に接続されているので、電源電圧を調整したり、バイアス比を変更した場合にも、良好なクロストーク補償条件が保たれることは第21の実施形態と同様である。
【0247】
以上述べたように、本実施形態によれば、クロストーク補償電圧を、走査電圧レベルと信号電圧レベルから1つの分割抵抗によって作製し、この分割抵抗を可変抵抗とすることにより、最適なクロストーク補償が可能になる。
【0248】
また、本実施形態の駆動回路を用いれば、補償電圧のレベルが液晶駆動電圧やバイアス比の変化に連動するので、駆動条件の変化に関わらず常に最適な補償条件を得ることができる。
【0249】
本実施形態ではデータ信号の極性が反転した場合に実効値を増加させる補償パルスを重畳する場合について説明を行ったが、データ信号の極性反転がない場合に実効値を減少させる補償パルスを重畳する駆動方法に対して本実施形態の方法を適用しても同様の効果を得ることができる。
【0250】
(実施形態23)
次に、本発明の第23の実施形態について図面を参照しながら説明する。本実施形態は、第20の実施形態で説明した方法において、補償パルス制御信号にオフセットを加算することにより、液晶パネル内の位置に対応して補償パルス幅を変化させて、より均一な表示を行うようにしたものである。
【0251】
図32は、本実施形態の補償パルス制御信号の発生部分を示すブロック図である。これは、第20の実施形態で説明した制御回路(図27の307)の中にある、補償パルス制御信号の発生部分に対応する。図において、図28と同じ構成要素には同じ番号を付けて説明を省略する。
【0252】
本実施形態においてもCLSカウント回路311、CLWカウント回路312、およびJKFF313の動作は第20の実施形態と同様である。本実施形態ではJKFF313の出力信号(第20の実施形態における補償パルス制御信号)は、オフセット加算回路342に送出される。
【0253】
一方、CLKカウント回路341は、ラッチパルスの立ち下がり(または立ち上がり)からデータシフトクロックの数をカウントする。CLKカウント回路からは、このカウント数に応じた信号が出力されており、オフセット加算回路のもう一方の入力となっている。
【0254】
オフセット加算回路342は、これら2つの信号により補償パルス制御信号の幅を変化させる。図33は信号側駆動回路の各部における補償パルス制御信号の波形を示したものであり、オフセット加算回路の効果により、走査側駆動回路から見た給電端(a)、中央部(b)、終端部(c)の順に徐々にパルスの幅が広くなっている。これに対応して、信号側駆動回路から出力される補償パルスの幅も、走査側駆動回路の給電部から終端部に向けて徐々に広くなる。
【0255】
尚、オフセット加算回路の入力を反転させて減算を行うことにより、走査側駆動回路の給電部から終端部に向かって徐々に補償パルスを狭くすることができる。
【0256】
上記の説明では、オフセット加算回路を制御回路の中に入れるものとしたが、以下に説明するように、これを信号側駆動回路に入れる方が簡便に上記のパルス幅制御を行うことができる。実際のオフセット加算回路は、例えば遅延回路のようなもので形成され、図34に示すように信号側駆動回路306の中に挿入され、それぞれの信号電極に印加される補償パルスの幅を変化させる。例えば、信号側駆動回路に配置された駆動ICごとに補償パルス制御信号の幅を変えれば、簡便に補償パルス幅を変化させることができる。図では、給電端と中央部の間、および中央部と終端部の間の2カ所にオフセット加算回路が挿入された例を示している。
【0257】
データ信号に重畳される補償パルスの幅を、走査側駆動回路の給電端からの位置に応じて変化させることの効果は、以下に示すようなものである。即ち、液晶パネルにおいては、走査電極の抵抗と画素の静電容量により形成されるCR回路のため、走査電圧はその給電端から終端部に向かって減衰する。各画素への印加電圧は、走査電極の電位と信号電極の電位の差であるので、データ電圧の歪やデータ電圧に重畳した補償パルスが等しい場合でも、走査電極上の位置によってクロストーク量は異なったものになる。図35に示すように、液晶パネル343のある領域に1ドットごとに白黒が反転する市松パターンを表示し、(a),(b),(c)から供給する補償パルスの幅を徐々に増加してクロストークが解消する(クロストークが生じる部位の輝度が背景部と等しくなる)ための補償パルスの幅を求める実験を行った。その結果、ちょうどクロストークが解消される補償パルスの幅は走査電圧の給電端から離れるにしたがって、(a),(b),(c)の順に小さくなった。図36は、補償電圧の実効値を縦軸にとってこの結果をまとめたものである。補償パルスの幅を一定にした場合には上記の理由により全画面にわたって良好なクロストーク補償を行うことが困難であるが、本実施形態の駆動方法では、走査側駆動回路の給電端から離れるにしたがって補償パルスの幅を狭めているので、各部分において最適なクロストーク補償ができ、全画面にわたって良好なクロストーク補償を行うことができて、表示の均一性が向上する。
【0258】
以上の説明では、補償パルスの幅を変化させることにより走査側駆動回路からの距離による補償特性差を解消したが、これは補償パルスの高さを変化させても同様の効果を得ることができる。補償パルスの高さを変化させるには、例えば、オフセット加算回路の代わりに電圧レベルシフト回路を用い、そのシフト量をCLKカウント回路の出力で制御すればよい。
【0259】
