JP3552835B2 - 写真処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は写真処理装置に係り、特に処理液槽と乾燥部の各温度を所定温度に上昇するために用いられる各ヒータの消費電力を、あらゆる条件下において最少にすることができる写真処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
写真ネガフィルム乃至印画紙への所定処理を行う写真処理装置は、所望の処理液を貯蔵した処理液槽中を通過した後のネガフィルム乃至印画紙を乾燥部において乾燥して装置の外部に排出するものであるが、この装置の処理液槽と乾燥部には現像、定着、水洗他の各処理に最適な所定温度に処理液をそれぞれ維持するための温度センサとヒータとから構成される温度調節装置と、乾燥温度に最適な温度に維持するための温度調節装置が個別に設けられる。
【0003】
このように構成される温度調節装置において、各ヒータは他の構成部品と比較すると消費電力が大きいばかりか、所定温度まで上昇することで決定される起動時間は略ヒータの性能に依存している。
【0004】
そこで、従来より写真処理装置の各部の温度を適温にするまでに平均的に昇温でき、またヒータの消費電力を減少して温度調節装置の温度調整精度を向上するための提案がなされている。例えば、特開昭62−272249号公報による「感光材料処理機の温度調節装置」によれば、処理液槽の温度を測定する第1の温度センサと加温する第1のヒータと、感光材料を乾燥する乾燥部の温度を測定する第2の温度センサと、加温する第2のヒータとを備えておき、制御手段に夫々を接続し、処理液槽と乾燥部における昇温の未達成率の大きい方を優先して制御手段の制御により第1のヒータまたは第2のヒータへの通電を行うようにして、各部の温度を平均的に昇温して、ヒータのピーク消費電力を減少するものが提案されている。
【0005】
また、特開昭62‐238556号公報になる「自動現像機の暖機装置」によれば、処理液の昇温に関連した温度である装置の周囲の外気温度を外気温度センサにより検出し、この検出結果に基づき制御手段において装置の使用開始時刻に現像機の暖機が終了するようにして、エネルギ損失を少なくでき処理液の劣化を防ぐようにすることが提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記提案の前者によれば、昇温の未達成率の大きい方を優先して昇温するために平均的に昇温できる利点を備えているが、冬季において環境温度が低いときにはヒートアップに時間がかかる一方、夏季において環境温度が高い場合には液温がオーバーぎみになる傾向がある。また、後者の提案によれば、起動時刻にするまでに環境温度を考慮するので、冬季乃至夏季においてヒータ電力消費を最少にできる利点があるが、外気温度測定のための専用の温度センサが必要となりその分コストアップとなる。
【0007】
また、上記提案のいずれも、処理装置がシャトダウンされた直後の状態であって、比熱の高い処理液槽の温度が設定温度に近い状態であり、殆どが空間で占められており比熱の低い乾燥部の温度が設定温度よりかなり低くなった状態からの再起動については考慮しておらず、このような再起動時にはヒータ消費電力が増加する。
【0008】
したがって、本発明は上述した問題点に鑑みてなされたものであり、環境温度測定用の温度センサを使用することなく、処理液槽と乾燥部の各温度を所定温度に上昇するために用いられる各ヒータの消費電力をあらゆる条件下において必要最少限にすることができる写真処理装置の提供を目的とする。
【0009】
加えて、特に再起動の際のヒータ消費電力を必要最少限にすることができる写真処理装置の提供を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明によれば、液槽中の処理液の温度を測定する第1の温度センサと、前記処理液を加温する第1のヒータと、前記液槽を通過した後の感光材料を乾燥する乾燥部の温度を測定する第2の温度センサと、前記乾燥部を加温する第2のヒータとを備え、前記処理液と前記乾燥部を所定温度に維持して所定処理を行う写真処理装置であって、前記第1のヒータと前記第2のヒータとを所定時間単位でデューティ制御するとともに、該デューティ制御のデューティ比を一時記憶する記憶手段と、前記乾燥部について予め定めた所定温度と、前記第2の温度センサにより検出される測定温度とを比較する比較手段と、を具備し、前記写真装置がシャトダウンされた後に再起動されたときに、前記比較手段による比較の結果、前記乾燥部について予め定めた前記所定温度と前記測定温度とが略等しいときに前記一時記憶されたデューティ比に基づき前記第1のヒータと前記第2のヒータとを前記デューティ制御する制御手段を備えることを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の好適な実施形態について添付の各図面を参照して述べると、先ず、図1は写真処理装置1の全体構成の要部を示した外観斜視図であり、写真ネガフィルムの処理を行う場合について示したものである。
【0012】
