JP3553005B2 - 椎茸、シメジ、マンネンタケ等の茸種付け方法と、茸の栽培方法 - Google Patents
椎茸、シメジ、マンネンタケ等の茸種付け方法と、茸の栽培方法 Download PDFInfo
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、椎茸、シメジ、マンネンタケ等(茸とする)の茸種付け方法と、茸の栽培方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、茸の茸種付け方法と、茸の栽培方法に関する先行技術文献には、下記の文献1〜3が挙げられる。
【0003】
先ず、茸の茸種付け方法としては、特開平6−141677号の茸栽培袋及びこれを用いた茸栽培方法がある(文献1)。この文献1の内容は、袋底部付近に、通気性の底部フィルターと、袋口付近に、通気性の袋口フィルターを有するプラスチックフィルム製の茸栽培袋に、仮底を形成させて培地を充填し、滅菌及び袋口の密封を行った後、培地のほぼ中央部に外部より種菌を接種し、底部及び袋口フィルターから通気できる状態で培養する構成であり、菌糸の蔓延及び原基の形成を早めて、栽培期間を総合的に短縮して栽培の効率化を図る。
【0004】
次に、茸の栽培方法としては、特開平8−294326号のきのこ類の栽培方法(文献2)と、特開平9−23745号の棒種菌並びにこれを用いた接種方法(文献3)とがある。この文献2の内容は、固型培地を気密性フィルムの袋に封入して殺菌した後、棒状の種菌又は木粉、穀物粒にきのこ類の菌を接種して培養した種菌を、袋の内部に挿入し、袋に設けた通気孔を利用して種菌を培養し、袋の上面等の所定部位には遮光性の被膜を固定して子実体片を発生させる構成のきのこ類の栽培方法であり、きのこ類の栽培方法を、簡易かつ確実に殺菌した固型培地を採用して雑菌の繁殖を防ぐ簡便な手法で行うこと、又は商品価値の高いきのこの栽培、収穫作業の容易な栽培方法の提供にある。また文献3の内容は、棒種菌は、一端を鋭利に加工した棒状部材に種菌を純粋培養する構成である。従って、栽地に対して突き刺すことで種菌が栽地の深層部にまで至るので、種菌の使用量を著しく減少することができる。また殺菌処理を施した栽地に対し、袋を開封せずに棒種菌を突き刺して種菌の接種を行うので、栽地に対して雑菌が混入しないこと、又は従来寒冷期にしか行うことができなかった種菌の接種を年間を通して行える。また接種作業が極めて簡単であるため、初心者でも容易に接種作業が行える特徴がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前記文献1は、元菌の生成に要する期間の短縮化が図れる。しかし、プラスチックフィルムでなる袋が特殊な構造であり、コスト高となり、かつ取扱いが煩雑であること等の課題がある。また日数が少なくなっても略1ケ月を要することから、一層の短縮化が望まれる処である。
【0006】
また前記文献2、3は、無菌室での種付けは回避できる。しかし、棒種菌(棒状の種菌)の構成が特殊な構造であり、コスト高となり、かつ取扱いが煩雑であること、汎用性に欠けること等の課題がある。尚、この棒種菌と袋との密着性・固定性において、適切な構成が採用されていないので、棒種菌の脱落の可能性があり、問題である。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、極めて短期間に、元菌を生成できること(略2週間程度)、簡便かつ確実に元菌の生成ができること、等を意図する。
【0008】
請求項1は、殺菌した通気性を備えた袋に多数本の楊枝を入れて密封し、この密封の袋に、子実体片を挿入して茸菌を種付けする所作により、元菌を生成する構成とした茸の茸種付け方法である。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1の発明を達成するための具体例を提供する。
【0010】
請求項2は、米糠等の養分を含む水内に、多数本の楊枝を入れて約10分間茹でた後、この多数本の楊枝の水気を切り、当該楊枝を通気性のある厚み0.01mm程度のポリエチレン袋に入れて密封して約10分間茹でて煮沸殺菌し、その後、冷却して天然子実体片より元菌を採取する培地を生成するとともに、このポリエチレン袋の培地内に、略1cm角の子実体片を挿入、密封した後、気温約25度〜30度程度で約2週間程度を経て元菌を生成する構成とした茸の茸種付け方法である。
【0011】
請求項3の発明は、適宜時期に種付けした元菌を利用して、茸を確実かつ簡便に生成すること、特別な部屋(室)・基材を使用せず、茸を確実かつ簡便に生成すること、等を意図する。
【0012】
