JPH10161615A - 液晶表示装置の駆動方法、駆動ic、および駆動回路 - Google Patents

液晶表示装置の駆動方法、駆動ic、および駆動回路

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JPH10161615A
JPH10161615A JP9087033A JP8703397A JPH10161615A JP H10161615 A JPH10161615 A JP H10161615A JP 9087033 A JP9087033 A JP 9087033A JP 8703397 A JP8703397 A JP 8703397A JP H10161615 A JPH10161615 A JP H10161615A
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克彦 熊川
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彩 河路
Masahito Matsunami
将仁 松浪
Toru Suyama
透 須山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 信号電圧に補償電圧パルスを重畳することに
よって液晶表示装置のクロストークを解消または低減す
る駆動方法を改善し、駆動ICや液晶パネル周辺部分の
面積の増加を抑えコンパクトで安価な液晶表示装置の実
現に寄与する、あるいは補償量のむらを抑えて表示の均
一化に寄与する。 【解決手段】 信号電圧101に、正負の補償パルス1
05,106を重畳する際に、設定時間に応じていずれ
か一方のみを重畳する。あるいは、1水平走査期間で異
なったタイミングで両者を重畳する。好ましくは、補償
パルスを周波数成分の低い波形で構成する。あるいは、
補償パルスの幅または高さを信号電極の位置、表示パタ
ーンまたは画面の上下に応じて変化させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示装置、特
にマトリクス状の画素構造を有する単純マトリクス型の
液晶表示装置の駆動方法、この駆動方法に用いられる駆
動IC、およびこの駆動ICを用いた駆動回路に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】液晶表示装置は近年その表示容量が飛躍
的に増大し、薄型軽量の特長によりパーソナルコンピュ
ータやワードプロセッサなどの表示用ディスプレイとし
て広く用いられている。なかでも、スーパーツイステッ
ドネマティック(STN)型の液晶表示装置は薄膜トラ
ンジスタ(TFT)型の液晶表示装置に比べて安価なこ
とから、低価格の製品に広く用いられている。
【0003】STN型液晶表示装置は、例えば特開昭6
0−107020号公報や特開平2−139519号公
報に開示されているように、液晶分子のねじれ角を二百
数十度程度に増加させることにより液晶表示装置の電気
−光学特性のしきい値特性を急峻にして表示容量を増大
させる。STN型液晶表示装置は、走査電極と信号電極
との重なり部分で画素が形成される単純マトリクス構造
で良好なコントラストを得ることができる。このためS
TN型液晶表示装置は、各画素にスイッチング素子を形
成したアクティブマトリクス構造をとるTFT型液晶表
示装置に比べて安価に作製することができる。
【0004】このSTN型液晶を含む単純マトリクス型
液晶表示装置の駆動方法として、一般にマルチプレック
ス駆動と呼ばれる方法が用いられる。単純マトリクス構
造では画素ごとのスイッチング素子がないので、各画素
の表示輝度は、その画素の走査電極が選択されていない
状態を含む実効値電圧によって定まる。このマルチプレ
ックス駆動方法では、オン画素相互、及び、オフ画素相
互の実効値電圧を等しくすることにより表示の均一性を
確保する。
【0005】図47を用いてこの駆動方法を説明する。
図中、503は液晶パネル、504〜507は走査電
極、508〜511は信号電極を示している。走査電圧
パルス(+Vs)501によって1本の走査電極が順次
選択され、その走査電極上にある画素の表示のオン・オ
フ状態に応じた信号電圧502がそれぞれの信号電極に
印加される。信号電圧は、表示オンの場合は−Vd、表
示オフの場合は+Vdである。液晶に交流電圧が印加さ
れるようにするために、所定の期間ごとにすべての電圧
の極性が反転される。
【0006】現実の液晶パネルでは、走査電極および信
号電極の電極抵抗、駆動ICの出力抵抗、そして液晶層
の容量等によって形成されるCR回路のために、液晶層
に印加される電圧波形にスイッチング歪が生じる。この
ため、各画素に印加される実効値電圧は理想値から外
れ、本来は一定であるべき画素の明るさが、他の部分の
表示パターンによって変化する現象が発生する。これ
が、いわゆるクロストークである。
【0007】クロストークにはいくつかの発生原因があ
るが、そのうち最も重要で根元的なものは、データ信号
のスイッチング歪に起因するものである。図47におい
て、走査電極は504〜507の4本だけが示されてい
るが、走査電極507の下側にさらに複数の走査電極が
設けられ、それらの画素はすべて表示オン(全面白表
示)であるとする。例えば信号電極509に印加される
信号電圧は、走査電極504〜507が走査される間
に、オフからオンへまたはオンからオフへ、3回スイッ
チングしているが、信号電極508に印加される信号電
圧は1回もスイッチングせずにオン信号が続いている。
このため、信号電極509上の画素は、信号電極508
上の画素に比べて、スイッチング歪の分だけ低い実効値
電圧が印加されることになる。その結果、信号電極50
9上の画素の白表示は信号電極508上の白表示より暗
くなり、全面白の表示部分に縦縞模様が現れる。このク
ロストークを文字クロストークと呼ぶ。
【0008】前述のように、液晶表示装置においては一
定の周期で走査電圧の極性を反転し、それに伴ってデー
タ側の信号電圧の極性も反転させて、液晶層に直流電圧
が印加されるのを防止している。特開昭60−1919
5号公報や、テレビジョン学会技術報告書IPD82−
4(1983年)には、文字クロストークを低減するた
めに、1フレームより短い複数の水平走査期間ごとに、
駆動電圧の極性反転を行って、ベタ表示部でのデータ信
号反転回数を増やす方法が開示されている。現在は、1
0〜30本程度の水平走査期間ごとに極性を反転させ、
200本から500本程度の走査線がある液晶表示装置
の場合には、1フレーム当たり10回から数十回程度極
性反転を行う場合が多い。
【0009】しかしながら、この方法は完全に文字クロ
ストークをなくすものではなく、また、極性反転に伴っ
て走査電極に電圧歪が生じるため、縦棒を表示した場合
に新たなクロストーク(縦ラインクロストーク)が発生
するという問題がある(例えば、第2回ファインプロセ
ステクノロジー・ジャパン’92セミナーテキストR1
7参照)。
【0010】上述の方法とは別の文字クロストーク低減
方法として、特開平4−360192号公報や特開平8
−292744号公報に開示されている方法がある。こ
の方法では、走査電圧の非選択レベルに対して信号電圧
のレベルが反転するときに、スイッチング歪を補償する
ように信号電圧の出力レベルをずらすことによってクロ
ストークを防止する。即ち、図48に示すように、信号
電圧の出力レベル反転時に信号電圧の出力レベルを一定
期間ずらした補償パルス521が印加され、これによっ
て波形歪による実効値電圧の低下を補償している。な
お、この図では、走査電圧の極性が反転する際に走査電
圧の非選択レベルをV1からV4にシフトさせているが、
これは走査側ICの出力電圧幅を低く抑えるためであ
る。
【0011】図48の波形を得るために、特開平4−3
60192号公報では、図49に示す駆動回路が用いら
れている。この駆動回路は補償電圧を印加するために4
つの電圧レベルVDD、V2、V3、V5を新たに発生す
る。LCD駆動電圧発生回路525が10レベルの電圧
VDD, VDD´, V1-V5, V2´, V3´, V5´を発生し、この
うち8つの電圧を信号側駆動回路523に供給してい
る。522は液晶表示パネル、524は走査側駆動回路
である。
【0012】なお、走査電圧の非選択レベルを一定値V
1とした場合は、信号電圧波形が図50に示すようにな
る。これは、図48の信号電圧波形の後半部を平行移動
したものである。走査側ICは正負の走査パルス(±V
s)を出力する必要があるが、図49のLCD駆動電圧
発生回路525で発生する電圧レベルのうち下側の半分
が不要となる。
【0013】一方、特開平8−292744号公報に開
示された駆動方法では図48又は図50の波形を得るた
めに、信号側駆動回路への供給電圧に補償パルスを重畳
している。この駆動方法は、信号電圧が反転しない場合
は信号側駆動ICの出力をハイインピーダンス状態にし
て補償パルスが信号電極に到達しないようにし、信号電
圧が反転する場合には信号側駆動ICを導通状態にして
補償パルスを信号電極に印加する。
【0014】特開平5−333315号公報に別の駆動
方法が記載されている。この駆動方法は、上記の特開平
4−360192号公報や特開平8−292744号公
報とは逆に、信号電圧のレベル反転がない場合に信号電
圧の実効値を減少させるパルス電圧を重畳して、レベル
反転がある場合と同等の波形歪を生じさせ、互いの実効
値電圧を等しくする。補償電圧レベルとして、走査電極
の非選択レベル、または信号電圧の逆側のレベル(オン
信号連続時にはオフレベル、オフ信号連続時にはオンレ
ベル)を用い、新たな電圧レベルを設けることなくクロ
ストーク補償を行う。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】上記のような信号電圧
に補償パルスを印加する駆動方法においては、以下のよ
うな問題が生じている。
【0016】まず、特開平4−360192号公報に示
された方法では、液晶駆動ICに供給する電圧レベル数
が増加するため、駆動IC内のバス配線やスイッチの
数、さらには外部電源回路と駆動ICとの接続線数が増
える。信号側駆動ICに供給される電圧レベル数は、補
償パルスを印加することにより、図48の波形を用いた
場合には4から8に、図50の波形を用いた場合には2
から4に増加する。このため駆動ICの面積や接続配線
部の面積が増加して、液晶パネル周辺部分の面積が大き
くなったり、ICがコスト高になったりするという点が
問題になっている。
【0017】次に、特開平8−292744号公報に示
された方法では、信号側駆動ICの出力をハイインピー
ダンス状態にしている間は、その出力に対応する信号電
極はフローティング状態にあり、信号電極の電荷が放電
されてしまう。このため、液晶表示装置のコントラスト
が低下したり、この放電現象による新たな表示むらが生
じるという点が問題になっている。
【0018】また、特開平5−333315号公報に開
示された方法では、補償電圧のレベルを他の電圧レベル
と共用しているので補償のための電圧スイッチング幅が
比較的大きい。この方法では、1水平走査期間に比較的
大きな電圧スイッチングが、信号電圧が反転する場合は
1回、信号電圧の反転がない場合には補償パルスの立ち
上がりと立ち下がりのため2回生じる。一方、クロスト
ーク補償を行わない駆動方法では、信号電圧が反転しな
い場合には電圧スイッチングはない。走査線数をnライ
ンとすると、1フレーム期間に比較的大きな信号電圧の
スイッチングが、特開平5−333315号公報に開示
された方法ではn〜2n回生じ、クロストーク補償を行
わない駆動方法の0〜n回に比べて大きく増加する。こ
のスイッチング回数増にともなって消費電力が増加する
という点が問題になっている。
【0019】さらに、いずれの方法においても補償波形
の周波数成分が高いため画面内での補償の均一性が良好
ではない点や、液晶パネルのサイズ、画素数や液晶材料
の物性定数などにより補償性能が変わってしまうという
点が問題になっている。
【0020】そこで、本発明は、上記のような従来の駆
動方法を改良することにより、クロストークを解消また
は低減し、液晶表示装置の表示品位を高めながらも、液
晶表示装置の周辺部分の面積の増加や駆動ICのコスト
の増加や消費電力の増加を抑え、コンパクトで安価で低
消費電力な液晶表示装置の実現に寄与することを目的と
する。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明による液晶表示装
置の第1の駆動方法は、複数の走査電極に走査電圧を順
次印加し、複数の信号電極に信号電圧を印加し、第1設
定時間は、連続する2つの水平走査期間で前記信号電圧
が負レベルから正レベルに変化する信号電極の信号電圧
に、そのレベル変化に伴う波形歪による実効値電圧の低
下を補償する補償パルスをに重畳し、第2設定時間は、
連続する2つの水平走査期間で前記信号電圧が正レベル
から負レベルに変化する信号電極の信号電圧に、そのレ
ベル変化に伴う波形歪による実効値電圧の低下を補償す
る補償パルスを重畳することを特徴とする。
【0022】本発明による第2の駆動方法は、複数の走
査電極に順次走査電圧を印加し、複数の信号電極に信号
電圧を印加し、第1設定時間は、連続する2つの水平走
査期間で前記信号電圧が正レベルを維持する信号電極の
信号電圧に、信号電圧レベルが変化した場合に生ずる波
形歪による実効値電圧の低下に相当する実効値電圧の低
下を与える補償パルスを重畳し、第2設定時間は、連続
する2つの水平走査期間で前記信号電圧が負レベルを維
持する信号電極の信号電圧に、信号電圧レベルが変化し
た場合に生ずる波形歪による実効値電圧の低下に相当す
る実効値電圧の低下を与える補償パルスを重畳すること
を特徴とする。
【0023】上記のような第1または第2の駆動方法に
よれば、補償パルスによって信号電圧の実効値変動が抑
えられるので、文字クロストークが解消または低減され
る。しかも、任意の時点において、信号電圧に補償パル
スが重畳される信号電極が上記のように限定されている
ので、限定しない場合に比べると、同時に必要な電圧レ
ベルの種類が減る。従って、駆動ICにおけるスイッチ
の数や配線の数が減り、駆動ICの面積が削減され、表
示部周辺部分がコンパクトになると共に駆動ICが安価
になる。さらに、印加される補償パルスレベルの切り替
え周波数が低くてすむため、消費電力の増加や電源ノイ
ズによる表示むらがほとんど生じない。
【0024】また、第1または第2の駆動方法におい
て、第1設定時間と第2設定時間の長さはほぼ等しく設
定することが好ましい。このようにすれば、補償パルス
の印加により液晶層に直流電圧が印加されて液晶特性が
劣化することを防止できる。
【0025】第1および第2設定時間を極性信号(極性
反転信号とも言う)に応じて設定することが好ましく、
こうすれば他に特別な制御信号を用いることなく第1お
よび第2の設定時間を切り替えることができる。この場
合、補償パルスを重畳するか否かを、表示データのオン
・オフを用いた論理条件により決めるようにすれば、補
償パルスを発生するための論理表や論理回路が簡略化さ
れる。
【0026】あるいは、第1設定時間と第2設定時間を
極性信号だけでなく、それとは別の制御信号をも用い
て、例えば両信号の論理積に応じて設定してもよい。例
えば、極性反転周期より長い周期の制御信号を併用し
て、極性信号と第1および第2設定時間との関係を周期
的に入れ替えることができる。この場合も、補償パルス
を重畳するか否かを、表示データのオン・オフを用いた
論理条件により決めることが好ましい。
【0027】さらに、第1設定時間と第2設定時間との
設定に極性信号を用いず、極性信号とは独立に設定され
た制御信号のみを用いてもよい。本発明による第3の駆
動方法は、複数の走査電極に走査電圧を順次印加し、複
数の信号電極に信号電圧を印加し、連続する2つの水平
走査期間で前記信号電圧のレベルが変化する信号電極の
信号電圧に、そのレベル変化に伴う波形歪による実効値
電圧の低下を補償する補償パルスを重畳し、この際、正
の補償パルスと負の補償パルスとで1水平走査期間での
重畳タイミングが重ならないようにすることを特徴とす
る。
【0028】本発明による第4の駆動方法は、複数の走
査電極に走査電圧を順次印加し、複数の信号電極に信号
電圧を印加し、連続する2つの水平走査期間で前記信号
電圧が変化せずに同一レベルを維持する信号電極の信号
電圧に、信号電圧レベルが変化した場合に生ずる波形歪
による実効値電圧の低下に相当する実効値電圧の低下を
与える補償パルスを重畳し、この際、正レベルを維持す
る信号電極に加えられる補償パルスと負レベルを維持す
る信号電極に加えられる補償パルスとで、1水平走査期
間での重畳タイミングが重ならないようにすることを特
徴とする。
【0029】上記のような第3または第4の駆動方法に
よれば、補償パルスによって信号電圧の実効値変動が抑
えられるので、文字クロストークが解消または低減され
る。しかも、任意の時点において、補償パルスが重畳さ
れる信号電極が上記のように限定されているので、必要
な電圧レベルの種類が少ない。その結果、駆動ICの面
積を削減でき、表示部周辺部分がコンパクトになると共
に駆動ICが安価になる。また、第1または第2の駆動
方法に比べて第3の駆動方法は正負の補償パルスが近接
して配置されるため、画素電圧における直流電圧や低周
波成分が少なくなり、フリッカが生じにくい。
【0030】また、第3または第4の駆動方法におい
て、2種類の補償パルスのうち一方を水平走査期間の前
半に重畳し、他方を水平走査期間の後半に重畳すれば、
上記の波形を得るための回路が比較的簡単に構成でき
る。
【0031】本発明による第5の駆動方法は、複数の走
査電極に走査電圧を順次印加し、複数の信号電極に第1
の線路を介して信号電圧を印加し、前記信号電圧のレベ
ル変化に伴う波形歪による実効値電圧の低下を補償する
補償パルスを第1の線路よりインピーダンスが高い第2
の線路を介して信号電圧に重畳することを特徴とする。
この方法は、上記の第1から第4の駆動方法と組み合わ
せて使用することができる。
【0032】このように、補償パルスの電圧レベルを供
給するための第2線路のインピーダンス、即ち、駆動I
Cの出力抵抗やバス配線の抵抗を、通常の信号電圧レベ
ルを供給するための第1の線路より高くすることによ
り、駆動ICの面積を削減することができる。この結
果、表示部周辺の回路部分がコンパクトになると共に、
駆動ICが安価になる。また、補償パルスの電圧レベル
を供給する電源回路の電流容量が小さな容量で足りるこ
とになり、電源回路の設計の容易化や低コスト化も得ら
れる。
【0033】本発明による第6の駆動方法は、複数の走
査電極に走査電圧を順次印加し、複数の信号電極に信号
電圧を印加する際に、連続する2つの水平走査期間で前
記信号電圧のレベルが変化する信号電極に、そのレベル
変化に伴う波形歪による実効値電圧の低下を補償する補
償パルスを重畳し、この補償パルスのパルス幅が次式で
示される液晶パネルの画素部分の時定数Binの1.5倍
以上であることを特徴とする。
【0034】Bin=(Rpix×n)×(Cpix×n)/2 但し、Rpixは、液晶パネルの1画素当たりの信号電極
の抵抗、Cpixは1画素あたりの静電容量を、nは1本
の信号線上の画素数である。
【0035】本発明による第7の駆動方法は、複数の走
査電極に走査電圧を順次印加し、複数の信号電極に信号
電圧を印加する際に、連続する2つの水平走査期間で前
記信号電圧のレベルが変化しない信号電極の信号電圧
に、信号電圧レベルが変化した場合に生ずる波形歪によ
る実効値電圧の低下に相当する実効値電圧の低下を与え
る補償パルスを重畳し、この補償パルスのパルス幅が上
式で示される液晶パネルの画素部分の時定数Binの1.
