JP3552074B2 - 線材圧延装置 - Google Patents

線材圧延装置 Download PDF

Info

Publication number
JP3552074B2
JP3552074B2 JP29219995A JP29219995A JP3552074B2 JP 3552074 B2 JP3552074 B2 JP 3552074B2 JP 29219995 A JP29219995 A JP 29219995A JP 29219995 A JP29219995 A JP 29219995A JP 3552074 B2 JP3552074 B2 JP 3552074B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rolls
pair
bearing
rolled
roll
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP29219995A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH09108708A (ja
Inventor
貢八郎 大橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daido Steel Co Ltd
Original Assignee
Daido Steel Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daido Steel Co Ltd filed Critical Daido Steel Co Ltd
Priority to JP29219995A priority Critical patent/JP3552074B2/ja
Priority to US08/731,267 priority patent/US5832765A/en
Priority to CA 2187720 priority patent/CA2187720C/en
Priority to EP19960116446 priority patent/EP0768124B1/en
Priority to DE1996631272 priority patent/DE69631272T2/de
Publication of JPH09108708A publication Critical patent/JPH09108708A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3552074B2 publication Critical patent/JP3552074B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Reduction Rolling/Reduction Stand/Operation Of Reduction Machine (AREA)
  • Metal Rolling (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は線材圧延装置に関し、特にその線径が5.5mm未満の細線を製造するための線材圧延装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、金属線材を製造する方法としては、伸線法と圧延法、及び両者を組み合わせた方法が知られている。このうち伸線法は、孔径が次第に縮小する複数の線引きダイスに被圧延素材を順次通すことにより線材を得る方法で、通常、細線を製造するのに使用されている。一方、圧延法は、回転軸線が例えばほぼ90°の角度をなすように互いに隣接して配置された対ロールのスタンドを多段階に設け、それらの対ロールにより被圧延材に順次圧延を施して縮径する方法である。この圧延法は、伸線法に比べて生産性が高い利点を有する。
【0003】
ここで上記圧延法においては、ロールの圧延面に被圧延材の断面形状を規定する溝部を形成して圧延を施すことも行われており、例えば上流側の対ロールに対しては、その圧延面が互いに組み合わされたときの上記溝部の断面形状(以下、ロール孔型あるいは単に孔型ともいう)が楕円状のものとなるようにしておき、下流側の対ロールの孔型を円状のものとなるように形成しておけば、1パス当りの線材の減面率を大きくでき、生産性をさらに向上させることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが上述の圧延法においては、上流側の対ロールから下流側の対ロールへ被圧延材が受け渡される際に、線材に捻転が生ずる場合がある。このような線材の捻転は、対ロールの孔型の形状が上流側と下流側で異なるものとされている場合、例えば上述のように楕円状−円状に設定されている場合に生じやすく、捻転が生じたまま圧延を続行すると線材の断面形状が乱れたり、線材がねじ切れたりするなどのトラブルにもつながる。
【0005】
