JP3551548B2 - ビデオデータ記録装置とその方法、ビデオデータ記録媒体、および、ビデオデータ再生装置とその方法 - Google Patents
ビデオデータ記録装置とその方法、ビデオデータ記録媒体、および、ビデオデータ再生装置とその方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3551548B2 JP3551548B2 JP14223995A JP14223995A JP3551548B2 JP 3551548 B2 JP3551548 B2 JP 3551548B2 JP 14223995 A JP14223995 A JP 14223995A JP 14223995 A JP14223995 A JP 14223995A JP 3551548 B2 JP3551548 B2 JP 3551548B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- data
- gop
- identification code
- video data
- recording
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、グループオブピクチャ(GOP)を単位として圧縮符号化されたビデオデータを、ノントラッキング再生可能に記録媒体に記録するビデオデータ記録装置とその方法、そのように記録された記録媒体、および、その記録媒体を再生するビデオデータ再生装置とその方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ビデオテープレコーダ(VTR)やビデオカセットレコーダ(VCR)においては、記録信号とともに、テープの側縁部に記録されているコントロール信号を再生し、このコントロール信号によって回転ヘッドおよびキャプスタンの回転を制御し、再生時のヘッドの走査軌跡とテープ上の記録トラックとが一致するようにトラッキングサーボをかけている。
【0003】
また最近は、高密度記録のためにトラック幅が小さくなっているため、より高精度なトラッキング制御が必要となっている。
そのため、たとえば回転ヘッドを圧電素子によって可動できる構成とし、回転ヘッドをウオブリングさせて得られる生成信号の包絡線の変化などによって回転ヘッドを動かして正しいトラッキングを行うようにしているVTR装置などもある。
また、そのような高精度なトラッキングを行うための前提として、テープ案内ドラムを含むテープ走行路の機械的精度や強度もより高度なものが提供されており、さらにはテープ記録媒体においても種々の制限が加わり高品質なものが提供されている。
【0004】
一方、近年の画像符号化技術の進展により、複数フレーム分のビデオデータをグループオブピクチャ(以後、GOPと言う)として、このGOPを単位としてフレーム間符号化してビデオデータを記録する方法が普及している。しかし、このように複数フレームにわたって符号化されているような画像データにおいては、再生する際にデータの欠落や入れ違いが生じると複数フレームのビデオデータに影響を及ぼすことになる。そのため、より正確なデータの再生が必要となり、この点においてもより高精度なトラッキング制御が必要となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、そのような高精度のトラッキングサーボを行うためには、非常に精度の高い高級なヘッドや、複雑で誤差の少ない制御回路などが要求され、装置のローコスト化ができないという問題があった。そして特に、GOPごとに符号化されたようなビデオデータに対しても、より簡単なトラッキング制御で、通常の精度の機構の装置で、また、比較的低品質のテープ記録媒体を用いて、適切に記録および再生を行いたいという要望があった。
【0006】
したがって、本発明の目的は、GOPごとに符号化されているようなビデオデータを、実質的にノントラッキング再生のような簡単なトラッキング制御で再生することができるように、記録媒体に記録する記録装置とその方法を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、実質的にノントラッキング再生のような簡単なトラッキング制御で再生することができるように、GOPごとに符号化されたビデオデータが記録されている記録媒体を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、GOPごとに符号化されたビデオデータが記録されている記録媒体を、実質的にノントラッキング再生のような簡単なトラッキング制御で再生することができる再生装置とその方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、データを記録する際には各データブロックにGOPを識別するコードを付与してGOPごとに記録するようにした。また、再生する際には、そのGOPを識別するコードに基づいてGOPごとに再生するようにし、特にGOPとGOPの境界付近のトラックのデータを適切に区別できるようにした。
【0008】
したがって、本発明のデータ記録装置は、GOPを単位として圧縮符号化されたビデオデータを、記録媒体に記録するビデオデータ記録装置であって、符号化された同一GOPのビデオデータを、所定のフォーマットを有する複数のデータブロックの各々所定の領域に配置するデータ配置手段と、GOP毎に当該GOPを識別するためのGOP識別コードを発生するGOP識別コード発生手段と、その同一のGOPのビデオデータが配置された複数のデータブロックの各々所定の領域に、前記GOP識別コード発生手段により発生したGOPを識別するGOP識別コードを付与するGOP識別コード付与手段と、そのGOP識別コードの付与された複数のデータブロックを、前記記録媒体の所定数の記録トラックに記録する記録手段とを有する。
【0009】
好適には、本発明のデータ記録装置は、GOP識別コードを補助データとして所定領域に含むデータブロックを生成するGOPデータブロック生成手段をさらに有し、前記記録手段は、そのGOP識別コードが付与されビデオデータが配置された複数のデータブロックと、前記生成されたGOP識別コードを補助データとして所定領域に有するデータブロックを、前記記録媒体の所定数の記録トラックに記録する。
【0010】
特定的には、前記GOP識別コード付与手段は、ビデオデータを構成する各々少なくとも1系統の映像データおよび音声データ各々について、独立したGOP識別コードを付与し、前記GOPデータブロック生成手段は、前記各データごとに独立して付与された前記GOP識別コードが各々補助データとして所定領域に記録された前記データブロックを生成する。
【0011】
また好適には、前記記録手段は、少なくとも前記GOP識別コードを補助データとして有するデータブロックを、前記記録トラック内の離れた複数の領域に重複して記録する。
【0012】
