JP3555231B2 - 圧力流体供給ホース及びその製造方法 - Google Patents

圧力流体供給ホース及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、ポンプによって吐出された圧力流体を動力舵取装置等の流体圧装置に供給する圧力流体供給ホース及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車用動力舵取装置においては、ポンプから吐出される圧力流体の脈動を低減するために、ポンプの吐出ポートと動力舵取装置との間には、板状部材を螺旋状に巻いて形成した螺旋管を可撓性ゴムホースの内孔に配置した圧力流体供給ホースが設置されている。この圧力流体供給ホースは、螺旋管内を圧力流体が通過することによって位相が異なる圧力流体が生じて、これらの流体の干渉作用により脈動を低減させるものである。
【0003】
この圧力流体供給ホースには、螺旋管の外周にニップルをかしめ固定し、この状態で螺旋管を可撓性ゴムホースの内孔に挿入し、ニップルに対応した可撓性ゴムホースの外周で固定ソケットをかしめ固定した構成の一般に中間螺旋タイプの圧力流体供給ホースがある。
この中間螺旋タイプの圧力流体供給ホースにおいて、螺旋管に対するニップルのかしめ方法としては、図7に示すように、ニップル30の両端を、ニップル30に対して平行な一対の押圧面31aを持つかしめ工具31で周方向の複数位置で矢印方向からかしめ、図8に示すようにニップル30の両端内周を、板状部材32a,32bを螺旋状に巻いて形成された螺旋管32に押接してニップル30を螺旋管32に固定するようにしている。なお、33はニップル30の図略のゴムホースに対する保持力向上のためにニップル30の外周に形成された保持溝30aである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のかしめ方法では、図8に示すように、かしめ部の押圧により、ニップル30の端部が点線から実線に示すように変形して、ニップル30の内径が縮径されて、かしめ部と非かしめ部とでは急激に内径が変化するため、、螺旋管の板状部材32a,32b間に段差による隙間kが生じ、この隙間kからの油洩れにより圧力脈動の吸収に悪影響を与え、脈動低減作用の低下が生じるという問題があった。また、かしめ工具31のかしめ量を一定にしたとしても、ニップル30及び螺旋管32の寸法誤差やかしめ位置のバラツキにより、個々のホースにおいて隙間kに差が生じ、油の洩れ量にバラツキが生じて、品質が不安定となるとともに、脈動低減作用の小さいホースが形成されてしまうという問題があった。
【0005】
また、螺旋管のかしめ量(変形量)を少なくすると、油の洩れ量は減少するが、螺旋管が抜けやすくなり、信頼性が悪化するという問題があった。
図6の(b)は、従来のかしめ方法における実験データであり、螺旋管16のかしめ量hに対するかしめ部における洩れ量Q及び螺旋管16の抜け力Fの関係を示すグラフである。ここで、螺旋管16のかしめ量h〔mm〕は実際に螺旋管16がかしめられた最大かしめ量であり、また、かしめ部における洩れ量Qは螺旋管16のかしめ量hを変化させた時に板状部材17a,17bの間から洩れる圧縮流体の流量で、洩れ量基準値Qを1として実験値を無次元化したものである。また、螺旋管16の抜け力Fは螺旋管16をニップル15から引き抜くのに必要な力であり、抜け力基準値Fを1として実験値を無次元化したものである。ここで、洩れ量基準値Qと抜け力基準値Fは各々製品としての良否の判定基準値であり、洩れ量Qが洩れ量基準値Q以下であり、かつ、抜け力Fが抜け力基準値F以上であるという条件を満足しておれば良とするものである。なお、洩れ量Qの測定条件は、油温T=25〔℃〕,圧力P=0.5〔kgf/cm〕,測定時間t=1〔min〕である。
【0006】
従来では、図6の(b)に示すように、洩れ量基準値Qを満足するかしめ量hは0.41〔mm〕以下であり、抜け力基準値Fを満足するかしめ量hは0.30〔mm〕以上である。したがって、洩れ量基準値Q及び抜け力基準値Fをともに満足できるかしめ量hの公差は0.11〔mm〕であり、この公差の範囲内でのかしめ量hの中央値は0.355〔mm〕であるので、かしめ量寸法公差としては0.355±0.055〔mm〕となる。
