JP3556238B2 - 米穀の複合的利用法 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は白糠または砕米を出発材料として利用し、付加価値の高い種々の製品を生産し、一般に有利に提供する技術に係わる。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
米は主要食糧として世界で最も多く生産されている作物の1つであるのみならず、他の穀類に比べて米に含有される蛋白質のアミノ酸組成のバランスが良く、そのため栄養的利用効率が良く、栄養学的には牛肉に匹敵すると言われている(Food Technology,35(11),38−42,1981)。しかし、米蛋白質の多くが含まれる外皮部分(糊粉層)は精米工程でヌカとして除かれ、食用にはほとんど供されることはない。また、白糠や砕米は精米工程で生ずるが、現在その大部分は、主に家畜飼料として利用されているに過ぎない。しかし、砕米は勿論、酒米の精米過程で生じる白糠や上白糠には、良質な蛋白質がなお5.0%以上含まれている。従って、これらの澱粉部分を酵素で特異的に変換すれば蛋白質分を濃縮分離することが出来る。
【0003】
サイクロデキストリンの製造法については既に多くの研究開発例が知られており(澱粉科学,22,6−10,1975:農芸化学会誌,51,691−698,1977:澱粉科学,36,35−42,1989)、澱粉質はBacillus属菌体より産生される酵素、サイクロデキストリン・グルカノトランスフェラーゼ(以下、CGTaseと略称する)の作用により環状デキストリンに転換される。環状デキストリン(サイクロデキストリン;以下、CDと略称する。)は構造上種々の物質分子を包接する性質を有するが、この性質を利用して色々な揮発性香辛成分の安定化や悪臭物質のマスキング、あるいは味覚の改善など製薬工業や食品加工分野で応用されている(食品工業,31(4),30−40,1988:New Food Industry,34(5),40−44,1992)。ただし、現在CDやその誘導体は大量にかつ手軽に利用出来るほど廉価ではない。また、CD製造の原料となる澱粉としては一般に、馬れい薯、甘薯、トウモロコシ、タピオカからの加工澱粉が使われているが、米糠や砕米を直接使用した例はまだ無い。従って、比較的安価な米糠や砕米を原料として使うことが出来れば、コスト低減の一助となることは当然である。
【0004】
ところで、澱粉の酵素処理でそのすべてがCDに変換される訳でなく、かなりの量のデキストリンやマルトオリゴ糖が残る。これは、乳酸、クエン酸やアルコール生産の原料として利用することが出来る。乳酸は澱粉やグルコースなどの発酵により生産され、酸味料、香味の緩衝剤やpHの調整剤として用いられるのみならず、カルシウム強化用調整剤として現在かなりの量が使用されている。従来の乳酸発酵法では澱粉を糖化してぶどう糖(グルコース)として発酵に供するが、これにはかなりのコストを要する。グルコースは上述したように、乳酸製造のみならず、アルコールやクエン酸などの原料となるので、高純度なグルコースが安価に供給されれば発酵・醸造工業における製造コストの低減に寄与することは明らかである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記諸課題を解明するため研究を重ねた結果、Bacillus属好熱性菌の産生する酵素が米糠や砕米を原料として効率良くCDを生産することを見い出し本発明に至った。また、生産されたCDを分離した母液から高純度のグルコースが容易に生産出来ること、並びにこのグルコースを乳酸発酵の原料に使うと効率良く乳酸が生産されることを確認した。さらに、CD分離前の不溶物について分析した結果、その乾物中には蛋白質分が30%以上に濃縮されていることが判り、これを栄養食品製造の原料として応用出来ることを見い出した。本発明はこのようにして完成するに至った。
以下、本発明を詳細に説明する。
【0006】
本発明の工程において、原料として使用されるのは米糠または砕米であるが、米穀粒を使用しても差し支えない。砕米および米穀は使用前に出来るだけ細かい粉状に挽いておくほうが生合成反応を迅速に進めるのに好ましい。
【0007】
一方、CDを生合成する酵素、CGTaseは主としてBacillus属細菌により生産され、中でもmaceransmegateriumcirculans等がよく知られている(澱粉科学,38(2),211−215,1991)。本発明では、これらの菌体の外に新たに検索された各種菌体(アルメニア共和国科学アカデミーより供与)について試験した結果、増殖率やCGTase活性等の特性から2,3の菌株は効率的なCD生産に適していることを見い出した。表1にそれら特性を示す。