請求項3は、通気性を備えた袋内に種付け部を有する原木を入れ、この原木を袋とともに煮沸殺菌し、この袋を密閉した後、この袋にスポンジ等の介在物を設け、この介在物を介して、請求項1又は2に記載の種付け方法で得られた種菌付きの楊枝を前記袋に刺し込み、この種菌付きの楊枝を前記殺菌した原木の種付け部に設け、この楊枝付き原木を仮伏せした後、地中に埋設して本伏せする構成とした茸の栽培方法である。
【0013】
請求項4の発明は、楊枝と袋との密着性・固定性を確保して、雑菌の進入回避と、楊枝の脱落防止等を図る。
【0014】
請求項4は、請求項3に記載の栽培方法において、介在物を袋に接着し、この介在物に楊枝を刺し込んで、当該楊枝を袋に固定かつ密着させる構成とした茸の栽培方法である。
【0015】
【発明の実施の態様】
図1〜図7に示す椎茸、シメジ、マンネンタケ等(以下、茸とする)の茸種付け方法を説明する。
【0016】
本発明は、天然子実体片(例えば、霊芝)から無菌室、薬剤を一切使用せず元菌を採取し培養により確実に子実体片を栽培する茸種付け方法を説明する。子実体片は、林、山野より目的とする寸法、形態のものを採取する。採取した子実体片を、よく水洗いして汚れを落とし布等で水分を拭き取って室内に保管する。そして、鍋又は器(以下鍋とする)を用意し、これに適量の水を張り沸騰させる(元菌の製作量に応じ鍋の大きさを決定する)。
【0017】
この鍋の中に米糠等養分となるもの適量と市販の楊枝(妻楊枝)を入れて沸騰後、養分を染込ませるために約10分茹でる。茹で終ったらその後、ザル等にあげて余分な水気を切って新聞紙等に広げ水分のあるうちに市販の厚み0.01mm程度のポリエチレン袋(他の袋でもよい)に50〜100本(本数は、この限りではないがこれ位が適量と思われる)と、樹脂製パイプ(直径4cm前後長さ7cm前後厚み5mm程度)を一緒に入れ袋の口を閉じずに(口を閉じない理由は、空気の膨張をさけること、又は殺菌しやすくすること、等である)、再度袋ごと熱湯内に入れて蓋をした状態で約10分程茹ることで殺菌が終了する。尚、袋の楊枝の向きは、後の植菌の際やり易くするために揃え、頭を所定の方向に揃わせる。
【0018】
この殺菌が終ったら素早く袋の口を縛る等して閉じ熱いうちにパイプを口元で立てるようにし、外から輪ゴムで固定させ(図1参照)外気でさます(このように熱いうちに行うのは、空気の膨張の利用とやり易いためである)。これが天然子実体より元菌を採取する培地となる。
【0019】
その後、熱湯の中に前記の楊枝入りの袋と茶漉し網(濾過掬い具)を入れる。この袋を図示の一点鎖線の所からカット(Aはカット位置)する。即ち、パイプぎりぎりの所をハサミ等で切断する。この際、パイプの口は熱湯につけたままで、パイプを固定している輪ゴム(緊締体)をはずさないように注意しながら突き出す(図4参照)。
【0020】
前記の子実体の適所(傘、脚等の適所)で1cm角にカットし、この子実体片を箸で支持して熱湯の中ですすぎ洗いし(このすすぎ作業が外気に依る雑菌の付着を滅菌する役割となる)、素早くパイプの下で離すと、この子実体片がパイプ内の水位まで浮き、当該パイプ内に入るので、続いて、パイプの下から茶漉し網を当て、当該茶漉し網とパイプを離さないように注意して起し、子実体片をパイプを利用して袋の中に入れる。この作業を5秒程度を目安に行なって、子実体片が袋の中に落ちたことを確認し素早くパイプの下の箇所をねじってパイプを外しながら、縛る等して密封する。尚、室内温度、気温25度〜30度程度で3〜5日で発菌の確認ができた。従って、約2週間(14、15日程度)で菌が回り元菌ができあがる目安となる(作業工程については、図6(イ)〜(ル)参照)。尚、図6の要部の説明をすると、(ハ)は袋をカットする図、(ホ)は子実体片をすすぎ洗いする図、(ヘ)は子実体片をパイプに入れる図、(ト)は子実体片がパイプに入った図、(リ)は子実体片が袋内に入る図、(ヌ)は子実体片が袋内に落下した図、(ル)は子実体片が入った袋を縛る図を示す。
【0021】
尚、元菌ができあがったらこの元菌を原木に植菌する必要量を培養する為、元菌をさらに培養して菌を作る。例えば、楊枝培地を利用して作る。この楊枝培地は、楊枝を煮沸殺菌し、熱いうちに素早く袋の中の空気を抜くようにして口を縛って密封する(図5参照)。この殺菌済み楊枝培地の湿度は、約65%程度である。この養分を染み込ませた殺菌済み楊枝に種付けをする。即ち、袋にスポンジ、テープ等の介在物(介在物は、約2cm角程度にカットし、厚みは約3mm以上がよい)を介して種菌付きの楊枝(種菌は楊枝内で生殖する。以下同じ)を差込み、多数の元菌を培養する(図7参照)。この介在物を介して袋と楊枝を固止することと、介在物を介して楊枝の外側に付着する雑菌(楊枝に付着する雑菌とする)を剥離し、袋内に入らないようにする。通常は、気温約25度〜30度で、約7〜10日程度で完成し原木(おが屑、栽地、その他等)の培養栽培用の種菌となる。
