JP3556227B2 - 実部信号成分と虚部信号成分を用いた示差分析のための装置および方法 - Google Patents

実部信号成分と虚部信号成分を用いた示差分析のための装置および方法 Download PDF

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Description

発明の背景
本発明は示差熱量分析のための方法および装置に関する。示差熱分析技術は一般に、試料物質と基準物質とに同時に熱を加え、試料が物理的または化学的に変化したときに、示差入力のようなパラメータを測定することにより構成されている。示差熱分析(DTA)の場合、試料と基準物質がプログラミングされた速度にしたがって加熱されるかまたは冷却され、走査実行時に試料と基準物質との間における温度差が測定される。示差走査熱量分析(DSC)の場合、温度差ではなく入力の差が測定される。入力の差は、加熱または冷却プログラムにより試料および基準物質を保持するのに必要とされるエネルギーにおける差である。
DSCとDTAに加えて、温度に伴って変化する基本特性を測定するためにその他の示差熱分析技術も存在している。示差誘電分析(DDA)の場合、温度変化中に試料の特性(誘電率)が測定される。さらに示差熱重量分析(DTGA)の場合、温度が上昇したときに試料の示差重量損失が監視される。
本発明は、動的示差熱分析の形態であり動的示差走査熱分析と呼ばれる特有の適用事例を有している。動的示差熱分析についてはたとえば、Wunderlich等による1964年の論文"Theory and Measurements of the Glass−Transformation Interval of Polystyrene",Journal of Applied Physics,Vol.35,No.1,p.95−102(1964.1)に記載されている。ここではこの論文全体を参照のこと。
本発明によれば、差分信号を処理して、考察される熱的事象の”エネルギーストレージ”と”エネルギーロス”部分にかかわる実部成分(同相)と虚部成分(直交位相)を形成する種々の動的示差熱分析技術のための方法および装置が提供される。同相成分と直交位相成分によって、時間に依存しないまたは時間に依存する熱的事象のための物理的および熱力学的情報が得られる。
図面
図1は”入力補償”示差走査熱量計を示す図であり、これは2つのコントロールループを有しており、本発明の実施に合わせて整合されている。
図1Aは本発明で用いられている温度プログラムの1つの実例を示す図であり、等温セグメントに続いて等しい期間の加熱走査セグメントが設けられている。
図1Bは、加熱走査セグメントに続いて等温セグメントの設けられた温度プログラムの1つの実例を示す図である。
図1Cは、加熱走査セグメントに続いて冷却走査セグメントの設けられた温度プログラムの1つの実例を示す図である。
図1Dは、冷却走査セグメントに続いて加熱走査セグメントの設けられた温度プログラムの1つの実例を示す図である。
図1Eは、等温セグメントに続いて冷却走査セグメントの設けられた温度プログラムの1つの実例を示す図である。
図1Fは、冷却走査セグメントに続いて等温セグメントの設けられた温度プログラムの1つの実例を示す図である。
図1Gは、図1Dに示されている温度プログラムの変形の1つの実例を示す図である。
図1Hは、図1Cに示されている温度プログラムの変形の1つの実例を示す図である。
図2は、本発明の実施に合わせて整合されているDTA機器を示す図である。
図3は、本発明の実施に合わせて整合されている”熱流束”示差走査熱量計を示す図である。
図4は、温度に対する熱容量のプロットを、本発明による方法および装置により得られるトータル熱容量、エネルギーストレージ(実部)部分ならびに熱容量のエネルギーロス(虚部)部分を表すデータとともに示す図である。
図5は、温度に対する熱容量のプロットを、本発明による方法および装置により得られる熱容量のエネルギーロス(虚部)部分、エネルギーストレージ(実部)部分ならびにトータル熱容量とともに示す図である。
図6は、温度に対する熱容量のプロットを、本発明による方法および装置により得られる熱容量のエネルギーロス(虚部)部分、エネルギーストレージ(実部)部分ならびにトータル熱容量とともに示す図である。
図7は、φを求めるための補間手法を示すグラフである。
発明の概要