【0007】
したがって、洩れ量基準値Q及び抜け力基準値Fをともに満足するかしめ量としての目標値を0.355〔mm〕とすると、かしめ工程における誤差の許容範囲が0.055〔mm〕といった非常に狭い範囲となる。製品を量産する時には、各製品毎に寸法を管理できないため、判定基準を満足する製品を量産することは非常に困難となっていた。
【0008】
【課題を解決するための手段】板状部材を螺旋状に巻いて形成した螺旋管と、この螺旋管の外周にかしめ固定され前記螺旋管に押接するニップルと、このニップルに固定された前記螺旋管が挿入された膨張収縮可能な可撓性ゴムホースと、このゴムホースの外周に嵌合され、前記ゴムホース内の前記ニップルに対応した位置でかしめられたソケットとを備えた圧力流体供給ホースにおいて、円筒状のニップル内に前記螺旋管を挿入し、該ニップルを、軸方向断面形状が平坦形状の平坦部と、この平坦部の両側に連続して形成され両端部に向かって内径が大きくなるテーパ部とから成る形状にかしめ、前記ソケットを前記ニップルの外周の平坦部に対応する位置及び幅にて平坦形状にかしめたことを特徴とするものである。
【0009】
請求項の発明は、板状部材を螺旋状に巻いて形成した螺旋管を円筒状のニップル内に挿入し、該ニップルの外周に対して平行な平坦形状の平坦押圧面と、この平坦押圧面の端部から両端に向かって徐々に前記螺旋管に対するかしめ量が少なくなるテーパ形状のテーパ押圧面とが形成されたかしめ工具によって前記螺旋管を前記ニップルにかしめ固定し、前記ニップルにかしめ固定された前記螺旋管を膨張収縮可能な可撓性ゴムホース内に挿入し、このゴムホースの外周に嵌合したソケットを前記ゴムホース内の前記ニップルに対応した位置に位置させ、外方から前記ソケットを前記ニップルの外周の平坦部に対応した位置及び幅にて平坦形状にかしめ、前記ゴムホースに前記ニップルを固定して圧力流体供給ホースを製造するようにしたものである。
【0010】
【作用】
本発明によれば、ニップルの中央位置が大きくかしめられ、ニップルの両端部に向かって徐々にかしめ量が減少するようにかしめられているため、螺旋管はニップルの中央位置に対応した位置で大きく変形し、ニップルの端部に向かって徐々に変形量が減少するように変形される。これによって、螺旋管に生じる外径の変化は局部的な径変化ではなく、ゆるやかなものになり、螺旋管に段差が生じることが防止される。
【0011】
【実施例】
以下本発明の実施例である圧力流体供給ホースを図面に基づいて説明する。
図1において、10は膨張収縮可能な可撓性ゴムホースであり、このゴムホース10の両端には、図略のポンプ装置及び動力舵取装置に接続する接続金具11,11が各々設けられている。
【0012】
この接続金具11は、前記ゴムホース10の内孔10a内に挿入される金属製のチューブ12と、図略のポンプ装置の吐出口及び図略の動力舵取装置の供給口に各々ねじ込み固定されるジョイント13と、チューブ12をゴムホース10に液密的に固定するためのソケット14とから構成されている。
ソケット14は、チューブ12の外周に嵌着され、その外周は軸方向断面形状が波形状となる公知のウェーブかしめにてかしめられ、ゴムホース10の外周に固定されている。これによって、チューブ12がゴムホース10に一体的に固定される。
【0013】
前記ゴムホース10の内孔10a内には、ニップル15を介して螺旋管16が設けられている。ニップル15は後述のようにして螺旋管16の外周にかしめ固定され、このニップル15のかしめ後の軸方向断面の内周形状は、その略中央位置では平坦形状の平坦部15aとなっており、この平坦形状の平坦部15aから両端に向かっては内径が大きくなる、つまり、螺旋管16に対するかしめ量が徐々に少なくなるテーパ形状となっている。したがって、ニップル15は平坦部15aと、両テーパ部15bとで螺旋管16に押接しており、螺旋管16はニップル15の平坦部15aによって大きくかしめられ、両テーパ部15bによってニップル15の端部に向かって徐々にかしめ量が減少するようにかしめられている。
【0014】
前記螺旋管16は2本の板状部材17a,17bを螺旋状に巻いて筒状に形成したものであり、この螺旋管16の開口部には各々ゴムホース10の内周面の損傷を防止するための保護キャップ18が被せられている。
