JP3553274B2 - 半導体レーザモジュール - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、半導体レーザモジュールに関し、特に、少ない部品点数でファイバの着脱が可能な半導体レーザモジュールに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図3(a) ,(b) にファイバの着脱が可能な従来の半導体レーザモジュールの構造を示す。
図3(a) ,(b) において、1001は半導体レーザ、1002は半導体レーザ1001の出射レーザビームをモニタするためのフォトダイオード、1003は上記半導体レーザ1001を載置するシリコン製の基板、1004は上記半導体レーザ1001のレーザ光の出射端面に近接して設けられたシングルモード光ファイバ、1005は上記シングルモード光ファイバ1004を保持するガラスフェルール、1006は半導体レーザ1001の周囲を取り囲み、蒸気や埃等から保護するためのシールリング、1007は上述した各構成要素を収納するパッケージ、1008は上記ガラスフェルール1005と周接する割りスリーブ、1009はファイバ側フェルール、1010はクリップ1012内部に収納され、上記割りスリーブ1008を上記ガラスフェルール1005側に付勢するためのつるまきばね、1011は上記ファイバ側フェルール1009に保持されたシングルモード光ファイバである。
【0003】
また、図3(b) に示す半導体レーザモジュールにおいて、2000はレーザモジュール本体、3000はファイバユニットである。図に示すように、レーザモジュール本体2000は、上記半導体レーザ1001,フォトダイオード1002,シリコン製基板1003,シングルモード光ファイバ1004,ガラスフェルール1005から構成され、ファイバユニット3000は、割りスリーブ1008,ファイバ側フェルール1009,つるまきばね1010,シングルモード光ファイバ1011,クリップ1012より構成されている。
【0004】
図3(a) に示されるような半導体レーザモジュールを組み立てるには、図3(b) において、クリップ1012の両側を押さえ、ガラスフェルール1005を割りスリーブ1008に挿入し、ガラスフェルール1005の先端とファイバ側フェルール1009の先端を突き合わせ、クリップ1012先端の爪部1012aをパッケージ1007の爪部1007aに引っかけることで行われる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来の半導体レーザモジュールは以上のように構成されているので、ファイバを着脱可能とする構造を実現するために、レーザ側の“かぎ”となるパッケージ1007以外に、ファイバ側の“かぎ”となるクリップ1012、つるまきばね1010の計3点の部品の組み立てを必要とする。このため、各部品を個別に製作し、組み立てる工程が必要となり、全体としてのコストがかさむことになるという問題点があった。
【0006】
本発明は以上のような問題点を解決するためになされたもので、部品点数が少なく、低コストで、かつ組み立てが簡易な半導体レーザモジュールを提供することを目的する。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る半導体レーザモジュールは、半導体レーザ,及び該レーザが出射するレーザ光を導波しその端部よりレーザ光を出射する第1の光学部材を固定した第1のリードフレームと、その端部から入射された光を光ファイバに導入する第2の光学部材を固定した第2のリードフレームとからなる半導体レーザモジュールにおいて、上記リードフレームのいずれか一方側が該リードフレームの一部を変形して形成された鉤部を備え、上記リードフレームのいずれか他方側が該リードフレームの一部を変形して形成された、上記鉤部と係合する係合穴を備え、上記リードフレームのいずれか一方側が、上記第1または第2の光学部材が固着された部分を支持する部分を変形して形成した板バネ部を備え、上記第1のリードフレームと第2のリードフレームとを上記鉤部と係合穴により係止させた時に、上記第1,第2の光学部材の端部同士が当接して生じる応力により圧縮された上記板バネの復元力により、上記係合穴に係合した上記鉤部が係合穴の側壁に付勢されることによって、上記鉤部と係合穴による上記第1のリードフレームと第2のリードフレームとの係止を保持するようにしたものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1.に係る半導体レーザモジュールを図について説明する。