本発明は示差分析装置にかかわるものであり、この装置は、(i)試料ホルダと基準物質ホルダ、(ii)試料および基準物質に対し温度プログラムによる温度変化のような撹乱を受けさせる熱機器を有している。その際、この温度プログラムは少なくとも2つの直線的なセグメントから成り、それらの各々は等しい期間を有している。さらに本発明による装置は、(iii)温度プログラムにより加えられた撹乱を受けた試料および基準物質から得られた差分信号を表すデータを受信する少なくとも1つの計算装置と、(iv)前記データを処理して前記の試料を表す少なくとも1つのパラメータを供給し、前記の少なくとも1つのパラメータをエネルギーストレージ(実部)部分とエネルギーロス(虚部)部分とにかかわる成分に分離する少なくとも1つの計算装置とを有している。
さらに本発明は、示差熱分析装置を用いて試料を分析する方法から成り、この方法は(i)試料と基準物質に対し温度プログラムに従い温度変化のような撹乱を受けさせるステップを有している。その際、温度プログラムは少なくとも2つの直線的なセグメントから成り、それぞれ等しい期間を有している。そして上記の温度プログラムは選択された回数だけ繰り返される。さらに本発明による方法は、(ii)試料における少なくとも1つの特徴的なパラメータを表す差分信号を検出するステップ(ii)と、前記の信号を処理して前記の少なくとも1つのパラメータのエネルギーストレージ部分とエネルギーロス部分に係わる成分を得るようにするステップを有している。
発明の詳細な説明
本発明は示差分析方法および装置に適用されるものであるが、DTA,DSC,DDAおよび差分光熱量測定(DPC)に限定されるものではない。以下ではDSCおよびDTAに基づいて詳細に説明するが、本発明はDSCおよびDTAを用いた装置または方法に限定されるものではない。
本発明の有利な実施形態によればユーザは、等しい期間を有する2つの直線的なセグメントから成る温度プログラムを選択する。等温セグメント、直線的な加熱セグメント、直線的な冷却セグメントのような直線的なセグメントを利用する熱的方法はよく知られたものであり、たとえばTA Instruments,Inc.of New Castle,Delawareにより販売されている。Model DSC 2910 Differential Scanning Calorimeter用のオペレータマニュアル(1991年9月刊)に記載されている。
ここで使われている用語”温度プログラムとは、2つ以上のセグメントの組み合わせを意味しており、その際、各セグメントは直線的でありかつ各セグメントは等しい期間のものである。先に述べたように、本発明の有利な実施形態では2ステップの温度プログラムを利用しており、以下で述べる説明はこのような2ステップの温度プログラムに基づくものである。しかし本発明はそのようなものに限定されるものではなく、2つ以上のセグメントから成り各セグメントが直線的かつ等しい期間であるようないかなる温度プログラムでも含まれるものである。
各セグメントを構成する直線的に変化する部分は正の勾配(加熱)、負の勾配(冷却)またはゼロ勾配(等温)を有し得る。有利な実施形態の場合、2セグメントの温度プログラムが選ばれると、よく知られているように、所望の熱的方法を生じさせるためプログラムが任意の回数、繰り返される。たとえば先に挙げたTA InstrumentsのModel DSC 2910 Differential Scanning Calorimeterでは、9999回までの任意の回数、等温セグメントまたは走査セグメントのような1つまたは複数のセグメントの選択された組み合わせを繰り返すことができる。
図1には、本発明を実施するのに利用可能なたとえばPerkin−Elmer社のDSC−7形の熱量計のDSCの部分10が示されている。ここでは、DSC−7形熱量計のユーザーズマニュアル"User's Manual,7 Series/Unix DSC7,Differential Scanning Calorimeter"を参照されたい。この装置により、DSC実験全般にわたって試料センサと基準物質センサ44,45の両方を同じ温度に保持するのに必要とされる差分入力が測定される。図示の装置は、E.S.Watson等による文献"A Differential Scanning Calorimeter for Quantitative Differential Analysis,"Anal.Chem.26(7),1233−1238(1964)で述べられており、さらに基本用語について説明されており、それを参照されたい。
図1によれば、基準物質容器と試料容器56,58はそれぞれ台座52,46に取り付けられている。基準物質は一般に基準となるもの(ないしは単に空の容器)であり、試料はその基準と比較すべき何らかの特性パラメータを持つ物質である。ここで用いられているように、用語”特性パラメータ”とは、基準物質に対し差分的に測定される試料を表すなんらかの属性のことを意味する。