【0022】
図8〜図17に示す茸の栽培方法を説明する。本発明は、楊枝培養による種菌を利用して茸を製造する。原木は、約15〜20cm程度に切断し、袋に入れた後、原木の略中央に輪ゴムを取付け、袋を原木に固定する。この原木を袋とともに、熱湯内に浸漬する。この際、袋の口は閉じない(但し、熱湯が入らないようにする。また袋の空気を抜くことがよい)、鍋の蓋を閉める。例えば、原木の直径が、約15〜20cm程度の場合には、約1時間〜2時間を目安に煮沸して殺菌する。この煮沸殺菌が終ったら素早く袋の口を縛る等して閉じる(この時、袋中の空気はできるだけ抜くようにする)その状態で常温まで冷めるのを待つ。
【0023】
袋内の殺菌済みの原木が冷めた段階で、袋内の殺菌済みの原木に対して、介在物を介して種菌付きの楊枝を刺し込む。例えば、図13(ハ)の如く、原木の孔内に種菌付きの楊枝を刺し込む。刺し込む本数は、例えば、1〜6本程度であり、限定されない。また図14(ハ)の如く、原木の少なくとも上面に当接する。いずれにしても、原木に種菌付きの楊枝を刺し込むか、又は原木の少なくとも上面に必ず接するように添えることが大切である。気温約25度〜30度で、約3〜5日程度で木口面に菌糸の活着が確認される約1ケ月間程で菌糸が原木に蔓延する。尚、原木の側面への種付けも可能である(図示せず)。
【0024】
前記介在物の使用目的は、種菌付きの楊枝を、袋より出すときに外気に触れて、当該楊枝の外側に雑菌が付着することがある。従って、介在物を通すことで、楊枝の外側の雑菌を除くことができ、かつ接触部分が固定され動かず外気を遮断できる。従って、無菌室、薬剤の使用は一切いらなくなり場所を選定する必要性もなくなり有益かつ簡便である。
【0025】
種付けされた原木は、自然温度で仮伏せを行うまで図17の状態のように適当な高さに積み上げ日光をさけ室内等で本伏せを待つが、この際、原則として、散水、薬剤の散布、施薬等の必要は一切ない。また無菌室薬剤等一切使用せずに、簡単に培養植菌ができること、又は確実に菌を蔓延させる子実体片を育成させることができる。
【0026】
そして、本伏せの時は、袋を全て外し、土に植える。尚、例年であれば5月頃には芽を吹き始め7月頃までには完成収穫することができる。
【0027】
尚、楊枝の利点は、市販の楊枝を利用することで、安価で入手し易いこと、量的にも嵩張らず扱い易いこと、又殺菌時間が短縮できること、種菌は適温で約10日前後でできること、等の利点がある。また植菌の際も早く正確にできる実益がある。総括すると、楊枝・種菌付きの楊枝の使用と、袋及び煮沸等を利用して、本発明の方法を利用すれば、無菌室、薬剤は一切必要なく、かつ場所を特定せず素手にてできること、簡単かつ迅速にできること、等の特徴がある。
【0028】
【実施例】
以下、本発明の一実施例を説明する。
【0029】
図中1は袋、2はパイプ、3は楊枝、4は子実体片、5は網、6は輪ゴムを示しており、図示の如く、袋1に数本の楊枝3を入れ、鍋7で煮沸する。この煮沸で殺菌した袋1は輪ゴム6を利用して密封する。図中8は水位、9は加熱手段、9aは遮熱板を示す。
【0030】
図中10は原木、10aは原木10の孔、11は袋、12は輪ゴム、13は種菌付きの楊枝、14は介在物、15は鍋、16は蓋を示す。この鍋15に原木10を入れ煮沸し、殺菌する。袋11へ熱湯が入らないようにするとともに、袋11の空気を抜くようにして鍋15に入れる。殺菌した後に輪ゴム12により密封する。この密封された原木10に介在物14を介して種菌付きの楊枝13を数本刺し込み、種付けをする。この種付けにより、約1ケ月間程で菌糸が原木に蔓延する。その後、自然温度で仮伏せを行うまで適当な高さに積み上げ日光をさけ室内等でカバー17を掛けて本伏せを待つ構成である。
【0031】
【発明の効果】
請求項1の発明は、殺菌した通気性を備えた袋に多数本の楊枝を入れて密封し、密封の袋に、子実体片を挿入して茸菌を種付けする所作により、元菌を生成する構成とした茸の茸種付け方法である。従って、極めて短期間に、元菌を生成できること、簡便かつ確実に元菌の生成ができること、等の特徴がある。
【0032】
請求項2の発明は、米糠等の養分を含む水内に、多数本の楊枝を入れて約10分間茹でた後、多数本の楊枝の水気を切り、当該楊枝を通気性のある厚み0.01mm程度のポリエチレン袋に入れて密封して約10分間茹でて煮沸殺菌し、その後、冷却して天然子実体より元菌を採取する培地を生成するとともに、ポリエチレン袋の培地内に、略1cm角の子実体片を挿入、密封した後、気温約25度〜30度程度で約2週間程度を経て元菌を生成する構成とした茸の茸種付け方法である。従って、請求項1の発明を達成するための具体例な構成を提供できる。