5倍以上であることを特徴とする。
【0036】上記のような第6または第7の駆動方法に
よれば、補償パルスの減衰や歪による液晶パネル内での
補償パルスの電圧差が抑えられるので、液晶パネル面内
で表示が均一になる。第6または第7の駆動方法におい
て、補償パルスの幅を液晶パネルの画素部分の時定数の
4倍以上にすれば、さらに表示の均一性が良好となる。
【0037】本発明による第8の駆動方法は、複数の走
査電極に走査電圧を順次印加し、複数の信号電極に信号
電圧を印加し、連続する2つの水平走査期間で前記信号
電圧のレベルが変化する信号電極の信号電圧に、そのレ
ベル変化に伴う波形歪による実効値電圧の低下を補償す
る補償パルスを重畳し、この補償パルスが矩形波よりも
周波数成分の低い波形を有することを特徴とする。
【0038】第9の駆動方法は、複数の走査電極に走査
電圧を順次印加し、複数の信号電極に信号電圧を印加す
る際に、連続する2つの水平走査期間で前記信号電圧の
レベルが変化しない信号電極の信号電圧に、信号電圧レ
ベルが変化した場合に生ずる波形歪による実効値電圧の
低下に相当する実効値電圧の低下を与える補償パルスを
重畳し、この補償パルスが矩形波よりも周波数成分の低
い波形を有することを特徴とする。
【0039】上記のような第8または第9の駆動方法に
よれば、第6または第7の駆動方法に比べて、補償パル
スの減衰や歪による液晶パネル内での補償パルスの電圧
変動が抑えられるので、液晶パネル面内で表示がさらに
均一になる。具体的には、補償パルスとして矩形波状の
パルスの他に正弦波状、三角波、または円弧状のパルス
を用いることができる。矩形波状パルスの場合は電源回
路が簡単になる利点があり、正弦波パルスの場合は含ま
れる周波数成分が低いので歪や減衰が少なく、効率的で
液晶パネル面内の均一性のよい補償が行われる利点を有
する。第10の駆動方法は、複数の走査電極に走査電圧
を順次印加し、複数の信号電極に信号電圧を印加する際
に、連続する2つの水平走査期間の前記信号電圧のレベ
ル変化に応じて、それぞれの信号電極の信号電圧に補償
パルスを重畳し、前記信号電圧の立ち上がり部と立ち下
がり部とに傾斜を持たせたことを特徴とする。第10の
駆動方法によれば、信号電圧の波形歪みが小さいのでク
ロストークが生じにくく、補償パルスによる補償量が少
なくて済む。また、信号電圧の減衰や歪が小さいので、
液晶パネル面内で表示がさらに均一になる。
【0040】第11の駆動方法は、複数の走査電極に走
査電圧を順次印加し、複数の信号電極に信号電圧を印加
する際に、連続する2つの水平走査期間の前記信号電圧
のレベル変化に応じて、それぞれの信号電極の信号電圧
に補償パルスを重畳し、前記補償パルスの重畳位置及び
パルス幅の少なくとも一方が、クロックのカウント値に
応じて設定された補償パルス制御信号により制御される
ことを特徴とする。第11の駆動方法によれば、液晶パ
ネルの特性に応じて補償パルスの実効値電圧を容易に最
適の値に設定できる。
【0041】本発明による第12の駆動方法は、複数の
走査電極に走査電圧を順次印加し、前記複数の信号電極
に信号電圧を印加し、連続する2つの水平走査期間の前
記信号電圧のレベル変化に応じて、それぞれの信号電極
の信号電圧に補償パルスを重畳し、前記補償パルスの幅
と高さの少なくとも一方が、走査側電極の給電側から終
端側に向かって徐々に変化していることを特徴とする。
走査パルスの波形歪に起因するクロストーク量は、一般
に走査側駆動回路からの距離によって変化する。第12
の駆動方法によれば、この変化に対応させて補償パルス
の幅と高さ(即ち補償量)を変化させるので、液晶パネ
ル面内での表示の均一性が向上する。
【0042】第13の駆動方法は、複数の走査電極に走
査電圧を順次印加し、前記複数の信号電極に信号電圧を
印加し、連続する2つの水平走査期間の前記信号電圧の
レベル変化に応じて、それぞれの信号電極の信号電圧に
補償パルスを重畳し、前記補償パルスの幅と高さの少な
くとも一方が、前記2つの水平走査期間に対応する2つ
の走査電極上のオン画素数の差、またはオフ画素数の差
によって制御されることを特徴とする。第13の駆動方
法によれば、表示パターンによって変化する走査電極上
の電圧歪に起因するクロストーク量に応じて補償量を制
御するので、液晶パネル面内での表示の均一性が向上す
る。
【0043】第14の駆動方法は、複数の信号電極が上
下に分割されている液晶表示装置において、複数の走査
電極に走査電圧を順次印加し、複数の信号電極に信号電
圧を印加し、連続する2つの水平走査期間の信号電圧の
レベル変化に応じて、それぞれの信号電極の信号電圧に
補償パルスを重畳し、前記補償パルスが前記液晶表示装
置の上半面と下半面とで独立に制御されることを特徴と
する。第14の駆動方法によれば、上下画面における表
示パターンの違いによって生じるクロストーク量の違い
に応じて補償量を制御するので、画面の上半分と下半分
でのクロストーク補償を適切に行うことができ、両者の
間に境界線が生じることを回避できる。
【0044】第15の駆動方法は、複数の走査電極と複
数の信号電極がマトリックス状に配置されてなる液晶表
示装置の複数の走査電極に走査電圧を順次印加し、複数
の信号電極に信号電圧を印加し、前記信号電圧を正弦波
電圧の正の半サイクル部分と負の半サイクル部分とで構
成することを特徴とする。第15の駆動方法によれば、
信号電圧の極性が変化する際の立ち上がり及び立ち下が
りが滑らかになるので波形歪が生じにくくなる。また、
極性が変化しない場合も正弦波カーブに沿って一旦直流
電圧レベルまで変化してから再び元のレベルに戻るの
で、極性が変化する場合と同等の条件で波形歪が生じる
ことになる。この結果、各信号電極に対する実効値電圧
がレベル変化の有無に関わらず一定になり、これによっ
てやはりクロストークが抑えられる。
【0045】前記補償パルスのうち、正極性の補償パル
ス及び負極性の補償パルスの少なくとも一方を部分的に
カットする位相制御を行うことができる。これにより、
正負の補償量の調整を行って、表示特性を良好にするこ
とができる。
【0046】上記のような各駆動方法を実施することに
より、走査電圧の極性反転を頻繁に行う必要がなくなる
の。好ましくは、極性反転周期をフレーム周期の1/4
以上とする。つまり、1フレーム当たりの極性反転を4
回以下とする。1フレーム当たりの極性反転を1回とし
ても問題ない。これによって、走査電圧の波形歪に伴う
縦ラインクロストークが低減される。
【0047】上述のような駆動方法に適した本発明によ
る駆動ICの第1の構成は、第1の水平走査期間におけ
る第1の信号データを保持する第1のラッチ回路と、第
1の水平走査期間に隣接する第2の水平走査期間におけ
る第2の信号データを保持する第2のラッチ回路と、前
記2つのラッチ回路の出力に基づいて、複数の入力電圧
のうちの一つを選択して出力するスイッチ回路の組と、
複数のバス配線とを備え、少なくとも1本のバス配線が
複数の電圧レベル(好ましくは補償パルスの電圧レベ
ル)に共用されていることを特徴とする。バス配線の本
数及び出力スイッチ数が減るので、駆動ICの面積の低
減、ひいては表示部周辺のコンパクト化および駆動IC
のコスト低減が可能になる。
【0048】本発明による駆動ICの第2の構成は、第
1の水平走査期間における第1の信号データを保持する
第1のラッチ回路と、第1の水平走査期間に隣接する第
2の水平走査期間における第2の信号データを保持する
第2のラッチ回路と、前記2つのラッチ回路の出力に基
づいて複数の入力電圧のうちの一つを選択して出力する
スイッチ回路の組と、複数のバス配線と、前記バス配線
上の電圧レベルのうち少なくとも1つ(好ましくは補償
パルスの電圧レベル)を制御信号に応じて反転させる反
転回路とを備えたことを特徴とする。この場合もバス配
線の本数及び出力スイッチ数が減るので、駆動ICの面
積の削減による表示部周辺のコンパクト化や駆動ICの
コスト低減が可能になる。
【0049】本発明による駆動ICの第3の構成は、第
1の水平走査期間における第1の信号データを保持する
第1のラッチ回路と、第1の水平走査期間に隣接する第
2の水平走査期間における第2の信号データを保持する
第2のラッチ回路と、前記2つのラッチ回路の出力に基
づいて、複数の入力電圧のうちの一つを選択して出力す
るスイッチ回路の組とを備え、前記スイッチ回路の組の
中で少なくとも1つのスイッチ回路の出力抵抗が他のス
イッチ回路の出力抵抗より高いことを特徴とする。
【0050】好ましくは、補償パルスの電圧レベルを選
択して出力するスイッチ回路が他のスイッチ回路の出力
抵抗より高い、さらに、複数の電圧レベルに共有された
バス配線に接続されたスイッチ回路、または電圧レベル
が反転されるバス配線に接続されたスイッチ回路が他の
スイッチ回路の出力抵抗より高いことが望ましい。ま
た、前記スイッチ回路の出力抵抗が他のスイッチ回路の
出力抵抗の2倍以上50倍以下であることが好ましく、
5倍以上20倍以下であればさらに好ましい。
【0051】このようにして、駆動ICの面積を削減す
ることができ、表示部周辺のコンパクト化や駆動ICの
低コスト化が可能になる。本発明による駆動ICの第4
の構成は、第1の水平走査期間における第1の信号デー
タを保持する第1のラッチ回路と、第1の水平走査期間
に隣接する第2の水平走査期間における第2の信号デー
タを保持する第2のラッチ回路と、前記2つのラッチ回
路の出力に基づいて複数の入力電圧のうちの一つを選択
して出力するスイッチ回路の組と、複数のバス配線とを
備え、少なくとも1本のバス配線(好ましくは補償パル
スの電圧レベルが供給されるバス配線)の抵抗が他のバ
ス配線の抵抗より高いことを特徴とする。バス配線の幅
を狭くすることにより、この場合も駆動ICの面積を削
減することができ、表示部周辺のコンパクト化や駆動I
Cの低コスト化が可能になる。
【0052】本発明による駆動ICの第5の構成は、第
1の水平走査期間における第1の信号データを保持する
第1のラッチ回路と、第1の水平走査期間に隣接する第
2の水平走査期間における第2の信号データを保持する
第2のラッチ回路と、前記2つのラッチ回路の出力に基
づいて複数の入力電圧のうちの一つを選択して出力する
スイッチ回路の組と、複数のバス配線とを備え、前記ス
イッチ回路が2つの電圧および時間的にレベルが変化す
る補償電圧を含む3つの電圧のうち1つを選択して出力
するように構成されていることを特徴とする。この場合
もバス配線の本数及び出力スイッチ数が減るので、駆動
ICの面積の削減による表示部周辺のコンパクト化や駆
動ICのコスト低減が可能になる。
【0053】上記のような駆動ICを用いた本発明によ
る液晶表示装置の第1の駆動回路は、駆動ICを用いた
信号側駆動回路と電源回路とを備え、前記電源回路から
信号側駆動回路に供給される補償パルスの電圧レベルが
所定の制御信号に応じて切り替えられることを特徴とす
る。制御信号として極性信号を用いることもできる。こ
のような構成によれば電源回路及び駆動ICを含む周辺
回路の簡素化が可能となり、クロストークを適切に抑え
ながら、コンパクトで安価な液晶表示装置を提供するこ
とができる。
【0054】本発明による液晶表示装置の第2の駆動回
路は、上記駆動ICを用いた信号側駆動回路と電源回路
とを備え、前記電源回路から信号側駆動回路に供給され
る補償パルスの電圧レベルが1水平走査期間内で切り替
えられることを特徴とする。このような構成によっても
電源回路及び駆動ICを含む周辺回路の簡素化が可能と
なり、クロストークを適切に抑えながら、コンパクトで
安価な液晶表示装置を提供することができる。
【0055】本発明による液晶表示装置の第3の駆動回
路は、信号電圧レベルおよび所定の波形の補償パルスの
電圧レベルを発生する電源回路と、前記両電圧レベルが
供給される入力端子を備えた駆動ICとを備えているこ
とを特徴とする。このような構成によって、均一な表示
特性の液晶表示装置を提供することができる。この駆動
回路において、電源回路が半波整流回路または三角波発
生回路を有することが好ましい。簡単な波形発生回路を
用いて均一な表示特性の液晶表示装置を提供することが
できる。
【0056】本発明による液晶表示装置の第4の駆動回
路は、走査電圧レベルと信号電圧レベルを発生する電源
回路と、前記電圧レベルが供給される駆動ICを含む信
号側駆動回路とを備え、前記電源回路が補償パルスの電
圧レベルを作り出す抵抗分圧回路を含むことを特徴とす
る。前記電源回路が、補償パルスの電圧レベルを反転す
る電圧反転回路をさらに含むことが好ましい。また、補
償パルスの電圧レベルが液晶駆動電圧に連動して変化す
る構成であれば好ましい。こうすれば、液晶表示装置の
輝度調整を行った場合、または液晶表示装置の製造時に
表示特性最適化のためバイアス抵抗を変更した場合に、
クロストーク補償条件が崩れることがなく、良好な表示
特性が保たれる。
【0057】本発明による液晶表示装置の第5の駆動回
路は、複数の走査電極と複数の信号電極がマトリックス
状に配置され、かつ信号電極が上下に分割されている液
晶表示装置装置の駆動回路であって、液晶表示面の上半
分用と下半分用とで独立に補償パルス制御回路を備えて
いることを特徴とする。これにより、画面の上半分と下
半分との表示パターンの違いによって生じるクロストー
ク量の違いに応じてそれぞれの補償パルス制御回路を独
立に調整することができるので、画面全体で良好なクロ
ストーク補償を行うことができ、また画面中央部に境界
線が生じることがない。
【0058】
【発明の実施形態】以下、本発明の実施形態について、
図面を用いて説明する。 (実施形態1)図1に本発明の第1の実施形態である液
晶表示装置の駆動方法による駆動波形を示す。図におい
て101はデータ信号電圧であり、表示に応じてV2ま
たはV4の電圧レベルをとる。102は走査電圧、10
3は極性信号である。104はラッチパルスであり、t
hは1つの走査ラインが走査される時間幅(水平走査期
間)、tvは1画面が走査される時間幅(フレーム周
期)を示している。
【0059】本実施形態は、第1の設定時間では信号電
圧101がV4からV2(負から正)に切り替わるときに
正の補償電圧パルス105(以下、単に「補償パルス」
という)を信号電圧101に重畳し、第2の設定時間で
は信号電圧101がV2からV4(正から負)に切り替わ
るときに負の補償パルス106を信号電圧に重畳するも
のである。
【0060】以下、上記の第1と第2の設定時間を極性
信号103に応じて定める場合について説明する。図1
において、極性信号103がハイレベルにあるとき(第
1の設定時間)には正の走査電圧によって走査が行わ
れ、選択された走査線上の画素は、データ信号101が
V2のときオフ状態、V4のとき選択ライン上の画素はオ
ン状態である。極性信号103がローレベルにあるとき
(第2の設定時間)には、これとは逆にV2がオンレベ
ル、V4がオフレベルである。従って、V2とV4は表示
データのオンとオフに対応し、その対応状態が設定時間
に応じて逆転することになる。
【0061】図1においては、信号電圧がオンレベルか
らオフレベルに切り替わるときに高さVc、幅tcの補償
パルス105,106が信号電圧に重畳されている。即
ち、極性信号がハイレベルにあるときは信号電圧がV4
からV2に切り替わるときに正の補償パルス105が、
極性信号がローレベルにあるときは信号電圧がV2から
V4に切り替わるときに負の補償パルス106が信号電
圧に重畳されている。極性信号の反転周期はフレーム周
期と一致している。
【0062】図2は上記の補償パルスの効果を示すもの
で、(a)は、図1における極性信号がハイレベルにあ
る場合の電圧波形、(b)は極性信号がローレベルにあ
る場合の電圧波形をそれぞれ示している。いずれの場合
も、外部より印加するデータ信号電圧101は液晶パネ
ルのCR回路により歪み、実際に画素に印加される際に
は画素印加電圧107となる。この場合、波形の歪によ
り実効値電圧の低下分108,109が生じるが、補償
パルス105,106の効果により本来の電圧値より高
い補償電圧部分110が発生し、この部分が実効値電圧
の低下分を補償するので、画素には本来の実効値電圧が
印加されることになる。
【0063】データ信号電圧の極性が変わらない場合に
は図1に示すように補償パルスは印加されないが、波形
の歪も発生しないので、画素には本来の実効値電圧が印
加されている。従って、表示データに関わらず画素には
本来の実効値電圧が印加され、文字クロストークが解消
し、または大幅に低減される。
【0064】補償パルスを信号電圧のV2およびV4のう
ちの片側のみに重畳した場合は、正負レベルのバランス
が崩れて液晶層に直流電圧成分が印加されることにな
る。しかし、本実施形態の駆動方法では走査電圧の極性
反転に伴って補償パルスの極性も反転するので、直流電
圧成分が打ち消される。特に、同一の表示パターンが継
続する間は、波形の切り替わり回数が正負の走査期間で
完全に等しくなるため、直流電圧成分は完全に相殺され
る。
【0065】図1の駆動波形において、V2からV4への
信号電圧の変化とV4からV2への信号電圧の変化が生じ
る回数は等しいので、図2における実質的な補償パルス
部分110が実効値電圧の低下分108と109の和を
ほぼ補償するように補償パルスの高さVcと幅tcを設定
するのが望ましい。補償パルスの高さと時間幅は、液晶
パネルのサイズ、電極抵抗や静電容量によって異なる
が、例えば、電極のシート抵抗が7.5Ω/□で10.