なお、第14の実施形態や、第15の実施形態で説明した正弦波を用いる駆動方法は、信号電極に沿った縦方向の均一性を改善するものであったが、本実施形態は走査電極に沿った横方向の均一性を改善するものである。したがって、この両者を併用すれば、さらに均一性を改善することができる。
【0260】
本実施形態ではデータ信号の極性が反転した場合に実効値を増加させる矩形波の補償パルスを重畳する場合について説明を行ったが、上記のすべての実施形態の駆動方法に対して本実施形態の方法は適用できる。例えば、補償パルスを正弦波状とした駆動方法や、データ信号の極性反転がない場合に実効値を減少させる補償パルスを重畳する駆動方法に対して本実施形態の方法を適用しても同様の効果を得ることができる。
【0261】
(実施形態24)
次に、本発明の第24の実施形態について図面を参照しながら説明する。本実施形態の駆動回路は、第20の実施形態の駆動方法において、隣接する2本の走査線上のオン・オフ画素の数により補償パルスの幅を変えることにより、表示パターンに応じた補償を行って表示の均一性を改善するものである。
【0262】
図37は、本実施形態の補償パルス制御信号の発生部分を示すブロック図である。これは、第20の実施形態で説明した制御回路(図27の307)の中の補償パルス制御信号の発生部分に対応する。図において、図28や図32と同じ構成要素には同じ番号を付けて説明を省略する。
【0263】
本実施形態においてもCLSカウント回路311、CLWカウント回路312、およびJKFF313の動作は第20の実施形態と同様である。JKFF313の出力信号(第20の実施形態における補償パルス制御信号)は、オフセット加算回路に送出される。
【0264】
図において、351はデコーダ回路であり、例えば、データシフトクロックにより8ビットでパラレルに送られてくるデータをデコードし、そのデータ信号におけるオフ画素(又はオン画素)の数を出力する。352はアキュムレータ回路であり、デコーダ回路より出力されたオフ画素(又はオン画素)の数を、ラッチパルスLPによりクリアされるまで累積加算し、ある走査線上のオフ画素(又はオン画素)の数を算出する。
【0265】
353と354はレジスタであり、アキュムレータ352の出力が1段目のレジスタ353の入力信号になり、1段目のレジスタ353の出力が2段目のレジスタ354の入力信号となっている。ラッチパルスLPにより各データは次のレジスタに向かって送出される。この結果、1段目のレジスタにはある走査線(n本目の走査線)上のオフ画素(又はオン画素)の数が、2段目のレジスタには1つ前に走査された走査線(n−1本目の走査線)上のオフ画素(又はオン画素)の数が格納される。この2つのレジスタに格納されているデータから、減算回路355により隣接2走査線上のオフ画素数(又はオン画素数)の差が演算され、オフセット加算回路342に向けて出力される。オフセット加算回路では、このオン画素数の差により補償パルス制御信号の幅を変化させ、これに応じて信号電圧に重畳される補償パルスの幅が変化する。
【0266】
本実施形態においても、第23の実施形態と同様に、オフセット加算回路を信号側駆動回路の中に配置すれば、簡便な構成で以下の効果を得ることができる。以下、補償パルスの幅を表示に応じて変化させることの効果を説明する。図38は、これを説明するためのものである。図の右側には、液晶パネル366を示している。361〜363は走査電極、364,365は信号電極である。これらの交点に画素が形成されているが、白丸はオン表示画素を、黒丸はオフ表示画素を示している。走査電極、信号電極と画素の表示状態は必要な部分のみが表示されている。
【0267】
図の左側には、正の走査信号371,372により走査電極361,362が選択される時の駆動波形を示している。373はこの間で非選択状態にある走査電極363の波形である。374は表示データがオンからオフに変化する信号電極364に対する信号波形,375は表示データがオフからオンに変化する信号電極365に対する信号波形である。
【0268】
単純マトリクス型の液晶表示装置では、信号電極のデータ信号レベルが切り替わると、画素の静電容量によるカップリングのため、走査電極に微分波形状の電圧歪が生じる。信号波形374は上向きの、信号波形375は下向きの電圧歪を生じさせる。図のような表示パターンの場合には、表示データがオフからオンに変化する信号電極の方が数が多いので下向きの歪の影響が大きく、走査電極363の電圧には下向きの電圧歪376が現れる。逆に、表示データがオンからオフに変化する信号電極の方が数が多い場合には、上向きの歪の影響が大きくなって走査電極の電圧には上向きの電圧歪が現れる。走査電極363上にある画素の表示状態(オン・オフ)は、いずれであってもこの電圧歪の発生には直接の関係はない。また、表示データのオン・オフが変化しない信号電極は信号波形が切り替わらないので、この電圧歪には関係がない。
【0269】
液晶表示装置の画素電圧は走査電極と信号電極の電位の差であるので、この電圧歪は主に非選択期間の実効値成分を通じて画素電圧実効値に影響する。この走査線上の電圧歪は、走査線側の駆動回路からの充電電流によって解消されるが、走査電極の抵抗と画素静電容量によって形成されるCR回路の時定数が走査側駆動回路からの距離によって異なるため、走査電極の給電端ではこの歪が小さく、終端側では大きくなる。
【0270】