示差走査熱量計に関して、特性パラメータには差分入力および差分熱流が含まれている。他の分析技術に関する特性パラメータの実例としては、温度差、誘電率ならびに差分重量損失が挙げられる。
基準物質56と試料58に対し、プログラミングされ平衡調整された加熱プロセス中、プログラミングされた加熱または冷却プログラムが施される。プログラミングされた加熱または冷却の実行により、試料および基準物質は外部で加えられた撹乱を受ける。ここで使われている用語”加えられた撹乱”とは、試料と基準物質の両方に加えられる物理的応力のことであり、このことで利用される示差技術により試料の特性パラメータを測定することができる。DSCおよびDTAの場合、加えられる撹乱は温度変化を含む熱である(しかし等温動作が用いられていれば平均温度は変化しない)。
DDAの場合、加えられる撹乱は電界である。またDPCの場合、加えられる撹乱は光波である。
プログラミングされた加熱と平衡調整された加熱の両方は、基準物質用台座と試料用台座52,46における基準物質ヒータ50と試料ヒータ48によって実行される。これらのヒータは交流によって電力供給され、一方の半サイクルにおいてそれら両方のヒータへ供給される電力が温度プログラミング装置60によってコントロールされる。しかし他方の半サイクルでは容器台座中のプラチナ抵抗温度計54,44により検知された試料と基準物質との間の温度差をなくすために、各ヒータに対しそれぞれ異なる電力が供給される。したがって加熱システムは2つのコントロールループを有しており、一方は温度プログラムに応答し、他方は試料と基準物質の異なる所要エネルギーに応答する。平均温度増幅器62、平均温度計算機64、レコーダ68ならびに差分温度増幅器66は、2つのコントロールループを保持するよう相互に作用し合い、これについては後で図1を参照しながら説明する。この装置はきわめて迅速に応答するので、試料温度と基準物質温度の偏差は無視することができ、したがって試料温度は(相転移やガラス転移のような)熱的事象を受けても、所定のプログラムを追従する。
図1のシステムは2つの別個のコントロールループに分けることができ、この場合、一方のループは平均温度コントロールのためのものであり、他方のループは差分温度コントロールのためのものである。平均温度コントロールループの場合、プログラミング装置60は、試料ホルダ58と基準物質ホルダ56の所望の温度に比例する信号を供給する。プログラミング情報はレコーダ68にも伝えられ、横座標の目盛線として生じる。プログラミング装置信号は平均温度増幅器62に達し、平均温度計算器64を介して抵抗温度計54,55から受け取った信号と比較される。平均温度がプログラミング装置60により要求された温度よりも大きければ、試料ヒータと基準物質ヒータ48,50へ供給される電力が低減され、平均温度がプログラミング装置60により要求された温度よりも小さければ、逆のことが行われる。
差分温度コントロールループでは抵抗温度計44,54から受けとった温度信号が、試料温度信号が大きいのか基準物質温度信号が大きいのかを判定する比較回路(図示せず)を介して差分温度増幅器66へ伝えられる。差分温度増幅器66は、温度差の補正のため試料ヒータと基準物質ヒータ48,50へ供給される差分電力増加を調節することで、試料温度信号と基準物質温度信号との不一致に応動する。差分電力に比例する信号はレコーダ68へ送られる。レコーダ68は差分信号を計算装置69へ伝達し、この計算装置はその信号を処理し、ユーザに対し試料の特性パラメータを供給する。このような計算装置は市販の適切な装置を有しており、Perkin−Elmer Unix 7−Series data satationのようなデスクトップパーソナルコンピュータを有している。
図1に関する上述の記載は”入力補償"DSCのためのものである。そして本発明のための装置構成には、図3に示されているような”熱流束"DSCや図2に示されているような示差熱分析(DTA)のための機器も含まれている。”入力補償"DSCとは異なり、DTAまたは”熱流束"DSCで得られる信号は、試料と基準物質との温度差から導出される。DTAと熱流速DSCとの相違はおおきなものではないので、熱流束DSCとして用いるために示差熱分析装置を対応させて変形することができる。この種の変形例は、F.Hongtu,P.G.Laye,Thermochim.Acta 153,311(1989)に示されている。
