JP3553389B2 - セラミックフィルタの端部封止方法及びセラミックフィルタの端部封止装置 - Google Patents
セラミックフィルタの端部封止方法及びセラミックフィルタの端部封止装置 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、セラミックフィルタの端部封止方法及びセラミックフィルタの端部封止装置に関し、特に、半導体製造工業分野において使用される管状セラミックガスフィルタの端部封止に好適に適用されるセラミックフィルタの端部封止方法及び該方法に使用する端部封止装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
セラミックフィルタは、液体と固体の分離操作や気体と固体の分離操作に使用され、特に気・固系分離操作の範疇に属する、空気清浄化、ガス純化等の用途や半導体製造工業分野等におけるガス中のダスト除去等の用途に、広く使用されている。
セラミックフィルタは、一般に、透気性多孔質セラミックからなる基体表面に、該多孔質基体の気孔径よりも小さい気孔径を有するセラミック焼結膜層(濾過膜層)を焼結により形成させて作製される。
管型形状のセラミックフィルタの場合は、通常、長尺ものの円管基体の内外表面の一方側に前記膜層を焼結により形成させた後、該膜層が形成された基体を所定長さに切断加工し、その両端部を封止処理してから製品としている。
【0003】
このようにフィルタ端部の封止処理が必要な理由は、上記濾過膜層が形成された長尺ものの円管を切断したままの状態で使用した場合、その切断面(端面)は基材のセラミック多孔質材が表面に露出したままの状態であり、この部分からリークが生じて完全な濾過分離ができないという不都合が起こるからである。
また、切断時に機械的に加えられた力による応力歪み等により往々にして該端部近傍の膜層に剥離が生じたり、傷が発生する場合がある。このような損傷を受けたセラミックフィルタを使用すると、その部分からリークが生じ完全な濾過分離ができないという不都合が起こるからである。
そのため、通常は、セラミックフィルタ端面だけでなく、端面とその近傍の周側面を同時に封止処理を行っている。
【0004】
このような理由により管状のセラミックフィルタでは、従来からこの端部の封止処理が一般的に実施されている。
このセラミックフィルタの端部封止処理には、既に各種の方法が提案され、例えば、特開平1−284316号公報には、濾過層が積層された筒状複層セラミックフィルタ基体の切断後の両端部断面に、セラミック微細粒子スラリーを付着させて再焼成し、該端部断面にセラミック微細粒子焼結層から成る封止層を形成させる方法が開示されている。
また、特開平3−270704号公報には、粗粒層と細粒層とからなるセラミックス製管状フィルタの端部を封止スラリー液中に浸漬し、フィルタ内孔を真空吸引することによりフィルタ端部の外周面に封止膜を形成するセラミック管状フィルタの端部封止方法が開示されている。
【0005】
このセラミックフィルタ端部の封止処理には、一般に、無機系、有機系等の各種の封止剤が用いられ、フィルタの用途、使用条件等に応じて適宜選択使用される。
しかしながら、有機系の封止剤は一般にガスや水分を吸着しやすく、耐熱性が低く、高温に加熱できない等の欠点を有し、このため、このような欠点のない無機系封止剤を使用する端部封止が主流となりつつある。
この無機系封止剤としては、例えば、アルミナ、シリカ、ジルコニア等のセラミック系無機材料粉末の内から適当なものを選定し、それをスラリー状にしたものが一般的に使用され、このスラリーを用いて、前記フィルタの端部を、例えば、スラリー中に浸漬する等の方法で付着させ、付着素材を焼結してシール層を形成させている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記セラミック系無機材料粉末のスラリーを封止剤として用いて、セラミックフィルタの端部をスラリー中に浸漬する等の方法で付着させる従来の端部封止方法では、フィルタ端部の端面及びその近傍の側面を所定の一定幅で被覆することが困難である。また、スラリー中の無機粒子の沈降等により、フィルタ端面に接触する液面近傍のスラリー濃度が経時的に変化してしまう。
このため、多数のフィルタを逐次的に連続して処理することが必要な工業的大量処理の場合、封止に有効なスラリー中の固形成分の付着量にばらつきが生じ、シール性が良好で、ガス透過量が一定のフィルタ製品を歩留まり良く製造することが困難であるという技術的課題があった。
このスラリー中の無機粒子の沈降等による液面近傍のスラリー濃度の経時変化を回避するため、スラリーを攪拌することが考えられるが、スラリーを単に攪拌したのでは、スラリー液面が攪拌により揺動して該フィルタ端部を一様に均一被覆することができなかったり、たとえ激しい揺動を避けるように攪拌したとしても、該液面が完全に平坦状とはならず、しかもその液面形状が絶えず経時的に変化するため、フィルタ端部、特に端面近傍の側周面を所定幅で一定に被覆することが困難であるという課題を生ずる。
