JP3554379B2 - ウィスカー強化アルミナ複合体の常圧焼結方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、優れた物理的性質を有するウィスカー強化アルミナ基(whisker−reinforced alumina−based)セラミック体を製造するための常圧(pressureless)焼結方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ウィスカー強化アルミナは例えば熱機関及びタービンブレードのような構造用途(米国特許第4,543,345号参照のこと)と、例えば切削工具のようなより厳しい用途(米国特許第4,789,277号と第4,961,757号を参照のこと)とに使用されている。これらの複合体は、理論密度の少なくとも98%を越える密度を有する複合体を生ずる“ホットプレス(hot pressing)”として知られる加工方法を用いると、約40体積%までのウィスカーを有することができる。セラミックの実際にあらゆるエンジニアリング用途のためには、少なくとも約95%の密度が必要である。
【0003】
ウィスカー強化アルミナ体の通常の製造方法では、ホットプレス方法は約3500〜5500psiの一軸荷重の使用を含むので、“加圧焼結”と表現することもできる。この方法では、粉末ブレンド又は予成形サンプルを自由流動形で黒鉛ダイ中に装入し、高温炉内で制御した雰囲気下で焼結する。炉温度が約1450〜1850℃に上昇したときに液圧ラムによってダイ内の粉末を加圧し、適当な時間この温度に維持する。次に、炉を冷却する。数時間のサイクル時間が用いられ、この方法は不連続的バッチの製造に制限される。
【0004】
ダイの構造的限界が一般に、約5500psiより大きい加圧の使用を妨げる。さらに、ホットプレス方法は、特別に複雑なダイ及び加圧ラムを非常な費用をかけて作成しないかぎり、一般に成形体の形状を例えば円形若しくは長方形プレート又は円筒形のような、単純な幾何学的形状に限定する。さらに、このようなホットプレス体の性質は常圧焼結によって製造される成形体よりも一軸荷重のためにより異方性である。
【0005】
ホットプレスを“グリーン(green)”予成形体の製造、“常圧焼結”及び“ホットアイソスタティック成形”(HIP)と対照することにする。セラミック粉末ブレンドと、通常の焼結助剤(例えばマグネシア及び/又は稀土類酸化物)と、滑沢剤を含む有機結合剤とを混合することによって、グリーン予成形体を製造する。次に、該粉末ブレンドを周囲温度において理論値の約60〜70%の密度にまでプレスすることによって、グリーン予成形体を製造する。物質の理論密度は一般にチクノメトリカリー(tycnometrically)(ASTM C329−75)に測定されるか、又は受容される“混合物の規則(Rule of Mixtures)”を用いて推定される。
【0006】
一般に、グリーン体は単純な幾何学的形状(例えば、管、円筒形又はディスク)として成形され、必要な場合には、その後の加熱工程中に生ずる収縮を考慮に入れた所望の形状に機械加工される(すなわち、ニアーネットーシェイプ(near−net−shape)製造)。成形されたグリーン体を、サイズと形状によって、500℃までのある温度においてオーブン内の空気中で約10〜15時間のある時間にわたって加熱することによって、結合剤物質は除去される。
【0007】
グリーン予成形体を、焼結される複合体又は焼結炉構成要素のいずれにも不利な影響を与えない雰囲気(例えば、アルゴン又は窒素)下の1250〜1850℃の炉内での常圧焼結によってさらに高密度化する。この焼結は本質的な完成まで(一般に理論密度の94%から95%まで)続けることが許される。生ずる焼結体が独立気泡構造(closed cell structure)を形成する場合には、ホットアイソスタティックプレスによって密度をさらに高めることができる。
【0008】
ホットアイソスタティックプレス(HIP)は、理論密度の約98%を越える密度を有する成形体を製造する目的で、焼結体に約1500〜約1700℃の温度において(酸化アルミニウムに対して)典型的に15,000〜30,000psiにおいて不活性ガスを用いて約1〜2時間高圧を与えるプロセスである。HIPするべき焼結体は、HIPによって有意な効果を達成するために、ほぼ完全な独立気泡構造を有さなければならない。独立孔構造の濃度は次式から計算される:
(独立孔度%)=100−(理論密度%)−(連続孔度(open porosity)%)
独立孔度の算出に用いる方法はASTM C830−83である。簡単に説明すると、連続孔構造は成形体の真空含浸中の吸水を測定することによって算出される。例えば、理論密度の95%の密度を有する乾燥焼結体がアルミナ複合体密度の1%に相当する吸水を示す場合には、この焼結体は4%の独立孔構造を有する。理論密度は、技術上周知であるような、各成分相の絶対密度に混合物の規則を適用することによって算出される。
【0009】
経済的には、ホットプレスは非常に費用がかかり、労力を要するプロセスである。プレス装置は高価である。黒鉛ダイは単位ブロック(unitary block)から切削しなければならず、数回のプレスに続けて使用されない。サイクル時間は比較的短く、限られた数の試験体(specimen)を製造することができるにすぎない。プレス体は単純な幾何学的形状に限定される。このような成形体を最終形状に機械加工することは成形体の高い密度と硬度のために困難であり、不合格品を生ずるか、又は部品の構造的機能に影響を与える表面応力を生ずることがありうる。サックス(Sacks)の米国特許第5,009,822号を参照のこと。
【0010】
これとは対照的に、常圧焼結はホットプレスの費用の約25〜33%を要するにすぎない。ほぼ大気圧においてこのプロセスを実施すると、このプロセスに必要な装置のための資本的出費は減少する。連続加工を適用することができ、多数の部品を製造することができる。バッチ式プロセスを用いる場合には、バッチはより大きくてもよく、炉をより経済的に利用することができる。グリーン成形(green forming)に用いる金属ダイは数ピース(piece)に対して再使用することができる。グリーン体を容易に切削加工することができるために、複雑な形状の成形が可能である。必要な場合には、対応するホットプレスよりもまだ低い(すなわち、恐らく30%低い)総費用で、しかもホットプレスによって負わされる特有の限界なしに、常圧焼結後にHIPをさらに用いて焼結体の最終密度を高めることができる。
【0011】
それ故、常圧焼結はセラミック体、特にウィスカー強化セラミックを製造するための好ましい方法である。残念ながら、複合体が10体積%(約8.1重量%)を越えるウィスカーを含む場合には常圧焼結が充分な密度を生じないことを当業者は発見している。ティーグス(Tiegs)の米国特許第4,652,413号を参照のこと、この特許では、2%の焼結助剤としてのイットリウムと10体積%の炭化ケイ素ウィスカーとを含むアルミナマトリックスを理論密度の94%を越える密度に常圧焼結によって焼結しているが、20体積%(約16.7重量%)のウィスカーを含む同等サンプルが理論密度の75%のみに達することができたにすぎない。約10体積%ウィスカーというこの限界はサックスの米国特許第5,009,822号の第7欄、第4〜12行にも述べられている。ほぼ同様に、国際特許第WO86/05480号は約12.1体積%(10重量%)までのウィスカーを含む複合体に関してのみ理論密度の約95%を越える焼結密度を例示している(表1)。
【0012】
アルミナーSiCウィスカー複合体の常圧焼結に関連した問題の考察はティーグス等のA.Ceram.Soc.Bull.,66(2)339−342(1977)に述べられている。340頁に述べられているように、ウィスカーは効果的な粒子充填、粒子再配列及び収縮を妨害する。この結果は低い最終密度である。ティーグス等の表IIと図2は、ウィスカー含量が増加すると、グリーン最終密度が低下することを示している。ティーグス等は、“10体積%より非常に大きいウィスカー含量では、高密度化の阻害が深刻である”と述べている。さらに、“HIP前に物質が独立孔度(closed porosity)を得ていない”ので、HIPは成形体の密度を高めることができなかった。20体積%ウィスカー物質の破壊靭性はティーグスによってモノリシックアルミナよりも有意に高くないと報告されている。
【0013】
もっとあとの論文において、ティーグス等は約13体積%(約10.7重量%)のウィスカーを含むアルミナ複合体の常圧焼結によって95%密度に達している。Ceram.Engr.and Sci.Proc.,9〜10月号,1986,1182−1186頁,図2。この論文はまた、技術上の必要性を次のように要約している:“今後の開発が20体積%までのSiCウィスカーを含むアルミナを焼結し、次に(封入せずに)HIPすることを可能にすると考えられるが、これはまだ示されていない”。
【0014】
