JP2000180822A - 液晶表示装置 - Google Patents

液晶表示装置

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JP2000180822A
JP2000180822A JP10356557A JP35655798A JP2000180822A JP 2000180822 A JP2000180822 A JP 2000180822A JP 10356557 A JP10356557 A JP 10356557A JP 35655798 A JP35655798 A JP 35655798A JP 2000180822 A JP2000180822 A JP 2000180822A
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voltage
power supply
circuit
current
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JP10356557A
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Takashi Tsuyuki
尊 露木
Hiroyuki Takahashi
洋之 高橋
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Hitachi Ltd
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】上下に画面を分割して独立に表示データを表示
する液晶表示装置の消費電力を低減する。 【解決手段】液晶表示装置が、表示画面を上半画面と下
半画面に分割して各半画面の走査電極を同時に選択して
表示を行う液晶パネル(103)と、各半画面で同時に
選択される走査電極あるいはデータ電極に与えられる選
択電圧が上半画面と下半画面で極性が異なるようにした
関数を発生する直交関数発生回路(104)と、各半画
面に接続された各走査電極駆動回路及び各データ電極駆
動回路に各駆動出力電圧の基準となる共通の複数レベル
の電源電圧を供給する電源回路(100)であって、少
なくとも2つの電源電圧がそれぞれ電流補償素子(OP
1,OP2)を介してデータ電極駆動回路等に供給さ
れ、各電流補償素子がそれぞれ異なる動作電圧(VopH,
VopL )が供給されている電源回路とからなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、低消費電力の液晶
表示装置に係り、特に、高速駆動のアルト・プレシコ方
式や複数走査ライン同時選択方式(Multi−Lin
e Selection)等の高速かつ高電圧での駆動
を行うための低消費電力の液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、液晶表示装置の主要な用途として
は、ノート型パーソナルコンピュータであり、ユーザの
要求として応答速度の向上や画質の向上が求められてい
る。特に、スーパーツイステッドネマチックタイプ(S
TN)の液晶表示装置は、生産コスト面で有利ではある
が、画質の面でTFT液晶のようなアクティブ液晶表示
装置に肉薄する画質が要求されている。
【0003】そのため、原理的には文献「Scanni
ng Limitations of Liquid
Crystal Displays(スキャニング リ
ミテーソョンズ オブ リキッドクリスタル ディスプ
レイズ)」(IEEE Transaction on
Electron Device,vol.ED−2
1,NO.2,February 1974)等に記載
のアルト・プレシコ法(Hi−FAS:High Fr
equency Amplitude Selecti
onとも呼ばれる)にてフレーム周波数300Hz以上
で高速駆動する駆動方法や、フレーム周波数を150〜
300Hz程度とし走査線を2本以上を同時に選択する
駆動とシャドーイング補正回路とを組み合わせたエンハ
ンスド・ハイアドレッシング駆動方式が提案されてい
る。後者の駆動方式としては、例えば特開平9−155
56号公報に記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような高速駆動の
STN液晶表示装置では、液晶の実効値を必要なしベル
まで確保するために、液晶駆動用の電源電圧は従来の駆
動電圧よりも比較的高い電圧を必要とする。これらの駆
動方式にて低消費電力を目的としたものに、特開平8−
5987号公報や特開平8−338980号公報があ
る。
【0005】また、複数のオペアンプに供給する電源電
圧を液晶駆動電圧のレベルによって2つに分ける電源回
路に関しては、特開昭61−294415号公報や特開
平3−226717号公報等が挙げられるが、その2つ
に分けるオペアンプ電源電圧を生成するために前段のオ
ペアンプ回路で高電圧と低電圧を用いて生成するため、
結局は消費電力をロスする回路部分が異なるだけで、ト
ータルの電力損失(ロスパワー)については解決されて
いない。
【0006】また、一般的な電源回路の低消費電力を目
的とした工夫については、特開平6−130916号、
特開平7−66642号、特開平7−120718号、
特開平7−230265号、特開平7−253764
号、特開平7−271329号、特開平8−14638
9号、特開平8−261401号、特開平9−2814
61号、特開平9−292596号、特開平10−19
8446号、特開平10−253945号の各公報など
に様々なものが記載されており、電源回路にエミッタフ
ォロワのトランジスタ回路を用いるものも時開昭60−
262138号、特開昭61−73196号、特開平3
−48284号の各公報等に記載されている。
【0007】上記従来例の電源回路には、安定した電源
供給を行うためにオペアンプが用いられている。図12
は従来の液晶駆動用電源回路の概略を説明する回路図で
ある。符号1はDC−DCコンバータであり、抵抗R
1,R2,R3,R4で分圧された電圧を人力とするオ
ペアンプ(OP7)の電源は、基本的には電源電圧V
(VOP)である。
【0008】特に、データ電極駆動回路に供給される電
源電圧のうち、高電位電源電圧(VDH)、中間電位電源
電圧(VDC)、低電位電源電圧(VDL)が単一のオペア
ンプ(OP7)で生成される。
【0009】高周波で液晶を駆動する場合には、上述し
たように、液晶の実効値を必要なレベルまで確保するた
めに、液晶駆動用の電源電圧は従来の駆動電圧より比較
的に高い電圧を必要とするため、上記高電位電源電圧
(VDH)は約5V程度、上記中間電位電源電圧(VDC)
は約2.5V程度、オペアンプの電圧(VOP)は約8.