【0033】
請求項3の発明は、元菌種付け用の種付け部を有する原木を煮沸殺菌し、殺菌した原木を通気性を備えた袋に入れて密封し、袋にスポンジ等の介在物を介して、請求項1又は2に記載の種付け方法で得られた種菌付きの楊枝を刺し込み、楊枝を種付け部に挿入し、楊枝付き原木を仮伏せし、仮伏せ後、袋を除いて地中に埋設して本伏せする構成とした茸の栽培方法である。従って、適宜時期に種付けした元菌を利用して、茸を確実かつ簡便に生成すること、特別な部屋・基材を使用せず、茸を確実かつ簡便に生成すること、等の特徴がある。
【0034】
請求項4の発明は、請求項3に記載の栽培方法において、介在物を袋に接着し、介在物に楊枝を刺し込んで、楊枝を袋に固定かつ密着させる構成とした茸の栽培方法である。従って、楊枝と袋との密着性・固定性を確保して、雑菌の進入回避と、楊枝の脱落防止等が図れる特徴がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】茸種付け方法の一例であって、袋と楊枝、パイプ等の関係を示す模式図である。
【図2】茸種付け方法の一例であって、鍋と加熱手段との関係を示す模式図である。
【図3】茸種付け方法の一例であって、鍋と袋、楊枝、及びパイプ等の関係を示す模式図である。
【図4】茸種付け方法の一例であって、袋とパイプ等との関係を示す模式図である。
【図5】茸種付け方法の一例であって、袋内に煮沸、殺菌済みの多数本の楊枝を入れた状態を示す模式図である。
【図6】茸種付け方法の一例であって、元菌を作る過程を示しており、(イ)は鍋の一例を示す模式図、(ロ)は楊枝入り袋の口近傍を熱湯に浸す模式図、(ハ)は熱湯内の袋をカットする模式図、(ニ)は熱湯内に子実体片を入れる状況の模式図、(ホ)は子実体片をすすぎ洗いする模式図、(ヘ)は子実体片をパイプに入れる模式図、(ト)は子実体片がパイプに入った模式図、(チ)は袋内の子実体片及び楊枝と茶漉しとの関係を説明する模式図、(リ)は子実体片が袋内に入る模式図、(ヌ)は子実体片が袋内に落下した図、(ル)は子実体片が入った袋を縛る状態を示す模式図である。
【図7】茸種付け方法の一例であって、(イ)種付けされた楊枝入りの袋を示す模式図、(ロ)は種菌付きの楊枝を示す模式図、(ハ)は介在物を介して種菌付きの楊枝を袋に刺し込む状態を示す模式図である。
【図8】茸の栽培方法の一例であって、原木の各例を示しており、(イ)は原木に孔を設けた一部欠截の模式図、(ロ)は原木をそのまま使用する例を示す模式図である。
【図9】茸の栽培方法の一例であって、袋に原木を入れた状態の模式図である。
【図10】茸の栽培方法の一例であって、鍋に原木入り袋を入れて煮沸する状態の一部欠截の模式図である。
【図11】茸の栽培方法の一例であって、鍋に入れた原木入り袋の煮沸が完了した状態の一部欠截の模式図である。
【図12】茸の栽培方法の一例であって、袋内の原木が常温になった状態の一部欠截の模式図である。
【図13】茸の栽培方法の一例であって、原木に種菌付きの楊枝を刺し込む過程を示しており、(イ)は袋の適所(孔の近傍)に介在物を設けた状態であり準備段階を示す一部欠截の模式図、(ロ)は種菌付きの楊枝を拡大して示す模式図、(ハ)は袋に介在物を介して刺し込んだ状態を示す一部欠截の模式図、(ニ)は(ハ)の要部の拡大断面模式図である。
【図14】茸の栽培方法の一例であって、原木に種菌付きの楊枝を刺し込む過程を示しており、(イ)は袋の適所に介在物を設けた状態であり準備段階を示す模式図、(ロ)は袋に介在物を介して刺し込んだ状態を示す模式図、(ハ)は要部の拡大模式図である。
【図15】茸の栽培方法の一例であって、原木に種菌付きの楊枝を刺し込んだ他の例を示す模式図である。
【図16】茸の栽培方法の一例であって、図15を鳥瞰した模式図である。
【図17】茸の栽培方法の一例であって、植菌が終了し原木の仮伏せの状態を示す縮尺模式図である。
【符号の説明】
1 袋
2 パイプ
3 楊枝
4 子実体片
5 網
6 輪ゴム
7 鍋
8 水位
9 加熱手段
9a 遮熱板
10 原木
10a 孔
11 袋
12 輪ゴム
13 種菌付きの楊枝
14 介在物
15 鍋
16 蓋
17 カバー
【発明の属する技術分野】
本発明は、椎茸、シメジ、マンネンタケ等(茸とする)の茸種付け方法と、茸の栽培方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、茸の茸種付け方法と、茸の栽培方法に関する先行技術文献には、下記の文献1〜3が挙げられる。
【0003】