4型の640×480ドットで信号電極が上下に分割さ
れていない単連駆動型のカラーSTN型LCDパネルの
場合、Vcとtcの積が0.4〜10V・μsecの間、
さらに好ましくは1〜6V・μsecの間にあるパルス
が良好な補償条件を示した。
【0066】液晶パネルの条件が上記と異なる場合には
Vcとtcの積をそれに応じて変化させる必要がある。信
号波形の歪みは信号電極の負荷でほぼ定まる。したがっ
て、1画素あたりの信号電極の抵抗をRpix、1画素あ
たりの容量をCpix、1本の信号線上の画素数をnとす
ると、信号電圧切り替わり時の電圧歪は、式(数1)に
示すAにほぼ比例する。
【0067】
【数1】 A=(Rpix×n)×(Cpix×n)×(V2−V4) Vcとtcの積はこのAを用いて式(数2)の範囲に設定
するのが望ましく、さらには式(数3)の範囲に設定す
るのが望ましい。
【0068】
【数2】 0.08×A ≦ Vc×tc ≦ 1.8×A
【0069】
【数3】 0.18×A ≦ Vc×tc ≦ 1.0×A 液晶層の容量は印加電圧によって変化するので、オン画
素とオフ画素の平均をとってCpixとすればよい。な
お、パルス幅が狭すぎる場合には、補償パルスの周波数
成分が高くなりすぎ、パネル内で減衰して補償量にむら
が生じるので好ましくない。パルス幅は後述する第14
の実施形態で説明する範囲に設定するのが望ましい。
【0070】上記の駆動方法においては、正の補償パル
ス105または負の補償パルス106のどちらを用いる
かは極性信号によって定まっており、これはすべての信
号電極に対して共通である。従って、複数の信号電極を
考えた場合でも、正負の補償パルスが同時に出力される
ことはなく、信号側の駆動ICからの同時出力は図1に
おけるV2,V3、およびV1とV5のいずれか片方の3レ
ベルが最低限あればよい。このため、クロストーク補償
を行うために最低限でもV1,V2,V4,V5の4レベル
が必要な従来の駆動方法に比べて、駆動ICや駆動回路
の構成を簡略化できるという利点がある。
【0071】尚、本実施形態では、信号電圧がオンレベ
ルからオフレベルに切り替わるときに補償パルスをデー
タ信号に重畳したが、逆に、信号電圧がオフレベルから
オンレベルに切り替わるときに補償パルスをデータ信号
に重畳しても同じ効果が得られる。さらに、補償パルス
を重畳するデータ信号の切り替わり条件(オンからオ
フ、及び、オフからオン)を適当な時間で交代させるこ
とにより、2つの条件を混在させてもよい。この場合、
駆動ICや駆動回路の正負電圧に対する微妙な特性差の
表示特性への影響を緩和することができる。
【0072】また、補償パルスを重畳する位置(タイミ
ング)は、データ信号電圧が切り替わる際の立上がりま
たは立下がりエッジに限らず、水平走査期間thの期間
内であればどこであっても同様のクロストーク補償が行
われる。
【0073】補償パルスがデータ信号の立ち上がりまた
は立ち下がりエッジに重畳されている場合は、補償パル
スの受ける波形歪は、電圧レベルがV4からV1に(また
はV2からV5に)大きく変化するときの歪みである。こ
れに対して、補償パルスがデータ信号の立ち上がりまた
は立ち下がりエッジから離れたところに重畳されている
場合は、補償パルスの受ける波形歪は、電圧レベルがV
2からV1に(またはV4からV5に)変化するときの歪み
である。このときの歪量は先に述べた電圧レベルが大き
く変化するときの歪量より少ない。歪量が少なければ重
畳すべき補償パルスのVcとtcの積は小さくて済む。
【0074】信号電極のCR時定数Bは、分布定数回路
計算によって求められるが、画素部を含まない1ライン
当たりの抵抗、即ち、パネル配線抵抗、接続抵抗、IC
出力抵抗等の総和をRoutとすると、式(数4)で近似
される。
【0075】
【数4】 B=(Rout+Rpix×n)×(Cpix×n)/2 水平走査期間thの開始から補償パルス印加までの時間
が式(数4)で近似されるCR時定数Bの2倍以上ある
場合は、データ信号の立ち上がりまたは立ち下がりエッ
ジに補償パルスを重畳する場合に比べて、補償パルスの
Vcとtcの積を80%程度に下げることができる。但
し、補償パルス幅tcは前述の場合と同様に第14の実
施形態で説明する範囲内に設定することが望ましい。
【0076】上記の説明では、正負いずれの補償パルス
を重畳するか(即ち第1と第2の設定時間)を極性信号
に応じて決定した。これにより、各信号電極における補
償パルス重畳の有無が、表示データのオン・オフの切り
替わり方向から決定できるという利点が生じた。また、
正負の補償パルスいずれを印加するかを選択するために
新たな制御信号を用いる必要がないという利点もある。
【0077】しかしながら、これは走査パルスの極性反
転とは独立な他の信号により決定してもよい。これによ
り、パネル特性により適応した補償パルス印加条件を設
定できるという利点が生じる。第1の設定時間と第2の
設定時間は等しい長さに設定するのが望ましく、こうす
れば液晶パネルに直流電圧が印加されることはない。こ
の場合も上記の説明と同様に、信号側駆動ICへの供給
電圧が3レベルであっても良好なクロストーク補償が行
われる。
【0078】なお、第1・第2設定時間の長さは、それ
ぞれが1フレーム期間を大きく越えないようにするのが
フリッカの出現を防止する意味で望ましい。この設定時
間が短すぎると、電源あるいは駆動IC内での補償電圧
レベルのスイッチング回数が増えて消費電力がやや増加
する。通常の機器においては、この電力増は問題になら
ない場合が多いが、携帯機器など消費電力を特に低減し
たい場合には、それぞれの設定時間の長さをフレーム期
間の1/10程度以上にするのが望ましい。
【0079】(実施形態2)次に、本発明の第2の実施
形態に係る液晶表示装置の駆動ICおよび駆動回路のブ
ロック図を図3に示す。本実施形態の駆動ICおよび駆
動回路は、図1に示した第1の実施形態の駆動方法にお
ける駆動信号を発生するためのものである。図3におい
て、駆動IC207は出力スイッチ回路、スイッチ制御
回路、2つのラッチ、及びシフトレジスタを含んでい
る。出力スイッチ回路は出力1に対する部分のみが描か
れ、出力2以後に対応する部分については同じブロック
の繰り返しであるので図示を省略している。
【0080】駆動IC207には外部から電源電圧や各
種の制御信号が与えられる。206はスイッチ組であり
3つのスイッチのうち1つがオンすることによりIC出
力電圧を選択する。201から203は外部電源回路か
らのDC電圧をスイッチ組206に供給するためのバス
配線である。ICの出力端子数は例えば240本であ
る。
【0081】また、208は外部電源回路であり、V
1,V2,V4,V5の電圧源とスイッチ回路とを含んでい
る。スイッチAまたはスイッチBが択一的にオンになる
ことにより、駆動IC207への供給電圧がV1または
V5に切換えられる。
【0082】この駆動ICおよび駆動回路の動作の概略
は以下の通りである。最初に、外部電源回路の動作を説
明する。外部電源回路には極性信号Mが与えられてお
り、これに基づいてスイッチAおよびBのオン・オフが
制御される。信号電圧がオンレベルからオフレベルに切
り替わるときに補償パルスを重畳する場合を例にとる
と、表1に示す論理表に基づいてスイッチAおよびBの
オン・オフが制御され、駆動ICのバス配線202に供
給される電圧が決定される。
【0083】
【表1】
【0084】表1において、極性信号Mは走査電圧の正
負の極性を示している。走査電圧が正のときは補償電圧
としてV1が駆動ICに供給され、走査電圧が負のとき
はV5が供給される。この結果、駆動ICのバス配線2
02には時間帯ごとに異なるレベルの補償電圧が供給さ
れることになる。
【0085】次に駆動ICの動作について説明する。ま
ず、1走査線分の表示データDがクロック信号CLKに
同期して入力され、シフトレジスタに蓄えられる。1走
査線分のデータは、ラッチパルスLPにより一括してラ
ッチ1に送られる。これと同時に、いままでラッチ1に
保持されていたデータはラッチ2に送られる。スイッチ
制御回路は、ラッチ1より供給される現在の走査線上に
ある画素の表示データDt、ラッチ2より供給される1
つ前の走査線上にある画素の表示データDt-1、極性信
号M、および補償パルス制御信号Pwから、表2に示す
論理表に基づいて各出力ラインごとに出力tを決定し、
この決定に従ってスイッチ組206のオン・オフを制御
する。スイッチ2がオン状態にある場合にはバス配線2
02への供給電圧がIC出力電圧となるが、バス配線2
02は2つの補償電圧に共有されている。いずれの補償
電圧がバス配線202上にあるかは、表1に示したよう
に、M信号により定まっているので、駆動ICからの出
力電圧は表2に示すようになる。
【0086】
【表2】
【0087】表2において、表示データDtおよびDt-1
は、ローレベルがオン状態、ハイレベルがオフ状態を表
している。補償パルス制御信号Pwは補償パルスの時間
幅(図1等におけるtc)を制御する信号であり、これ
がハイレベルのときだけ補償パルスが印加される。例え
ば、ラッチパルスの立ち上がりと同時にPwをハイレベ
ルとし、tc経過後にPwをローレベルにすれば、信号電
圧の先頭部分に補償パルスを重畳することができる。即
ち、ある走査期間thの開始直後にはPwがハイレベルで
あるので、データと制御信号の条件に応じてV1または
V5の補償電圧が出力されるが、時間tcの経過後にPw
がローレベルとなると、表2の論理表より、出力電圧が
V1であった場合にはtc以降の出力はV2に、出力電圧
がV5であった場合にはtc以降の出力はV4となる。こ
うして、図1に示した出力波形を得ることができる。1
ラインの走査期間th内における補償パルスの位置は、
Pwをローレベルからハイレベルにするタイミングをラ
ッチパルスに対して調整することにより、任意の位置に
調整することができる。
【0088】なお、信号電圧がオフ状態からオン状態に
切り替わるときに補償パルスを重畳する場合には、表3
と表4に示す論理表に基づいて、外部電源回路から駆動
ICへの供給電圧、および駆動ICからの出力電圧を決
定すればよい。
【0089】
【表3】
【0090】
【表4】
【0091】なお、第1の実施形態に示したように補償
パルスを重畳するデータ信号の切り替わり条件(オンか
らオフまたはオフからオン)を適当に交代させ、2つの
条件を混在させる場合には、上記の論理表の組(表1と
表2、または表3と表4)を別の制御信号により切り替
えて用いればよい。あるいは、別の制御信号を条件に含
めた新たな論理表を作成してそれに応じて出力を決定す
ればよい。
【0092】実際、このICを信号側の駆動ICとして
用い、走査側には通常の走査用ICを用いてSTN型の
液晶表示装置を構成し、800×600ドットのカラー
表示を行ったところ、クロストークがほとんどなく非常
に良好な表示を行うことができた。尚、極性反転周期は
1フレーム周期に設定した。
【0093】本実施形態に示す駆動ICと駆動方法を用
いることにより、駆動IC内のバス配線の本数が3本
で、1出力当たりのスイッチ数が3つであっても、上記
のように良好なクロストーク補償効果を得ることができ
た。したがって、従来の駆動ICに比べて、ICのチッ
プ面積が10〜20%程度削減でき、液晶パネルの額縁
部(表示画面の周辺部)の面積の低減により液晶表示装
置の小型化が可能になると共に、IC価格の低減により
安価な液晶表示装置を得ることができる。
【0094】(実施形態3)図4に、本発明の第3の実
施形態に係る液晶表示装置の駆動ICおよび駆動回路の
構成をブロック図で示す。本実施形態の駆動IC及び駆
動回路も図1に示した駆動波形を発生するためのもので
ある。図4において、図3(第2の実施形態)に示した
ブロック図と同じ構成要素には同じ番号を付している。
図3との違いは、図4では外部電源回路に補償電圧レベ
ルを切り替えるスイッチがなく、そのかわり、駆動IC
に電圧反転回路が備えられている点にある。
【0095】この構成により、外部電源回路から駆動I
Cには補償電圧レベルの片方V1のみが供給され、他方
の補償電圧レベルV5は駆動IC内の電圧反転回路で極
性信号に従って作り出される。この結果、バス配線20
2の電圧は第2の実施形態の表1または表3に示したも
のと同じになり、表2または表4に示す論理表に基づい
て駆動ICからの出力電圧が決定される。また、第2の
実施形態に示した方法によって、補償パルスを重畳する
データ信号条件を混在させることもできる。
【0096】本実施形態に示す駆動ICと駆動方法を用
いることにより、第2の実施形態と同様に、駆動IC内
のバス配線の本数が3本で、1出力当たりのスイッチ数
が3つであっても、良好なクロストーク補償効果を得る
ことができた。この結果、従来の駆動ICに比べて、I
Cのチップ面積が10〜20%程度削減でき、液晶パネ
ルの額縁部の面積を低減して液晶表示装置をよりコンパ
クトにすることが可能になると共に、IC価格を低減し
てより安価な液晶表示装置を得ることができる。本実施
形態の駆動ICと駆動回路を用いた場合には、ICの設
計条件によっては、第2の実施形態に比べてわずかに駆
動ICの面積が増加する場合もあるが、外部電源回路が
簡略化されるという利点がある。
【0097】なお、第2・第3の実施形態では、正負の
補償パルスのいずれを重畳するか(即ち第1と第2の設
定時間)を極性信号により決定する場合について説明し
たが、他の信号によりこの設定時間を決定する場合も、
論理表を若干変更するだけで第2・第3の実施形態の駆
動ICと駆動回路はそのまま用いることができる。
【0098】(実施形態4)本実施形態は、第1の設定
時間では正の信号電圧が連続して印加される場合に、第
2の設定時間では負の信号電圧が連続して印加される場
合に、データ信号電圧の実効値が減少する方向に補償パ
ルスを重畳するものである。
【0099】以下、上記の第1と第2の設定時間を極性
信号に応じて定める場合について説明する。こうすれ
ば、第1の実施形態で説明したように、正負の信号電圧
は表示データのオンとオフに対応し、その対応状態が設
定時間に応じて逆転する。
【0100】図5は本発明の第4の実施形態に係る駆動
方法による駆動波形を示している。図5に示す波形で
は、データ信号としてオン電圧が連続して印加される場
合に高さVc、幅tcの補償パルス121,122をデー
タ信号電圧の実効値が減少する方向に重畳している。デ
ータ信号が反転したときは前述のように立ち上がり部ま
たは立ち下がり部の波形歪によって実効値が低下する
が、本実施形態の方法によれば、オン信号が連続すると
き(データ信号は反転しない)にも実効値電圧が低下す
る。その結果、データ信号の波形歪による各信号ライン
の実効値電圧の差が緩和され、文字クロストークが解消
され、または減少する。
【0101】本実施形態においても、極性信号103が
ハイレベルの場合には補償パルス121のみが印加さ
れ、極性信号103がローレベルの場合には補償パルス
122のみが印加されるので、第1の実施形態に示した
方法と同様に、信号側駆動ICから同時に出力される電
圧レベル数は3であり、駆動ICや駆動回路の構成を簡
略化できるという利点がある。また、液晶層に印加され
る直流電圧成分も、第1の実施形態の方法と同様に極性
反転に伴って打ち消される。
【0102】文字クロストーク低減の効果は第1の実施
形態に示したものとほぼ同等であるが、本実施形態で
は、補償パルスがデータ電圧の実効値を減少させる方向
に重畳されるので、データ信号の駆動ICの出力電圧の
上限に制約がある場合に有利である。即ち、データ電圧
の実効値を増加させる方向に補償パルスを重畳する場合
は、駆動ICの耐圧や電源電圧の制約のために、十分な
電圧レベルの補償パルスを印加できない場合があるが、
本実施形態の方法ではこのような制約を受けずに十分な
クロストーク補償を行うことができる。
【0103】液晶パネルは、液晶分子の誘電異方性のた
めオン画素とオフ画素でその静電容量が異なっている。
通常、オン画素はオフ画素の1.2倍〜3.0倍程度の
静電容量を有する。従って、多くのオン画素が接続され
ている信号電極は、オフ画素が多く接続されている信号
電極に比べて、データ信号切り替わり時の波形歪が大き
いので、信号の切り替わり回数が同じでも実効値電圧の
低下分が大きい。本実施形態の補償パルスはデータ電圧
の実効値を減少させる効果を有するので、補償パルスは
オフ電圧側に重畳する方が、静電容量の違いに伴う電圧
歪みの差を緩和する意味で望ましい。
【0104】しかしながら、オフ電圧側のみに補償パル
スを重畳すると、オン画素数が多い信号電極にはほとん
ど補償パルスが重畳されなくなる。これを避けるため、
補償パルスを第1期間はオフ電圧側に重畳し、その後、
第2期間にオン電圧側に重畳することを繰り返すことが
望ましい。補償パルスをオフ電圧側に設定する第1期間
とオン電圧側に重畳する第2期間との比の最適値は、液
晶パネルの仕様や補償パルスの高さと幅等に依存する。
通常は第1期間を第2期間の1.2〜3倍程度にすれば
補償量のバランスが良好になる場合が多い。なお、ここ
で述べた第1期間と第2期間は、先に述べた第1・第2
の設定時間とは別に設定されるものである。
【0105】このように、補償パルスを印加する信号電
極を、オン電圧が連続する信号電極とオフ電圧が連続す
る信号電極との間で交代させることにより、信号電極上
のオン画素数とオフ画素数が表示パターンによって異な
っても、良好な表示特性を得ることができる。また、駆
動ICや駆動回路の正負電圧に対する微妙な特性差の表
示特性への影響を緩和することもできる。
【0106】なお、図5では補償パルス121,122
を水平走査期間thの期間の先頭に重畳しているが、補
償パルスの位置はこれに限らず、水平走査期間thの期
間内であればどこに重畳しても同様にクロストーク補償
を行うことができる。
【0107】本実施形態の駆動方法では、補償パルスが
データ信号の切り替わりと同時に重畳されることはな
く、信号電圧が本来のレベルV1またはV5に落ちついた
後に補償パルスが重畳される。このため、第1の実施形
態で水平走査期間thの開始から時間を遅らせて補償パ
ルスを印加する場合と同様に、補償パルス自体の歪は図
1の波形に比べて小さくなる。従って、補償パルスの高
さVcと幅tcの積は、第1の実施形態で式(数2)と式
(数3)で説明した範囲の80%程度に設定するのが望
ましい。補償パルス幅tcについては、第14の実施形
態で説明する範囲に設定するのが望ましい。
【0108】上記の説明では、正負いずれの電圧レベル
に補償パルスを重畳するか(即ち第1と第2の設定時
間)を極性信号に応じて決定した。これにより、各信号
電極における補償パルス重畳の有無が、表示データのオ
ン・オフの切り替わり方向から決定できるという利点が
生じた。また、正負の補償パルスいずれを印加するかを
選択するために新たな制御信号を用いる必要がないとい
う利点もある。
【0109】しかしながら、これは走査パルスの極性反
転とは独立な他の信号により決定してもよい。これによ
り、パネル特性により適応した補償パルス印加条件を設
定できるという利点が生じる。第1の設定時間と第2の
設定時間は等しい長さに設定するのが望ましく、こうす
れば液晶パネルに直流電圧が印加されることはない。こ
の場合も上記の説明と同様に、信号側駆動ICへの供給
電圧が3レベルであっても良好なクロストーク補償が行
われる。
【0110】なお、第1・第2設定時間の長さは、これ
を第1の実施形態で説明した範囲にに設定するのが望ま
しい。(実施形態5)図6に、本発明の第5の実施形態
に係る液晶表示装置の駆動ICおよび駆動回路の構成を
ブロック図で示す。本実施形態の駆動IC及び駆動回路
は図5に示した駆動波形を発生するためのものである。
図6において、図3(第2の実施形態)に示したブロッ
ク図と同じ構成要素には同じ番号を付している。図3と
の違いは、外部電源回路にある。図6の外部電源回路で
は、V1とV5とがオン・オフ電圧レベルであり、V2と
V4とが補償電圧レベルとなっている。
【0111】第2の実施形態と同様に、極性信号Mによ
り表5の論理表に基づいて、駆動IC207のバス配線
202に供給される補償電圧レベルが決定される。
【0112】
【表5】
【0113】駆動ICの動作については、実施形態2で
説明したものと同様であり、表6に示す論理表に基づい
て各出力ラインの出力信号が決定される。
【0114】
【表6】
【0115】表5と表6はデータ信号としてオン電圧が
連続するときに補償パルスを印加する例を示している
が、オフ電圧が連続するときに補償パルスを印加する場
合には、表7と表8に示す論理表に基づいて、外部電源
回路から駆動ICへの供給電圧、および駆動ICからの
出力電圧を決定すればよい。
【0116】
【表7】
【0117】
【表8】
【0118】なお、第4の実施形態に示したように補償
パルスを重畳するデータ信号の切り替わり条件(オンが
連続とオフが連続)を適当に交代させ、2つの条件を混
在させる場合には、上記の論理表の組(表5と表6、ま
たは表7と表8)を別の制御信号により切り替えて用い
たり、別の制御信号を条件に含めた論理表を新たに作成
してそれに応じて出力を決定すればよい。
【0119】このICを信号側の駆動ICとして用い、
走査側には通常の走査用ICを用いてSTN型の液晶表
示装置を構成し、800×600ドットのカラー表示を
行ったところ、クロストークがほとんどなく非常に良好
な表示を行うことができた。尚、極性反転周期は1フレ
ーム周期に設定した。
【0120】本実施形態に示す駆動ICと駆動回路を用
いることにより、駆動IC内のバス配線の本数が3本
で、1出力当たりのスイッチ数が3つであっても、上記
のように良好なクロストーク補償効果を得ることができ
た。この結果、従来の駆動ICに比べて、ICのチップ
面積が10〜20%程度削減でき、液晶パネルの額縁部
の面積を低減して液晶表示装置をよりコンパクトにする
ことが可能になると共に、IC価格を低減してより安価
な液晶表示装置を得ることができる。
【0121】(実施形態6)図7に、本発明の第6の実
施形態に係る液晶表示装置の駆動ICおよび駆動回路の
構成をブロック図で示す。本実施形態の駆動IC及び駆