この場合、線材の線径が比較的大きい場合には、例えば下流側の対ロールの入口部に補助ロール等で構成されたローラガイドを設け、そのローラガイドによりガイドしながら線材を対ロールへ供給するようにして捻転の発生を防止することも行われている。しかしながら、線径が小さくなるとローラガイドもそれに合わせて小さくしなければならず、線径が5.5mm未満になるとローラガイドの取付けが実質的にできなくなり、そのような細線を圧延法で高能率で製造することは困難とされていた。
【0006】
そのような事情から上述のような細線は、一般的には5.5mm程度の線径までは圧延法で細線化し、ついでそれを前述の伸線法で所望の線径までさらに細線化するという方法で製造されている。しかしながら、この方法では伸線法を併用するために、圧延法の高生産性が減殺される難点がある。また、伸線法は冷間加工しかできないため、特に高速度工具鋼や高合金鋼のような難加工性の材料を線材化する場合には、ダイスを一定パス通す毎に歪み除去のための焼鈍工程を追加しなければならず製造効率は一層悪化する。
【0007】
本発明の課題は、線径が5.5mm未満の細線を、伸線法を用いることなく高効率かつ高品質で製造できる線材圧延装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段及び作用・効果】
上述の課題を解決するために、本発明の圧延装置は、被圧延材の搬送方向に互いに連なって配置され、それぞれ該被圧延材を互いに異なる方向から圧縮する第一の対ロール及び第二の対ロールを備え、それら第一及び第二の対ロールは、それぞれその圧延面に前記被圧延材の断面形状を規定する溝部を有し、その第一の対ロールを導入側、第二の対ロールを導出側として被圧延材を順次圧延する対ロールを用いる圧延装置において、線径が5.5mm未満の細線を圧延製造するために、第一の対ロールに形成された溝部の幅が7mm以下とされ、第二の対ロールに形成された前記溝部の幅が6mm以下とされ、かつ、それら第一及び第二の対ロールの中心間距離が50mm以下とされて、第一の対ロールから第二の対ロールの間における前記第1の対ロールで圧延された被圧延材の捻転の発生が防止ないし抑制されることを特徴とする。
【0009】
本発明者は、中心間距離が50mm以下となるように第一及び第二の対ロールを互いに近接して配置することで、ローラガイドを使用しなくても被圧延材に前述の捻転が生じることを効果的に防止ないし抑制することができ、ひいては線径が5.5mm未満の細線を圧延法により製造することが可能となることを見い出したのである。すなわち、本発明の圧延装置を使用することにより、上述のような線径を有する細線の製造能率を、従来の伸線法等と比べて飛躍的に高めることができる。
【0010】
ここで、第一及び第二の対ロールの中心間距離Lは、第一及び第二の対ロールを両者が互いに干渉しない範囲内で、できるだけ近接させることが前述の線材の捻転を防止ないし抑制する上で望ましい。従って、中心間距離Lは対ロールを構成する各ロールの外径寸法に応じて適宜設定されることとなるが、例えば第一及び第二の対ロールがそれぞれ同一の外径dを有するロールで構成される場合、中心間距離Lとdとの比L/dの値が1.2以下、望ましくは1.0以下となるように中心間距離Lを調整するのがよい。
【0011】
次に、第一及び第二の対ロールは、それらの回転軸線が互いにほぼ90°の角度をなすように配置することができる。この場合、第一の対ロールは、その圧縮方向における断面寸法Dがこれと直交する方向の断面寸法D2よりも小さくなるように被圧延材を圧延するものとし、第二の対ロールは、それら各断面寸法の比率D/Dが縮小するように被圧延材を圧延するものとすることができる。このようにすれば、圧延1パス当りの減面率を大きくすることができ、製造効率をさらに高めることができる。
【0012】
次に、各ロールの圧延面に形成される溝部は、対ロールを構成する2つのロールの圧延面を組み合わせたときの、その溝部の断面形状(以下、これをロール孔型又は単に孔型ともいう)を、第一及び第二の対ロールに対し異ならせることができる。これにより、線材の寸法精度や加工状態等を良好に維持しつつ、減面率を大きくすることができ、製造効率を高めることができる。そのロール孔型の形状は各種のものを採用することができ、例えば、第一の対ロールとして、そのロール孔型が楕円状の断面を形成するものを使用し、第二の対ロールとして、そのロール孔型が円状の断面を形成するものを使用すれば、円形断面を有する線材を精度よくかつ高能率で製造することができる。
【0013】
また、上記第一及び第二の対ロールの組は、被圧延材の圧延方向に沿って複数組配置することができ、それら対ロールの組によって被圧延材に対し順次圧延を施すようにすることができる。こうすれば、被圧延材に対し段階的に圧延を施すことができ、断面寸法の大きい被圧延材からも細線を効率よく製造することができる。
【0014】