当該技術分野は長足の進歩を遂げて、理論密度の少なくとも約95%の密度を有するウィスカー強化アルミナ複合体を製造する方法を発見するに至っている。密度を高めるために用いられる方法には、常圧焼結とHIPとによる粉末の乾式加工[ティーグス等,Ceram.Engr.and Sci.Proc.,13th Automotive Conf.1182−1186頁(1986年,9〜10月)を参照のこと]と、凝集塊を除くためのサイズ分類とその後の、アルミナとウィスカーとの良好に分散した懸濁液のスリップ注型及び遠心注型とによる湿式加工[サックス等のJ.Am.Ceram.Soc.,71(5)370−379(1988)を参照のこと]とがある。これらの湿式加工方法は乾式加工方法に比べて良好なグリーン体を生ずると考えられる。サックス等の表IIIを参照のこと。グリーン体密度はウィスカーのサイズと濃度とによって有意な影響を受けないので、湿式加工方法を用いて、30体積%ものウィスカーを含み、高密度を有するグリーン体を製造することができる。サックス等のJ.Am.Ceram.Soc.,71(5)370−379(1988)とティーグス等のCeram.Engr.and Sci.Proc.,(1986年,9〜10月),図2とを比較すること。しかし、焼結時に、乾式加工又は湿式加工によって製造されたグリーン体を焼結することによって得られる密度に、ウィスカーは制御影響(controlling influence)を及ぼす。
【0015】
ウィスカーのサイズは通常、“アスペクト比”、すなわち、ウィスカー長さ対直径の無次元数の比として考察される。当該技術分野で一般に受容される知識は、セラミックを強化するためには少なくとも10のアスペクト比が必要であるということである。ミレウスキー(Milewski)等のHandbook of Reinforcements for Plastics,216−217頁(1987)とティーグス等の米国特許第5,207,958号を参照のこと。
【0016】
アルミナマトリックスの強化剤としてのウィスカーの高レベルの使用を可能にし、予定用途によって要求されるレベルにまでセラミックの密度と強度の両方をさらに高めるために成形体のHIPを可能にするほど、充分な独立孔度(degree of pore close)による充分に高い密度を生ずる常圧焼結方法の必要性が依然として存在する。
【0017】
強化セラミックの使用を必要とする用途と目的によって、必要な最小限の密度と強度とが定められることを当業者は理解するであろう。例えば、15重量%ウィスカーを含む金属切削工具のインサート(insert)は理論密度の98%を越える密度を必要とする。セラミックの組成、その用途及び最終用途に依存して、常圧焼結後のHIPが必要であるか否かが定まる。各用途の必要条件の確認は当該技術分野の熟練の範囲内である。
【0018】
当該技術は、例えば8重量%を越える、高レベルの焼結助剤の使用が複合体の密度を高めることも示唆している。ティーグス等の米国特許第5,207,958号を参照のこと。しかし、生ずる液相は複合体の高温特性に影響を与える。サックス等のCeram.Engr.Soc.Proc.,9[7−8],741−754頁(1988)。複合体の性質に不利な影響を与える焼結助剤の高レベルを必要とすることなく、高密度を生ずることができる方法を有することが望ましい。
【0019】
最終複合体は、高密度と独立孔の他に、高レベルの破壊靭性を有するべきである。強化アルミナ複合体の靭性を高める1つの方法はランジンガム(Landingham)の米国特許第4,745,091号に述べられている。この開示された方法は強化用粒子、マグネシア(焼結助剤として)、ジルコニア又はハフニア(hafnia)(靭性と耐衝撃性のために)及び0.1〜15重量%の窒化物改質剤(modifier)を含むアルミナ複合体をホットプレスすることを含む。マトリックス中に均一に分散した二次窒化物相(“SiAlOX”として同定)を形成するように粉末を予備反応させる予備段階の必要性を避けるために、反応ホットプレスが好ましい。第3欄,第6〜9行;第4欄,第30〜38行及び図3を参照のこと。粉末を予備反応させる場合には、冷間プレスと焼結とを用いることができると、この特許は述べている。実施例はホットプレス製造による9〜30重量%の総窒化物改質剤濃度の使用を説明する。高いウィスカー濃度によって高いプレス密度を得るという問題は開示されていず、教示されていず、例示されていない。
【0020】
使用時に、ホットプレスによって製造された強化アルミナ複合体の靭性に匹敵するレベルの靭性を示すウィスカー強化アルミナ複合体を製造することができる常圧焼結方法を提供することが望ましい。
【0021】
【発明によって解決しようとする課題】
焼結体が高密度と、理論密度の少なくとも約98%の密度にまでHIPされることができるほど充分な独立孔を有するように、常圧焼結によってウィスカー強化アルミナ複合体を製造することができる方法を提供することが、本発明の目的である。
【0022】
焼結体が実際の使用時に、ホットプレスによって製造された強化アルミナ複合体の靭性に匹敵する靭性を示すように、常圧焼結によってウィスカー強化アルミナ複合体を製造することができる方法を提供することが、本発明の他の目的である。
【0023】
上記その他の目的は以下に述べる説明から明らかになるであろう。
【0024】
【課題を解決するための手段】
本発明は、1態様において、理論密度の約60%〜約70%の範囲内の密度を有し、本質的にアルミナと約4重量%までの焼結助剤とから成るマトリックスと、約10〜約25重量%の、10未満の平均アスペクト比を有する単結晶ウィスカーと、約2〜約7.5重量%の、本質的に窒化ケイ素若しくは窒化アルミニウム又はこれらの混合物から成る窒化物改質剤とを含む混合物から製造される予成形体を周囲圧力において焼結して、理論密度の少なくとも約94%の密度と、ホットアイソスタティックプレス時に成形体が理論密度の少なくとも約98%の密度を得ることを可能にする、充分に高い独立孔対連続孔比率とを有するセラミック焼結複合体を形成することを含む方法を提供する。
【0025】
本発明は、通常のホットプレス方法よりも有意に費用のかからない手段を用いて、当該技術分野の常識にも拘わらず、緻密で、強靭なセラミック複合体を一貫して製造する方法を提供する。本発明の実施は最終生成物の組成と性質との容易な制御を可能にする。
【0026】
本発明による複合体は窒化物改質剤、焼結助剤、及び任意の強化剤及び/又は硬化剤を含むアルミナマトリックスから製造される。約3から10未満までの範囲内のアスペクト比を有する分散したウィスカーが、それらの小さいサイズにも拘わらず、マトリックスを強化する。
【0027】
本発明のマトリックス物質として有用なアルミナは高い純度を有するα−アルミナである。この方法に用いる粉状アルミナが約0.5μm〜約1μmの平均粒度を有し、最終複合体の総重量の少なくとも約60%を占めることが好ましい。マトリックスは焼結助剤と任意の、通常の強化剤とを含むこともできる。
【0028】
本発明のためのマトリックス窒化物改質剤は粉状、繊維状若しくはウィスカー形状の窒化ケイ素、窒化アルミニウム又はこれらの混合物から本質的に成る。好ましい窒化物改質剤は本質的に窒化ケイ素から成る。1種以上の窒化物改質剤の平均粒度は粉末形で用いられる場合にアルミナの平均粒度と同じ範囲内であり、好ましくは約0.5μm〜約1μmである。
【0029】
窒化物改質剤の総含量は複合体総重量を基準として約1〜約7.5重量%、好ましくは約2〜約7.5重量%の範囲内であるべきである。より好ましくは、窒化物改質剤総量は約3.5〜約6重量%の範囲の濃度で加えられ、最も好ましくは、ウイスカー15重量%を用いる場合には、窒化物改質剤含量は約4〜約5.5重量%である。特定のウィスカー濃度に対する最適な窒化物改質剤の濃度は、この明細書の教示から現在の熟練レベルを越えない訓練によって、当業者によって容易に算出される。
【0030】
本発明のマトリックスに対する焼結助剤は技術上周知であり、約4重量%までの濃度で用いられるが、約2重量%までのみの総量がより好ましく、1〜2重量%の範囲内の総量が最も好ましい。焼結助剤はマトリックス中のウィスカーの強化効果に実質的な影響を与えずに焼結のプロセスの効率を高めるように作用する。好ましい焼結助剤は特にマグネシア、イットリア及びその他の稀土類酸化物の中の少なくとも1種を含む。本発明による、例えば窒化ケイ素及び窒化アルミニウムのような、窒化物改質剤は一般に焼結助剤とは見なされない。ランディンガム(Landingham)の米国特許第4,745,091号の第2欄、第39−68行を参照のこと。
【0031】
このマトリックスは、複合体全体の靭性と硬度とにそれぞれ影響を与える、約25重量%までの強化剤及び/又は硬化剤をも含むことができる。本発明に有用な強化剤は当該技術分野で一般に知られるような酸化物であり、ジルコニア及び/又はハフニアを含む。例えば炭化チタンのような硬化剤は約10重量%までの量で使用可能である。強化剤と硬化剤は典型的に約0.5〜約1μmの粒度範囲内の粒子の形状である。しかし、炭化チタンは多少大きい。
【0032】
約3から10未満までの範囲内のアスペクト比、好ましくは約5〜9の範囲内のアスペクト比、最も好ましくは約6〜8の範囲内のアスペクト比を有する単結晶セラミックウィスカーを本発明のマトリックス全体に、その強化のために、完全に分配する。マトリックス強化剤として有用な単結晶セラミックウィスカーには、アルミナ、炭化チタン、炭化ケイ素、窒化チタン、窒化アルミニウム、オキシ窒化アルミニウム及びこれらの混合物がある。これらの各ウィスカーは技術上周知である。
【0033】
炭化ケイ素ウィスカーが本発明のために好ましいウィスカーであり、これはここに参考文献として関係する米国特許第4,961,757号に完全に述べられている。簡単に説明すると、この炭化ケイ素ウィスカーはβ形状の炭化ケイ素ウィスカーであり、単結晶構造を有する。このようなウィスカーは籾殻から製造され、約0.6μmの平均直径を有し、約15〜150の初期の未粉砕(unmilled)アスペクト比を有する。強度は約1百万psi(70,000kg/cm2)であり、引張り弾性率は約60〜100百万psi(4〜7百万kg/cm2)である。
【0034】