動回路も図5に示した駆動波形を発生するためのもので
ある。図7において、図6(第5の実施形態)に示した
ブロック図と同じ構成要素には同じ番号を付している。
本実施形態においても、第3の実施形態で説明したもの
と同様に、外部電源回路に補償電圧レベルを切り替える
スイッチがなく、そのかわり、駆動ICに電圧反転回路
が備えられている。
【0122】この構成により、外部電源回路から駆動I
Cには補償電圧レベルの片方V2のみが供給され、もう
片方の補償電圧レベルV4は駆動IC内の電圧反転回路
で極性信号に従って作り出される。この結果、バス配線
202の電圧は第5の実施形態の表5または表7に示し
たものと同じになり、表6または表8に示す論理表に基
づいて駆動ICからの出力電圧が決定される。
【0123】本実施形態に示す駆動ICと駆動方法を用
いることにより、第5の実施形態と同様に、駆動IC内
のバス配線の本数が3本で、1出力当たりのスイッチ数
が3つであっても、良好なクロストーク補償効果を得る
ことができた。この結果、従来の駆動ICに比べて、I
Cのチップ面積が10〜20%程度削減でき、液晶パネ
ルの額縁部の面積を低減して液晶表示装置をよりコンパ
クトにすることが可能になり、また、IC価格を低減し
てより安価な液晶表示装置を得ることができる。本実施
形態の駆動ICと駆動回路を用いた場合には、ICの設
計条件によっては、第5の実施形態に比べてわずかに駆
動ICの面積が増加する場合もあるが、外部電源回路が
簡略化されるという利点がある。
【0124】なお、第5・第6の実施形態では、正負い
ずれの信号電圧レベルに補償パルスを重畳するか(即ち
第1と第2の期間)を極性信号により決定する場合につ
いて説明したが、他の信号によりこの期間を決定する場
合も、論理表を若干変更するだけで第5・第6の実施形
態の駆動ICと駆動回路はそのまま用いることができ
る。
【0125】(実施形態7)図19は本発明の第7の実
施形態に係る液晶表示装置の駆動方法による駆動波形を
示している。本実施形態の方法は従来の方法と同じく、
信号電圧がV4からV2に切り替わった場合とV2からV4
に切り替わった場合の双方に、補償パルス129,13
0を信号電圧に重畳している。この補償パルスにより、
データ信号の歪による画素電圧の実効値低下分が補償さ
れ、画素に本来の実効値電圧が印加されることは従来の
方法と同様である。
【0126】従来の方法との違いは、信号電圧がV4か
らV2に変化した場合にV2に重畳される補償パルス12
9の水平走査期間th内における位置と、信号電圧がV2
からV4に変化した場合にV4に重畳される補償パルス1
30の水平走査期間th内における位置を異ならせた点
にある。図19では、水平走査期間thの前半に補償パ
ルス129が重畳され、水平走査期間thの後半に補償
パルス130が重畳されている。
【0127】本実施形態の駆動方法によれば、補償パル
ス129を構成する電圧レベルV1は水平走査期間thの
前半のみに出力され、補償パルス130を構成する電圧
レベルV5は水平走査期間thの後半のみに出力される。
したがって、複数の信号電極を考えた場合でも2つの補
償パルスが同時に出力されることはなく、第1の実施形
態に示した方法と同様に、信号側駆動ICから同時に出
力される電圧レベル数は3であり、駆動ICや駆動回路
の構成を簡略化できるという利点がある。
【0128】本実施形態の駆動ICおよび駆動回路に
は、図3あるいは図4にブロック図を示すものを用いる
ことができる。バス配線202に供給される電圧は、図
3では駆動IC外部のスイッチにより切り替えられ、図
4では駆動IC内部の電圧反転回路によって電圧レベル
が反転される。第2の実施形態や第3の実施形態ではこ
れをM信号(極性反転信号)に応じて変化させていた
が、本実施形態ではバス配線202に、水平走査期間t
hの前半はV1が供給され、水平走査期間thの後半はV5
が供給されるように供給電圧の制御を行う。さらに、水
平走査期間の前半と後半で別々に論理表を構成して、信
号電圧がV4からV2に変化した場合には水平走査期間t
hの前半に、信号電圧がV2からV4に変化した場合には
水平走査期間thの後半にバス配線202上の電圧が出
力されるようにすれば、図19の駆動波形を得ることが
できる。論理表は連続する2走査期間の信号電圧レベル
(補償電圧を重畳しないもの)Vt-1とVtを用いて、水
平走査期間thの前半を表9、後半を表10のように構
成することができる。
【0129】
【表9】
【0130】
【表10】
【0131】本実施形態の駆動方法はさらに、正負の補
償パルスの補償量調整が容易になるという特長を有す
る。即ち、位相制御によって水平走査期間thの前半の
ある期間だけ補償電圧を出力しないようにすれば正方向
の補償量を減らすことができ、水平走査期間thの後半
のある期間だけ補償電圧を出力しないようにすれば負方
向の補償量を減らすことができる。このようにして、制
御信号により正負いずれかあるいは双方の補償電圧の出
力を部分的に停止することにより、容易に正負の補償量
調整を行うことができる。これは、補償パルス制御信号
Pwがハイレベルとなる期間を水平走査期間thの前半と
後半で異ならせることにより実現される。図3の回路構
成の場合には外部電源の電圧レベル(V1,V5)を所定
の期間だけV2やV4に切り替えておいてもよい。
【0132】なお、本実施形態の説明では補償パルスの
幅は水平走査期間thのほぼ半分であるものとしたが、
これより狭いパルス幅でもよく、後述する第14の実施
形態で説明した範囲であれば良好な補償を行うことがで
きる。特に、補償パルスを水平走査期間thの始端と終
端から離して配置すれば、データ信号の切り替わり歪と
補償パルスが干渉することがないため表示特性が良好に
なったり、また、第8の実施形態で述べるようにバス配
線202やそれにつながるスイッチなどの抵抗を高くで
きるため駆動ICや外部回路の設計が容易になるという
効果が得られる。本実施形態の方法では補償電圧パルス
の数が第1の実施形態の2倍になるので、補償パルスの
高さVcと時間幅tcの積は第1の実施形態に示した値の
半分に設定するのが望ましい。
【0133】2種類の補償パルスの重畳位置に関して
は、これらが水平走査期間th内において重なりあう期
間がないように設定されていればよく、必ずしも水平走
査期間の前半と後半に別れている必要はない。
【0134】また、補償パルスを重畳する位置を適当な
時間で交代させれば正負の波形がより対称になり、駆動
ICや駆動回路の正負電圧に対する微妙な特性差の表示
特性への影響を緩和することができる。例えば、データ
信号がオンからオフに切り替わる場合は水平走査期間t
hの前半に補償パルスを印加し、オフからオンに切り替
わる場合は水平走査期間thの後半に補償パルスを印加
するようにすれば、V1とV5の出力される水平走査期間
th内の位置は極性信号に応じて自然に交代する。この
場合は、信号電圧レベルVt-1とVtの代わりに、データ
信号Dt-1とDt及び極性信号Mを用いて、論理表を構成
すればよい。
【0135】補償パルスを対称にする別の方法として
は、2つの水平走査期間を組にして、ある水平走査期間
は前半に正の補償パルス、後半に負の補償パルスを重畳
するようにし、次の水平走査期間は前半に負の補償パル
ス、後半に正の補償パルスを重畳するようにする方法が
ある。こうすれば、2水平走査期間で正負の補償パルス
の印加位置のバランスがとれるだけでなく、正から負、
負から正への補償レベルの切り替えが1水平期間に1回
で済むようになり、切り替え回数が半分になるという利
点もある。
【0136】本実施形態の方法は、第1の実施形態の方
法に比較して、正負の補償パルスの反転回数が多いので
やや消費電力は大きいが、以下に述べるようにフリッカ
が生じにくいという利点がある。即ち、本実施形態の方
法では個々の画素を考えた場合に、信号電圧の立ち上が
り(正の補償パルス印加)が生じた後には、いくつかの
水平走査期間の後に必ず信号電圧の立ち下がり(負の補
償パルス印加)が伴うので、第1の実施形態の方法に比
べて正負の補償パルスの相殺が早く完了する。従って、
個々の画素について画素電圧の低周波成分によるフリッ
カが発生しにくい。さらに、画面全体についても、本実
施形態の駆動方法では1水平走査期間内に正負の補償パ
ルスが両方とも出力されるので、第1の実施形態の方法
に比べて正負の補償パルスが面内でばらまかれるため、
個々の画素のフリッカが面内で相殺される。以上の2点
により、本実施形態にはフリッカ特性にすぐれるという
利点がある。
【0137】本実施形態ではデータ信号の極性が反転し
た場合に実効値を増加させる補償パルスを重畳するもの
として説明を行ったが、データ信号の極性反転がない場
合に実効値を減少させる補償パルスを重畳する駆動方法
に本実施形態の方法を用いても同様の効果が発揮され
る。
【0138】(実施形態8)図8は本発明の第8の実施
形態に係る駆動方法による駆動波形を示している。図8
に示す波形では、従来例と同様にデータ信号電圧のオン
・オフが切り替わる場合に高さVc、幅tcの補償パルス
123,124を重畳しているが、まず本来の信号電圧
レベルV2またはV4が出力され、その後、補償パルスが
重畳された電圧レベルV1またはV5が出力されるよう
に、補償パルスを重畳している。
【0139】図9は、上記の補償パルスの効果を示すも
のである。本実施形態においても第1の実施形態と同様
に実効値電圧の低下分108が補償パルス123,12
4の効果により発生する実効値電圧補償部110によっ
て補償され、画素には本来の実効値電圧が印加される。
【0140】本実施形態の駆動方法の特長は、比較的大
きな電圧変化を伴うスイッチングは必ず信号電圧レベル
に向かって行われ、補償電圧レベルに向かうスイッチン
グはその電圧変化が小さいため、駆動ICや外部電源回
路の設計が容易になることにある。以下、これを説明す
る。
【0141】信号電圧V2とV4は±2V程度の電圧であ
るので、信号電圧変化に伴う波形歪は約4Vの電圧スイ
ッチングに対して生じる。これが図9における実効値電
圧のロス分108をもたらすが、このロス分が少ない方
が補償パルス123,124による補償量が少なくて済
み、補償が容易になる。
【0142】一方、本実施形態においては、補償パルス
の波形歪はV1とV2の間、あるいはV4とV5の間の電圧
スイッチングに対して生じる。補償パルスの高さVcは
数十〜数百mV程度であるので、補償パルスへの波形歪
は信号電圧への波形歪に比べてかなり小さく、全体の実
効値電圧にはあまり影響を及ぼさない。
【0143】補償パルスの立ち上がりと立ち下がりはV
1,V2,V4,およびV5のすべての電圧レベルに向かっ
て生じているが、本実施形態の波形を用いれば、信号電
圧レベルのスイッチングは必ずV2またはV4の電圧レベ
ルに向かって生じる。先に説明したように、信号電圧の
スイッチング歪は小さい方が望ましいが、補償パルスの
波形歪は多少大きくても構わない。そこで、本実施形態
の方法を用いれば、V2とV4につながる電源ラインやス
イッチの抵抗を低くしておけば、V1とV5につながる電
源ラインやスイッチの抵抗を高くしても表示特性にはあ
まり影響がなく、駆動ICや外部電源回路の構成の自由
度が高まり、設計が容易になる。
【0144】図8に示す波形では、補償パルスを水平走
査期間thの中央部に重畳したが、スイッチングがほぼ
完了した後であれば、どこに補償パルスを重畳しても上
記の効果を得ることができる。
【0145】V2またはV4への電圧スイッチングの時定
数Bは、第1の実施形態と同様に、画素部を含まない1
ライン当たりの抵抗(パネル配線抵抗、接続抵抗、IC
出力抵抗等の総和)をRoutとすると、式(数5)で近
似される。但し、駆動ICの出力抵抗のように、出力電
圧によって値が異なるものは、V2またはV4が出力され
ている時の値を用いる。
【0146】
【数5】 B=(Rout+Rpix×n)×(Cpix×n)/2 スイッチング後の電圧は、時定数の2倍の時間が経過す
ると最終到達電圧の86%に達し、3倍の時間では95
%、5倍の時間では99%に達する。したがって、水平
走査期間thの始端から2×B時間経過後に補償パルス
の印加を開始すれば、本実施形態で説明した効果を得る
ことができる。3×B時間経過後であればさらに望まし
く、5×B時間経過以降であればほぼ完全にその効果が
発揮される。なお、補償パルスが水平走査期間thの後
端近くに位置すると、次の水平走査期間に信号電圧のス
イッチングが生じた場合に、このスイッチングによる波
形歪と補償パルスの波形歪が干渉し、補償パルスの補償
効果が変動する場合があるので、補償パルスの後端から
水平走査期間thの後端までの時間として上記範囲の時
間を確保しておくことが望ましい。
【0147】(実施形態9)図10に、本発明の第9の
実施形態に係る液晶表示装置の駆動ICおよび駆動回路
の構成をブロック図で示す。本実施形態の駆動IC及び
駆動回路は図8に示した駆動波形を発生するためのもの
である。図10において、図3(第2の実施形態)に示
したブロック図と同じ構成要素には同じ番号を付してい
る。図3との違いは、外部電源回路のスイッチが無くな
っている点、駆動ICの1出力当たりのスイッチが4つ
である点、そしてバス配線204が追加されている点で
ある。
【0148】駆動ICの動作については、実施形態2で
説明したものと同様であり、表11に示す論理表に基づ
いて各出力ラインの出力信号が決定される。
【0149】
【表11】
【0150】本実施形態の駆動ICでは、第8の実施形
態に示す駆動方法の効果を利用してそのチップサイズを
低減している。すなわち、信号電圧V2,V4を出力する
スイッチ2及び3の出力抵抗は500Ωであるが、補償
パルスV1,V5を出力するスイッチ1及び4の出力抵抗
は5kΩとなっている。この結果、スイッチ1とスイッ
チ4の面積が約十分の一になり、チップ面積が10%程
度削減される。スイッチ1とスイッチ4の出力抵抗が高
すぎる場合には、補償パルスの歪が大きくなり、低すぎ
る場合にはチップ面積低減の効果が十分でない。これら
の出力抵抗は、1kΩ〜25kΩの範囲に設定すること
が望ましく、2kΩ〜10kΩの範囲に設定することが
さらに望ましい。より厳密には、補償電圧を出力するス
イッチの出力抵抗を、信号電圧を出力するスイッチの出
力抵抗の2〜50倍の範囲にすることが望ましく、4〜
20倍の範囲に設定することがさらに望ましい。
【0151】本実施形態においては、補償電圧レベルを
出力するスイッチの出力抵抗に応じて補償パルスの高さ
Vcと幅tcを調整することが望ましい。第1の実施形態
に示した式(数1)のAを用いると、信号電圧の出力抵
抗と補償電圧レベルの出力抵抗の比が5倍程度までの場
合には、Vcとtcの積を式(数6)の範囲に設定するこ
とが望ましく、式(数7)の範囲に設定することがさら
に望ましい。
【0152】
【数6】 0.032×A ≦ Vc×tc ≦ 0.72×A
【0153】
【数7】 0.072×A ≦ Vc×tc ≦ 0.40×A この場合、パルス幅tcは、第14の実施形態で説明す
る範囲に設定することが望ましい。
【0154】補償電圧レベルの出力抵抗が信号電圧レベ
ルの出力抵抗の10倍程度である場合には、Vcとtcの
積を上記の値の2倍程度にすることが望ましく、tcは
上記の範囲の2倍以上に設定することが望ましい。
【0155】補償電圧レベルの出力抵抗が信号電圧レベ
ルの出力抵抗の20倍以上の場合には、Vcとtcの積を
上記の値の3倍程度にすることが望ましく、tcは上記
の範囲の3倍以上に設定することが望ましい。
【0156】このICを信号側の駆動ICとして用い、
走査側には通常の走査用ICを用いてSTN型の液晶表
示装置を構成し、800×600ドットのカラー表示を
行ったところ、スイッチ1及び4の出力抵抗を500Ω
としたものと同等の、クロストークがほとんどなく非常
に良好な表示を行うことができた。尚、極性反転周期は
1フレーム周期に設定した。
【0157】本実施形態に示したような小面積で安価な
駆動ICを用いても、上記のように良好なクロストーク
補償効果を得ることができた。この結果、液晶パネルの
額縁部の面積を低減して液晶表示装置をよりコンパクト
にすることが可能になり、また、ICコストを低減して
より安価な液晶表示装置を提供することができる。
【0158】なお、第8の実施形態に示す駆動方法を用
いれば、図10の駆動ICにおいて、V1とV5を供給す
るバス配線201,204の抵抗を202,203に比
べて高く設定できるので、このライン幅を狭くしてチッ
プ面積を削減することも可能である。これは、先に説明
したスイッチ1および4の出力抵抗を大きくすることと
独立に実施することができる。
【0159】また、第8の実施形態に示す駆動方法を用
いれば、外部電源回路208においても、V1とV5の電
流容量をV2とV4より低く設定したり、V1とV5の配線
抵抗を他より高くすることもできる。この結果、外部電
源回路をコンパクト化したり、より安価に構成したりす
ることが可能になる。
【0160】(実施形態10)本発明の第10の実施形
態に係る駆動ICと駆動回路について説明する。本実施
形態は、信号電圧が同一レベルで連続する場合に実効値
を低減する補償パルスを重畳する駆動方法に、第9の実
施形態で説明した駆動ICと駆動回路を適用したもので
ある。
【0161】まず、図11に駆動波形を示す。同一信号
が連続する場合に、実効値電圧を低減する補償パルス1
25,126が駆動信号に重畳されている。駆動ICと
駆動回路の構成を示すブロック図は図10(第9の実施
形態)に示したものと同じであるが、図11の駆動波形
は図8の駆動波形とは異なり、V1とV5が信号電圧レベ
ル、V2とV4が補償電圧レベルとなっている。したがっ
て、出力波形を決める論理表が、本実施形態と第9の実
施形態の間で異なっている。表12に本実施形態で用い
る論理表を示す。
【0162】
【表12】
【0163】図11に示す駆動波形では、補償パルスを
thのどこに重畳しても、スイッチング幅の大きい電圧
変化はV1またはV5に向かって生じており、補償電圧レ
ベルへのスイッチングが大きな実効値電圧低下を招くこ
とはない。但し、補償パルスがthの後端付近に重畳さ
れる場合には、第8の実施形態で説明したように、補償
波形の歪とデータ電圧のスイッチング歪が干渉するの
で、補償パルスはthの後端からは離して印加するのが
望ましい。
【0164】本実施形態では、V2とV4が補償電圧レベ
ルであるので、スイッチ2とスイッチ3の出力抵抗を高
抵抗にすれば、第9の実施形態に示したものと同様の効
果を得ることができる。これらの出力抵抗については、
第9の実施形態に示した範囲に設定するのが望ましい。
また、V2とV4の電源の電流容量を小さくしたり、それ
につながる配線や駆動IC内のバス配線の抵抗を高くす
ることにより、表示装置のコンパクト化や低価格化を図
ることができる点も第9の実施形態と同じである。
【0165】補償パルスの幅tcが狭すぎると、補償パ
ルスの周波数成分が高くなりすぎてパネル内部で減衰
し、均一な補償ができなくなる。従来の方法のように補
償電圧レベルV2,V4を、データ信号レベルV1,V5、
あるいは走査電圧の非選択レベルV3に一致させると、
駆動ICから出力される電圧レベル数の増加はないが、
補償パルスの高さVcが高くなる。このため、補償パル
スの幅tcを狭くする必要が生じ、補償が不均一になる
場合が多い。一方、本実施形態の駆動ICおよび駆動回
路を用いれば、従来の方法に比べて駆動ICのチップ面
積をほとんど増加させることなく、補償電圧レベルV
2,V4を他の電圧レベルとは別に設定できる。従って、
補償パルスの高さVcが高すぎて幅tcが狭くなることが
なくなり、表示画面内で均一な補償特性を得ることがで
きる。
【0166】また、補償電圧レベルV2,V4を他の電圧
レベルとは別に設定して補償パルスの高さVcを低くす
ることにより、補償パルスのスイッチングによる消費電
力の増加がほとんどなくなるという効果も生じる。
【0167】(実施形態11)図12は本発明の第11
の実施形態に係る駆動方法による駆動波形を示してい
る。本実施形態は、第8の実施形態の方法を図1(第1
の実施形態)の波形に適用したものである。図12で
は、データ信号がオンからオフに切り替わるときに高さ
Vc、幅tcの補償パルス127,128を重畳している
が、重畳に際しては、まず本来の信号電圧レベルV2ま
たはV4が出力され、その後、補償パルスが重畳された
電圧レベルV1またはV5が出力されるようにしている。
【0168】本実施形態においても、第8の実施形態と
同様に、補償電圧レベルを出力するICの出力抵抗が高
い場合や、補償電圧レベルの外部電源の電流容量が小さ
い場合、さらに、それにつながる配線や駆動IC内のバ
ス配線の抵抗が高い場合にも、文字クロストークが解消
され、または低減される。本実施形態の方法を用いれ
ば、第1の実施形態で説明したように、信号側駆動IC
からの同時出力は3レベルでよいので、第8の実施形態
の駆動方法に比べて、さらに駆動ICや駆動回路の構成
を簡略化できる。
【0169】水平走査期間th内での補償パルスの重畳
位置は、第8の実施形態での説明と同様の範囲に設定す
るのが望ましい。本実施形態の方法においても、補償パ
ルスの高さVcと幅tcとは、補償電圧レベルを出力する
スイッチの出力抵抗に応じて変化させるのが好ましい
が、補償電圧パルスの数が第8の実施形態の半分になる
ので、補償パルスの高さVcと幅tcの積を第8の実施形
態に示した値の2倍に設定するのが望ましい。補償パル
ス幅tcについては、第14の実施形態で示す範囲に設
定するのが望ましい。
【0170】(実施形態12)本発明の第12の実施形
態として、図12の駆動波形を発生するための駆動IC
と駆動回路について説明する。駆動ICおよび駆動回路
の構成を示すブロック図は図3(第2の実施形態)に示
したものと同じであるが、本実施形態では補償電圧レベ
ルV1とV5に向かって電圧スイッチングが生じる場合に
は、必ずその電圧幅が小さくなっている。このため、第
8の実施形態と同様の原理により、補償電圧レベルを出
力するスイッチ2の出力抵抗を高くして、液晶表示装置