【0007】
また、フィルタ端部にスラリーを塗布する方法も考えられるが、この場合は、個々のフィルタの端部塗布に手間と時間を要するためコスト高となるだけでなく、大量のフィルタを処理することが困難で工業的処理には適さない。
【0008】
本発明は、上記の従来の技術的課題を解決するためになされたものであり、フィルタ端部の端面及びその近傍側周面を所定の一定幅で均質に被覆することができるセラミックフィルタの端部封止方法及びセラミックフィルタの端部封止装置を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明にかかるセラミックフィルタの端部封止方法は、管状のセラミックフィルタの端部を、封止液を用いて封止するセラミックフィルタの端部封止方法において、封止液に浮かべられると共に、該セラミックフィルタを搭載したフロート治具の沈下により、セラミックフィルタ端部を封止液に接触させ、少なくとも該端部の端面に封止液を付着させることにより端部封止を行うことを特徴としている。このように、フロート治具にセラミックフィルタを搭載し、フィルタ端部を封止液に接触させているため、封止液の液面が揺動しても、それに応じてフロート治具も上下動するため、少なくとも該端部の端面を均質に被覆することができ
る。
【0010】
ここで、前記封止液を容器に収容した後、フロ−ト治具を、前記封止液面に応じて上下動自在に浮かべると共に、浮遊せず一定の面域的に定置されるように容器に係止し、セラミックフィルタをフロート治具に搭載し、該セラミックフィルタ搭載に基づくフロート治具の沈下によりセラミックフィルタ端部を封止液に接触させ、少なくとも該端部の端面に封止液を付着させることにより端部封止を行うことが望ましい。
このように、フロ−ト治具は、前記封止液面に応じて上下動自在に浮かべると共に、浮遊せず一定の面域的に定置されるように容器に係止するため、セラミックフィルタを安定してフロート治具に搭載でき、少なくともセラミックフィルタ端部の端面を均質に被覆することができるのみならず、同一の容器内に数多くのフロ−ト治具を配し、数多くのセラミックフィルタ端面封止処理を同時に行うことができる。
【0011】
また、前記封止液を容器に収容した後、上面から底面にほぼ垂直に貫通する貫通孔を備えたフロート治具を、前記封止液面に応じて上下動自在に浮かべ、前記セラミックフィルタを被処理端部が封止液側に配されるように保持するフィルタ保持治具を、前記フロート治具の貫通孔内に挿入し、前記フィルタ保持治具をフロート治具で支持することにより、該フィルタ保持治具を介してセラミックフィルタをフロート治具に搭載し、該セラミックフィルタ搭載に基づくフロート治具の沈下によりセラミックフィルタ端部を封止液に接触させ、少なくとも該端部の端面に封止液を付着させることにより端部封止を行うことが望ましい。
このようにフィルタ保持治具を用いているため、フィルタ端部が封止液に侵入する深さを容易に調節できる。
【0012】
また、セラミックフィルタ搭載に基づくフロート治具の沈下によりセラミックフィルタ端部を封止液に接触させる際、セラミックフィルタ端面から所定の幅をもって沈下させ、セラミックフィルタの端面及びその近傍の側面に封止液を付着させることにより端部封止を行うことが望ましい。
【0013】
更に、セラミックフィルタ端部を封止液に接触させる際、前記容器内に収容された封止液の液面が激しく揺動しない程度に攪拌されていることが望ましい。
このように、封止液は攪拌されているため、均質な濃度を維持できる。フロ−ト治具は、前記封止液面に応じて上下動自在に浮かべられているため、いわゆる液面に緩やかな揺れがあっても、セラミックフィルタの端面を均質に被覆することができる。しかし、液面が激しく揺動した場合には、いわゆる波の影響を受けてセラミックフィルタの端面近傍の側面に封止液を一定幅をもって付着させることができないことがある。
【0014】
また、前記封止液が無機質粉末のスラリーであることが望ましく、また前記スラリーを構成する無機質粉末がアルミナ、シリカ、ジルコニア及び炭化ケイ素粉末から選ばれた少なくとも一種であることが望ましい。
【0015】
また、本発明にかかるセラミックフィルタの端部封止装置は、管状のセラミックフィルタの端部を、封止液を用いて封止するセラミックフィルタの端部封止装置において、封止液を収容した容器と、前記容器に収容された封止液に浮かべられるフロート治具と、前記セラミックフィルタを前記フロート治具に搭載すると共に、セラミックフィルタを被処理端部を封止液側に配して保持する保持手段とを備え、該セラミックフィルタを搭載したフロート治具の沈下により、セラミックフィルタ端部を封止液に接触させ、少なくとも該端部の端面に封止液を付着させることを特徴としている。
このように、フロート治具にセラミックフィルタを搭載し、フィルタ端部を封止液に接触させる構成を備えているため、封止液の液面が揺動しても、それに応じてフロート治具も上下動するため、少なくとも該端部の端面を均質に被覆することができる。