ウィスカーは約10重量%〜約25重量%の範囲内、好ましくは約10重量%若しくは約15重量%〜約23重量%の範囲内、最も好ましくは約10重量%〜約20重量%の範囲内の量で存在しうる。複合体が約10〜18重量%又は10〜15重量%のウィスカーを含む場合に、特に良好な結果が見られる。
【0035】
本発明によって製造される複合体は、アルミナ、ウィスカー及び窒化物改質剤を、ウィスカーの平均アスペクト比を約3から10未満までの範囲内の平均アスペクト比に、好ましくは約5〜9の範囲内の平均アスペクト比に、最も好ましくは約6〜8の平均アスペクト比に減ずる混合方法によって混合することによって製造される。このような小さいウィスカーの強化効果は、セラミックの強化を生じるためには少なくとも10のアスペクト比が必要であるという一般に認められた知識に反する。ミレウスキー等のHandbook of Reinforcements for Plastics,216−217頁(1987)と、ティーグス等の米国特許第5,207,958号を参照のこと。
【0036】
所望のサイズ縮小を実施する粉砕バッチに対して充分なサイズ、重量及び材料のアルミナ又はセラミック球によるボールミル粉砕が好ましい混合方法である。特定の条件と媒質との選択は特定のミルとプロセスによって変化するが、ここに述べる粉砕ウィスカー仕様(milled whisker specification)から当該技術の既存の熟練レベルの範囲内である。好ましいミル粉砕方法は湿式ミル粉砕、ケーキを形成するための湿式粉砕した物質の乾燥、及びケーキの乾式ボールミル粉砕の組合せを含む。結合助剤とミリング助剤(milling aid)とを最適利用するために最も良く分散することができるプロセスに加える。例えば、湿式ボールミル粉砕時間は約2〜約24時間の範囲内であり、乾燥は約70℃〜約120℃の範囲内の温度であり、乾式ボールミル粉砕は約2〜約48時間の範囲内である。
【0037】
不充分に混合、乾燥又は粉砕された粉末は最終生成物に不利な影響を与える可能性がある。乾式ボールミル粉砕は、常圧焼結時に複合体が約2.5重量%以下、好ましくは約2重量%以下の重量損失を示すように、充分な期間実施する。乾式ボールミル粉砕のための時間量は装置と操作のパラメータの性質と規模とに依存して変化する。装置と操作のパラメータの選択は、ここに述べるウィスカーサイズから、当該技術分野の熟練の範囲内である。湿式ミル粉砕又は乾式ミル粉砕後に、完全に混合した、未反応の自由流動性粉末から通常の湿式又は乾式成形方法によってグリーン予成形体を製造する。通常の有機結合剤及び滑沢剤が予成形体の製造に用いられる。適当な方法には、周囲温度、約10,000〜約30,000psi(6900〜21,000N/cm2)、好ましくは約10,000〜約20,000psi(6900〜14,000N/cm2)の範囲内の圧力における軸方向プレス、コールドアイソスタティックプレス、高い背圧(back pressure)による押出成形、射出成形、及び通常のスリップ若しくは遠心方法によるキャスティング(casting)(サックスの米国特許第5,009,822号を参照のこと)がある。
【0038】この予成形体は理論最大値の約60%〜約70%の範囲内の密度を有し、例えば円筒形、円形若しくは正方形ディスク、及び管のような、単純な幾何学的形状でしばしば製造される。必要な場合には、これらの予成形体は通常の方法によって、焼結時の収縮のための適当なゆとりを有する最終生成物寸法の形状に大体一致する形状に機械加工することができる。このような形状は当該技術分野においてしばしば“ニア ネット ファイナル(near net final)”形状としばしば呼ばれる。
【0039】
ランディンガムの米国特許第4,745,091号の教示に反して、マトリックスとして用いる粉末を、グリーン予成形体に成形する前には、予備反応させない又は他のやり方で化学反応プロセスにさらさないことは、注目すべきである。特定の理論に縛られることを望むわけではないが、常圧焼結によって製造される高ウィスカー含有複合体による高い複合体密度の発生を今まで抑制していた効果を、本発明によるレベルでのマトリックス中の窒化物改質剤が軽減するように思われる。高い含有量を抑制すると考えられる要素の考察に関しては、ランゲ(Lange),J.Mater.Rsch.,2(1)59−63(1987)を参照のこと。窒化物改質剤の不存在下では摩擦力によってウィスカーはさらに移動することを抑制されるが、本発明のマトリックス窒化物改質剤は焼結中に局在化した一過性の不可逆的塑性相又は液相を生じ、これによってウィスカーがさらに再配置することを可能にすると考えられる。ランディンガムの米国特許第4,745,091号によって教えられる窒化物含有マトリックスの予備反応は予備反応中にシアロン型固相を形成し、この後に焼結条件下で一過性液体を形成しないと考えられる。
【0040】
本発明による常圧焼結は予成形複合体に対して炉(好ましくは黒鉛炉)内でほぼ周囲圧力下、約1500〜約1850℃の範囲内の温度において、少なくとも約95%の密度を有する焼結複合体を生成するために充分な時間実施する。理論密度の98〜99%が一般に、常圧焼結プロセスによるウィスカー強化複合体の最大密度である。炉の特定の形態と被焼結サンプルの形状とに関する最適条件を選択するためにルーチンの最適化のみが必要であることは焼結分野の当業者が認めるであろう。
【0041】
常圧焼結に用いるための周囲圧力には、製造部位に行き渡る大気条件を含むが、必要な場合には、周囲圧力の幾らか上下の圧力も使用可能である。焼結を排気するためにはより低い圧力が用いられる。焼結室の外部から物質又はガスが侵入するのを阻止するためにやや(例えば、数気圧まで)高い圧力も使用可能であるが、このような高圧は一般に焼結生成物に利益を(利益があったとしても)殆ど与えない。焼結サイクル時間は約12〜48時間であるが、焼結サイクル温度と時間とが被焼結体の性質とサイズとに依存して変化することを当業者は理解するであろう。
【0042】
焼結室を通過するパージガス流には、例えばアルゴン、ヘリウム、又は他の貴ガスのいずれかのような不活性なキャリヤーガスを用いることができる。しかし、常圧焼結プロセス中に焼結室を通過するパージガス流に窒素ガスを用いることによって、最終複合体の硬度と靭性とが改良されることが判明している。
【0043】
パージガス中に使用可能な窒素ガスには、焼結温度において窒素を発生させるが、被焼結複合体又は焼結炉構成要素のいずれにも不利な影響を与えない、窒素又は他の窒素含有ガス(例えばアンモニア)がある。
【0044】
焼結室を通過するパージガスがガス状又は気化した炭化水素をも含む場合には、焼結セラミック複合体がさらに改良される。この炭化水素は本発明における使用に適した任意のパージガスに加えることができる。焼結温度において蒸気状又はガス状形をとる炭化水素の実際に全てが本発明のためのパージガス流のゲッター剤(getter agent)として使用可能である。本発明のために考えられるセラミック焼結温度(1500〜1850℃)において、焼結室中に不活性ガス流と共に導入される大抵の炭化水素が分解又は解離して、被焼結複合体から発生する反応性不純物に対して反応性である種になる。ウィスカー並びに焼結炉の構成要素に腐食効果を及ぼしうる水の形成を促進するほど充分に過剰な炭化水素を反応形が有する場合には、ゲッターを用いるべきではない。パージガス流中に存在する炭化水素量は当該技術分野の熟練の範囲内であるが、しばしば約0.1〜約10%、好ましくは約0.5〜5%、最も好ましくは約1〜3%の範囲内である。
【0045】
常圧焼結にゲッター剤として用いるために適した炭化水素剤には、直鎖、分枝鎖及び環状アルカン(例えば、メタン、エタン、プロパン、ブタン、イソブタン、ペンタン、ヘキサン及びシクロヘキサン);直鎖、分枝鎖及び環状アルケン(例えば、エチレン、プロピレン、ブタジエン);直鎖、分枝鎖及び環状アルキン(例えば、アセチレン、プロピン、ブチン、及びペンチン);単環式若しくは多環式芳香族炭化水素(例えば、ベンゼン、トルエン、及びナフタレン)がある。操作の容易さと便利な取り扱いとのために、炭素数2〜10のアルカンと単環芳香族(monoaromatic)炭化水素が好ましい。
【0046】
特定のパージガス又はガス組合せのいずれを用いるかに拘わらず、パージガスは一般に、約0.03〜約30ガス毎時空間速度(GHSV)の範囲内の速度で焼結室を通って流れる。好ましくは、パージガスは1〜5GHSVの空間速度を有する。好ましくは、パージガスは少なくとも20体積%の窒素ガスと約0.1〜10%の炭化水素とを含む。
【0047】
特定の理論によって縛られるのを望むわけではないが、炭化水素は、少なくとも一部は、均一に分配したゲッターとして作用し、マトリックス全体に分配したウィスカーに対して反応性である、焼結プロセス中に複合体から発生する又は炉中に存在する、表面種若しくは局在化種を除去するように作用する。ウィスカーが焼結プロセスを通して保護され、最終生成物中のマトリックスをより良好に強化することができることが正味の効果である。この保護機構は黒鉛ダイ中でのホットプレスが高度に強化された複合体を生成する理由の理解をも助ける:すなわち、サンプルに対する固体炭素プレスは、複合体と周囲とからの反応性種に接触し、これらを不活化することができるほど充分に密接である。より大きい黒鉛室又は容器における常圧焼結の場合には、炭素が複合体面からあまりに離れすぎ、またその効果があまりに局在化しているために反応性種に対して同様な保護を与えることができないので、同じレベルの保護が示されない。
【0048】