のコンパクト化や低価格化を図ることができる。本実施
形態に示す技術を用いることにより、第2の実施形態に
比べて、駆動ICのチップ面積を5〜10%削減するこ
とができる。スイッチ2の出力抵抗については、第9の
実施形態で示した範囲に設定するのが望ましい。
【0171】なお、V1とV5の電源の電流容量を小さく
したり、それにつながる配線や駆動IC内のバス配線の
抵抗を高くすることにより、表示装置のコンパクト化や
低価格化が図れることも、第9の実施形態と同じであ
る。
【0172】また、図3の構成に代えて、電圧反転回路
を駆動ICに内蔵させた図4の構成を用いても、同様の
効果を得ることができる。 (実施形態13)本発明の第13の実施形態に係る駆動
ICと駆動回路について説明する。本実施形態は、図6
(第5の実施形態)にブロック図を示す駆動ICと駆動
回路に第9又は第12の実施形態に示す技術を適用し
て、液晶表示装置のコンパクト化や低価格化を図ったも
のである。図6の駆動ICと駆動回路は、図5(第4の
実施形態)の駆動波形を発生するためのものであるが、
比較的大きな電圧幅のスイッチングは、必ず信号電圧レ
ベルV1またはV5に向かって行われており、補償電圧レ
ベルV2,V4へのスイッチングはその電圧幅が小さい。
【0173】従って、第9の実施形態と同様の原理によ
り、補償電圧レベルを出力するスイッチ2の出力抵抗を
高くして、液晶表示装置のコンパクト化や低価格化を図
ることができる。本実施形態に示す技術を用いることに
より、第5の実施形態に比べて、駆動ICのチップ面積
を5〜10%削減することができる。スイッチ2の出力
抵抗については、第9の実施形態で示した範囲に設定す
るのが望ましい。
【0174】なお、V2とV4の電源の電流容量を小さく
したり、それにつながる配線や駆動IC内のバス配線の
抵抗を高くして、装置のコンパクト化や低価格化が図れ
ることも、第9の実施形態と同じである。
【0175】また、図6の構成に代えて、電圧反転回路
を駆動ICに内蔵させた図7の構成を用いても、同様の
効果を得ることができる。 (実施形態14)図13に本発明の第14の実施形態で
ある液晶表示装置の駆動方法による駆動波形を示す。図
において101はデータ信号電圧であり、表示に応じて
V2またはV4の電圧レベルをとる。従来例の駆動波形と
同様に、データ信号電圧の極性が切り替わる場合に、高
さVc,幅tcの補償パルス131,132がデータ信号
に重畳されている。また、104はラッチパルスであ
り、thは1つのラインが走査される時間幅を示してい
る。
【0176】図14は上記の補償パルスの効果を示すも
のである。第1の実施形態で説明したのと同様に、外部
から印加されたデータ信号電圧101は液晶パネルのC
R回路により歪み、実際に画素に印加される電圧(画素
印加電圧)は133で示す波形となる。この場合、波形
の歪により実効値電圧の低下分134が生じるが、補償
パルス131,132の効果により本来の電圧値より高
い補償電圧部分135が発生し、この部分が実効値電圧
の低下分を補償するので、画素には本来の実効値電圧が
印加される。データ信号電圧の極性が変わらない場合に
は図13に示すように補償パルスは印加されないが、波
形の歪も発生しないので、画素には本来の実効値電圧が
印加されている。従って、表示データに関わらず画素に
は本来の実効値電圧が印加され、文字クロストークが大
幅に低減される。
【0177】しかしながら液晶パネルの内部では、電極
抵抗や画素容量により形成されたCR回路のため外部よ
り印加された電圧は徐々に減衰していく。図15はこれ
を説明するためのもので、V4からV2に切り替わる信号
電圧に補償パルスが重畳された場合を例にとっている。
外部から印加されたデータ信号電圧101に対し、デー
タ信号給電部に最も近い(給電側)画素に実際に印加さ
れる電圧波形は136で示すもので比較的歪は小さい。
一方、データ信号給電端から最も遠い(終端側)画素に
印加される電圧波形は137のように大きく歪んだもの
になる。歪量の大きい波形の立ち上がり部分を考える
と、終端側は給電側に比べて138に示す分だけ信号電
圧のロス成分が大きく、139に示す分だけ補償電圧が
小さい。このため、終端側はクロストーク補償量が相対
的に不足し、給電側はクロストーク補償量が相対的に過
剰となり、液晶パネルの全領域で良好なクロストーク補
償特性を得ることは困難である。
【0178】われわれの実験によれば、例えば、電極の
シート抵抗が7.5Ω/□で10.4型の640×48
0ドットで信号電極が上下に分割されていない単連駆動
型のカラーSTNパネルの場合、補償パルスの幅tcが
1μsec以上であれば実用上ほぼ満足できる表示が行
え、3μsec以上であれば均一性の良好な表示が行え
ることが判明した。実験及びシミュレーションによる検
討を重ねた結果、液晶パネルの条件が異なる場合には、
引き出し配線や接続部などの周辺部分を除いた液晶パネ
ル画素部分のCR時定数に応じてtcの値を定めれば良
いことが明らかになった。
【0179】液晶パネルの1画素当たりの信号電極の抵
抗をRpix、1画素あたりの容量をCpix、1本の信号線
上の画素数をnとすると、液晶パネルの画素部分のCR
時定数は、式(数8)で近似される。
【0180】
【数8】 Bin=(Rpix×n)×(Cpix×n)/2 補償パルスの幅tcを上式のBinの1.5倍以上にすれ
ば実用的にほぼ満足できる表示が行え、Binの4倍以上
にすれば均一性の良好な表示が行える。なお、液晶層の
容量は印加電圧によって変化するので、オン画素とオフ
画素の平均をとってCpixと考えればよい。
【0181】補償パルスの高さと時間幅の積についても
同様に検討を行った結果、上記に例示した液晶パネルの
場合、Vcとtcの積が0.2から5(V・μsec)の
間、さらに好ましくは0.5から3(V・μsec)の
間にあるパルスが良好な補償条件を示した。サイズや画
素数などが異なる液晶パネルの場合には、Vcとtcの積
もそれに応じて変化させる必要があるが、信号波形の歪
みは信号電極への負荷でほぼ定まるので、信号電圧切り
替わり時の電圧歪は、式(数9)に示すAにほぼ比例す
る。Vcとtcの積はこのAを用いて式(数10)の範囲
に設定するのが望ましく、式(数11)の範囲に設定す
るのがさらに望ましい。
【0182】
【数9】 A=(Rpix×n)×(Cpix×n)×(V2−V4)
【0183】
【数10】 0.04×A ≦ Vc×tc ≦ 0.9×A
【0184】
【数11】 0.09×A ≦ Vc×tc ≦ 0.5×A 本実施形態の駆動波形は図16にブロック図を示す駆動
ICおよび駆動回路により発生させることができる。図
16において、図3に示したブロック図と同じ構成要素
については同じ番号を付けて説明を省略する。図3との
違いは、外部電源がV1〜V5の5レベルになっている点
と、バス配線が201〜205の5本になっている点で
ある。図において、V2とV4はデータ信号電圧、V1と
V5は補償電圧であり、V3は走査電極における非選択電
圧である。V3は必要に応じて液晶層への印加電圧を0
とするために用いられるが、V3、これにつながるバス
配線203及びスイッチ3を省略して、図10にブロッ
ク図を示す駆動ICと駆動回路を用いても構わない。
【0185】駆動IC及び駆動回路の動作は、第2の実
施形態で説明したものとほぼ同じである。出力を決定す
る論理表は第9の実施形態に示した表11のものを用い
ることができ、この論理表に基づいて各出力ラインごと
に出力tが決定される。
【0186】この決定に従って、スイッチ制御回路はス
イッチ組206のオン・オフを制御する。ICの出力端
子数は例えば240本である。極性信号Mや補償パルス
幅制御信号Pwの働きも第2の実施形態での説明と同様
である。
【0187】本実施形態では補償パルス131,132
は波形電圧が切り替わると同時にその先頭部に重畳され
ているものとして説明を行ったが、補償パルスの位置は
thの期間内であればどこに位置しても、上記に説明し
た範囲にtcやVcを設定すれば同様の効果を得ることが
できる。
【0188】また、本実施形態での説明のうち補償パル
スの幅tcの好ましい範囲に関する部分は、矩形波パル
スの重畳によりクロストーク補償を行うすべての駆動波
形に対して有効である。例えば上記に説明した第1の実
施形態(図1)、第4の実施形態(図5)、第7の実施
形態(図19)、第8の実施形態(図8)、第10の実
施形態(図11)、及び第11の実施形態(図12)で
説明した駆動波形に対して、補償パルスの幅を式(数
8)に示したBinの1.5倍以上にすれば実用的にほぼ
満足できる表示が行え、Binの4倍以上にすれば均一性
の良好な表示が行える。
【0189】(実施形態15)図17に、本発明の第1
5の実施形態である液晶表示装置の駆動方法による駆動
波形を示す。第14の実施形態の方法では矩形波状の補
償パルスをデータ信号に重畳したが、本実施形態の方法
では正弦波状の補償パルス141,142をデータ信号
に重畳している。
【0190】本実施形態の方法でも、データ信号の歪に
よる画素電圧の実効値低下分が補償パルス141,14
2により補償され、画素に本来の実効値電圧が印加され
ることは第14の実施形態と同じである。本実施形態の
方法は、補償パルスが正弦波状であるため補償パルスが
含む周波数成分が矩形波状の補償パルスに比べて低く、
補償パルス自体が液晶パネルの中で歪んだり減衰したり
しにくいので、パネルの大型化や液晶の高速応答化のた
めの狭ギャップ化に伴いパネルのCR時定数が大きい場
合にも、パネル内の補償量が均一であるといった利点を
有する。
【0191】画面対角のサイズが35cmを越える14
型程度又はそれ以上の大きさの液晶表示装置を走査側・
信号側ともに片側からの給電で駆動する場合は、図13
に示した矩形波状の補償パルスで画面全体に良好な補償
を行うにはかなりの困難が伴うが、本実施形態の方法の
ように、正弦波状の補償パルスを用いた場合は均一で非
常に良好な補償を容易に行うことができた。
【0192】図17では、正弦波状の補償パルスを重畳
する時間幅tcが水平走査期間thにほぼ等しくなってい
るが、これに限定されるものではない。正弦波を重畳す
る時間幅tcは補償パルスの周波数成分を低下させる意
味からは広い方が好ましいが、式(数8)に示したBin
の1.5倍以上の時間幅であれば実用上大きな問題はな
く、Binの4倍以上の時間幅であれば望ましい。これが
Binの8倍以上の時間幅であれば一層望ましい。
【0193】一方、重畳する補償パルスの時間幅を水平
走査期間thより狭くした場合は、V2の側とV4の側に
重畳する補償電圧の位置をずらしたり、正弦波状の補償
パルスの振幅を比較的大きくしたりできるので、IC回
路や外部回路の設計の自由度が増したり電圧の精度が比
較的粗くてよいといった利点がある。
【0194】補償パルスの振幅と時間幅は、液晶パネル
のサイズ、電極抵抗や電気容量によって異なるが、例え
ば、電極のシート抵抗が7.5Ω/□で10.4型の6
40×480ドット、そして信号電極が上下に分割され
ていない単連駆動型のカラーSTNパネルの場合、図1
7に示すVcとtcの積が0.2〜5V・μsec、好ま
しくは0.5〜3V・μsec範囲内にあるときに良好
な補償を示した。
【0195】液晶パネルの条件が上記と異なる場合に、
Vcとtcの積もそれに応じて変化させる条件について
は、第14の実施形態で説明したように、式(数9〜1
1)に従って決めればよい。Vcとtcの積が等しい場
合、正弦波は矩形波より外部から与えられる補償電圧量
は少ないが、正弦波は矩形波に比べて波形歪が生じにく
いので、画素に印加される補償電圧量はほぼ同等にな
る。
【0196】本実施形態の駆動波形は、第14の実施形
態で説明した図16(あるいは図10)の駆動ICと駆
動回路を用いて、補償電圧レベルV1とV5を所定の電圧
波形とすることにより発生させることができる。
【0197】なお、本実施形態では重畳する補償パルス
の波形を正弦波状としたが、これに代えて、例えば三角
波や円弧状の波形を用いることもできる。要は、含まれ
る周波数成分が矩形波に比べて低い波形であればよい。
【0198】また、本実施形態ではデータ信号の極性が
反転した場合に実効値を増加させる補償パルスを重畳す
るものとして説明を行った。これに代えて、図18に示
すように、データ信号の極性反転がない場合に実効値を
減少させる補償パルス143,144を重畳する場合に
も、周波数成分が矩形波に比べて低い波形を重畳するこ
とにより、同様に均一性の良好な補償を容易に行うこと
ができる。
【0199】(実施形態16)図20は本発明の第16
の実施形態に係る液晶表示装置の駆動方法による駆動波
形を示している。本実施形態の方法は、第7の実施形態
の駆動方法において正弦波状の補償パルス145,14
6を印加するようにしたものである。
【0200】本実施形態においても、水平走査期間th
の前半にはV2に補償パルス145が重畳され、水平走
査期間thの後半にはV4に補償パルス146が重畳され
ており、複数の信号電極を考えた場合でも2つの補償パ
ルスが同時に出力されることはない。従って、駆動IC
から同時に出力される電圧レベル数が3つで済み、駆動
ICや駆動回路の構成を簡略化できるという利点や、正
負の補償パルスの補償量調整が容易になるという利点の
あることは、第7の実施形態と同様である。
【0201】本実施形態の駆動方法は、補償パルスが正
弦波状であるため補償パルスが含む周波数成分が矩形波
状の補償パルスに比べて低い。このため、第15の実施
形態で説明したのと同様に、パネルの大型化や狭ギャッ
プ化に伴いパネルのCR時定数が大きい場合にも、パネ
ル内の補償量が均一であるといった利点を有する。この
特長により、例えば、画面対角のサイズが35cmを越
える14型程度又はそれ以上の大きさの液晶表示装置に
おいても、電極抵抗の大幅な低抵抗化などによりCR時
定数を大幅に低下させなくても、非常に良好な表示を容
易に行うことができる。
【0202】補償パルスの高さVcと幅tcについては、
第15の実施形態で説明したのと同様にこれらを設定す
ればよい。なお、本実施形態では重畳する補償パルスの
波形を正弦波状としたが、これに代えて、例えば三角波
や円弧状の波形を用いることもできる。要は、含まれる
周波数成分が矩形波に比べて低い波形であればよい。
【0203】なお、本実施形態ではデータ信号の極性が
反転した場合に実効値を増加させる補償パルスを重畳す
る場合について説明を行ったが、データ信号の極性反転
がない場合に実効値を減少させる補償パルスを重畳する
駆動方法に本実施形態の方法を適用し、例えば図21に
示す電圧波形で液晶表示装置を駆動しても同様の効果が
発揮される。
【0204】本実施形態では第7の実施形態に基づいて
水平走査期間内で正負の補償パルスの位置を異ならせる
場合についてて説明を行ったが、第1あるいは第4の実
施形態に基づいて補償パルスの印加されるデータ条件を
限定する駆動方法に本実施形態の方法を適用することも
できる。このようにしても、複数の信号電極を考えた場
合でも2つの補償パルスが同時に出力されることはない
ので本実施形態と同様の効果が発揮される。
【0205】(実施形態17)図22は本発明の液晶表
示装置の駆動ICおよび駆動回路の構成を示すブロック
図である。本実施形態は図20の波形を発生するための
ものである。図において、図16(第14の実施形態)
と同じ構成要素には同一の番号を付けて説明を省略す
る。図16との違いは外部電源回路208にある。図2
2の電源回路においては、正弦波を発生する信号源と半
波整流回路を用いることにより、V1を直流電圧V2の上
に半波が重畳した電圧波形とし、V5を直流電圧V4から
半波が差し引かれた形の波形としている。図23はこれ
らの波形を示したものである。図に示すようにV1とV5
の波形は半波が重畳される位置がラッチパルスLPに対し
て位相が180°ずれており、液晶パネルへの出力波形は
図20に示すように、出力がV2からV4に切り替わった
場合にはthの後半部分に、V4からV2に切り替わった
場合にはthの前半部分に実効値補償のための半波が重
畳される。
【0206】スイッチ制御部の動作も第14の実施形態
で説明したものと同様であり、第14の実施形態と同じ
く表11に示す論理表に基づいて各出力ラインの出力信
号が決定される。
【0207】本実施形態においては、Pwを用いてV1や
V5の電圧に含まれる半波の一部が出力されないように
することにより両者の補償特性の微調整を行うことがで
きる。図24はその一例を説明するもので、151はI
Cからの出力波形、152はPw信号、153はラッチ
パルスを示している。Pw信号はthの先頭部の期間t1
と最終部の期間t2の間はロー状態で、他の期間はハイ
状態となっている。V1が出力される論理条件において
Pwをロー状態にすると出力はV2となるので、図24に
おいて出力波形が立ち上がる場合には、半波の開始部分
で期間t1だけV2を出力した後、Pwがハイ状態に切り
換わって補償電圧V1が出力される。この結果、半波の
開始部分がt2だけ削られる。期間t2については、もと
もとV1はV2に等しい電圧レベルをとるので、Pwをロ
ー状態にしたことの影響はない。一方、出力波形が立ち
下がる場合も同様に考えて、期間t2の間は出力がV5か
らV4に切り替わるので、半波の後部が期間t2だけ削ら
れる。期間t1については、もともとV5はV4に等しい
電圧レベルをとるので、Pwをローにしたことの影響は
ない。なお、半波を削るのはV1またはV5のいずれか一
方のみでもかまわないし、削る位置も半波の前後端に限
られるものではない。
【0208】このICを信号側の駆動ICとして用い、
走査側には通常の走査用ICを用いてSTN型の液晶表
示装置を構成し、800×600ドットのカラー表示を
行ったところ、クロストークがほとんどなく非常に良好
な表示を行うことができた。尚、極性反転周期は1垂直
走査期間に設定した。
【0209】なお、図22において半波整流回路と逆相
半波整流回路を入れ替えた構成にすれば、表13の論理
表に基づいて、図21に示す波形を発生することができ
る。
【0210】
【表13】
【0211】また、これらの回路を他の信号発生回路で
置き換えれば、他の波形で補償パルスを構成したり、第
15の実施形態の波形を得たりすることができる。例え
ば、半波整流回路を三角波発生回路に置き換えれば、正
弦波の代わりに三角波で補償電圧を構成することができ
る。
【0212】また、図22において、V3は走査電圧の
非選択電位をとるが、通常の駆動時にはこれは出力され
ることはない。したがって、V3およびこれに接続され
るバス配線203とスイッチ3は省略することができ
る。
【0213】(実施形態18)図25および図26にブ
ロック図を示す駆動ICおよび駆動回路は、バス配線2
02を2つの補償電圧レベルで共有した構成で、図20
の駆動波形を発生させたものである。
【0214】本実施形態の駆動ICおよび駆動回路では
バス配線202に、水平走査期間thの前半はV1が供給
され、水平走査期間thの後半はV5が供給されるよう
に、図25では駆動IC外部のスイッチを切り替え、図
26では駆動IC内部の電圧反転回路によって電圧レベ
ルを反転させる。さらに、水平走査期間の前半と後半で
別々に論理表を構成して、信号電圧がV4からV2に変化
した場合には水平走査期間thの前半に、信号電圧がV2
からV4に変化した場合には水平走査期間thの後半にバ
ス配線202上の電圧がスイッチ組206から出力され
るようにする。
【0215】本実施形態に示す駆動ICと駆動方法を用
いることにより、第2あるいは第3の実施形態と同様
に、駆動IC内のバス配線の本数が3本で、1出力当た
りのスイッチ数が3つであっても、良好なクロストーク
補償効果を得ることができた。したがって、従来の駆動
ICに比べて、ICのチップ面積が10〜20%程度削
減でき、液晶パネルの額縁部(表示画面の周辺部)の面
積の低減により液晶表示装置の小型化が可能になると共
に、IC価格の低減により安価な液晶表示装置を得るこ
とができる。また、補償パルスを正弦波状としているの
で、第17の実施形態での説明と同様に、画面の大きい
液晶表示装置においても均一な表示を行うことができ
た。
【0216】なお、図25や図26において半波整流回
路と逆相半波整流回路を入れ替えた構成にして、論理表
を若干変更すれば、図21に示す波形を発生することが
できる。また、これらを他の信号発生回路で置き換えれ
てもよく、例えば、半波整流回路を三角波発生回路に置
き換えれば、正弦波の代わりに三角波で補償電圧を構成
することができる。
【0217】(実施形態19)図42は本発明の第19
の実施形態に係る液晶表示装置の駆動方法における駆動
波形を示しているる。本実施形態では、第15の実施形
態の方法をさらに改良し、データ信号波形が負から正
へ、又は正から負へと切り替わる場合、波形の立ち上が
り又は立ち下がり部分の傾きを少しなだらかにして、信
号電極側の駆動波形の周波数成分をさらに低下させてい
る。
【0218】本実施形態でも、補償パルスが重畳された
データ信号波形401の立ち上がり又は立ち下がりにお
いて、波形の傾斜のため実効値が低くなっており、また
若干の波形歪も発生するので、画素印加電圧の実効値が
失われたりするが、信号波形401に電圧V2又はV4よ
り絶対値が大きい部分が存在するので、この部分が実効
値電圧の低下を補償する。その結果、最終的に画素に印
加される実効値電圧は駆動電圧の切り替わりのない部分
と等しい値に補正される。
【0219】本実施形態ではデータ信号波形の立ち上が
り又は立ち下がり部分の傾きが第15の実施形態に比べ
てなだらかであるので、補償パルスだけでなくデータ信
号電圧の本体部分も液晶パネルの中で歪んだり減衰した
りしにくい。従って、パネルの大型化、又は高速化のた
めの狭ギャップ化によってパネルのCR時定数が大きく
なった場合もパネル内の各画素に供給される電圧にむら
がなく、より均一な表示を行うことができる。例えば、
本実施形態の駆動波形を用いて画面対角のサイズが35
cmを越える14型程度またはそれ以上の大きさの液晶
表示装置を駆動したとき、走査側・信号側ともに片側か
ら給電した場合でも十分に均一性の良好な表示を行うこ
