JP3555221B2 - フッ素含有シリコン酸化膜の製造方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、膜質の向上したフッ素含有シリコン酸化膜の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
化学気相成長法によるフッ素含有シリコン酸化膜を形成させる方法としては、例えば原料ガスとしてテトラエトキシシランにフルオロアルコキシシランを添加せしめて用いる方法が特開平4−360533号公報に開示されており、該方法によると、低温形成にもかかわらず含有水分を減少させた膜特性の優れたシリコン酸化膜を形成することが可能であるとされていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし前記従来方法では、成膜速度が遅く生産性が悪いという欠点があった。また該方法で得られた膜は、前記公報記載の実施例によれば、屈折率は1.425、比誘電率は約3.7といずれも大きく、さらに膜中の水分量も依然として大きく膜質は必ずしも良好とは言えず、実用には堪えないものであった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、化学気相成長法により基板上にフッ素含有シリコン酸化膜を製造する方法において、トリアルコキシシランおよび酸化性ガスからなる原料ガスに、フルオロトリアルコキシシランを添加せしめて用い、かつ供給割合をトリアルコキシシラン1モルに対して、フルオロトリアルコキシシラン0.1〜5モルとすることを特徴とする。
【0005】
化学気相成長法には、プラズマ化学気相成長法、光(紫外線)化学気相成長法またはエキシマレーザ化学気相成長法(以下「プラズマ化学気相成長法等」と称する。)と、熱化学気相成長法があり、本発明はそれらのいずれにも適用できる。
一般に前者は、成膜時の段差被覆性が優れ、一方後者はオゾンを原料とする場合は、成膜時のフロー形状(平坦性)が優れたものが得られる。
【0006】
本発明で用いるトリアルコキシシランは、炭素数1〜4のアルコキシ基を有するものが好ましく、具体的にはトリメトキシシラン、トリエトキシシラン、トリ−n−プロポキシシラン、トリイソプロポキシシラン、トリ−n−ブトキシシラン、トリ−sec−ブトキシシラン、トリイソブトキシシランおよびトリ−tert−ブトキシシランが挙げられる。中でも成膜時の被覆性、すなわち熱化学気相成長法の場合のフロー形状(平坦性)やプラズマ化学気相成長法等の場合の段差被覆性が良好で、蒸気圧が高く蒸発するための大幅な加熱は不要で経済的であるとの理由から、トリエトキシシランが特に好ましい。
【0007】
フルオロアルコキシシランには、アルキル基を有するものと有しないものがあるが、得られる膜質が優れているとの理由からアルキル基を含まないフルオロアルコキシシラン、即ち、F4−n Si(OR)n の化学式を有するものが好ましい。前記式においてnは1から3の正数、ORはアルコキシ基を表し、炭素数1〜4のアルコキシ基が好ましい。炭素数が多過ぎると、蒸気圧が低くなり、蒸発するために加熱が必要となったり、供給量が絞られる等が起こり経済的でない。
【0008】
具体的化合物としては、フルオロトリメトキシシラン、フルオロトリエトキシシラン、フルオロトリ−n−プロポキシシラン、フルオロトリイソプロポキシシラン、フルオロトリ−n−ブトキシシラン、フルオロトリ−sec−ブトキシシラン、フルオロトリイソブトキシシラン、フルオロトリ−tert−ブトキシシラン、ジフルオロジメトキシシラン、ジフルオロジエトキシシラン、ジフルオロジ−n−プロポキシシラン、ジフルオロジイソプロポキシシラン、ジフルオロジ−n−ブトキシシラン、ジフルオロジ−sec−ブトキシシラン、ジフルオロジイソブトキシシラン、ジフルオロジ−tert−ブトキシシラン、トリフルオロメトキシシラン、トリフルオロエトキシシラン、トリフルオロ−n−プロポキシシラン、トリフルオロイソプロポキシシラン、トリフルオロ−n−ブトキシシラン、トリフルオロ−sec−ブトキシシラン、トリフルオロイソブトキシシランおよびトリフルオロ−tert−ブトキシシラン等が挙げられる。
【0009】
この内、アルコキシル基が3個のフルオロトリアルコキシシランが、成膜性がよく、また得られる膜質が良好となるので好ましく、さらに好ましくはフルオロトリエトキシシランである。またフルオロトリエトキシシランはトリエトキシシランから容易に製造されるため安価であるという特長も有する。なお、四フッ化珪素SiF4 をフルオロアルコキシシランの代わりに用いた場合は、得られる膜質が劣るので実用的でない。
【0010】
本発明において、トリアルコキシシランおよびフルオロアルコキシシランの組合せとしては、トリエトキシシランおよびフルオロトリエトキシシランの組合せが特に好ましい。すなわち、両者は蒸気圧が非常に近いので、恒温槽を2つ用意し別々の温度で加熱するということを行う必要がなく、さらに恒温槽から出てきた両者を混合した場合、混合初期の比率と、反応装置に供給される際の組成が大きく変化していないという長所も有する。これらの長所により、供給装置を大幅に簡略化することができる。
【0011】
トリアルコキシシランおよびフルオロアルコキシシランは、ヘリウム、アルゴンまたは窒素等の不活性ガスでバブリングして気化させ反応系へ供給するか、あるいは加熱により気化させて、前記不活性ガス等の希釈ガスと共に供給する方法が一般的である。
【0012】
もう一方の原料である酸化性ガスについて述べる。化学気相成長法のうち、熱化学気相成長法を採用する場合は、酸化性ガスとしてオゾンが好ましい。オゾンは、酸素で希釈して反応装置内に供給するのが一般的である。その場合、オゾンの濃度は10wt%を超えない程度が好ましく、3〜7wt%がさらに好ましい。オゾンの濃度が低いと反応速度が遅くなると共に膜質も悪くなる。また濃度が高すぎると、珪素が気相中で酸化され微粒子が発生し、該微粒子が基材に付着して膜質を悪くする恐れがある。また高濃度のオゾンは製造が困難でもある。
【0013】
化学気相成長法のうち、プラズマ化学気相成長法等を採用する場合は、酸化性ガスとして酸素、N2 O、NO、NO2 等の使用が好ましく、さらに好ましくは酸素である。なお、プラズマ化学気相成長法等の場合、酸化性ガスがなくともシリコン酸化膜の作製は可能であるが、膜質が悪くなるので好ましくない。これら酸化性ガスは、100%品を供給しても、不活性ガス等で希釈して使用してもよい。
【0014】
トリアルコキシシランおよび酸化性ガスの系内への供給割合は、次のとおりである。熱化学気相成長法の場合は、トリアルコキシシラン1モルに対して、オゾン0.5〜100モルが好ましく、さらに好ましくは5〜50モルである。あまりオゾンが多いと、珪素が気相中で酸化され微粒子の発生が激しくなり、基材上に付着する恐れがあり、あまり少ないと反応速度が遅くなり、実用的とはいえなくなる。
プラズマ化学気相成長法等の場合は、トリアルコキシシラン1モルに対して、酸化性ガス0.5〜50モルが好ましく、さらに好ましくは5〜30モルである。あまり酸化性ガスが多いと反応速度が遅くなり、実用的と言えなくなる。またあまり少ないと段差被覆性が悪くなるため実用的な範囲が制限される。
【0015】
トリアルコキシシランおよびフルオロアルコキシシランの供給割合を変えること で、膜中のフッ素含有率を任意に変化させることができる。
【0016】
しかしながら、膜中の水分を大幅に減らすためには、トリアルコキシシラン1モルに対して、フルオロアルコキシシラン0.01〜10モルが好ましく、さらに好ましくは0.1〜5モルである。あまりフルオロアルコキシシランが多いと膜がポーラスになったり、成膜速度が低下し実用的とはいえなくなり、一方フルオロアルコキシシランが少ないと、含有水分が低下した良い膜が得られ難くなる。
【0017】
トリアルコキシシランおよびフルオロアルコキシシランは、酸化性ガスと別々に反応装置に導入してもよいし、いずれか2種類以上を混合して導入してもよい。
【0018】
前記原料ガスおよびフルオロアルコキシシランを接触させて、化学気相成長法によりその表面にフッ素含有シリコン酸化膜を形成される基材としては、例えば半導体基板および電極等の配線を施した半導体基板等が挙げられる。
【0019】
その材質は、一般的なシリコン、ゲルマニウム、ガリウム砒素、ガラス、アルミニウムおよびステンレススチール等はもちろん、本発明では低温で成膜することが可能なため、アモルファスシリコン等の非晶質、ポリエステル、ポリイミドおよびガラスエポキシ等の樹脂も特に好適な基材材質となる。また、基材の形状は特に限定されるものではない。
【0020】
フッ素含有シリコン酸化膜の基材上への成膜温度は、熱化学気相成長法等の場合は、100〜450℃が好ましく、特に好ましくは250〜400℃である。一方プラズマ化学気相成長法等の場合は、100〜400℃が好ましく、さらに好ましくは200〜350℃である。成膜温度が高すぎると、膜が荒れる等の問題が発生し、低すぎると成膜速度があまりにも遅くなりすぎ、実用的でない。
【0021】
本発明に用いられる反応装置は特に限定されるものではなく、縦型、横型、パンケーキ型およびベルトコンベアー型等が挙げられる。
【0022】
反応装置の内圧は、常圧、加圧または減圧のいずれでも特に差し支えないが、化学気相成長法の場合は、100〜800mmHgが好ましく、さらに好ましくは600〜800mmHgであり、常圧が特に好ましい。内圧が低すぎると被膜のフロー形状が得られ難くなり、高すぎると装置が高価となり経済的でなくなる。一方プラズマ化学気相成長法等の場合は、0.01〜10mmHgが好ましく、さらに好ましくは、0.1〜5mmHgである。内圧が低すぎると成膜速度が遅くなり、高すぎると安定したプラズマが得られない等の理由から膜質が悪化する恐れが大きい。
【0023】
【実施例】
次に、本発明を実施例を挙げて説明する。
実施例1
熱化学気相成長装置内のサセプターに段差を有するシリコン基板を密着し、該基板を300℃に加熱保持した。
50℃に加熱したトリエトキシシランを流量0.05L/minの窒素ガスでバブリング(トリエトキシシランとしては2mL/min供給に相当)し、50℃に加熱したフルオロトリエトキシシランを流量0.15L/minの窒素ガスでバブリング(フルオロトリエトキシシランとしては6mL/min供給に相当)し、流量2.0L/minでオゾン濃度4.5%の酸素と、流量0.5L/minの希釈用窒素と共に上記装置内に導入し、反応装置内の圧力760mmHgにて、シリコン基板上に5分間化学気相成長させ、膜厚1.200μmのシリコン酸化膜を形成させた。シリコン基板を割って断面を電子顕微鏡で観察したところ、得られた膜はフロー形状を示し、段差を埋め込み平坦化することができた。
【0024】
上記膜を赤外吸収スペクトルで測定した結果は図1の通りである。図1より明かな通り、1200〜1000cm−1、800cm−1および450cm−1付近に吸収を示し、得られた膜はシリコン酸化膜であり、920cm−1付近の吸収よりSi−F結合を含有していることが分かった。また、含水水分の指標である3000cm−1付近のH2 Oおよび3400cm−1のSi−OH結合の吸収がないことが判明した。
【0025】
また、膜の屈折率をエリプソメトリ法で測定したところ、1.37となり、フッ素が多量に入っていることを示した。
さらに、膜中のフッ素含有率をESCA(X線光電子スペクトル法)により求めたところ、フッ素は4.2atomic%入っていることが分かった。
膜の比誘電率を、容量−電圧特性(1MHz)から求めたところ、3.52であり、低誘電率化ができていることが分かった。
この膜を1週間、室温下大気中で放置した後に、赤外吸収スペクトルで測定した結果を図2に示す。図2より明かな通り、膜中のフッ素含有率の減少は見られず、膜が安定なことが示された。
【0026】
比較例1
トリエトキシシランの代わりにテトラエトキシシランを用いた。供給量を合わせるために、60℃に加熱したテトラエトキシシランを流量0.10L/minの窒素ガスでバブリング(テトラエトキシシランとしては2mL/min供給に相当)し、熱化学気相成長装置内に導入した以外は、実施例1と同じ条件で、5分間化学気相成長させた。シリコン酸化膜の膜厚は0.410μmで、実施例1のトリエトキシシランの場合に比べて3分の1であった。
【0027】
上記膜を赤外吸収スペクトルで測定した結果は図5の通りである。図5より明かな通り、3400cm−1の吸収によりSi−OH結合があることが判明した。また膜の屈折率は1.420で、比誘電率は3.70であり、実施例1の膜よりもフッ素含有量が不十分であることが分かった。
【0028】
実施例2
実施例1と同じ熱化学気相成長装置内のサセプターに、実施例1と同様の段差を有するシリコン基板を密着し、該基板を300℃に加熱保持した。
50℃に加熱したトリエトキシシランを流量1.2L/minの窒素ガスでバブリング(トリエトキシシランとしては47mL/min供給に相当)し、50℃に加熱したフルオロトリエトキシシランを流量0.4L/minの窒素ガスでバブリング(フルオロトリエトキシシランとしては15mL/min供給に相当)し、流量7.5L/minでオゾン濃度4.5%の酸素と、流量18L/minの希釈用窒素と共に上記装置内に導入し、反応装置内の圧力760mmHgにて、シリコン基板上に5分間化学気相成長させ、膜厚0.75μmのシリコン酸化膜を形成させた。シリコン基板を実施例1と同様に観察したところ、得られた膜はフロー形状を示し、段差を埋め込み平坦化することができた。
【0029】
上記膜を赤外吸収スペクトルで測定した結果、実施例1と同様、1200〜1000cm−1、800cm−1および450cm−1付近に吸収を示し、得られた膜はシリコン酸化膜であり、920cm−1付近の吸収よりSi−F結合を含有していることが分かった。また、3000cm−1付近に現れるH2 Oおよび3400cm−1のSi−OH結合がないことが判明した。
【0030】
また、膜の屈折率は1.29となり、フッ素が多量に入っていることを示した。
膜の比誘電率を、容量−電圧特性(1MHz)から求めたところ、3.17であり、低誘電率化ができていることが分かった。
この膜を1週間、室温下大気中で放置したが、膜中のフッ素の減少は見られず、膜が安定なことが示された。
【0031】
実施例3
実施例1と同じ化学気相成長装置内のサセプターに、実施例1と同じ段差を有するシリコン基板を密着し、該基板を375℃に加熱保持した。
50℃に加熱したトリエトキシシランを流量2.5L/minの窒素ガスでバブリング(トリエトキシシランとしては98mL/min供給に相当)し、50℃に加熱したフルオロトリエトキシシランを流量2.5L/minの窒素ガスでバブリング(フルオロトリエトキシシランとしては98mL/min供給に相当)し、流量7.5L/minでオゾン濃度4.5%の酸素と、流量18L/minの希釈用窒素と共に上記装置内に導入し、反応装置内の圧力760mmHgにて、シリコン基板上に5分間化学気相成させ、膜厚1.77μmのシリコン酸化膜を形成させた。シリコン基板を実施例1と同様に観察したところ、得られた膜はフロー形状を示し、段差を埋め込み平坦化することができた。
【0032】
上記膜を赤外吸収スペクトルで測定した結果、実施例1と同様、1200〜1000cm−1、800cm−1および450cm−1付近に吸収を示し、得られた膜はシリコン酸化膜であり、920cm−1付近の吸収よりSi−F結合を含有していることが分かった。また、3000cm−1付近に現れるH2 Oおよび3400cm−1のSi−OH結合がないことが判明した。
【0033】
また、膜の屈折率は1.27となり、フッ素が多量に入っていることを示した。
膜の比誘電率は3.12であり、低誘電率化ができていることが分かった。
この膜を1週間、室温下大気中で放置したが、膜中のフッ素の減少は見られず、膜が安定なことが示された。
【0034】
実施例4
プラズマ化学気相成長装置内のサセプターに、実施例1と同じ段差を有するシリコン基板を密着し、該基板を250℃に加熱保持した。
50℃に加熱したトリエトキシシランを流量0.10L/minの窒素ガスでバブリング(トリエトキシシランとしては20mL/min供給に相当)し、50℃に加熱したフルオロトリエトキシシランを流量0.010L/minの窒素ガスでバブリング(フルオロトリエトキシシランとしては20mL/min供給に相当)し、流量100mL/minの100%の酸素と共に上記装置内に導入し、プラズマ反応装置内の圧力を1mmHgに保ち、シリコン基板上に5分間化学気相成長させ、膜厚0.365μmのシリコン酸化膜を形成させた。シリコン基板を割って断面を電子顕微鏡で観察したところ、得られた膜は良好な段差被覆性を有していた。