グリーン体の表面が焼結炉内の雰囲気に直接暴露されるのを防ぐように、グリーン体を例えば炭素質布帛又は炭素粉末のような炭素質物質によって包囲する、包む若しくは他のやり方で囲む場合に、焼結生成物の品質がさらに改良されることを認めることができる。炭素質物質が例えばファイバー マテーリアル社(Fiber Materials,Inc.)(メイン州,ビデフォード)からGrade CHとして商業的に入手可能であるような、炭素質フェルト布帛であることが好ましい。
【0049】
炭素質保護被覆が存在しない場合には、暴露された焼結体表面は例えばピット形成(pitting)のような表面劣化を示し、炭化ケイ素強化ウィスカーを用いる場合には、炭化ケイ素ウィスカーによってアルミナに通常与えられる緑色から明瞭に識別される白−灰色部分を示す。これらの徴候(sign)は大型パーツ(part)と小型パーツの両方に現れるが、厚さが約10mmを越えるパーツにより顕著に現れる。焼結体がこのような徴候を示す場合には、何らかの形式のカプセル封入又はクラッディング(cladding)を用いずには、物質をHIPによって理論値の98%を越える密度までにさらにプレスすることができない。
【0050】
常圧焼結プロセスから得られる複合体は、理論値の98%を越える密度までにHIPによってさらにプレスすることを可能にするほど充分な独立孔構造の含量を有する。焼結密度と独立孔構造とに影響を与える要素には、粉末の細かさ、ウィスカー含量として存在する窒化ケイ素量、乾式ボールミル粉砕度、パージガス(例えば、窒素が高密度と独立孔のために有益である)、焼結速度及び焼結温度がある。これらの要素の最適バランスは当該技術分野の熟練の範囲内である。
【0051】
本発明による焼結体は、HIP後に約5MPa√mを越える破壊靭性と約500Mpaを越える破壊強度とを有し、複合体の幾つかの用途に有用であることを示唆する性質を生ずる。破壊靭性は,アンスティス(G.R.Anstis)等のGen.Am.Ceram.Soc.,64,553頁(1981)にしたがって、10kg荷重を用いて測定され、破壊強度はASTM C1161にしたがって測定される。これらの焼結体は、HIPの前であっても、非常に高い引張り強度を必ずしも必要としない用途に有用である。このような用途には、特に、ノズル、シール、ある一定のベアリング、軟質金属(例えば、黄銅)を造形するためのある種のツールがある。
【0052】
焼結プロセスが約98%未満の密度を有する焼結体を生ずる場合には、焼結予成形体をホットアイソスタティックプレス(HIP)によって、約98%を越える密度を有するプレス体を生ずるために、充分な時間さらにプレスすることができる。熱間アイソスタティックプレスを受けるパーツの周囲に外部クラッディング又はカプセル封入用物質を用いることなくホットアイソスタティックプレスによるさらに高密度化を達成することができるほど、充分に高濃度の独立孔を有する生成物を、本発明が常圧焼結から形成することを認めるべきである。
【0053】
焼結複合体のHIPは標準の先行技術方法を用いて実施される。このような方法は約15,000〜約30,000psiの圧力下、約1500〜約1700℃の温度において、不活性ガス(しばしば、アルゴン)を少なくとも約98%の所望の密度を得るために充分な時間(例えば、1〜2時間)用いる。
【0054】
本発明から得られるHIP複合体は、靭性と耐衝撃性が重要な特徴であり、今までは熱間プレスによって製造されたセラミックによって間に合わされてきた、摩耗及び/又は衝撃を受ける種々な要素の製造に有用である。本発明のHIP複合体の特定の用途には、特に、黒鉛複合体、プラスチック、木材又は金属用の切断縁を有するドリルバイト;特に、木材、耐火ボード、金属、プラスチック、又は積層複合体(黒鉛複合体と木材ラミネートを含む)用の切断縁を有するルーターバイト(router bite);金属を切断するための切断縁を有する切断ツール;タービンブレード;例えば、エンジンブロック(engin block)、ピストン及び弁のような熱エンジン構成要素;缶製造又は他の金属造形操作に適した表面とクリアランスとを有するパンチとダイ;ノズル;金属若しくはセラミックレース(ceramic race)内のアセンブリーとして形成されるローラー又はボールベアリング;押出成形ダイ;及びシール(特に、羽根車のポンプシール)がある。これらの製品は一般に、必要な再加工が最小であるように、ニアネットファイナル形状に近い形状に成形することができる。
【0055】
本発明の方法を用いてセラミックから製造されるドリルとルーターバイトは、通常のドリルとルーターバイトの形状と同じである形状を有する。これらのツールは木材、金属、及び例えば黒鉛複合体と木材ラミネートのようなラミネートを切断するために有用である。実際に、黒鉛複合体を切断するための本発明のセラミックツールの使用は、離層なしに黒鉛複合体に数百の孔を開けることができる熱間プレスセラミックバイトと同様に機能する。ラウダー(Lauder)の米国特許第5,002,439号を参照のこと。
【0056】
切削工具に用いる場合に、この切削工具は切削工具工業において、特にターニング(turning)、表面仕上げ、磨砕、穿孔等の操作を含めた用途に用いられる標準形状の交換可能なインサートである。このインサートは所望の切断技術にしたがって金属を切断するために適した寸法と角度とを有する切断縁を含む。例えば、ニッケル基合金を切断するために好ましいインサート形状は−5°の軸傾斜(axial rake)と、15°の末端切断縁角度と、5°の半径方向逃げ角(radial relief)を伴う−5°の半径方向傾斜と、0.030インチ(0.762mm)の刃先半径を伴う15°のコーナー角度とを有する。ここに参考文献として関係する、ローデス(Rhodes)の米国特許第4,961,757号と第4,789,277号を参照のこと。実際に、この方法の使用は、大きいブランクの切削加工とそれに伴う物質廃棄とを必要とせずに、ニアネットファイナル形状にインサートとツールとを製造することを可能にする。
【0057】
本発明によって製造されるセラミック製缶工具は(HIPの前又は後のいずれかに)ホイール、平滑な外面と関連するダイとパンチ要素との間の密接な許容度とを有するパンチ及び/又はダイを成形する形状を有する。ウィスカー強化アルミナセラミックは、工具の外面に缶材料を有意に蓄積させることなく、長時間平滑なパーツ表面を生ずることができる点で、多くの特有の利点を有する。ラウダーの米国特許第5,095,730号を参照のこと。
【0058】
本発明によって製造されるセラミック体は、常圧焼結後とHIP後の両方において、ウィスカーの実質的にランダムな三次元配向を有するので、耐破壊性は実質的にあらゆる方向において同じである。この配向は熱間プレスセラミック製品において得られる実質的な二次元配向(ラムの軸に対して垂直)とは対照的である。
【0059】
【実施例】
実施例
下記実施例は本発明の利点を説明するために有用である。全ての実施例において、アルミナは少なくとも99.97%の純度を有し、3.98±0.02g/cm3の密度を有する商業的に入手可能なα−アルミナ粉末であった。アルミナの表面積は10.5m2/gであった。焼結助剤は4%未満のレベルでのマグネシアとイットリアであった。
【0060】
窒化ケイ素粉末は約3.18g/cm3の密度を有する、α−形(>90%)とβ−形(<10%)の商業的に入手可能な混合物であった。窒化ケイ素粉末の平均粒度は0.45μmであった。
【0061】
実施例に用いた単結晶ウィスカーは籾殻から製造される炭化ケイ素ウィスカーであった。加工前のこれらのウィスカーは約0.4〜約0.6μmの平均直径と、約15〜150の初期アスペクト比とを有する。このウィスカーは3.21g/cm3の密度を有した。
【0062】
他に述べないかぎり、全ての%は総重量を基準とした重量%として記載する。
実施例1〜2
実施例1は、湿式粉砕によって最初に分散された炭化ケイ素ウィスカー18体積%を含む炭化ケイ素ウィスカー強化アルミナマトリックスであり、これを乾燥し、次に16時間乾式ボールミル粉砕し、本発明によって常圧焼結した。実施例2はウィスカー23.8体積%を含む同じマトリックスであり、乾式ボールミル粉砕を約20時間実施した以外は同じミル粉砕順序を施した。代表的な粉末サンプルのコンピュータ化画像分析(形状関数0.6に設定、平均ウィスカー直径=0.5μm)によって、ミル粉砕した粉末中のウィスカーの平均アスペクト比を500X倍率で測定した。
【0063】
各物質をバー形状のグリーン予成形体に成形し、炭素質フェルト布帛によって包み、窒素とプロパン1〜3%とを含むパージガスの影響下で焼結した。焼結し、HIPした生成物の靭性は10を越えるアスペクト比を有するウィスカーの高いレベルを用いたホットプレスサンプルに匹敵する。表1を参照のこと。
【0064】
ここに示す実施例が説明のためであり、特許請求の範囲に対する限定として作用するように意図されないことは理解されるであろう。
【産業上の利用分野】
本発明は、優れた物理的性質を有するウィスカー強化アルミナ基(whisker−reinforced alumina−based)セラミック体を製造するための常圧(pressureless)焼結方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ウィスカー強化アルミナは例えば熱機関及びタービンブレードのような構造用途(米国特許第4,543,345号参照のこと)と、例えば切削工具のようなより厳しい用途(米国特許第4,789,277号と第4,961,757号を参照のこと)とに使用されている。これらの複合体は、理論密度の少なくとも98%を越える密度を有する複合体を生ずる“ホットプレス(hot pressing)”として知られる加工方法を用いると、約40体積%までのウィスカーを有することができる。セラミックの実際にあらゆるエンジニアリング用途のためには、少なくとも約95%の密度が必要である。