また、本発明のデータ記録方法は、GOPを単位として圧縮符号化されたビデオデータの、同一のGOPのビデオデータを、所定のフォーマットを有する複数のデータブロックの各々所定の領域に配置し、GOP毎に当該GOPを識別するGOP識別コードを発生し、前記同一のGOPのビデオデータが配置された複数のデータブロックの各々所定の領域に、同一の発生した前記GOPを識別するためのGOP識別コードを付与し、前記GOP識別コードの付与された前記複数のデータブロックと、前記GOP識別コードを補助データとして所定領域に有するデータブロックとを記録媒体の所定数の記録トラックに記録する。
【0015】
また、本発明のビデオデータ再生装置は、GOPを単位として圧縮符号化されたビデオデータが、GOPごとに、所定フォーマットを有し各々同一のGOP識別コードを有する複数のデータブロックに配置され、該GOPごとの複数のデータブロックが所定数の記録トラックごとにほぼ区別されて順に記録されているテープ記録媒体を再生するビデオデータ再生装置であって、前記テープ記録媒体を順に走査し、前記データブロックを単位とした記録データを再生する再生手段と、前記再生されたデータブロックの、GOP識別コードを検出するGOP識別コード検出手段と、前記再生されたデータブロックを、前記テープ記録媒体の走査位置に基づいて、同一のGOPのビデオデータの可能性があるデータブロックごとに重複して分類するデータブロック分類手段と、前記分類されたデータブロックより、そのデータブロックに対して前記検出されたGOP識別コードに基づいて、所定のGOP識別コードを有するデータブロックを選択し、その選択されたデータブロックを前記テープ記録媒体の当該位置からの再生信号として出力するデータブロック選択手段とを有する。
【0016】
好適には、本発明のデータ再生装置は、前記分類されたデータブロックに対して前記検出されたGOP識別コードの中で、最も多数のデータブロックが有するGOP識別コードを検出する基準GOP識別コード検出手段をさらに有し、前記データブロック選択手段は、前記検出された基準GOP識別コードを有するデータブロックを前記分類されたデータブロックより選択し、前記再生信号として出力する。
【0017】
また、本発明のデータ再生装置は、GOPを単位として圧縮符号化されたビデオデータが、GOPごとに、所定フォーマットを有し各々同一のGOP識別コードを有する複数のデータブロックに配置され、そのGOP識別コードをデータとして有するデータブロックとともに、所定数の記録トラックごとにほぼ区別されて順に記録されているテープ記録媒体を再生するビデオデータ再生装置であって、前記テープ記録媒体を順に走査し、前記データブロックを単位として記録データを再生する再生手段と、前記再生された前記GOP識別コードを補助データとして有するデータブロックより、そのデータブロックに記録されているGOP識別コードを抽出し基準GOP識別コードとする基準GOP識別コード抽出手段と、前記再生されたビデオデータをデータとして有するデータブロックより、GOP識別コードを検出するGOP識別コード検出手段と、前記再生されたビデオデータをデータとするデータブロックを、前記テープ記録媒体の走査位置に基づいて、同一のGOPのビデオデータの可能性があるデータブロックごとに重複して分類するデータブロック分類手段と、前記分類されたデータブロックより、前記基準GOP識別コード抽出手段において抽出された基準GOP識別コードを有するデータブロックを選択し、前記テープ記録媒体の当該位置からの再生信号として出力するデータブロック選択手段とを有する。
【0018】
また、本発明のデータ再生方法は、GOPを単位として圧縮符号化されたビデオデータが、GOPごとに、所定フォーマットを有し各々同一のGOP識別コードを有する複数のデータブロックに配置され、そのGOP識別コードをデータとして有するデータブロックとともに、所定数の記録トラックごとにほぼ区別されて順に記録されているテープ記録媒体を順に走査し、前記データブロックを単位として記録データを再生し、前記再生された前記GOP識別コードをデータとして有するデータブロックより、そのデータブロックに記録されているGOP識別コードを抽出し基準GOP識別コードとし、前記再生されたビデオデータをデータとして有するデータブロックより、GOP識別コードを検出し、前記再生されたビデオデータをデータとするデータブロックを、前記テープ記録媒体の走査位置に基づいて、同一のGOPのビデオデータの可能性があるデータブロックごとに重複して分類し、前記分類されたデータブロックより、前記抽出された基準GOP識別コードを有するデータブロックを選択し、前記選択されたデータブロックを、前記テープ記録媒体の当該位置からの再生信号として順次出力する。
【0019】
本発明のデータ記録装置においては、GOPを単位として圧縮符号化されたビデオデータの同一GOPごとのビデオデータを、データ配置手段において、所定のフォーマットのデータブロックの所定の領域に配置し、GOP識別コード発生手段においてGOP識別コードを発生し、さらにそのデータの配置されたデータブロックの所定領域に、GOP識別コード付与手段においてそのGOPを識別するGOP識別コードを付与する。そして、それらビデオデータおよびGOP識別コードの付与されたデータブロックを、記録手段において、GOPごとに記録媒体の所定の記録トラックに順に記録する。
【0020】
本発明のデータ記録方法においては、GOPを単位として圧縮符号化されたビデオデータの同一GOPごとのビデオデータを、所定のフォーマットのデータブロックの所定の領域に配置し、GOP識別コードを発生し、さらにそのデータの配置されたデータブロックの所定領域に、GOPを識別するGOP識別コードを付与する。そして、それらビデオデータおよびGOP識別コードの付与されたデータブロックを、GOPごとに記録媒体の所定の記録トラックに順に記録する。
【0022】
本発明のデータ再生装置においては、再生手段においてデータ記録媒体を順に走査し所定フォーマットのデータブロックを単位とした記録データを再生し、GOP識別コード検出手段において、その再生されたデータブロックよりGOP識別コードを検出する。また、データブロック分類手段において、テープ記録媒体の走査位置に基づいて、再生されたデータブロックを、同一のGOPのビデオデータの可能性があるデータブロックごとに重複して分類する。そして、データブロック選択手段において、そのデータブロックのGOP識別コードに基づいて、その分類されたデータブロックより所定のGOP識別コードを有するデータブロックを選択し、テープ記録媒体のその位置からの再生信号として出力する。
【0023】
また、本発明の他のデータ再生装置は、再生手段においてテープ記録媒体を順に走査し所定フォーマットのデータブロックを単位として記録データを再生する。そして、基準GOP識別コード抽出手段において、GOP識別コードをデータとして有するデータブロックに記録されているGOP識別コードを抽出し基準GOP識別コードとする。また、GOP識別コード検出手段において、ビデオデータをデータとして有するデータブロックより、GOP識別コードを検出する。そして、データブロック分類手段において、テープ記録媒体の走査位置に基づいて、再生されたデータブロックを、同一のGOPのビデオデータの可能性があるデータブロックごとに重複して分類する。そして、データブロック選択手段において、前記基準GOP識別コード抽出手段において抽出された基準GOP識別コードを有するデータブロックを前記分類されたデータブロックより選択し、テープ記録媒体のその位置からの再生信号として出力する。