本発明の圧延装置においては、第一及び第二の対ロールに対し、その対ロールを構成する2本のロールを被圧延材の圧縮方向において相対的に接近・離間させるロール間隔調整機構を設けることができる。そのロール間隔調整機構は、2本のロールの回転軸をそれぞれ回転可能に支持する軸受部と、それら軸受部を上記ロールとは偏心した軸線周りで互いに逆方向に回転させることにより、該2本のロールを相対的に接近・離間させる軸受回転機構とを備えたものとして構成することができる。上述のようなロール間隔調整機構を設けることで、種々の断面寸法を有する線材を所望の圧下率で圧延することが可能となる。
【0015】
次に、上記軸受回転機構は、第一の対ロールに対しては該第一の対ロールよりも上流側に、第二の対ロールに対しては該第二の対ロールよりも下流側に設けることができる。このようにすることで、第一の対ロールと第二の対ロールとの間には、ロール間隔調整のための軸受回転機構が配置されなくなり、また、第二の対ロールの入口側には、従来の圧延装置のようにローラガイドを設ける必要がないことから、第一の対ロールと第二の対ロールとを、その中心間距離Lが前述の範囲内のものとなるように近接して配置するのに好都合である。
【0016】
上記軸受回転機構は、より具体的には、2本のロールの各軸受部の外周面に形成された軸受側歯車部と、それら両軸受側歯車部とそれぞれかみ合う駆動側歯車部と、それら駆動側歯車部を互いに逆方向に同期して回転させる同期回転部とを備えたものとして構成することができる。
【0017】
また、その駆動側歯車部を、互いに逆方向に形成された螺旋状の歯部を有するウォームとし、同期回転部を、前記2本のロールの回転軸線と交差する方向に延び、両ウォームを連結してこれを一体的に回転させるウォーム回転軸とすることができる。これにより、軸受回転機構を簡略かつコンパクトに構成することができる。この場合、さらに具体的には下記のように構成することができる。すなわち軸受部を、各ロールの回転軸の両端部に対応して、それぞれその回転軸の軸方向に軸受収容孔が形成された軸受収容部と、その軸受収容孔内に回転可能に収容された軸受本体部とを備えたものとして構成する。そして、その軸受本体部にそれぞれ、自身の回転軸線から偏心した軸受孔を形成し、回転軸の両端部をそれら軸受孔内で回転可能に支持させる。さらに、軸受本体部の外周部に軸受側歯車部を形成し、その軸受側歯車部とかみ合う上記ウォームにより、軸受本体部をロールの回転軸とは偏心した軸線周りに回転させる。
【0018】
上記構成においては、第一の対ロールの軸受本体部に、上記軸受孔を自身の回転軸線よりも下流側に偏心して形成し、第二の対ロールの軸受本体部に、上記軸受孔を自身の回転軸線よりも上流側に偏心して形成することができる。また、これに対応して、前述のウォーム回転軸を、第一の対ロールに対しては該第一の対ロールよりも上流側に、第二の対ロールに対しては該第二の対ロールよりも下流側に設けることができる。こうすれば、第一の対ロールと第二の対ロールとを互いに近接して配置するのに好都合となる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。
図1は、本発明の圧延装置の要部を模式的に示している。この圧延装置1には、被圧延材A1の導入側に、回転軸線が設置面(図示せず)に対しほぼ垂直方向を向くように配置された第一の対ロール101a及び101bを備えた第一スタンド12(水平スタンド)が、そしてその後段に、回転軸線がほぼ水平方向を向くように配置された第二の対ロール102a及び102bを備えた第二スタンド14(垂直スタンド)がそれぞれ配設されており、それらスタンド12及び14が対スタンドS1を形成している。そして、両対ロール101a及び101bならびに102a及び102bの各回転軸線は、互いにほぼ90°の角度をなすものとされている。
【0020】
図2に示すように、対ロール101a及び101bならびに対ロール102a及び102bは、それぞれその外周面が圧延面151a及び151bならびに152a及び152bとされ、それら圧延面には被圧延材A1の断面形状及び寸法を規定する溝部161a及び161bならびに162a及び162bが形成されている。これら、溝部161a及び161bならびに162a及び162bの幅W1及びW2は、前者が7mm以下、後者が6mm以下とされている。ここで、図2(a)に示すように、第一の対ロール101a及び101bは、互いの圧延面151a及び151bを組み合わせたときに、断面形状が楕円状のロール孔型161cが形成されるようになっている。また、第二の対ロール102a及び102bは、互いの圧延面152a及び152bを組み合わせたときに、断面形状が円状のロール孔型162cが形成されるようになっている。
【0021】
次に、図3に示すように第一スタンド12と第二スタンド14との中心間の距離Lは50mm以下に設定されている。また、対ロール101a及び101bのロール外径dと上記中心間距離Lとの間にはL<1.2dの関係が成り立つように、上記外径dが設定されている。
【0022】
図4は、第一スタンド12と第二スタンド14の側面断面図である。なお、第一スタンド12及び第二スタンド14の構成は、互いに隣接して配置された対ロールの回転軸線が交互に90°異なるだけで、その他の構成はほぼ同一であるので、第一スタンド12の構成についてのみ説明し、第二スタンド14の同一部材には同一の符号を付して詳細説明は省略する。