【0003】
ウィスカー強化アルミナ体の通常の製造方法では、ホットプレス方法は約3500〜5500psiの一軸荷重の使用を含むので、“加圧焼結”と表現することもできる。この方法では、粉末ブレンド又は予成形サンプルを自由流動形で黒鉛ダイ中に装入し、高温炉内で制御した雰囲気下で焼結する。炉温度が約1450〜1850℃に上昇したときに液圧ラムによってダイ内の粉末を加圧し、適当な時間この温度に維持する。次に、炉を冷却する。数時間のサイクル時間が用いられ、この方法は不連続的バッチの製造に制限される。
【0004】
ダイの構造的限界が一般に、約5500psiより大きい加圧の使用を妨げる。さらに、ホットプレス方法は、特別に複雑なダイ及び加圧ラムを非常な費用をかけて作成しないかぎり、一般に成形体の形状を例えば円形若しくは長方形プレート又は円筒形のような、単純な幾何学的形状に限定する。さらに、このようなホットプレス体の性質は常圧焼結によって製造される成形体よりも一軸荷重のためにより異方性である。
【0005】
ホットプレスを“グリーン(green)”予成形体の製造、“常圧焼結”及び“ホットアイソスタティック成形”(HIP)と対照することにする。セラミック粉末ブレンドと、通常の焼結助剤(例えばマグネシア及び/又は稀土類酸化物)と、滑沢剤を含む有機結合剤とを混合することによって、グリーン予成形体を製造する。次に、該粉末ブレンドを周囲温度において理論値の約60〜70%の密度にまでプレスすることによって、グリーン予成形体を製造する。物質の理論密度は一般にチクノメトリカリー(tycnometrically)(ASTM C329−75)に測定されるか、又は受容される“混合物の規則(Rule of Mixtures)”を用いて推定される。
【0006】
一般に、グリーン体は単純な幾何学的形状(例えば、管、円筒形又はディスク)として成形され、必要な場合には、その後の加熱工程中に生ずる収縮を考慮に入れた所望の形状に機械加工される(すなわち、ニアーネットーシェイプ(near−net−shape)製造)。成形されたグリーン体を、サイズと形状によって、500℃までのある温度においてオーブン内の空気中で約10〜15時間のある時間にわたって加熱することによって、結合剤物質は除去される。
【0007】
グリーン予成形体を、焼結される複合体又は焼結炉構成要素のいずれにも不利な影響を与えない雰囲気(例えば、アルゴン又は窒素)下の1250〜1850℃の炉内での常圧焼結によってさらに高密度化する。この焼結は本質的な完成まで(一般に理論密度の94%から95%まで)続けることが許される。生ずる焼結体が独立気泡構造(closed cell structure)を形成する場合には、ホットアイソスタティックプレスによって密度をさらに高めることができる。
【0008】
ホットアイソスタティックプレス(HIP)は、理論密度の約98%を越える密度を有する成形体を製造する目的で、焼結体に約1500〜約1700℃の温度において(酸化アルミニウムに対して)典型的に15,000〜30,000psiにおいて不活性ガスを用いて約1〜2時間高圧を与えるプロセスである。HIPするべき焼結体は、HIPによって有意な効果を達成するために、ほぼ完全な独立気泡構造を有さなければならない。独立孔構造の濃度は次式から計算される:
(独立孔度%)=100−(理論密度%)−(連続孔度(open porosity)%)
独立孔度の算出に用いる方法はASTM C830−83である。簡単に説明すると、連続孔構造は成形体の真空含浸中の吸水を測定することによって算出される。例えば、理論密度の95%の密度を有する乾燥焼結体がアルミナ複合体密度の1%に相当する吸水を示す場合には、この焼結体は4%の独立孔構造を有する。理論密度は、技術上周知であるような、各成分相の絶対密度に混合物の規則を適用することによって算出される。
【0009】
経済的には、ホットプレスは非常に費用がかかり、労力を要するプロセスである。プレス装置は高価である。黒鉛ダイは単位ブロック(unitary block)から切削しなければならず、数回のプレスに続けて使用されない。サイクル時間は比較的短く、限られた数の試験体(specimen)を製造することができるにすぎない。プレス体は単純な幾何学的形状に限定される。このような成形体を最終形状に機械加工することは成形体の高い密度と硬度のために困難であり、不合格品を生ずるか、又は部品の構造的機能に影響を与える表面応力を生ずることがありうる。サックス(Sacks)の米国特許第5,009,822号を参照のこと。
【0010】
これとは対照的に、常圧焼結はホットプレスの費用の約25〜33%を要するにすぎない。ほぼ大気圧においてこのプロセスを実施すると、このプロセスに必要な装置のための資本的出費は減少する。連続加工を適用することができ、多数の部品を製造することができる。バッチ式プロセスを用いる場合には、バッチはより大きくてもよく、炉をより経済的に利用することができる。グリーン成形(green forming)に用いる金属ダイは数ピース(piece)に対して再使用することができる。グリーン体を容易に切削加工することができるために、複雑な形状の成形が可能である。必要な場合には、対応するホットプレスよりもまだ低い(すなわち、恐らく30%低い)総費用で、しかもホットプレスによって負わされる特有の限界なしに、常圧焼結後にHIPをさらに用いて焼結体の最終密度を高めることができる。
【0011】
それ故、常圧焼結はセラミック体、特にウィスカー強化セラミックを製造するための好ましい方法である。残念ながら、複合体が10体積%(約8.1重量%)を越えるウィスカーを含む場合には常圧焼結が充分な密度を生じないことを当業者は発見している。ティーグス(Tiegs)の米国特許第4,652,413号を参照のこと、この特許では、2%の焼結助剤としてのイットリウムと10体積%の炭化ケイ素ウィスカーとを含むアルミナマトリックスを理論密度の94%を越える密度に常圧焼結によって焼結しているが、20体積%(約16.7重量%)のウィスカーを含む同等サンプルが理論密度の75%のみに達することができたにすぎない。約10体積%ウィスカーというこの限界はサックスの米国特許第5,009,822号の第7欄、第4〜12行にも述べられている。ほぼ同様に、国際特許第WO86/05480号は約12.1体積%(10重量%)までのウィスカーを含む複合体に関してのみ理論密度の約95%を越える焼結密度を例示している(表1)。
【0012】
アルミナーSiCウィスカー複合体の常圧焼結に関連した問題の考察はティーグス等のA.Ceram.Soc.Bull.,66(2)339−342(1977)に述べられている。340頁に述べられているように、ウィスカーは効果的な粒子充填、粒子再配列及び収縮を妨害する。この結果は低い最終密度である。ティーグス等の表IIと図2は、ウィスカー含量が増加すると、グリーン最終密度が低下することを示している。ティーグス等は、“10体積%より非常に大きいウィスカー含量では、高密度化の阻害が深刻である”と述べている。さらに、“HIP前に物質が独立孔度(closed porosity)を得ていない”ので、HIPは成形体の密度を高めることができなかった。20体積%ウィスカー物質の破壊靭性はティーグスによってモノリシックアルミナよりも有意に高くないと報告されている。
【0013】
もっとあとの論文において、ティーグス等は約13体積%(約10.7重量%)のウィスカーを含むアルミナ複合体の常圧焼結によって95%密度に達している。Ceram.Engr.and Sci.Proc.,9〜10月号,1986,1182−1186頁,図2。この論文はまた、技術上の必要性を次のように要約している:“今後の開発が20体積%までのSiCウィスカーを含むアルミナを焼結し、次に(封入せずに)HIPすることを可能にすると考えられるが、これはまだ示されていない”。
【0014】
当該技術分野は長足の進歩を遂げて、理論密度の少なくとも約95%の密度を有するウィスカー強化アルミナ複合体を製造する方法を発見するに至っている。密度を高めるために用いられる方法には、常圧焼結とHIPとによる粉末の乾式加工[ティーグス等,Ceram.Engr.and Sci.Proc.,13th Automotive Conf.1182−1186頁(1986年,9〜10月)を参照のこと]と、凝集塊を除くためのサイズ分類とその後の、アルミナとウィスカーとの良好に分散した懸濁液のスリップ注型及び遠心注型とによる湿式加工[サックス等のJ.Am.Ceram.Soc.,71(5)370−379(1988)を参照のこと]とがある。これらの湿式加工方法は乾式加工方法に比べて良好なグリーン体を生ずると考えられる。サックス等の表IIIを参照のこと。グリーン体密度はウィスカーのサイズと濃度とによって有意な影響を受けないので、湿式加工方法を用いて、30体積%ものウィスカーを含み、高密度を有するグリーン体を製造することができる。サックス等のJ.Am.Ceram.Soc.,71(5)370−379(1988)とティーグス等のCeram.Engr.and Sci.Proc.,(1986年,9〜10月),図2とを比較すること。しかし、焼結時に、乾式加工又は湿式加工によって製造されたグリーン体を焼結することによって得られる密度に、ウィスカーは制御影響(controlling influence)を及ぼす。
【0015】
ウィスカーのサイズは通常、“アスペクト比”、すなわち、ウィスカー長さ対直径の無次元数の比として考察される。当該技術分野で一般に受容される知識は、セラミックを強化するためには少なくとも10のアスペクト比が必要であるということである。ミレウスキー(Milewski)等のHandbook of Reinforcements for Plastics,216−217頁(1987)とティーグス等の米国特許第5,207,958号を参照のこと。