【0016】
ここで、管状のセラミックフィルタの端部を、封止液を用いて封止するセラミックフィルタの端部封止装置において、封止液を収容した容器と、前記容器に収容された封止液に浮かべられるフロート治具と、前記セラミックフィルタを前記フロート治具に搭載すると共に、セラミックフィルタを被処理端部を封止液側に配して保持する保持手段と、前記フロ−ト治具を、前記封止液面に応じて上下動自在に浮かべられると共に、浮遊せず一定の面域的に定置されるように容器に係止する止め治具とを備えることが望ましい。
このように、フロ−ト治具は、前記封止液面に応じて上下動自在に浮かべられると共に、浮遊せず一定の面域的に定置されるように容器に係止される構成を備えているため、セラミックフィルタを安定してフロート治具に搭載でき、少なくともセラミックフィルタ端部の端面を均質に被覆することができるのみならず、同一の容器内に数多くのフロ−ト治具を配し、数多くのセラミックフィルタ端面封止処理を同時に行うことができる。
【0017】
また、前記フロート治具が上面から底面にほぼ垂直に貫通する貫通孔を有し、前記保持手段が前記フロート治具の貫通孔内に挿入可能に形成されると共に、前記フロート治具で支持可能に形成されたフィルタ保持治具であることが望ましい。
このようにフィルタ保持治具を用いれば、フィルタ端部が封止液に侵入する深さを容易に調節できる。
【0018】
また、フィルタ保持治具の上端部にフランジが形成され、前記フランジがフロ−ト治具の上面に係止されることにより、フィルタ保持治具がフロート治具で支持されることが望ましく、また、前記フィルタ保持治具が、その底面に、前記セラミックフィルタ端部に封止液が付着可能に形成されたフィルタ載置用の支持部材を備えたことが望ましく、更に前記フィルタ載置用の支持部材が、前記フィルタ保持治具の底面部に張られた少なくとも一本以上の細線又はその組合せからなる支持部材であることが望ましい。
なお、前記フィルタ保持治具は、フィルタが挿入されるフィルタ挿入孔を備え、前記挿入孔内周面の少なくとも一部がセラミックフィルタの外周面と接するように形成され、その接触静止摩擦力により該フィルタがフィルタ保持治具に保持されるように構成されていても良い。
【0019】
また、前記セラミックフィルタ搭載に基づくフロート治具の沈下幅を調節するためのフロート治具の重量調節手段が、フロート治具または保持手段に設けられていることが望ましく、このように重量調節手段が設けられていれば、1つのフロート治具や保持手段を用いて、重量の異なるセラミックフィルタの端面封止処理を行うことができる。
【0020】
更に、前記フロ−ト治具を、上下動自在に且つ一定の面域的に定置されるように前記容器に係止する止め治具が、L字型棒と該L字型棒を容器に固定する係止部材からなることが望ましく、また、セラミックフィルタ端部を封止液に接触させる際、前記容器内に収容された封止液の液面が激しく揺動しない程度に攪拌するための、攪拌手段が、容器底部に設けられていることが望ましい。
【0021】
以上述べたように、本発明のセラミックフィルタの端部封止方法及び端部封止装置は、封止液に浮かべたフロート治具に、管状セラミックフィルタを搭載し、このフィルタ搭載による重量増加に基づくフロート治具の沈下によりフィルタの端部を封止液面内に所定深さに浸入接触させ、封止液をフィルタの端部に付着させて該部分に封止膜層を形成させるように構成した点が顕著な特徴である。
即ち、フィルタが搭載されないフロート治具の封止液喫水線を基準として、フィルタを搭載した際のフロート治具の沈下深さを、測定等により予め検定し、このフロート治具の沈下時に、丁度、被処理フィルタの端部が、封止液の所定深さに浸漬されるようにフィルタをフロート治具にセットし、セラミックフィルタの端部に封止液をフィルタの端部に付着させるものである。
【0022】
このように本発明によれば、上記した比較的簡単な治具を用いた特定方法及び装置により、フィルタ端部の端面及びその近傍側周面を所定の一定幅で常に均質に被覆することができ、封止液の攪拌下においても処理が可能であるため、大量のフィルタの端部封止処理を逐次連続的に短時間に且つ歩留まり良く遂行できる。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明にかかるセラミックフィルタの端部封止方法及び端部封止装置を図1乃至図6に基づいて説明する。
図1は、本発明のセラミックフィルタの端部封止方法で用いる端部封止治具(フロ−ト治具、フィルタ保持治具、止め治具)を含む端部封止装置の概略図であり、(a)は断面図であり、(b)は平面図である。図2は、本発明の端部封止治具であるフロート治具の一例を示す斜視図である。図3は、本発明の端部封止治具であるフィルタ保持治具の一例を示す図であって、(a)は断面図、(b)は平面図である。図4、図5は、それぞれ図3のフィルタ保持治具と異なる形態のフィルタ保持治具の例を示す側面断面図である。図6は、本発明の端部封止治具である止め治具の一例を示す側面図である。
