JP3551610B2 - 鋼板の絞り検出装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、鋼板の絞り検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、冷間圧延ライン等の薄鋼板製造ラインにおいて、鋼板の蛇行や局部伸びなどにより、いわゆる絞りと称する凸部が生じる。この絞りが鋼板面に生じると、鋼板面に近接して使用される検査装置等に衝突して支障を来すことになるので、速やかに絞り発生を検出して検査装置等を退避させる必要があり、またその不良部をリジェクトする必要がある。
【0003】
このような絞りを検出する方法としては、たとえば、あらかじめ発生頻度の多い箇所でオペレータを待機させて目視で検出するやり方とか、凸部の大きい場合は機械式絞り検出器を用いて検出する方法がある。ここで、機械式絞り検出器について簡単に説明すると、図4(a) に示すように、軸受23で軸支されるロール22で矢示F方向に搬送される鋼板21の直上に振り子と称する絞り検出用回転板24を回転板吊り下げフック25で吊り下げて、その近傍に近接スイッチ26を配置しておく。そして、絞り検出用回転板24の下を鋼板21面に生じた絞り27が通過すると、図4(b) に示すように、絞り検出用回転板24が移動して近接スイッチ26との間隔が広がって、オフ信号を発信するので、この信号を捉えることによって絞り27の発生箇所を検出する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来法では、いずれも欠点がある。すなわち、前者の目視による場合は、オンライン時の鋼板の全長、全幅を確認するのに見落としなどの人為的なミスによって不可能であり、また小さな絞りを見つけることが難しい。また、機械式絞り検出器を用いる場合は、絞りの高さはせいぜい1mm程度までが限度で、それ以下の小さい絞りを検出することは不可能である。また、絞り高さの変化に応じた多段の異常検出を行うことは困難である。
【0005】
本発明は、上記のような従来技術の有する課題を解決した鋼板の絞り検出装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ロールで搬送される鋼板の面に発生する絞りを検出する装置であって、前記ロールの一方の端部付近に取り付けられて、前記鋼板の厚さ方向に幅を有する平行光を照射する投光器と、該投光器をx,y,zの3軸方向に位置調整する投光器側ステージと、前記投光器に対向した前記ロールの他方の端部付近に取り付けられて前記投光器からの平行光を受光する受光器と、該受光器をx,y,zの3軸方向に位置調整する受光器側ステージと、前記投光器からの投光信号および前記受光器からの受光信号を入力して、前記投光器側ステージおよび受光器側ステージの位置調整動作を前記平行光がロール面と平行に近くなるように制御し、前記受光器で検出された鋼板の絞り検出信号を出力する絞り検出制御装置とからなることを特徴とする鋼板の絞り検出装置である。