図39は、液晶パネル343のある領域に、1ラインごとに白黒が反転している横ストライプパターンを表示したものを示している。図35に示した市松パターンでは隣接する2つの走査線上のオン画素の数には差がないが、図39の横ストライプパターンでは隣接2走査線間でのオン・オフ画素数の差が大きい。従って、横ストライプパターンを表示した場合には、上記のメカニズムによりクロストークの発生状態が異なったものになる。第23の実施形態と同様の手法で、クロストークが解消される補償パルスの幅を求める実験を行ったところ、第23の実施形態とは逆にちょうどクロストークが解消される補償パルスの幅は走査電圧の給電端から離れるにしたがって、(a),(b),(c)の順に大きくなった。図40は、補償電圧の実効値を縦軸にとってこの結果をまとめたものである。図39のパターン表示領域の幅によって走査電極上の電圧歪が変わるので、図40のグラフの傾斜も変わる。パターン幅が広い場合にはさらに傾斜が急になり左右の特性差が拡大する。
【0271】
本実施形態の液晶表示装置では、隣接する2走査線上のオン画素数の差に応じて、液晶表示装置の左右で補償パルス幅を変えている。従って、上記のように表示パターンの変化に伴ってクロストーク量、およびクロストーク量の位置による分布が変わっても、それに対応して補償パルスの幅を変化させることができる。これにより、表示パターンによらず面内で均一なクロストーク補償ができるようになる。
【0272】
なお、図37の回路ではオフセット加算回路342の入力として、減算回路355からの出力のほかに、第23の実施形態で説明したCLKカウント回路341からの出力を用いている。後者を併用しなくても本実施形態の効果は発揮されるが、このように2つの出力によってオフセット加算回路342の動作を制御すれば、各走査線間でオン画素数に差がない場合には第23の実施形態で述べた効果により表示が均一化され、各走査線間でオン画素数に差がある場合には本実施形態の効果がそれに付加される。この結果、非常に均一性が良好な表示を行うことができる。
【0273】
以上の説明では、補償パルスの幅を変化させることにより表示パターンの違いによる補償特性差を解消したが、これは補償パルスの高さを変化させても同様の効果を得ることができる。また、補償パルスの幅と高さの双方を変化させ、一方を本実施形態の方法に基づいて、他方を第23の実施形態の方法に基づいて制御してもよい。
【0274】
なお、本実施形態ではデータ信号の極性が反転した場合に実効値を増加させる矩形波の補償パルスを重畳する場合について説明を行ったが、上記のすべての実施形態の駆動方法に対して本実施形態の方法は適用できる。例えば、補償パルスを正弦波状とした駆動方法や、データ信号の極性反転がない場合に実効値を減少させる補償パルスを重畳する駆動方法に対して本実施形態の方法を適用しても同様の効果を得ることができる。
【0275】
(実施形態25)
図41は、本発明の第25の実施形態の駆動方法を説明するための液晶表示装置のブロック図である。ここで381は液晶パネルであり、画面中央で信号電極が上下に分割された2画面構成をとっている。液晶パネルの左側には走査側駆動回路382が接続されており走査パルスを発生している。液晶パネルの上下には、上画面信号側駆動回路383と下画面信号側駆動回路384がそれぞれ接続されている。
【0276】
本実施形態においては、2つの信号側駆動回路に対して、上画面信号側駆動回路383には上画面用の補償パルス制御信号発生回路385が、下画面信号側駆動回路364には下画面用の補償パルス制御信号発生回路386が接続されている。それぞれの補償パルス発生回路は、補償パルス(または補償パルス制御信号)を発生し、上画面と下画面を独立にクロストーク補償する。補償パルス(または補償パルス制御信号)を発生する方法については、第20から第24の実施形態で示したものと同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0277】
STN型液晶表示装置では、デューティー比を下げて良好なコントラスト特性を得るために上下2画面駆動を行う場合が多い。クロストークは前述したように信号波形のなまりや走査電極上の電圧歪が主な要因となっている。このなまりや歪は表示パターンによって変化するので、2画面駆動型液晶パネルの上半面と下半面とで表示パターンが異なる場合はクロストークの量も両者で異なり、補償すべき電圧量も上下画面で異なったものになる。このように上下画面で表示パターンが大きく異なる場合に上下画面で同一の補償を行うと、上下画面のクロストークが完全に補償できないだけでなく、上下画面でクロストークが補償された部分の輝度に差が生じてしまう。このため、画面中央部に実際の表示パターンにはない明確な境界線が現れ、ディスプレイを見たときの印象が大幅に悪化する。
【0278】
図41の構成は、上画面と下画面のそれぞれに対応した補償パルス制御信号発生回路を設け、それぞれの回路が独立して補償パルスCLを送出している。この補償パルスは、上画面の補償パルス発生回路385は上画面の表示に応じた補償を行い、下画面の補償パルス発生回路386は下画面の表示に応じた補償を行っている。従って、上下画面で表示パターンが大きく異なる場合でも、それぞれの画面に対して最適なクロストーク補償を行うことができるので、あらゆる表示パターンに対してクロストークのない良好な表示を行うことができる。さらに、上下画面の輝度差によりこの境界線が認識されることがなくなり、実際に表示を見た場合の印象が大きく向上する。
【0279】
以上述べたように、画面を上下2分割して駆動するSTN型液晶表示装置において、補償パルスを上下画面で独立して制御し印加する構成をとることにより、表示パターンによらず両画面ともに良好なクロストーク補償を行って、良好な表示特性を得ることができる。