【0024】
まず、セラミックフィルタの端部封止装置の概略構成について説明する。
図1において、封止液(スラリー)1は容器2内に収容され、容器2の底面には封止液(スラリー)1を攪拌するための磁気回転子10が配置され、容器2は該回転子10を回転させる駆動用磁気誘導装置(図示せず)を内蔵した載置台11の上に置かれている。
【0025】
容器2内の封止液(スラリー)1の液面には、上面から底面にほぼ垂直に貫通する貫通孔31を備えた円筒形状のフロ−ト治具3が、浮かべられている。前記フロ−ト治具3は、止め治具5により、封止液の上下動に応じて上下動自在に、かつ浮遊しないように一定の面域的に定置されるように容器に係止されている。該フロ−ト治具3の貫通孔31内には、フィルタ載置用の支持部材41を底面に備えたフィルタ保持治具4が挿入されている。このフィルタ保持治具4の上端にはフランジ42が形成され、該フランジ42がフロート治具3の上面に係止され、フロート治具3で支持されるように構成されている。
【0026】
このフィルタ保持治具4の長さLは、被処理フィルタAを保持した状態で該フィルタ保持治具4をフロート治具3に搭載した場合に、フィルタAの端面が喫水面から所定深さで浸漬される長さに設定されている。
【0027】
次に、このように構成された端部封止装置を用いたセラミックフィルタの端部封止方法について説明する。
先ず、保持治具4を、前記スラリー1の液面に浮かべられたフロート治具3の貫通孔31内に挿入セットする。
次いで、フィルタAをその被処理端部を下向きにして保持治具4のフィルタ載置用支持部材41上に載置する。
フロート治具3は、フィルタAの重量が加重されたことにより沈下し、その分、喫水面が上昇する。
これにより、貫通孔31内にフィルタ保持具3を介してセットされたフィルタAの端部がスラリー液面に所定深さ浸入し、該端部の端面と所定幅の側周面に封止液(スラリー)1が付着する。
次いで、封止液からフィルタAを取り出し、最終的には、この端部にスラリーを付着させたフィルタAを焼結処理する等により該管状フィルタの端部封止を達成する。
【0028】
次に、本発明にかかる装置を構成する各治具の構成について詳述する。
前記フロート治具3は、図2に例示されているように、上面から底面にほぼ垂直に貫通する円形の貫通孔31を備えた円筒形状の治具であって、該治具自体は勿論、被処理フィルタAを保持したフィルタ保持治具4を貫通孔31内に搭載し、支持した場合においても、その上面及び底面を、封止液の液面にほぼ水平に所定喫水で浮揚できるように、所定の浮力を有する構造に形成されている。
なお、図中符号32は、後述する止め治具5のL字型棒51が挿入される挿入口である。
【0029】
前記フロート治具3は、好ましくは、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン(テフロン)等、封止液(スラリー液)に浮揚する比較的比重の軽い合成樹脂や、撥水性樹脂膜で被覆した木材等で形成されるか、または、図1に示されているフロート治具のように内部空洞構造を有するものであっても良い。
フロート治具に内部空洞構造が形成される場合には、構成材としてステンレス鋼、アルミ等の金属材を用いることもできる。
但し、被処理フィルタの用途が、例えば、半導体製造装置用のガスフィルタ等金属汚染を極度に嫌う用途に用いられるものである場合には、金属製フロート治具は適当でなく、金属を用いる場合は、例えばテフロン樹脂被覆した金属材等を用いる。
【0030】
前記フロート治具3の形状に関しては、封止液面上に安定して浮かべられる台座形状のものであれば特に限定されるものではなく多角柱状台、多角錐台形状のものも用いることができるが、封止液がスラリーの場合は攪拌により液面が回転流動することが多く、液面での流動抵抗が少ない円柱または円錐台形状に形成されることがより好ましい。貫通孔31の形状についても特に限定されない。
【0031】
また、本発明にかかる装置に用いられるフィルタ保持治具4は、図3に示したように、上端にフランジ42を備えた管体形状の筒体に形成されている。
即ち、中心軸を通る縦断面形状が、中空内部を挟んで対称L字型形状の筒体から成り、この筒体にはフィルタ保持構造が設けられている。そして、該筒体の管内にセラミックフィルタAを保持し、その筒体外周が前記フロート治具3の貫通孔31内に挿入でき、且つ上端のフランジ42がフロート治具3の上面に係止され、フロート治具3で支持されるように形成されている。このため、フィルタ保持治具4をフロート治具3に容易に取り付け、取り外しできる。
【0032】