先ず、茸の茸種付け方法としては、特開平6−141677号の茸栽培袋及びこれを用いた茸栽培方法がある(文献1)。この文献1の内容は、袋底部付近に、通気性の底部フィルターと、袋口付近に、通気性の袋口フィルターを有するプラスチックフィルム製の茸栽培袋に、仮底を形成させて培地を充填し、滅菌及び袋口の密封を行った後、培地のほぼ中央部に外部より種菌を接種し、底部及び袋口フィルターから通気できる状態で培養する構成であり、菌糸の蔓延及び原基の形成を早めて、栽培期間を総合的に短縮して栽培の効率化を図る。
【0004】
次に、茸の栽培方法としては、特開平8−294326号のきのこ類の栽培方法(文献2)と、特開平9−23745号の棒種菌並びにこれを用いた接種方法(文献3)とがある。この文献2の内容は、固型培地を気密性フィルムの袋に封入して殺菌した後、棒状の種菌又は木粉、穀物粒にきのこ類の菌を接種して培養した種菌を、袋の内部に挿入し、袋に設けた通気孔を利用して種菌を培養し、袋の上面等の所定部位には遮光性の被膜を固定して子実体片を発生させる構成のきのこ類の栽培方法であり、きのこ類の栽培方法を、簡易かつ確実に殺菌した固型培地を採用して雑菌の繁殖を防ぐ簡便な手法で行うこと、又は商品価値の高いきのこの栽培、収穫作業の容易な栽培方法の提供にある。また文献3の内容は、棒種菌は、一端を鋭利に加工した棒状部材に種菌を純粋培養する構成である。従って、栽地に対して突き刺すことで種菌が栽地の深層部にまで至るので、種菌の使用量を著しく減少することができる。また殺菌処理を施した栽地に対し、袋を開封せずに棒種菌を突き刺して種菌の接種を行うので、栽地に対して雑菌が混入しないこと、又は従来寒冷期にしか行うことができなかった種菌の接種を年間を通して行える。また接種作業が極めて簡単であるため、初心者でも容易に接種作業が行える特徴がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前記文献1は、元菌の生成に要する期間の短縮化が図れる。しかし、プラスチックフィルムでなる袋が特殊な構造であり、コスト高となり、かつ取扱いが煩雑であること等の課題がある。また日数が少なくなっても略1ケ月を要することから、一層の短縮化が望まれる処である。
【0006】
また前記文献2、3は、無菌室での種付けは回避できる。しかし、棒種菌(棒状の種菌)の構成が特殊な構造であり、コスト高となり、かつ取扱いが煩雑であること、汎用性に欠けること等の課題がある。尚、この棒種菌と袋との密着性・固定性において、適切な構成が採用されていないので、棒種菌の脱落の可能性があり、問題である。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、極めて短期間に、元菌を生成できること(略2週間程度)、簡便かつ確実に元菌の生成ができること、等を意図する。
【0008】
請求項1は、殺菌した通気性を備えた袋に多数本の楊枝を入れて密封し、この密封の袋に、子実体片を挿入して茸菌を種付けする所作により、元菌を生成する構成とした茸の茸種付け方法である。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1の発明を達成するための具体例を提供する。
【0010】
請求項2は、米糠等の養分を含む水内に、多数本の楊枝を入れて約10分間茹でた後、この多数本の楊枝の水気を切り、当該楊枝を通気性のある厚み0.01mm程度のポリエチレン袋に入れて密封して約10分間茹でて煮沸殺菌し、その後、冷却して天然子実体片より元菌を採取する培地を生成するとともに、このポリエチレン袋の培地内に、略1cm角の子実体片を挿入、密封した後、気温約25度〜30度程度で約2週間程度を経て元菌を生成する構成とした茸の茸種付け方法である。
【0011】
請求項3の発明は、適宜時期に種付けした元菌を利用して、茸を確実かつ簡便に生成すること、特別な部屋(室)・基材を使用せず、茸を確実かつ簡便に生成すること、等を意図する。
【0012】
請求項3は、通気性を備えた袋内に種付け部を有する原木を入れ、この原木を袋とともに煮沸殺菌し、この袋を密閉した後、この袋にスポンジ等の介在物を設け、この介在物を介して、請求項1又は2に記載の種付け方法で得られた種菌付きの楊枝を前記袋に刺し込み、この種菌付きの楊枝を前記殺菌した原木の種付け部に設け、この楊枝付き原木を仮伏せした後、地中に埋設して本伏せする構成とした茸の栽培方法である。
【0013】
請求項4の発明は、楊枝と袋との密着性・固定性を確保して、雑菌の進入回避と、楊枝の脱落防止等を図る。
【0014】
請求項4は、請求項3に記載の栽培方法において、介在物を袋に接着し、この介在物に楊枝を刺し込んで、当該楊枝を袋に固定かつ密着させる構成とした茸の栽培方法である。
【0015】
【発明の実施の態様】
図1〜図7に示す椎茸、シメジ、マンネンタケ等(以下、茸とする)の茸種付け方法を説明する。
【0016】