【0023】
すなわち、第一スタンド12においては、被圧延材A1の搬送路(パスライン)PLを挟んでその上下に一対の軸受収容部材24が配設されている。それら軸受収容部材24には、それぞれ軸受収容孔24aがパスラインPLと交差する方向に穿設されている。各軸受収容孔24aには、軸受本体部26が回転自在に内装され、その軸受本体部26には軸受孔26aが軸受収容孔24aに対し偏心して形成されている。そしてそれら軸受孔26aに、ロール回転軸28の両端部がベアリング30を介して回転自在に挿通・支持されている。また回転軸28には、その中間部にロール101a(又は101b、以下101aで代表させる)が一体的に装着されている。ロール回転軸28は、図5(a)に示すように、その軸線Cが軸受本体部26の軸線Cに対して所定量だけ偏心して位置し、両軸受本体部26を後述する機構により正逆方向に回転させることにより、ロール回転軸28の軸線Cが変位することとなる。
【0024】
次に、ロール回転軸28の上流側には、該ロール回転軸28と交差する方向に延びる一対のウォーム回転軸32が設けられている。ウォーム回転軸32は、図7に示すように、第一の対ロール101a及び101bを挟んでその両側に各1ずつ配置され、その上下の軸受本体部26に対応する位置にウォーム34が形成されており、図6に示すように、対応する軸受本体部26の外周に形成された歯部26bとかみ合うようになっている。なお各ウォーム回転軸32に配設された2個のウォーム34には、それぞれ逆方向に切られた螺旋状の歯部が形成されている。また、同じのロール回転軸28においては、2つの軸受本体部26に対応するウォーム34の歯部の形成方向は互いに同じとされている。
【0025】
また、図7及び図8に示すように、両ウォーム回転軸32の互いに対応する一方の端部側には、歯車36がそれぞれ一体回転可能に配設されている。これら歯車36は、軸受収容部24に対し回転自在に取り付けられた調整歯車38とかみ合っており、その調整歯車38を図示しないモータ等の駆動手段により回転させることにより、一対のウォーム回転軸32が同一方向に回転する。これにより、図5(b)に示すように、各ウォーム34を介して軸受本体部26が軸線Cの周りで回転し、上下のロール回転軸28同士が接近ないし離間して、第一の対ロール101a及び101bの軸線間距離(間隔)が調整される。
【0026】
ここで、図4に示すように第一スタンド12は、軸受収容部24の下流側(ロール回転軸28が偏って配設される側)において、軸受回転機構としてのウォーム軸32が設けられていないことから、その厚み寸法が小さくなっている。同様に第二スタンド14では、軸受収容部24の上流側の厚み寸法が小さくなっている。そして、第一スタンド12と第二スタンド14とを、厚み寸法が薄く設定された側において互いに対向するように隣接配置することにより、第一及び第二の対ロール101a及び101bならびに102a及び102bの軸線間距離Lを小さくすることができる。
【0027】
以下、圧延装置1の作動について説明する。
図1に示す対スタンドS1に対し、断面が円状で外径寸法がDである被圧延材A1を第一スタンド12側より導入すると、図2(a)に示すように、被圧延材A1は、その孔型161cにおいて断面が楕円状となるように圧延される。次いで同図(b)に示すように、第二スタンド14の孔型162cにおいて断面が円状となるように圧延されて、図3に示すように、線径D(<D)の線材A2となって導出される。すなわち、被圧延材の断面形状は図2(c)に示すように円状−楕円状−円状と変化しつつ、その断面積を縮小してゆくこととなる。ここで、第一スタンド12において被圧延材A1は、その圧縮方向における断面寸法D(すなわち楕円の短軸に相当)が、これと直交する方向の断面寸法D(すなわち楕円の長軸に相当)よりも小さくなるように圧延されることとなる。次いで第二スタンド14では、被圧延材A1に対する圧縮方向がほぼ90°変化することから、上記断面寸法の比D/Dが縮小するように圧延される。すなわち図2(b)において、圧延後の上記各寸法をD’及びD’とすれば、(D/D)>(D’/D’)となる。
【0028】
ここで、第一スタンド12と第二スタンド14とは、第一及び第二の対ロール101a及び101bならびに102a及び102bの軸線間距離Lが50mm以下に設定されているので、従来のようにローラガイド等の案内手段を設けなくとも被圧延材A1に捻転が生ずることなく、第二スタンド14の孔型162c(図2)にこれを正確に供給することができる。なお、最終的に得られる線材の線径を5.4〜1.3mmとすれば、得られる線材A2の寸法精度が良好で欠陥等の不良の発生も少なく、伸線法と比較した場合の製造効率上の優位性も特に大きくなるので望ましいが、そのためには溝部161a及び161bの幅は7.0mm以下とし、溝部162a及び162bの幅を6.0mm以下とすることがより望ましいといえる。
【0029】