前記フィルタ保持治具4のフィルタ保持構造としては、図3に示すようなフィルタ保持治具のように、細線等からなるフィルタ載置用の支持部材41を治具の下端底面に配設した構造のものや、あるいは図4に示すような、フィルタ挿入孔を設け、挿入孔内周面4aと管状セラミックフィルタAの外周面と所定の接触静止摩擦力を有して接する構造に形成され、フィルタ外周面と治具に形成されたフィルタ挿入孔内周面との接触静止摩擦力によりフィルタを保持する構造のものであっても良い。あるいは図5に示すような、挿入孔内周面4aに突起4bを設け、挿入孔内周面4aの少なくとも一部が管状セラミックフィルタAの外周面と所定の接触静止摩擦力を有して接し、摩擦力によりフィルタAを保持する構造のものであっても良い。
【0033】
前者、即ち、細線等からなるフィルタ保持治具4における該フィルタ載置用の支持部材41は、フィルタを安定して載置でき、且つフィルタの被処理端部に封止液が接触付着できる構造のものであれば特に限定されるものではなく、網目状細線からなる支持部材の他、格子状、単に細線を並行に張り渡しただけの構造の支持部材でも良い。
上記部材を構成する線材は、フィルタを載置しても撓んだり、伸びたりしないものが好ましく、伸縮防止加工されたプラスチック繊維、ピアノ線(金属線)等の線材を使用できる。
但し、フィルタが半導体用のガスフィルタ等の場合は汚染回避の観点から金属線等の使用は好ましくない。
上記線材の太さは、線材に接触していたために封止液が接触付着していないフィルタ端面部分にもフィルタを封止液から取り出す際に封止液が回り込んで付着するので、特に限定されないが、0.1乃至1.5mm程度が好ましい。
【0034】
後者、即ち、フィルタの外周面と治具に形成されたフィルタ挿入孔内周面との接触静止摩擦力でフィルタを保持する形態のフィルタ保持治具では、例えば図4,図5に示されるようにフィルタ外周面と接する内周面4aは、ゴム等のエラストマーやテフロン等の可撓性を有する合成樹脂材料で構成されることが好ましい。
この形態のフィルタ保持治具の場合は、被処理フィルタAの端部を下向きにして、治具の上端開口から挿入孔内に差し込むようにして挿入し、所定の挿入位置で保持してから、フロート治具3の貫通孔31内に挿入セットする。
この形態によれば、フィルタ載置用の支持部材を設ける形態に比べて、より安定してフィルタを保持できる。特に一度に複数のフィルタを保持する場合には、複数のフィルタ挿入孔を設けることにより安定して保持できる。
【0035】
また、フィルタ保持治具4は、フィルタを保持して前記フロート治具3の貫通孔内に搭載した際に、フィルタ端部が封止液(スラリー液)に常に所定深さで浸入し、該端部の端面と所定幅の側周面に封止液が常に均質に付着できるように構成されることが重要である。
このため、前記フィルタ載置用支持部材41を備えた形態のフィルタ保持具4の場合には、フィルタ保持治具4の長さ(L)をフロート治具3の浮力や、フィルタ保持治具やフィルタAの重量を勘案して、下記のように決定し、その長さに適合するフィルタ保持治具を選択して使用する。
【0036】
即ち、例えば、フィルタ端面とその近傍上方の側周面を1mm幅まで浸漬したい場合において、
イ)フィルタ重量の加重でフィルタ保持治具を支持したフロート治具が1mm沈む場合には、フィルタ保持治具の長さLを、フィルタ保持治具の底面が、フィルタ搭載前の喫水面にちょうど接する長さとする。
ロ)フィルタ重量の加重でフィルタ保持治具を支持したフロート治具が1mm未満(仮にXmm)しか沈まない場合には、フィルタ保持治具の長さLを、フィルタ保持治具の底面が、はじめからフロート治具喫水面より1−Xmmだけ浸入する長さとする。
ハ)フィルタ重量の加重でフィルタ保持治具を支持したフロート治具が1mm以上(仮にYmm)沈むものの場合には、フィルタ保持治具の長さLを、フィルタ保持治具の底面がフロート治具喫水面よりY−1mmだけ上方に位置する長さとする。
【0037】
一方、フィルタの外周面とフィルタ保持治具4に形成されたフィルタ挿入孔内周面との接触静止摩擦力でフィルタを保持する形態のフィルタ保持治具では、フロート治具3の浮力や、フィルタの重量を勘案して、挿入孔内へのフィルタの挿入深さを調節することにより上記フィルタ端部の封止液(スラリー)内への浸入深さを所定深さに設定できる。
【0038】
また、上記方法とは別に、フィルタ保持治具4のフランジ42とフロート治具3上面の間にリング等の挿入物を挿入することによりフィルタ端部位置(封止液内への侵入深さ)を調節したり、または、例えば、重量を加減できる重りをフロート治具3またはフィルタ保持治具4に載置し、この重りの増減でフロート治具3の喫水を調節する等のフロート治具3の重量調節手段を設けることによりフィルタ端部位置を調節することも可能である。
なお、フィルタ端面にのみ封止液を付着させたい場合には、封止液への侵入深さを0mmとすればよい。
【0039】
また、本発明にかかる装置に用いられる止め治具5は、図1及び図6において符号5として示すように、L字型棒51と、該棒のL字の一方をネジ止めして容器に固定する止め具52(係止部材)とから成り、前記フロート治具3上面の周縁近傍に対向的に配設された挿入口32内にそれぞれ前記L字棒の他方を挿入してフロート治具を係止するものである。しかし、止め治具5は、フロート治具3を封止液の上下動に応じて上下動自在に、且つ浮遊しないように一定の面域的に定置されるように係止し得る構造のものであれば良く、必ずしも、図1、図6に示された止め治具に限定されるものではない。