【0016】
アルミナマトリックスの強化剤としてのウィスカーの高レベルの使用を可能にし、予定用途によって要求されるレベルにまでセラミックの密度と強度の両方をさらに高めるために成形体のHIPを可能にするほど、充分な独立孔度(degree of pore close)による充分に高い密度を生ずる常圧焼結方法の必要性が依然として存在する。
【0017】
強化セラミックの使用を必要とする用途と目的によって、必要な最小限の密度と強度とが定められることを当業者は理解するであろう。例えば、15重量%ウィスカーを含む金属切削工具のインサート(insert)は理論密度の98%を越える密度を必要とする。セラミックの組成、その用途及び最終用途に依存して、常圧焼結後のHIPが必要であるか否かが定まる。各用途の必要条件の確認は当該技術分野の熟練の範囲内である。
【0018】
当該技術は、例えば8重量%を越える、高レベルの焼結助剤の使用が複合体の密度を高めることも示唆している。ティーグス等の米国特許第5,207,958号を参照のこと。しかし、生ずる液相は複合体の高温特性に影響を与える。サックス等のCeram.Engr.Soc.Proc.,9[7−8],741−754頁(1988)。複合体の性質に不利な影響を与える焼結助剤の高レベルを必要とすることなく、高密度を生ずることができる方法を有することが望ましい。
【0019】
最終複合体は、高密度と独立孔の他に、高レベルの破壊靭性を有するべきである。強化アルミナ複合体の靭性を高める1つの方法はランジンガム(Landingham)の米国特許第4,745,091号に述べられている。この開示された方法は強化用粒子、マグネシア(焼結助剤として)、ジルコニア又はハフニア(hafnia)(靭性と耐衝撃性のために)及び0.1〜15重量%の窒化物改質剤(modifier)を含むアルミナ複合体をホットプレスすることを含む。マトリックス中に均一に分散した二次窒化物相(“SiAlOX”として同定)を形成するように粉末を予備反応させる予備段階の必要性を避けるために、反応ホットプレスが好ましい。第3欄,第6〜9行;第4欄,第30〜38行及び図3を参照のこと。粉末を予備反応させる場合には、冷間プレスと焼結とを用いることができると、この特許は述べている。実施例はホットプレス製造による9〜30重量%の総窒化物改質剤濃度の使用を説明する。高いウィスカー濃度によって高いプレス密度を得るという問題は開示されていず、教示されていず、例示されていない。
【0020】
使用時に、ホットプレスによって製造された強化アルミナ複合体の靭性に匹敵するレベルの靭性を示すウィスカー強化アルミナ複合体を製造することができる常圧焼結方法を提供することが望ましい。
【0021】
【発明によって解決しようとする課題】
焼結体が高密度と、理論密度の少なくとも約98%の密度にまでHIPされることができるほど充分な独立孔を有するように、常圧焼結によってウィスカー強化アルミナ複合体を製造することができる方法を提供することが、本発明の目的である。
【0022】
焼結体が実際の使用時に、ホットプレスによって製造された強化アルミナ複合体の靭性に匹敵する靭性を示すように、常圧焼結によってウィスカー強化アルミナ複合体を製造することができる方法を提供することが、本発明の他の目的である。
【0023】
上記その他の目的は以下に述べる説明から明らかになるであろう。
【0024】
【課題を解決するための手段】
本発明は、1態様において、理論密度の約60%〜約70%の範囲内の密度を有し、本質的にアルミナと約4重量%までの焼結助剤とから成るマトリックスと、約10〜約25重量%の、10未満の平均アスペクト比を有する単結晶ウィスカーと、約2〜約7.5重量%の、本質的に窒化ケイ素若しくは窒化アルミニウム又はこれらの混合物から成る窒化物改質剤とを含む混合物から製造される予成形体を周囲圧力において焼結して、理論密度の少なくとも約94%の密度と、ホットアイソスタティックプレス時に成形体が理論密度の少なくとも約98%の密度を得ることを可能にする、充分に高い独立孔対連続孔比率とを有するセラミック焼結複合体を形成することを含む方法を提供する。
【0025】
本発明は、通常のホットプレス方法よりも有意に費用のかからない手段を用いて、当該技術分野の常識にも拘わらず、緻密で、強靭なセラミック複合体を一貫して製造する方法を提供する。本発明の実施は最終生成物の組成と性質との容易な制御を可能にする。
【0026】
本発明による複合体は窒化物改質剤、焼結助剤、及び任意の強化剤及び/又は硬化剤を含むアルミナマトリックスから製造される。約3から10未満までの範囲内のアスペクト比を有する分散したウィスカーが、それらの小さいサイズにも拘わらず、マトリックスを強化する。
【0027】
本発明のマトリックス物質として有用なアルミナは高い純度を有するα−アルミナである。この方法に用いる粉状アルミナが約0.5μm〜約1μmの平均粒度を有し、最終複合体の総重量の少なくとも約60%を占めることが好ましい。マトリックスは焼結助剤と任意の、通常の強化剤とを含むこともできる。
【0028】
本発明のためのマトリックス窒化物改質剤は粉状、繊維状若しくはウィスカー形状の窒化ケイ素、窒化アルミニウム又はこれらの混合物から本質的に成る。好ましい窒化物改質剤は本質的に窒化ケイ素から成る。1種以上の窒化物改質剤の平均粒度は粉末形で用いられる場合にアルミナの平均粒度と同じ範囲内であり、好ましくは約0.5μm〜約1μmである。
【0029】
窒化物改質剤の総含量は複合体総重量を基準として約1〜約7.5重量%、好ましくは約2〜約7.5重量%の範囲内であるべきである。より好ましくは、窒化物改質剤総量は約3.5〜約6重量%の範囲の濃度で加えられ、最も好ましくは、ウイスカー15重量%を用いる場合には、窒化物改質剤含量は約4〜約5.5重量%である。特定のウィスカー濃度に対する最適な窒化物改質剤の濃度は、この明細書の教示から現在の熟練レベルを越えない訓練によって、当業者によって容易に算出される。
【0030】
本発明のマトリックスに対する焼結助剤は技術上周知であり、約4重量%までの濃度で用いられるが、約2重量%までのみの総量がより好ましく、1〜2重量%の範囲内の総量が最も好ましい。焼結助剤はマトリックス中のウィスカーの強化効果に実質的な影響を与えずに焼結のプロセスの効率を高めるように作用する。好ましい焼結助剤は特にマグネシア、イットリア及びその他の稀土類酸化物の中の少なくとも1種を含む。本発明による、例えば窒化ケイ素及び窒化アルミニウムのような、窒化物改質剤は一般に焼結助剤とは見なされない。ランディンガム(Landingham)の米国特許第4,745,091号の第2欄、第39−68行を参照のこと。
【0031】
このマトリックスは、複合体全体の靭性と硬度とにそれぞれ影響を与える、約25重量%までの強化剤及び/又は硬化剤をも含むことができる。本発明に有用な強化剤は当該技術分野で一般に知られるような酸化物であり、ジルコニア及び/又はハフニアを含む。例えば炭化チタンのような硬化剤は約10重量%までの量で使用可能である。強化剤と硬化剤は典型的に約0.5〜約1μmの粒度範囲内の粒子の形状である。しかし、炭化チタンは多少大きい。
【0032】
約3から10未満までの範囲内のアスペクト比、好ましくは約5〜9の範囲内のアスペクト比、最も好ましくは約6〜8の範囲内のアスペクト比を有する単結晶セラミックウィスカーを本発明のマトリックス全体に、その強化のために、完全に分配する。マトリックス強化剤として有用な単結晶セラミックウィスカーには、アルミナ、炭化チタン、炭化ケイ素、窒化チタン、窒化アルミニウム、オキシ窒化アルミニウム及びこれらの混合物がある。これらの各ウィスカーは技術上周知である。
【0033】
炭化ケイ素ウィスカーが本発明のために好ましいウィスカーであり、これはここに参考文献として関係する米国特許第4,961,757号に完全に述べられている。簡単に説明すると、この炭化ケイ素ウィスカーはβ形状の炭化ケイ素ウィスカーであり、単結晶構造を有する。このようなウィスカーは籾殻から製造され、約0.6μmの平均直径を有し、約15〜150の初期の未粉砕(unmilled)アスペクト比を有する。強度は約1百万psi(70,000kg/cm2)であり、引張り弾性率は約60〜100百万psi(4〜7百万kg/cm2)である。
【0034】
ウィスカーは約10重量%〜約25重量%の範囲内、好ましくは約10重量%若しくは約15重量%〜約23重量%の範囲内、最も好ましくは約10重量%〜約20重量%の範囲内の量で存在しうる。複合体が約10〜18重量%又は10〜15重量%のウィスカーを含む場合に、特に良好な結果が見られる。
【0035】
本発明によって製造される複合体は、アルミナ、ウィスカー及び窒化物改質剤を、ウィスカーの平均アスペクト比を約3から10未満までの範囲内の平均アスペクト比に、好ましくは約5〜9の範囲内の平均アスペクト比に、最も好ましくは約6〜8の平均アスペクト比に減ずる混合方法によって混合することによって製造される。このような小さいウィスカーの強化効果は、セラミックの強化を生じるためには少なくとも10のアスペクト比が必要であるという一般に認められた知識に反する。ミレウスキー等のHandbook of Reinforcements for Plastics,216−217頁(1987)と、ティーグス等の米国特許第5,207,958号を参照のこと。
【0036】