【0280】
なお、本実施形態ではデータ信号の極性が反転した場合に実効値を増加させる矩形波の補償パルスを重畳する場合について説明を行ったが、上記のすべての実施形態の駆動方法に対して本実施形態の方法は適用できる。例えば、補償パルスを正弦波状とした駆動方法や、データ信号の極性反転がない場合に実効値を減少させる補償パルスを重畳する駆動方法に対して本実施形態の方法を適用しても同様の効果を得ることができる。
【0281】
(実施形態26)
図43に、本発明の第26の実施形態の駆動方法による駆動波形を示す。この駆動方法では、水平走査期間thを半波長とする正弦波電圧によってデータ信号電圧を構成している。データ信号電圧が正の場合は正弦波の正の半サイクル部分が出力され、負の場合は正弦波の負の半サイクル部分が出力されている。図において、データ信号の極性が反転しないときの402の部分が、従来例や第10の実施形態におけるデータ信号の実効値を減少させる補償パルスに相当する。本実施形態の駆動方法の場合、データ信号の極性が反転する場合と反転しない場合とで同等の実効値電圧ロスが発生する。したがって、データ信号の波形切り替わりの有無にかかわらず液晶層にかかる実効値電圧は等しいものとなり、文字クロストーク解消し、または減少する。
【0282】
本実施形態の方法で使用される信号電圧波形は、波形切り替わり時の立ち上がり部及び立ち下がり部、そして補償パルスに相当する部分の傾斜がゆるやかであり、含まれる周波数成分が低く、液晶パネル中での歪や減衰が図11に示した波形に比べて少ない。このため、パネルの大型化、または高速化のための狭ギャップ化に伴ってパネルのCR時定数が大きくなった場合にも、パネル内の各画素に供給される電圧が均一になり、むらのない表示を行うことができる。例えば、本実施形態の駆動波形を用いて画面対角のサイズが35cmを越える14型程度あるいはそれ以上の大きさの液晶表示装置を駆動したとき、走査側・信号側ともに片側からの給電した場合でも、均一性の十分良好な表示を行うことができた。
【0283】
(実施形態27)
本発明の第27の実施形態として、図43の波形を発生するための駆動ICと駆動回路のブロック図を図44に示す。この図においても、図25等と同じ構成要素には同じ番号を付して説明を省略する。本実施形態における電圧レベル数は第18の実施形態と同様に3つである。本実施形態の図44が第18実施形態の図25と異なる点は、外部電源回路の相違、そしてラッチ2がない点である。図44の電源回路では、正弦波を発生する信号源と全波整流回路を用いることにより、直流電圧V2に正の全波電圧が重畳した電圧波形V1と、直流電圧V2に負の全波電圧が重畳した電圧波形V3とを得ている。この場合、一つ前の水平走査期間のデータに無関係に当該水平走査期間の信号電圧が定まるので、ラッチ2は不要である。図45に、これらの波形を示している。
【0284】
本実施形態では、走査線上の表示データDt、極性信号M、および補償パルス制御信号Pwから、表14に示す論理表に基づいて出力tが決定される。
【0285】
【表14】
Figure 0003557326
【0286】
補償パルス制御信号Pwをローレベルとすれば出力電圧がV2となるので、データ信号側の電圧を一定レベルにする場合にこれを用いることができる。例えば、帰線期間などに液晶層に印加される電圧をゼロにしたい場合には走査側の電圧をV2にして、データ信号側の電圧もV2にすべくPwをローレベルにすればよい。
【0287】
本実施形態の駆動ICも第18実施形態の駆動ICと同様にバスライン数が3本でよく、さらにラッチ2が不要であるので、チップ面積が小さく安価になる。このICをデータ信号側の駆動ICとして用い、走査側には通常の走査用ICを用いてSTN型の液晶表示装置を構成し、800×600ドットのカラー表示を行ったところ、クロストークがほとんどなく非常に良好な表示を行うことができた。尚、極性反転期間は1垂直走査期間に設定した。
【0288】
(実施形態28)
次に、本発明の第28の実施形態に係る駆動ICおよび駆動回路のブロック図を図46に示す。これは、図44に示した第27実施形態の構成において、V2をICに与えず、併せて補償パルス制御信号Pwをも省いたものである。この実施形態の基本動作は第27実施形態と同じであるが、出力が2値であることから出力tを決定する論理表は表15のようになる。
【0289】
【表15】
Figure 0003557326
【0290】
本実施形態の構成では、出力電圧は必ずV1かV3になり、スイッチ制御回路により信号電圧を一定値にすることはできない。しかしながら、補償パルス制御信号Pwが省略できるため制御信号線が1本少なく、バスライン数が2本でよく、1出力当たりのスイッチ数も2個でよいので、第27の実施形態の駆動ICに比べてさらに面積が小さく安価な駆動ICを得ることができる。なお、本実施形態においてデータ信号側の出力をV2にする必要があるときは、外部電源回路において正弦波の振幅をゼロにすればよい。
【0291】
このICをデータ信号側の駆動ICとして用い、走査側には通常の走査用ICを用いてSTN型の液晶表示装置を構成し、800×600ドットのカラー表示を行ったところ、クロストークがほとんどなく非常に良好な表示を行うことができた。尚、極性反転周期は1垂直走査期間に設定した。
【0292】