【0024】
また、本発明のデータ再生方法は、テープ記録媒体を順に走査し所定フォーマットのデータブロックを単位として記録データを再生する。そして、GOP識別コードをデータとして有するデータブロックに記録されているGOP識別コードを抽出し基準GOP識別コードとする。また、ビデオデータをデータとして有するデータブロックより、GOP識別コードを検出する。そして、テープ記録媒体の走査位置に基づいて、再生されたデータブロックを、同一のGOPのビデオデータの可能性があるデータブロックごとに重複して分類する。そして、前記抽出された基準GOP識別コードを有するデータブロックを前記分類されたデータブロックより選択し、テープ記録媒体のその位置からの再生信号として出力する。
【0025】
【実施例】
本発明の一実施例のビデオデータ記録再生装置を図1〜図8を参照して説明する。
本実施例のビデオデータ記録再生装置は、入力されたビデオデータをカセット形式のテープ媒体にノントラッキング再生可能に記録する記録部と、そのテープ媒体に記録されたビデオデータをノントラッキング再生する再生部とを有するビデオカセットレコーダである。
【0026】
まず、本実施例のビデオデータ記録再生装置の構成について説明する。
図1は、本実施例のビデオデータ記録再生装置の、データの流れに関わる主な構成部を示したブロック図である。
ビデオデータ記録再生装置10は、記録系100と再生系200を有する。
【0027】
まず、記録系100の構成について説明する。
図1に示すように、記録系100は、符号化部110、データパック部120、メモリ部130、外符号エンコード部150、ID生成部160、ID付加部170、内符号エンコード部180および記録部190を有する。
記録系100は、映像入力端子Vinおよび音声入力端子Ainより入力されたビデオオーディオデータを、たとえばこのビデオデータ記録再生装置10の再生系200などの再生装置により再生可能なフォーマットで、ビデオカセットテープ80に記録する。
【0028】
符号化部110は、映像入力端子Vinより入力された映像信号を圧縮し、符号化し、映像ビットストリームとしてデータパック部120に出力する。この圧縮符号化方法は、MPEGなどの符号化方法と同様に、DCTなどの直交変換符号化および予測符号化を行い、量子化、可変長符号化を行って符号化データ列を生成する方法である。
【0029】
符号化部110の動作について図2を参照して具体的に説明する。
符号化部110は、図2(A)に示すような一連の画像を、1フレームごとに交互にIピクチャおよびBピクチャとして符号化を行う。すなわち、1フレームおきにフレーム内符号化を行い、その間の各フレームはその前後のIピクチャから両方向の予測符号化を行う。また、各ピクチャは、16画素×16ラインのマクロブロックを単位として符号化を行う。
その結果、図2(B)に示すように、Bピクチャに先行して符号化されたIピクチャのマクロブロックごとの符号化データと、Bピクチャのマクロブロックごとの符号化データが順次生成される。これらの2フレームが1つのGOPとして、各GOPごとのデータがデータパック部120に出力される。
【0030】
データパック部120は、符号化部110から入力されたGOPごとの映像符号化データと、音声入力端子Ainから入力された音声データを、所定フォーマットのデータブロックの所定のデータ領域に順次配置する。
【0031】
そのデータブロックについて図3を参照して説明する。
図3は、ビデオカセットテープ80に記録するデータの単位であるデータブロックのフォーマットを示す図であり、(A)は映像データのフォーマットを示す図、(B)は音声データのフォーマットを示す図、(C)はシステム補助データのフォーマットを示す図である。
図3(A)に示すように、1つのGOPに対する映像データは、同期信号(SYNC)2バイト、データ識別コード(ID)4バイト、データ108バイト、内符号パリティ12バイトの、126バイトのデータからなるデータブロックを単位として構成される。
【0032】
そして、データとして映像データが記録された所定数(図3(A)においては50個)のデータブロックと、データとしてその映像データに対する外符号パリティが記録された所定数(図3(A)においては14個)のデータブロックとで、1つのECC(エラーコレクションコード)ブロックを構成し、走査線数625本フィールド数50フィールドのデータにおいては36のECCブロックで、また、走査線数525本フィールド数60フィールドのデータにおいては、30のECCブロックで、1GOP分の映像データが構成される。
【0033】
音声データも、図3(B)に示すように、映像データと同様のデータブロックを単位として構成される。そして、データとして音声データが記録された所定数(図3(B)においては6個)のデータブロックと、データとしてその音声データに対する外符号パリティが記録された所定数(図3(B)においては8個)のデータブロックとで、1つのECCブロックを構成し、走査線数625本フィールド数50フィールドのデータにおいては12のECCブロックで、また、走査線数525本フィールド数60フィールドのデータにおいては、10のECCブロックで、1GOP分の音声データが構成される。
【0034】
なお、本実施例のビデオデータ記録再生装置10においては、4チャネルの音声データを記録するものとし、各チャネルの音声データごとに図3(B)に示す音声データが構成される。
また、各GOPごとのデータには、図3(C)に示すような、1つのシステム補助データが生成される。このシステム補助データとしては、データとして、後述するノントラッキング制御のためのIDデータ、および、GOPを構成する各フレームごとの管理データなどが記憶される。
【0035】
データパック部120は、図2(C)に示すように、各マクロブロックごとのデータ、すなわち各ピクチャのデータ、および音声データを、このようなフォーマットのデータブロックのデータ記録領域に適宜配置する。この処理は、可変長符号化された各データを所定のフォーマットのデータブロックに配置することにより、固定長のデータを処理すればよいようにし、ビデオカセットテープ80に記録可能にする処理と言える。また、データパック部120は、システム補助データのデータブロックを生成する。そして、データパック部120で生成された映像データのデータブロック、音声データのデータブロック、および、システム補助データのデータブロックは、各々メモリ部130に記録される。
また、GOPごとの区切りを示す信号が、データパック部120よりメモリ部130およびID生成部160に出力される。
【0036】
メモリ部130は、データパック部120より順次入力されるGOPごとの映像データ、音声データ、および、システム補助データをGOP単位に記憶しておく記憶手段であり、メモリとそのメモリへのデータの入出力を制御する制御部より構成される。このメモリ部130へ記憶されているGOPごとのデータに対して、外符号エンコード部150により外符号パリティが付加される。また、外符号パリティが付加されたデータは、ビデオカセットテープ80への記録のために順次ID付加部170に出力される。