次に、圧延装置1における各対ロールの間隔調整の方法を、第一スタンド12の場合を例にとって説明する。例えば、図9に示すように、被圧延材A1の圧延から、それよりも断面寸法の大きい被圧延材A1’の圧延に切り換える場合、対ロール101a及び101bも、溝部161a及び161b(図2参照)の幅及びロール径がいずれも大きい対ロール101a’及び101b’に交換する必要が生ずる。それに伴い、ロールの軸線間距離もG1からG2へと変化するが、その変化に必要な調整を、本発明の圧延装置においては以下のように簡単に行うことができる。すなわち、図7に示すように、両ウォーム回転軸32を、歯車36及び調整歯車38を介して図示しないモータ等の駆動手段により正方向又は逆方向において互いに同一方向に回転させる。これにより、図5(a)及び(b)に示すように、各ウォーム34を介して軸受本体部26が軸線Cの周りで回転し、上下のロール回転軸28同士が軸受本体部26の回転方向に応じて接近ないし離間して、ロールの軸線間距離(間隔)が調整される。ここで、各スタンドの対ロールは、それぞれ独立した駆動モータにより駆動させるようにしてもよい。
【0030】
被圧延材として高速度工具鋼、ステンレス鋼あるいはその他の高合金鋼など難加工性の鉄系材料、あるいはNi−Ti系形状記憶合金等を使用する場合には、圧延前に被圧延材を加熱して変形抵抗を低下させることが、圧延効率ひいては線材の製造効率向上の点で有利である。そこで被圧延材が第一スタンド12に導入される直前に、これを加熱処理することができる。被圧延材の加熱方法としては、被圧延材への直接通電による通電加熱方式を好適に採用することができる。例えば、図3に示すように、被圧延材A1の搬送を許容した状態でこれと接触する電極71a及び71bを配置し、これら電極71a及び71bを介して電源72により被圧延材A1に対し通電することにより、これを加熱することができる。なお、加熱の方法は、圧延前に被圧延材をほぼ均一に加熱できる方法であれば上述のものに限定される必要はなく、例えば、第一スタンド12の直前の部分に誘導加熱炉等の加熱炉を設置し、被圧延材がその炉内を通過してから第一スタンド12に導入されるようにしてもよい。
【0031】
次に、第一及び第二の対ロール101a及び101bならびに102a及び102bに形成されるロール孔型161c及び162cの形状は、楕円状−円状の組合せに限らず各種のものが使用できる。以下にその例を示す。図10においては、ロール孔型161c及び162cがそれぞれ縦長菱形状及び正方形状に形成されており、この場合、線材A2は正方形状の断面となって導出される。また、各ロール孔型161c及び162cの形状を選択することにより、被圧延材A1から線材A2に至る断面形状の変化が、図11に示すように正方形状−楕円状−円状となるようにするなど、各種採用することができる。
【0032】
次に、対スタンドS1で圧延することにより得られた線材A2をさらに細径の線材A3に加工する場合、図12に示すように、対スタンドS1の後段に、対スタンドS1と同様な構成で、対スタンドS1よりも対ロールの孔型のサイズが小さいスタンド212及びスタンド214からなる対スタンドS2を設置すれば、被圧延材A1を多段階に圧延することができる。なお、対スタンドは3段以上設置することもできる。そして、それら複数の対スタンドにより構成される圧延装置においては、各対ロールは、その軸線方向が例えば交互に90°ずれるように配置することができる。
【0033】
また、被圧延材に対し複数の対スタンドを使用して多段階に圧延を施す場合は、各対スタンドにおけるロール孔型の形状は、同一の組合せのみを使用して圧延を施してもよいが、2種以上の組合せを複合させて圧延を施すようにしてもよい。図13は、2つの対スタンドS1及びS2を使用して圧延を行う場合の例を示しており、同図(a)、(b)は楕円状−円状あるいは縦長菱形状−菱形状等、同一のロール孔型の組合せのみを使用して圧延する場合を、(c)は互いに異なる組合せを複合させた例を示している。すなわち、(c)においては、前段側の対スタンドS1では横長方形状−正方形状の組合せが、後段側の対スタンドS2では楕円状−円状のロール孔型の組合せが採用されている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の圧延装置の一実施例の要部を示す斜視図。
【図2】第一及び第二の対ロールのロール孔型の断面形状の一例を示す模式図。
【図3】本発明の圧延装置の要部を示す平面図。
【図4】本発明の圧延装置の一実施例の側面断面図。
【図5】軸受回転機構の要部をその作用とともに示す平面模式図。
【図6】第一スタンドの側面断面図。
【図7】軸受本体部に対するウォーム回転軸の配置関係を示す正面図。
【図8】同じくその側面模式図。
【図9】断面寸法の異なる被圧延材料を圧延する場合の第一の対ロールの状態を示す平面模式図。
【図10】ロール孔型の断面形状の変形例を示す模式図。
【図11】圧延に伴う線材の断面形状変化の別の例を示す模式図。
【図12】複数の対スタンド及び仕上用対ロールを有する圧延装置を概念的に示す平面図