図1は本実施の形態1.による半導体レーザモジュールの構成を示す斜視図であり、図において、1は半導体レーザ、2は半導体レーザ1の出射レーザビームをモニタするためのフォトダイオード、3は上記半導体ダイオード1を載置するシリコン製の基板、4は上記シリコン製の基板3の表面に形成されたメタライズ領域、5は半導体レーザ1の表面電極,フォトダイオード2の表面電極とメタライズ領域4とを結線する金ワイヤ、6aはFeNi合金のリードフレーム、6bはFeNi合金のリードフレームのうち、将来“足”となる部分、6cはFeNi合金のリードフレームのうち、上に折曲げられてフェルールを支持している部分、6dはFeNi合金のリードフレームに開けられた穴、7はシリコン基板に形成されたV字形の溝、8はシングルモード光ファイバ、9はメタライズ領域とリードフレームの“足”を結線する金ワイヤ、10はシングルモード光ファイバ8を保持するジルコニア製フェルールである。
【0009】
また、図において、101は挿抜するファイバを固定するFeNi合金のリードフレーム、101aは、リードフレーム101の先端を鋭角に折曲げて形成した“かぎ”となる爪部(鉤部)、101bはリードフレーム101のうち、上に折曲げられている支持部、101cは、リードフレーム101の一部に湾曲を持たせた“板ばね”となる湾曲部、102は、その側面に切れ込み102aの入った筒状の割りスリーブ、103は割りスリーブ102の底面にその先端が位置するシングルモード光ファイバである。
【0010】
次に、本実施の形態1.による半導体レーザモジュールの製造方法について説明する。
まず、FeNi合金のリードフレーム6aを形成し、穴6dやフェルール支持部6cを作っておく。
【0011】
次に半導体レーザ1、及びフォトダイオード2を、シリコン製の基板3の表面に形成されたメタライズ領域4にAuSn合金はんだ(融点290℃)を用いて接着する。このとき、半導体レーザ1の活性層の位置を、のちにシングルモード光ファイバ8の中心が来ると予想される位置において、光軸に垂直な方向に対する位置偏差がないようにあわせておく。また、フォトダイオード2の導波路の中心を、半導体レーザ1の活性層の位置において、光軸に垂直な方向に対して位置偏差がないようにあわせておく。
【0012】
次いで、半導体レーザ1の表面電極,フォトダイオード2の表面電極とメタライズ領域4とを結線する金ワイヤ5、及びメタライズ領域4とリードフレームの足となる部分6bを結線する金ワイヤ9を打つ。
【0013】
次に、シングルモード光ファイバ8と、これを保持するジルコニア製フェルール10とをシリコン製の基板3に形成されたV字形の溝7上に載置し、シングルモード光ファイバ8とV字型の溝7とを接着し、フェルール10をリードフレームのフェルール支持部6cによりはさみつけて固定する。
【0014】
次にシングルモード光ファイバ103を保持する側のリードフレーム101を形成し、その一部を折曲げることにより“かぎ”となる爪部101aと支持部101bを形成し、さらに凹みをつけて“板ばね”となる湾曲部101cを形成する。
【0015】
次に、シングルモード光ファイバ103が接続された割りスリーブ102を支持部101bで固定する。
この際、リードフレーム6aとリードフレーム101とを同一平面上に置いた場合の、フェルール10と割りスリーブ102との中心の高さの差は、フェルール10と割りスリーブ102とが嵌合したときに、“かぎ”となる爪部101aの斜面部分がリードフレーム6aの端面と接触するように設定する必要がある。
【0016】
具体的には、“かぎ”となる爪部101aの端がリードフレーム101面から1mm下がっている時は、リードフレーム6aとリードフレーム101とを同一平面上に置いた場合に割りスリーブ102の中心がフェルール10の中心よりも0.5mm程度下がるように“板ばね”となる湾曲部101cを形成すればよい。
【0017】