前記ニップル15の位置に対応したゴムホース10の外周にはソケット19が嵌着され、このソケット19の外周は軸方向断面形状が平坦形状となる公知のフラットかしめにてかしめられ、ゴムホース10の外周に固定されている。これによって、ニップル15を介して螺旋管16がゴムホース10に一体的に固定されている。
【0015】
次に、螺旋管16に対してニップル15をかしめ工具20を用いてかしめ固定するかしめ工程を図2〜図3を用いて説明する。
前記ニップル15のかしめ前の軸方向断面形状は、図2に示すように、内外周ともに螺旋管16の外周形状と平行な平坦形状となっている。
前記かしめ工具20には、ニップル15の軸方向断面で、ニップル15の外周に対して平行な平坦形状の平坦押圧面20aと、この平坦押圧面20aの端部から両端に向かって徐々に螺旋管16に対するかしめ量が少なくなる所定のテーパ角度αであるテーパ形状のテーパ押圧面20bとが形成されている。ここで、かしめ工具20のテーパ押圧面20bのテーパ角度αはα=8°±5°が適当である。なお、かしめ工具20の平行押圧面20a及びテーパ押圧面20bは軸方向と直交する断面においては各々ニップル15の外周面形状に沿う円弧形状となっている。
【0016】
先ず、図2に示すように、ニップル15内に螺旋管16を挿入する。
この状態で、周方向の等角度間隔で8方向(図2においては上下の2方向以外は図略)からかしめ工具20の平坦押圧面20aをニップル15の略中央位置に対応する位置にセットする。
次に、かしめ工具20を図2に示す状態から矢印方向に移動させ、ニップル15に対して徐々に各押圧面20a,20bで押圧してニップル15を図3に示す状態まで所定量かしめる。この時、かしめ工具20の平坦押圧面20aによって螺旋管16がかしめられた実際のかしめ量をhとする。
【0017】
図3に示すように、かしめ工程が完了した時には、ニップル15の軸方向断面の内周形状においては、平坦押圧面20aに対応した位置には平坦部15aが、テーパ押圧面20bに対応した位置にはテーパ部15bが各々形成され、これら平坦部15a及びテーパ部15bの形状に沿って螺旋管16の外周が変形されている。即ち、螺旋管16は、ニップル15の平坦部15aによって大きなかしめ量hでかしめられ、また、両テーパ部15bによってニップル15の端部に向かって徐々にかしめ量が減少するようにかしめられる。
【0018】
なお、前記螺旋管16の長さと、前記螺旋管16に対するニップル15の固定位置と、ニップル15のゴムホース10内での固定位置とは、図略のポンプ装置の供給口に接続される接続金具11側から供給される圧力流体の脈動成分の位相に対して、前記螺旋管16の外周とゴムホース10の内周との間に形成された隙間eに流入する一部の圧力流体の脈動成分がニップル15の端面で反射した時に、1/2波長だけ位相がずれるように適宜設定され、これにより、隙間e及び螺旋管16の開口部でこれら位相の異なる脈動成分を干渉させることにより脈動を低減するようになっている。
【0019】
上記の構成により、図略のポンプ装置から圧力流体が吐出されると、ポンプ装置の吐出口に接続された接続金具11側より脈動成分を含んだ圧力流体がゴムホース10の内孔10aに供給される。圧力流体は螺旋管16の一方の開口部から螺旋管16内に流入し、他方の開口部から流出する。この際、一部の流体が螺旋管20の外周とゴムホース10の内周との間に形成された隙間eに流入する。これによって、脈動成分が隙間e内に伝播され、さらに、前記ニップル15の端面で反射されて位相の異なった脈動成分が接続金具11側に伝播される。反射された脈動成分の位相が、接続金具11側より供給される圧力流体の脈動成分の位相に対して1/2波長ずれているため、これらの脈動成分が隙間eや螺旋管16の開口部で干渉し、圧力流体の脈動が低減される。
【0020】
図6の(a)は、本発明のかしめ方法における実験データであり、螺旋管16のかしめ量hに対するかしめ部における洩れ量Q及び螺旋管16の抜け力Fの関係を示すグラフである。ここで、螺旋管16のかしめ量h〔mm〕は実際に螺旋管16がかしめ工具20によってかしめられた最大かしめ量であり、また、かしめ部における洩れ量Qは螺旋管16のかしめ量hを変化させた時に板状部材17a,17bの間から洩れる圧縮流体の流量で、洩れ量基準値Qを1として実験値を無次元化したものである。また、螺旋管16の抜け力Fは螺旋管16をニップル15から引き抜くのに必要な力であり、抜け力基準値Fを1として実験値を無次元化したものである。ここで、洩れ量基準値Qと抜け力基準値Fは各々製品としての良否の判定基準値であり、洩れ量Qが洩れ量基準値Q以下であり、かつ、抜け力Fが抜け力基準値F以上であるという条件を満足しておれば良とするものである。なお、洩れ量Qの測定条件は、油温T=25〔℃〕,圧力P=0.5〔kgf/cm〕,測定時間t=1〔min〕であり、かしめ量hの実験範囲としてはh≦1.4〔mm〕である。