5V程度が必要である。
【0010】なお、走査電極駆動回路に供給される高電
位電源電圧(VSH)は約22.0V程度、低電位電源電
圧(VSL)は約−17.0V程度であるが、中間電位電
源電圧(VSC)はオペアンプの電源電圧(VOP)から2
つのブースタトランジスタ(TR1,TR2)を用いて
電流補償をさせ、上記中間電位電源電圧(VDC)と同一
の約2.5V程度としている。
【0011】この場合、オペアンプの電圧(VOP)と中
間電位電源電圧(VDC)との電位差は約6.0V程度と
なり、中間電位電源に流れる電流(IV1)との積(V
DC×IV1)の電力、および、同様にオペアンプの電圧
(VOP)と、中間電位電源電圧(VSC)との電位差から
生じる電力がロスパワーとなる。
【0012】さらに、走査電極駆動回路の中間電位電源
電圧(VSC)は大きくするたエミッタフォロワのブース
タトランジスタ(TR1,TR2)により電流供給能力
を強化しているため、このトランジスタとして高耐圧の
比較的大きなものが必要である。
【0013】そのため、これが小型化(小パッケージ
化)の障害の一つとなっていた。また、許容損失の大き
いトランジスタは高価でもあり、液晶表示装置の生産コ
スト低減の阻害要因となっていた。
【0014】一方、前記ハイアドレッシング駆動方式で
は、データ電極駆動電圧として、シャドーイング補正用
などの補助レベルを除いて3レベルある。
【0015】図14は画面を上下2分割して上半画面と
下半画面の各2ラインを同時に選択する2ライン同時選
択のハイアドレッシング駆動方式におけるデータ側駆動
電源の消費電流を説明する駆動出力波形図である。図
中、Aの波形は上半画面のデータ側電圧波形(高電位電
圧:VDH、中間電位電圧:VDC、低電位電圧:VD
L)、Bの波形は下半画面のデータ側電圧波形(高電位
電圧:VDH、中間電位電圧:VDC、低電位電圧:V
DL)、Cの波形は上下画面の駆動電流を合計した波形
(高電位電流:VDH電流、中間電位電流:VDC電
流、低電位電流:VDL電流)を示し、画面の全面をO
Nとした時の波形を示す。
【0016】図14のCに示したように、上下画面の駆
動電流の合計電流は、高電位電流(VDH電流)、中間
電位電流(VDC電流)、低電位電流(VDL電流)共
に同極性で、上半画面データ側電流と下半画面データ側
電流とを加算した値となり、加算電流値は大きく、これ
が消費電力の低減を抑制する原因となっていた。
【0017】本発明の目的は、上記従来技術における諸
問題を解消することにあり、低消費電力の液晶表示装置
および液晶駆動方法を提供することにある。
【0018】また、本発明の他の目的は、回路規模が小
さく、かつ、低コストな液晶駆動用電源回路とそれを内
蔵した液晶表示装置および液晶駆動方法を提供すること
にある。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明による液晶表示装置は、複数の走査電極およ
び走査電極に交差する複数のデータ電極を有し、表示画
面を上半画面と下半画面に分割して各半画面の走査電極
を同時に選択して表示を行う液晶パネル(103)と、
所定の関数に従い各半画面の各走査電極に選択電圧を印
加する走査電極駆動回路(101)と、直交関数に従い
表示状態に応じた電圧を印加するおよびデータ電極駆動
回路(102)と、各半画面で同時に選択される走査電
極あるいはデータ電極に与えられる選択電圧が上半画面
と下半画面で極性が異なるようにした関数を発生する直
交関数発生回路(104)と、各半画面に接続された各
走査電極駆動回路及び各データ電極駆動回路に各駆動出
力電圧の基準となる共通の複数レベルの電源電圧を供給
する電源回路(100)であって、複数レベルの電源電
圧の少なくとも2つの電源電圧がそれぞれ電流補償素子
(OP1,OP2等)を介して走査電極駆動回路あるい
はデータ電極駆動回路に供給され、各電流補償素子がそ
れぞれ異なる動作電圧(VopH,VopL)が供給さ
れている電源回路とからなる。
【0020】また、電流補償素子はオペアンプであり、
少なくとも2つの電源電圧のうち、第1の電源電圧(V
DH)は第1の動作電圧(VOPH)で動作する第1のオペ
アンプ(OP1)を介して走査電極駆動回路あるいはデ
ータ電極駆動回路に供給され、第1の電源電圧より低い
第2の電源電圧(VDL)は第1の動作電源より所定の基
準電圧との電位差が小さい第2の動作電圧(VOPL)で
動作する第2のオペアンプ(OP2)を介して走査電極
駆動回路あるいはデータ電極駆動回路に供給される。
【0021】また、走査駆動回路は、前記各半画面の少
なくとも2本以上の走査電極に同時に選択電圧を印加す
る。
【0022】電源回路は上下半画面で分割する場合で
も、それぞれの半画面を駆動する駆動回路に共通の電源
を供給するので、一方の半画面での液晶の充放電電流は
他方の半画面での液晶の駆動に影響を与える。しかしな
がら、本発明のように、上下半画面を駆動するあるいは
走査電極あるいはデータ電極に与える選択電圧の極性を
逆にするような駆動をおこない、更に、極性を逆にする
ことによる消費電力の低減に加えて、各電源電圧の電圧
レベルに応じた電流補償素子の最適な動作電源を与える
ようにしたことで、消費電力の低減が達成できる。
【0023】図15は液晶表示素子を上下に画面分割
し、それぞれの半画面に与えられる電源電圧と、走査電
極駆動回路101及びデータ電極駆動回路102と、コ
ンデンサとして機能する液晶層との間で充放電される電
流の流れの概念説明図である。各駆動回路では電源回路
から供給される複数種の電源電圧を周期的あるいは表示