このように加工した半導体レーザモジュール、およびファイバ支持リードフレームに対し、ファイバの結合に必要な余裕を残して樹脂封止(図示せず)を行って各部の保護と固定を行うことにより、半導体レーザモジュールを完成する。
【0018】
図2は以上のように構成された半導体レーザモジュールの、レーザモジュール本体とファイバユニットとを接続する際の“かぎ”となる部分、及びそのときの“かぎ”となる部分の動作に対応したフェルール,割りスリーブ,“板ばね”となる部分の様子を示す図であり、図2(a) は割りスリーブ102をフェルール10にかみ合わせた状態、図2(b) は割りスリーブ102をさらに前進させて、割りスリーブ102の底面にあるファイバ103の先端が、フェルール10先端のファイバ端面と接触している状態、図2(c) は割りスリーブ102の側のリードフレーム101を前進させ、“板ばね”となる湾曲部101cが屈曲している状態、図2(d) は、さらに割りスリーブ102側のリードフレーム101を前進させ、“かぎ”となる爪部101aがリードフレーム6aの穴6dに引っかかるようにした状態である。
次に、レーザモジュール本体とファイバユニットとの着脱動作について説明する。
まず、レーザモジュール本体とファイバユニットとを接続するには、図2(a) から図2(b) にかけて、ファイバ側の割りスリーブ102をフェルール10に差し込んで行くと、リードフレーム101先端部の“かぎ”となる爪部101aがリードフレーム6aの縁に乗り上げ、リードフレーム6aの上面上を滑るように移動する。図2(b) で示されるように、ファイバ側の割りスリーブ102をフェルール10に充分に差し込んだ後、さらにリードフレーム101を押し込むと、図2(c) のように“板ばね”となる湾曲部101cが屈曲して、反発力を蓄える。
【0019】
そして、図2(d) に示すように、“かぎ”となる爪部101aがリードフレーム6aの穴6dに落ち込んだところで手を放すと、“板ばね”となる湾曲部101cに蓄えられていた反発力により、“かぎ”となる爪部101aがリードフレーム6aの穴6dに押し付けられて固定され、レーザモジュール本体とファイバユニットとが接続される。
【0020】
一方、以上のようにして接続された半導体レーザモジュールをレーザモジュール本体とファイバユニットとに分割する際には、割りスリーブ102側のリードフレーム101を一旦、リードフレーム6a側に前進させると、“板ばね”となる湾曲部101cが縮んで“かぎ”となる爪部101aがリードフレームの穴6dから浮き上がってくるので、この爪部101aを指先等でつまんで外すことができる(図2(e) 参照)。
【0021】
このように本実施の形態1.によれば、半導体レーザ1などを固定したリードフレーム6aと、光ファイバコード103等を固定したリードフレーム101とを組み合わせて半導体レーザモジュールを構成するものとし、リードフレーム101の一部を変形して作製した爪部101aと、リードフレーム6aの一部を変形して作製した穴6dによって2つのリードフレームを接続するとともに、リードフレーム101の一部を変形して作製された湾曲部101cによって上記爪部101aと穴6dによる係合を保持することによって、半導体レーザモジュール本体とファイバユニットとを着脱自在に接続するようにしたから、部品点数を削減することができ、低コストで、かつ組み立てを簡易とすることができる効果が得られる。
【0022】
なお、上記実施の形態1.では、爪部をファイバユニット側に形成し、この爪部と係止する穴を半導体モジュール本体側に形成したが、これらは逆であってもよく、また、上記爪部と穴を用いた係止を保持するための湾曲部も半導体レーザモジュール本体側に形成するようにしてもよく、要は、半導体モジュール本体とファイバユニットとを接続する際に必要な係止手段と、その係止状態を保持するための保持手段とを、それぞれリードフレームの一部を変形して形成することにより、本願発明の効果を奏することができる。
【0023】
なお、上記実施の形態1.では、ジルコニア製フェルール10を中心としてその片側の部分にのみリードフレームの穴6dを形成し、また、リードフレーム101にこれと係合するするための爪部101aを形成するようにしたが、このようなリードフレームの穴6dと爪部101aを、ジルコニア製フェルール10を中心としてその両側に設けるようにしてもよい。