【0040】
本発明のセラミックフィルタ端部封止方法において、処理の対象となるフィルタ基体としては、透過性を有する管状、あるいはシリンダー状の多孔質セラミックからなるフィルタ基体であれば特に限定されることなく適用することができる。例えば、ガスフィルタの場合、通常のガスフィルタ基体用素材として使用されるセラミック、例えばアルミナ、ムライト、シリカ、ジルコニア、炭化珪素、窒化珪素等の粉末からなる素材を用いて長尺物の多孔質管支持体を作製し、この内面または外面に、該支持体よりも気孔径の小さい膜層(濾過層)を焼結により形成し、得られた長尺管を所定長さに切断してフィルタ基体としたもの等を対象とすることができる。
【0041】
フィルタの端部封止に用いる封止液としては、有機系、無機系を問わず使用できるが、本発明の方法及び装置は、無機系封止液である無機質粉末のスラリー液を封止液として用いる場合に特に有効である。
該封止液に用いられる無機質粉末の種類としては、例えば、アルミナ、ムライト、シリカ、ジルコニア、炭化珪素、窒化珪素等の粉末粒子を用いることができるが、前記セラミックフィルタ基材形成用に用いられるセラミック粒子と同種のものを用いることが好ましい。
その粒径は、前記セラミックフィルタ基材形成用に用いたものより細粒径のものを用いることが好ましく、通常、平均粒径として10μm以下、特に、フィルタの濾過膜層形成用粒子とほぼ同じ粒径の平均粒径0.5乃至3.0μmのものを用いることが好ましい。
封止液(スラリー)は、無機質粉末固形分濃度として40乃至60重量%程度のスラリーとすることが好ましく、溶媒としては水、または、水及びアルコールの混合溶媒を用いることが好ましく、その混合割合は水とアルコールの重量比で、水:アルコール=7:3〜5:5が好ましく、アルコールとしてはエタノールがより好ましい。特に、スラリー分散剤として少量の塩酸、ヘキサメタリン酸ナトリウム、ポリアクリル酸アンモニウム、カルボン酸系分散剤等から選ばれた少なくとも一種を添加したスラリーとすることが好ましく、超音波分散処理を行うことがより好ましい。
【0042】
封止液を収容する容器2としては、本発明の前記フロート治具を浮かべることのできる広さと深さを有する容器であれば特に限定されることなく使用できるが、封止液がスラリーである場合には、スラリー液面を激しく揺動させることなく攪拌することが好ましく、この観点から円形の内周壁面を有する容器の使用が好ましい。
上記したように、封止液がスラリーの場合には、液面近傍のスラリー固形分濃度の経時的変動を回避し、常に均質な濃度を維持できるように、しかも、該液面が激しく揺動しない程度にスラリーを攪拌することが好ましい。
例えば、図1の装置のように、スラリーの攪拌を回転子10を用いて行う場合には、回転子10の回転速度は、大きな渦ができず、しかもスラリー中の粒子が沈降しない程度にスラリー粘度、スラリー量を考慮して決定する。
特に、封止処理を連続逐次的に遂行する場合には、処理が進み、容器中のスラリー量が減少していくとフィルタ端部と回転子10の距離が近づくため、これによる影響を受けないように回転子10の回転速度を遅くすることが好ましい。
封止液に侵入させたセラミックフィルタ端部を、数秒後に取り出し、最終的には、例えば、封止液が無機質粉末のスラリーである場合には焼結処理をし、封止液が有機系の場合には乾燥等の処理を行いフィルタの端部封止を達成する。
【0043】
【実施例】
管内面に平均細孔径0.8μmの濾過膜層を形成した外径19mm、内径15mmのアルミナ長尺管を、長さ40mmに切断して切断端面を有する管状フィルタを多数個作製し、各フィルタを超音波洗浄した後、700〜800℃で仮焼した。
次に、平均粒径1.0〜1.2μmのαーAl2 O3 粉末を用意し、αーAl2 O3 粉末量に対し0.5重量%のポリアクリル酸アンモニウムを分散剤として水に添加し、スターラーで攪拌して混合した。
この分散剤添加水に、水と同重量のエタノールを加え、この分散剤含有エタノール・水(1:1重量比)混合溶媒中にαーAl2 O3 粉末を約45重量%となるように配合し、攪拌してスラリーとし、更にこのスラリーを超音波で約20分間処理して分散させ封止剤用スラリーを調製した(スラリーの比重1.3)。
【0044】
この封止剤用スラリーを、図1に示した端部封止装置の容器内に移した後、容器2内のスラリーを液面が激しく揺動しない程度にスターラー10で攪拌しながら、該スラリー液面にフロート治具3を浮かべ、これに下端面が丁度スラリー液面に接する長さ(L)のフィルタ保持治具4を該フロート治具3に搭載し、このフィルタ保持治具4の底面に設けられた支持部材41上にフィルタを載置した。この時のフロート治具3の沈下幅は1mmであった。
このフロート治具の1mm幅の沈下と毛細管現象の張力によるフィルタ端部周面でのスラリーの液面上昇により、該フィルタの端面とその近傍上部周側面に2mm幅のスラリー付着層を形成した。
