JP3556062B2 - 液晶パネルの駆動方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶パネルの駆動方法に関し、より詳細には、液晶を使用した表示装置のコントローラに適用される液晶パネルの駆動方法に関するものであり、コンピュータ,ワープロ等のOA機器の表示装置に好適に利用される。
【0002】
【従来の技術】
液晶パネルは、対向して平行に配置された少なくとも一方が透明な絶縁支持板の内面に各々ITO透明電極を設けるとともに、該透明電極の表面に液晶分子を配向するための配向膜を形成し、該配向膜に挟まれた空間内に液晶を充填封止し前記絶縁支持板の外面を偏光面が略直交する偏光板で挟持した構造である。このように構成された液晶パネルは、前記透明電極間に選択的に電圧を印加することにより生じる電界に応じて液晶分子の配向状態を制御し、電気光学的なシャッタを形成して画像表示するものである。現在、一般のOA機器に適用される液晶パネルは、充填される液晶がTN(Twisted Nematic)、あるいは、STN(SuperTwisted Nematic)液晶であり、前記透明電極が、走査電極郡と信号電極郡をマトリクス状に配置した単純マトリクス方式が用いられる。
【0003】
現在、単純マトリクスの液晶表示装置に対しては、高速応答性の向上、クロストークの抑制等の研究開発が行われており、各種駆動方法が提案されているが、特開平6−230751号公報に示される2つの準安定状態を持つ液晶表示は、高速応答性をもっていることで注目されている。
【0004】
特開平6−230751号公報(以後、従来技術と記す)に記載された2つの準安定状態を持つ液晶表示装置の駆動方法は、初期状態において、ねじれ角φのねじれ構造を有するカイラルネマチック液晶を用いた液晶表示装置を駆動する方法に関するもので、前記初期状態にフレデリック転位を生じさせるために印加させる電圧を初期状態および2つの準安定状態における閾値以上の電圧パルスとして、該電圧パルスを印加し、その後に2つの準安定状態の何れか一方を選択するために、2つの何れかの準安定状態を生ずる臨界値を基準として選択された電圧の電圧パルスを印加する方法である。以下、従来技術の2つの準安定状態を持つ液晶の駆動方法について、実際に液晶パネルを駆動する観点から概略を示す。
【0005】
図9は、従来技術における画素に印加される電圧波形を示す図で、従来技術において、画素に印加される電圧波形の一つは、図9(A)に示すもので、画素の選択期間に印加される振幅の大きい±Eの交流波形(第一の電圧パルス)と、続いて振幅の小さい交流波形の0あるいは±E1(第二の電圧パルス)および、これに続く|E2|(<|E1|)とからなっている。
以下、説明のために、第一の電圧パルスをリセットパルスR、また、第二の電圧パルスを書き込みパルスWとする。
従来技術では、これ以外にも、図9(B)に示す印加波形として交流波形ではなく、片極性で+EのリセットパルスRと+E1の書き込みパルスWを印加することが可能であるとしている。
【0006】
また、図9に示す電圧波形を印加する駆動方法は、前述のように、選択画素に通常の書き込みパルスW以外に、リセットパルスRを印加する必要があるため、表示容量(走査線数)に制限が加わる可能性がある。この点に対しての解決策として、従来技術では、図10に示すように、リセットパルスRを隣り合う走査電極(図示せず)で重ね合わせる方法を提示している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来技術による単純マトリクスの液晶表示装置の駆動方法では、駆動のために図9に示す種類の電圧である第一の電圧パルス(リセットットパルスR)と第二の電圧パルス(書き込みパルスW)を選択された画素に印加する必要があり、図9(A)には、画素の選択時間に交流波形を印加したものがあげられている。このため、駆動波形が複雑となり、既存のTN,STN等液晶パネル用の駆動ICでは、2つの準安定状態をもつ液晶パネルを駆動することは困難であった。以下、2つの準安定状態を持つ液晶用の駆動ICに対して、TN,STN液晶パネル用の駆動ICを、既存の駆動ICと示す。
【0008】
また、従来技術では、画素に印加する電圧波形として、交流波形以外の、図9(B)に示す正極(又は負極)のみの印加についても可能性は示しているが、実際の駆動方法までは言及していない。このため、従来技術では、新規にこの駆動方法に対応した駆動ICを開発する必要があるが、この場合、駆動ICはカスタム品となり、製品コストが著しく増加する。しかし、従来技術では、この問題について何ら解決策を提示していない。
【0009】
更にまた、表示容量に対する製限を取り除くために、図10に示すように、リセットパルスRを隣り合う走査電極で重ね合わせる方法を提示しているが、これを実現するための駆動波形はいっそう複雑となり、ますます既存の駆動ICによる駆動を困難にしている。
【0010】