【0024】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係る半導体レーザモジュールによれば、2枚のリードフレームを使ってそれぞれに半導体レーザモジュール及びファイバフェルール、割りスリーブを固定し、リードフレームの一部を変形することで、引っかける“かぎ”と突っ張る“板ばね”の作用を持たせるようにしたので、従来よりも部品点数を少ないものとすることができ、構造も簡単で、安価に半導体レーザモジュールを作製することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1による、半導体レーザモジュールの斜視図である。
【図2】上記実施の形態1による半導体レーザモジュールにおいて、レーザ側のリードフレームに、割りスリーブ側のリードフレームを装着するときの“かぎ”となる爪部の動作を示す断面図、及びレーザ側のリードフレームから割りスリーブ側のリードフレームを抜くときの“かぎ”となる部分の動作を示す断面図である。
【図3】従来の半導体レーザモジュールの構造を示す断面図である。
【符号の説明】
1 半導体レーザ、2 フォトダイオード、3 シリコン製基板、4 メタライズ領域、5 金ワイヤ、6a リードフレーム、6b リードフレームの足、6c フェルール支持部、6d 穴、7 V字型の溝、8 シングルモード光ファイバ、9 金ワイヤ、10 フェルール、101 リードフレーム、101a爪部(“かぎ”)、101b 割りスリーブ支持部、101c リードフレーム湾曲部(“板ばね”)、102 割りスリーブ、103 シングルモード光ファイバ。
【発明の属する技術分野】
この発明は、半導体レーザモジュールに関し、特に、少ない部品点数でファイバの着脱が可能な半導体レーザモジュールに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図3(a) ,(b) にファイバの着脱が可能な従来の半導体レーザモジュールの構造を示す。
図3(a) ,(b) において、1001は半導体レーザ、1002は半導体レーザ1001の出射レーザビームをモニタするためのフォトダイオード、1003は上記半導体レーザ1001を載置するシリコン製の基板、1004は上記半導体レーザ1001のレーザ光の出射端面に近接して設けられたシングルモード光ファイバ、1005は上記シングルモード光ファイバ1004を保持するガラスフェルール、1006は半導体レーザ1001の周囲を取り囲み、蒸気や埃等から保護するためのシールリング、1007は上述した各構成要素を収納するパッケージ、1008は上記ガラスフェルール1005と周接する割りスリーブ、1009はファイバ側フェルール、1010はクリップ1012内部に収納され、上記割りスリーブ1008を上記ガラスフェルール1005側に付勢するためのつるまきばね、1011は上記ファイバ側フェルール1009に保持されたシングルモード光ファイバである。
【0003】
また、図3(b) に示す半導体レーザモジュールにおいて、2000はレーザモジュール本体、3000はファイバユニットである。図に示すように、レーザモジュール本体2000は、上記半導体レーザ1001,フォトダイオード1002,シリコン製基板1003,シングルモード光ファイバ1004,ガラスフェルール1005から構成され、ファイバユニット3000は、割りスリーブ1008,ファイバ側フェルール1009,つるまきばね1010,シングルモード光ファイバ1011,クリップ1012より構成されている。
【0004】
図3(a) に示されるような半導体レーザモジュールを組み立てるには、図3(b) において、クリップ1012の両側を押さえ、ガラスフェルール1005を割りスリーブ1008に挿入し、ガラスフェルール1005の先端とファイバ側フェルール1009の先端を突き合わせ、クリップ1012先端の爪部1012aをパッケージ1007の爪部1007aに引っかけることで行われる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来の半導体レーザモジュールは以上のように構成されているので、ファイバを着脱可能とする構造を実現するために、レーザ側の“かぎ”となるパッケージ1007以外に、ファイバ側の“かぎ”となるクリップ1012、つるまきばね1010の計3点の部品の組み立てを必要とする。このため、各部品を個別に製作し、組み立てる工程が必要となり、全体としてのコストがかさむことになるという問題点があった。