内容に応じて頻繁に切替えて、走査電極あるいはデータ
電極に接続する。例えば、高電位(VDH)が印加され
た電極が低電位(VDL)に接続された場合には、コン
デンサとして機能する液晶に接する電極から電源回路の
低電位(VDL)に電流が流れることになる。電位を理
想的にするためには、低電位(VDL)に接続されたオ
ペアンプ等の電流補償素子(OP3)が余分な電荷をよ
り低電位側にリークするが、その分はロス消費電力にな
る。
【0024】そこで、上半画面と下半画面とに印加され
る電圧関数の極性を逆にすることによって、図中の矢印
に示すような一方の半画面側から他方の半画面側に電流
が流れることを利用してロス消費電力を低減できるので
ある。もっとも、このような半画面間での電荷の移動に
よる消費電力の効果は表示内容に依存するが、上下半画
面ともON(白表示)とOFF(黒表示)の比率が同等
である場合が多い場合が統計的に多いので、現実の液晶
表示装置の利用の際には本発明の効果は大きい。尚、上
半画面が全て白表示で下半画面が全て黒表示の場合に
は、交流化のための正負サイクルによる駆動回路の切替
えによっても電圧の変化がないので、その場合は電流補
償素子のみが機能することになるのは言うまでもない。
【0025】なお、本発明は、上記構成に限定されるも
のではなく、本発明の技術思想を逸脱することなく、種
々の変更が可能である。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につ
き、実施例を参照して詳細に説明する。図1は本発明を
適用した液晶駆動用電源回路の第1実施例の要部を説明
する概略構成図である。
【0027】この電源回路の要部には、パソコン等の表
示システム本体から供給される基準電源(VCC、VSS)
の他、制御用の信号(VCON )が入力され、基準電圧と
なる4つの電圧(VSH、VSL、VOPH、VOPL)を出力
するDC−DCコンバータ1と、データ電極に印加する
駆動電圧(VDH、VDC、VDL)を生成する分圧抵抗回路
群(R1、R2、R3、R4)と、それらの駆動電圧の
電源強化とシャドーイング補正に必要なオペアンプ(O
P1、OP2、OP3)と、走査電極に供給される非選
択電圧の基準となる駆動電圧(VSC)の電流供給能力を
補うトランジスタ回路(TR1、TR2)とから構成さ
れる。
【0028】このトランジスタ回路は、適宜ブースタト
ランジスタあるいは補助トランジスタとも表現できる。
トランジスタはオベアンプ(OP1)の素子能力を補助
する機能を持つからである。以下、このトランジスタと
オペアンプOP2との組合わせたものは電流補償素子と
定義でき、単にオペアンプとも表現できる。また、逆に
オペアンプという表現は、単純にオペアンプOP1を示
すものと、電流補償素子のことを示すもの双方の意味が
あると定義する。補助トランジスタはオペアンプの機能
の一部として捉えられるからである。
【0029】走査電極の選択電圧として用いられる駆動
電圧のうち、高電圧はVSHで表示されており、見本的に
DC−DCコンバータ1からの出力が直接用いられる。
また、走査電極の選択電圧として用いられる駆動電圧の
うち、低電圧はVSLで表示されており、これも基本的に
DC−DCコンバータ1からの出力が直接用いられる。
【0030】具体的には、上記高電圧VSHは約22V、
低電圧はVSLは約−17Vである。走査電極に供給され
る非選択電圧となる駆動電圧(VSC)は約2.5Vであ
る。また、第1の電源電圧(VOPH)は約7.5V、第
2の電源電圧(VOPL)は約4.0Vであり、データ電
極に印加する駆動電圧(VDH)は約5.0V、データ電
極に印加する駆動電圧(VDC)は約2.5Vである。
【0031】所謂、中心電圧としては、駆動電圧(VS
C)と駆動電圧(VDC)が同じ電圧であり、同じ構成で
生成しても構わないが、後述するように駆動電圧(VS
C)を補正する場合には、本実施例のように同電圧であ
っても別々に生成した方が好ましい。
【0032】また、DC−DCコンバータ1の内部混お
よび動作についての詳細は省略するが、図13に示した
構成とするのが望ましい。すなわち、図13は本発明に
よる電源回路に通したDC−DCコンバータの概略構成
を説明する回路図である。
【0033】図13に示すように、2.8〜3.6V
(ここでは、3.3V)の入力電源(VCC)をトランス
(T1およびT2)を用いて昇圧し、上記の電圧(VOP
H、VOPL、VSH、VSL)を生成する。
【0034】したがって、DC−DCコンバータ1の内
部においては、一度昇圧した電源を分圧し、従来技術の
項で説明したような前段オペアンプで後段オペアンプの
複数電源電圧を生成するような構成とはなっていない。
【0035】なお、基準電圧の1つ(VSS)は接地電圧
のため、記載を省略してある。また、DC−DCコンバ
ータ1の内部構成の他の変形例としては特開平8−59
87号公報(米国特許第5,663,743号明細書)
に記載のように、複数の駆動電圧の生成に用いるオペア
ンプの電源電圧は直接入力された基準電源から分圧等に
より生成し、その他の駆動電圧は基準電源を昇圧するこ
とによって生成するものも挙げることができる。
【0036】いずれにしても、従来はDC−DCコンバ
ータ1の内部も含めた電源回路全体において、基準電圧
(VCC、VSS)を昇圧した電位差の間で何らかの電流補
償素子(オペアンプ)を動作させており、その動作に際
し、ロスパワーが生じることは言うまでもない。
【0037】本実施例では、基準電圧(VCC、VSS)か
ら直接2つ(あるいは2つ以上)の異なる電流補償素子