【図13】複数の対スタンドにより段階的に圧延を施した場合の、線材の断面形状変化の例を示す模式図。
【符号の説明】
1 圧延装置
12 第一スタンド
14 第二スタンド
24 軸受収容部材
24a 軸受収容孔
26 軸受本体部
26a 軸受孔
26b 歯部
28 ロール回転軸
32 ウォーム回転軸
34 ウォーム
101a、101b 第一の対ロール
102a、102b 第二の対ロール
A1 被圧延材
A2 、A3 線材
151a、151b、152a、152b 圧延面
161a、161b、162a、162b 溝部
161c、162c ロール孔型

Claims (8)

  1. 被圧延材の搬送方向に互いに連なって配置され、それぞれ該被圧延材を互いに異なる方向から圧縮する第一の対ロール及び第二の対ロールを備え、
    それら第一及び第二の対ロールは、それぞれその圧延面に前記被圧延材の断面形状を規定する溝部を有し、その第一の対ロールを導入側、第二の対ロールを導出側として前記被圧延材を順次圧延する対ロールを用いる圧延装置において、
    線径が5.5mm未満の細線を圧延製造するために、
    前記第一の対ロールに形成された前記溝部の幅が7mm以下とされ、
    前記第二の対ロールに形成された前記溝部の幅が6mm以下とされ、
    それら第一及び第二の対ロールの中心間距離が50mm以下とされて
    前記第一の対ロールから前記第二の対ロールの間における前記第1の対ロールで圧延された被圧延材の捻転の発生が防止ないし抑制されることを特徴とする線材圧延装置。
  2. 前記第一及び第二の対ロールは、それらの回転軸線が互いにほぼ90°の角度をなすように配置されるとともに、
    前記第一の対ロールは、前記被圧延材をその圧縮方向における断面寸法Dが、これと直交する方向の断面寸法Dよりも小さくなるように圧延するものとされ、
    前記第二の対ロールは、その被圧延材の前記各断面寸法の比率D/Dが縮小するように圧延するものとされる請求項1記載の線材圧延装置。
  3. 前記第一及び第二の対ロールに対し、それぞれその対ロールを構成する2本のロールを、前記被圧延材の圧縮方向において相対的に接近・離間させるロール間隔調整機構が設けられ、
    それら各ロール間隔調整機構は、前記2本のロールの回転軸をそれぞれ回転可能に支持する軸受部と、それら軸受部を前記ロールとは偏心した軸線周りで互いに逆方向に回転させることにより、該2本のロールを相対的に接近・離間させる軸受回転機構とを備えている請求項1又は2に記載の線材圧延装置。
  4. 前記軸受回転機構は、前記第一の対ロールに対しては該第一の対ロールよりも上流側に、前記第二の対ロールに対しては該第二の対ロールよりも下流側に設けられている請求項3記載の線材圧延装置。
  5. 前記軸受回転機構は、
    前記2本のロールの各軸受部の外周面に形成された軸受側歯車部と、
    それら両軸受側歯車部とそれぞれかみ合う駆動側歯車部と、
    それら駆動側歯車部を互いに逆方向に同期して回転させる同期回転部と、
    を備えている請求項4記載の線材圧延装置。
  6. 前記両軸受側歯車部とかみ合う前記駆動側歯車部は、互いに逆方向に形成された螺旋状の歯部を有するウォームとされ、
    前記同期回転部は、前記2本のロールの回転軸線と交差する方向に延び、前記両ウォームを連結してこれを一体的に回転させるウォーム回転軸とされている請求項5記載の線材圧延装置。
  7. 前記軸受部は、
    前記各ロールの回転軸の両端部に対応して、それぞれ前記回転軸の軸方向に軸受収容孔が形成された軸受収容部と、
    その軸受収容孔内に回転可能に収容された軸受本体部とを備え、
    前記軸受本体部にはそれぞれ、自身の回転軸線から偏心して軸受孔が形成され、前記回転軸の両端部は、それら軸受孔内で回転可能に支持されるとともに、
    前記軸受本体部は、その外周部に前記軸受側歯車部が形成され、これとかみ合う前記ウォームにより前記ロールの回転軸とは偏心した軸線周りに回転させられるようになっている請求項6記載の線材圧延装置。
  8. 前記第一の対ロールの軸受本体部には、前記軸受孔が自身の回転軸線よりも下流側に偏心して形成され、前記第二の対ロールの軸受本体部には、前記軸受孔が自身の回転軸線よりも上流側に偏心して形成されている請求項7記載の線材圧延装置。
JP29219995A 1995-10-14 1995-10-14 線材圧延装置 Expired - Fee Related JP3552074B2 (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29219995A JP3552074B2 (ja) 1995-10-14 1995-10-14 線材圧延装置
US08/731,267 US5832765A (en) 1995-10-14 1996-10-11 Method and an apparatus for manufacturing wire
CA 2187720 CA2187720C (en) 1995-10-14 1996-10-11 Method and an apparatus for manufacturing wire
EP19960116446 EP0768124B1 (en) 1995-10-14 1996-10-14 A method and an apparatus for manufacturing wire
DE1996631272 DE69631272T2 (de) 1995-10-14 1996-10-14 Verfahren und Vorrichtung zur Herstellung von Draht