【0006】
本発明は以上のような問題点を解決するためになされたもので、部品点数が少なく、低コストで、かつ組み立てが簡易な半導体レーザモジュールを提供することを目的する。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る半導体レーザモジュールは、半導体レーザ,及び該レーザが出射するレーザ光を導波しその端部よりレーザ光を出射する第1の光学部材を固定した第1のリードフレームと、その端部から入射された光を光ファイバに導入する第2の光学部材を固定した第2のリードフレームとからなる半導体レーザモジュールにおいて、上記リードフレームのいずれか一方側が該リードフレームの一部を変形して形成された鉤部を備え、上記リードフレームのいずれか他方側が該リードフレームの一部を変形して形成された、上記鉤部と係合する係合穴を備え、上記リードフレームのいずれか一方側が、上記第1または第2の光学部材が固着された部分を支持する部分を変形して形成した板バネ部を備え、上記第1のリードフレームと第2のリードフレームとを上記鉤部と係合穴により係止させた時に、上記第1,第2の光学部材の端部同士が当接して生じる応力により圧縮された上記板バネの復元力により、上記係合穴に係合した上記鉤部が係合穴の側壁に付勢されることによって、上記鉤部と係合穴による上記第1のリードフレームと第2のリードフレームとの係止を保持するようにしたものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1.に係る半導体レーザモジュールを図について説明する。
図1は本実施の形態1.による半導体レーザモジュールの構成を示す斜視図であり、図において、1は半導体レーザ、2は半導体レーザ1の出射レーザビームをモニタするためのフォトダイオード、3は上記半導体ダイオード1を載置するシリコン製の基板、4は上記シリコン製の基板3の表面に形成されたメタライズ領域、5は半導体レーザ1の表面電極,フォトダイオード2の表面電極とメタライズ領域4とを結線する金ワイヤ、6aはFeNi合金のリードフレーム、6bはFeNi合金のリードフレームのうち、将来“足”となる部分、6cはFeNi合金のリードフレームのうち、上に折曲げられてフェルールを支持している部分、6dはFeNi合金のリードフレームに開けられた穴、7はシリコン基板に形成されたV字形の溝、8はシングルモード光ファイバ、9はメタライズ領域とリードフレームの“足”を結線する金ワイヤ、10はシングルモード光ファイバ8を保持するジルコニア製フェルールである。
【0009】
また、図において、101は挿抜するファイバを固定するFeNi合金のリードフレーム、101aは、リードフレーム101の先端を鋭角に折曲げて形成した“かぎ”となる爪部(鉤部)、101bはリードフレーム101のうち、上に折曲げられている支持部、101cは、リードフレーム101の一部に湾曲を持たせた“板ばね”となる湾曲部、102は、その側面に切れ込み102aの入った筒状の割りスリーブ、103は割りスリーブ102の底面にその先端が位置するシングルモード光ファイバである。
【0010】
次に、本実施の形態1.による半導体レーザモジュールの製造方法について説明する。
まず、FeNi合金のリードフレーム6aを形成し、穴6dやフェルール支持部6cを作っておく。
【0011】
次に半導体レーザ1、及びフォトダイオード2を、シリコン製の基板3の表面に形成されたメタライズ領域4にAuSn合金はんだ(融点290℃)を用いて接着する。このとき、半導体レーザ1の活性層の位置を、のちにシングルモード光ファイバ8の中心が来ると予想される位置において、光軸に垂直な方向に対する位置偏差がないようにあわせておく。また、フォトダイオード2の導波路の中心を、半導体レーザ1の活性層の位置において、光軸に垂直な方向に対して位置偏差がないようにあわせておく。
【0012】
次いで、半導体レーザ1の表面電極,フォトダイオード2の表面電極とメタライズ領域4とを結線する金ワイヤ5、及びメタライズ領域4とリードフレームの足となる部分6bを結線する金ワイヤ9を打つ。
【0013】