本発明は、上述のごとき実情に鑑みてなされたものであり、単純マトリクス液晶の駆動方法である2つの準安定状態を持つ液晶パネルの駆動方法において、新規にカスタム駆動ICを起こすことなく、安価に高表示品質を実現することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、2つの準安定状態を持つ液晶パネルの駆動方法において、前記液晶パネルに電圧パルスを印加する走査側駆動IC及び信号側駆動ICと、前記2つの駆動ICとは別に前記走査側駆動ICから出力する電圧を切り替えるための電圧切替部が設けられており、走査側駆動ICからの走査線と信号側駆動ICからの信号線の交差する画素に印加する電圧レベルとして、リセットパルス用電圧レベル、書き込みパルス用電圧レベル、前記書き込みパルス用パルスより小さく前記書き込みパルス用電圧を印加する走査線以外の走査線に同じタイミングで印加する電圧レベルと基準値電圧レベルの4レベルを持ち、前記電圧切替部において前記4レベルの電圧レベルのうち2レベルの電圧レベルを選択し、該選択された2レベルの電圧レベルを該電圧切替部から駆動ICに供給することを特徴とし、もって、既存の駆動ICを使用し、2つの準安定状態を持つ液晶パネルの駆動を実現することで、安価に高品質なパネル表示を実現することができるようにしたものである。
【0012】
請求項2の発明は、請求項1に記載の液晶パネルの駆動方法において、前記駆動ICから出力する前記各々の電圧レベルは、前記電圧切替部において切替え可能であることを特徴とし、もって、電源電圧を切り替えることにより、駆存の駆動ICを使用し、2つの準安定状態を持つ液晶パネルの駆動を実現することで、安価に高品質なパネル表示を実現することができるようにしたものである。
【0013】
請求項3の発明は、請求項2に記載の液晶パネルの駆動方法において、前記電圧切替部における電圧レベル切り替え手段は、論理信号によりあらかじめ設定された電圧に切り替えることを特徴とし、もって、請求項1,2と同様の効果が得られるようにしたものである。
【0014】
請求項4の発明は、請求項1乃至3の何れかに記載の液晶パネルの駆動方法において、2つの準安定状態を持つ液晶パネルを駆動するための前記駆動ICから出力される前記2レベルの2種類の電圧を、第一の電圧パルスと第二の電圧パルスとし、該第一の電圧パルスと該第二の電圧パルスの電圧はそれぞれ同一の基準信号から作製されることを特徴とし、もって、論理回路で容易にパルスを作製することを可能とし、論理回路を簡便化し、低コスト化を実現しようとするものである。
【0015】
請求項5の発明は、請求項4に記載の液晶パネルの駆動方法において、前記第一の電圧パルスと前記第二の電圧パルスを基準信号に基づいて出力し、該基準信号の周期は、該第一の電圧パルス幅と該第二の電圧パルス幅の最大公約数の期間とすることを特徴とし、もって、請求項4と同様の効果が得られるようにしたものである。
【0016】
請求項6の発明は、2つの準安定状態を持つ液晶パネルの駆動方法において、前記液晶パネルに電圧パルスを印加する走査側駆動IC及び信号側駆動ICと、前記2つの駆動ICとは別に前記走査側駆動ICから出力する電圧を切り換えるための電圧切替部が設けられており、前記走査側駆動ICから第n信号線に印加されるリセットパルスと第n+1信号線に印加されるリセットパルスは走査側クロック信号の1周期分ずれており、前記駆動ICから出力する電圧レベルとして、2つのリセットパルス用電圧レベル、2つの書き込みパルス用電圧レベルと2つの基準値用電圧レベルの6レベルを持ち、前記電圧切替部において前記6レベルの電圧レベルのうち3レベルの電圧レベルを選択し、該選択された3レベルの電圧レベルを該電圧切替部から駆動ICに供給することを特徴とし、もって、液晶表示装の表示容量を、表示品質を確保したまま、大幅な部品点数の削減,コストの削減とともに向上させることができるようにしたものである。
【0018】
請求項7の発明は、請求項6に記載の液晶パネルの駆動方法において、前記液晶パネルの走査側駆動ICは、前記電圧切替部でデジタル入力によりあらかじめ決められた出力電圧パターンを順次選択して出力することを特徴とし、もって、安価に液晶表示装置の表示容量を、表示品質を確保したまま向上させることができるようにしたものである。
【0019】
請求項8の発明は、請求項7に記載の液晶パネルの駆動方法において、前記液晶パネルの前記電圧切替部で走査側の出力電圧を選択する出力電圧パターンは、論理回路を用いて作製することを特徴とし、もって、請求項7と同様の効果が得られるようにしたものである。
【0020】
請求項9の発明は、請求項6,7または8に記載の液晶パネルの駆動方法において、前記液晶パネルの走査側駆動ICは、デジタル入力による電圧階調用の前記液晶パネルの信号側駆動ICを使用することを特徴とし、もって、請求項7と同様の効果が得られるようにしたものである。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明による既存ICによる液晶パネルの駆動方法について説明する。
前述のように、2つの準安定状態を持つ液晶パネルの駆動方法は、リセットパルスRの重ね合わせの有無で2つに大きく分けられる。 本発明では、これらについて既存の駆動ICでの駆動を実現している。
【0022】
はじめに、リセットパルスRを重ねない駆動方法について説明する。
既存の駆動ICとして出力する電圧レベルは4レベルを持ち、出力時に選択できる電圧レベルは4レベルのうち、2レベルである駆動ICを使用することで2つの準安定状態を持つ液晶の駆動方法を以下に示す。