スターラー10によりスラリーを攪拌させながら、フィルタ保持治具4にフィルタAを載置して5秒後に取り出し、液だれしなくなったらこのフィルタAの他端を同様に処理する操作を連続して繰り返し実施した。
操作開始から5時間で300本のフィルタ端部を処理することができた。
端部処理されたフィルタは、大気雰囲気中、1400〜1450℃で、2時間焼成し端部封止を完成した。
【0045】
端部封止が完了した焼成後のフィルタについて、最初に処理したフィルタと最後に処理したフィルタを含めて20本の端部封止フィルタを選び、これ等のフィルタの濾過性能を評価した。
その結果、端部を含む濾過膜層の欠陥を評価するバブルポイントテストでは、20本全てのフィルタが5000mmH2 O(測定限界)以上であった。
また、パーティクル捕捉能力テストでは、パーティクル粒径0.07〜1.0μmのトータルが20000〜60000個/分のパーティクルエアーを通したとき、通過ガス中のパーティクル数は全て0個であった。
以上の結果から、本発明のフィルタ端部封止方法及び装置によれば、スラリーを攪拌させながら処理することが可能であるため、スラリー液中の粒子沈降が殆どなく、多数のフィルタを逐次連続処理しても各フィルタの特性にばらつきを生ずることなく、所定の封止幅の封止を一様にに達成することができることが認められた。
なお、上記実施形態においては、保持手段としてフィルタ保持治具を用いたが、細線等からなるフィルタ載置用の支持部材や、フィルタ挿入孔等の保持構造をフロート治具自体に設けてもよい。
【0046】
【発明の効果】
以上述べたとおり、本発明のセラミックフィルタ端部封止治具を用いたセラミックフィルタ端部封止方法及び装置によれば、管状セラミックフィルタの端部を所定幅でばらつきなく均質に被覆することができる。
また、封止液(スラリー)を攪拌させながら処理することが可能であるため、スラリー液中の粒子沈降が殆どなく、スラリー濃度を経時的に一定濃度で均質に保つことができ、このため大量のフィルタの端部封止処理を逐次連続的に短時間に且つ歩留まり良く遂行できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明にかかるセラミックフィルタ端部封止装置の実施形態を示す概略図であって、(a)は側面断面図、(b)は平面図である。
【図2】図2は、本発明の端部封止装置を構成するフロート治具の一例を示す斜視図である。
【図3】図3は、本発明の端部封止装置を構成するフィルタ保持治具の一例を示す概略図であって、(a)は側面断面図、(b)は平面図である。
【図4】図4は、本発明の端部封止装置を構成するフィルタ保持治具の他の実施形態をを示す断面図である。
【図5】図5は、本発明の端部封止装置を構成するフィルタ保持治具の他の実施形態を示す断面図である。
【図6】図6は、本発明の端部封止装置を構成する止め治具の一例を示す側面図である。
【符号の説明】
1 封止液(スラリー)
2 容器
3 フロート治具
4 フィルタ保持治具
4a フィルタ挿入孔内周面
4b 突起
5 止め治具
10 磁気回転子(スタ−ラ−)
11 載置台
31 貫通孔
32 挿入口
41 支持部材
42 フランジ
51 L字型棒
52 止め具(係止部材)
A フィルタ
Claims (17)
- 管状のセラミックフィルタの端部を、封止液を用いて封止するセラミックフィルタの端部封止方法において、
前記封止液に浮かべられると共に、該セラミックフィルタを搭載したフロート治具の沈下により、セラミックフィルタ端部を封止液に接触させ、少なくとも該端部の端面に封止液を付着させることにより端部封止を行うことを特徴とするセラミックフィルタの端部封止方法。 - 管状のセラミックフィルタの端部を、封止液を用いて封止するセラミックフィルタの端部封止方法において、
前記封止液を容器に収容した後、前記フロート治具を、前記封止液面に応じて上下動自在に浮かべると共に、浮遊せず一定の面域的に定着されるように容器に係止し、
前記セラミックフィルタをフロート治具に搭載し、
該セラミックフィルタ搭載に基づくフロート治具の沈下によりセラミックフィルタ端部を封止液に接触させ、少なくとも該端部の端面に封止液を付着させることにより端部封止を行うことを特徴とする請求項1に記載されたセラミックフィルタの端部封止方法。 - 管状のセラミックフィルタの端部を、封止液を用いて封止するセラミックフィルタの端部封止方法において、
前記封止液を容器に収容した後、上面から底面にほぼ垂直に貫通する貫通孔を備えたフロ−ト治具を、前記封止液面に応じて上下動自在に浮かべ、
前記セラミックフィルタを被処理端部が封止液側に配されるように保持するフィルタ保持治具を、前記フロート治具の貫通孔内に挿入し、
前記フィルタ保持治具をフロ−ト治具で支持することにより、該フィルタ保持治具を介してセラミックフィルタをフロート治具に搭載し、