なお、メモリ部130の前記制御部には、データパック部120よりGOPの区切りを示す信号が入力され、この信号に基づいて順次GOPごとの処理が行われる。また、データパック部120からのデータの入力、外符号エンコード部150とのデータの入出力、および、ID付加部170へのデータの出力の各処理は、メモリ部130の前記制御部により制御され、同時的に行われる。
【0037】
外符号エンコード部150は、メモリ部130に記憶されているGOPごとの映像データおよび音声データに対して、外符号パリティ(Outer Parity)を付与する。外符号エンコード部150は、メモリ部130の制御部を介して、そのメモリに記憶されている各データをアクセスし、外符号パリティを生成し、図2(C)、および、図3(A)、(B)に示すように、外符号パリティ用のデータブロックのデータ記録領域に配置する。この生成された外符号パリティ用のデータブロックも、メモリ部130に映像データおよび音声データとともに記憶される。
【0038】
ID生成部160は、データパック部120より入力されたGOPの区切りを示す信号に基づいて、GOPごとの識別コード(ID)を生成しID付加部170に出力する。このGOPごとのIDは、映像データ、および、1〜4チャネルの音声データ各々に独立して生成される。
ID生成部160には、一連のビデオデータの先頭などにおいて適宜、図示せぬビデオデータ記録再生装置10の制御部からIDの初期値を決定する信号が入力され、この信号が入力された時にはこれに従ってIDを決定する。また、前記信号が入力されない時には、データパック部120から入力されるGOPの区切りを示す信号に基づいて、そのIDを所定の規則により更新する。本実施例においては、IDを順次カウントアップする。
【0039】
ID付加部170は、メモリ部130から外符号パリティの付与されたGOPごとのデータを順次読み出し、各データブロックごとにID生成部160から入力されたGOPの識別コードをセットする。ID付加部170は、メモリ部130から読み出した映像データおよび音声データに対しては、各データブロックの先頭にある識別コード記憶領域にそのIDをセットする。また、システム補助データに対しては、その識別コード記憶領域にIDをセットするとともに、図3(C)に示すように、さらに、そのデータ記憶領域の所定位置に、ノントラッキング制御を行うためのデータして映像データおよび音声データに付与した各識別コードをセットする。
【0040】
内符号エンコード部180は、ID付加部170から入力されるGOPごとの映像データ、音声データ、および、システム補助データに対して、内符号パリティ(Inner Parity)を付与する。内符号エンコード部180は、図2(C)および図3(A)〜(C)に示すような各データのデータブロックの末尾12バイトの位置に、そのデータブロックに対する内符号パリティを配置する。パリティの配置された各データブロックは、記録部190に出力される。
【0041】
記録部190は、順次入力されるGOPごとの映像データ、音声データおよびシステム補助データをビデオカセットテープ80に実際に記録する。
そのビデオカセットテープ80の記録フォーマットを図4および図5を参照して説明する。
図4は、1GOP分のビデオデータの記録フォーマットを示す図、図5は、ビデオカセットテープ80上に順次GOPごとのデータが記録されている状態を示す図である。
【0042】
図4に示すように、1GOP分のデータは、10本または12本のトラックに記録される。このトラックの数は、たとえば、走査線数625本フィールド数50フィールドのデータであれば12本、走査線数525本フィールド数60フィールドのデータであれば10本である。
そして、各トラックは、映像信号が記録されるビデオデータ領域、音声信号が記録されるオーディオデータ領域および、システム補助信号が記録されるシステム補助データ領域を有する。本実施例においては、音声信号としては前述したように4チャネルの音声信号を有し、また、各信号は、図示のごとく2つの領域に分割して記録される。
【0043】
このように、各GOPごとのデータを12本または10本のトラックを割り当て、さらにビデオカセットテープ80の長手方向にこのGOPごとのビデオデータを順次記録し、一連のビデオデータを記録する。
その記録の状態を図5に示す。
図5は、G1 〜G6 のGOPのデータが、順に記録されている状態を示す。
【0044】
次に、再生系200の構成について説明する。
再生系200は、再生部210、内符号デコード部220、ノントラッキング制御部230、外符号デコード部240、メモリ部250、データデパック部260および復号化部270を有する。
なお、再生部210およびノントラッキング制御部230の構成を、図6により詳細に示す。
【0045】
再生部210は、4つの再生ヘッドA,A’,B,B’、および、信号抽出部211を有し、これにより、ビデオデータの記録されたビデオカセットテープ80の各記録トラックの信号を拾う。この4つの再生ヘッドは、同アジマスのPBヘッド2個(ヘッドAとA’、および、ヘッドBとB’)がトラック幅だけオフセットされてマウントされている。したがって、図7に示すように、トラック曲がりがあっても少なくとも一方のヘッド(AまたはA’、あるいは、BまたはB’)ではデータの再生ができるようになっている。
そこで、この同アジマスのヘッドから出力された信号を信号抽出部211で統合して1つの信号として出力する。
【0046】
内符号デコード部220は、再生部210から出力された再生信号の各データブロックごとに、内符号パリティに基づいてエラー訂正を行い、その結果のデータブロックを順次ノントラッキング制御部230に出力する。
【0047】
ノントラッキング制御部230は、図6に示すように、バッファ231、ID検出部232、入力切り換えスイッチ233、第1〜第nのメモリ234−1〜234−n、出力切り換えスイッチ236を有する。
【0048】
バッファ231は、内符号デコード部220から入力される再生データブロックの中より映像データのデータブロックと音声データのデータブロックを一時的に記憶する記憶手段である。
【0049】
ID検出部232は、内符号デコード部220から入力される再生データブロックより、GOPを識別するコードを検出し、その検出結果に基づいて入力切り換えスイッチ233を制御してバッファ231に一時的に記憶されている再生データブロックを第1〜第nのメモリ234−1〜234−nに適宜記録する。
【0050】
具体的にはID検出部232は、次のような動作を行う。
まず、ビデオカセットテープ80上において、GOPごとのデータの境界付近の位置の再生データブロックが入力された時、すなわち、再生されたシステム補助データの内容がその領域のGOPのIDを示す正しいデータとは限らない場合には、ID検出部232は、再生データブロックよりIDを検出し、共通のIDを持つ再生データブロックが共通のメモリ234−i(i=1〜n)に記録されるように、入力切り換えスイッチ233を制御する。
【0051】