この駆動ICを従来の駆動方法で使用すると、信号電極側(以後、信号側と記す),走査電極側(以後、走査側と記す)とも同期した信号により動作するため、異なるパルス幅の信号を、各走査毎に印加するのは困難である。また、2レベルの電圧では電圧レベルが不足し、このままでは実現は不可能と考えられる。
【0023】
本発明者は、図9(B)に示す同極性のリセットパルスRと書き込みパルスWからなる駆動波形を図1に示す駆動波形のように信号側・走査側の出力波形に分解して波形検討を行った。
【0024】
図1は、本発明による液晶パネル駆動方法の実施形態例を説明するためのタイムチャートである。すなわち、図1では、交流化を達成するためのnフレームとn+1フレームの走査期間を持つ、図1(A)〜(D)に示す走査側の出力信号と、図1(E)に示す信号側の出力波形に分解し、図1(F)に示す1画素に印加される出力波形を示したものである。なお、走査側の出力信号は、図1(A)に示す1本目(第1走査線)の出力波形の他に、これに続く2本目の(第2走査線)の出力波形を図1(B)に、更に、順次、3本目(第3走査線),4本目(第4走査線)の出力波形を図1(C),図1(D)に図示している。図1に示した駆動波形を検討した結果として、リセットパルスRのパルス幅と書き込みパルスWのパルス幅の最大公約数の期間を1周期とする信号を用いることでこれら異なるパルス幅の信号をこの駆動ICで出力可能であることを見出した(以後、説明のため、この走査側の信号を走査クロック信号Ckとする)。
【0025】
また、上記同一クロックで示される各期間の走査線電圧を詳細に調べると、同時に各出力端子に出力される電圧レベルは、2レベルであることを見出した。但し、電圧レベルは、全体としては4レベルを必要とするため、論理信号により、電圧をあらかじめ設定した電圧に切り替える機能を考案し、これを解決した。
【0026】
次に、具体的な出力波形を説明する。説明のために、リセットパルスRのパルス幅は、書き込みパルスWのパルス幅の3倍の期間であるとする(なお、この期間については、本発明は、一切制限を受けるものではない。それぞれのパルス幅については、使用する液晶材料,セルパラメータ等で最適化することができる)。本発明では、リセットパルスRのパルス幅と、書き込みパルスWのパルス幅の公約数の幅を1周期とする信号を使用する。この例では、走査側クロック信号Ckは、書き込みパルスWの1/3期間を一周期とする信号となる。
【0027】
図2は、本発明による液晶パネルの駆動方法の実施形態を説明するための走査側出力波形を示すタイムチャートである。
図2(A)は図1(A)に示す走査側出力波形で、図2(B)は図2(C)に示す走査側クロック信号Ckのクロック数が1〜11の期間で図3(A)の走査側出力波形を拡大した拡大出力波形である。
【0028】
図2(B)に示すように、走査側クロック信号CkによりリセットパルスR,書き込みパルスWとも単一の電圧パルスに分割されている。この分割された走査側の各電圧パルスの電圧を、走査側クロック信号Ck毎に表したのが、表1,表2である。
【0029】
表1Aは、図1(A),(B),(C),(D)に示すnフレームの走査側の1本目から4本目の走査線の出力波形の走査側クロック信号Ckとの関係を示す表であり、
【0030】
表1Bは、図1(A),(B),(C),(D)に示す(n+1)フレームの走査側の1本目から4本目の走査線の出力波形の走査側クロック信号Ckとの関係を示す表である。
【0031】
【表1】
【0032】
これらの表1A,表1Bにおいて、表1Aでは、走査側クロック信号Ckのクロック順位が1,2,3のときの走査線1では電圧V1、走査線2,3,4では電圧V4の2種類の電圧レベル、走査側クロック信号のクロック信号Ckのクロック順位が4のとき、走査線1では電圧V2、走査線2,3,4では電圧V3の2種類の電圧レベル、走査側クロック信号Ckのクロック順位5,6,7では走査線2での電圧V1、他の走査線1,3,4電圧での電圧V4の2種類の電圧レベル、走査側クロック信号Ckのクロック順位8では走査線2での電圧V2で、他の走査線1,3,4の電圧がV3の2種類の電圧レベル、走査側クロック信号Ckのクロック順位9,10,11では、走査線3での電圧V1、他の走査線1,2,4での電圧V4の2種類の電圧レベルであり、何れも走査クロック信号Ckのクロック順位1〜11においての各々のクロック順位に対応する走査線1〜4では、各々2種類の電圧レベルで構成されることがわかる。
【0033】
同様に、表1Bに示す(n+1)フレームにおける走査側の1〜4本目の走査線の出力波形の走査側クロック信号Ckとの関係においても、各走査側クロック信Ckにおける出力電圧の種類は、4種類の電圧V1〜V4の中の2種類の電圧レベルであることがわかる。この時、全体で必要とする電圧レベル数は4であるため、電圧を切り替える方法によりこれを解決した。
【0034】
信号側出力についても、走査側出力と同様に、走査クロック信号Ckのクロック順位1〜11に対する信号の1〜4本目の走査線の電圧レベルの関係を求めることができる。
【0035】
図3は、本発明による液晶パネルの駆動方法の実施形態を説明するための信号側出力波形を示すタイムチャートである。
