JP3553232B2 - 高温計測用センサ - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は高温計測用センサに関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
近年、燃焼ガス温度を高くしてロケット推進装置の出力を向上させることが検討されている。
【０００３】
燃焼ガス温度を高くする場合には、ロケット推進装置の燃焼室等を構成する中空構造体を耐熱性に優れたニオブ合金などによって形成するが、燃焼ガスが流通する際に、中空構造体の内壁に沿ってフィルム冷却流が適切な状態で流通していないと、中空構造体が熱損傷を受けてしまう。
【０００４】
そこで、上記のフィルム冷却流によって中空構造体に対する冷却が効果的に行なわれているか否かを判断するために、燃焼ガス流通時における中空構造体の表面温度を計測し、その計測値と燃焼ガス温度とを対比することによって、フィルム冷却流による冷却効果を判断するようにしている。
【０００５】
燃焼ガス流通時における中空構造体の表面温度は、約１６００℃程度にまで上昇するので、上記の中空構造体の表面温度計測手段としては、非接触状態で計測対象物の表面温度を計測することが可能な輻射温度計測計が適用されている。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述の輻射温度計測計では、計測対象物の輻射率が判明していないと、正確な温度が把握できず、また、計測対象物の計測点周囲の雰囲気により計測誤差が生じることがあるなどの問題があった。
【０００７】
本発明は、前述の実情に鑑みてなしたもので、高温流体が流通する中空構造体の表面温度を的確に計測できる高温計測用センサを提供することを目的としている。
【０００８】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の高温計測用センサにおいては、二つの異なる耐熱性に優れた金属よりなる熱電対本体を耐熱性セラミックス被覆部材により被覆した熱電対と、内部に高温流体が流通する中空構造体の外周面に前記の熱電対の先端部を固縛する耐熱性セラミックスワイヤと、耐熱性セラミックスワイヤ及び前記の熱電対の先端部を中空構造体の外周面に対して固着する耐熱性セラミックス接着剤層とを備えている。
【０００９】
本発明の高温計測用センサでは、熱電対本体を耐熱性セラミックス被覆部材で被覆するので熱電対の耐熱性が向上し、耐熱性セラミックスワイヤと耐熱性セラミックス接着剤とが中空構造体の外周面に対して熱電対の先端部を確実に固着する。
【００１０】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
【００１１】
図１及び図２は本発明の高温計測用センサの実施の形態の一例を示すものである。
【００１２】
二つの異なる耐熱性に優れた金属、白金（Ｐｔ）とレニウム（Ｒｅ）の線材により形成されている熱電対本体１を設け、該熱電対本体１を耐熱性セラミックス被覆部材２（例えば、アルミナ／シリカ系混合セラミックスを素材とする被覆部材）により被覆して熱電対３を形成する。
【００１３】
そして、内部に高温流体ａが流通する中空構造体４の外周面に前記の熱電対３の先端部を当接させ、該当接部分を耐熱性セラミックスワイヤ５（例えば、酸化ケイ素系または酸化アルミ系セラミックスワイヤ）によって中空構造体４の外周面の所要の位置に固縛し、該固縛部分を耐熱性セラミックス接着剤（例えば、酸化ケイ素系または酸化アルミ系セラミックス接着剤）によって形成される耐熱性セラミックス接着剤層６で中空構造体４の外周面に接着・固定する。
【００１４】
なお、図２の７はフィルム冷却流を示し、該フィルム冷却流７は、中空構造体４の内壁に沿って流れている。
【００１５】
図１及び図２に示す高温計測用センサでは、熱電対３の先端部を耐熱性セラミックスワイヤ５で固縛し、耐熱性セラミックス接着剤層６で接着・固定しているので、内部に高温流体ａが流通する中空構造体４の高温の外周面に対して熱電対３を完全に固着でき、よって、中空構造体４の高温の表面温度を的確に計測できる。
【００１６】
なお、本発明の高温計測用センサは上述した実施の形態にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【００１７】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の高温計測用センサによれば、高温流体が流通する中空構造体の高温の表面温度を的確に計測できる、という優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の高温計測用センサの実施の形態の一例の概略を表す側面図である。
【図２】図１に関連する熱電対の先端部の固定部分の拡大断面図である。
【符号の説明】
１ 熱電対本体
２ 耐熱性セラミックス被覆部材
３ 熱電対
４ 中空構造体
５ 耐熱性セラミックスワイヤ
６ 耐熱性セラミックス接着剤層
ａ 高温流体
【発明の属する技術分野】
本発明は高温計測用センサに関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
近年、燃焼ガス温度を高くしてロケット推進装置の出力を向上させることが検討されている。
【０００３】
燃焼ガス温度を高くする場合には、ロケット推進装置の燃焼室等を構成する中空構造体を耐熱性に優れたニオブ合金などによって形成するが、燃焼ガスが流通する際に、中空構造体の内壁に沿ってフィルム冷却流が適切な状態で流通していないと、中空構造体が熱損傷を受けてしまう。
【０００４】
そこで、上記のフィルム冷却流によって中空構造体に対する冷却が効果的に行なわれているか否かを判断するために、燃焼ガス流通時における中空構造体の表面温度を計測し、その計測値と燃焼ガス温度とを対比することによって、フィルム冷却流による冷却効果を判断するようにしている。
【０００５】
燃焼ガス流通時における中空構造体の表面温度は、約１６００℃程度にまで上昇するので、上記の中空構造体の表面温度計測手段としては、非接触状態で計測対象物の表面温度を計測することが可能な輻射温度計測計が適用されている。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述の輻射温度計測計では、計測対象物の輻射率が判明していないと、正確な温度が把握できず、また、計測対象物の計測点周囲の雰囲気により計測誤差が生じることがあるなどの問題があった。