所望のサイズ縮小を実施する粉砕バッチに対して充分なサイズ、重量及び材料のアルミナ又はセラミック球によるボールミル粉砕が好ましい混合方法である。特定の条件と媒質との選択は特定のミルとプロセスによって変化するが、ここに述べる粉砕ウィスカー仕様(milled whisker specification)から当該技術の既存の熟練レベルの範囲内である。好ましいミル粉砕方法は湿式ミル粉砕、ケーキを形成するための湿式粉砕した物質の乾燥、及びケーキの乾式ボールミル粉砕の組合せを含む。結合助剤とミリング助剤(milling aid)とを最適利用するために最も良く分散することができるプロセスに加える。例えば、湿式ボールミル粉砕時間は約2〜約24時間の範囲内であり、乾燥は約70℃〜約120℃の範囲内の温度であり、乾式ボールミル粉砕は約2〜約48時間の範囲内である。
【0037】
不充分に混合、乾燥又は粉砕された粉末は最終生成物に不利な影響を与える可能性がある。乾式ボールミル粉砕は、常圧焼結時に複合体が約2.5重量%以下、好ましくは約2重量%以下の重量損失を示すように、充分な期間実施する。乾式ボールミル粉砕のための時間量は装置と操作のパラメータの性質と規模とに依存して変化する。装置と操作のパラメータの選択は、ここに述べるウィスカーサイズから、当該技術分野の熟練の範囲内である。湿式ミル粉砕又は乾式ミル粉砕後に、完全に混合した、未反応の自由流動性粉末から通常の湿式又は乾式成形方法によってグリーン予成形体を製造する。通常の有機結合剤及び滑沢剤が予成形体の製造に用いられる。適当な方法には、周囲温度、約10,000〜約30,000psi(6900〜21,000N/cm2)、好ましくは約10,000〜約20,000psi(6900〜14,000N/cm2)の範囲内の圧力における軸方向プレス、コールドアイソスタティックプレス、高い背圧(back pressure)による押出成形、射出成形、及び通常のスリップ若しくは遠心方法によるキャスティング(casting)(サックスの米国特許第5,009,822号を参照のこと)がある。
【0038】この予成形体は理論最大値の約60%〜約70%の範囲内の密度を有し、例えば円筒形、円形若しくは正方形ディスク、及び管のような、単純な幾何学的形状でしばしば製造される。必要な場合には、これらの予成形体は通常の方法によって、焼結時の収縮のための適当なゆとりを有する最終生成物寸法の形状に大体一致する形状に機械加工することができる。このような形状は当該技術分野においてしばしば“ニア ネット ファイナル(near net final)”形状としばしば呼ばれる。
【0039】
ランディンガムの米国特許第4,745,091号の教示に反して、マトリックスとして用いる粉末を、グリーン予成形体に成形する前には、予備反応させない又は他のやり方で化学反応プロセスにさらさないことは、注目すべきである。特定の理論に縛られることを望むわけではないが、常圧焼結によって製造される高ウィスカー含有複合体による高い複合体密度の発生を今まで抑制していた効果を、本発明によるレベルでのマトリックス中の窒化物改質剤が軽減するように思われる。高い含有量を抑制すると考えられる要素の考察に関しては、ランゲ(Lange),J.Mater.Rsch.,2(1)59−63(1987)を参照のこと。窒化物改質剤の不存在下では摩擦力によってウィスカーはさらに移動することを抑制されるが、本発明のマトリックス窒化物改質剤は焼結中に局在化した一過性の不可逆的塑性相又は液相を生じ、これによってウィスカーがさらに再配置することを可能にすると考えられる。ランディンガムの米国特許第4,745,091号によって教えられる窒化物含有マトリックスの予備反応は予備反応中にシアロン型固相を形成し、この後に焼結条件下で一過性液体を形成しないと考えられる。
【0040】
本発明による常圧焼結は予成形複合体に対して炉(好ましくは黒鉛炉)内でほぼ周囲圧力下、約1500〜約1850℃の範囲内の温度において、少なくとも約95%の密度を有する焼結複合体を生成するために充分な時間実施する。理論密度の98〜99%が一般に、常圧焼結プロセスによるウィスカー強化複合体の最大密度である。炉の特定の形態と被焼結サンプルの形状とに関する最適条件を選択するためにルーチンの最適化のみが必要であることは焼結分野の当業者が認めるであろう。
【0041】
常圧焼結に用いるための周囲圧力には、製造部位に行き渡る大気条件を含むが、必要な場合には、周囲圧力の幾らか上下の圧力も使用可能である。焼結を排気するためにはより低い圧力が用いられる。焼結室の外部から物質又はガスが侵入するのを阻止するためにやや(例えば、数気圧まで)高い圧力も使用可能であるが、このような高圧は一般に焼結生成物に利益を(利益があったとしても)殆ど与えない。焼結サイクル時間は約12〜48時間であるが、焼結サイクル温度と時間とが被焼結体の性質とサイズとに依存して変化することを当業者は理解するであろう。
【0042】
焼結室を通過するパージガス流には、例えばアルゴン、ヘリウム、又は他の貴ガスのいずれかのような不活性なキャリヤーガスを用いることができる。しかし、常圧焼結プロセス中に焼結室を通過するパージガス流に窒素ガスを用いることによって、最終複合体の硬度と靭性とが改良されることが判明している。
【0043】
パージガス中に使用可能な窒素ガスには、焼結温度において窒素を発生させるが、被焼結複合体又は焼結炉構成要素のいずれにも不利な影響を与えない、窒素又は他の窒素含有ガス(例えばアンモニア)がある。
【0044】
焼結室を通過するパージガスがガス状又は気化した炭化水素をも含む場合には、焼結セラミック複合体がさらに改良される。この炭化水素は本発明における使用に適した任意のパージガスに加えることができる。焼結温度において蒸気状又はガス状形をとる炭化水素の実際に全てが本発明のためのパージガス流のゲッター剤(getter agent)として使用可能である。本発明のために考えられるセラミック焼結温度(1500〜1850℃)において、焼結室中に不活性ガス流と共に導入される大抵の炭化水素が分解又は解離して、被焼結複合体から発生する反応性不純物に対して反応性である種になる。ウィスカー並びに焼結炉の構成要素に腐食効果を及ぼしうる水の形成を促進するほど充分に過剰な炭化水素を反応形が有する場合には、ゲッターを用いるべきではない。パージガス流中に存在する炭化水素量は当該技術分野の熟練の範囲内であるが、しばしば約0.1〜約10%、好ましくは約0.5〜5%、最も好ましくは約1〜3%の範囲内である。
【0045】
常圧焼結にゲッター剤として用いるために適した炭化水素剤には、直鎖、分枝鎖及び環状アルカン(例えば、メタン、エタン、プロパン、ブタン、イソブタン、ペンタン、ヘキサン及びシクロヘキサン);直鎖、分枝鎖及び環状アルケン(例えば、エチレン、プロピレン、ブタジエン);直鎖、分枝鎖及び環状アルキン(例えば、アセチレン、プロピン、ブチン、及びペンチン);単環式若しくは多環式芳香族炭化水素(例えば、ベンゼン、トルエン、及びナフタレン)がある。操作の容易さと便利な取り扱いとのために、炭素数2〜10のアルカンと単環芳香族(monoaromatic)炭化水素が好ましい。
【0046】
特定のパージガス又はガス組合せのいずれを用いるかに拘わらず、パージガスは一般に、約0.03〜約30ガス毎時空間速度(GHSV)の範囲内の速度で焼結室を通って流れる。好ましくは、パージガスは1〜5GHSVの空間速度を有する。好ましくは、パージガスは少なくとも20体積%の窒素ガスと約0.1〜10%の炭化水素とを含む。
【0047】
特定の理論によって縛られるのを望むわけではないが、炭化水素は、少なくとも一部は、均一に分配したゲッターとして作用し、マトリックス全体に分配したウィスカーに対して反応性である、焼結プロセス中に複合体から発生する又は炉中に存在する、表面種若しくは局在化種を除去するように作用する。ウィスカーが焼結プロセスを通して保護され、最終生成物中のマトリックスをより良好に強化することができることが正味の効果である。この保護機構は黒鉛ダイ中でのホットプレスが高度に強化された複合体を生成する理由の理解をも助ける:すなわち、サンプルに対する固体炭素プレスは、複合体と周囲とからの反応性種に接触し、これらを不活化することができるほど充分に密接である。より大きい黒鉛室又は容器における常圧焼結の場合には、炭素が複合体面からあまりに離れすぎ、またその効果があまりに局在化しているために反応性種に対して同様な保護を与えることができないので、同じレベルの保護が示されない。
【0048】
グリーン体の表面が焼結炉内の雰囲気に直接暴露されるのを防ぐように、グリーン体を例えば炭素質布帛又は炭素粉末のような炭素質物質によって包囲する、包む若しくは他のやり方で囲む場合に、焼結生成物の品質がさらに改良されることを認めることができる。炭素質物質が例えばファイバー マテーリアル社(Fiber Materials,Inc.)(メイン州,ビデフォード)からGrade CHとして商業的に入手可能であるような、炭素質フェルト布帛であることが好ましい。
【0049】
炭素質保護被覆が存在しない場合には、暴露された焼結体表面は例えばピット形成(pitting)のような表面劣化を示し、炭化ケイ素強化ウィスカーを用いる場合には、炭化ケイ素ウィスカーによってアルミナに通常与えられる緑色から明瞭に識別される白−灰色部分を示す。これらの徴候(sign)は大型パーツ(part)と小型パーツの両方に現れるが、厚さが約10mmを越えるパーツにより顕著に現れる。焼結体がこのような徴候を示す場合には、何らかの形式のカプセル封入又はクラッディング(cladding)を用いずには、物質をHIPによって理論値の98%を越える密度までにさらにプレスすることができない。
【0050】