【0007】
なお、前記投光器にレーザ光を用いる場合は、前記投光器側ステージおよび受光器側ステージの位置調整をx,zの2軸のみとしてもよい。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照して詳しく説明する。図1は、本発明の実施の形態の一例を示す正面概要図、図2はそのA−A矢視側面図である。
これらの図において、1は鋼板、2は軸受3,3に軸支されるロールである。4はロール2の一方の端部付近に取り付けられてレーザ光等の平行光を照射する投光器である。5は投光器4をx,y,zの3軸方向に位置調整する投光器側ステージで、連結取付台6に固定される。7は投光器4に対向したロール2の他方の端部付近に取り付けられて投光器4からの平行光を受光する受光器である。8は受光器7をx,y,zの3軸方向に位置調整する受光器側ステージで、投光器側ステージ5と同様に連結取付台6に固定される。
【0009】
9は絞り検出制御装置で、投光器4と受光器7の投光信号および受光信号を入力して、投光器側ステージ5および受光器側ステージ8の位置調整動作を制御し、受光器7で検出された鋼板1の絞り検出信号を図示しない検査装置に出力するとともに、上位計算機(図示せず)からの校正開始信号を入力する。
ここで、投光器側ステージ5および受光器側ステージ8はいずれも、上記したようにx,y,zの3次元軸の位置調整が必要であるが、投光器4と受光器7との距離を示すy軸方向については光源にレーザ光を用いる場合は照射方向光量に変化がないことから、位置調整の対象外とすることができる。すなわち、投光器4からの平行光が、図3(a) に示すようなパンと称するx軸方向の動作すなわち左右方向への照射角度θで回転する場合と、図3(b) に示すようなチルトと称するz軸方向の動作すなわち上下方向への照射角度φで回転する場合の2軸動作のみの位置調整で十分である。
【0010】
そこで、本発明装置を用いて絞り検出を行う場合は、まず、絞り検出制御装置9によって以下のような事前調整を行う。
▲(1) ▼ 投光器側ステージ5を介して投光器4を左右方向(x軸方向)に投光軸の中心に対して約±1°動かして受光器7からの最適の範囲を見つける。いま、x方向スリットが1mmで、y方向長さを 1.2の三角形状とすると、その tan(正接)の角度はおよそ0.05°となる。よって±1°の範囲で0.05°の近いところを探し、目視で0.01°へ入れる。このとき、光量が十分でないと受光器7からは不適信号が出力される。
▲(2) ▼ 次に、受光器側ステージ8を介して受光器7を左右方向(x軸方向)に約±1°動かして最適の範囲を見つける。(ここまでを、x軸方向の1サイクルとする。)
▲(3) ▼ 投光器4を上下方向(z軸方向)に投光軸の中心に対して約±1°動かして受光器7での受光量最大の位置を見つける。このとき、投光器4からの照射光は平行光であるから、その照射角度が十分にロール2の面と合っていないと受光量が少なく、平行光が最大のとき、ロール面と平行に近くなっている。
▲(4) ▼ 投光器4側の調整が済んだ後、受光器7側も同様に上下方向(z軸方向)に約±1°動かして受光器7での受光量最大の位置を見つける。(ここまでをz軸方向の1サイクルとする。)
▲(5) ▼ x軸方向の1サイクルとz軸方向の1サイクルとを繰り返して、投光器4側と受光器7側との調整を交互に繰り返すことによって、平行光を照射するのに最適な角度θ,φを得る。そして、上下・左右ともに投光器4および受光器7を動かす必要な角度が0.01°以内になったサイクルで調整を終了する。
【0011】
つぎに、この事前調整が済んだ後、絞り検出制御装置9は、走行する鋼板1に投光器4からレーザ光を照射させ、受光器7からの受光量の有無を判別することによって、鋼板面の絞りの検出を行う。そして、絞りが検出された場合には、次工程に絞り検出信号を出力して、検査装置等を退避動作を行わせるとともに、絞りの部分をリジェクトさせる指令を行う。
【0012】
なお、絞り検出制御装置9は、絞り検出の発生頻度によって上位計算機から出力される校正開始信号によって鋼板1の1コイルごとに上記の測定角度の校正を実施することができる。
【0013】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、薄鋼板の製造ラインにおいて鋼板に発生する絞りを検出することができるから、その絞り検出信号によって次工程に設置している検査装置等を退避させて、装置の信頼性を維持することができるとともに、絞りの部分をリジェクトすることによって鋼板の品質向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例を示す正面概要図である。
【図2】図1のA−A矢視側面図である。
【図3】光軸を調整する(a) はx軸方向、(b) はz軸方向の説明図である。
【図4】従来例の(a) は構成を示す側面図、(b) は動作を示す側面図である。
【符号の説明】
1 鋼板
2 ロール
3 軸受
4 投光器
5 投光器側ステージ
6 連結取付台
7 受光器
8 受光器側ステージ
9 絞り検出制御装置

Claims (2)

  1. ロールで搬送される鋼板の面に発生する絞りを検出する装置であって、前記ロールの一方の端部付近に取り付けられて、前記鋼板の厚さ方向に幅を有する平行光を照射する投光器と、該投光器をx,y,zの3軸方向に位置調整する投光器側ステージと、前記投光器に対向した前記ロールの他方の端部付近に取り付けられて前記投光器からの平行光を受光する受光器と、該受光器をx,y,zの3軸方向に位置調整する受光器側ステージと、前記投光器からの投光信号および前記受光器からの受光信号を入力して、前記投光器側ステージおよび受光器側ステージの位置調整動作を前記平行光がロール面と平行に近くなるように制御し、前記受光器で検出された鋼板の絞り検出信号を出力する絞り検出制御装置とからなることを特徴とする鋼板の絞り検出装置。
  2. 前記投光器にレーザ光を用い、前記投光器側ステージおよび受光器側ステージの位置調整をx,zの2軸のみとしたことを特徴とする請求項1記載の鋼板の絞り検出装置。
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