上記の各実施形態においては、走査電圧の極性反転を1フレーム周期ごとに行うものとした。これは、補償パルスを用いることにより文字クロストークがなくなり、または減少するので、文字クロストークを低減するために走査信号の反転周期を1フレームより短くする必要がなくなるからである。実際、このように極性反転周期を長くすることにより、縦ラインクロストークがほとんどなくなり、あらゆる表示パターンにおいて表示特性が大幅に改善された。極性反転を1フレームごとに行えば、もっと短い周期で極性反転を行う場合に比べて、極性反転に伴う走査電圧の波形歪が減少し、縦ラインクロストークが大幅に減少する。
【0293】
なお、極性反転周期を1フレームまで長くしなくても、即ち1フレーム当たりの極性反転回数を1回まで下げなくても、1フレーム当たり4回程度まで下げれば同様の効果が得られることが実験より分かっている。
【0294】
また、上記の各実施形態において説明した範囲に補償パルスの幅tc、および補償パルスの高さVcとtcの積を設定すれば、Vcが高くなりすぎて補償パルスのスイッチング時に大きな消費電力が発生することはほとんどないが、Vcがデータ信号のスイッチング幅(例えば図2におけるV2とV4の差)の1/4以上になる条件は、消費電力増加の面で好ましくない。このような場合には、パルス幅を若干増加させてVcの値を低くするのが望ましい。
【0295】
【発明の効果】
以上のように、本発明によればデータ信号の電圧レベルが変化する際に発生する波形歪を実効値を増加あるいは減少させて補償する補償パルスを信号電圧に重畳する駆動方法において、所定の期間ごとに2種類の補償パルスのうち片方のみを重畳するようにする、あるいは1水平走査期間内で異なったタイミングで2種類の補償パルスを重畳することにより、同時に必要な電圧レベル数を減らして、駆動ICの出力スイッチ数やバス配線の数を少なくして駆動ICの面積を減少させ、コンパクトで安価で良好な表示特性の液晶表示装置を得ることができる。
【0296】
また、本発明によれば補償電圧レベルに向かう信号電圧のスイッチング幅を小さくすると同時に、補償電圧に対応するIC出力抵抗やバス配線抵抗を大きくして、駆動ICの面積を減少させ、コンパクトで安価で良好な表示特性の液晶表示装置を得ることができる。
【0297】
また、本発明によれば補償パルスの幅を信号電極の時定数に対して所定の範囲に設定する、補償パルスを矩形波に比べて周波数成分の低い波形にする、信号電圧波形の切り替わり部をなだらかにする、あるいは信号波形として正弦波を用いることにより補償パルスや信号波形の液晶パネル内での減衰や歪を低減し、均一な表示特性を得ることができる。
【0298】
さらに本発明によれば、補償パルスの幅または高さを信号電極の液晶パネル内での位置や表示パターンに応じて変化させる、あるいは上下2画面駆動の液晶パネルにおいて上下独立に補償パルス量を制御することにより、液晶パネル内の画素の位置に対応させた補償を行って、均一な表示特性を得ることができる。
【0299】
また、本発明によれば、補償パルス制御信号を外部パルスをカウントして制御する、あるいは抵抗分割回路により補償電圧レベルを設定することにより、パネル特性に対応した補償量の調整を行うことができたり、補償量が駆動条件に連動して変化するようになるので、各種機器に液晶表示装置を接続した場合に容易に良好な表示が得られるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る液晶表示装置の駆動方法を示す電圧波形図
【図2】図1の方法における補償パルスの効果を説明するための電圧波形図
【図3】本発明の第2実施形態に係る液晶表示装置の駆動ICおよび駆動回路のブロック図
【図4】本発明の第3実施形態に係る液晶表示装置の駆動ICおよび駆動回路のブロック図
【図5】本発明の第4実施形態に係る液晶表示装置の駆動方法を示す電圧波形図
【図6】本発明の第5実施形態に係る液晶表示装置の駆動ICおよび駆動回路のブロック図
【図7】本発明の第6実施形態に係る液晶表示装置の駆動ICおよび駆動回路のブロック図
【図8】本発明の第8実施形態による液晶表示装置の駆動方法を示す電圧波形図
【図9】図8の方法における補償パルスの効果を説明するための電圧波形図
【図10】本発明の第9実施形態に係る液晶表示装置の駆動ICおよび駆動回路のブロック図
【図11】本発明の第10実施形態による液晶表示装置の駆動方法を示す電圧波形図
【図12】本発明の第11実施形態による液晶表示装置の駆動方法を示す電圧波形図
【図13】本発明の第14実施形態による液晶表示装置の駆動方法を示す電圧波形図
【図14】図13の方法における補償パルスの効果を説明するための電圧波形図
【図15】図13の方法における信号電圧と補償パルスの減衰を説明するための電圧波形図
【図16】本発明の第14実施形態に係る液晶表示装置の駆動ICおよび駆動回路のブロック図
【図17】本発明の第15実施形態による液晶表示装置の駆動方法を示す電圧波形図
【図18】本発明の第15実施形態による液晶表示装置の別の駆動方法を示す電圧波形図
【図19】本発明の第7実施形態による液晶表示装置の駆動方法を示す電圧波形図
【図20】本発明の第16実施形態による液晶表示装置の駆動方法を示す電圧波形図
【図21】本発明の第16実施形態による液晶表示装置の別の駆動方法を示す電圧波形図
【図22】本発明の第17実施形態に係る液晶表示装置の駆動ICおよび駆動回路のブロック図
【図23】図22の駆動回路の動作を説明するための電圧波形図
【図24】本発明の第17実施形態による液晶表示装置の駆動方法の変形例を示す電圧波形図
【図25】本発明の第18実施形態に係る液晶表示装置の駆動ICおよび駆動回路のブロック図