(オペアンプ)の電源電圧を直接昇圧して生成する点を
前提としている。
【0038】以上のような回路構成にすることにより、
データ電極に印加する駆動電圧(VDH、VDC、VDL)を
生成するオペアンプ(OP1、OP2、OP3)には、
OP1と他のオペアンプOP2およびオペアンプOP3
に、それぞれ異なる電圧の電源電圧が供給されるため、
図12に示した従来の電源回路に比較し、消費電力を低
滅することができる。
【0039】また、走査電極に供給される非選択電圧の
基準となる駆動電圧(VSC)を生成するために用いられ
る基準電圧に第2の電源電圧(VOPL )が用いられるの
で、トランジスタ回路(TR1、TR2)に加わる電圧
が小さくなるため、小さなパッケージのトランジスタが
使用でき、回路規模の小型化、生産コストの低減につな
がる。
【0040】図2は本発明を適用した液晶駆動用電源回
路の第2実施例の要部を説明する概略構成図である。こ
の実施例の構成は、基本的には図1と同様であるが、異
なるのは、オペアンプを1つのみ(オペアンプOP4)
に簡略化した点である。
【0041】オペアンプ(OP4)は電源電圧として、
高電圧のもの(VOPH)を用いる点において従来のもの
と同様であるが、走査電極に供給される非選択電圧の基
準となる駆動電圧(VSC)を生成するために用いられる
基準電圧に第2の電源電圧(VOPL)が用いられるの
で、第1実施例と同様にトランジスタ回路(TR1、T
R2)に加わる電圧が小さくなるため、消費電力は勿論
のこと、小さなパッケージのトランジスタが使用でき、
回路規模の小型化、生産コストの低減につながる。
【0042】なお、各駆動電圧の電圧関係は第1実施例
と同様であり、走査線に選択電圧として供給される2つ
の電源電圧(VSH、VSL)の電位差と、データ線に選択
信号として供給される2つの電源電圧(VDH、VDL)の
電位差の比が、約7.5〜10倍以上の場合に、上記の
第1および第2実施例の構成が適していることは言うま
でもない。
【0043】図3は図1に示した電源回路の実際の回路
実装により近い走査電極駆動用電圧の生成部とデータ電
極駆動用電圧の生成部とを説明する回路図であるが、オ
ペアンプ(OP1、OP2、OP3)やDC−DCコン
バータ1が、それぞれ1つの集積回路IC内に形成され
ているイメージを示している。
【0044】また、VSH、VSLを分圧することによって
生成されるロジック用の電圧(VLogic )は駆動回路の
制御に用いられるが、本発明の説明には直接関係しない
ので詳細は省略する。
【0045】以上の実施例に開示されたものであるが、
本発明は別の観点においては次のような捕らえ方が可能
である。
【0046】つまり、高い電流補償素子用の電源(駆
動)電圧(VOPH)と接地電位(基準電位)との電位差は
7.5V、低い電流補償素子用の電源(駆動)電圧(V
OPL)と接地電位(基準電位)との電位差は4.0Vで
あり、その電位差の違いは3.5V(オペアンプ電源電
位差)である。また、DC−DCコンバータ1からの出
力電圧の最高電圧(VSH:22V)と最低電圧(VSL:
−17V)との電位差は39Vであり、液晶の実効値と
の関係では39Vの1/12(つまり、3.25V)よ
り、上記オペアンプ電源電位差が大きいことが効果とし
てより有効な範囲であるとも規定できる。
【0047】また、以下に本発明の液晶駆動用電源回路
を適用する液晶表示装置の構成の全概略につき、図4〜
図11を用いて説明する。
【0048】図4は本発明の液晶駆動用電源回路を適用
する液晶表示装置の構成を示すブロック図であって、1
03は液晶パネル、101は2ラインを同時に選択する
走査電極駆動回路、102は走査電極駆動回路101が
選択走杏する2ライン上の表示状態を決定するデータ電
極駆動回路である。
【0049】液晶表示コントローラ106からは、複数
ビット(ここでは8ビットであるが、12あるいは16
ビット等でも構わない)パラレルの表示データ(D7〜
D0)、表示データに同期したデータラッチクロック
(データクロック信号CL2)、1周期で1ラインのデ
ータが送られるラインクロック信号(ラインクロックC
L1)、1フレーム期間の最初を示す先頭ラインクロッ
ク(フレーム同期信号あるいはフレームパルスFL
M)、”0”のとき表示が停止される表示オフ制御信号
(DISPOFF)が出力される。
【0050】また、符号108、109はそれぞれデー
タ電極駆動回路およびデータ電極駆動回路に必要な電源
電圧群であり、100は電源電圧群を生成する本発明に
よる電源回路である。そして、直交関数発生回路104
は直交関数W1信号とW2信号を発生する。
【0051】直交関数W1信号とW2信号は、走査電極
駆動回路101、データ電極駆動回路102、補正クロ
ック生成回路105に供給される。
【0052】補正クロック生成回路105は、後述する
ように、走査線の選択電圧の実効値を調整するための補
正クロックCC1およびCC2を生成する。本質的な機
能としては、所謂シフト数に該当する複数行分の表示デ
ータの内容に基づく補正量と、走査線の非選択電圧に生
じるスパイク状の歪から算出される補正量との合計補正
量に相当する補正クロックを生成する機能とも表現でき
る。より現実的な対費用効果を考慮すると、後者の走査
線の非選択電圧に生じるスパイク状の歪から算出される
補正から走査電極の選択電圧は省略しても構わない。
【0053】この実施例では、縦方向のシャドーイング
と横方向のシャドーイングとを低減するため、縦方向の
シャドーイングに対しては非選択電圧に生じるスパイク