次に、ビデオカセットテープ80上において、GOPごとのデータの中心付近の位置の再生データブロックが入力された時、すなわち、再生されたシステム補助データの内容がその領域のGOPのIDを示す正しいデータと認められる場合には、ID検出部232はそのシステム補助データの中に記録されているノントラッキング制御を行うためのデータを検出し、その正しいGOPのIDを検出する。そして、映像データおよび音声データ各々について、その正しいIDと共通のIDを有するデータブロックをバッファ231から選択し、それまでそのIDのデータブロックが入力されていたメモリ234−i(i=1〜n)に引き続き入力する。
【0052】
この時、この検出された正しいIDと共通でないIDを有するデータブロックは、いずれのメモリ234にも記録せずにバッファ231において消去する。
また、前回正しいIDとして検出されており、それまでメモリ234−i(i=1〜n)に記録されていたデータは、この時点でノントラッキング制御部230から外符号デコード部240に出力される。
また、正しいID以外のIDを有するデータブロックが記録されていたメモリ234のデータも消去される。
したがって、システム補助データより検出されたIDが正しいと認められた時点で、前回正しいと認められたIDを有するデータは外符号デコード部240に出力され、今回正しいと認められたIDを有するデータのみが残されて引き続き記録される。
【0053】
そして、さらにビデオカセットテープ80上の走査が進み、再びGOPごとのデータの境界付近の位置の再生データブロックが入力された時には、ID検出部232は、再生データブロックよりIDを検出し、その共通のIDを持つ再生データブロックが共通のメモリ234−i(i=1〜n)に記録されるように、再び入力切り換えスイッチ233を制御する。この時、第1〜第nのメモリ234−1〜234−nのいずれかのメモリ234−i(i=1〜n)には、それまでの正しいIDのデータブロックが記録されているので、このメモリ234−i(i=1〜n)には引き続きそのIDを有するデータブロックを記録する。
このような処理をID検出部232が繰り返すことにより、バッファ231より順に適切なGOPのIDを有するデータブロックを選択することができる。
【0054】
なお、再生部210で再生され、内符号デコード部220を介して入力されるデータブロックが、ビデオカセットテープ80上のその位置のデータか、すなわち、GOPごとのデータの境界付近の位置のデータブロックなのか、GOPごとのデータの中心付近の位置のデータブロックなのかの判定は、図示せぬビデオデータ記録再生装置10の制御部により、コントロールされる。
【0055】
入力切り換えスイッチ233は、バッファ231に一時記憶されているデータブロックを第1〜第nのメモリ234−1〜234−nに記憶するための選択手段であり、ID検出部232から入力される制御信号に基づいて動作する。
【0056】
第1〜第nのメモリ234−1〜234−nは、バッファ231より入力切り換えスイッチ233を介して入力された再生信号を記録しておくメモリである。基本的には、再生されたデータブロックの、識別コードが共通のデータブロックが、1つのメモリに記録される。
【0057】
出力切り換えスイッチ236は、ノントラッキング制御部230からの出力データを選択する選択回路であり、第1〜第nのメモリ234−1〜234−nのいずれかのメモリを選択して、外符号デコード部240から読み出し可能にする。
【0058】
外符号デコード部240は、ノントラッキング制御部230のメモリに記録されているデータを読み出し、各GOPごとの各信号の種類ごとに外符号パリティに基づいてエラー訂正を行い、その結果のデータを順次メモリ部250に記憶する。
【0059】
メモリ部250は、ビデオカセットテープ80より再生され、内符号パリティおよび外符号パリティによりエラー訂正されたGOPごとのデータを記憶しておくメモリである。
【0060】
データデパック部260は、メモリ部250に記憶されている各データブロックのデータより、図2(B)に示すような各GOPの各マクロブロックごとの符号化データ列を復元し、映像データについては復号化部270に出力し、音声データは、音声出力端子Aout より出力する。
【0061】
復号化部270は、データデパック部260より入力された圧縮符号化された映像データを復号し伸長して、通常の映像信号として映像出力端子Vout より出力する。
【0062】
次に、ビデオデータ記録再生装置10の動作について説明する。
記録系100の映像入力端子Vinより入力された映像信号は、符号化部110において2フレームずつのGOPごとに符号化され、映像ビットストリームとして出力される。その映像ビットストリームおよび音声入力端子Ainより入力された音声データは、データパック部120において、図3に示すようなデータブロックの所定のデータ記録領域に配置される。そして、このデータに対して外符号エンコード部150において外符号パリティが付与される。
【0063】
また、各GOPを識別するコードがID生成部160において生成され、ID付加部170で各データブロックに付与される。GOP識別コードの付与された各データストリームは、内符号エンコード部180においてさらに内符号パリティが付与され、記録部190よりビデオカセットテープ80上に記録される。
また、この映像データおよび音声データに付与した識別コードは、システム補助データにも記録され、映像データおよび音声データとともにビデオカセットテープ80に記録される。
【0064】
ビデオカセットテープ80上では、前記各データにはGOPごとに所定数のトラックが割り当てられ、順次記録される。また、各トラック内においては、図4に示すように、各データの種類ごとに2箇所のデータ記録領域が割り当てられ、各データは各記録領域に振り分けて記録される。また、システム補助データについては、同一のデータが2箇所の領域の各々に複数回重複して記録される。
【0065】
ビデオカセットテープ80は、再生系200においてノントラッキング再生される。まず、ビデオカセットテープ80に記録されたビデオデータは、ビデオデータ記録再生装置10において、図7に示すような同アジマスのヘッドを1トラック分ずらして2個有するヘッドにより信号が拾われ、信号抽出部211により、その2個のヘッドの出力を統合して再生信号が生成される。そして、内符号デコード部220で内符号パリティを利用してエラー訂正を行い、ノントラッキング制御部230に出力する。
【0066】
ノントラッキング制御部230の動作について、図8を参照して説明する。
図8に示すような、G1 〜G5 のGOP識別コードが付されたデータが記録されているビデオカセットテープ80を再生した場合、たとえば、領域aの再生の際には、CTLからヘリカルトラックまでのオフセット長がずれて再生される可能性があるが、領域bの部分まではずれることが無い。したがって、図8の領域bで再生されたシステム補助データに基づいてそのGOPに固有な基準IDを検出すればよい。
【0067】
具体的には、領域aの再生信号については、正しい基準IDを検出することができないので、検出されたすべてのIDを有するデータブロックを、IDが同じになるように第1〜第nのメモリ234−1〜234−nに選択して記憶する。そして、領域bのトラックの再生信号に基づいて、ID検出部232においてGOPの基準IDが決定されたら、このIDを有するデータブロックのみが正しいデータブロックと判定できるので、そのデータブロックを、第1〜第nのメモリ234−1〜234−nの中のそのIDのデータブロックを記憶したメモリ234−i(i=1〜n)に記憶する。その他のIDを有するデータブロックは、メモリ234への入力を行わずバッファ231中で消去する。