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29219995A JP3552074B2 (ja) 1995-10-14 1995-10-14 線材圧延装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09108708A JPH09108708A (ja) 1997-04-28
JP3552074B2 true JP3552074B2 (ja) 2004-08-11

Family

ID=17778820

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP29219995A Expired - Fee Related JP3552074B2 (ja) 1995-10-14 1995-10-14 線材圧延装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3552074B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE10035224A1 (de) * 2000-07-20 2002-01-31 Man Turbomasch Ag Ghh Borsig Verfahren und Rohling zum Herstellen von rhomboidischen Schaufeln für axiale Strömungsmaschinen

Also Published As

Publication number Publication date
JPH09108708A (ja) 1997-04-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR900005190B1 (ko) 파이프밀에 있어서의 성형로울 및 성형방법과 그 장치
JP5523579B2 (ja) 成形方法と成形装置
JP3552074B2 (ja) 線材圧延装置
JP3564870B2 (ja) 線材圧延装置
JP3573177B2 (ja) 線材の熱間圧延方法及び装置
JPH0760301A (ja) ガイドレス圧延方法
JP3565300B2 (ja) 線材圧延方法及び装置
JPH09108709A (ja) 線材圧延装置
JP3041665B2 (ja) 圧延装置
JPH1094812A (ja) 線材圧延方法及び装置
JP2001321828A (ja) 金属線材の製造方法
WO2004037455A1 (en) Method and apparatus for rolling a tube
JP2002066615A (ja) ガイドレス圧延機列
KR20020015263A (ko) 가역 가이드레스 압연장치
WO1997003771A1 (fr) Appareil de formage a rouleaux de guidage pour realiser un tube soude par resistance electrique et appareil a rouleaux a usage double utilisant celui-ci
JPH0416250B2 (ja)
KR100524556B1 (ko) 레일 가공장치, 레일 가공방법 및 레일
JPH10323712A (ja) チタン線の伸線方法及び装置
JP5116367B2 (ja) 単管ロール造管装置及び単管ロールの造管方法
JP4322067B2 (ja) 異形断面条材の製造装置および製造方法
RU2028847C1 (ru) Профилегибочный станок
JPH0631310A (ja) ばね用平線の加工方法及びその装置
CN118268480A (zh) 一种细丝弯线机
CN111590330A (zh) 齿条型材生产系统
JPH03254302A (ja) 長尺材の幅方向圧延方法及びその圧延機

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040408

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040421

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090514

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090514

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100514

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110514

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120514

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120514

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130514

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130514

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140514

Year of fee payment: 10

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees