JP3554489B2 - ヒューズ実装プリント基板 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、基板本体にヒューズを実装してなるヒューズ実装プリント基板に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、プリント基板では、回路に過電流が流れるのを防止するために、基板本体にヒューズを実装することが行われている。
図9は、このようなヒューズが実装されるプリント基板を示すもので、このプリント基板では、基板本体1に形成されるスルーホール1aに、ヒューズホルダ2の端子2a,2bが挿通され、ハンダ付けされている。
【0003】
そして、ヒューズホルダ2の側面に、図示しないヒューズおよび警報スイッチが収容されるヒューズ本体3が装着されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来のプリント基板では、ヒューズホルダ2を基板本体1にハンダ付けし、このヒューズホルダ2にヒューズ本体3を装着しているため、ヒューズホルダ2が別途必要になり、この結果、部品点数が増大し、また、多大な実装スペースが必要になるという問題があった。
【0005】
本発明は、かかる従来の問題を解決したもので、ヒューズホルダを不要にすることができるとともに、実装スペースを従来より大幅に低減することができるヒューズ実装プリント基板を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1のヒューズ実装プリント基板は、基板本体にヒューズを実装してなるヒューズ実装プリント基板において、前記基板本体に形成される穴部と、前記穴部の内周に対向して形成される一対の電源用パターン電極と、両端が前記電源用パターン電極に対向するように前記穴部に配置され、両側の外周にガラス管内のヒューズに導通する導体部が形成されるガラス管ヒューズと、前記ガラス管ヒューズの前記導体部に一端を被嵌され、他端に形成される係止爪を前記穴部の近傍の前記基板本体に挟持させることにより前記穴部に係止される導電性のコイルスプリングとを備え、前記ガラス管ヒューズの前記導体部を前記電源用パターン電極に前記コイルスプリングを介して導通してなることを特徴とする。
【0007】
(作用)
請求項1のヒューズ実装プリント基板では、基板本体に形成される穴部の内周に、一対の電源用パターン電極が対向して形成される。
そして、この穴部にガラス管ヒューズを装着すると、ガラス管ヒューズに収容されるヒューズの一端および他端が、一対の電源用パターン電極に導通される。
【0008】
また、ガラス管ヒューズが、その両側に配置されるコイルスプリングを圧縮した状態で穴部に装着保持され、この装着によりガラス管ヒューズがコイルスプリングを介して電源用パターン電極に導通される。
そして、コイルスプリングに形成される係止爪が、穴部に係止される。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を用いて説明する。
【0010】
図1および図2は、本発明のヒューズ実装プリント基板の一実施形態を示している。
これ等の図において符号11は、基板本体を示している。
この実施形態では、基板本体11には、長方形形状の穴部13が形成されている。
【0011】
そして、穴部13の内周の短辺部には、一対の電源用パターン電極15が対向して形成されている。
この電源用パターン電極15は、金,銅等の導電性金属をメッキしてなり、基板本体11の表面に導体パターン15aとして延在されている。
基板本体11の穴部13には、ガラス管ヒューズからなるヒューズ本体17が配置されている。
【0012】
このヒューズ本体17の両側には、ガラス管内のヒューズに導通する導体部17aが形成されている。
導体部17aには、導電性を有するコイルスプリング19が配置されている。
このコイルスプリング19は、小径部19aと大径部19bとを有し、小径部19aが導体部17aに被嵌されている。
【0013】
コイルスプリング19の大径部19bの端部には、U字状の係止爪19cが一体形成されている。
この係止爪19cは、基板本体11の穴部13の近傍に、基板本体11を挟持して係止されている。
そして、コイルスプリング19の大径部19bの端部が、電源用パターン電極15に当接して導通されている。
【0014】
この状態では、コイルスプリング19が圧縮され、コイルスプリング19の大径部19bの端部が、電源用パターン電極15に押圧されている。
上述したヒューズ実装プリント基板では、ガラス管ヒューズからなるヒューズ本体17の両側にコイルスプリング19の小径部19aを被嵌した状態で、一方のコイルスプリング19の係止爪19cを穴部13の片側の短辺部の近傍に係止し、この状態で、ヒューズ本体17を前記片側の短辺部に向けて押圧し、コイルスプリング19を縮めた状態で、他方のコイルスプリング19の係止爪19cを、他側の短辺部に係止することにより、ヒューズ本体17が基板本体11に実装される。
【0015】
以上のように構成されたヒューズ実装プリント基板では、基板本体11に形成される穴部13にヒューズ本体17を装着すると、ヒューズ本体17に収容されるヒューズの一端および他端が、穴部13に形成される一対の電源用パターン電極15に導通されるため、ヒューズホルダを不要にすることができ、この結果、実装スペースを従来より大幅に低減することができる。
【0016】
また、上述したヒューズ実装プリント基板では、ガラス管ヒューズからなるヒューズ本体17を、その両側に配置されるコイルスプリング19を圧縮した状態で穴部13に挿入すると、ヒューズ本体17が穴部13に装着され、ヒューズ本体17がコイルスプリング19を介して電源用パターン電極15に導通されるため、ヒューズ本体17を電源用パターン電極15に容易に導通することができる。
【0017】
さらに、上述したヒューズ実装プリント基板では、コイルスプリング19に、穴部13に係止される係止爪19cを形成したので、ヒューズ本体17をコイルスプリング19を介して穴部13に確実に保持することができる。
なお、この第1の実施形態では、ガラス管ヒューズからなるヒューズ本体17が基板本体11の厚みに比較して小さい場合について述べたが、ガラス管ヒューズからなるヒューズ本体の外径が基板本体11の肉厚に比較して大きい場合には、コイルスプリングの大径部にヒューズ本体17を挿入し、小径部の端部に係止爪を形成する構成がとられる。
【0018】
図3および図4は、本発明のヒューズ実装プリント基板の第1の関連技術を示している。
この関連技術では、基板本体11には、例えば、直径6mm程度の円形形状の穴部13Aが形成されている。
そして、穴部13Aの内周には、一対の電源用パターン電極15Aが対向して形成されている。
【0019】
この電源用パターン電極15Aは、穴部13Aに、金,銅等の導電性金属をメッキして導体層を形成し、この導体層を、対向して形成される半円状の凹部13a,13bにより2分割して形成されている。
なお、凹部13a,13bの形成は、例えば、ドリル加工等により行われる。
また、片側の凹部13aの直径は、例えば、1mm程度とされ、他側の凹部13bの直径は、例えば、0.5mm程度とされている。
【0020】
そして、一対の電源用パターン電極15Aには、基板本体11の表面に形成される導体パターン15aが接続されている。
一方、この関連技術では、ヒューズ本体17Aが円筒状に形成されている。
このヒューズ本体17Aは、樹脂からなり大径部17aと小径部17bとを有している。
【0021】
大径部17aには、図4に示すように、ヒューズ21が収容されている。
大径部17aと小径部17bとの間の段部には、一対の板バネ電極23の一端が挿入されている。
この一対の板バネ電極23は、モールド加工により段部に固定されている。
そして、一対の板バネ電極23は、ヒューズ21の一端および他端に導通されている。
【0022】
板バネ電極23の先端には、穴部13に係止される係止爪23aが形成されている。
また、この関連技術では、ヒューズ本体17には、凹部13aに挿入される誤挿入防止用の突出部17cが形成されている。
以上のように構成されたヒューズ実装プリント基板では、基板本体11に形成される穴部13Aにヒューズ本体17Aを装着すると、ヒューズ本体17Aに収容されるヒューズ21の一端および他端が、穴部13Aに形成される一対の電源用パターン電極15Aに導通されるため、ヒューズホルダを不要にすることができ、この結果、実装スペースを従来より大幅に低減することができる。
【0023】
また、上述したヒューズ実装プリント基板では、電源用パターン電極15Aを、円形状の穴部13Aに形成される導体層を、凹部13a,13bにより2分割して形成するようにしたので、電源用パターン電極15Aを容易に形成することができる。
さらに、上述したヒューズ実装プリント基板では、ヒューズ本体17Aに、基板本体11に形成される円形状の穴部13Aの凹部13aに挿入される誤挿入防止用の突出部17cを形成したので、円形状のヒューズ本体17Aが、穴部13Aに誤挿入されることを防止することができる。
【0024】
また、上述したヒューズ実装プリント基板では、ヒューズ本体17Aに、電源用パターン電極15Aに当接される板バネ電極23を配置したので、ヒューズ本体17Aを電源用パターン電極15Aに容易,確実に導通することができる。
そして、板バネ電極23の先端に、穴部13Aに係止される係止爪23aを形成したので、ヒューズ本体17Aを穴部13Aに確実に保持することができる。
【0025】
図5および図6は、本発明のヒューズ実装プリント基板の第2の関連技術を示している。
この関連技術では、基板本体11には、長方形形状の穴部13Bが形成されている。
【0026】
そして、穴部13Bの内周の短辺部には、一対の電源用パターン電極15が対向して形成されている。
また、穴部13Bの内周の長辺部には、一対の信号用パターン電極25が対向して形成されている。
電源用パターン電極15および信号用パターン電極25は、金,銅等の導電性金属をメッキしてなり、基板本体11の表面に導体パターン15a,25aとして延在されている。
【0027】
一方、この関連技術では、ヒューズ本体17Bが矩形筒状に形成されている。
このヒューズ本体17Bは、樹脂からなり大径部17dと小径部17eとを有している。
大径部17dには、図6に示すように、ヒューズ21が収容されている。
大径部17dと小径部17eとの間の段部には、各辺の中間に板バネ電極23の一端が挿入されている。
【0028】
これ等の板バネ電極23は、モールド加工により段部に固定されている。
そして、短辺部に位置する一対の板バネ電極23が、ヒューズ21の一端および他端に導通されている。
また、大径部17dには、図6に示すように、ヒューズ21の切断により導通される警報スイッチ27が配置されている。
【0029】
この関連技術では、警報スイッチ27の導通部材29が、ヒューズ21の上方に配置されている。
ヒューズ21の下方には、ヒューズ21を導通部材29側に向けて付勢するコイルスプリング31が配置されている。
従って、ヒューズ21が切断するとコイルスプリング31が導通部材29側に伸長し、導通部材29により接点が閉じられる。
【0030】
そして、この関連技術では、警報スイッチ27の一端および他端が、長辺部に位置する一対の信号用パターン電極25に導通されている。
また、各板バネ電極23の先端には、穴部13Bに係止される係止爪23aが形成されている。
以上のように構成されたヒューズ実装プリント基板では、基板本体11に形成される穴部13Bにヒューズ本体17Bを装着すると、ヒューズ本体17Bに収容されるヒューズ21の一端および他端が、穴部13Bに形成される一対の電源用パターン電極15に導通され、また、警報スイッチ27の一端および他端が信号用パターン電極25に導通されるため、ヒューズホルダを不要にすることができ、この結果、実装スペースを従来より大幅に低減することができる。
【0031】
また、上述したヒューズ実装プリント基板では、過電流によりヒューズ本体17B内のヒューズ21が切断されると、警報スイッチ27が導通し、警報スイッチ27を介して一対の信号用パターン電極25が導通されるため、ヒューズ21が切断されたことを確実に認識することができる。
さらに、上述したヒューズ実装プリント基板では、長方形形状の穴部13Bの対向する2面に電源用パターン電極15を形成し、別の対向する2面に信号用パターン電極25を形成したので、電源用パターン電極15および信号用パターン電極25を容易に形成することができる。
【0032】
また、穴部13Bを長方形形状にしたので、対応する形状のヒューズ本体17Bが、穴部13Bに誤挿入されることを防止することができる。
そして、板バネ電極23の先端に、穴部13Bに係止される係止爪23aを形成したので、ヒューズ本体17Bを穴部13Bに確実に保持することができる。
図7および図8は、本発明のヒューズ実装プリント基板の第3の関連技術を示している。
【0033】
この関連技術では、基板本体11には、例えば、直径6mm程度の円形形状の穴部13Cが形成されている。
そして、穴部13Cの内周には、一対の電源用パターン電極15Cおよび一対の信号用パターン電極25Cが対向して形成されている。
この電源用パターン電極15Cおよび信号用パターン電極25Cは、穴部13Cに、金,銅等の導電性金属をメッキして導体層を形成し、この導体層を対向して形成される半円状の凹部13a,13b,13cにより4分割して形成されている。
【0034】
なお、凹部13a,13b,13cの形成は、例えば、ドリル加工等により行われる。
また、凹部13aの直径は、例えば、1mm程度とされ、他の凹部13b,13cの直径は、例えば、0.5mm程度とされている。
そして、一対の電源用パターン電極15Cおよび信号用パターン電極25Cには、基板本体11の表面に形成される導体パターン15a,25aが接続されている。
【0035】
一方、この関連技術では、ヒューズ本体17Cが円筒状に形成されている。
このヒューズ本体17Cは、樹脂からなり大径部17fと小径部17hとを有している。
大径部17fには、ヒューズ21および警報スイッチ27が収容されている。
大径部17fと小径部17hとの間の段部には、二対の板バネ電極23の一端が挿入されている。
【0036】
この二対の板バネ電極23は、モールド加工により段部に固定されている。
そして、一対の板バネ電極23は、ヒューズ21の一端および他端に導通されている。
また、他の一対の板バネ電極23は、警報スイッチ27の一端および他端に導通されている。
【0037】
板バネ電極23の先端には、穴部13Cに係止される係止爪23aが形成されている。
また、この関連技術では、ヒューズ本体17Cには、凹部13aに挿入される誤挿入防止用の突出部17cが形成されている。
以上のように構成されたヒューズ実装プリント基板では、基板本体11に形成される穴部13Cにヒューズ本体17Cを装着すると、ヒューズ本体17Cに収容されるヒューズ21の一端および他端が、穴部13Cに形成される一対の電源用パターン電極15Cに導通され、また、警報スイッチ27の一端および他端が信号用パターン電極25Cに導通されるため、ヒューズホルダを不要にすることができ、この結果、実装スペースを従来より大幅に低減することができる。
【0038】
また、上述したヒューズ実装プリント基板では、過電流によりヒューズ本体17C内のヒューズ21が切断されると、警報スイッチ27が導通し、警報スイッチ27を介して一対の信号用パターン電極25Cが導通されるため、ヒューズ21が切断されたことを確実に認識することができる。
さらに、上述したヒューズ実装プリント基板では、電源用パターン電極15Cおよび信号用パターン電極25Cを、円形状の穴部13Cに形成される導体層を凹部13a,13b,13cにより4分割して形成するようにしたので、電源用パターン電極15Cおよび信号用パターン電極25Cを容易に形成することができる。
【0039】
また、上述したヒューズ実装プリント基板では、ヒューズ本体17Cに、基板本体11に形成される円形状の穴部13Cの凹部13aに挿入される誤挿入防止用の突出部17cを形成したので、円形状のヒューズ本体17Cが、穴部13Cに誤挿入されることを防止することができる。
さらに、上述したヒューズ実装プリント基板では、ヒューズ本体17Cに、電源用パターン電極15Cまたは信号用パターン電極25Cに当接される板バネ電極23を配置したので、ヒューズ本体17Cを電源用パターン電極15Cまたは信号用パターン電極25Cに容易,確実に導通することができる。
【0040】
また、板バネ電極23の先端に、穴部13Cに係止される係止爪23aを形成したので、ヒューズ本体17Cを穴部13に確実に保持することができる。
【0041】
【発明の効果】
以上述べたように、請求項1のヒューズ実装プリント基板では、基板本体に形成される穴部にガラス管ヒューズを装着すると、ガラス管内に収容されるヒューズの一端および他端が、穴部に形成される一対の電源用パターン電極に導通されるため、ヒューズホルダを不要にすることができ、この結果、実装スペースを従来より大幅に低減することができる。
【0042】
また、ガラス管ヒューズを、その両側に配置されるコイルスプリングを圧縮した状態で穴部に挿入すると、ガラス管ヒューズが穴部に装着され、ガラス管ヒューズがコイルスプリングを介して電源用パターン電極に導通されるため、ガラス管ヒューズを電源用パターン電極に容易に導通することができる。
【0043】
そして、さらに、コイルスプリングに、穴部に係止される係止爪を形成したので、ガラス管ヒューズをコイルスプリングを介して穴部に確実に保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のヒューズ実装プリント基板の一実施形態を示す分解斜視図である。
【図2】図1のヒューズ実装プリント基板を示す断面図である。
【図3】本発明のヒューズ実装プリント基板の第1の関連技術を示す分解斜視図である。
【図4】図3のヒューズ実装プリント基板を示す断面図である。
【図5】本発明のヒューズ実装プリント基板の第2の関連技術を示す分解斜視図である。
【図6】図5のヒューズ実装プリント基板を示す断面図である。
【図7】本発明のヒューズ実装プリント基板の第3の関連技術を示す分解斜視図である。
【図8】図7のヒューズ実装プリント基板を示す断面図である。
【図9】従来のヒューズが実装されるプリント基板を示す説明図である。
【符号の説明】
11 基板本体
13,13A,13B,13C 穴部
13a,13b,13c 凹部
15,15A,15C 電源用パターン電極
17,17A,17B,17C ヒューズ本体
19 コイルスプリング
19c 係止爪
21 ヒューズ
23 板バネ電極
23a 係止爪
25,25C 信号用パターン電極
27 警報スイッチ

Claims (1)

  1. 基板本体にヒューズを実装してなるヒューズ実装プリント基板において、
    前記基板本体に形成される穴部と、
    前記穴部の内周に対向して形成される一対の電源用パターン電極と、
    両端が前記電源用パターン電極に対向するように前記穴部に配置され、両側の外周にガラス管内のヒューズに導通する導体部が形成されるガラス管ヒューズと、
    前記ガラス管ヒューズの前記導体部に一端を被嵌され、他端に形成される係止爪を前記穴部の近傍の前記基板本体に挟持させることにより前記穴部に係止される導電性のコイルスプリングと、
    を備え、
    前記ガラス管ヒューズの前記導体部を前記電源用パターン電極に前記コイルスプリングを介して導通してなることを特徴とするヒューズ実装プリント基板。
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