入力補償DSCの場合、試料と基準物質とにそれぞれヒータが設けられている。図2に示されているようにDTA技術では、試料70と基準物質74の両方のためにただ1つのヒータ72が機器96に設けられている。図3に示されているように熱流束DSCでは、試料88と基準物質90の両方を加熱するただ1つのヒータ82が機器94に設けられている。DTAの場合、試料物質と基準物質に埋め込むことのできるセンサ76と80とにより、試料と基準物質の温度がそれぞれ検出される。他方、熱流束DSCでは、試料物質と基準物質を保持する皿状容器の下の導電性薄膜に取り付けられた試料温度センサ86と基準物質温度センサ84が用いられる。DTAと熱流束DSCの両方とも、差分温度80(図2)と92(図3)が求められる。DTAと熱流速DSC技術は、DSCよりも生得的に定量的でないとみなされているが、本発明による方法および装置を実施するために用いることができる。
図1A,図1B,図1C,図1D,図1E,図1F,図1G,図1Hには、本発明で用いることのできる2セグメント温度プログラムの実例が示されている。
図1Aの場合、一定期間"tp"の等温セグメント100に続いて、等しい期間の加熱走査セグメント101が設けられている。ユーザは等温セグメントの期間を選定し、次に加熱走査セグメント101の温度範囲(走査にわたっての温度の全変化)を選定する。その際にシステムは、走査セグメントの期間が次式に従って等温セグメントの期間に整合されるよう、加熱走査セグメントの勾配を自動的に計算する:
Figure 0003556227
図1Bの場合、温度プログラムのための図1Aのセグメントの順序はそのままであるが、ユーザは加熱走査セグメント102に対する温度範囲と加熱走査セグメントの期間"tp"を選定する。そしてシステムは、加熱走査セグメントの期間と同じ期間の等温セグメント103を自動的に生成する。
図1Cの場合にはユーザは、加熱走査セグメント104の温度範囲と速度を選定する。さらにユーザは、冷却走査セグメント105の温度範囲も選定する。そしてシステムは、加熱走査セグメントの期間と冷却走査セグメントの期間とが等しくなるよう、最初の走査セグメント104の期間と冷却走査セグメント105の勾配を計算する。図1Cの実施形態の場合、ユーザにより選定された加熱走査セグメント104の温度範囲は、冷却走査セグメント105の温度範囲よりも大きい。
図1Dは図1Cの逆である。図1Dによれば温度プログラムは、冷却走査セグメント106に続いて加熱走査セグメント107が設けられたものである。この場合、加熱走査セグメント107の温度範囲は冷却走査セグメント106の温度範囲よりも小さい。
図1Eおよび図1Fに示されている温度プログラムも、図1Aおよび図1Bと同じような手法で選定されたものであるが、ただし図1Eおよび図1Fでは等温セグメント(それぞれ108,111)が冷却走査セグメント(それぞれ109,110)と組み合わせられている。
図1Gと図1Hの温度プログラムは、図1Cおよび図1Dとある程度相反するものである。図1Gの場合、加熱走査セグメント113の温度範囲は冷却走査セグメント112の温度範囲よりも大きい。図1Hの場合、加熱走査セグメント114の温度範囲は冷却走査セグメント115の温度範囲よりも小さい。
熱的方法を行わせるために、温度プログラム(たとえば図1A〜図1Hに示した温度プログラムのうちの1つ)が、ユーザにより選択された任意の回数だけ繰り返される。
本発明での使用にあたっては、1つのセグメントに対する温度範囲を0.1℃〜20℃としたとき、各セグメントごとに5秒〜500秒の範囲の期間が適切であることが判明した。
典型的には、ユーザは各温度プログラムを約50回繰り返すよう選定し、その際、各温度プログラムは実行されている温度プログラムの第2のセグメントの終了温度で始まることになる。しかしながら、ユーザは1つの温度プログラムを任意の回数だけ繰り返すよう選定できる。
図1A〜図1Hに示されている各温度プログラムの開始温度は"T1"で示されており、その温度プログラムの終了温度は"T3"で示されている。2つの走査セグメントから成る温度プログラム(図1C,図1D,図1G,図1H)に関しては、"T2"によって最初の走査セグメントの終了時の温度が表されている。
等温セグメントと加熱走査セグメントまたは冷却走査セグメントからなる温度プログラム(図1A,図1B,図1Eまたは図1F)はたとえば、結晶融解物の加熱時または結晶融解物の再結晶時に有用なものとなる。物質を融解時に分析するときに重要なのは、融解事象中に試料が冷却されてしまわないようにすることであり、それというのは再結晶が融解中に行われていると、測定にあたり冷却状態中の結晶化によって重大な問題が生じてしまうからである。