とができた。
【0220】なお、補償パルスの電圧Vc及び幅tcは、
信号波形の切り替わり部分の傾きに応じて既述の実施形
態で示した範囲より大きくする必要がある。 (実施形態20)次に、本発明の第20の実施形態に係
る液晶表示装置の駆動方法を説明する。図27は、本実
施形態における液晶表示装置の構成を示すブロック図で
ある。図において、301は液晶パネルであり、マトリ
ックスを形成した複数の走査電極302(X1,X2,X
3,………,Xn)と、複数の信号電極303(Y1,Y
2,Y3,………,Yn)と、この間に挟持された液晶層
(図示せず)により構成されている。また、305は走
査側の駆動回路、306は信号側の駆動回路で、それぞ
れ走査電極302と信号電極303に接続されている。
307は走査側の駆動回路と信号側の駆動回路を制御す
るための制御回路である。
【0221】走査側駆動回路305には制御回路307
から、水平同期信号LP、走査開始信号FRM、および交流
化信号(極性信号)Mが入力されている。信号側の駆動
回路306には、表示データ、データシフトクロックCL
K、データラッチパルス(水平同期信号と同じ)LP、お
よび交流化信号Mが入力されている。上記の実施形態で
説明したように、信号側駆動回路からは補償パルスがデ
ータ信号電圧に重畳されてクロストーク補償を行うが、
CL信号はこの補償パルスの幅や高さを制御するための制
御パルス(補償パルス制御信号)である。
【0222】308は液晶パネルを駆動するための所定
の電圧を発生する駆動用電源回路である。ここで発生さ
れた電圧のうち、正負の走査電圧V+,V-、および非選
択電位VMは走査側の駆動回路305に供給される。ま
た、表示データのオン・オフに対応したデータ信号電圧
VHとVL、および、補償電圧であるVHCとVLCは信号側
の駆動回路305に供給される。
【0223】図28は、前記制御回路のうち補償パルス
制御信号を発生する部分を示すブロック図である。ここ
で、311と312はそれぞれ外部クロックOSCをカウ
ントするカウント回路である。313はJKフリップフ
ロップ(以下JKFFと呼ぶ)であり、そのセット入力
にはカウント回路311の出力が、リセット入力にはカ
ウント回路312の出力がそれぞれ接続されている。ま
た、JKFFのクリア端子にはラッチパルスLPが、クロ
ック端子には外部クロックOSCがそれぞれ接続されてい
る。
【0224】カウント回路311には、ラッチパルスLP
の立ち上がり又は立ち下がりから補償パルス制御信号が
ハイレベルになるまでの時間をカウントするCLS設定端
子が、カウント回路312には補償パルス制御信号のパ
ルス幅を決定するCLW設定端子が接続されている。ま
た、カウント回路311およびカウント回路312のク
ロック端子には外部クロックOSCが、リセット入力には
ラッチパルスLPがそれぞれ接続されている。
【0225】次に、図29を用いて図28にブロック図
を示した回路の動作を説明する。図29は本実施形態の
補償パルス制御信号のタイミングチャートを示したもの
である。
【0226】ここでラッチパルスLPは1つの水平走査期
間ごとに発生されるパルスであり、例えば1/300デ
ューティーのSTN型液晶表示装置では1画面あたり3
00本のラッチパルスが発生される。OSCは外部から入
力されるクロックであり、例えば数MHz程度の発振子
から構成される。CLは図27の制御回路307から出力
される補償パルス制御信号である。SEG波形は信号側駆
動回路から液晶パネルに供給される電圧(データ信号電
圧)であり、COM波形は走査側駆動回路から液晶パネル
に供給される電圧(走査電圧)である。液晶パネルの各
画素は信号電極と走査電極の交点で形成されているの
で、SEG波形とCOM波形の差に相当する電圧が画素に印加
される電圧となる。
【0227】ラッチパルスLPの立ち下がり(あるいは立
ち上がり)に同期して、カウント回路311は外部クロ
ックOSCのカウントを開始する。外部クロックが順次カ
ウントされ、このカウント値がCLS設定端子によりセッ
トされた値に達した時、JKFF313にセット入力信
号が入り、補償パルス制御信号がハイレベルになる。こ
れと同時に、カウント回路312が外部クロックOSCの
カウントを開始する。カウント回路312のカウント値
がCLW設定端子によりセットされた値に達した時、JK
FF313にリセット入力信号が入り、補償パルス制御
信号がローレベルになる。この結果、JKFF313の
出力はCLS設定端子とCLWによって設定された期間のみ補
償パルス制御信号CLがハイレベルとなる。
【0228】信号側駆動回路306は、例えば前記の実
施形態で説明した論理表により、連続する2水平走査期
間の表示データが所定の条件となる場合に、補償パルス
制御信号CLがハイレベルの期間のみ補償パルスを出力す
る。図29においては、CLがハイレベルにある期間のみ
SEG波形がVHCまたはVLCとなっている。
【0229】このように本実施形態の駆動方法では、外
部から供給されるクロック、このクロックをカウントす
る2つのカウント回路、この2つのカウント回路からの
信号を入力信号とするJKFFを用いることにより、液
晶パネルに印加する補償パルスの出現位置とパルス幅を
可変なものにする補償パルス制御信号を容易に作成する
ことができる。これにより、静電容量や電極抵抗などの
材料特性、あるいは駆動デューティーなどが異なる液晶
パネルに対しても、補償パルスの実効値を容易に最適設
定することができ、効果的にクロストークが解消され、
あるいは低減される。
【0230】また、カウントのためのクロックとして外
部で設定されたクロックを用いることにより、データシ
フトクロックCLKをカウントのために用いる場合と比較
して、VGAチップの違いや、液晶パネルを駆動するフ
レーム周波数の設定値などの条件変化により補償特性が
影響されることがなくなり、液晶パネルを接続する機器
の条件によらず最適なクロストーク補償が常に行えると
いう利点もある。
【0231】なお、補償パルス制御信号を発生する回路
には、2つのカウント回路とJKFFを用いた例を示し
たが、補償パルス制御信号の発生回路はこれだけにはよ
らず、外部供給されたクロックにより補償パルス制御信
号CLの発生位置と幅を可変できる回路であれば、同様の
効果が得られることは言うまでもない。また、補償パル
スの発生位置と幅のいずれか一方が可変であれば、多く
の場合に上記に説明した効果を得ることができ、特にパ
ルス幅が可変であれば、ほとんどの液晶表示装置で上記
に説明した効果を得ることができる。
【0232】本実施形態ではデータ信号の極性が反転し
た場合に実効値を増加させる矩形波の補償パルスを重畳
する場合について説明を行ったが、上記のすべての実施
形態の駆動方法に対して本実施形態の方法は適用でき
る。例えば、補償パルスを正弦波状とした駆動方法や、
データ信号の極性反転がない場合に実効値を減少させる
補償パルスを重畳する駆動方法に対して本実施形態の方
法を適用しても同様の効果を得ることができる。
【0233】(実施形態21)図30は、本発明の第2
1の実施形態になる液晶表示装置における駆動用電源回
路の内部構成を示す回路図である。ここで、R1,R2は
液晶駆動用のバイアス回路を構成するバイアス抵抗であ
り、この抵抗の比が液晶駆動電圧のバイアス比(走査電
圧と信号電圧の比)を決めている。また、RHとRLはそ
れぞれ、信号電圧に重畳する補償電圧VHCとVLCを作り
出す可変抵抗であり、バイアス抵抗に直列に接続されて
いる。
【0234】ここで、液晶駆動電圧の発生方法について
簡単に説明する。例えば、電源として20〜30ボルト
程度の電圧を電源入力端子321に加え、抵抗R1,R
H,R2,RLによりこれを分圧する。RHとR2の間の電
位からは、走査電圧と信号電圧の非選択レベルVMがバ
ッファ322を介して得られる。R2とRLの間の電位か
らは信号電圧のマイナス側のレベルVLがバッファ32
3を介して得られる。オペアンプ回路324により、V
L電圧はVM電圧を基準として反転され、もう一方の信号
電圧VHが得られる。補償電圧VHCの電位は抵抗RHの上
側の電位、補償電圧VLCの電位は抵抗RLの下側の電位
から、それぞれバッファ325,326を介して出力さ
れる。
【0235】ここで、RHおよびRLを可変抵抗としたこ
との効果により、2つの補償電圧レベルを独立して変化
させることができるので、良好な表示が行える。即ち、
この抵抗値を調整すれば、補償パルスの高さを変えてク
ロストークが最小となるようにしたり、正負の補償量の
バランスを調整して直流成分を除去してフリッカを解消
したりすることができる。なお、RHとRLのいずれか一
方が可変であれば、フリッカをほぼ完全に除去すること
ができ、完全ではないがクロストーク調整も行える。
【0236】また、RHおよびRLは前記バイアス回路と
直列に接続されているので、例えば、パーソナルコンピ
ュータなどの機器に接続して液晶表示装置を使用すると
きにコントラスト調整のために電源電圧を調整して液晶
駆動電圧が変化した場合にも、これに連動して補償電圧
のレベルも変化するのでクロストーク補償を効果的に行
うことができる。また、液晶表示装置機器の製造時や機
器との接続時に表示特性の調整のためにR1を取り替え
てバイアス比を変更した場合でも、補償電圧のレベルは
VHやVLを基準として変化するので、良好なクロストー
ク補償条件が保たれる。
【0237】以上述べたように、本実施形態によれば、
クロストーク補償電圧を、走査電圧レベルと信号電圧レ
ベルの抵抗分割によって作製し、2つの補償抵抗のうち
少なくとも一方を可変抵抗とすることにより、最適なク
ロストーク補償が可能になる。
【0238】また、本実施形態の駆動回路を用いれば、
補償電圧のレベルが液晶駆動電圧やバイアス比の変化に
連動するので、駆動条件の変化に関わらず常に最適な補
償条件を得ることができる。
【0239】本実施形態ではデータ信号の極性が反転し
た場合に実効値を増加させる補償パルスを重畳する場合
について説明を行ったが、データ信号の極性反転がない
場合に実効値を減少させる補償パルスを重畳する駆動方
法に対して本実施形態の方法を適用しても同様の効果を
得ることができる。
【0240】(実施形態22)図31は、本発明の第2
2の実施形態になる液晶表示装置における駆動用電源回
路の内部構成を示す回路図である。
【0241】本実施形態の駆動回路は、補償電圧レベル
を決定するための可変抵抗がRHL1つである点が第21
の実施形態と異なっている。RHLは、第21の実施形態
と同様、バイアス回路に直列接続されている。
【0242】この回路における液晶駆動電圧の発生方法
について簡単に説明する。例えば、電源として20〜3
0ボルトの電圧を電源入力端子331に加え、抵抗R
1,R2,RHLによりこれを分圧する。R1とR2の間の電
位からは、走査電圧と信号電圧の非選択レベルVMがバ
ッファ332を介して得られる。この電位からR2によ
って電圧降下した電位からは、信号電圧のマイナス側の
レベルVLがバッファ333を介して得られる。RHLに
よってさらに電圧降下した電位からはマイナス側の補償
電圧レベルVLCがバッファ334を介して得られる。
【0243】残りの2つの電圧レベルはオペアンプ回路
によって作成される。即ち、オペアンプ回路335によ
り、VL電圧はVM電圧を基準として反転され、もう一方
の信号電圧VHが得られる。同様に、オペアンプ回路3
36により、VLC電圧はVM電圧を基準として反転さ
れ、プラス側の補償電圧VHCが得られる。
【0244】ここで、RHLを可変抵抗としたことの効果
により、2つの補償電圧レベルVHCとVLCを変化させる
ことができ、良好な表示が行える。即ち、この抵抗値を
調整すれば、補償パルスの高さを変えてクロストークが
最小となるようにすることができる。
【0245】本実施形態の場合には、2つの補償電圧レ
ベルVHCとVLCは連動して変化する。このため、正負の
補償量のバランスが調整済である場合には、補償パルス
の高さを調整するためにRHLを変えた場合にも正負の補
償量のバランスが崩れないという利点がある。正負の補
償量のバランスは、オペアンプ回路336の抵抗値をあ
らかじめ調整しておけば所望のものにすることができ
る。
【0246】また、RHLがバイアス回路と直列に接続さ
れているので、電源電圧を調整したり、バイアス比を変
更した場合にも、良好なクロストーク補償条件が保たれ
ることは第21の実施形態と同様である。
【0247】以上述べたように、本実施形態によれば、
クロストーク補償電圧を、走査電圧レベルと信号電圧レ
ベルから1つの分割抵抗によって作製し、この分割抵抗
を可変抵抗とすることにより、最適なクロストーク補償
が可能になる。
【0248】また、本実施形態の駆動回路を用いれば、
補償電圧のレベルが液晶駆動電圧やバイアス比の変化に
連動するので、駆動条件の変化に関わらず常に最適な補
償条件を得ることができる。
【0249】本実施形態ではデータ信号の極性が反転し
た場合に実効値を増加させる補償パルスを重畳する場合
について説明を行ったが、データ信号の極性反転がない
場合に実効値を減少させる補償パルスを重畳する駆動方
法に対して本実施形態の方法を適用しても同様の効果を
得ることができる。
【0250】(実施形態23)次に、本発明の第23の
実施形態について図面を参照しながら説明する。本実施
形態は、第20の実施形態で説明した方法において、補
償パルス制御信号にオフセットを加算することにより、
液晶パネル内の位置に対応して補償パルス幅を変化させ
て、より均一な表示を行うようにしたものである。
【0251】図32は、本実施形態の補償パルス制御信
号の発生部分を示すブロック図である。これは、第20
の実施形態で説明した制御回路(図27の307)の中
にある、補償パルス制御信号の発生部分に対応する。図
において、図28と同じ構成要素には同じ番号を付けて
説明を省略する。
【0252】本実施形態においてもCLSカウント回路3
11、CLWカウント回路312、およびJKFF313
の動作は第20の実施形態と同様である。本実施形態で
はJKFF313の出力信号(第20の実施形態におけ
る補償パルス制御信号)は、オフセット加算回路342
に送出される。
【0253】一方、CLKカウント回路341は、ラッチ
パルスの立ち下がり(または立ち上がり)からデータシ
フトクロックの数をカウントする。CLKカウント回路か
らは、このカウント数に応じた信号が出力されており、
オフセット加算回路のもう一方の入力となっている。
【0254】オフセット加算回路342は、これら2つ
の信号により補償パルス制御信号の幅を変化させる。図
33は信号側駆動回路の各部における補償パルス制御信
号の波形を示したものであり、オフセット加算回路の効
果により、走査側駆動回路から見た給電端(a)、中央
部(b)、終端部(c)の順に徐々にパルスの幅が広く
なっている。これに対応して、信号側駆動回路から出力
される補償パルスの幅も、走査側駆動回路の給電部から
終端部に向けて徐々に広くなる。
【0255】尚、オフセット加算回路の入力を反転させ
て減算を行うことにより、走査側駆動回路の給電部から
終端部に向かって徐々に補償パルスを狭くすることがで
きる。
【0256】上記の説明では、オフセット加算回路を制
御回路の中に入れるものとしたが、以下に説明するよう
に、これを信号側駆動回路に入れる方が簡便に上記のパ
ルス幅制御を行うことができる。実際のオフセット加算
回路は、例えば遅延回路のようなもので形成され、図3
4に示すように信号側駆動回路306の中に挿入され、
それぞれの信号電極に印加される補償パルスの幅を変化
させる。例えば、信号側駆動回路に配置された駆動IC
ごとに補償パルス制御信号の幅を変えれば、簡便に補償
パルス幅を変化させることができる。図では、給電端と
中央部の間、および中央部と終端部の間の2カ所にオフ
セット加算回路が挿入された例を示している。
【0257】データ信号に重畳される補償パルスの幅
を、走査側駆動回路の給電端からの位置に応じて変化さ
せることの効果は、以下に示すようなものである。即
ち、液晶パネルにおいては、走査電極の抵抗と画素の静
電容量により形成されるCR回路のため、走査電圧はそ
の給電端から終端部に向かって減衰する。各画素への印
加電圧は、走査電極の電位と信号電極の電位の差である
ので、データ電圧の歪やデータ電圧に重畳した補償パル
スが等しい場合でも、走査電極上の位置によってクロス
トーク量は異なったものになる。図35に示すように、
液晶パネル343のある領域に1ドットごとに白黒が反
転する市松パターンを表示し、(a),(b),(c)
から供給する補償パルスの幅を徐々に増加してクロスト
ークが解消する(クロストークが生じる部位の輝度が背
景部と等しくなる)ための補償パルスの幅を求める実験
を行った。その結果、ちょうどクロストークが解消され
る補償パルスの幅は走査電圧の給電端から離れるにした
がって、(a),(b),(c)の順に小さくなった。
図36は、補償電圧の実効値を縦軸にとってこの結果を
まとめたものである。補償パルスの幅を一定にした場合
には上記の理由により全画面にわたって良好なクロスト
ーク補償を行うことが困難であるが、本実施形態の駆動
方法では、走査側駆動回路の給電端から離れるにしたが
って補償パルスの幅を狭めているので、各部分において
最適なクロストーク補償ができ、全画面にわたって良好
なクロストーク補償を行うことができて、表示の均一性
が向上する。
【0258】以上の説明では、補償パルスの幅を変化さ
せることにより走査側駆動回路からの距離による補償特
性差を解消したが、これは補償パルスの高さを変化させ
ても同様の効果を得ることができる。補償パルスの高さ
を変化させるには、例えば、オフセット加算回路の代わ
りに電圧レベルシフト回路を用い、そのシフト量をCLK
カウント回路の出力で制御すればよい。
【0259】なお、第14の実施形態や、第15の実施
形態で説明した正弦波を用いる駆動方法は、信号電極に
沿った縦方向の均一性を改善するものであったが、本実
施形態は走査電極に沿った横方向の均一性を改善するも
のである。したがって、この両者を併用すれば、さらに
均一性を改善することができる。
【0260】本実施形態ではデータ信号の極性が反転し
た場合に実効値を増加させる矩形波の補償パルスを重畳
する場合について説明を行ったが、上記のすべての実施
形態の駆動方法に対して本実施形態の方法は適用でき
る。例えば、補償パルスを正弦波状とした駆動方法や、
データ信号の極性反転がない場合に実効値を減少させる
補償パルスを重畳する駆動方法に対して本実施形態の方
法を適用しても同様の効果を得ることができる。
【0261】(実施形態24)次に、本発明の第24の
実施形態について図面を参照しながら説明する。本実施
形態の駆動回路は、第20の実施形態の駆動方法におい
て、隣接する2本の走査線上のオン・オフ画素の数によ
り補償パルスの幅を変えることにより、表示パターンに
応じた補償を行って表示の均一性を改善するものであ
る。
【0262】図37は、本実施形態の補償パルス制御信
号の発生部分を示すブロック図である。これは、第20
の実施形態で説明した制御回路(図27の307)の中
の補償パルス制御信号の発生部分に対応する。図におい
て、図28や図32と同じ構成要素には同じ番号を付け
て説明を省略する。
【0263】本実施形態においてもCLSカウント回路3
11、CLWカウント回路312、およびJKFF313
の動作は第20の実施形態と同様である。JKFF31
3の出力信号(第20の実施形態における補償パルス制
御信号)は、オフセット加算回路に送出される。
【0264】図において、351はデコーダ回路であ
り、例えば、データシフトクロックにより8ビットでパ
ラレルに送られてくるデータをデコードし、そのデータ
信号におけるオフ画素(又はオン画素)の数を出力す
る。352はアキュムレータ回路であり、デコーダ回路
より出力されたオフ画素(又はオン画素)の数を、ラッ
チパルスLPによりクリアされるまで累積加算し、ある走
査線上のオフ画素(又はオン画素)の数を算出する。
【0265】353と354はレジスタであり、アキュ
ムレータ352の出力が1段目のレジスタ353の入力
信号になり、1段目のレジスタ353の出力が2段目の
レジスタ354の入力信号となっている。ラッチパルス
LPにより各データは次のレジスタに向かって送出され
る。この結果、1段目のレジスタにはある走査線(n本
目の走査線)上のオフ画素(又はオン画素)の数が、2
段目のレジスタには1つ前に走査された走査線(n−1
本目の走査線)上のオフ画素(又はオン画素)の数が格
納される。この2つのレジスタに格納されているデータ
から、減算回路355により隣接2走査線上のオフ画素
数(又はオン画素数)の差が演算され、オフセット加算
回路342に向けて出力される。オフセット加算回路で
は、このオン画素数の差により補償パルス制御信号の幅
を変化させ、これに応じて信号電圧に重畳される補償パ
ルスの幅が変化する。
【0266】本実施形態においても、第23の実施形態
と同様に、オフセット加算回路を信号側駆動回路の中に
配置すれば、簡便な構成で以下の効果を得ることができ
る。以下、補償パルスの幅を表示に応じて変化させるこ
との効果を説明する。図38は、これを説明するための
ものである。図の右側には、液晶パネル366を示して
いる。361〜363は走査電極、364,365は信
号電極である。これらの交点に画素が形成されている
が、白丸はオン表示画素を、黒丸はオフ表示画素を示し
ている。走査電極、信号電極と画素の表示状態は必要な
部分のみが表示されている。
【0267】図の左側には、正の走査信号371,37
2により走査電極361,362が選択される時の駆動
波形を示している。373はこの間で非選択状態にある
走査電極363の波形である。374は表示データがオ
ンからオフに変化する信号電極364に対する信号波
形,375は表示データがオフからオンに変化する信号
電極365に対する信号波形である。
【0268】単純マトリクス型の液晶表示装置では、信
号電極のデータ信号レベルが切り替わると、画素の静電
容量によるカップリングのため、走査電極に微分波形状
の電圧歪が生じる。信号波形374は上向きの、信号波