本発明は、天然子実体片(例えば、霊芝)から無菌室、薬剤を一切使用せず元菌を採取し培養により確実に子実体片を栽培する茸種付け方法を説明する。子実体片は、林、山野より目的とする寸法、形態のものを採取する。採取した子実体片を、よく水洗いして汚れを落とし布等で水分を拭き取って室内に保管する。そして、鍋又は器(以下鍋とする)を用意し、これに適量の水を張り沸騰させる(元菌の製作量に応じ鍋の大きさを決定する)。
【0017】
この鍋の中に米糠等養分となるもの適量と市販の楊枝(妻楊枝)を入れて沸騰後、養分を染込ませるために約10分茹でる。茹で終ったらその後、ザル等にあげて余分な水気を切って新聞紙等に広げ水分のあるうちに市販の厚み0.01mm程度のポリエチレン袋(他の袋でもよい)に50〜100本(本数は、この限りではないがこれ位が適量と思われる)と、樹脂製パイプ(直径4cm前後長さ7cm前後厚み5mm程度)を一緒に入れ袋の口を閉じずに(口を閉じない理由は、空気の膨張をさけること、又は殺菌しやすくすること、等である)、再度袋ごと熱湯内に入れて蓋をした状態で約10分程茹ることで殺菌が終了する。尚、袋の楊枝の向きは、後の植菌の際やり易くするために揃え、頭を所定の方向に揃わせる。
【0018】
この殺菌が終ったら素早く袋の口を縛る等して閉じ熱いうちにパイプを口元で立てるようにし、外から輪ゴムで固定させ(図1参照)外気でさます(このように熱いうちに行うのは、空気の膨張の利用とやり易いためである)。これが天然子実体より元菌を採取する培地となる。
【0019】
その後、熱湯の中に前記の楊枝入りの袋と茶漉し網(濾過掬い具)を入れる。この袋を図示の一点鎖線の所からカット(Aはカット位置)する。即ち、パイプぎりぎりの所をハサミ等で切断する。この際、パイプの口は熱湯につけたままで、パイプを固定している輪ゴム(緊締体)をはずさないように注意しながら突き出す(図4参照)。
【0020】
前記の子実体の適所(傘、脚等の適所)で1cm角にカットし、この子実体片を箸で支持して熱湯の中ですすぎ洗いし(このすすぎ作業が外気に依る雑菌の付着を滅菌する役割となる)、素早くパイプの下で離すと、この子実体片がパイプ内の水位まで浮き、当該パイプ内に入るので、続いて、パイプの下から茶漉し網を当て、当該茶漉し網とパイプを離さないように注意して起し、子実体片をパイプを利用して袋の中に入れる。この作業を5秒程度を目安に行なって、子実体片が袋の中に落ちたことを確認し素早くパイプの下の箇所をねじってパイプを外しながら、縛る等して密封する。尚、室内温度、気温25度〜30度程度で3〜5日で発菌の確認ができた。従って、約2週間(14、15日程度)で菌が回り元菌ができあがる目安となる(作業工程については、図6(イ)〜(ル)参照)。尚、図6の要部の説明をすると、(ハ)は袋をカットする図、(ホ)は子実体片をすすぎ洗いする図、(ヘ)は子実体片をパイプに入れる図、(ト)は子実体片がパイプに入った図、(リ)は子実体片が袋内に入る図、(ヌ)は子実体片が袋内に落下した図、(ル)は子実体片が入った袋を縛る図を示す。
【0021】
尚、元菌ができあがったらこの元菌を原木に植菌する必要量を培養する為、元菌をさらに培養して菌を作る。例えば、楊枝培地を利用して作る。この楊枝培地は、楊枝を煮沸殺菌し、熱いうちに素早く袋の中の空気を抜くようにして口を縛って密封する(図5参照)。この殺菌済み楊枝培地の湿度は、約65%程度である。この養分を染み込ませた殺菌済み楊枝に種付けをする。即ち、袋にスポンジ、テープ等の介在物(介在物は、約2cm角程度にカットし、厚みは約3mm以上がよい)を介して種菌付きの楊枝(種菌は楊枝内で生殖する。以下同じ)を差込み、多数の元菌を培養する(図7参照)。この介在物を介して袋と楊枝を固止することと、介在物を介して楊枝の外側に付着する雑菌(楊枝に付着する雑菌とする)を剥離し、袋内に入らないようにする。通常は、気温約25度〜30度で、約7〜10日程度で完成し原木(おが屑、栽地、その他等)の培養栽培用の種菌となる。
【0022】
図8〜図17に示す茸の栽培方法を説明する。本発明は、楊枝培養による種菌を利用して茸を製造する。原木は、約15〜20cm程度に切断し、袋に入れた後、原木の略中央に輪ゴムを取付け、袋を原木に固定する。この原木を袋とともに、熱湯内に浸漬する。この際、袋の口は閉じない(但し、熱湯が入らないようにする。また袋の空気を抜くことがよい)、鍋の蓋を閉める。例えば、原木の直径が、約15〜20cm程度の場合には、約1時間〜2時間を目安に煮沸して殺菌する。この煮沸殺菌が終ったら素早く袋の口を縛る等して閉じる(この時、袋中の空気はできるだけ抜くようにする)その状態で常温まで冷めるのを待つ。
【0023】