加熱走査セグメントのあとに冷却走査セグメントが続く形の温度プログラムあるいはその逆の形の温度プログラム(図1C,1D)は、先行の熱的機械的履歴に起因して生じる加熱またはエンタルピーの作用での再結晶化のように、不明瞭にする別の事象からガラス転移事象を抽出するのに有用である。また、加熱走査/冷却走査温度プログラムの使用により、測定の感度および分解能の点で付加的な利点も得られる。
本発明の基礎となる理論
時間に依存する直線的な現象
物理系が平衡状態にあればエネルギーのロス(散逸)は生じず、エントロピーは変わらないままである(熱力学の第2の法則)。この場合、系は時間に依存するポテンシャルで表すことができ、物質の属性は(誘電率、圧縮性モジュールまたは熱容量Cpのような)時間に依存するパラメータで表すことができる。この場合、DSC測定曲線は、熱的条件の作用を除いて平衡熱力学により表される。
しかしながら多くの熱的事象は時間に依存し、エネルギーロス(散逸またはエントロピー変化)と結びついている。このような事象には生物学的プロセス、化学反応、ガラス転移および動力学的に決まる相転移が含まれる。系がほとんど平衡状態であり、測定中の系の外乱がごくわずかなスケールであれば、それらの事象は線形の応答理論によって表すことができる(R.Kubo,Rep.Prog.Phys.29,255(1966)参照)。
測定に(温度のような)激しい変量による外乱が関係しているならば、(エンタルピーHのような)詳細な変量が測定される。本発明によれば、(熱容量のような)試料における関連の物質属性が自己相関関数またはリターデーション関数φ(t)と関連づけられる。
最も一般的には、温度の変化とエンタルピーにおける対応の変量との関係を以下のように記述できる:
Figure 0003556227
式(1)により、自己相関関数の陰定義が得られる。この場合、次式のようにして、周波数に依存する複素熱容量を定義できる:
Figure 0003556227
ここで
c(ω)=c′(ω)+iC″(ω) (3)
である。この場合、iは虚数単位である
Figure 0003556227
熱容量C′の実部によりエネルギーストレージが表され、平衡状態ではCpと整合する。ここで用いられているように、用語”実部”成分(ないし部分)と”エネルギーロス”成分は相互に置き換え可能である。また、虚部C″はエネルギーロスに係わるものであり、したがって用語”虚部”成分(ないし部分)と”エネルギーロス”成分とは相互に置き換え可能である。
DSC測定の場合、熱流
Figure 0003556227
は測定変量である。
式(4)を式(1)に代入することで、測定信号に対し次式が得られる:
Figure 0003556227
ここで、
Figure 0003556227
である。
線形の系の場合、式(5)は、本発明の温度プログラムを採用した差分熱機器を表すために適正なツールである。
先に述べたように各温度プログラムが線形のセグメントの等しい期間から成るような本発明の熱的方法のために、常に次式を記述できる:
Figure 0003556227
ここで
Figure 0003556227
(tpは各セグメントのプログラミングされた期間)であり、T0は初期温度であり、
Figure 0003556227
である。
この場合、
Figure 0003556227
である。
データ分析のためにきわめて小さいエラーで処理するためには、特性パラメータを変化させるいかなる時間も、少なくとも各セグメントのプログラミングされた期間にわたり定数としてみなす必要がある。このため、著しくゆっくりと進展する熱的事象およびTの変化の小さい全体の速度を有することが必要とされる。
β
Figure 0003556227
であれば、著しく小さいとみなしてよい。
この条件のもとで、式(8)を式(5)に代入することで次式が得られる:
Figure 0003556227
ここでCβ(T)β=Φは平均熱流である。
βは、βの線形の加熱速度での慣用のDSC測定から求められる熱容量と一致する。
純粋な緩和転移を調べる場合、全般的な情報(周波数に依存する複素熱容量)は、フーリエ変換のような標準的な数学的技術を用いることで全体的な熱流からじかに得られる。
時間に依存する反応が生じた場合、エントロピーの変化を無視すれば次式が得られる:
Figure 0003556227
ここでmqp,tは反応熱であり、ν(t)は反応速度であり、Φ(t)は等温条件下で測定された反応熱流である。
温度走査中の熱流を検出するためには、Φ(α=dΦr/dT)の温度依存性を知る必要がある。線形の近似および重ね合せの原理を用いることで、熱流の関連部分に対し次式が得られる:
Figure 0003556227