形375は下向きの電圧歪を生じさせる。図のような表
示パターンの場合には、表示データがオフからオンに変
化する信号電極の方が数が多いので下向きの歪の影響が
大きく、走査電極363の電圧には下向きの電圧歪37
6が現れる。逆に、表示データがオンからオフに変化す
る信号電極の方が数が多い場合には、上向きの歪の影響
が大きくなって走査電極の電圧には上向きの電圧歪が現
れる。走査電極363上にある画素の表示状態(オン・
オフ)は、いずれであってもこの電圧歪の発生には直接
の関係はない。また、表示データのオン・オフが変化し
ない信号電極は信号波形が切り替わらないので、この電
圧歪には関係がない。
【0269】液晶表示装置の画素電圧は走査電極と信号
電極の電位の差であるので、この電圧歪は主に非選択期
間の実効値成分を通じて画素電圧実効値に影響する。こ
の走査線上の電圧歪は、走査線側の駆動回路からの充電
電流によって解消されるが、走査電極の抵抗と画素静電
容量によって形成されるCR回路の時定数が走査側駆動
回路からの距離によって異なるため、走査電極の給電端
ではこの歪が小さく、終端側では大きくなる。
【0270】図39は、液晶パネル343のある領域
に、1ラインごとに白黒が反転している横ストライプパ
ターンを表示したものを示している。図35に示した市
松パターンでは隣接する2つの走査線上のオン画素の数
には差がないが、図39の横ストライプパターンでは隣
接2走査線間でのオン・オフ画素数の差が大きい。従っ
て、横ストライプパターンを表示した場合には、上記の
メカニズムによりクロストークの発生状態が異なったも
のになる。第23の実施形態と同様の手法で、クロスト
ークが解消される補償パルスの幅を求める実験を行った
ところ、第23の実施形態とは逆にちょうどクロストー
クが解消される補償パルスの幅は走査電圧の給電端から
離れるにしたがって、(a),(b),(c)の順に大
きくなった。図40は、補償電圧の実効値を縦軸にとっ
てこの結果をまとめたものである。図39のパターン表
示領域の幅によって走査電極上の電圧歪が変わるので、
図40のグラフの傾斜も変わる。パターン幅が広い場合
にはさらに傾斜が急になり左右の特性差が拡大する。
【0271】本実施形態の液晶表示装置では、隣接する
2走査線上のオン画素数の差に応じて、液晶表示装置の
左右で補償パルス幅を変えている。従って、上記のよう
に表示パターンの変化に伴ってクロストーク量、および
クロストーク量の位置による分布が変わっても、それに
対応して補償パルスの幅を変化させることができる。こ
れにより、表示パターンによらず面内で均一なクロスト
ーク補償ができるようになる。
【0272】なお、図37の回路ではオフセット加算回
路342の入力として、減算回路355からの出力のほ
かに、第23の実施形態で説明したCLKカウント回路3
41からの出力を用いている。後者を併用しなくても本
実施形態の効果は発揮されるが、このように2つの出力
によってオフセット加算回路342の動作を制御すれ
ば、各走査線間でオン画素数に差がない場合には第23
の実施形態で述べた効果により表示が均一化され、各走
査線間でオン画素数に差がある場合には本実施形態の効
果がそれに付加される。この結果、非常に均一性が良好
な表示を行うことができる。
【0273】以上の説明では、補償パルスの幅を変化さ
せることにより表示パターンの違いによる補償特性差を
解消したが、これは補償パルスの高さを変化させても同
様の効果を得ることができる。また、補償パルスの幅と
高さの双方を変化させ、一方を本実施形態の方法に基づ
いて、他方を第23の実施形態の方法に基づいて制御し
てもよい。
【0274】なお、本実施形態ではデータ信号の極性が
反転した場合に実効値を増加させる矩形波の補償パルス
を重畳する場合について説明を行ったが、上記のすべて
の実施形態の駆動方法に対して本実施形態の方法は適用
できる。例えば、補償パルスを正弦波状とした駆動方法
や、データ信号の極性反転がない場合に実効値を減少さ
せる補償パルスを重畳する駆動方法に対して本実施形態
の方法を適用しても同様の効果を得ることができる。
【0275】(実施形態25)図41は、本発明の第2
5の実施形態の駆動方法を説明するための液晶表示装置
のブロック図である。ここで381は液晶パネルであ
り、画面中央で信号電極が上下に分割された2画面構成
をとっている。液晶パネルの左側には走査側駆動回路3
82が接続されており走査パルスを発生している。液晶
パネルの上下には、上画面信号側駆動回路383と下画
面信号側駆動回路384がそれぞれ接続されている。
【0276】本実施形態においては、2つの信号側駆動
回路に対して、上画面信号側駆動回路383には上画面
用の補償パルス制御信号発生回路385が、下画面信号
側駆動回路364には下画面用の補償パルス制御信号発
生回路386が接続されている。それぞれの補償パルス
発生回路は、補償パルス(または補償パルス制御信号)
を発生し、上画面と下画面を独立にクロストーク補償す
る。補償パルス(または補償パルス制御信号)を発生す
る方法については、第20から第24の実施形態で示し
たものと同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0277】STN型液晶表示装置では、デューティー
比を下げて良好なコントラスト特性を得るために上下2
画面駆動を行う場合が多い。クロストークは前述したよ
うに信号波形のなまりや走査電極上の電圧歪が主な要因
となっている。このなまりや歪は表示パターンによって
変化するので、2画面駆動型液晶パネルの上半面と下半
面とで表示パターンが異なる場合はクロストークの量も
両者で異なり、補償すべき電圧量も上下画面で異なった
ものになる。このように上下画面で表示パターンが大き
く異なる場合に上下画面で同一の補償を行うと、上下画
面のクロストークが完全に補償できないだけでなく、上
下画面でクロストークが補償された部分の輝度に差が生
じてしまう。このため、画面中央部に実際の表示パター
ンにはない明確な境界線が現れ、ディスプレイを見たと
きの印象が大幅に悪化する。
【0278】図41の構成は、上画面と下画面のそれぞ
れに対応した補償パルス制御信号発生回路を設け、それ
ぞれの回路が独立して補償パルスCLを送出している。こ
の補償パルスは、上画面の補償パルス発生回路385は
上画面の表示に応じた補償を行い、下画面の補償パルス
発生回路386は下画面の表示に応じた補償を行ってい
る。従って、上下画面で表示パターンが大きく異なる場
合でも、それぞれの画面に対して最適なクロストーク補
償を行うことができるので、あらゆる表示パターンに対
してクロストークのない良好な表示を行うことができ
る。さらに、上下画面の輝度差によりこの境界線が認識
されることがなくなり、実際に表示を見た場合の印象が
大きく向上する。
【0279】以上述べたように、画面を上下2分割して
駆動するSTN型液晶表示装置において、補償パルスを
上下画面で独立して制御し印加する構成をとることによ
り、表示パターンによらず両画面ともに良好なクロスト
ーク補償を行って、良好な表示特性を得ることができ
る。
【0280】なお、本実施形態ではデータ信号の極性が
反転した場合に実効値を増加させる矩形波の補償パルス
を重畳する場合について説明を行ったが、上記のすべて
の実施形態の駆動方法に対して本実施形態の方法は適用
できる。例えば、補償パルスを正弦波状とした駆動方法
や、データ信号の極性反転がない場合に実効値を減少さ
せる補償パルスを重畳する駆動方法に対して本実施形態
の方法を適用しても同様の効果を得ることができる。
【0281】(実施形態26)図43に、本発明の第2
6の実施形態の駆動方法による駆動波形を示す。この駆
動方法では、水平走査期間thを半波長とする正弦波電
圧によってデータ信号電圧を構成している。データ信号
電圧が正の場合は正弦波の正の半サイクル部分が出力さ
れ、負の場合は正弦波の負の半サイクル部分が出力され
ている。図において、データ信号の極性が反転しないと
きの402の部分が、従来例や第10の実施形態におけ
るデータ信号の実効値を減少させる補償パルスに相当す
る。本実施形態の駆動方法の場合、データ信号の極性が
反転する場合と反転しない場合とで同等の実効値電圧ロ
スが発生する。したがって、データ信号の波形切り替わ
りの有無にかかわらず液晶層にかかる実効値電圧は等し
いものとなり、文字クロストーク解消し、または減少す
る。
【0282】本実施形態の方法で使用される信号電圧波
形は、波形切り替わり時の立ち上がり部及び立ち下がり
部、そして補償パルスに相当する部分の傾斜がゆるやか
であり、含まれる周波数成分が低く、液晶パネル中での
歪や減衰が図11に示した波形に比べて少ない。このた
め、パネルの大型化、または高速化のための狭ギャップ
化に伴ってパネルのCR時定数が大きくなった場合に
も、パネル内の各画素に供給される電圧が均一になり、
むらのない表示を行うことができる。例えば、本実施形
態の駆動波形を用いて画面対角のサイズが35cmを越
える14型程度あるいはそれ以上の大きさの液晶表示装
置を駆動したとき、走査側・信号側ともに片側からの給
電した場合でも、均一性の十分良好な表示を行うことが
できた。
【0283】(実施形態27)本発明の第27の実施形
態として、図43の波形を発生するための駆動ICと駆
動回路のブロック図を図44に示す。この図において
も、図25等と同じ構成要素には同じ番号を付して説明
を省略する。本実施形態における電圧レベル数は第18
の実施形態と同様に3つである。本実施形態の図44が
第18実施形態の図25と異なる点は、外部電源回路の
相違、そしてラッチ2がない点である。図44の電源回
路では、正弦波を発生する信号源と全波整流回路を用い
ることにより、直流電圧V2に正の全波電圧が重畳した
電圧波形V1と、直流電圧V2に負の全波電圧が重畳した
電圧波形V3とを得ている。この場合、一つ前の水平走
査期間のデータに無関係に当該水平走査期間の信号電圧
が定まるので、ラッチ2は不要である。図45に、これ
らの波形を示している。
【0284】本実施形態では、走査線上の表示データD
t、極性信号M、および補償パルス制御信号Pwから、表
14に示す論理表に基づいて出力tが決定される。
【0285】
【表14】
【0286】補償パルス制御信号Pwをローレベルとす
れば出力電圧がV2となるので、データ信号側の電圧を
一定レベルにする場合にこれを用いることができる。例
えば、帰線期間などに液晶層に印加される電圧をゼロに
したい場合には走査側の電圧をV2にして、データ信号
側の電圧もV2にすべくPwをローレベルにすればよい。
【0287】本実施形態の駆動ICも第18実施形態の
駆動ICと同様にバスライン数が3本でよく、さらにラ
ッチ2が不要であるので、チップ面積が小さく安価にな
る。このICをデータ信号側の駆動ICとして用い、走
査側には通常の走査用ICを用いてSTN型の液晶表示
装置を構成し、800×600ドットのカラー表示を行
ったところ、クロストークがほとんどなく非常に良好な
表示を行うことができた。尚、極性反転期間は1垂直走
査期間に設定した。
【0288】(実施形態28)次に、本発明の第28の
実施形態に係る駆動ICおよび駆動回路のブロック図を
図46に示す。これは、図44に示した第27実施形態
の構成において、V2をICに与えず、併せて補償パル
ス制御信号Pwをも省いたものである。この実施形態の
基本動作は第27実施形態と同じであるが、出力が2値
であることから出力tを決定する論理表は表15のよう
になる。
【0289】
【表15】
【0290】本実施形態の構成では、出力電圧は必ずV
1かV3になり、スイッチ制御回路により信号電圧を一定
値にすることはできない。しかしながら、補償パルス制
御信号Pwが省略できるため制御信号線が1本少なく、
バスライン数が2本でよく、1出力当たりのスイッチ数
も2個でよいので、第27の実施形態の駆動ICに比べ
てさらに面積が小さく安価な駆動ICを得ることができ
る。なお、本実施形態においてデータ信号側の出力をV
2にする必要があるときは、外部電源回路において正弦
波の振幅をゼロにすればよい。
【0291】このICをデータ信号側の駆動ICとして
用い、走査側には通常の走査用ICを用いてSTN型の
液晶表示装置を構成し、800×600ドットのカラー
表示を行ったところ、クロストークがほとんどなく非常
に良好な表示を行うことができた。尚、極性反転周期は
1垂直走査期間に設定した。
【0292】上記の各実施形態においては、走査電圧の
極性反転を1フレーム周期ごとに行うものとした。これ
は、補償パルスを用いることにより文字クロストークが
なくなり、または減少するので、文字クロストークを低
減するために走査信号の反転周期を1フレームより短く
する必要がなくなるからである。実際、このように極性
反転周期を長くすることにより、縦ラインクロストーク
がほとんどなくなり、あらゆる表示パターンにおいて表
示特性が大幅に改善された。極性反転を1フレームごと
に行えば、もっと短い周期で極性反転を行う場合に比べ
て、極性反転に伴う走査電圧の波形歪が減少し、縦ライ
ンクロストークが大幅に減少する。
【0293】なお、極性反転周期を1フレームまで長く
しなくても、即ち1フレーム当たりの極性反転回数を1
回まで下げなくても、1フレーム当たり4回程度まで下
げれば同様の効果が得られることが実験より分かってい
る。
【0294】また、上記の各実施形態において説明した
範囲に補償パルスの幅tc、および補償パルスの高さVc
とtcの積を設定すれば、Vcが高くなりすぎて補償パル
スのスイッチング時に大きな消費電力が発生することは
ほとんどないが、Vcがデータ信号のスイッチング幅
(例えば図2におけるV2とV4の差)の1/4以上にな
る条件は、消費電力増加の面で好ましくない。このよう
な場合には、パルス幅を若干増加させてVcの値を低く
するのが望ましい。
【0295】
【発明の効果】以上のように、本発明によればデータ信
号の電圧レベルが変化する際に発生する波形歪を実効値
を増加あるいは減少させて補償する補償パルスを信号電
圧に重畳する駆動方法において、所定の期間ごとに2種
類の補償パルスのうち片方のみを重畳するようにする、
あるいは1水平走査期間内で異なったタイミングで2種
類の補償パルスを重畳することにより、同時に必要な電
圧レベル数を減らして、駆動ICの出力スイッチ数やバ
ス配線の数を少なくして駆動ICの面積を減少させ、コ
ンパクトで安価で良好な表示特性の液晶表示装置を得る
ことができる。
【0296】また、本発明によれば補償電圧レベルに向
かう信号電圧のスイッチング幅を小さくすると同時に、
補償電圧に対応するIC出力抵抗やバス配線抵抗を大き
くして、駆動ICの面積を減少させ、コンパクトで安価
で良好な表示特性の液晶表示装置を得ることができる。
【0297】また、本発明によれば補償パルスの幅を信
号電極の時定数に対して所定の範囲に設定する、補償パ
ルスを矩形波に比べて周波数成分の低い波形にする、信
号電圧波形の切り替わり部をなだらかにする、あるいは
信号波形として正弦波を用いることにより補償パルスや
信号波形の液晶パネル内での減衰や歪を低減し、均一な
表示特性を得ることができる。
【0298】さらに本発明によれば、補償パルスの幅ま
たは高さを信号電極の液晶パネル内での位置や表示パタ
ーンに応じて変化させる、あるいは上下2画面駆動の液
晶パネルにおいて上下独立に補償パルス量を制御するこ
とにより、液晶パネル内の画素の位置に対応させた補償
を行って、均一な表示特性を得ることができる。
【0299】また、本発明によれば、補償パルス制御信
号を外部パルスをカウントして制御する、あるいは抵抗
分割回路により補償電圧レベルを設定することにより、
パネル特性に対応した補償量の調整を行うことができた
り、補償量が駆動条件に連動して変化するようになるの
で、各種機器に液晶表示装置を接続した場合に容易に良
好な表示が得られるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る液晶表示装置の駆
動方法を示す電圧波形図
【図2】図1の方法における補償パルスの効果を説明す
るための電圧波形図
【図3】本発明の第2実施形態に係る液晶表示装置の駆
動ICおよび駆動回路のブロック図
【図4】本発明の第3実施形態に係る液晶表示装置の駆
動ICおよび駆動回路のブロック図
【図5】本発明の第4実施形態に係る液晶表示装置の駆
動方法を示す電圧波形図
【図6】本発明の第5実施形態に係る液晶表示装置の駆
動ICおよび駆動回路のブロック図
【図7】本発明の第6実施形態に係る液晶表示装置の駆
動ICおよび駆動回路のブロック図
【図8】本発明の第8実施形態による液晶表示装置の駆
動方法を示す電圧波形図
【図9】図8の方法における補償パルスの効果を説明す
るための電圧波形図
【図10】本発明の第9実施形態に係る液晶表示装置の
駆動ICおよび駆動回路のブロック図
【図11】本発明の第10実施形態による液晶表示装置
の駆動方法を示す電圧波形図
【図12】本発明の第11実施形態による液晶表示装置
の駆動方法を示す電圧波形図
【図13】本発明の第14実施形態による液晶表示装置
の駆動方法を示す電圧波形図
【図14】図13の方法における補償パルスの効果を説
明するための電圧波形図
【図15】図13の方法における信号電圧と補償パルス
の減衰を説明するための電圧波形図
【図16】本発明の第14実施形態に係る液晶表示装置
の駆動ICおよび駆動回路のブロック図
【図17】本発明の第15実施形態による液晶表示装置
の駆動方法を示す電圧波形図
【図18】本発明の第15実施形態による液晶表示装置
の別の駆動方法を示す電圧波形図
【図19】本発明の第7実施形態による液晶表示装置の
駆動方法を示す電圧波形図
【図20】本発明の第16実施形態による液晶表示装置
の駆動方法を示す電圧波形図
【図21】本発明の第16実施形態による液晶表示装置
の別の駆動方法を示す電圧波形図
【図22】本発明の第17実施形態に係る液晶表示装置
の駆動ICおよび駆動回路のブロック図
【図23】図22の駆動回路の動作を説明するための電
圧波形図
【図24】本発明の第17実施形態による液晶表示装置
の駆動方法の変形例を示す電圧波形図
【図25】本発明の第18実施形態に係る液晶表示装置
の駆動ICおよび駆動回路のブロック図
【図26】本発明の第18実施形態に係る液晶表示装置
の別の駆動ICおよび駆動回路のブロック図
【図27】本発明の第20実施形態に係る液晶表示装置
の駆動方法を説明するためのブロック図
【図28】図27の液晶表示装置における補償パルス制
御信号発生回路のブロック図
【図29】図28の補償電圧パルス発生回路の動作を説
明するための電圧波形図
【図30】本発明の第21実施形態に係る液晶表示装置
の駆動用電源回路のブロック図
【図31】本発明の第22実施形態に係る液晶表示装置
の駆動用電源回路のブロック図
【図32】本発明の第23実施形態に係る液晶表示装置
の補償パルス制御信号発生回路のブロック図
【図33】図32の回路から発生する補償パルス制御信
号を説明するための電圧波形図
【図34】図32の回路を用いた液晶表示装置の構成を
示すブロック図
【図35】クロストーク発生パターンを示す模式図
【図36】クロストーク補償電圧と表示位置の関係を示
す特性図
【図37】本発明の第24実施形態に係る液晶表示装置
の補償パルス制御信号発生回路のブロック図
【図38】表示パターンに応じた電圧歪の発生を説明す
るための電圧波形図
【図39】クロストーク発生パターンを示す模式図
【図40】クロストーク補償電圧と表示位置の関係を示
す特性図
【図41】本発明の第25実施形態に係る液晶表示装置
のブロック図
【図42】本発明の第19実施形態による液晶表示装置
の駆動方法を示す電圧波形図
【図43】本発明の第26実施形態による液晶表示装置
の駆動方法を示す電圧波形図
【図44】本発明の第27実施形態に係る液晶表示装置
の駆動ICおよび駆動回路のブロック図
【図45】図44の駆動回路の動作を説明するための電
圧波形図
【図46】本発明の第28実施形態に係る液晶表示装置
の駆動ICおよび駆動回路のブロック図
【図47】従来のSTN型液晶表示装置の駆動方法を示
す電圧波形図
【図48】従来のクロストーク対策型駆動方法を示す電
圧波形図
【図49】図48の波形を発生するための液晶表示装置
の駆動回路のブロック図
【図50】図48の駆動方法の変形を示す電圧波形図
【符号の説明】
101 信号電圧 102 走査信号 103 極性信号 104 ラッチパルス 105,106,121,122,123,124,1
25,126,127,128,129,130,13
1,132,141,142,143,144,14
5,146,147,148,521 補償パルス 201,202,203,204,205 バス配線 206 スイッチ組 207 駆動IC 208 外部電源回路 311,312,341 カウント回路 313 JKフリップフロップ 342 オフセット加算回路 381 液晶パネル 383,384 信号側駆動回路 385,386 補償パルス制御信号発生回路 501 走査電圧 502 信号電圧
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松浪 将仁 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 須山 透 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (53)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の走査電極と複数の信号電極がマト
    リックス状に配置されてなる液晶表示装置の駆動方法で
    あって、前記複数の走査電極に走査電圧を順次印加し、
    前記複数の信号電極に信号電圧を印加し、第1設定時間
    は、連続する2つの水平走査期間で前記信号電圧が負レ
    ベルから正レベルに変化する信号電極の信号電圧に、そ
    のレベル変化に伴う波形歪による実効値電圧の低下を補
    償する補償パルスをに重畳し、第2設定時間は、連続す
    る2つの水平走査期間で前記信号電圧が正レベルから負
