JP3554121B2 - リードバルブ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車や二輪車等のエンジンの排ガス浄化経路あるいは吸気経路等に装着されるリードバルブに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
リードバルブは、管ケーシングによる排ガス等の流路を遮断するように取り付けられ中央部に弁孔が開設されたボディと、このボディの一側面に前記弁孔を閉塞するように添設され片持ち状に固定された金属薄板からなるリードと、このリードと共に前記ボディの一側面に片持ち状に固定されたストッパプレートとを備え、前記管ケーシング内の一定方向への流れのみを許容するものである。この種のリードバルブは、エンジン駆動に伴う管ケーシング内の圧力変化に応じてリードが開閉動作し、ボディの一側面とストッパプレートに交互に繰り返し接触することによって衝撃振動が発生する。このため従来は、前記ボディを、弁孔周辺の弁座部と管ケーシングに取り付けられるフランジ部とに分断してこれを弾性体で弾性的に連結した構造とし、リードの繰り返し接触によって前記弁座部に発生する衝撃振動を前記弾性体によって絶縁するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、ボディを弁座部とフランジ部に単純に分断して弾性体で連結したものでは、衝撃や、管ケーシング内の圧力による弁座部の変位に伴って弾性体が剪断力を受けるため、前記管ケーシング内の閉弁方向の圧力に対する耐圧性に問題があり、また、リードの開閉速度(衝撃の周波数)等の条件によっても弾性体が破損する恐れがある。弾性体が破損した場合は、この破損部分を流体が通過するため、リードバルブの逆止弁機能が損なわれてしまうことになる。
【0004】
本発明は、上記のような事情のもとになされたもので、その技術的課題とするところは、リードの開閉動作に伴って発生する衝撃振動を絶縁するための弾性体の耐久性を向上させることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
【0006】
従来の技術的課題を有効に解決するための手段として、本願の請求項1に係る発明は、管ケーシングによる流路を遮断するように取り付けられ弁孔が開設されたボディと、このボディの一側面に前記弁孔を閉塞するように添設され片持ち状に固定された金属薄板からなるリードと、このリードと共に前記ボディの一側面に片持ち状に固定されたストッパプレートとを備え、前記ボディは、前記弁孔周辺の弁座部とその外周側に離間配置されて前記管ケーシングに取り付けられるフランジ部とをエラストマからなる弾性体を介して弾性的に連結したリードバルブにおいて、前記弁座部とフランジ部とを橋絡部を介して一体的に連結し、前記橋絡部は細く形成されて可撓性を有するものであることを特徴とする。すなわちこの構成によれば、リードの開閉動作によって前記弁座部に発生する衝撃振動や、管ケーシング内の圧力による弁座部の変位力の一部を可撓変形可能な橋絡部で受けるので、弾性体の受ける負荷が軽減され、これによって弾性体の耐久性が向上する。また、この場合に前記橋絡部を介して伝播される振動は、この橋絡部をラビリンス状に形成して適当な自由度を与えることによって有効に吸収することができる。
【0007】
【0008】
また好ましくは、ボディの弁座部における弾性体との接着面及びフランジ部における弾性体との接着面がボディの厚さ方向中間部で前記弾性体側に対して突出又は後退した形状とすることによって、流路内の圧力や繰り返し変形による弾性体の剥離等を防止することができる。フランジ部における弾性体との接着面に前記リードと反対側で内周に張り出し、この接着面の周方向に連続又は断続した突起を形成しても同様の効果が得られる。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明に係るリードバルブの第一の実施形態を示すもので、(A)は平面図、(B)は(A)におけるB−B’線位置で切断した断面図である。この図において、参照符号1は当該リードバルブのボディであって、二つの弁孔1aが並んで開設された弁座部11と、この弁座部11の外周側を取り囲むように配置したフランジ部12との間に、エラストマからなる弾性体13を加硫成形したものである。
【0010】
弁座部11の一側面には、金属薄板からなるリード2が各弁孔1aを塞ぐように添設され、このリード2の開弁動作時の変形量を規制する湾曲した金属板からなるストッパプレート3と共に、共通のビス4によって片持ち状に固定されている。