著しく低い温度で測定が開始された場合、式(12)の右辺の第1の項は無視してかまわない。式(5)と式(12)を比較することで、本発明のデータ処理の基礎となる原理は先に説明したものと同一であることがわかる。しかしながら結果の解釈は異なる。
試料が平衡状態からおおきく移動した場合、線形の近似はもはや無効である。この場合、Φはそのような反応に対しほとんど情報を有しておらず、したがってこれは慣用のDSC信号(または平均化された熱流Φ)においてしか検出できない。この場合、C′(T)βをそのような反応において測定されたDSC信号の分析に対するベースラインとして用いることができる。
測定信号における熱的条件の作用
DSCの温度センサは、試料とじかには接触していない。試料とセンサの間および試料自体の中には、熱流に対する何らかの熱的抵抗が存在する。したがって、測定された温度Tと試料温度Tsとの間に差が存在する。任意の回数の温度プログラムからなる既述の熱的方法において測定された温度の各フーリエ成分に対し、次式が成り立つ:
Tk(t)=Tksin(ωkt) (13)
ここでω=k・ωである。
対応の温度導関数は
β(t)=ωkTkcos(ωkt) (14)
測定信号における熱抵抗の作用は次式のように決めることができる:
Figure 0003556227
および
Figure 0003556227
G(t)は熱抵抗を記述する関数である。この場合、G(t)は実数である。
式(16)を解きその解を式(5)に代入することで、測定された熱流に対し次式が得られる:
Figure 0003556227
この解は、式(18)〜(24)から以下のようにして得られる:
式(14)を式(16)に代入し、次にたたみこみの積のフーリエ変換により次式が生じる:
Figure 0003556227
式(5)のフーリエ変換により、
Φ(ω)=Φ(ω)β(ω) (19)
式(18)を用いることで
Figure 0003556227
逆変換により、
Figure 0003556227
G(t)は実数であるので、G(ω)=G(−ω)。したがって、
Figure 0003556227
または、
Figure 0003556227
ここでわかるのは、熱流の各成分の振幅は|Gk|
Figure 0003556227
が生じることである。
熱的条件の影響は校正によって除去できる。このためには、サファイアのように熱容量においてエネルギーロス成分のない物質が必要とされる。
特有のフーリエ成分の振幅に対する校正係数は、
Figure 0003556227
により得られる。
サファイアの標準を用いた場合、各々の温度および
Figure 0003556227

校正係数kkは次式の形式のものであることがわかる:
Kk=K(ωk,Ks,Tk,T) (26)
ここでksは、試料センサと温度センサとの間の熱伝達係数である。きわめて薄い試料の場合、上記の関数
Figure 0003556227
的属性(たとえば熱伝達)を内在的に含むものである。この関数は、サファイアのような既知の標準を用いたいかなる機器に対しても(熱流束または入力補償のDTAでもDSCでも)求めることができる。そしてこれが得られれば、幅広い範囲の温度で用いることができ、ユーザはいかなる試料についても複素比熱の絶対値を(相対的な値とは対照的に)測定できる。
本発明の実施形態
次に、本発明による方法および装置の実施例について段階をおって説明する。当業者であれば他の実施形態も考えられる。
ユーザは、先に述べたように直線的なセグメントの2つ以上の等しい期間から成る温度プログラムを選択する。
装置10(図1)は、試料物質の近くに配置されたセンサ44による測定によって試料の温度を記録し、入力補償DSCであれば、温度プログラム実行中に試料と基準物質を同じ温度に保持するために供給される差分電力を記録する。熱流速DSCであれば装置94(図3)は、試料物質の近くに配置されたセンサ86により測定された試料温度と差分熱流を記録する。DTA装置96(図2)の場合、試料物質中に埋め込まれたセンサ76により試料温度が測定され、センサ76と78により差分熱流が測定される。記録された信号は、分析にとって重要な情報を得るため可動のインターバルにわたって分析される。
この分析は以下のステップにしたがって実施される:
1.熱流および温度信号の同相成分および直交成分の計算:
各ポイントにおいて、好適にはサインおよびコサイン関数により乗算されたΦ(t)とT(t)の数値積分が、精確に整数の温度プログラムから成り当該のポイントでセンタリングされているインターバルにわたり計算される。整数の周期にわたる円関数の直交性を用いることで、Φ(t)およびT(t)の個々のフー
Figure 0003556227
成分は積分インターバルの中心と関連づけられる。