【0068】
そして、領域cのトラックの再生が始まると、基準IDと等しいIDを有するデータブロックは、引き続きそのメモリに記憶するとともに、その他のIDを有するデータブロックについても、メモリ234−i(i=1〜n)への記録を行う。すなわち、IDが同じになるように入力切り換えスイッチ233で適宜選択して、データを振り分ける。
そして、領域cの再生が終了したら、IDがG2 のGOPのデータブロックはもはや再生されないので、出力切り換えスイッチ236を制御して、そのメモリの内容を外符号デコード部240に出力する。また、その時点では、次のGOPの基準IDも決定するので、今度はそのIDを有するGOPのみを、そのメモリ234−j(j=1〜n)に記憶するようにすることにより、順次GOPごとの再生が行われる。
【0069】
このように、本実施例のビデオデータ記録再生装置10においては、各データブロックごとにGOPを識別するIDを付与して記録しておき、再生すべきGOPを判定しながら再生を行っているので、ノントラッキング再生を行って、隣接する複数のトラック間でデータブロックの入れ違いなどが生じても、GOPごとにデータをまとめることができ、適切にビデオデータが再生できる。
また、ノントラッキング再生が可能なので、装置を簡単にすることができ、また安価なテープ媒体を用いることもできる。
【0070】
また、本実施例においては、ビデオデータとともに、基準GOPデータを有するシステム補助データをテープ媒体上の記録トラックに記録しているので、各記録トラックから再生すべきデータブロックのGOPのIDを迅速に検出することができる。
また、本実施例においては、映像データ、および、複数チャネルの音声データの各々について、個別にGOPのIDを設定することができるので、後から、いずれかのデータのみを書き換えた場合などにも適切に対処することができる。
【0071】
なお、本発明は、本実施例に限られるものではなく、種々の改変が可能である。
たとえば、本実施例は、ビデオデータをテープ媒体に記録する記録部と、テープ媒体に記録されたビデオデータを再生する再生部とをともに有するビデオデータ記録再生装置を例示して本発明を説明したが、ビデオデータの記録のみを行うビデオデータ記録装置や、記録されたデータの再生のみを行うビデオデータ再生装置であっても本発明の範疇であることは明らかである。
また、記録媒体としては、ビデオカセットテープを用いるものとしたが、テープを記録媒体とするものであれば、任意の媒体に対して本発明は適用可能である。
【0072】
また、本実施例においては、映像データ、各チャネルごとの音声データの各データブロックに対してGOPを識別するコードを付与して記録し、さらに、その識別コードをデータとして持つシステム補助データをそれらのデータとともに記録した。しかし、本発明は、各映像および音声データがGOPごとの識別コードを有することを特徴とするものであり、識別コードをデータとして持つシステム補助データの記録は行わないような方法で実施してもよい。
そのような記録および再生について、図9および図10を参照して説明する。図9は、そのようなシステム補助データの記録の無い、テープ媒体へのデータの記録状態を示す図であり、図10はそのようなデータを再生する再生方法の説明をする図である。
【0073】
図9に示すように、本実施例と同様に、GOPごとに符号化された映像データおよび音声データは、所定数のトラックの所定の領域に各々記録される。
そして、再生する際には、図10の領域a、領域b、領域cの全ての領域について、各データブロックに記録されているIDに基づいてそのデータを区分する。すなわち、複数のメモリに各IDごとにデータブロックを順次格納していく。領域cの再生信号について前記区分が終了したら、その時点で最もデータブロック数の多いデータブロックが、その領域のGOPのデータブロックと判定して、そのメモリに記録されているデータブロックを出力する。
この処理を順次繰り返すことにより、図10において識別コードがG1 〜G6 のGOPデータが順次再生される。ただし、この場合には、システム補助データを用いないため、映像データ、および、音声データの各チャネルごとに、GOPごとの多数決判定を行う必要がある。
【0074】
また、記録系100のメモリ部130、再生系200のメモリ部250、および、ノントラッキング制御部230のメモリ234−i(i=1〜n)などの記憶手段の構成は任意の構成でよい。たとえば、ノントラッキング制御部230のメモリ234−i(i=1〜n)においては、n個のメモリが設けられているような構成になっているが、実際にn個の独立したデータ記憶手段を設けてもよいし、1つの記憶領域、メモリ空間をn個のエリアに分割して実質的にn個の記憶手段を設けるようにしてもよい。
また、識別コードはGOPごと、あるいは、各GOPの各データの種類ごとに任意のコードを付与してよい。
【0075】
【発明の効果】
本発明によれば、GOPごとに符号化されているようなビデオデータを、実質的にノントラッキング再生のような簡単なトラッキング制御で再生することができるように、記録媒体に記録することができるデータ記録装置および記録方法が提供できる。そして、これにより、安価でビデオデータを効率よく記録することができる種々のビデオデータ記録装置が実現できる。
また本発明によれば、実質的にノントラッキング再生のような簡単なトラッキング制御で再生することができるように、GOPごとに符号化されたビデオデータが記録されている記録媒体を提供することができる。
また、本発明によれば、GOPごとに符号化されたビデオデータが記録されている記録媒体を、実質的にノントラッキング再生のような簡単なトラッキング制御で再生することができる再生装置とその方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のビデオデータ記録再生装置の主な構成部を示すブロック図である。
【図2】図1に示したビデオデータ記録再生装置の記録系の動作を説明する図であり、(A)は符号化部の動作を説明する図、(B)は符号化されたデータ列を示す図、(C)はデータブロックへのデータの配置を示す図である。
【図3】ビデオカセットテープに記録するデータブロックを示す図であり、(A)は映像データのフォーマットを示す図、(B)は音声データのフォーマットを示す図、(C)はシステム補助データのフォーマットを示す図である。
【図4】1GOP分のビデオデータの記録フォーマットを示す図である。
【図5】ビデオカセットテープへGOPごとにデータが記録されている状態を示す図である。
【図6】図1に示したビデオデータ記録再生装置の再生部およびノントラッキング制御部の構成を詳細に示す図である。
【図7】図1に示したビデオデータ記録再生装置の再生部による記録トラックの走査状態と出力信号を示す図である。
【図8】図1に示したビデオデータ記録再生装置のノントラッキング制御部の動作を説明する図である。
【図9】ビデオカセットテープへのデータ記録フォーマットの他の例を示す図である。