【図26】本発明の第18実施形態に係る液晶表示装置の別の駆動ICおよび駆動回路のブロック図
【図27】本発明の第20実施形態に係る液晶表示装置の駆動方法を説明するためのブロック図
【図28】図27の液晶表示装置における補償パルス制御信号発生回路のブロック図
【図29】図28の補償電圧パルス発生回路の動作を説明するための電圧波形図
【図30】本発明の第21実施形態に係る液晶表示装置の駆動用電源回路のブロック図
【図31】本発明の第22実施形態に係る液晶表示装置の駆動用電源回路のブロック図
【図32】本発明の第23実施形態に係る液晶表示装置の補償パルス制御信号発生回路のブロック図
【図33】図32の回路から発生する補償パルス制御信号を説明するための電圧波形図
【図34】図32の回路を用いた液晶表示装置の構成を示すブロック図
【図35】クロストーク発生パターンを示す模式図
【図36】クロストーク補償電圧と表示位置の関係を示す特性図
【図37】本発明の第24実施形態に係る液晶表示装置の補償パルス制御信号発生回路のブロック図
【図38】表示パターンに応じた電圧歪の発生を説明するための電圧波形図
【図39】クロストーク発生パターンを示す模式図
【図40】クロストーク補償電圧と表示位置の関係を示す特性図
【図41】本発明の第25実施形態に係る液晶表示装置のブロック図
【図42】本発明の第19実施形態による液晶表示装置の駆動方法を示す電圧波形図
【図43】本発明の第26実施形態による液晶表示装置の駆動方法を示す電圧波形図
【図44】本発明の第27実施形態に係る液晶表示装置の駆動ICおよび駆動回路のブロック図
【図45】図44の駆動回路の動作を説明するための電圧波形図
【図46】本発明の第28実施形態に係る液晶表示装置の駆動ICおよび駆動回路のブロック図
【図47】従来のSTN型液晶表示装置の駆動方法を示す電圧波形図
【図48】従来のクロストーク対策型駆動方法を示す電圧波形図
【図49】図48の波形を発生するための液晶表示装置の駆動回路のブロック図
【図50】図48の駆動方法の変形を示す電圧波形図
【符号の説明】
101 信号電圧
102 走査信号
103 極性信号
104 ラッチパルス
105,106,121,122,123,124,125,126,127,128,129,130,131,132,141,142,143,144,145,146,147,148,521 補償パルス
201,202,203,204,205 バス配線
206 スイッチ組
207 駆動IC
208 外部電源回路
311,312,341 カウント回路
313 JKフリップフロップ
342 オフセット加算回路
381 液晶パネル
383,384 信号側駆動回路
385,386 補償パルス制御信号発生回路
501 走査電圧
502 信号電圧

Claims (42)

  1. 複数の走査電極と複数の信号電極がマトリックス状に配置されてなる液晶表示装置の駆動方法であって、前記複数の走査電極に走査電圧を順次印加し、前記複数の信号電極に信号電圧を印加し、第1設定時間は、連続する2つの水平走査期間で前記信号電圧が負レベルから正レベルに変化する信号電極に供給される信号電圧のみに、そのレベル変化に伴う波形歪による実効値電圧の低下を補償する補償パルスを重畳し、第2設定時間は、連続する2つの水平走査期間で前記信号電圧が正レベルから負レベルに変化する信号電極に供給される信号電圧のみに、そのレベル変化に伴う波形歪による実効値電圧の低下を補償する補償パルスを重畳することを特徴とする液晶表示装置の駆動方法。
  2. 複数の走査電極と複数の信号電極がマトリックス状に配置されてなる液晶表示装置の駆動方法であって、前記複数の走査電極に走査電圧を順次印加し、前記複数の信号電極に信号電圧を印加し、第1設定時間は、連続する2つの水平走査期間で前記信号電圧が正レベルを維持する信号電極に供給される信号電圧のみに、信号電圧レベルが変化した場合に生ずる波形歪による実効値電圧の低下に相当する実効値電圧の低下を与える補償パルスを重畳し、第2設定時間は、連続する2つの水平走査期間で前記信号電圧が負レベルを維持する信号電極に供給される信号電圧のみに、信号電圧レベルが変化した場合に生ずる波形歪による実効値電圧の低下に相当する実効値電圧の低下を与える補償パルスを重畳することを特徴とする液晶表示装置の駆動方法。
  3. 前記第1設定時間と前記第2設定時間の長さが等しい請求項1または2記載の液晶表示装置の駆動方法。
  4. 前記第1設定時間と前記第2設定時間が極性信号に応じて設定される請求項1または2項記載の液晶表示装置の駆動方法。
  5. 前記補償パルスを重畳するか否かを、表示データのオン・オフを用いた論理条件により決める請求項4記載の液晶表示装置の駆動方法。
  6. 前記第1設定時間と前記第2設定時間が極性信号およびそれとは別の制御信号に応じて設定される請求項1または2記載の液晶表示装置の駆動方法。
  7. 前記補償パルスを重畳するか否かを、表示データのオン・オフを用いた論理条件により決める請求項6記載の液晶表示装置の駆動方法。
  8. 前記第1設定時間と前記第2設定時間が、極性信号とは独立に設定された制御信号に応じて設定される請求項1または2記載の液晶表示装置の駆動方法。
  9. 前記補償パルスのパルス幅が次式で示される液晶パネルの画素部分の時定数Binの1.5倍以上である請求項1または2に記載の液晶表示装置の駆動方法。
    Bin=(Rpix×n)×(Cpix×n)/2
    但し、Rpixは、液晶パネルの1画素当たりの信号電極の抵抗、Cpixは1画素あたりの静電容量、nは1本の信号線上の画素数である。