【0036】
図3には、図1(E)に示した交流化nフレームとn+1フレームの信号波形図3(A)と、走査クロック信号Ckのクロック順位1〜11に対応した信号波形の拡大図(図3(B))を示す。
【0037】
表2Aは、交流化nフレームでの図3に示した信号側1〜4本目の走査線の出力信号と走査側クロック信号Ckのクロック順位との関係を示し、
【0038】
表2Bは、交流化n+1フレームでの図3に示した信号側1〜4本目の走査線の出力信号と走査側クロック信号Ckのクロック順位との関係を示す。
【0039】
【表2】
【0040】
図3および表2A,2Bによると、信号側の出力信号の走査側クロック信号Ck毎の電圧レベルは、表2AではV4,V2の何れか1種類の電圧レベル、表2BではV1,V2,V4の何れか1種類の電圧レベルである。なお、図2,図3では、走査側クロック信号Ckの立ち上がりエッジで各出力は変化しているが、もちろん、立ち下がりエッジでも何ら問題はない。以下に、ブロック図による駆動回路の回路構成を示す。
【0041】
図4は、本発明による液晶パネルの駆動方法を説明するための駆動回路のブロック図の一例であり、図中、1は電圧入力、2は発振器、3は電圧制御部、4は電圧切替部、5は液晶セル、6は表示データ入力、7は信号側駆動IC、8は走査側駆動IC、9は信号側IC制御部、10は走査側IC制御部である。なお、この図は、説明のために各機能をブロックで示しているが、配線等の記載によって本発明は制限を受けるものではない。
【0042】
前述のように、駆動に必要な電圧レベルは、走査側クロック信号Ckの1サイク内では、2レベルであるが、交流化のための1フレーム内でも走査側は4レベル、信号側は3レベルが必要である。そこで、各駆動ICの電源を走査側クロック信号Ckと同期して、切り替えることで、この問題を解決している。
【0043】
図4では、駆動に必要な合計4レベルの電圧を電圧入力1として電圧切替部4に入力する。この入力電圧1は、一例をあげれば、抵抗分周した各電圧をオペアンプ等でインピーダンス変換する方法や、D−Aコンバータ等の出力を使用することで作製することができる。入力された電圧は、電圧制御部3からの制御信号により電圧切替部4で信号側駆動IC7、走査側駆動IC8の電圧入力へ出力される。ここで使用する電圧の範囲は、使用する液晶セル5の液晶の材料や、セルパラメータの影響を受ける他、駆動ICにより規定される電圧差を考慮する以外に、本発明は制限を受けるものではない。ここで、駆動ICの電位差とは、電圧入力ピンに規定された他の電圧ピンとの電位差の規定を指す。
【0044】
電圧制御部3は、カウンタ,デコーダ等の論理回路で、表1A,1Bに示す表示に必要なタイミングで、電圧を切り替えるための信号を発生させる。C−PLD,FPGA,ゲートアレイ等で実現することができる。電圧切替部4は、FET,トランジスタまたはこれらのアレイを使用して実現することができる。
一方、電圧制御部3と同期して、信号側駆動IC7,走査側駆動IC8を駆動するための制御信号をそれぞれ信号側IC制御部9,走査側IC制御部10で作製する。図4に示すブロック図では、これらの各機能を個別のブロックで示しているが、本発明は、この構成に制限されるものではない。
【0045】
また、論理回路部である電圧制御部3のICと、信号側IC制御部9、および走査側IC制御部10は、一つの論理素子(C−PLD,FPGA,ゲートアレシ等)に1チップ化することで、部品点数を削減し、また、各ブロック間の伝播遅延の影響を最小限としたコントローラを作製することができる。
もちろん、アナログ構成である電圧切替部4も、この部分単独で1モールド化や、論理回路とのハイブリッド化を計ることで、部品点数の削減を計ることができる。
本法によれば、既存の駆動ICを使用して、(リセットパルスR)+(書き込みパルスW)が必要な2つの準安定状態を持つ液晶セル5の駆動を安価に実現することが可能となる。
【0046】
続いて、リセットパルスRを重ね合わせる駆動方法を、既存の駆動ICを使用して駆動する方法について説明する。
本発明では、この駆動方法に対し、デジタル信号により電圧階調を表示する信号側ICを走査線側に使用することで、新規に専用ICを作製することなく、安価に実現する方法を考案した。これを以下に説明する。
図9に示す従来技術のリセットパルスRを隣り合う走査線で重ね合う駆動を行う波形に対し、本発明者は、この波形を図5に示すように、信号側,走査側に分解して波形検討を行った。
【0047】
図5は、本発明による液晶パネルの駆動方法の実施形態を説明するためのタイムチャートであり、交流化を達成するためのnフレームとn+1の走査期間を持つもので、図5(A)は第1走査線に印加される電圧波形、図5(B)は第2走査線に印加される電圧波形、図5(C)は第3走査線に印加される電圧波形、図5(D)は第一信号線に印加される電圧波形、図5(E)は(1,1)画素に印加される合成波形である。なお、実線はON波形、点線はOFF波形を示す。
【0048】
図5に示すように、リセットパルスRを重ねる方法の場合も、前述のリセットパルスRを重ねない方法と同様に、リセットパルスRのパルス幅と書き込みパルスWのパルス幅の最大公約数の幅を1周期とする信号を用いる方法が有効であることを見出した。なお、図5においては、説明のために、この信号を走査側クック信号Ck(図示せず)とする。また、リセットパルスRのパルス幅と書き込みパルスWのパルス幅の比を3:1とする。