該セラミックフィルタ搭載に基づくフロート治具の沈下によりセラミックフィルタ端部を封止液に接触させ、少なくとも該端部の端面に封止液を付着させることにより端部封止を行うことを特徴とする請求項1または請求項2に記載されたセラミックフィルタの端部封止方法。 - 該セラミックフィルタ搭載に基づくフロート治具の沈下によりセラミックフィルタ端部を封止液に接触させる際、セラミックフィルタの端面から所定の幅をもって沈下させ、セラミックフィルタの端面及びその近傍の側面に封止液を付着させることにより端部封止を行うことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載されたセラミックフィルタの端部封止方法。
- セラミックフィルタ端部を封止液に接触させる際、前記容器内に収容された封止液の液面が激しく揺動しない程度に攪拌されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載されたセラミックフィルタの端部封止方法。
- 前記封止液が無機質粉末のスラリーであることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載されたセラミックフィルタの端部封止方法。
- 前記スラリーを構成する無機質粉末がアルミナ、シリカ、ジルコニア及び炭化ケイ素粉末から選ばれた少なくとも一種であることを特徴とする請求項6に記載されたセラミックフィルタの端部封止方法。
- 管状のセラミックフィルタの端部を、封止液を用いて封止するセラミックフィルタの端部封止装置において、
封止液を収容した容器と、前記容器に収容された封止液に浮かべられるフロート治具と、前記セラミックフィルタを前記フロート治具に搭載すると共に、セラミックフィルタを被処理端部を封止液側に配して保持する保持手段とを備え、
該セラミックフィルタを搭載したフロート治具の沈下により、セラミックフィルタ端部を封止液に接触させ、少なくとも該端部の端面に封止液を付着させることを特徴とするセラミックフィルタの端部封止装置。 - 管状のセラミックフィルタの端部を、封止液を用いて封止するセラミックフィルタの端部封止装置において、
封止液を収容した容器と、
前記容器に収容された封止液に浮かべられるフロート治具と、
前記セラミックフィルタを前記フロート治具に搭載すると共に、セラミックフィルタを被処理端部を封止液側に配して保持する保持手段と、
前記フロート治具を、前記封止液面に応じて上下動自在に浮かべられると共に、浮遊せず一定の面域的に定着されるように容器に係止する止め治具とを備えることを特徴とする請求項8に記載されたセラミックフィルタの端部封止装置。 - 前記フロート治具が、上面から底面にほぼ垂直に貫通する貫通孔を有し、
前記保持手段が、前記フロート治具の貫通孔内に挿入可能に形成されると共に、前記フロ−ト治具で支持可能に形成されたフィルタ保持治具であることを特徴とする請求項8または請求項9に記載されたセラミックフィルタの端部封止装置。 - フィルタ保持治具の上端部にフランジが形成され、前記フランジがフロ−ト治具の上面に係止されることにより、フィルタ保持治具がフロート治具で支持されることを特徴とする請求項10に記載されたセラミックフィルタの端部封止装置。
- 前記フィルタ保持治具が、その底面に、前記セラミックフィルタ端部に封止液が付着可能に形成されたフィルタ載置用の支持部材を備えたことを特徴とする請求項10または請求項11に記載されたセラミックフィルタの端部封止装置。
- 前記フィルタ載置用の支持部材が、前記フィルタ保持治具の底面部に張られた少なくとも一本以上の細線又はその組合せからなる支持部材であることを特徴とする請求項12に記載されたセラミックフィルタの端部封止装置。
- 前記フィルタ保持治具は、フィルタが挿入されるフィルタ挿入孔を備え、前記挿入孔内周面の少なくとも一部がセラミックフィルタの外周面と接するように形成され、その接触静止摩擦力により該フィルタがフィルタ保持治具に保持されることを特徴とする請求項10または請求項11に記載されたセラミックフィルタの端部封止装置。
- 前記セラミックフィルタ搭載に基づくフロート治具の沈下幅を調節するためのフロート治具の重量調節手段が、フロート治具または保持手段に設けられていることを特徴とする請求項8乃至請求項14のいずれか記載されたセラミックフィルタの端部封止装置。
- 前記フロ−ト治具を、上下動自在に且つ一定の面域的に定置されるように前記容器に係止する止め治具が、L字型棒と該L字型棒を容器に固定する係止部材からなることを特徴とする請求項9乃至請求項15のいずれかに記載されたセラミックフィルタの端部封止装置。
- セラミックフィルタ端部を封止液に接触させる際、前記容器内に収容された封止液の液面が激しく揺動しない程度に攪拌するための、攪拌手段が、容器底部に設けられていることを特徴とする請求項8乃至請求項16のいずれかに記載されたセラミックフィルタの端部封止装置。
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