また、図示はしないが印画紙に対する所定の処理を行う装置においても、処理液槽4と乾燥部3は略同様に配置されることから、後述する温度制御が適用可能であるが、これ移行の説明では写真ネガフィルムに使用される装置で代表して述べることとする。
【0013】
さて、図1において、写真処理装置1の内部には各処理液を貯蔵した液槽4が配設されており、この液槽4を個別に分割することで所望の処理液を分けるように貯蔵するとともに、各個別の液槽においてポンプ14を夫々設けることで、液槽毎の処理液の循環及び供給を行うように構成されている。このように設けられる液槽内を、ネガフィルムFが図中の一点鎖線で示されるように蛇行しつつ搬送するようにして処理に十分な処理時間を確保しつつ搬送するようにして、最後に水洗されたネガフィルムFを液槽4の下流側の乾燥部3に送り出す。また、液槽4内は図示のように分割されており、各槽において個別に処理液の温度を検出する熱電対などからなる第1のセンサ6と、液中に埋設可能な第1のヒータがそれぞれ配設されており、処理液の温度T1を一定の所望温度に維持するように構成されている。
【0014】
一方、液槽4の下流において配設される乾燥部3は、図示のように上下方向に延設するように設けられており、ネガフィルムFを下方に大きくUターンするように搬送できるようにして、バッファリング機能を備えるようにし、この搬送途中において熱風の送風で乾燥してから、前方に向かうように配設された出口部から装置1の外部に排出するように構成されている。
【0015】
また、乾燥部3の内部には遠赤外線ヒータを含む棒状またはコイル状のヒータ8で発生する熱量を送風するための不図示のブロアーが配設されており、外気を図示の矢印方向から乾燥部3内に導入して、乾燥した空気をネガフィルムに送風するとともに、上部の排気ファン9を介して乾燥後に湿潤した状態になった空気を外部に排気するように構成されている。
【0016】
このように構成される乾燥部3には、上記のヒータ8で昇温される乾燥部3の温度T2を正確に検出するために熱電対などから構成される第2のセンサ7が内蔵されており、上記の第1のセンサ6と第1のヒータ5を制御部10に対して接続するようにして、後述する温度調節制御を可能にしている。
【0017】
図2は、通常の運転モードにおける温度調節制御例を示したフローチャートである。本図において、このモードが開始されると、ステップS1において、第1のセンサ6の1本または全ての第のセンサ6による測定値の平均から液槽4の処理液の液温を測定し、制御10に電気信号として出力する。同様に、第2のセンサ7により乾燥部3内部の温度を測定して、制御部10に電気信号として出力する。
【0018】
以上で第1のヒータ5と第2のヒータ8を所定時間単位でデューティ制御する準備がステップS2において開始されるので、次のステップS3において、上記の測定結果の温度がそれぞれ所望の温度T(液槽は37から40℃、乾燥部は70℃前後)に近くなるように上昇しているかどうかの判断がされて、所望温度に近いときは、デューティ制御のデューティ比を、例えば2割分だけ減少して、この減少されたデューティ値を制御部10に実装されているROMであって、電源オフ時でも記憶内容を格納できる記憶素子に一時記憶するとともに、各ヒータへの通電を新規に設定されたデューティ比で通電する。
【0019】
次に、ステップS3において、それぞれの温度が所望温度より低いと判断されるとステップS6に進み、デューティ制御のデューティ比を、例えば2割分増加し、(但し、最大100パーセント)まで設定して、デューティ値を制御部10に実装されているROMに一時記憶するとともに、各ヒータへの通電を新規設定されたデューティ比で行う。以上のステップS4、6によりヒータ消費電力を最少にできるようになる。
【0020】
以上の後に、ステップS7においてそれぞれが所定温度Tにまで上昇したか否かの判断がされて、各所定温度Tになったときは各ヒータ5、8への通電を停止し、リターンする。以上のような通常の運転モードにおける温度調節制御によれば、ヒータの消費電力を必要最小限に抑えることができる。
【0021】
一方、図3は、通常モードの運転状態から装置1のシャットダウンを行う場合のフローチャートである。本図において、例えば装置1を設置した写真店の終業時間となり、1日分の運転が終了し、装置1の主電源を落とす時間となると、このシャットダウンモードとなる。
【0022】
このモードでは、ステップS10において、主電源がオフされると、ステップS11に進みヒータ5、8の今現在のデューティ値が制御部10の記憶素子にセットされ、この後に、ステップS12において完全に主電源がオフされて、装置1の運転を終了し、翌日の起動を待つ。
【0023】
図4は、起動モードのフローチャートであって、特に、図3のシャットダウンモードの直後に特に有効なものである。
【0024】
本図において、装置1の主電源がオンされて、起動モードが開始すると、ステップS20において第1のセンサ6の1本または全ての第のセンサ6による測定値の平均から液槽4の処理液の液温Taを測定し、制御部10に電気信号として出力する。同様に次のステップS21において、第2のセンサ7により乾燥部3内部の温度Tbを測定して、制御部10に電気信号として出力する。
【0025】