    レベルに変化する信号電極の信号電圧に、そのレベル変
    化に伴う波形歪による実効値電圧の低下を補償する補償
    パルスを重畳することを特徴とする液晶表示装置の駆動
    方法。
  2. 【請求項2】 複数の走査電極と複数の信号電極がマト
    リックス状に配置されてなる液晶表示装置の駆動方法で
    あって、前記複数の走査電極に走査電圧を順次印加し、
    前記複数の信号電極に信号電圧を印加し、第1設定時間
    は、連続する2つの水平走査期間で前記信号電圧が正レ
    ベルを維持する信号電極の信号電圧に、信号電圧レベル
    が変化した場合に生ずる波形歪による実効値電圧の低下
    に相当する実効値電圧の低下を与える補償パルスを重畳
    し、第2設定時間は、連続する2つの水平走査期間で前
    記信号電圧が負レベルを維持する信号電極の信号電圧
    に、信号電圧レベルが変化した場合に生ずる波形歪によ
    る実効値電圧の低下に相当する実効値電圧の低下を与え
    る補償パルスを重畳することを特徴とする液晶表示装置
    の駆動方法。
  3. 【請求項3】 前記第1設定時間と前記第2設定時間の
    長さがほぼ等しい請求項1または2記載の液晶表示装置
    の駆動方法。
  4. 【請求項4】 前記第1設定時間と前記第2設定時間が
    極性信号に応じて設定される請求項1または2項記載の
    液晶表示装置の駆動方法。
  5. 【請求項5】 前記補償パルスを重畳するか否かを、表
    示データのオン・オフを用いた論理条件により決める請
    求項4記載の液晶表示装置の駆動方法。
  6. 【請求項6】 前記第1設定時間と前記第2設定時間が
    極性信号およびそれとは別の制御信号に応じて設定され
    る請求項1または2記載の液晶表示装置の駆動方法。
  7. 【請求項7】 前記補償パルスを重畳するか否かを、表
    示データのオン・オフを用いた論理条件により決める請
    求項6記載の液晶表示装置の駆動方法。
  8. 【請求項8】 前記第1設定時間と前記第2設定時間
    が、極性信号とは独立に設定された制御信号に応じて設
    定される請求項1または2記載の液晶表示装置の駆動方
    法。
  9. 【請求項9】 複数の走査電極と複数の信号電極がマト
    リックス状に配置されてなる液晶表示装置の駆動方法で
    あって、前記複数の走査電極に走査電圧を順次印加し、
    前記複数の信号電極に信号電圧を印加し、連続する2つ
    の水平走査期間で前記信号電圧のレベルが変化する信号
    電極の信号電圧に、そのレベル変化に伴う波形歪による
    実効値電圧の低下を補償する補償パルスを重畳し、この
    際、前記補償パルスの1水平走査期間内での重畳タイミ
    ングが正の補償パルスと負の補償パルスとで重ならない
    ようにすることを特徴とする液晶表示装置の駆動方法。
  10. 【請求項10】 複数の走査電極と複数の信号電極がマ
    トリックス状に配置されてなる液晶表示装置の駆動方法
    であって、前記複数の走査電極に走査電圧を順次印加
    し、前記複数の信号電極に信号電圧を印加し、連続する
    2つの水平走査期間で前記信号電圧が同一レベルを維持
    する信号電極の信号電圧に、信号電圧レベルが変化した
    場合に生ずる波形歪による実効値電圧の低下に相当する
    実効値電圧の低下を与える補償パルスを重畳し、この
    際、前記補償パルスの1水平走査期間内での重畳タイミ
    ングが信号電圧が正レベルを維持する信号電極に加えら
    れる補償パルスと負レベルを維持する信号電極に加えら
    れる補償パルスとで重ならないようにすることを特徴と
    する液晶表示装置の駆動方法。
  11. 【請求項11】 水平走査期間の前半に前記2種類の補
    償パルスのうちの一方を重畳し、水平走査期間の後半に
    他方の補償パルスを重畳する請求項9または10記載の
    液晶表示装置の駆動方法。
  12. 【請求項12】 複数の走査電極と複数の信号電極がマ
    トリックス状に配置されてなる液晶表示装置の駆動方法
    であって、前記複数の走査電極に走査電圧を順次印加
    し、前記複数の信号電極に第1の線路を介して信号電圧
    を印加し、前記信号電圧のレベル変化に伴う波形歪によ
    る実効値電圧の低下を補償する補償パルスを第1の線路
    よりインピーダンスが高い第2の線路を介して前記信号
    電圧に重畳することを特徴とする液晶表示装置の駆動方
    法。
  13. 【請求項13】 複数の走査電極と複数の信号電極がマ
    トリックス状に配置されてなる液晶表示装置の駆動方法
    であって、前記複数の走査電極に走査電圧を順次印加
    し、前記複数の信号電極に信号電圧を印加し、連続する
    2つの水平走査期間で前記信号電圧のレベルが変化する
    信号電極の信号電圧に、そのレベル変化に伴う波形歪に
    よる実効値電圧の低下を補償する補償パルスを重畳し、
    この補償パルスのパルス幅が次式で示される液晶パネル
    の画素部分の時定数Binの1.5倍以上であることを特
    徴とする液晶表示装置の駆動方法。 Bin=(Rpix×n)×(Cpix×n)/2 但し、Rpixは、液晶パネルの1画素当たりの信号電極
    の抵抗、Cpixは1画素あたりの静電容量、nは1本の
    信号線上の画素数である。
  14. 【請求項14】 複数の走査電極と複数の信号電極がマ
    トリックス状に配置されてなる液晶表示装置の駆動方法
    であって、前記複数の走査電極に走査電圧を順次印加
    し、前記複数の信号電極に信号電圧を印加する際に、連
    続する2つの水平走査期間で前記信号電圧が同一レベル
    を維持する信号電極の信号電圧に、信号電圧レベルが変
    化した場合に生ずる波形歪による実効値電圧の低下に相
    当する実効値電圧の低下を与える補償パルスを重畳し、
    この補償パルスのパルス幅が次式で示される液晶パネル
    の画素部分の時定数Binの1.5倍以上であることを特
    徴とする液晶表示装置の駆動方法。 Bin=(Rpix×n)×(Cpix×n)/2 但し、Rpixは、液晶パネルの1画素当たりの信号電極
    の抵抗、Cpixは1画素あたりの静電容量、nは1本の
    信号線上の画素数である。
  15. 【請求項15】 補償パルスの幅が前記液晶パネルの画
    素部分の時定数Binの4倍以上であることを特徴とする
    請求項13または14記載の液晶表示装置の駆動方法。
  16. 【請求項16】 複数の走査電極と複数の信号電極がマ
    トリックス状に配置されてなる液晶表示装置の駆動方法
    であって、前記複数の走査電極に走査電圧を順次印加
    し、前記複数の信号電極に信号電圧を印加し、連続する
    2つの水平走査期間で前記信号電圧のレベルが変化する
    信号電極の信号電圧に、そのレベル変化に伴う波形歪に
    よる実効値電圧の低下を補償する補償パルスを重畳し、
    この補償パルスが矩形波よりも周波数成分の低い波形を
    有することを特徴とする液晶表示装置の駆動方法。
  17. 【請求項17】 複数の走査電極と複数の信号電極がマ
    トリックス状に配置されてなる液晶表示装置の駆動方法
    であって、前記複数の走査電極に走査電圧を順次印加
    し、前記複数の信号電極に信号電圧を印加し、連続する
    2つの水平走査期間で前記信号電圧が同一レベルを維持
    する信号電極の信号電圧に、信号電圧レベルが変化した
    場合に生ずる波形歪による実効値電圧の低下に相当する
    実効値電圧の低下を与える補償パルスを重畳し、この補
    償パルスが矩形波よりも周波数成分の低い波形を有する
    ことを特徴とする液晶表示装置の駆動方法。
  18. 【請求項18】 前記補償パルスの形状が、正弦波、円
    弧状の波形、三角波のうちのいずれかである請求項16
    または17記載の液晶表示装置の駆動方法。
  19. 【請求項19】 複数の走査電極と複数の信号電極がマ
    トリックス状に配置されてなる液晶表示装置の駆動方法
    であって、前記複数の走査電極に走査電圧を順次印加
    し、前記複数の信号電極に信号電圧を印加し、連続する
    2つの水平走査期間の前記信号電圧のレベル変化に応じ
    て、それぞれの信号電極の信号電圧に補償パルスを重畳
    し、前記信号電圧の立ち上がり部と立ち下がり部とに傾
    斜を持たせたことを特徴とする液晶表示装置の駆動方
    法。
  20. 【請求項20】 複数の走査電極と複数の信号電極がマ
    トリックス状に配置されてなる液晶表示装置の駆動方法
    であって、前記複数の走査電極に走査電圧を順次印加
    し、前記複数の信号電極に信号電圧を印加し、連続する
    2つの水平走査期間の前記信号電圧のレベル変化に応じ
    て、それぞれの信号電極の信号電圧に補償パルスを重畳
    し、前記補償パルスの重畳位置及びパルス幅の少なくと
    も一方が、クロックのカウント値に応じて設定された補
    償パルス制御信号により制御されることを特徴とする液
    晶表示装置の駆動方法。
  21. 【請求項21】 複数の走査電極と複数の信号電極がマ
    トリックス状に配置されてなる液晶表示装置の駆動方法
    であって、前記複数の走査電極に走査電圧を順次印加
    し、前記複数の信号電極に信号電圧を印加し、連続する
    2つの水平走査期間の前記信号電圧のレベル変化に応じ
    て、それぞれの信号電極の信号電圧に補償パルスを重畳
    し、前記補償パルスの幅と高さの少なくとも一方が、走
    査側電極の給電側から終端側に向かって徐々に変化して
    いることを特徴とする液晶表示装置の駆動方法。
  22. 【請求項22】 データシフトクロックのカウント値に
    より、前記補償パルスの幅または高さの変化量が制御さ
    れる請求項21記載の液晶表示装置の駆動方法。
  23. 【請求項23】 複数の走査電極と複数の信号電極がマ
    トリックス状に配置されてなる液晶表示装置の駆動方法
    であって、前記複数の走査電極に走査電圧を順次印加
    し、前記複数の信号電極に信号電圧を印加し、連続する
    2つの水平走査期間の前記信号電圧のレベル変化に応じ
    て、それぞれの信号電極の信号電圧に補償パルスを重畳
    し、前記補償パルスの幅と高さの少なくとも一方が、前
    記2つの水平走査期間に対応する2つの走査電極上のオ
    ン画素数の差、またはオフ画素数の差によって制御され
    ることを特徴とする液晶表示装置の駆動方法。
  24. 【請求項24】 前記補償パルスの幅と高さの少なくと
    も一方が走査側電極の給電側から終端側に向かって徐々
    に変化している請求項23記載の液晶表示装置の駆動方
    法。
  25. 【請求項25】 現在の走査電極上と前段の走査電極上
    とのオン画素数の差、またはオフ画素の差がない場合
    に、前記補償パルスの幅と高さの少なくとも一方が走査
    側電極の給電側から終端側に向かって徐々に変化してい
    る請求項23記載の液晶表示装置の駆動方法。
  26. 【請求項26】 複数の走査電極と複数の信号電極がマ
    トリックス状に配置され、前記信号電極が上下に分割さ
    れてなる液晶表示装置の駆動方法であって、前記複数の
    走査電極に走査電圧を順次印加し、前記複数の信号電極
    に信号電圧を印加し、連続する2つの水平走査期間の信
    号電圧のレベル変化に応じて、それぞれの信号電極の信
    号電圧に補償パルスを重畳し、前記補償パルスが前記液
    晶表示装置の上半面と下半面とで独立に制御されること
    を特徴とする液晶表示装置の駆動方法。
  27. 【請求項27】 複数の走査電極と複数の信号電極がマ
    トリックス状に配置されてなる液晶表示装置の駆動方法
    であって、前記複数の走査電極に走査電圧を順次印加
    し、前記複数の信号電極に信号電圧を印加し、連続する
    2つの水平走査期間の前記信号電圧のレベル変化に応じ
    て、それぞれの信号電極の信号電圧に正極性または負極
    性の補償パルスを重畳し、前記正極性の補償パルスおよ
    び負極性の補償パルスの少なくとも一方を部分的にカッ
    トする位相制御を行う液晶表示装置の駆動方法。
  28. 【請求項28】 複数の走査電極と複数の信号電極がマ
    トリックス状に配置されてなる液晶表示装置の駆動方法
    であって、前記複数の走査電極に走査電圧を順次印加
    し、前記複数の信号電極に信号電圧を印加し、前記信号
    電圧を正弦波電圧の正の半サイクル部分と負の半サイク
    ル部分とで構成することを特徴とする液晶表示装置の駆
    動方法。
  29. 【請求項29】 複数の走査電極と複数の信号電極がマ
    トリックス状に配置されてなる液晶表示装置の駆動方法
    であって、前記複数の走査電極に走査電圧を順次印加
    し、前記複数の信号電極に信号電圧を印加し、連続する
    2つの水平走査期間の前記信号電圧のレベル変化に応じ
    て、それぞれの信号電極の信号電圧に補償パルスを重畳
    し、前記走査電圧の極性反転周期をフレーム周期の1/
    4以上とする液晶表示装置の駆動方法。
  30. 【請求項30】 第1の水平走査期間における第1の信
    号データを保持する第1のラッチ回路と、第1の水平走
    査期間に隣接する第2の水平走査期間における第2の信
    号データを保持する第2のラッチ回路と、前記2つのラ
    ッチ回路の出力に基づいて、複数の入力電圧のうちの一
    つを選択して出力するスイッチ回路の組と、複数のバス
    配線とを備え、少なくとも1本のバス配線が複数の電圧
    レベルに共有されていることを特徴とする液晶表示装置
    の駆動IC。
  31. 【請求項31】 前記複数のバス配線のうちの1本が補
    償パルスの複数の電圧レベルに共有されている請求項3
    0記載の液晶表示装置の駆動IC。
  32. 【請求項32】 第1の水平走査期間における第1の信
    号データを保持する第1のラッチ回路と、第1の水平走
    査期間に隣接する第2の水平走査期間における第2の信
    号データを保持する第2のラッチ回路と、前記2つのラ
    ッチ回路の出力に基づいて複数の入力電圧のうちの一つ
    を選択して出力するスイッチ回路の組と、複数のバス配
    線と、前記バス配線上の電圧レベルのうち少なくとも1
    つを制御信号に応じて反転させる反転回路とを備えたこ
    とを特徴とする液晶表示装置の駆動IC。
  33. 【請求項33】 前記反転回路により反転される電圧レ
    ベルが補償パルスの電圧レベルである請求項32記載の
    液晶表示装置の駆動IC。
  34. 【請求項34】 第1の水平走査期間における第1の信
    号データを保持する第1のラッチ回路と、第1の水平走
    査期間に隣接する第2の水平走査期間における第2の信
    号データを保持する第2のラッチ回路と、前記2つのラ
    ッチ回路の出力に基づいて、複数の入力電圧のうちの一
    つを選択して出力するスイッチ回路の組とを備え、前記
    スイッチ回路の組の中で少なくとも1つのスイッチ回路
    の出力抵抗が他のスイッチ回路の出力抵抗より高いこと
    を特徴とする液晶表示装置の駆動IC。
  35. 【請求項35】 補償パルスの電圧レベルを選択して出
    力するスイッチ回路の出力抵抗が他のスイッチ回路の出
    力抵抗より高い請求項34記載の液晶表示装置の駆動I
    C。
  36. 【請求項36】 複数の電圧レベルに共有されたバス配
    線に接続されたスイッチ回路の出力抵抗が、他のスイッ
    チ回路の出力抵抗よりも高い請求項30記載の液晶表示
    装置の駆動IC。
  37. 【請求項37】 電圧レベルが反転されるバス配線に接
    続されたスイッチ回路の出力抵抗が、他のスイッチ回路
    の出力抵抗よりも高い請求項32記載の液晶表示装置の
    駆動IC。
  38. 【請求項38】 前記スイッチ回路の出力抵抗が他のス
    イッチ回路の出力抵抗の2倍以上50倍以内である請求
    項34、36または37記載の液晶表示装置の駆動I
    C。
  39. 【請求項39】 前記スイッチ回路の出力抵抗が他のス
    イッチ回路の出力抵抗の5倍以上20倍以内である請求
    項38記載の液晶表示装置の駆動IC。
  40. 【請求項40】 第1の水平走査期間における第1の信
    号データを保持する第1のラッチ回路と、第1の水平走
    査期間に隣接する第2の水平走査期間における第2の信
    号データを保持する第2のラッチ回路と、前記2つのラ
    ッチ回路の出力に基づいて、複数の入力電圧のうちの一
    つを選択して出力するスイッチ回路の組と、複数のバス
    配線とを備え、少なくとも1本のバス配線の抵抗が他の
    バス配線の抵抗より高いことを特徴とする液晶表示装置
    の駆動IC。
  41. 【請求項41】 補償パルスの電圧レベルが供給される
    バス配線の抵抗が他のバス配線の抵抗より高いことを特
    徴とする請求項40記載の液晶表示装置の駆動IC。
  42. 【請求項42】 第1の水平走査期間における第1の信
    号データを保持する第1のラッチ回路と、第1の水平走
    査期間に隣接する第2の水平走査期間における第2の信
    号データを保持する第2のラッチ回路と、前記2つのラ
    ッチ回路の出力に基づいて、複数の入力電圧のうちの一
    つを選択して出力するスイッチ回路の組と、複数のバス
    配線とを備え、前記スイッチ回路が2つの電圧および時
    間的にレベルが変化する補償電圧を含む3つの電圧のう
    ち1つを選択して出力するように構成されていることを
    特徴とする液晶表示装置の駆動IC。
  43. 【請求項43】 第1の水平走査期間における第1の信
    号データを保持する第1のラッチ回路と、第1の水平走
    査期間に隣接する第2の水平走査期間における第2の信
    号データを保持する第2のラッチ回路と、前記2つのラ
    ッチ回路の出力と補償パルス制御信号に基づいて、複数
    の入力電圧のうちの一つを選択して出力するスイッチ回
    路の組と、複数のバス配線とを備えていることを特徴と
    する液晶表示装置の駆動IC。
  44. 【請求項44】 第1の水平走査期間における第1の信
    号データを保持する第1のラッチ回路、第1の水平走査
    期間に隣接する第2の水平走査期間における第2の信号
    データを保持する第2のラッチ回路、前記2つのラッチ
    回路の出力に基づいて複数の入力電圧のうちの一つを選
    択して出力するスイッチ回路の組、および複数のバス配
    線を有する駆動ICを用いた信号側駆動回路と、電源回
    路とを備え、前記電源回路から信号側駆動回路に供給さ
    れる補償パルスの電圧レベルが所定の制御信号に応じて
    切り替えられることを特徴とする液晶表示装置の駆動回
    路。
  45. 【請求項45】 前記制御信号が極性信号である請求項
    44記載の液晶表示装置の駆動回路。
  46. 【請求項46】 第1の水平走査期間における第1の信
    号データを保持する第1のラッチ回路、第1の水平走査
    期間に隣接する第2の水平走査期間における第2の信号
    データを保持する第2のラッチ回路、前記2つのラッチ
    回路の出力に基づいて複数の入力電圧のうちの一つを選
    択して出力するスイッチ回路の組、および複数のバス配
    線を有する駆動ICを用いた信号側駆動回路と、電源回
    路とを備え、前記電源回路から信号側駆動回路に供給さ
    れる補償パルスの電圧レベルが1水平走査期間内で切り
    替えられることを特徴とする液晶表示装置の駆動回路。
  47. 【請求項47】 信号電圧レベルおよび所定の波形の補
    償パルスの電圧レベルを発生する電源回路と、前記両電
    圧レベルが供給される入力端子を備えた駆動ICとを備
    えたことを特徴とする液晶表示装置の駆動回路。
  48. 【請求項48】 前記電源回路が半波整流回路および三
    角波発生回路の少なくとも一つを含んでいる請求項47
    記載の液晶表示装置の駆動回路。
  49. 【請求項49】 信号電圧を発生する全波整流回路を含
    む電源回路と、前記信号電圧が供給される入力端子を備
    えた駆動ICとを備えたことを特徴とする液晶表示装置
    の駆動回路。
  50. 【請求項50】 走査電圧、信号電圧および補償パルス
    の電圧レベルを発生する電源回路と、前記電圧レベルの
    入力端子を備えた駆動ICを含む信号側駆動回路とを備
    え、前記電源回路が、補償パルスの電圧レベルを作り出
    す抵抗分圧回路を含むことを特徴とする液晶表示装置の
    駆動回路。
  51. 【請求項51】 前記電源回路が、補償パルスの電圧レ
    ベルを反転する電圧反転回路をさらに含む請求項50記
    載の液晶表示装置の駆動回路。
  52. 【請求項52】 前記補償パルスの電圧レベルが、液晶
    駆動電圧に連動して変化するように構成された請求項5
    0または51記載の液晶表示装置の駆動回路。
  53. 【請求項53】 複数の走査電極と複数の信号電極がマ
    トリックス状に配置され、信号電極が上下に分割されて
    いる液晶表示装置の駆動回路であって、液晶表示面の上
    半分用と下半分用とで独立に補償パルス制御回路を備え
    ていることを特徴とする液晶表示装置の駆動回路。
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