【図10】
ビデオデータ記録再生装置のノントラッキング制御部の他の動作例を説明する図である。
【符号の説明】
10…ビデオデータ記録再生装置、100…記録系、110…符号化部、120…データパック部、130…メモリ部、150…外符号エンコード部、160…ID生成部、170…ID付加部、180…内符号エンコード部、190…記録部、200…再生系、210…再生部、211…信号抽出部、220…内符号デコード部、230…ノントラッキング制御部、231…バッファ、232…ID検出部、233…入力切り換えスイッチ、234…メモリ、236…出力切り換えスイッチ、240…外符号デコード部、250…メモリ部、260…ID生成部、270…復号化部、80…ビデオカセットテープ
【産業上の利用分野】
本発明は、グループオブピクチャ(GOP)を単位として圧縮符号化されたビデオデータを、ノントラッキング再生可能に記録媒体に記録するビデオデータ記録装置とその方法、そのように記録された記録媒体、および、その記録媒体を再生するビデオデータ再生装置とその方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ビデオテープレコーダ(VTR)やビデオカセットレコーダ(VCR)においては、記録信号とともに、テープの側縁部に記録されているコントロール信号を再生し、このコントロール信号によって回転ヘッドおよびキャプスタンの回転を制御し、再生時のヘッドの走査軌跡とテープ上の記録トラックとが一致するようにトラッキングサーボをかけている。
【0003】
また最近は、高密度記録のためにトラック幅が小さくなっているため、より高精度なトラッキング制御が必要となっている。
そのため、たとえば回転ヘッドを圧電素子によって可動できる構成とし、回転ヘッドをウオブリングさせて得られる生成信号の包絡線の変化などによって回転ヘッドを動かして正しいトラッキングを行うようにしているVTR装置などもある。
また、そのような高精度なトラッキングを行うための前提として、テープ案内ドラムを含むテープ走行路の機械的精度や強度もより高度なものが提供されており、さらにはテープ記録媒体においても種々の制限が加わり高品質なものが提供されている。
【0004】
一方、近年の画像符号化技術の進展により、複数フレーム分のビデオデータをグループオブピクチャ(以後、GOPと言う)として、このGOPを単位としてフレーム間符号化してビデオデータを記録する方法が普及している。しかし、このように複数フレームにわたって符号化されているような画像データにおいては、再生する際にデータの欠落や入れ違いが生じると複数フレームのビデオデータに影響を及ぼすことになる。そのため、より正確なデータの再生が必要となり、この点においてもより高精度なトラッキング制御が必要となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、そのような高精度のトラッキングサーボを行うためには、非常に精度の高い高級なヘッドや、複雑で誤差の少ない制御回路などが要求され、装置のローコスト化ができないという問題があった。そして特に、GOPごとに符号化されたようなビデオデータに対しても、より簡単なトラッキング制御で、通常の精度の機構の装置で、また、比較的低品質のテープ記録媒体を用いて、適切に記録および再生を行いたいという要望があった。
【0006】
したがって、本発明の目的は、GOPごとに符号化されているようなビデオデータを、実質的にノントラッキング再生のような簡単なトラッキング制御で再生することができるように、記録媒体に記録する記録装置とその方法を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、実質的にノントラッキング再生のような簡単なトラッキング制御で再生することができるように、GOPごとに符号化されたビデオデータが記録されている記録媒体を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、GOPごとに符号化されたビデオデータが記録されている記録媒体を、実質的にノントラッキング再生のような簡単なトラッキング制御で再生することができる再生装置とその方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、データを記録する際には各データブロックにGOPを識別するコードを付与してGOPごとに記録するようにした。また、再生する際には、そのGOPを識別するコードに基づいてGOPごとに再生するようにし、特にGOPとGOPの境界付近のトラックのデータを適切に区別できるようにした。
【0008】
したがって、本発明のデータ記録装置は、GOPを単位として圧縮符号化されたビデオデータを、記録媒体に記録するビデオデータ記録装置であって、符号化された同一GOPのビデオデータを、所定のフォーマットを有する複数のデータブロックの各々所定の領域に配置するデータ配置手段と、GOP毎に当該GOPを識別するためのGOP識別コードを発生するGOP識別コード発生手段と、その同一のGOPのビデオデータが配置された複数のデータブロックの各々所定の領域に、前記GOP識別コード発生手段により発生したGOPを識別するGOP識別コードを付与するGOP識別コード付与手段と、そのGOP識別コードの付与された複数のデータブロックを、前記記録媒体の所定数の記録トラックに記録する記録手段とを有する。
【0009】
好適には、本発明のデータ記録装置は、GOP識別コードを補助データとして所定領域に含むデータブロックを生成するGOPデータブロック生成手段をさらに有し、前記記録手段は、そのGOP識別コードが付与されビデオデータが配置された複数のデータブロックと、前記生成されたGOP識別コードを補助データとして所定領域に有するデータブロックを、前記記録媒体の所定数の記録トラックに記録する。
【0010】
特定的には、前記GOP識別コード付与手段は、ビデオデータを構成する各々少なくとも1系統の映像データおよび音声データ各々について、独立したGOP識別コードを付与し、前記GOPデータブロック生成手段は、前記各データごとに独立して付与された前記GOP識別コードが各々補助データとして所定領域に記録された前記データブロックを生成する。
【0011】
また好適には、前記記録手段は、少なくとも前記GOP識別コードを補助データとして有するデータブロックを、前記記録トラック内の離れた複数の領域に重複して記録する。
【0012】
また、本発明のデータ記録方法は、GOPを単位として圧縮符号化されたビデオデータの、同一のGOPのビデオデータを、所定のフォーマットを有する複数のデータブロックの各々所定の領域に配置し、GOP毎に当該GOPを識別するGOP識別コードを発生し、前記同一のGOPのビデオデータが配置された複数のデータブロックの各々所定の領域に、同一の発生した前記GOPを識別するためのGOP識別コードを付与し、前記GOP識別コードの付与された前記複数のデータブロックと、前記GOP識別コードを補助データとして所定領域に有するデータブロックとを記録媒体の所定数の記録トラックに記録する。
【0015】