状の歪を非選択電圧電源に充放電される電流を積分し、
フィードバックすることによって走査線の非選択電圧を
補正する機能と、横方向のシャドーイングに対しては所
謂シフト数に相当する複数行分の表示データの内容から
算出されるパルス幅とスパイク歪みから算出されるパル
ス幅とを合算したパルス幅の期間を、選択電圧印加中に
実効値の調整期間として走査電極駆動回路101に与える
機能との双方が開示されている。
【0054】図5は図4で説明した本発明における電源
回路100の全体構成を説明する回路図である。電源回
路100は、VCC電圧で駆動するDC−DCコンバータ
1、分圧抵抗R1〜R4、オペアンプOP1,OP2お
よびOP3、電圧補正回路200、演算増幅積分回路2
05等で構成される。
【0055】電圧補正回路200はさらに、後述の図6
に示したような回路になっており、電流検知用抵抗R1
0にて検知したスパイク状過渡電流を、オペアンプOP
5を含む演算増幅積分回路205の部分とオペアンプO
P6を含む積分回路部分にて補正し、上記の駆動電圧
(VSC)を補正することになる。
【0056】電圧VSH、電圧VSLは、それぞれDC−D
Cコンバータ1により直接生成され、調整電圧VCON の
電圧により可変できるものとする。また、電圧VDH 、
VDC、VDLは、電圧VSCも含めて走査電極駆動用の電源
電圧VSHと電圧VSLとの間で抵抗R1〜R4で分圧し、
オペアンプOP1、OP2、OP3とトランジスタTR
1、TR2を用いたボルテージフォロワ回路を介してイ
ンピーダンス変換を行って出力される。
【0057】なお、この抵抗R1〜R4の間には、 R1=R4 R2=R3 という関係がある。また、上記各電圧間には、 VSH >VSC >VSL VSH−VSC=VSC−VSL VDH >VDC >VDL VDH−VDC=VDC−VDL の関係がある。電圧VSCは基準電圧VC を幕に電圧補正
回路200内で生成される。
【0058】また、本実施例では、本来の選択電圧(V
SH、VSL)より電圧(VSC)に近い所定電圧(VSHA 、
VSLA )を生成する。非選択電圧が印加された走査線に
生じた波形歪から積分した値で非選択電圧の実効値を制
御し、更に、波形歪みに応じた第1のパルス幅で選択電
圧の実効値を制御する。
【0059】また、選択電圧の実効値を制御するため
に、表示内容に応じた第2のパルス幅を上記第1のパル
ス幅に加算することで、波形歪みの積分による縦シャド
ーイングの低減に加え、横シャドーイングの低減も可能
となり、より木目細やかに選択電圧の実効値の制御が可
能となる。
【0060】パルス幅を規定するのは補正パルスCC
1、CC2であり、この信号が入力された走査電極駆動
回路は選択パルスの入力期間に本来の選択電圧(VSHあ
るいはVSL)に替えて、電圧(VSC)に近い所定電圧
(VSHA あるいはVSLA )を選択的に走査電極に供給す
る。
【0061】なお、補正パルスCC1、CC2のパルス
幅は、上述の異なる要因による実効値の増加あるいは低
減をするために、そのパルス幅が制御されるものであ
り、各パルス幅の期間に本来の選択電圧(VSH、VSL)
に替えて選択的に供給される所定電圧(VSHA あるいは
VSLA )によって実効値の補正制御をするものである。
【0062】したがって、システムクロックの一部であ
る一時分割期間やラインクロックCL1のように一定の
パルス幅をもつクロックと性質は異にする。
【0063】また、データ駆動用電源(VDH、VDL)
を、抵抗R20、R21、R22で分圧することによ
り、図6で後述する歪パルス発生回路203の基準電圧
として用いられる。各電圧の間には、 VDH >V(+)>VDC >V(−)>VDL の関係がある。
【0064】図6は本実施例における電圧補正回路の構
成例を説明する回路図である。抵抗R10は電流検出用
の抵抗であり、走査電極駆動用非選択電圧ラインに直列
に設けられている。走査電極駆動波形の非選択部の歪は
データ電圧の切り替わりのクロストークにより、走査電
極に電流が流れ、回路抵抗の電圧降下によって生じるも
のである。
【0065】走査電極に流れる電流は電源回路に流れる
電流より予測できる。したがって、走査電極駆動波形の
非選択部の歪は、電源回路の走査電極駆動用非選択ライ
ンに流れる電流値により予測できる。
【0066】すなわち、抵抗R10の両端に発生する電
圧を検知することにより、走査電極駆動波形の非選択部
の歪が検出できる。
【0067】抵抗R11〜R14とオペアンプOP5に
より演算増幅回路が構成されており、抵抗R10の走査
電極駆動回路側の端子が、演算増幅回路の非反転増幅側
の抵抗R13に接続され、抵抗R10の電源回路側の端
子が演算増幅回路の反転増幅側の抵抗R11に接続され
ている。このとき、反転増幅率をAとすると、 A=R12/R11 非反転増幅率をBとすると、 B=R14(R11+R12)/(R11(R13+R
14)) となる。
【0068】また、抵抗R15およびR16、コンデン
サC10、オペアンプOP6、クロックCL1に従って
オン・オフ動作を行うスイッチ204により積分回路
(ただし、反転積分回路)が構成される。なお、本回路
においては、積分回路が補正電圧発生回路を兼ねてい
る。
【0069】出力に電流iが流れない(波形歪がない)
場合は、出力電圧VY0は基準電圧VSCと同じになる。電
流iが流れた場合、演算増幅回路の出力電圧V2は、積
分回路の出力電圧をv1として(ただし、基準電圧VC を