【0049】
リセットパルスRを重ねる方法において、前述のリセットパルスRを重ねない方法の場合と同様に、走査側クロック信号Ckの順位と走査側出力の関係および走査側クロック信号Ckの順位と信号側出力の関係をあらわし、走査側クロック信号Ckで分割された走査側出力および信号側出力を交流化nフレームと交流化n+1フレームに走査線毎にまとめた。
【0050】
図6は、本発明による液晶パネル駆動方法の実施形態を説明するための走査側クロック信号Ckの順位と走査側出力との関係を示すタイムチャートであり、図6(A)は第1走査線に印加される電圧波形、図6(B)は第2走査線に印加される電圧波形、図6(C)は第3走査線に印加される電圧波形、図6(E)は走査側クロック信号Ckである。
【0051】
表3Aは、図6の交流化nフレームにおける走査線(1〜4)の出力と走査側クロック信号Ckとの関係を示す表であり、表3Bは、図6の交流化n+1フレームにおける走査線(1〜4)の出力の交流側クロック信号Ckとの関係をあらわす表である。
【0052】
【表3】
【0053】
表3Aにおいては、各々の駆動ICが同時(同一クロック信号Ck)に必要な電圧レベルは、V5,V4,V1の最大である。同様に表3Bにおいても、各クロック信号Ck毎の電圧レベル数は、V2,V3,V6の最大3である。
【0054】
図7は、本発明による液晶パネル駆動方法の実施形態を説明するための走査側クロック信号Ckと信号側出力との関係を示すタイムチャートであり、
【0055】
表4Aは、図7の交流化nフレームにおける走査線(1〜4)の信号出力と走査側クロック信号Ckとの関係を示す表であり、
【0056】
表4Bは、図7の交流化n+1フレームにおける表7と同様の関係をあらわす表である。
【0057】
【表4】
【0058】
表4Aにおいては、クロック信号Ck(1〜3)ではV6、クロック信号Ck(4〜11)ではV6/V4、表4Bにおいては、クロック信号Ck(1〜3)ではV1、クロック信号Ck(4〜11)ではV1/V3の2種類の電圧レベルであることが判明した。
【0059】
上述のように、走査側,信号側のそれぞれの駆動ICの出力波形を、図6(走査側),図7(信号側)に示すように、走査側クロック信号Ckにより分割し、各電圧レベルを走査側クロック信号Ck毎に整理した結果、表3A,3B(走査側)および表4A,4B(信号側)に示す電圧の組み合わせが得られ、それぞれの駆動ICが同時に必要な電圧レベルは3レベルであることがわかった。そこで、少なくとも、3レベルの電圧レベルを選択可能な駆動ICと、各電圧を切り替えることで、この場合も既存ICでの駆動は実現できる。さらに、交流化のための各フレーム間で、必要な電圧レベルは6レベル(表4A,4BのV1〜V6)であることから、6レベル以上の電圧を選択可能な駆動IC(走査側)を使用することで、電圧切替えを使用しないで、より安価に実現することができる。
【0060】
なお、信号側駆動ICを走査側に使用する方法としては、出力する電圧を選択するデータを順次入力することで、実現することができる。表3A,3Bより明らかなように、出力する電圧は、ある出力パターンが順次出力されるため、この出力パターンを記憶素子に保存し、順次読み出す方法で容易に実現することができる。また、繰り返しパターンの出力数が少ないため、論理回路で出力を作製することで、記憶素子を使用せずに実現することができ、部品点数,製品コストを削減することができる。
【0061】
このときの問題点としては、走査側の電圧レベルで駆動IC内部のシフトレジスタでは実現困難な組み合わせが生じたことである。表3A,3Bから明らかなように、走査側クロック信号1の期間では、走査側2ライン以降、走査側クロック信号2の期間では、走査側3ライン以降の信号は、走査側駆動IC8の入力端子からの信号入力以前に動作が確定している必要がある。そこで、本発明では、走査側について、一画面の走査開始前に走査駆動IC8内部のシフトレジスタにV5(表3Aの場合)またはV2(表3Bの場合)の信号を入力するステップを設けてこれを実現した。以下に、具体的に示す。
【0062】
走査開始前(または、前回走査終了時)に、信号側の走査クロックよりも高速なクロック信号を使用し、走査側のすべてのシフトレジスタ内にデータを読み込む。このとき、使用するクロック信号は、走査側に使用する走査側駆動IC8のデータ読み込みのためのクロック信号の上限値以下であれば、その周波数は高いほど表示に使用しない期間を短くすることが可能となる。
【0063】
特に、本発明では、走査側駆動ICとして信号側駆動ICを使用するため、クロック周波数については、通常の走査側駆動ICに対して十分高速である。一例をあげれば、信号側の表示データを読み込むためのクロック信号で、この走査側のデータを入力することができる。この場合、表示容量640×480(データ側8ビットパラレル転送,二値表示,フレーム周波数60Hz)の表示に使用しない走査時間は、1走査時間×480/(640/8)=208.33μseとなり、表示には影響しない。また、この構成では、新規に走査側駆動IC8のデータ用にクロックを作製する必要はなく、回路構成を簡便に、また、低コスト化が可能である。以下に、駆動回路の全体の構成をブロック図8に示す。