【0021】
本発明では、図6の(a)に示すように、洩れ流量基準値Qを満足するかしめ量hはかしめ量の実験範囲(0≦h≦1.4〔mm〕)を全て満足しており、抜け力基準値Fを満足するかしめ量hは0.21〔mm〕以上であり、したがって、洩れ流量基準値Q及び抜け力基準値Fをともに満足できるかしめ量hの公差は1.19〔mm〕以上である。ここで、実験の範囲内での公差は1.19であるので、この公差の範囲内でのかしめ量hの中央値は0.805〔mm〕となり、かしめ量寸法公差としては0.805±0.595〔mm〕となる。
【0022】
したがって、洩れ流量基準値Q及び抜け力基準値Fをともに満足するかしめ量としての目標値を0.805〔mm〕とすると、かしめ工程における誤差の許容範囲が0.595〔mm〕となり、従来のかしめ工程における誤差の許容範囲0.055〔mm〕に比べて大幅に広くなり、製品の量産した場合に判定基準を満足する製品であることの信頼性を増すことができるとともに、品質を安定させることができる。
【0023】
また、本発明では、上記した実験データにも示されるように、従来に比べて少ないかしめ量h(実験データではh=0.21〔mm〕で抜け力基準値Fを満足している。)で抜け力基準値Fを満足する保持力を出すことができる。また、本発明では、ニップル15の端部に向かうにつれて徐々にかしめ量が小さくなるようにかしめたので、つまり、かしめ部と非かしめ部との間はゆるやかに径が変化され、板状部材17a,17b間における急激な段差が生じず、かしめによる応力がニップル15の端部に向かうにつれて徐々に開放される。ニップル15のかしめ量hを大きくしたとしても、つまり、ニップル15の螺旋管16に対する保持力を強くしたとしても、かしめ部と非かしめ部とはゆるやかな径変化にて接続されるため、螺旋管16の外周において局部的径変化がないため、板状部材17a,17b間に隙間が生じず、螺旋管16におけるシール性が常に保たれる。即ち、螺旋管16からの洩れ流量がほとんどなく、かしめ量の変化に対応して洩れ流量がほとんど変動しないため、脈動低減作用を効率良く行え、品質の安定及びホースとしての信頼性を確保することができる。
【0024】
また、本発明では、ニップル15をかしめた際にニップル15の外周が凹状に変形され、このニップル15の外周の凹形状によってゴムホース10とニップル15との保持力が向上されるので、従来のようなニップルの外周への溝加工を廃止することができ、コスト低減に寄与することができる。
なお、上記実施例では、軸方向断面が平坦形状のニップル15に対して、平坦押圧面20aとテーパ押圧面20bとを備えたかしめ工具を用いてかしめるようにしたが、本発明はかしめ工具を用いてニップルをかしめた際に螺旋管の外周に押接するニップル15の内周の軸方向断面形状を、平坦形状の平坦部15aと、この平坦部15aの両側に連続し両端部に向かって内径が徐々に大きくなるテーパ部15bとで構成するといった技術思想に逸脱しない限り種々の変形,適応が可能である。
【0025】
即ち、図4に示すように、かしめ工具20に、ニップル15の軸方向断面で、ニップル15の外周に対して平行な平坦形状の平坦押圧面20cを形成し、ニップル15の軸方向断面の形状を、中央部が肉厚の大きい平坦形状の平坦部15cと、この平坦部15cに連続し、端部に向かって厚みが小さくなる所定のテーパ角度βであるテーパ形状のテーパ部15dとで形成しても良い。なお、平坦押圧面20cの軸方向長さはニップル15の平坦部15cより長くする。ここで、ニップル15のテーパ部15dのテーパ角度βはβ=8°±5°が適当である。 これによって、かしめ工具20を用いて図4の矢印方向にニップル15の外周をかしめた際には、かしめ工具20の平坦押圧面20cがニップル15の外周に徐々に食い込んでいき、かしめが完了した時には、図5に示すように、ニップル15の内周には、同様に平坦部15a及び端部に向かって徐々にかしめ量が少なくなる前記テーパ部15dに対して逆テーパ状のテーパ部15bが各々形成される。したがって、螺旋管16の外周形状は、ニップル15の中央位置では大きくかしめられ、ニップル15の両端部に向かって徐々にかしめ量が小さくなるように変形されるので、同様の効果を得ることができる。