常圧焼結プロセスから得られる複合体は、理論値の98%を越える密度までにHIPによってさらにプレスすることを可能にするほど充分な独立孔構造の含量を有する。焼結密度と独立孔構造とに影響を与える要素には、粉末の細かさ、ウィスカー含量として存在する窒化ケイ素量、乾式ボールミル粉砕度、パージガス(例えば、窒素が高密度と独立孔のために有益である)、焼結速度及び焼結温度がある。これらの要素の最適バランスは当該技術分野の熟練の範囲内である。
【0051】
本発明による焼結体は、HIP後に約5MPa√mを越える破壊靭性と約500Mpaを越える破壊強度とを有し、複合体の幾つかの用途に有用であることを示唆する性質を生ずる。破壊靭性は,アンスティス(G.R.Anstis)等のGen.Am.Ceram.Soc.,64,553頁(1981)にしたがって、10kg荷重を用いて測定され、破壊強度はASTM C1161にしたがって測定される。これらの焼結体は、HIPの前であっても、非常に高い引張り強度を必ずしも必要としない用途に有用である。このような用途には、特に、ノズル、シール、ある一定のベアリング、軟質金属(例えば、黄銅)を造形するためのある種のツールがある。
【0052】
焼結プロセスが約98%未満の密度を有する焼結体を生ずる場合には、焼結予成形体をホットアイソスタティックプレス(HIP)によって、約98%を越える密度を有するプレス体を生ずるために、充分な時間さらにプレスすることができる。熱間アイソスタティックプレスを受けるパーツの周囲に外部クラッディング又はカプセル封入用物質を用いることなくホットアイソスタティックプレスによるさらに高密度化を達成することができるほど、充分に高濃度の独立孔を有する生成物を、本発明が常圧焼結から形成することを認めるべきである。
【0053】
焼結複合体のHIPは標準の先行技術方法を用いて実施される。このような方法は約15,000〜約30,000psiの圧力下、約1500〜約1700℃の温度において、不活性ガス(しばしば、アルゴン)を少なくとも約98%の所望の密度を得るために充分な時間(例えば、1〜2時間)用いる。
【0054】
本発明から得られるHIP複合体は、靭性と耐衝撃性が重要な特徴であり、今までは熱間プレスによって製造されたセラミックによって間に合わされてきた、摩耗及び/又は衝撃を受ける種々な要素の製造に有用である。本発明のHIP複合体の特定の用途には、特に、黒鉛複合体、プラスチック、木材又は金属用の切断縁を有するドリルバイト;特に、木材、耐火ボード、金属、プラスチック、又は積層複合体(黒鉛複合体と木材ラミネートを含む)用の切断縁を有するルーターバイト(router bite);金属を切断するための切断縁を有する切断ツール;タービンブレード;例えば、エンジンブロック(engin block)、ピストン及び弁のような熱エンジン構成要素;缶製造又は他の金属造形操作に適した表面とクリアランスとを有するパンチとダイ;ノズル;金属若しくはセラミックレース(ceramic race)内のアセンブリーとして形成されるローラー又はボールベアリング;押出成形ダイ;及びシール(特に、羽根車のポンプシール)がある。これらの製品は一般に、必要な再加工が最小であるように、ニアネットファイナル形状に近い形状に成形することができる。
【0055】
本発明の方法を用いてセラミックから製造されるドリルとルーターバイトは、通常のドリルとルーターバイトの形状と同じである形状を有する。これらのツールは木材、金属、及び例えば黒鉛複合体と木材ラミネートのようなラミネートを切断するために有用である。実際に、黒鉛複合体を切断するための本発明のセラミックツールの使用は、離層なしに黒鉛複合体に数百の孔を開けることができる熱間プレスセラミックバイトと同様に機能する。ラウダー(Lauder)の米国特許第5,002,439号を参照のこと。
【0056】
切削工具に用いる場合に、この切削工具は切削工具工業において、特にターニング(turning)、表面仕上げ、磨砕、穿孔等の操作を含めた用途に用いられる標準形状の交換可能なインサートである。このインサートは所望の切断技術にしたがって金属を切断するために適した寸法と角度とを有する切断縁を含む。例えば、ニッケル基合金を切断するために好ましいインサート形状は−5°の軸傾斜(axial rake)と、15°の末端切断縁角度と、5°の半径方向逃げ角(radial relief)を伴う−5°の半径方向傾斜と、0.030インチ(0.762mm)の刃先半径を伴う15°のコーナー角度とを有する。ここに参考文献として関係する、ローデス(Rhodes)の米国特許第4,961,757号と第4,789,277号を参照のこと。実際に、この方法の使用は、大きいブランクの切削加工とそれに伴う物質廃棄とを必要とせずに、ニアネットファイナル形状にインサートとツールとを製造することを可能にする。
【0057】
本発明によって製造されるセラミック製缶工具は(HIPの前又は後のいずれかに)ホイール、平滑な外面と関連するダイとパンチ要素との間の密接な許容度とを有するパンチ及び/又はダイを成形する形状を有する。ウィスカー強化アルミナセラミックは、工具の外面に缶材料を有意に蓄積させることなく、長時間平滑なパーツ表面を生ずることができる点で、多くの特有の利点を有する。ラウダーの米国特許第5,095,730号を参照のこと。
【0058】
本発明によって製造されるセラミック体は、常圧焼結後とHIP後の両方において、ウィスカーの実質的にランダムな三次元配向を有するので、耐破壊性は実質的にあらゆる方向において同じである。この配向は熱間プレスセラミック製品において得られる実質的な二次元配向(ラムの軸に対して垂直)とは対照的である。
【0059】
【実施例】
実施例
下記実施例は本発明の利点を説明するために有用である。全ての実施例において、アルミナは少なくとも99.97%の純度を有し、3.98±0.02g/cm3の密度を有する商業的に入手可能なα−アルミナ粉末であった。アルミナの表面積は10.5m2/gであった。焼結助剤は4%未満のレベルでのマグネシアとイットリアであった。
【0060】
窒化ケイ素粉末は約3.18g/cm3の密度を有する、α−形(>90%)とβ−形(<10%)の商業的に入手可能な混合物であった。窒化ケイ素粉末の平均粒度は0.45μmであった。
【0061】
実施例に用いた単結晶ウィスカーは籾殻から製造される炭化ケイ素ウィスカーであった。加工前のこれらのウィスカーは約0.4〜約0.6μmの平均直径と、約15〜150の初期アスペクト比とを有する。このウィスカーは3.21g/cm3の密度を有した。
【0062】
他に述べないかぎり、全ての%は総重量を基準とした重量%として記載する。
実施例1〜2
実施例1は、湿式粉砕によって最初に分散された炭化ケイ素ウィスカー18体積%を含む炭化ケイ素ウィスカー強化アルミナマトリックスであり、これを乾燥し、次に16時間乾式ボールミル粉砕し、本発明によって常圧焼結した。実施例2はウィスカー23.8体積%を含む同じマトリックスであり、乾式ボールミル粉砕を約20時間実施した以外は同じミル粉砕順序を施した。代表的な粉末サンプルのコンピュータ化画像分析(形状関数0.6に設定、平均ウィスカー直径=0.5μm)によって、ミル粉砕した粉末中のウィスカーの平均アスペクト比を500X倍率で測定した。
【0063】
各物質をバー形状のグリーン予成形体に成形し、炭素質フェルト布帛によって包み、窒素とプロパン1〜3%とを含むパージガスの影響下で焼結した。焼結し、HIPした生成物の靭性は10を越えるアスペクト比を有するウィスカーの高いレベルを用いたホットプレスサンプルに匹敵する。表1を参照のこと。
【0064】
ここに示す実施例が説明のためであり、特許請求の範囲に対する限定として作用するように意図されないことは理解されるであろう。
Claims (5)
- 理論最大値の約60%〜約70%の範囲内の密度を有し、本質的にアルミナと約4重量%までの焼結助剤とから成るマトリックスと、約10〜約25重量%の、約3から10未満の範囲内の平均アスペクト比を有する単結晶ウィスカーと、約2〜約7.5重量%の、本質的に窒化ケイ素若しくは窒化アルミニウム又はこれらの混合物から成る窒化物改質剤とを含む混合物から製造される予成形体を周囲圧力において焼結して、理論密度の少なくとも約95%の密度と、ホットアイソスタティックプレスによる高密度化時に理論密度の少なくとも約98%の密度を得るために充分に高い独立孔対連続孔比率とを有するセラミック焼結複合体を形成することを含む焼結複合体の製造方法。
- 窒素ガスと炭化水素とを含むパージガスを用いて、焼結を実施する請求項1記載の方法。
- 炭素質物質によって囲まれた予成形体によって、焼結を実施する請求項1記載の方法。
- 約5〜9の平均アスペクト比を有する単結晶ウィスカーを含む予成形体に対して焼結を実施する請求項1記載の方法。
- 理論最大値の約60%〜約70%の範囲内の密度を有し、本質的にアルミナと約4重量%までの焼結助剤とから成るマトリックスと、約10〜約25重量%の、約3から10未満の範囲内の平均アスペクト比を有する単結晶ウィスカーと、約2〜約7.5重量%の、本質的に窒化ケイ素若しくは窒化アルミニウム若しくはこれらの混合物から成る窒化物改質剤とを含む混合物から製造される予成形体を、前記予成形体の表面が焼結炉内のコンディションに直接暴露されることから保護する炭素質物質によって包囲して、焼結炉内で周囲圧力において焼結して、理論密度の少なくとも約95%の密度と、ホットアイソスタティック成形による高密度化時に理論密度の少なくとも約98%の密度を得るために充分に高い独立孔対連続孔比率とを有するセラミック焼結複合体を形成することを含む請求項1記載の方法。
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