【０００７】
本発明は、前述の実情に鑑みてなしたもので、高温流体が流通する中空構造体の表面温度を的確に計測できる高温計測用センサを提供することを目的としている。
【０００８】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の高温計測用センサにおいては、二つの異なる耐熱性に優れた金属よりなる熱電対本体を耐熱性セラミックス被覆部材により被覆した熱電対と、内部に高温流体が流通する中空構造体の外周面に前記の熱電対の先端部を固縛する耐熱性セラミックスワイヤと、耐熱性セラミックスワイヤ及び前記の熱電対の先端部を中空構造体の外周面に対して固着する耐熱性セラミックス接着剤層とを備えている。
【０００９】
本発明の高温計測用センサでは、熱電対本体を耐熱性セラミックス被覆部材で被覆するので熱電対の耐熱性が向上し、耐熱性セラミックスワイヤと耐熱性セラミックス接着剤とが中空構造体の外周面に対して熱電対の先端部を確実に固着する。
【００１０】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
【００１１】
図１及び図２は本発明の高温計測用センサの実施の形態の一例を示すものである。
【００１２】
二つの異なる耐熱性に優れた金属、白金（Ｐｔ）とレニウム（Ｒｅ）の線材により形成されている熱電対本体１を設け、該熱電対本体１を耐熱性セラミックス被覆部材２（例えば、アルミナ／シリカ系混合セラミックスを素材とする被覆部材）により被覆して熱電対３を形成する。
【００１３】
そして、内部に高温流体ａが流通する中空構造体４の外周面に前記の熱電対３の先端部を当接させ、該当接部分を耐熱性セラミックスワイヤ５（例えば、酸化ケイ素系または酸化アルミ系セラミックスワイヤ）によって中空構造体４の外周面の所要の位置に固縛し、該固縛部分を耐熱性セラミックス接着剤（例えば、酸化ケイ素系または酸化アルミ系セラミックス接着剤）によって形成される耐熱性セラミックス接着剤層６で中空構造体４の外周面に接着・固定する。
【００１４】
なお、図２の７はフィルム冷却流を示し、該フィルム冷却流７は、中空構造体４の内壁に沿って流れている。
【００１５】
図１及び図２に示す高温計測用センサでは、熱電対３の先端部を耐熱性セラミックスワイヤ５で固縛し、耐熱性セラミックス接着剤層６で接着・固定しているので、内部に高温流体ａが流通する中空構造体４の高温の外周面に対して熱電対３を完全に固着でき、よって、中空構造体４の高温の表面温度を的確に計測できる。
【００１６】
なお、本発明の高温計測用センサは上述した実施の形態にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【００１７】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の高温計測用センサによれば、高温流体が流通する中空構造体の高温の表面温度を的確に計測できる、という優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の高温計測用センサの実施の形態の一例の概略を表す側面図である。
【図２】図１に関連する熱電対の先端部の固定部分の拡大断面図である。
【符号の説明】
１ 熱電対本体
２ 耐熱性セラミックス被覆部材
３ 熱電対
４ 中空構造体
５ 耐熱性セラミックスワイヤ
６ 耐熱性セラミックス接着剤層
ａ 高温流体
Claims (1)
- 二つの異なる耐熱性に優れた金属よりなる熱電対本体を耐熱性セラミックス被覆部材により被覆した熱電対と、内部に高温流体が流通する中空構造体の外周面に前記の熱電対の先端部を固縛する耐熱性セラミックスワイヤと、耐熱性セラミックスワイヤ及び前記の熱電対の先端部を中空構造体の外周面に対して固着する耐熱性セラミックス接着剤層とを備えてなることを特徴とする高温計測用センサ。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP27275995A JP3553232B2 (ja) | 1995-10-20 | 1995-10-20 | 高温計測用センサ |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP27275995A JP3553232B2 (ja) | 1995-10-20 | 1995-10-20 | 高温計測用センサ |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH09113370A JPH09113370A (ja) | 1997-05-02 |
| JP3553232B2 true JP3553232B2 (ja) | 2004-08-11 |
Family
ID=17518359
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP27275995A Expired - Fee Related JP3553232B2 (ja) | 1995-10-20 | 1995-10-20 | 高温計測用センサ |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3553232B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN103592149B (zh) * | 2013-11-11 | 2016-04-27 | 中国航空工业集团公司沈阳发动机设计研究所 | 一种燃机空心气冷叶片冷却效果试验高温高压引线结构 |
-
1995
- 1995-10-20 JP JP27275995A patent/JP3553232B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH09113370A (ja) | 1997-05-02 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
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| A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20040415 |
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