Figure 0003556227
命令された温度プログラムの前後の平衡状態期間の各ポイントにおいて、個々のフーリエ成分における測
Figure 0003556227
目下の
Figure 0003556227
プログラムにおいて導出された各値の間の線形補間により計算される。図7には補間手法の1つが示されている。
3.瞬時の校正定数の計算:
各ポイントにおいて、先行のステップで計算された目下の
Figure 0003556227
数Kkを得るために、汎用の校正関数における引数として用いられる。
4.比熱の実部成分と虚部成分の計算:
以下の連立方程式を解くことでC′およびC″が各ポイントで計算される:
Figure 0003556227
5.計算された信号の平滑化:
各ポイントにおいて、精確に整数の温度プログラムとそのポイントでセンタリングされたインターバルにわたって正規化された数値積分により、C′およびC″が平滑化される。計算された各々の値は、積分インターバルの中心に関連づけられる。
C′とC″が各ポイントにおいて得られれば、複素比熱の対応の絶対値(モジュール)を、
Figure 0003556227
により計算できる。
実例
以下の実験データは、Perkin−Elmer Unix 7 Series data stationと通信を行うPerkin−Elmer TAC−7/DX熱分析コントローラと接続されたPerkin−Elmer DSC−7"入力補償”示差走査熱量計を用いて得たものである。実験に用いられたすべての試料は、容易に入手可能な市販の製品である。試料のサイズは以下に示すとおりである。
図4
図4には、図1Eで示した形式の温度プログラムの実行中に測定されたポリスチレン(PS)のガラス転移が示されており、これは以下のパラメータを有している:T1=135℃、T3=133.5℃、t=15秒。試料の重量は19.070mg。
トータルCp120は慣用のDSCで得られた値と等しく、かつCβと等しい。トータルCpの変曲点はC′(ストレージCp121)よりも低い温度のところで生じている。C′とは対照的に、トータルCpを用いて測定されたTgは温度変化の全体の速度に依存する。C′の変曲点は、ロスCp122(C″)におけるピークと相関している。C′とC″の形状および温度の依存性の両方は、ガラス転移における緩和の理論と一致している。
図5
図5には、図1Aで示した形式の温度プログラムの実行中に実行されたポリスチレン(PS)のガラス転移が示されており、これは以下のパラメータを有している:T1=75℃、T3=76.5℃、t=15秒。試料の重量は19.070mg。
トータルCp123は慣用のDSCの場合と同じ特性を有している。エンタルピー緩和ピークはガラス転移に重ね合わせられ、これはトータルCp曲線でのみ識別できる。C′(ストレージCp124)は、図4の場合と同様の変曲点を有している。図5の場合、曲線125としてロスCpが示されている。
図6
図6には、図1Bで示した形式の温度プログラムの実行の結果得られる急冷されたPETのサーモグラムが示されており、これは以下のパラメータを有している:T1=50℃、T3=52℃、t=30秒。試料の重量は16.170mg。
この場合には3つの転移が示されている:70℃付近のガラス転移、120℃付近の再結晶、ならびに200℃付近の融解。ガラス転移はポリスチレンで述べたのと同じ特性を有している。再結晶は強く過冷却された融解物からポリマ結晶への転移である。融解物は平衡状態からおおきく離れる。この転移は一方の方向でのみ可能であり、したがって動的比熱においてわずかに示されるにすぎない。C″(ロスCp128)だけが小さいピークを有している。C′(ストレージCp127)は、トータルCp126の評価におけるベースラインとして用いることができる。融解に関するかぎり、C′は低い温度での変化を有しているのに対し、C″はその範囲では変化しないままである。C″のピーク最大値は、C′よりもいくらか高い温度において生じている。

Claims (17)

  1. 示差分析装置を用いて試料を分析する方法において、
    試料物質と基準物質に対し、等しい期間の少なくとも2つの直線的なセグメントから成る温度プログラムに従い加えられる撹乱を受けさせるステップと、
    選択された回数だけ温度プログラムを繰り返すステップと、
    試料の少なくとも1つの特性パラメータを表す差分信号を検出するステップと、
    前記信号を前記少なくとも1つのパラメータにおいてエネルギーストレージ部分に関する成分とエネルギーロス部分に関する成分とに処理して校正係数Kkを求めるステップとを有しており、
    ここで
    Figure 0003556227