【0011】
この実施形態のリードバルブは、図1(B)の断面に一点鎖線で示すように、ボディ1が、管ケーシングによって形成される例えばエンジンからの排ガス流路100を遮断するように、かつリード2及びストッパプレート3側の面(図における上面)が前記流路100における下流側に臨むように設けられ、このボディ1のフランジ部12が前記管ケーシングの継手フランジ間にガスケットを介して挟み込まれた状態に固定される。この装着状態においては、流路100中をその上流側(エンジン側)から送られる排ガスの圧力によって、金属薄板からなるリード2の自由端が下流側へ開弁動作し、弁孔1aを通じて流路100の上流側から下流側への前記排ガスの流れを許容するが、上流側の圧力が低下し、あるいは下流側が相対的に高圧となった場合はリード2は弁座部11との密接位置へ閉弁動作し、弁孔1aを閉塞することによって、下流側から上流側への排ガスの流れを遮断する。
【0012】
上述のようなリード2の開閉動作においては、このリード2がストッパプレート3及び弁座部11に交互に繰り返し衝接することによって、弁座部11に衝撃振動が発生するが、この弁座部11からフランジ部12への前記衝撃振動の伝播は、弾性体13の粘弾性によって有効に吸収・減衰される。
【0013】
【0014】
また、この実施形態においては、ボディ1の弁座部11とその外周のフランジ部12が左右二か所の細い橋絡部14を介して一体的に連結されており、前記弁座部11とフランジ部12との間に加硫成形された弾性体13は、前記橋絡部14,14によって周方向二か所で分断された形状となっている。すなわち、ボディ1における弁座部11、フランジ部12及び橋絡部14は、弾性体13を介在させるコ字形の溝を打ち抜く等の方法によって一体に形成される。
【0015】
この実施形態によれば、リード2が弁孔1aを閉塞した閉弁状態において流路100の下流側の圧力が上流側よりも相対的に高圧となることによって、弁座部11が相対的に低圧となる上流側へ向けて圧力差を受けた場合、これによる荷重の一部は橋絡部14,14が負担することになるので、弾性体13の受ける負荷が軽減され、これによって弾性体13の耐久性が向上する。この場合、橋絡部14の剛性が大きいと、弁座部11の振動は橋絡部14を介してフランジ部12へ伝播されることになるが、この橋絡部14を細く形成してある程度の可撓性を持たせることによって、弾性体13の適度な自由度を確保し、振動絶縁性の低下を抑えることができる。
【0016】
また図2は、フランジ部12の橋絡部14の近傍部分に長孔12bを形成することによって、前記橋絡部14をラビリンス状に形成したものである。前記長孔12bは弾性体13と同一のエラストマからなる弾性体層13’が形成される。この例においては、橋絡部14の実質長さが増大すること、及び橋絡部14における弁座部11側の部分14aの可撓方向と長孔12b側の部分14bの可撓方向が相違することによって、そのバネ定数を低くしており、これによって弾性体13の自由度を増大させて優れた振動絶縁性を確保することができる。
【0017】
図3は、上記第一の実施形態におけるボディ1の弾性体13との接着面11a,12aの断面形状を例示したものである。すなわち、弁座部11及びフランジ部12における弾性体13との接着面11a,12aに、図示のような種々の形状の突起又は凹部を形成することによって、弁座部11及びフランジ部12と弾性体13が互いに咬みあった形状となり、しかも接着面積が増大するので、衝撃振動の入力や流路100内の圧力に対する接着強度が増大する。また、このような凹凸形状の組み合わせによって、弾性体13のバネ定数を、リード2の開閉速度(衝撃振動の周波数)等の条件に応じて優れた振動絶縁性が得られるように設定することができる。
【0018】
図4は、本発明に係るリードバルブの第二の実施形態を図1(A)のB−B’線と対応する箇所で切断した装着状態の断面図、図5は未装着状態の要部断面図である。この実施形態によれば、ボディ1のフランジ部12におけるリード2側の面(図における上面)の内周部に段差状溝12cが全周連続して形成され、この段差状溝12c内には弾性体13を構成するエラストマ材料の一部によってビード部15が一体的に形成されている。
【0019】
ビード部15は、原形では図5に示すようにフランジ部12から突出した形状となっており、当該リードバルブを管ケーシング101,102間に装着した状態では、図4に示すように下流側の管ケーシング102の継手フランジ102aに潰された状態で密接される。すなわちこのビード部15は、前記継手フランジ102aとボディ1のフランジ部12との間でガスケットとして機能するため、この部分には例えば図1に示すようなガスケットの介装が不要である。