0Vとした場合)、 v2=−A・v1+B・(v1−i・R10) =−B・R10・i+(B−A)・v1 となる。さらに積分回路を通したv1出力は、 v1=B・D・R10・∫idt−(B−A)・∫v1
dt となる。ただし、D=C10/(R15+R16)であ
る。
【0070】ここで、A=Bとして第2項を積分せずに
補正をかける方式が考えられる。すなわち、v1=K ・
iとした補正である。この方式では、電流値に従って補
正がかかるが、液晶パネルの付加を考えた場合、積分回
路の出力電圧v1の変化によって電流iが増加する方向
に作用するため、完全に補正をかけようとした場合、原
理的には無限大の電流が必要となる。
【0071】実際は補正が十分かからないか、回路が安
定しないという欠点が生じる。その対策としては、特開
平6−27899号公報にも開示されたように、デ一夕
電圧に補正をかける方式や、時間遅延素了を用いる方式
が考えられる。しかし、データ電圧に補正をかける方式
は、表示のちらつきが発生する副作用があり、また時間
遅延秦了を用いる方式は回路が複雑になる。
【0072】そこで、まず電流値の積分を補正に使用す
ることで時間遅延の効果を入れ、かつ補正の振幅を下げ
る。ここで、電流は一時分割毎に変化するので、積分値
は一時分割毎にリセットする必要がある。
【0073】さらに、A<B(A≠B)とすることで積
分回路の出力電圧v1の変化を抑制する項を入れること
により、回路の安定化を行っている。以上により、十分
な補正が安定した状態で得られる。
【0074】なお、回路中のノイズの影響の除去または
補正特性の最適化のため、補正回路に信号変調回路20
1を付加している。この信号変調回路201は双方向の
ダイオードで構成され、当該ダイオードの順方向電圧以
上の電圧が入力されないと積分回路が動作しない。した
がって、回路のノイズを検知することなく補正が可能と
なる。
【0075】また、縦方向の罫線の上下に生じるシャド
ーイングを補正する場合であっても、白背景に悪罫線表
示の場合と黒背景に白罫線表示の場合とでは、液晶の誘
電率の違いにより厳密には適正な補正量が異なる。
【0076】しかしながら、上記したように、基本的に
走査電極上の電流を検知することによって補正電流を生
成する場合には、白背景と黒背景との違いに応じて補正
量を変えることは困難であるので、信号変調回路201
で積分補正にしきい値を持たせることによって白背景と
黒背景との補正量を疑似的に最適化するとが可能となる
のである。
【0077】また、本構成例では、直交関数W1信号お
よびW2信号を直交関数発生回路105で発生させてい
るが、これに限るものではなく、走査電極駆動回路の内
部で直交関数W1信号およびW2信号を発生させて、こ
れをデータ電極駆動回路や補正クロック発生回路に供給
する構成としてもよい。さらに、ここでは同時選択する
ライン数を2として説明したが、これに限ることなく、
2以外の場合についても同様の効果が得られる。
【0078】ところで、上記した構成では、過渡的な波
形歪を検知するため、補正電圧のアナログ演算結果が適
正値よりも大きくなり過ぎ、表示パターンによってはシ
ャドーイングの低減効果が半減する場合も生じる。
【0079】そこで、本実施例では図6に示したよう
に、基準電圧VC と信号変調回路201の出力との間
に、一対の双方向ショットキーダイオード202を設け
ている。
【0080】この双方向ショットキーダイオード202
を2つの抵抗R15とR16との中間点に接続すること
により、積分回路(コンデンサC10とオペアンプOP
6)に流れる電流が双方向ショットキーダイオード20
2のしきい値電圧(これをVFとする)と抵抗R16の
比(VF/R16)に制限できるため、過渡電流による
オーバー補正を抑制することが可能となる。
【0081】さらに、本構成には歪パルス発生回路20
3が付加されている。この歪パルス発生回路203で生
成された正万向の歪パルス信号CW+(以下、正歪パル
ス信号と言う)と負方向の歪パルス信号CW−(以下、
負歪パルス信号と言う)は、補正クロック牛成回路10
5に供給される。
【0082】図7は図4の補正クロック生成回路105
の構成を説明するブロック図である。
【0083】上記の正歪パルス信号CW+と負歪パルス
信号CW−を受けた第1論理回路300は、走査電極駆
動回路101(図4)にも供給されている直交関数と縦
シャドーイングの起因となる非選択ライン上のスパイク
状の歪の大きさとから、同時選択される選択電圧をそれ
ぞれ補正する第1補正パルス(CCA1、CCA2)を
決定する。
【0084】原則的には、決定されたパルス幅で実効値
を制御する開始タイミング(あるいは終了タイミング)
を各時分割期間内の所定のタイミングで行うため、ライ
ンクロックCL1も第1の論理回路300に供給される
が、加算回路302の内容によっては必ずしも必須のク
ロックではない。
【0085】また、第2の論理回路301は横シャドー
イングの起因となる表示内容に依存した実効値の増加を
低減するため、図示のように入力されるデータ信号(D
7〜D0)や他の信号から表示内容により計算された第
2補正パルス(CCD1、CCD2)を生成する。第2
補正パルス幅は走査線の同時選択数分生成される。
【0086】具体的な第2補正パルスの幅(WCCD )
は、データ線の数を800本(SVGAに相当)とし、
一時分割期間(クロックパルスCL1の立ち下かりから
次の立ち下がりまでの期間)を約20μ秒とすると、白
表示(オン)の背景に黒(オフ)の横罫線が表示され、
その白(オン)の数をnとした時、(1)0<n<40
0の場合は、 WCCD =An+B 但し、−4.1×10-3<A<−3.4×10-3、1.