    であり、
    kは整数、ω=k・ωでありω=π/tp、ただしtpは各々の直線的なセグメントのプログラミングされた期間、Tkは温度のフーリエ成分のk番目の温度成分の振幅、Cp(Tk)は平衡熱容量、φ(Tk)は熱流であることを特徴とする、
    示差分析装置を用いて試料を分析する方法。
  2. 前記特性パラメータの別個の成分を得るために前記校正係数を用いる、請求項1記載の方法。
  3. 前記別個の成分は前記特性パラメータにおけるエネルギーロス部分とエネルギーストレージ部分に係わる、請求項2記載の方法。
  4. 前記の加えられる撹乱は温度変化である、請求項3記載の方法。
  5. 前記特性パラメータは熱容量である、請求項4記載の方法。
  6. 温度のコントロールは、1つの直線的な加熱走査セグメントと1つの直線的な冷却走査セグメントにより構成されている、請求項4記載の方法。
  7. 前記温度プログラムは1つの等温セグメントと1つの直線的な加熱走査セグメントを有する、請求項4記載の方法。
  8. 示差分析装置において、
    試料物質を保持する手段と、
    基準物質を保持する手段と、
    試料物質用の前記手段における試料物質と基準物質用の前記手段における基準物質に対し、等しい期間の少なくとも2つの直線的なセグメントから成る温度プログラムに従い外部で加えられる撹乱を受けさせる手段と、
    選択された回数だけ温度プログラムを反復させる手段と、
    前記温度プログラムに従い外部で加えられる撹乱を受けた試料物質と基準物質から得られる差分信号を検出する手段と、
    前記信号を処理して校正係数Kkを求め、前記試料物質の少なくとも1つの特性パラメータを供給し、前記少なくとも1つのパラメータを、該少なくとも1つのパラメータにおいてエネルギーストレージ部分に関する成分とエネルギーロス部分に関する成分とに分離する手段とが設けられており、
    ここで
    Figure 0003556227
    であり、
    kは整数、ω=k・ωでありω=π/tp、ただしtpは各々の直線的なセグメントのプログラミングされた期間、Tkは温度のフーリエ成分のk番目の温度成分の振幅、Cp(Tk)は平衡熱容量、φ(Tk)は熱流であることを特徴とする、
    示差分析装置。
  9. 前記装置は入力補償型示差走査熱量計である、請求項1記載の装置。
  10. 前記装置は熱流束示差走査熱量計または示差熱分析機器である、請求項1記載の装置。
  11. 前記温度プログラムは1つの等温セグメントと1つの直線的な加熱走査セグメントから成る、請求項1記載の装置。
  12. 前記温度プログラムは1つの直線的な加熱走査セグメントと1つの直線的な冷却セグメントから成る、請求項1記載の装置。
  13. 前記特性パラメータは熱容量である、請求項1記載の装置。
  14. 示差分析装置において、
    試料物質ホルダと、
    基準物質ホルダと、
    前記試料物質ホルダ内の試料物質と前記基準物質ホルダ内の基準物質に対し、等しい期間の少なくとも2つの直線的なセグメントから成る温度プログラムに従い温度変化を受けさせる熱機器と、
    選択された回数だけ温度プログラムを反復させる手段と、
    少なくとも1つの計算装置とが設けられており、
    該少なくとも1つの計算装置は、(i)温度プログラムに従い温度変化を受けさせられた試料物質および基準物質から得られた差分信号を表す信号を受け取り、(ii)前記信号を処理して校正係数Kkを求め、前記試料物質の少なくとも1つの特性パラメータを供給し、前記少なくとも1つのパラメータを、該少なくとも1つのパラメータにおいてエネルギーストレージ部分に関する成分とエネルギーロス部分に関する成分とに分離し、
    ここで
    Figure 0003556227
    であり、
    kは整数、ω=k・ωでありω=π/tp、ただしtpは各々の直線的なセグメントのプログラミングされた期間、Tkは温度のフーリエ成分のk番目の温度成分の振幅、Cp(Tk)は平衡熱容量、φ(Tk)は熱流であることを特徴とする、
    示差分析装置。
  15. 前記示差分析装置は入力補償示差走査熱量計である、請求項14記載の装置。
  16. 前記示差分析装置は熱流束示差走査熱量計である、請求項14記載の装置。
  17. エネルギーストレージ部分に関する成分とエネルギーロス部分に関する成分とを用いて複素比熱のモジュールを計算する手段が設けられている、請求項14記載の装置。
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