次に、シングルモード光ファイバ8と、これを保持するジルコニア製フェルール10とをシリコン製の基板3に形成されたV字形の溝7上に載置し、シングルモード光ファイバ8とV字型の溝7とを接着し、フェルール10をリードフレームのフェルール支持部6cによりはさみつけて固定する。
【0014】
次にシングルモード光ファイバ103を保持する側のリードフレーム101を形成し、その一部を折曲げることにより“かぎ”となる爪部101aと支持部101bを形成し、さらに凹みをつけて“板ばね”となる湾曲部101cを形成する。
【0015】
次に、シングルモード光ファイバ103が接続された割りスリーブ102を支持部101bで固定する。
この際、リードフレーム6aとリードフレーム101とを同一平面上に置いた場合の、フェルール10と割りスリーブ102との中心の高さの差は、フェルール10と割りスリーブ102とが嵌合したときに、“かぎ”となる爪部101aの斜面部分がリードフレーム6aの端面と接触するように設定する必要がある。
【0016】
具体的には、“かぎ”となる爪部101aの端がリードフレーム101面から1mm下がっている時は、リードフレーム6aとリードフレーム101とを同一平面上に置いた場合に割りスリーブ102の中心がフェルール10の中心よりも0.5mm程度下がるように“板ばね”となる湾曲部101cを形成すればよい。
【0017】
このように加工した半導体レーザモジュール、およびファイバ支持リードフレームに対し、ファイバの結合に必要な余裕を残して樹脂封止(図示せず)を行って各部の保護と固定を行うことにより、半導体レーザモジュールを完成する。
【0018】
図2は以上のように構成された半導体レーザモジュールの、レーザモジュール本体とファイバユニットとを接続する際の“かぎ”となる部分、及びそのときの“かぎ”となる部分の動作に対応したフェルール,割りスリーブ,“板ばね”となる部分の様子を示す図であり、図2(a) は割りスリーブ102をフェルール10にかみ合わせた状態、図2(b) は割りスリーブ102をさらに前進させて、割りスリーブ102の底面にあるファイバ103の先端が、フェルール10先端のファイバ端面と接触している状態、図2(c) は割りスリーブ102の側のリードフレーム101を前進させ、“板ばね”となる湾曲部101cが屈曲している状態、図2(d) は、さらに割りスリーブ102側のリードフレーム101を前進させ、“かぎ”となる爪部101aがリードフレーム6aの穴6dに引っかかるようにした状態である。
次に、レーザモジュール本体とファイバユニットとの着脱動作について説明する。
まず、レーザモジュール本体とファイバユニットとを接続するには、図2(a) から図2(b) にかけて、ファイバ側の割りスリーブ102をフェルール10に差し込んで行くと、リードフレーム101先端部の“かぎ”となる爪部101aがリードフレーム6aの縁に乗り上げ、リードフレーム6aの上面上を滑るように移動する。図2(b) で示されるように、ファイバ側の割りスリーブ102をフェルール10に充分に差し込んだ後、さらにリードフレーム101を押し込むと、図2(c) のように“板ばね”となる湾曲部101cが屈曲して、反発力を蓄える。
【0019】
そして、図2(d) に示すように、“かぎ”となる爪部101aがリードフレーム6aの穴6dに落ち込んだところで手を放すと、“板ばね”となる湾曲部101cに蓄えられていた反発力により、“かぎ”となる爪部101aがリードフレーム6aの穴6dに押し付けられて固定され、レーザモジュール本体とファイバユニットとが接続される。
【0020】
一方、以上のようにして接続された半導体レーザモジュールをレーザモジュール本体とファイバユニットとに分割する際には、割りスリーブ102側のリードフレーム101を一旦、リードフレーム6a側に前進させると、“板ばね”となる湾曲部101cが縮んで“かぎ”となる爪部101aがリードフレームの穴6dから浮き上がってくるので、この爪部101aを指先等でつまんで外すことができる(図2(e) 参照)。
【0021】