6<B<1.90 で一般化され、0.24〜1.8μ秒の範囲のパルス幅
の補正となり、(2)400<n<800の場合は、 WCCD =An+B 但し、a≒−6.0×10-4、B≒0.48 で一般化され、0.24μ秒の範囲のパルス幅の補正と
なる。
【0087】次に、これらの第1および第2の論理回路
300と301で生成された補正パルスは、加算回路3
02に入力され、実際に選択電圧の制御に用いる補正ク
ロックCC1およびCC2が生成される。
【0088】補正クロックCC1は同時選択される奇数
行の走査電極の選択電圧のための補正クロックであり、
補正クロックCC2は同時選択される偶数行の走査電極
の選択電圧のための補正クロックである。
【0089】詳細な動作については説明を省略するが、
基本的には通常の選択電圧印加期間の中で第1補正パル
スCCAによる補正が0になる時点と第2補正パルスC
CDによる補正が0になる時点とを一致させておく。
【0090】つまり、第1補正パルスCCAの補正によ
る補正量が0より大きい場合は、上記の補正量が0にな
る時点から時間軸で進行方向に実効値を低減させる補正
を行い、第2補正パルスCCDの補正による補正量が0
より大きい場合は、その補正量が0になる時点から時間
軸で逆行する方向に実効値を低減させる補正を行う。
【0091】また、スパイク状の歪は、その方向により
同時選択される走査線の一方の選択電圧の実効値を増加
させると同時に、他方の選択電圧を減少させる場合もあ
るので、そのような場合には、第1補正パルスにマイナ
スの補正量を持たせ、そのマイナスの補正量の分だけ第
2補正パルスによる補正を相殺するように構成すること
が可能である。
【0092】図8は本実施例における液晶パネルの動作
を説明する波形図である。フレーム周波数は150〜3
00Hzで駆動される。本実施例の液晶駆動電源回路の
出力の内、走査電極駆動回路に供給する選択電圧VSH ま
たはVSL、およびVSCは、非走査電圧(VSC)が供給さ
れる走査線に流れる縦シャドーイングの起因となる歪電
流に応じて、その電圧が変動する。
【0093】これにより、走査電極駆動回路の出力はY
1〜Y6に例示されるような波形となる。走査電圧の選
択期間では上述の補正クロック生成回路105からの補
正クロックにより選択電圧の実効値を減少させた補正波
形があり、非選択期間には背景のデータ電圧波形の切り
替わりによるパルス状の波形歪による実効値の補正が見
られる。
【0094】非選択期間の補正では、その波形歪にすぐ
続いてその歪を相殺するように補正電圧が印加され、時
分割期間の終わりでリセットされる。なお、一時分割期
間のタイミング制御のためのラインクロックCL1は一
定のパルス幅を有するクロック信号である。
【0095】各時分割期間の開始タイミングはラインク
ロックCL1の立ち下がりのタイミングであり、上述の
補正電圧のリセットはラインクロックCL1の立ち上が
りのタイミングで開始される。
【0096】図9は本発明による液晶表示装置の駆動方
法の実施例を説明する画面の全面をオンとした時の駆動
電圧および駆動電流の波形図である。同図のAは上半画
面の駆動電圧および電流を、Bは下半画面の駆動電圧お
よび電流を示し、Cは上下半画面の駆動電流の合計を示
す。
【0097】画面を上下に分割して2ライン同時選択す
る場合、前記図14に示したものでは、上半画面と下半
下面の各選択ラインに印加する3レベルのデータ電圧
(高電位電圧:VDH、中間電位電圧:VDC、低電位電
圧:VDL)は同極性である。
【0098】上下画面の駆動電流を合計したCの波形
(高電位電流:VDH電流、中間電位電流:VDC電流、低
電位電流:VDL電流)である。
【0099】すなわち、従来では、上半画面と下半画面
の各選択ラインに印加する3レベルのデータ電圧の印加
で流れる駆動電流の合計電流は、図14のCに示したよ
うに、合計電流は、高電位電流(VDH電流)、中間電位
電流(VDC電流)、低電位電流(VDL電流)共に上半画
面データ側電流と下半画面データ側電流とを加算した値
となる。
【0100】本実施例では、上半画面と下半画面の各選
択ラインに印加する3レベルのデータ電圧(高電位電
圧:VDH、中間電位電圧:VDC、低電位電圧:VDL)を
AとBに示したように互いに逆の波形にしたことで、図
9のCに示したように中間電位電流(VDC電流)は0、
高電位電流(VDH電流)と低電位電流(VDL電流)は上
下の半画面それぞれの電流値のみとなる。
【0101】このような駆動電流を得るために、本実施
例では、上半画面と下半画面の同時選択される走査電極
およびデータ電極に供給する直交関数の波形を互いに逆
とすることによって、上下の半画面に供給される駆動電
圧が互いに逆になり、一方の半画面が充電であるときは
他方の半画面では放電となり、電源から供給する電力が
殆ど0になるようにした。尚、データ電圧(VDC)の電
源ラインが上下半画面で通じているので、充放電電流は
液晶層が容量成分をもつコンデンサのように機能するこ
とから効果が生じる。
【0102】その結果、液晶パネルを駆動するための電
力が著しく低減され、液晶表示装置全体として消費電力
を大幅に低減することができる。
【0103】図10は上半画面の駆動波形図、図11は
下半画面の駆動波形図である。なお、両図とも走査側波
形とデータ側波形は一部のみを示す。図10と図11を
比較して分かるように、上半画面に与える直交関数W1
U,W2Uと、下子画面に与える直交関数W1L,W2
Lのそれぞれは互いに逆の波形となっている。
【0104】したがって、上半画面の走査側波形(走査
電極駆動波形)Y1〜Y6と、下半画面の走査側波形
(走査電極駆動波形)Y301〜Y306は逆波形とな
る。そして、上半画面のデータ側波形(データ電極駆動
波形)と、下半画面のデータ側波形(データ電極駆動波
形)も逆波形となる。
【0105】このように、同時に選択される走査線の駆
動電圧を生成するための関数を上下の半画面で逆に与え
ることによって、分割した上下半画面の一方が充電の場
合、他方は放電となり、この放電電流を充電電流として
利用できるため、電源回路から供給する電流量の低減効