袋内の殺菌済みの原木が冷めた段階で、袋内の殺菌済みの原木に対して、介在物を介して種菌付きの楊枝を刺し込む。例えば、図13(ハ)の如く、原木の孔内に種菌付きの楊枝を刺し込む。刺し込む本数は、例えば、1〜6本程度であり、限定されない。また図14(ハ)の如く、原木の少なくとも上面に当接する。いずれにしても、原木に種菌付きの楊枝を刺し込むか、又は原木の少なくとも上面に必ず接するように添えることが大切である。気温約25度〜30度で、約3〜5日程度で木口面に菌糸の活着が確認される約1ケ月間程で菌糸が原木に蔓延する。尚、原木の側面への種付けも可能である(図示せず)。
【0024】
前記介在物の使用目的は、種菌付きの楊枝を、袋より出すときに外気に触れて、当該楊枝の外側に雑菌が付着することがある。従って、介在物を通すことで、楊枝の外側の雑菌を除くことができ、かつ接触部分が固定され動かず外気を遮断できる。従って、無菌室、薬剤の使用は一切いらなくなり場所を選定する必要性もなくなり有益かつ簡便である。
【0025】
種付けされた原木は、自然温度で仮伏せを行うまで図17の状態のように適当な高さに積み上げ日光をさけ室内等で本伏せを待つが、この際、原則として、散水、薬剤の散布、施薬等の必要は一切ない。また無菌室薬剤等一切使用せずに、簡単に培養植菌ができること、又は確実に菌を蔓延させる子実体片を育成させることができる。
【0026】
そして、本伏せの時は、袋を全て外し、土に植える。尚、例年であれば5月頃には芽を吹き始め7月頃までには完成収穫することができる。
【0027】
尚、楊枝の利点は、市販の楊枝を利用することで、安価で入手し易いこと、量的にも嵩張らず扱い易いこと、又殺菌時間が短縮できること、種菌は適温で約10日前後でできること、等の利点がある。また植菌の際も早く正確にできる実益がある。総括すると、楊枝・種菌付きの楊枝の使用と、袋及び煮沸等を利用して、本発明の方法を利用すれば、無菌室、薬剤は一切必要なく、かつ場所を特定せず素手にてできること、簡単かつ迅速にできること、等の特徴がある。
【0028】
【実施例】
以下、本発明の一実施例を説明する。
【0029】
図中1は袋、2はパイプ、3は楊枝、4は子実体片、5は網、6は輪ゴムを示しており、図示の如く、袋1に数本の楊枝3を入れ、鍋7で煮沸する。この煮沸で殺菌した袋1は輪ゴム6を利用して密封する。図中8は水位、9は加熱手段、9aは遮熱板を示す。
【0030】
図中10は原木、10aは原木10の孔、11は袋、12は輪ゴム、13は種菌付きの楊枝、14は介在物、15は鍋、16は蓋を示す。この鍋15に原木10を入れ煮沸し、殺菌する。袋11へ熱湯が入らないようにするとともに、袋11の空気を抜くようにして鍋15に入れる。殺菌した後に輪ゴム12により密封する。この密封された原木10に介在物14を介して種菌付きの楊枝13を数本刺し込み、種付けをする。この種付けにより、約1ケ月間程で菌糸が原木に蔓延する。その後、自然温度で仮伏せを行うまで適当な高さに積み上げ日光をさけ室内等でカバー17を掛けて本伏せを待つ構成である。
【0031】
【発明の効果】
請求項1の発明は、殺菌した通気性を備えた袋に多数本の楊枝を入れて密封し、密封の袋に、子実体片を挿入して茸菌を種付けする所作により、元菌を生成する構成とした茸の茸種付け方法である。従って、極めて短期間に、元菌を生成できること、簡便かつ確実に元菌の生成ができること、等の特徴がある。
【0032】
請求項2の発明は、米糠等の養分を含む水内に、多数本の楊枝を入れて約10分間茹でた後、多数本の楊枝の水気を切り、当該楊枝を通気性のある厚み0.01mm程度のポリエチレン袋に入れて密封して約10分間茹でて煮沸殺菌し、その後、冷却して天然子実体より元菌を採取する培地を生成するとともに、ポリエチレン袋の培地内に、略1cm角の子実体片を挿入、密封した後、気温約25度〜30度程度で約2週間程度を経て元菌を生成する構成とした茸の茸種付け方法である。従って、請求項1の発明を達成するための具体例な構成を提供できる。
【0033】
請求項3の発明は、元菌種付け用の種付け部を有する原木を煮沸殺菌し、殺菌した原木を通気性を備えた袋に入れて密封し、袋にスポンジ等の介在物を介して、請求項1又は2に記載の種付け方法で得られた種菌付きの楊枝を刺し込み、楊枝を種付け部に挿入し、楊枝付き原木を仮伏せし、仮伏せ後、袋を除いて地中に埋設して本伏せする構成とした茸の栽培方法である。従って、適宜時期に種付けした元菌を利用して、茸を確実かつ簡便に生成すること、特別な部屋・基材を使用せず、茸を確実かつ簡便に生成すること、等の特徴がある。
【0034】
請求項4の発明は、請求項3に記載の栽培方法において、介在物を袋に接着し、介在物に楊枝を刺し込んで、楊枝を袋に固定かつ密着させる構成とした茸の栽培方法である。従って、楊枝と袋との密着性・固定性を確保して、雑菌の進入回避と、楊枝の脱落防止等が図れる特徴がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】茸種付け方法の一例であって、袋と楊枝、パイプ等の関係を示す模式図である。