  10. 補償パルスの幅が前記液晶パネルの画素部分の時定数Binの4倍以上であることを特徴とする請求項9記載の液晶表示装置の駆動方法。
  11. 前記補償パルスが矩形波よりも周波数成分の低い波形を有する請求項1または2に記載の液晶表示装置の駆動方法。
  12. 前記補償パルスの形状が、正弦波、円弧状の波形、三角波のうちのいずれかである請求項11記載の液晶表示装置の駆動方法。
  13. 前記信号電圧の立ち上がり部と立ち下がり部とに傾斜を持たせる請求項1または2に記載の液晶表示装置の駆動方法。
  14. 前記補償パルスの重畳位置及びパルス幅の少なくとも一方が、クロックのカウント値に応じて設定された補償パルス制御信号により制御される請求項1または2に記載の液晶表示装置の駆動方法。
  15. 前記補償パルスの幅と高さの少なくとも一方が、走査側電極の給電側から終端側に向かって徐々に変化している請求項1または2に記載の液晶表示装置の駆動方法。
  16. データシフトクロックのカウント値により、前記補償パルスの幅または高さの変化量が制御される請求項15記載の液晶表示装置の駆動方法。
  17. 前記補償パルスの幅と高さの少なくとも一方が、前記2つの水平走査期間に対応する2つの走査電極上のオン画素数の差、またはオフ画素数の差によって制御される請求項1または2に記載の液晶表示装置の駆動方法。
  18. 前記補償パルスの幅と高さの少なくとも一方が走査側電極の給電側から終端側に向かって徐々に変化している請求項17記載の液晶表示装置の駆動方法。
  19. 現在の走査電極上と前段の走査電極上とのオン画素数の差、またはオフ画素の差がない場合に、前記補償パルスの幅と高さの少なくとも一方が走査側電極の給電側から終端側に向かって徐々に変化している請求項17記載の液晶表示装置の駆動方法。
  20. 前記補償パルスが前記液晶表示装置の上半面と下半面とで独立に制御される請求項1または2に記載の液晶表示装置の駆動方法。
  21. 前記走査電圧の極性反転周期をフレーム周期の1/4以上とする請求項1または2に記載の液晶表示装置の駆動方法。
  22. 複数の走査電極と複数の信号電極がマトリックス状に配置された液晶表示装置に対して、前記複数の走査電極に順次印加する走査電圧と、前記複数の信号電極に印加する信号電圧とを供給するための液晶表示装置の駆動ICにおいて、
    第1の水平走査期間における第1の信号データを保持する第1のラッチ回路と、第1の水平走査期間に隣接する第2の水平走査期間における第2の信号データを保持する第2のラッチ回路と、前記2つのラッチ回路の出力に基づいて、複数の入力電圧のうちの一つを選択して前記信号電圧として出力するスイッチ回路の組と、前記スイッチ回路の組に前記複数の入力電圧を供給する複数のバス配線とを備え、
    前記スイッチ回路は、第1設定時間には、前記2つのラッチ回路の出力が、前記第1及び第2の水平走査期間の間で前記信号電圧が負レベルから正レベルに変化することを示す信号電極に対してのみ、そのレベル変化に伴う波形歪による実効値電圧の低下を補償する補償パルスが重畳された前記入力電圧を選択し、第2設定時間には、前記2つのラッチ回路の出力が、前記第1及び第2の水平走査期間の間で前記信号電圧が正レベルから負レベルに変化することを示す信号電極に対してのみ、前記補償パルスが重畳された前記入力電圧を選択することを特徴とする液晶表示装置の駆動IC。
  23. 複数の走査電極と複数の信号電極がマトリックス状に配置された液晶表示装置に対して、前記複数の走査電極に順次印加する走査電圧と、前記複数の信号電極に印加する信号電圧とを供給するための液晶表示装置の駆動ICにおいて、
    第1の水平走査期間における第1の信号データを保持する第1のラッチ回路と、第1の水平走査期間に隣接する第2の水平走査期間における第2の信号データを保持する第2のラッチ回路と、前記2つのラッチ回路の出力に基づいて、複数の入力電圧のうちの一つを選択して前記信号電圧として出力するスイッチ回路の組と、前記スイッチ回路の組に前記複数の入力電圧を供給する複数のバス配線とを備え、
    前記スイッチ回路は、第1設定時間には、前記2つのラッチ回路の出力が、前記第1及び第2の水平走査期間の間で前記信号電圧が正レベルを維持することを示す信号電極に対してのみ、信号電圧レベルが変化した場合に生ずる波形歪による実効値電圧の低下に相当する実効値電圧の低下を与える補償パルスが重畳された前記入力電圧を選択し、第2設定時間には、前記2つのラッチ回路の出力が、前記第1及び第2の水平走査期間の間で前記信号電圧が負レベルを維持することを示す信号電極に対してのみ、前記補償パルスが重畳された前記入力電圧を選択することを特徴とする液晶表示装置の駆動IC
  24. 少なくとも1本のバス配線が複数の電圧レベルに共有されている請求項22または23記載の液晶表示装置の駆動IC
  25. 前記複数のバス配線のうちの1本が補償パルスの複数の電圧レベルに共有されている請求項24記載の液晶表示装置の駆動IC。
  26. 記バス配線上の電圧レベルのうち少なくとも1つを制御信号に応じて反転させる反転回路を備えた請求項22または23記載の液晶表示装置の駆動IC。
  27. 前記反転回路により反転される電圧レベルが補償パルスの電圧レベルである請求項26記載の液晶表示装置の駆動IC。
  28. 複数の電圧レベルに共有されたバス配線に接続されたスイッチ回路の出力抵抗が、他のスイッチ回路の出力抵抗よりも高い請求項24記載の液晶表示装置の駆動IC。