果がある。
【0106】また、高電位電源電圧と低電位電源電圧の
過電流が加算されることがなく、かつ、駆動電源から見
ると、中間電位電源には理想的には電流を供給する必要
がなくなる。その結果、消費電力は著しく低減される。
【0107】以上のように、STNタイプの液晶表示装
置においては、薄膜トランジスタ(TFT)タイプに肉
薄した画質を得るためには、フレーム周波数を高めるな
どの改良が必要である。しかし、フレーム周波数を高め
るが故に必要となる高低差の大きい電源電圧や頻繁に電
圧補正をするために生じる電源電圧への影響が大きくな
るという問題がある。本実施例の電源回路を用いること
で、このような問題を解消でき、高画質で低消費電力の
液晶表示装置を提供することができる。
【0108】なお、本発明は、上記実施例の液晶表示装
置に限るものではなく、比較的高電圧の駆動電圧が要求
される液晶表示装置の他、小型化が求められる制御装置
やその他の表示装置にも適用できる。
【0109】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
高耐圧の比較的大きなトランジスタを必要としないた
め、小型のパッケージを用いることで回路規模が小さ
い、低コストの駆動回路構成とすることができる。ま
た、複数ライン同時選択走査では、一方のラインの駆動
電流の放電電流を他方のラインの充電に利用できるた
め、消費電力が低減し、高効率の液晶表示装置を得るこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した液晶駆動用電源回路の第1実
施例の要部を説明する概略構成図である。
【図2】本発明を適用した液晶駆動用電源回路の第2実
施例の要部を説明する概略構成図である。
【図3】図1に示した電源回路の実際の回路実装により
近い走査電極駆動用電圧の生成部とデータ電極駆動用電
圧の生成部とを説明する回路図である。
【図4】本発明の液晶駆動用電源回路を適用する液晶表
示装置の構成を示すブロック図である。
【図5】図4で説明した本発明における電源回路の全体
構成を説明する回路図である。
【図6】本発明の実施例における電圧補正回路の構成例
を説明する回路図である。
【図7】図4の補正クロック生成回路の構成を説明する
ブロック図である。
【図8】本発明の実施例における液晶パネルの動作を説
明する波形図である。
【図9】本発明による液晶表示装置の駆動方法の実施例
を説明する画面の全面をオンとした時の駆動電圧および
駆動電流の波形図である。
【図10】上半画面の駆動波形図である。
【図11】下半画面の駆動波形図である。
【図12】従来の液晶駆動用電源回路の概略を説明する
回路図である。
【図13】本発明による電源回路に通したDC−DCコ
ンバータの概略構成を説明する回路図である。
【図14】画面を上下2分割して上半画面と下半画面の
各2ラインを同時に選択する2ライン同時選択のハイア
ドレッシング駆動方式における消費電流を説明する駆動
出力波形図である。
【図15】上下半画面の間で充放電される電流の流れの
概念説明図である。
【符号の説明】
1 DC−DCコンバータ OP1〜OP3 オペアンプ TR1,TR2 トランジスタ 100 電源回路 101 走査電極駆動回路 102 データ電極駆動回路 103 液晶パネル 104 直交関数発生回路 105 補正クロック生成回路 106 液晶コントローラ 107 表示システム本体。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H093 NA10 NA22 NA34 NA80 NC03 NC04 NC09 NC13 NC16 NC22 NC23 NC25 NC26 NC27 ND39 ND49 ND50 ND54 NE07 NE10

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の走査電極および走査電極に交差する
    複数のデータ電極を有し、表示画面を上半画面と下半画
    面に分割して各半画面の走査電極を同時に選択して表示
    を行う液晶パネルと、所定の関数に従い各半画面の各走
    査電極に選択電圧を印加する走査電極駆動回路と、上記
    関数に従い表示状態に応じた電圧を印加するおよびデー
    タ電極駆動回路と、上記各半画面で同時に選択される走
    査電極あるいはデータ電極に与えられる選択電圧が上半
    画面と下半画面で極性が異なるようにした関数を発生す
    る直交関数発生回路と、各半画面に接続された各走査電
    極駆動回路及び各データ電極駆動回路に各駆動出力電圧
    の基準となる共通の複数レベルの電源電圧を供給する電
    源回路であって、上記複数レベルの電源電圧の少なくと
    も2つの電源電圧がそれぞれ電流補償素子を介して上記
    走査電極駆動回路あるいは上記データ電極駆動回路に供
    給され、各電流補償素子がそれぞれ異なる動作電圧が供
    給されている電源回路とからなることを特徴とする液晶
    表示装置。
  2. 【請求項2】前記電流補償素子はオペアンプであり、前
    記少なくとも2つの電源電圧のうち、第1の電源電圧は
    第1の動作電圧で動作する第1のオペアンプを介して前
    記走査電極駆動回路あるいは前記データ電極駆動回路に
    供給され、上記第1の電源電圧より低い第2の電源電圧
    は上記第1の動作電源より所定の基準電圧との電位差が
    小さい第2の動作電圧で動作する第2のオペアンプを介
    して前記走査電極駆動回路あるいは前記データ電極駆動
    回路に供給されることを特徴とする請求項1に記載の液
    晶表示装置。
  3. 【請求項3】前記走査駆動回路は、前記各半画面の少な
    くとも2本以上の走査電極に同時に選択電圧を印加する
    ことを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
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