【0035】
上記膜を赤外吸収スペクトルで測定した結果は図3の通りである。図3より明かな通り、1200〜1000cm−1、800cm−1および450cm−1付近に吸収を示し、得られた膜はシリコン酸化膜であり、920cm−1付近の吸収よりSi−F結合を含有していることが分かった。また、3000cm−1付近に現れるH2 Oおよび3400cm−1のSi−OH結合がないことが判明した。
【0036】
また、膜の屈折率は1.25となり、フッ素が多量に入っていることを示した。
膜の比誘電率は3.40であり、低誘電率化ができていることが分かった。
この膜を1週間、室温下大気中で放置した後に、赤外吸収スペクトルで測定した結果を図4に示す。図4より明かな通り、膜中のフッ素含有率の減少は見られず、膜が安定なことが示された。
【0037】
実施例5
実施例4と同じプラズマ化学気相成長装置内のサセプターに、実施例1と同じ段差を有するシリコン基板を密着し、該基板を250℃に加熱保持した。
50℃に加熱したトリエトキシシランを流量0.10L/minの窒素ガスでバブリング(トリエトキシシランとしては10mL/min供給に相当)し、50℃に加熱したフルオロトリエトキシシランを流量0.15L/minの窒素ガスでバブリング(フルオロトリエトキシシランとしては30mL/min供給に相当)し、流量100mL/minの100%の酸素と共に上記装置内に導入し、反応装置内の圧力を1mmHgに保ち、シリコン基板上に5分間化学気相成させ、膜厚0.40μmのシリコン酸化膜を形成させた。シリコン基板を実施例1と同様に観察したところ、得られた膜は良好な段差被覆性を有していた。
【0038】
上記膜を赤外吸収スペクトルで測定した結果、実施例4と同様、1200〜1000cm−1、800cm−1および450cm−1付近に吸収を示し、得られた膜はシリコン酸化膜であり、920cm−1付近の吸収よりSi−F結合を含有していることが分かった。また、3000cm−1付近に現れるH2 Oおよび3400cm−1のSi−OH結合がないことが判明した。
【0039】
また、膜の屈折率は1.20となり、フッ素が多量に入っていることを示した。
膜の比誘電率は3.10であり、低誘電率化ができていることが分かった。
この膜を1週間、室温下大気中で放置したが、膜中のフッ素の減少は見られず、膜が安定なことが示された。
【0040】
【発明の効果】
本発明の方法は、成膜速度が大きいので高い生産性で含フッ素シリコン酸化膜を基材上に得ることができる。また得られた膜は、フッ素含有量が多く、低誘電率の良質なフッ素含有シリコン酸化膜であり、さらに、低温形成にもかかわらず含水水分量を殆どないほどに大幅に減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1における、フッ素含有シリコン酸化膜の赤外吸収スペクトル図である。
【図2】本発明の実施例1のフッ素含有シリコン酸化膜を、1週間室温下大気中で放置した後に測定した赤外吸収スペクトル図である。
【図3】本発明の実施例4における、フッ素含有シリコン酸化膜の赤外吸収スペクトル図である。
【図4】本発明の実施例4のフッ素含有シリコン酸化膜を、1週間室温下大気中で放置した後に測定した赤外吸収スペクトル図である。
【図5】比較例1における、フッ素含有シリコン酸化膜の赤外吸収スペクトル図である。
Claims (1)
- 化学気相成長法により基板上にフッ素含有シリコン酸化膜を製造する方法において、トリアルコキシシランおよび酸化性ガスからなる原料ガスに、フルオロトリアルコキシシランを添加せしめて用い、かつ供給割合をトリアルコキシシラン1モルに対して、フルオロトリアルコキシシラン0.1〜5モルとすることを特徴とするフッ素含有シリコン酸化膜の製造方法。
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