【0064】
図8は、本発明による液晶パネルの駆動方法を説明するための駆動回路のブロック図で、図中、11は走査側データ作成部、12は走査側データ制御部であり、図4の場合と同様の作用をする部分には、図4と同じ参照番号を付してある。なお、図8は説明のために各機能を1ブロックとして記載しており、電極線数等の記載方法により本特許は制限を受けるものではない。
【0065】
図8に示す駆動回路において、信号側駆動IC7,走査側駆動IC8として、3レベルの出力を持つものについて説明する。
図8では、電圧入力として駆動に必要な合計6レベルの電圧を入力する。この入力電圧1は、一例をあげれば、抵抗分周した各電圧をオペアンプ等でインピーダンス変換する方法や、D−Aコンバータ等の出力を使用することで作製することができる。入力された電圧は、電圧制御部3からの制御信号により電圧切替部4で信号側,走査側の各駆動IC7,8の電圧入力へ出力される。ここで使用する電圧の範囲は、液晶セル5の使用する液晶の材料や、セルパラメータの影響を受ける他、前記信号側、走査側の各駆動IC7,8により規定される電圧差を考慮する以外に、本発明は制限を受けるものではない。ここで、駆動ICの電位差とは、電圧入力ピンに規定された他の電圧入力ピンとの電位差の規定を指す。
【0066】
電圧制御部3は、カウンタ,デコーダ等の論理回路で、表示に必要な(表3A,3B)タイミングで、電圧を切り替えるための信号を発生させる。C−PLD,FPGA,ゲートアレイ等で実現することができる。ここでの出力切替えは、交流化のためのフレーム毎に行われる。電圧切替部4は、FET,トランジスタまたはこれらのアレイを使用して実現することができる。一方、電圧制御部3と同期して、信号側,走査側駆動IC7,8を駆動するための制御信号をそれぞれの信号側IC制御部9,走査側IC制御部10で作製する。
【0067】
走査側の出力を制御するためのデータは、走査側データ作成部11で作成している。ここでは、順次出力される波形をクロック信号等を基準として作成する。走査側のデータ制御部12は、構成で説明したフレームの表示開始時(または、前フレームの表示完了後)走査側駆動IC8のすべてのシフトレジスタにデータを読み込ませる動作と、表示開始後の通常の表示のためのデータ読み込みを制御する。図9に示す駆動回路のブロック図では、これらの各機能を個別のブロックで示しているが、本発明は、この構成に制限されるものではない。
【0068】
論理回路である電圧制御部3のICと、信号側IC制御部9、および走査側IC制御部10は、一つの論理素子(C−PLD,FPGA,ゲートアレイ等)に1チップ化することで、部品点数を削減し、また、各ブロック間の伝播遅延の影響を最小限としたコントローラを作製することができる。もちろん、アナログ構成である電圧切替部4も、この部分単独で1モールド化や、論理回路とのハイブリッド化を計ることで,部品点数の削減を計ることができる。
【0069】
一方、信号側,走査側駆動IC7,8として、6レベルの電圧出力を持つものを使用した場合、上記構成に対して交流化のための電圧出力をすべて出力することが可能なため、電圧切替部4が不要となる。各々の電圧1は、直接、信号側,走査側駆動IC7,8に入力することができる。走査のためのデータについては、交流化を行うフレーム間で切り替える必要は生じるが、コスト,部品点数とも電圧を切り替える場合に比べ、大幅に削減可能となる。本方法によれば、通常使用されているデジタル信号により電圧階調を実現する信号側駆動IC7を走査側に使用することで、リセットパルスRを隣り合う走査線で重ね合う2つの準安定状態を持つ液晶の液晶パネル駆動を安価に実現することが可能となる。
【0070】
実施例1(請求項1〜5に対応)
2つの準安定状態を持つ液晶の表示コントローラ(リセットパルスを重ねないもの)をC−PLDであるLATTICE社のplsi1048で設計試作し、通常のSTN用駆動ICとして、TI社のTMS57202を信号側,走査側に使用した(TMS57202は信号切り替えにより、信号側,走査側の両方に使用することができる)。電源の切り替え回路を、FETを使用して構成した。液晶パネルとしては、2つの準安定状態を持つ表示容量160×160の液晶パネルを作製した。比較のために、同一駆動ICおよび液晶材料を使用し、通常のSTN液晶パネルを作製した。
【0071】
試作した2つの表示装置をそれぞれ駆動し、比較したところ、本発明による表示装置では、従来のSTN用駆動ICを使用しているにもかかわらず、2つの準安定状態を持つ液晶パネルを駆動することができ、高速応答性の向上と、コントラストの向上が確認できた。
【0072】
実施例2(請求項6および8〜10に対応)
実施例1と同一構成で、2つの準安定状態を持つ液晶パネルを作製し、コントローラ(リセットパネルRを重ねるもの)は、Lattice社plsi1048を使用し設計試作し、駆動ICとして、信号側,走査側とも日立製作所HD66310を使用した表示装置を作製した。なお、HD66310はデジタル信号により、各出力は8レベルの電圧を出力可能な電圧階調用の信号側駆動ICである。実施例1同様に、比較のために同一駆動ICおよび液晶材料を使用し、通常のSTNパネルを作製した。