このように本実施の形態1.によれば、半導体レーザ1などを固定したリードフレーム6aと、光ファイバコード103等を固定したリードフレーム101とを組み合わせて半導体レーザモジュールを構成するものとし、リードフレーム101の一部を変形して作製した爪部101aと、リードフレーム6aの一部を変形して作製した穴6dによって2つのリードフレームを接続するとともに、リードフレーム101の一部を変形して作製された湾曲部101cによって上記爪部101aと穴6dによる係合を保持することによって、半導体レーザモジュール本体とファイバユニットとを着脱自在に接続するようにしたから、部品点数を削減することができ、低コストで、かつ組み立てを簡易とすることができる効果が得られる。
【0022】
なお、上記実施の形態1.では、爪部をファイバユニット側に形成し、この爪部と係止する穴を半導体モジュール本体側に形成したが、これらは逆であってもよく、また、上記爪部と穴を用いた係止を保持するための湾曲部も半導体レーザモジュール本体側に形成するようにしてもよく、要は、半導体モジュール本体とファイバユニットとを接続する際に必要な係止手段と、その係止状態を保持するための保持手段とを、それぞれリードフレームの一部を変形して形成することにより、本願発明の効果を奏することができる。
【0023】
なお、上記実施の形態1.では、ジルコニア製フェルール10を中心としてその片側の部分にのみリードフレームの穴6dを形成し、また、リードフレーム101にこれと係合するするための爪部101aを形成するようにしたが、このようなリードフレームの穴6dと爪部101aを、ジルコニア製フェルール10を中心としてその両側に設けるようにしてもよい。
【0024】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係る半導体レーザモジュールによれば、2枚のリードフレームを使ってそれぞれに半導体レーザモジュール及びファイバフェルール、割りスリーブを固定し、リードフレームの一部を変形することで、引っかける“かぎ”と突っ張る“板ばね”の作用を持たせるようにしたので、従来よりも部品点数を少ないものとすることができ、構造も簡単で、安価に半導体レーザモジュールを作製することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1による、半導体レーザモジュールの斜視図である。
【図2】上記実施の形態1による半導体レーザモジュールにおいて、レーザ側のリードフレームに、割りスリーブ側のリードフレームを装着するときの“かぎ”となる爪部の動作を示す断面図、及びレーザ側のリードフレームから割りスリーブ側のリードフレームを抜くときの“かぎ”となる部分の動作を示す断面図である。
【図3】従来の半導体レーザモジュールの構造を示す断面図である。
【符号の説明】
1 半導体レーザ、2 フォトダイオード、3 シリコン製基板、4 メタライズ領域、5 金ワイヤ、6a リードフレーム、6b リードフレームの足、6c フェルール支持部、6d 穴、7 V字型の溝、8 シングルモード光ファイバ、9 金ワイヤ、10 フェルール、101 リードフレーム、101a爪部(“かぎ”)、101b 割りスリーブ支持部、101c リードフレーム湾曲部(“板ばね”)、102 割りスリーブ、103 シングルモード光ファイバ。
Claims (1)
- 半導体レーザ,及び該レーザが出射するレーザ光を導波し、その端部よりレーザ光を出射する第1の光学部材を固定した第1のリードフレームと、その端部から入射された光を光ファイバに導入する第2の光学部材を固定した第2のリードフレームとからなる半導体レーザモジュールにおいて、
上記リードフレームのいずれか一方側が該リードフレームの一部を変形して形成された鉤部を備え、
上記リードフレームのいずれか他方側が該リードフレームの一部を変形して形成された、上記鉤部と係合する係合穴を備え、
上記リードフレームのいずれか一方側が、上記第1または第2の光学部材が固着された部分を支持する部分を変形して形成した板バネ部を備え、
上記第1のリードフレームと第2のリードフレームとを上記鉤部と係合穴により係止させた時に、上記第1,第2の光学部材の端部同士が当接して生じる応力により圧縮された上記板バネの復元力により、上記係合穴に係合した上記鉤部が係合穴の側壁に付勢されることによって、上記鉤部と係合穴による上記第1のリードフレームと第2のリードフレームとの係止を保持することを特徴とする半導体レーザモジュール。
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