以上で第1のヒータ5と第2のヒータ8を所定時間単位でデューティ制御する準備が整い、ステップS22において液槽4の測定温度Taと所定温度T1と、乾燥部3の測定温度Tbと所定温度T2の比較をそれぞれ行う。
【0026】
このステップS22の比較結果を次のステップS23において判断して、乾燥部3の測定温度Tbと所定温度T2が互いに略等しい場合には、シャットダウンからあまり時間経過しておらず、比熱の低い乾燥部3の温度が以前として所定温度T2になっていると判断して、ステップS24に進み、上記のシャットダウンモードにおいて記憶素子に記憶されたデューティ比で各ヒータへの通電を行うようにして、ステップS25の上記の通常モードに移行して連続運転する。
【0027】
即ち、ステップS23からS25の一連の動作により、処理装置がシャトダウンされた直後の状態であって、比熱の低い乾燥部3の温度が設定温度T2に近い状態であり、再起動が容易であることについて考慮して、このような再起動時におけるヒータ消費電力を減少するようにするとともに、短時間内で再起動できるようにしている。
【0028】
一方、ステップS23において、乾燥部3の測定温度Tbが所定温度T2と等しくないと判断されると、ステップS26に進み、乾燥部3の測定温度Tbより所定温度T2のほうが高い値となっているかどうかの判断されて、乾燥部3の所定温度T2の方が大きな場合には、比熱の高い処理液槽の温度の下降より短時間で温度低下する比熱の低い乾燥部所定温度T2が低くなっており、シャットダウン後からかなりの時間が経過していると判断して、ステップS28において各ヒータを例えば100パーセントのフルデューティ比で通電を行うようにする。
【0029】
この後に、ステップS29に進みそれぞれが所定温度Tになるようにして、所定温度に近づいたらステップS25の通常モードに進む。一方、ステップS26において乾燥部3の測定温度Tbが所定温度T2より大きいと判断された場合には、何等かの異常が発生し、ヒータが異常発熱したと判断してステップS27の異常モードに進み、ユーザに異常を知らせる一方で、フラグを立ててそれ以降の処理を強制停止する。
【0030】
以上説明したように、写真処理装置における略全ての使用状態を間案して各ヒータの温度調節の制御を行うようにしたので、各ヒータ消費電力の余分な消費を防止できるようになった。また、環境温度の測定のために専用のセンサを特別に設ける必要がないので、その分コストダウンできる。
【0031】
一方、既に納入済みの写真処理装置1であっても、制御部10に実装される交換可能な記憶素子であって、上記の内容の制御を実行するものと交換することで柔軟に対応できる利点があり、所謂バージョンアップを簡単にサービスマンが行えるようになる。
【0032】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、環境温度測定用の温度センサを使用することなく、処理液槽と乾燥部の各温度を所定温度に上昇維持することができ、かつ処理液槽と乾燥部の各ヒータの消費電力を、あらゆる条件下において必要最少限にすることができる写真処理装置を提供することができる。
【0033】
また、上記の効果に加えて、特に処理装置のシャットダウン後の再起動の際のヒータ消費電力を必要最少限に抑えることができ、短時間で使用可能な温度にすることができる写真処理装置を提供できる。
【0034】
【図面の簡単な説明】
【図1】写真処理装置1の要部構成を示した外観斜視図である。
【図2】通常モードの制御フローチャートである。
【図3】シャットダウンモードの制御フローチャートである。
【図4】起動モードの制御フローチャートである。
【符号の説明】
1 写真処理装置
3 乾燥部
4 液槽
5 第1のヒータ
6 第1の温度センサ
7 第2の温度センサ
8 第2のヒータ
9 排気ファン
10 制御部
14 ポンプ

Claims (2)

  1. 液槽中の処理液の温度を測定する第1の温度センサと、前記処理液を加温する第1のヒータと、前記液槽を通過した後の感光材料を乾燥する乾燥部の温度を測定する第2の温度センサと、前記乾燥部を加温する第2のヒータとを備え、前記処理液と前記乾燥部を所定温度に維持して所定処理を行う写真処理装置であって、
    前記第1のヒータと前記第2のヒータとを所定時間単位でデューティ制御するとともに、該デューティ制御のデューティ比を一時記憶する記憶手段と、
    前記乾燥部について予め定めた所定温度と、前記第2の温度センサにより検出される測定温度とを比較する比較手段と、を具備し、
    前記写真装置がシャトダウンされた後に再起動されたときに、前記比較手段による比較の結果、前記乾燥部について予め定めた前記所定温度と前記測定温度とが略等しいときに前記一時記憶されたデューティ比に基づき前記第1のヒータと前記第2のヒータとを前記デューティ制御する制御手段を備えることを特徴とする写真処理装置。
  2. 前記第1の温度センサは、前記液槽を構成する複数の各液槽毎に複数分が配設され、全温度センサの平均値を測定することを特徴とする請求項1に記載の写真処理装置。
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