【0073】
試作した2つの表示装置をそれぞれ駆動し比較したところ、本発明による表示装置では、従来の駆動ICを使用しているにもかかわらず、2つの準安定状態を持つ液晶パネルを駆動することができ、高速応答性の向上と、コントラストの向上が確認できた。また、実施例1に比較して、フレーム周波数を高くすることが可能であることがわかり、実施例1に比較して大表示容量(走査線数の増加)対応が可能であることがわかった。
【0074】
実施例3(請求項7〜10に対応)
実施例1と同一構成で、2つの準安定状態を持つ液晶パネルを作製し、コントローラは、Lattice社plsi1048を使用し設計試作し、駆動ICとして信号側,走査側とも日立製作所のHD66310を使用した表示装置を作製した。この実施例では、HD66310はデジタル信号により、各出力は8レベルの電圧を出力可能な電圧階調用の信号側駆動ICであるが、この8レベルのうち、3レベルを使用して交流化のためのフレーム間で電圧を切り替える構成のものと、8レベル中6レベルを使用し、交流化フレーム間で、電圧を切り替え不要の構成のものを作成し、回路構成を比較した。
【0075】
試作した2つの表示装置をそれぞれ駆動し、比較したところ、表示品質は同等であり、本発明による表示装置による従来の駆動ICを使用による2つの準安定状態を持つ液晶パネルを駆動することは確認できたが、駆動ICの出力を6レベル使用したものでは、3レベル使用に対し、部品点数,実装工数とも削減でき、出力数として6レベルを使用することで、部品点数,製品コストの削減が効果的に実施できることがわかった。
【0076】
【発明の効果】
請求項1に対応する効果:2つの準安定状態を持つ液晶パネルの駆動方法において、前記液晶パネルに電圧パルスを印加する走査側駆動IC及び信号側駆動ICと、前記2つの駆動ICとは別に前記走査側駆動ICから出力する電圧を切り替えるための電圧切替部が設けられており、走査側駆動ICからの走査線と信号側駆動ICからの信号線の交差する画素に印加する電圧レベルとして、リセットパルス用電圧レベル、書き込みパルス用電圧レベル、前記書き込みパルス用パルスより小さく前記書き込みパルス用電圧を印加する走査線以外の走査線に同じタイミングで印加する電圧レベルと基準値電圧レベルの4レベルを持ち、前記電圧切替部において前記4レベルの電圧レベルのうち2レベルの電圧レベルを選択し、該選択された2レベルの電圧レベルを該電圧切替部から駆動ICに供給したので、安価に高品質な表示を実現することができた。
【0077】
請求項2に対応する効果:請求項1に記載の液晶パネルの駆動方法において、前記駆動ICから出力する前記各々の電圧レベルは、前記電圧切替部において切替え可能としたので、前記駆動ICとして既存の駆動ICを使用して、安価に高品質な表示を実現することができた。
【0078】
請求項3に対応する効果:請求項2に記載の液晶パネルの駆動方法において、前記電圧切替部における電圧レベル切り替え手段は、論理信号によりあらかじめ設定された電圧に切り替えたので、請求項1、2と同様の効果が得られた。
【0079】
請求項4に対応する効果:請求項1乃至3の何れかに記載の液晶パネルの駆動方法において、2つの準安定状態を持つ液晶パネルを駆動するための前記駆動ICから出力される前記2レベルの2種類の電圧を第一の電圧パルスと第二の電圧パルスとし、該第一の電圧パルスと該第二の電圧パルスの電圧はそれぞれ同一の基準信号から作製されたので、低コストの電圧パルスが得られる。
【0080】
請求項5に対応する効果:請求項4に記載の液晶パネルの駆動方法において、前記第一の電圧パルスと前記第二の電圧パルスを基準信号に基づいて出力し、該基準信号の周期は、該第一の電圧パルス幅と該第二の電圧パルス幅の最大公約数の期間としたので、論理回路で容易にパルスを作製することができ、論理回路の簡便化,低コスト化が実現できた。
【0081】
請求項6に対応する効果:2つの準安定状態を持つ液晶パネルの駆動方法において、前記液晶パネルに電圧パルスを印加する走査側駆動IC及び信号側駆動ICと、前記2つの駆動ICとは別に前記走査側駆動ICから出力する電圧を切り換えるための電圧切替部が設けられており、前記走査側駆動ICから第n信号線に印加されるリセットパルスと第n+1信号線に印加されるリセットパルスは走査側クロック信号の1周期分ずれており、前記駆動ICから出力する電圧レベルとして、2つのリセットパルス用電圧レベル、2つの書き込みパルス用電圧レベルと2つの基準値用電圧レベルの6レベルを持ち、前記電圧切替部において前記6レベルの電圧レベルのうち3レベルの電圧レベルを選択し、該選択された3レベルの電圧レベルを該電圧切替部から駆動ICに供給するので、液晶表示装置の表示容量を、表示品質を確保したまま大幅な部品点数の削減,コストの削減とともに向上させることができた。
【0083】
請求項7に対応する効果:請求項6に記載の液晶パネルの駆動方法において、前記液晶パネルの走査側駆動ICは、前記電圧切替部でデジタル入力によりあらかじめ決められた出力電圧パターンを順次選択して出力するようにしたので、安価に液晶表示装置の表示容量を、表示品質を確保したまま向上させることができた。