  29. 電圧レベルが反転されるバス配線に接続されたスイッチ回路の出力抵抗が、他のスイッチ回路の出力抵抗よりも高い請求項26記載の液晶表示装置の駆動IC。
  30. 前記スイッチ回路の出力抵抗が他のスイッチ回路の出力抵抗の2倍以上50倍以内である請求項28または29記載の液晶表示装置の駆動IC。
  31. 前記スイッチ回路の出力抵抗が他のスイッチ回路の出力抵抗の5倍以上20倍以内である請求項30記載の液晶表示装置の駆動IC。
  32. 前記スイッチ回路が2つの電圧および時間的にレベルが変化する補償電圧を含む3つの電圧のうち1つを選択して出力するように構成されている請求項22または23に記載の液晶表示装置の駆動IC。
  33. 前記スイッチ回路の組は、前記2つのラッチ回路の出力と補償パルス制御信号に基づいて、前記複数の入力電圧のうちの一つを選択して出力する請求項22または23に記載の液晶表示装置の駆動IC。
  34. 複数の走査電極と複数の信号電極がマトリックス状に配置された液晶表示装置に対して、前記複数の走査電極に順次印加する走査電圧と、前記複数の信号電極に印加する信号電圧とを供給するための液晶表示装置の駆動回路において、
    第1の水平走査期間における第1の信号データを保持する第1のラッチ回路、第1の水平走査期間に隣接する第2の水平走査期間における第2の信号データを保持する第2のラッチ回路、前記2つのラッチ回路の出力に基づいて複数の入力電圧のうちの一つを選択して前記信号電圧として出力するスイッチ回路の組、および前記スイッチ回路の組に前記複数の入力電圧を供給する複数のバス配線を有する駆動ICを用いた信号側駆動回路と、前記入力電圧を前記信号側駆動回路に供給する電源回路とを備え、
    前記スイッチ回路は、第1設定時間には、前記2つのラッチ回路の出力が、前記第1及び第2の水平走査期間の間で前記信号電圧が負レベルから正レベルに変化することを示す信号電極に対してのみ、前記信号電圧のレベル変化に伴う波形歪による実効値電圧の低下を補償する補償パルスが重畳された前記入力電圧を選択し、第2設定時間には、前記2つのラッチ回路の出力が、前記第1及び第2の水平走査期間の間で前記信号電圧が正レベルから負レベルに変化することを示す信号電極に対してのみ、前記補償パルスが重畳された前記入力電圧を選択し、
    前記第1及び第2設定時間と記補償パルスの電圧レベルが各々、所定の制御信号に応じて切り替えられることを特徴とする液晶表示装置の駆動回路。
  35. 複数の走査電極と複数の信号電極がマトリックス状に配置された液晶表示装置に対して、前記複数の走査電極に順次印加する走査電圧と、前記複数の信号電極に印加する信号電圧とを供給するための液晶表示装置の駆動回路において、
    第1の水平走査期間における第1の信号データを保持する第1のラッチ回路、第1の水平走査期間に隣接する第2の水平走査期間における第2の信号データを保持する第2のラッチ回路、前記2つのラッチ回路の出力に基づいて複数の入力電圧のうちの一つを選択して前記信号電圧として出力するスイッチ回路の組、および前記スイッチ回路の組に前記複数の入力電圧を供給する複数のバス配線を有する駆動ICを用いた信号側駆動回路と、前記入力電圧を前記信号側駆動回路に供給する電源回路とを備え、
    前記スイッチ回路は、第1設定時間には、前記2つのラッチ回路の出力が、前記第1及び第2の水平走査期間の間で前記信号電圧が正レベルを維持することを示す信号電極に対してのみ、前記信号電圧レベルが変化した場合に生ずる波形歪による実効値電圧の低下に相当する実効値電圧の低下を与える補償パルスが重畳された前記入力電圧を選択し、第2設定時間には、前記2つのラッチ回路の出力が、前記第1及び第2の水平走査期間の間で 前記信号電圧が負レベルを維持することを示す信号電極に対してのみ、前記補償パルスが重畳された前記入力電圧を選択し、
    前記第1及び第2設定時間と前記補償パルスの電圧レベルが各々、所定の制御信号に応じて切り替えられることを特徴とする液晶表示装置の駆動回路
  36. 前記制御信号が、前記走査電圧の極性を示す極性信号である請求項34または35記載の液晶表示装置の駆動回路。
  37. 前記電源回路は、信号電圧レベルおよび所定の波形の補償パルスの電圧レベルを発生し、前記駆動ICは、前記両電圧レベルが供給される入力端子を備えた請求項34または35に記載の液晶表示装置の駆動回路。
  38. 前記電源回路が半波整流回路および三角波発生回路の少なくとも一つを含んでいる請求項37記載の液晶表示装置の駆動回路。
  39. 前記電源回路は、走査電圧、信号電圧および補償パルスの電圧レベルを発生し、前記駆動ICは、前記電圧レベルの入力端子を備え、前記電源回路が、補償パルスの電圧レベルを作り出す抵抗分圧回路を含む請求項34または35に記載の液晶表示装置の駆動回路。
  40. 前記電源回路が、補償パルスの電圧レベルを反転する電圧反転回路をさらに含む請求項39記載の液晶表示装置の駆動回路。
  41. 前記補償パルスの電圧レベルが、液晶駆動電圧に連動して変化するように構成された請求項39または40記載の液晶表示装置の駆動回路。
  42. 前記信号電極が上下に分割されている液晶表示装置の駆動回路であって、液晶表示面の上半分用と下半分用とで独立に補償パルス制御回路を備えている請求項34または35に記載の液晶表示装置の駆動回路。
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