【0020】
また、弁座部11とフランジ部12との間に弾性体13を加硫成形した場合、成形後の体積収縮に起因して弾性体13には残留引っ張り応力が発生するが、この実施形態においては、図4に示すように、管ケーシング102の継手フランジ102aとの圧接によって潰されるビード部15の圧縮反力が、前記残留引っ張り応力を解消する方向に作用するので、これによっても弾性体13の耐久性が向上される。
【0021】
図6は上記第二の実施形態における弾性体13及びビード部15の接着部の形状例を示すもので、フランジ部12における弾性体13との接着面12aに、弾性体13の耐圧性を高めるために周方向に断続又は連続した突起部12dが形成されている。また、この図における(A)及び(C)は、図4及び図5と同様、ビード部15が弾性体13と一体形成されているが、(B)及び(D)はビード部15が弾性体13と分離形成されている。
【0022】
なお、本発明は、図示の実施形態によって限定的に解釈されるものではない。例えば、ボディ1の弁座部11及びフランジ部12と弾性体13との接着形状は図示の例以外にも種々のものが考えられる。
【0023】
更に、図4乃至図6の実施形態では、ビード部15がフランジ部12の片面にのみ形成されているが、これを両面に形成することもできる。
【0024】
【発明の効果】
本発明のリードバルブによると、管ケーシング内の閉弁方向の圧力やリードの開閉による衝撃振動に対する弾性体の耐久性を向上させることができる。
すなわち、弁座部とフランジ部とを橋絡部を介して一体的に連結し、この橋絡部は細く形成されて可撓性を有するものであるために、リードが弁孔を閉塞した閉弁状態において流路の下流側の圧力が上流側よりも相対的に高圧となることによって弁座部が相対的に低圧となる上流側へ向けて圧力差を受けると、これによる荷重の一部を橋絡部が負担する。したがって弾性体の受ける負荷が軽減され、これによって弾性体の耐久性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るリードバルブの第一の実施形態を示すもので、(A)は平面図、(B)は(A)におけるB−B’線位置で切断した断面図である。
【図2】上記第一の実施形態における橋絡部の形状例を示す平面図である。
【図3】上記第一の実施形態における弾性体の断面形状例を示す要部断面図である。
【図4】本発明に係るリードバルブの第二の実施形態を図1(A)のB−B’線と対応する箇所で切断して示す装着状態の断面図である。
【図5】上記第二の実施形態の未装着状態の要部断面図である。
【図6】上記第二の実施形態における弾性体の断面形状例を示す要部断面図である。
【符号の説明】
1 ボディ
11 弁座部
12 フランジ部
13 弾性体
14 橋絡部
15 ビード部
2 リード
3 ストッパプレート
100 流路
101,102 管ケーシング
Claims (4)
- 管ケーシング(101)(102)による流路(100)を遮断するように取り付けられ弁孔(1a)が開設されたボディ(1)と、このボディ(1)の一側面に前記弁孔(1a)を閉塞するように添設され片持ち状に固定された金属薄板からなるリード(2)と、このリード(2)と共に前記ボディ(1)の一側面に片持ち状に固定されたストッパプレート(3)とを備え、前記ボディ(1)は、前記弁孔(1a)周辺の弁座部(11)とその外周側に離間配置されて前記管ケーシング(101)(102)に取り付けられるフランジ部(12)とをエラストマからなる弾性体(13)を介して弾性的に連結したリードバルブにおいて、
前記弁座部(11)とフランジ部(12)とを橋絡部(14)を介して一体的に連結し、前記橋絡部(14)は細く形成されて可撓性を有するものであることを特徴とするリードバルブ。 - 橋絡部(14)がラビリンス状に形成されたことを特徴とする請求項1に記載のリードバルブ。
- ボディ(1)の弁座部(11)における弾性体(13)との接着面(11a)及びフランジ部(12)における弾性体(13)との接着面(12a)がボディ(1)の厚さ方向中間部で前記弾性体(13)側に対して突出又は後退した形状をなすことを特徴とする請求項1に記載のリードバルブ。
- フランジ部(12)における弾性体(13)との接着面(12a)に前記リード(2)と反対側で内周に張り出し、この接着面(12a)の周方向に連続又は断続した突起(12d)が形成されてなることを特徴とする請求項1に記載のリードバルブ。
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