【0008】
【表1】
Figure 0003556238
【0009】
原料となる米糠または砕米は5〜20%(重量百分率)の範囲で利用出来るが、操作性と反応効率からみると10%前後の濃度とするのが望ましい。種々の濃度の米糠を使用した場合に得られた生成物の割合を表2に示す。
【0010】
【表2】
Figure 0003556238
【0011】
米糠溶液を80〜100℃で15〜30分間加熱糊化し、澱粉1gあたり5THUのCGTaseを加えて液化させる。このとき、5〜15mM/lのCaClを添加すると液化およびその後の反応に促進効果が認められた。液化させた母液にCGTaseをさらに澱粉1gあたり8THU添加し、40〜50℃下で撹拌しながら18〜24時間培養した。培養後、遠心分離すると乾物重換算で4〜12%量の沈澱部が得られた。この沈澱部は蛋白質分が30%以上に濃縮されており、優れた栄養食品用素材として利用出来る。
【0012】
上清液は活性炭を加えて加熱後、濾過液を減圧濃縮し低温下(4℃)で静置すると、β−CDが析出した。β−CDの収率は乾物重換算で原料の10〜20%量であった。β−CDを除いたあとの濾液に5%量のシクロヘキサンを加えて撹拌し、沈澱したα−CDを遠心分離にかけて集めた後、再度水に溶かし、スプレードライヤーにより乾燥させると8〜13%量のα−CDが得られた。
【0013】
CDを収穫した後の残液はアミラーゼを添加して澱粉や多糖類を分解し、活性炭処理して濾過すると純度の高いグルコース溶液が得られる。このグルコース溶液はそのまま乳酸発酵などの原料として使用できるし、スプレードライすることによりグルコース結晶粉末に調製することも可能である。
【0014】
【実施例】
以下、T42菌株を用いた実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。
【0015】
原料として白糠(糖精歩合80%以下)を使用した。白糠100gにCaCl10mMを添加したものに水を加えて1リットルとし、100℃で15〜30分間撹拌しながら糊化させた。糊化した原料液に好熱性Bacillus属細菌のINMIA−T42株(Microbiology Institute of Armenian Academy of Science より供与)が生産するCGTaseを澱粉1gあたり5THU加え80〜85℃下で30分間よく混合した後、50℃まで冷却する。CGTaseをさらに8THU/g添加し50℃下で24時間振盪しながら反応させる。反応後、懸濁液を8,000回転/分で15分間遠心分離すると約10gの沈澱物が得られ、それを乾燥させると約40%(重量比)の蛋白質を含む米粉5gが得られた。この蛋白質濃縮米粉は栄養バランスが取れていて消化も良く、ベビーフード、プディングやお粥などの栄養食品素材として広く利用出来る。表3に得られた米粉の成分組成を示す。
【0016】
【表3】
Figure 0003556238
【0017】
遠心上澄部はpHを5.2に調整した後80mgのグルコアミラーゼ(124U/g)を添加して30分〜1時間、50℃下で撹拌する。その後100℃に加熱して酵素活性を止め活性炭を加えて濾過し、減圧下で5分の1量程度になるまで濃縮する。濃縮液は4℃の低温下に置くことによりβ−CDが速やかに結晶化し始めた。この結晶を集めて乾燥したところ約14gのβ−CD粉末が得られた。残った溶液にシクロヘキサンを5%(体積比)加えて良く撹拌し、4℃下で1時間静置した後8,000回転/分で15分間遠心分離する。沈澱部に200mlの水を加えてから加熱しシクロヘキサンを蒸発させる。その後濾過し乾燥すると約13gのα−CDが得られた。
【0018】
遠心分離した上澄部はほぼ純粋なグルコース溶液であり、スプレードライヤーで乾燥すると50〜60gのグルコース結晶粉末が得られた。
【0019】
【発明の効果】
本発明により、米糠・砕米から付加価値の高いCD、グルコースおよび蛋白質濃縮米粉を生産できる。しかも、原料を完全に利用できるので、廃棄残渣が出ないという長所を持つ。

Claims (1)

  1. 白糠または砕米に、サイクロデキストリングルカノトランスフェラーゼを作用させ、サイクロデキストリン、グルコース及び高蛋白質米粒画分を製造することを特徴とする白糠及び砕米の複合的利用方法。
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