【0026】
また、螺旋管16とニップル15の保持力をさらに向上させるために、板状部材17a,17bの間で局部的径変化とならず、洩れ流量が許容範囲内であれば、上記のようにニップル15の内周に形成した平坦部15aと、テーパ部15bに対して、例えば、ねじ加工、または、溝加工を行うといった種々の設計変更を行い得ることはいうまでもない。
【0027】
【発明の効果】
本発明によれば、ニップルの中央位置を平坦状にかしめるとともに、この平坦状の平坦部の両側に連続してニップルの両端部に向かって徐々に内径が大きくなるテーパ状にかしめるようにしたので、ニップルのかしめ量を大きくしたとしても、つまり、ニップルの螺旋管に対する保持力を強くしたとしても、螺旋管の外周に局部的径変化がないため、螺旋管に段差が生じず、螺旋管におけるシール性が常に保たれる。即ち、螺旋管からの洩れ流量がほとんどなく、脈動低減作用を効率良く行え、品質の安定及びホースとしての信頼性を確保することができる。
【0028】
また、本発明では、ニップルをかしめた際にニップル外周が凹状に変形され、このニップル外周の凹形状によってゴムホースとニップルとの保持力が向上されるので、従来のようなニップルの外周への溝加工を廃止することができ、コスト低減に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の圧力流体供給ホースの全体構成を示す断面図である。
【図2】本発明の実施例におけるニップルと螺旋管とのかしめ部のかしめ前の断面図である。
【図3】本発明の実施例におけるニップルと螺旋管とのかしめ部のかしめ後の断面図である。
【図4】本発明の他の実施例におけるニップルと螺旋管とのかしめ部のかしめ前の断面図である。
【図5】本発明の他の実施例におけるニップルと螺旋管とのかしめ部のかしめ後の断面図である。
【図6】螺旋管かしめ量−かしめ部洩れ量・螺旋管抜け力の関係を示すグラフである。
【図7】従来におけるニップルと螺旋管とのかしめ部のかしめ前の断面図である。
【図8】従来におけるニップルと螺旋管とのかしめ部のかしめ後の断面図である。
【符号の説明】
15 ニップル
15a 平坦部
15b テーパ部
16 螺旋管
19 ソケット
20 かしめ工具

Claims (2)

  1. 板状部材を螺旋状に巻いて形成した螺旋管と、この螺旋管の外周にかしめ固定され前記螺旋管に押接するニップルと、このニップルに固定された前記螺旋管が挿入された膨張収縮可能な可撓性ゴムホースと、このゴムホースの外周に嵌合され、前記ゴムホース内の前記ニップルに対応した位置でかしめられたソケットとを備えた圧力流体供給ホースにおいて、
    円筒状のニップル内に前記螺旋管を挿入し、該ニップルを、軸方向断面形状が平坦形状の平坦部と、この平坦部の両側に連続して形成され両端部に向かって内径が大きくなるテーパ部とから成る形状にかしめ、前記ソケットを前記ニップルの外周の平坦部に対応する位置及び幅にて平坦形状にかしめたことを特徴とする圧力流体供給ホース。
  2. 板状部材を螺旋状に巻いて形成した螺旋管を円筒状のニップル内に挿入し、該ニップルの外周に対して平行な平坦形状の平坦押圧面と、この平坦押圧面の端部から両端に向かって徐々に前記螺旋管に対するかしめ量が少なくなるテーパ形状のテーパ押圧面とが形成されたかしめ工具によって前記螺旋管を前記ニップルにかしめ固定し、前記ニップルにかしめ固定された前記螺旋管を膨張収縮可能な可撓性ゴムホース内に挿入し、このゴムホースの外周に嵌合したソケットを前記ゴムホース内の前記ニップルに対応した位置に位置させ、外方から前記ソケットを前記ニップルの外周の平坦部に対応した位置及び幅にて平坦形状にかしめ、前記ゴムホースに前記ニップルを固定したことを特徴とする圧力流体供給ホースの製造方法。
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