【図2】茸種付け方法の一例であって、鍋と加熱手段との関係を示す模式図である。
【図3】茸種付け方法の一例であって、鍋と袋、楊枝、及びパイプ等の関係を示す模式図である。
【図4】茸種付け方法の一例であって、袋とパイプ等との関係を示す模式図である。
【図5】茸種付け方法の一例であって、袋内に煮沸、殺菌済みの多数本の楊枝を入れた状態を示す模式図である。
【図6】茸種付け方法の一例であって、元菌を作る過程を示しており、(イ)は鍋の一例を示す模式図、(ロ)は楊枝入り袋の口近傍を熱湯に浸す模式図、(ハ)は熱湯内の袋をカットする模式図、(ニ)は熱湯内に子実体片を入れる状況の模式図、(ホ)は子実体片をすすぎ洗いする模式図、(ヘ)は子実体片をパイプに入れる模式図、(ト)は子実体片がパイプに入った模式図、(チ)は袋内の子実体片及び楊枝と茶漉しとの関係を説明する模式図、(リ)は子実体片が袋内に入る模式図、(ヌ)は子実体片が袋内に落下した図、(ル)は子実体片が入った袋を縛る状態を示す模式図である。
【図7】茸種付け方法の一例であって、(イ)種付けされた楊枝入りの袋を示す模式図、(ロ)は種菌付きの楊枝を示す模式図、(ハ)は介在物を介して種菌付きの楊枝を袋に刺し込む状態を示す模式図である。
【図8】茸の栽培方法の一例であって、原木の各例を示しており、(イ)は原木に孔を設けた一部欠截の模式図、(ロ)は原木をそのまま使用する例を示す模式図である。
【図9】茸の栽培方法の一例であって、袋に原木を入れた状態の模式図である。
【図10】茸の栽培方法の一例であって、鍋に原木入り袋を入れて煮沸する状態の一部欠截の模式図である。
【図11】茸の栽培方法の一例であって、鍋に入れた原木入り袋の煮沸が完了した状態の一部欠截の模式図である。
【図12】茸の栽培方法の一例であって、袋内の原木が常温になった状態の一部欠截の模式図である。
【図13】茸の栽培方法の一例であって、原木に種菌付きの楊枝を刺し込む過程を示しており、(イ)は袋の適所(孔の近傍)に介在物を設けた状態であり準備段階を示す一部欠截の模式図、(ロ)は種菌付きの楊枝を拡大して示す模式図、(ハ)は袋に介在物を介して刺し込んだ状態を示す一部欠截の模式図、(ニ)は(ハ)の要部の拡大断面模式図である。
【図14】茸の栽培方法の一例であって、原木に種菌付きの楊枝を刺し込む過程を示しており、(イ)は袋の適所に介在物を設けた状態であり準備段階を示す模式図、(ロ)は袋に介在物を介して刺し込んだ状態を示す模式図、(ハ)は要部の拡大模式図である。
【図15】茸の栽培方法の一例であって、原木に種菌付きの楊枝を刺し込んだ他の例を示す模式図である。
【図16】茸の栽培方法の一例であって、図15を鳥瞰した模式図である。
【図17】茸の栽培方法の一例であって、植菌が終了し原木の仮伏せの状態を示す縮尺模式図である。
【符号の説明】
1 袋
2 パイプ
3 楊枝
4 子実体片
5 網
6 輪ゴム
7 鍋
8 水位
9 加熱手段
9a 遮熱板
10 原木
10a 孔
11 袋
12 輪ゴム
13 種菌付きの楊枝
14 介在物
15 鍋
16 蓋
17 カバー
Claims (4)
- 殺菌した通気性を備えた袋に多数本の楊枝を入れて密封し、この密封の袋に、子実体片を挿入して茸菌を種付けする所作により、元菌を生成する構成の椎茸、シメジ、マンネンタケ等の茸種付け方法。
- 米糠等の養分を含む水内に、多数本の楊枝を入れて約10分間茹でた後、この多数本の楊枝の水気を切り、当該楊枝を通気性のある厚み0.01mm程度のポリエチレン袋に入れて密封して約10分間茹でて煮沸殺菌し、その後、冷却して天然子実体片より元菌を採取する培地を生成するとともに、このポリエチレン袋の培地内に、略1cm角の子実体片を挿入、密封した後、気温約25度〜30度程度で約2週間程度を経て元菌を生成する構成の椎茸、シメジ、マンネンタケ等の茸種付け方法。
- 通気性を備えた袋内に種付け部を有する原木を入れ、この原木を袋とともに煮沸殺菌し、この袋を密閉した後、この袋にスポンジ等の介在物を設け、この介在物を介して、請求項1又は2に記載の種付け方法で得られた種菌付きの楊枝を前記袋に刺し込み、この種菌付きの楊枝を前記殺菌した原木の種付け部に設け、この楊枝付き原木を仮伏せした後、地中に埋設して本伏せする構成とした茸の栽培方法。
- 請求項3に記載の栽培方法において、介在物を袋に接着し、この介在物に楊枝を刺し込んで、当該楊枝を袋に固定かつ密着させる構成とした茸の栽培方法。
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