【0084】
請求項8の発明は、請求項7に記載の液晶パネルの駆動方法において、前記液晶パネルの前記電圧切替部で走査側の出力電圧を選択する出力電圧パターンは、論理回路を用いて作製したので、液晶表示装置の表示容量を、表示品質を確保したまま大幅な部品点数の削減,コストの削減とともに向上させることができた。
【0085】
請求項9に対応する効果:請求項6,7または8に記載の液晶パネルの駆動方法において、前記液晶パネルの走査側駆動ICは、デジタル入力による電圧階調用の前記液晶パネルの信号側駆動ICを使用したので、液晶表示装置の表示容量を、表示品質を確保したまま大幅な部品点数の削減,コストの削減とともに向上させることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による駆動方法を説明するためのタイムチャートである。
【図2】本発明による駆動方法の走査側出力波形を示すタイムチャートである。
【図3】本発明による駆動方法の信号側出力波形を示すタイムチャートである。
【図4】本発明による駆動回路の一例を示すブロック図である。
【図5】本発明による駆動方法を説明するためのタイムチャートである。
【図6】本発明による駆動方法の走査側出力波形を示すタイムチャートである。
【図7】本発明による駆動方法の信号側出力波形を示すタイムチャートである。
【図8】本発明による駆動回路の一例を示すブロック図である。
【図9】従来技術による2つの準安状態を持つ液晶の駆動波形の一例を示す図である。
【図10】従来技術による2つの準安定状態を持つ液晶の駆動波形の一例を示す図である。
【符号の説明】
1…電圧入力、2…発振器、3…電圧制御部、4…電圧切替部、5…液晶セル、6…表示データ入力、7…信号側駆動IC、8…走査側駆動IC、9…信号側IC制御部、10…走査側IC制御部、11…走査側データ作成部、12…走査側データ制御部。
Claims (9)
- 2つの準安定状態を持つ液晶パネルの駆動方法において、前記液晶パネルに電圧パルスを印加する走査側駆動IC及び信号側駆動ICと、前記2つの駆動ICとは別に前記走査側駆動ICから出力する電圧を切り替えるための電圧切替部が設けられており、走査側駆動ICからの走査線と信号側駆動ICからの信号線の交差する画素に印加する電圧レベルとして、リセットパルス用電圧レベル、書き込みパルス用電圧レベル、前記書き込みパルス用パルスより小さく前記書き込みパルス用電圧を印加する走査線以外の走査線に同じタイミングで印加する電圧レベルと基準値電圧レベルの4レベルを持ち、前記電圧切替部において前記4レベルの電圧レベルのうち2レベルの電圧レベルを選択し、該選択された2レベルの電圧レベルを該電圧切替部から駆動ICに供給することを特徴とする液晶パネルの駆動方法。
- 前記駆動ICから出力する前記各々の電圧レベルは、前記電圧切替部において切替え可能であることを特徴とする請求項1に記載の液晶パネルの駆動方法。
- 前記電圧切替部における電圧レベル切り替え手段は、論理信号によりあらかじめ設定された電圧に切り替えることを特徴とする請求項2に記載の液晶パネルの駆動方法。
- 2つの準安定状態を持つ液晶パネルを駆動するための前記駆動ICから出力される前記2レベルの2種類の電圧を、第一の電圧パルスと第二の電圧パルスとし、該第一の電圧パルスと該第二の電圧パルスの電圧はそれぞれ同一の基準信号から作製されることを特徴とする請求項1乃至3項の何れかに記載の液晶パネルの駆動方法。
- 前記第一の電圧パルスと前記第二の電圧パルスを基準信号に基づいて出力し、該基準信号の周期は、該第一の電圧パルス幅と該第二の電圧パルス幅の最大公約数の期間とすることを特徴とする請求項4に記載の液晶パネルの駆動方法。
- 2つの準安定状態を持つ液晶パネルの駆動方法において、前記液晶パネルに電圧パルスを印加する走査側駆動IC及び信号側駆動ICと、前記2つの駆動ICとは別に前記走査側駆動ICから出力する電圧を切り換えるための電圧切替部が設けられており、前記走査側駆動ICから第n信号線に印加されるリセットパルスと第n+1信号線に印加されるリセットパルスは走査側クロック信号の1周期分ずれており、前記駆動ICから出力する電圧レベルとして、2つのリセットパルス用電圧レベル、2つの書き込みパルス用電圧レベルと2つの基準値用電圧レベルの6レベルを持ち、前記電圧切替部において前記6レベルの電圧レベルのうち3レベルの電圧レベルを選択し、該選択された3レベルの電圧レベルを該電圧切替部から駆動ICに供給することを特徴とする液晶パネルの駆動方法。
- 前記液晶パネルの走査側駆動ICは、前記電圧切替部でデジタル入力によりあらかじめ決められた出力電圧パターンを順次選択して出力することを特徴とする請求項6に記載の液晶パネルの駆動方法。
- 前記液晶パネルの前記電圧切替部で走査側の出力電圧を選択する出力電圧パターンは、論理回路を用いて作製することを特徴とする請求項7に記載の液晶パネルの駆動方法。
- 前記液晶パネルの走査側駆動ICは、デジタル入力による電圧階調用の前記液晶パネルの信号側駆動ICを使用することを特徴とする請求項6,7または8に記載の液晶パネルの駆動方法。
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