また、本発明のビデオデータ再生装置は、GOPを単位として圧縮符号化されたビデオデータが、GOPごとに、所定フォーマットを有し各々同一のGOP識別コードを有する複数のデータブロックに配置され、該GOPごとの複数のデータブロックが所定数の記録トラックごとにほぼ区別されて順に記録されているテープ記録媒体を再生するビデオデータ再生装置であって、前記テープ記録媒体を順に走査し、前記データブロックを単位とした記録データを再生する再生手段と、前記再生されたデータブロックの、GOP識別コードを検出するGOP識別コード検出手段と、前記再生されたデータブロックを、前記テープ記録媒体の走査位置に基づいて、同一のGOPのビデオデータの可能性があるデータブロックごとに重複して分類するデータブロック分類手段と、前記分類されたデータブロックより、そのデータブロックに対して前記検出されたGOP識別コードに基づいて、所定のGOP識別コードを有するデータブロックを選択し、その選択されたデータブロックを前記テープ記録媒体の当該位置からの再生信号として出力するデータブロック選択手段とを有する。
【0016】
好適には、本発明のデータ再生装置は、前記分類されたデータブロックに対して前記検出されたGOP識別コードの中で、最も多数のデータブロックが有するGOP識別コードを検出する基準GOP識別コード検出手段をさらに有し、前記データブロック選択手段は、前記検出された基準GOP識別コードを有するデータブロックを前記分類されたデータブロックより選択し、前記再生信号として出力する。
【0017】
また、本発明のデータ再生装置は、GOPを単位として圧縮符号化されたビデオデータが、GOPごとに、所定フォーマットを有し各々同一のGOP識別コードを有する複数のデータブロックに配置され、そのGOP識別コードをデータとして有するデータブロックとともに、所定数の記録トラックごとにほぼ区別されて順に記録されているテープ記録媒体を再生するビデオデータ再生装置であって、前記テープ記録媒体を順に走査し、前記データブロックを単位として記録データを再生する再生手段と、前記再生された前記GOP識別コードを補助データとして有するデータブロックより、そのデータブロックに記録されているGOP識別コードを抽出し基準GOP識別コードとする基準GOP識別コード抽出手段と、前記再生されたビデオデータをデータとして有するデータブロックより、GOP識別コードを検出するGOP識別コード検出手段と、前記再生されたビデオデータをデータとするデータブロックを、前記テープ記録媒体の走査位置に基づいて、同一のGOPのビデオデータの可能性があるデータブロックごとに重複して分類するデータブロック分類手段と、前記分類されたデータブロックより、前記基準GOP識別コード抽出手段において抽出された基準GOP識別コードを有するデータブロックを選択し、前記テープ記録媒体の当該位置からの再生信号として出力するデータブロック選択手段とを有する。
【0018】
また、本発明のデータ再生方法は、GOPを単位として圧縮符号化されたビデオデータが、GOPごとに、所定フォーマットを有し各々同一のGOP識別コードを有する複数のデータブロックに配置され、そのGOP識別コードをデータとして有するデータブロックとともに、所定数の記録トラックごとにほぼ区別されて順に記録されているテープ記録媒体を順に走査し、前記データブロックを単位として記録データを再生し、前記再生された前記GOP識別コードをデータとして有するデータブロックより、そのデータブロックに記録されているGOP識別コードを抽出し基準GOP識別コードとし、前記再生されたビデオデータをデータとして有するデータブロックより、GOP識別コードを検出し、前記再生されたビデオデータをデータとするデータブロックを、前記テープ記録媒体の走査位置に基づいて、同一のGOPのビデオデータの可能性があるデータブロックごとに重複して分類し、前記分類されたデータブロックより、前記抽出された基準GOP識別コードを有するデータブロックを選択し、前記選択されたデータブロックを、前記テープ記録媒体の当該位置からの再生信号として順次出力する。
【0019】
本発明のデータ記録装置においては、GOPを単位として圧縮符号化されたビデオデータの同一GOPごとのビデオデータを、データ配置手段において、所定のフォーマットのデータブロックの所定の領域に配置し、GOP識別コード発生手段においてGOP識別コードを発生し、さらにそのデータの配置されたデータブロックの所定領域に、GOP識別コード付与手段においてそのGOPを識別するGOP識別コードを付与する。そして、それらビデオデータおよびGOP識別コードの付与されたデータブロックを、記録手段において、GOPごとに記録媒体の所定の記録トラックに順に記録する。
【0020】
本発明のデータ記録方法においては、GOPを単位として圧縮符号化されたビデオデータの同一GOPごとのビデオデータを、所定のフォーマットのデータブロックの所定の領域に配置し、GOP識別コードを発生し、さらにそのデータの配置されたデータブロックの所定領域に、GOPを識別するGOP識別コードを付与する。そして、それらビデオデータおよびGOP識別コードの付与されたデータブロックを、GOPごとに記録媒体の所定の記録トラックに順に記録する。
【0022】
本発明のデータ再生装置においては、再生手段においてデータ記録媒体を順に走査し所定フォーマットのデータブロックを単位とした記録データを再生し、GOP識別コード検出手段において、その再生されたデータブロックよりGOP識別コードを検出する。また、データブロック分類手段において、テープ記録媒体の走査位置に基づいて、再生されたデータブロックを、同一のGOPのビデオデータの可能性があるデータブロックごとに重複して分類する。そして、データブロック選択手段において、そのデータブロックのGOP識別コードに基づいて、その分類されたデータブロックより所定のGOP識別コードを有するデータブロックを選択し、テープ記録媒体のその位置からの再生信号として出力する。
【0023】
また、本発明の他のデータ再生装置は、再生手段においてテープ記録媒体を順に走査し所定フォーマットのデータブロックを単位として記録データを再生する。そして、基準GOP識別コード抽出手段において、GOP識別コードをデータとして有するデータブロックに記録されているGOP識別コードを抽出し基準GOP識別コードとする。また、GOP識別コード検出手段において、ビデオデータをデータとして有するデータブロックより、GOP識別コードを検出する。そして、データブロック分類手段において、テープ記録媒体の走査位置に基づいて、再生されたデータブロックを、同一のGOPのビデオデータの可能性があるデータブロックごとに重複して分類する。そして、データブロック選択手段において、前記基準GOP識別コード抽出手段において抽出された基準GOP識別コードを有するデータブロックを前記分類されたデータブロックより選択し、テープ記録媒体のその位置からの再生信号として出力する。
【0024】
また、本発明のデータ再生方法は、テープ記録媒体を順に走査し所定フォーマットのデータブロックを単位として記録データを再生する。そして、GOP識別コードをデータとして有するデータブロックに記録されているGOP識別コードを抽出し基準GOP識別コードとする。また、ビデオデータをデータとして有するデータブロックより、GOP識別コードを検出する。そして、テープ記録媒体の走査位置に基づいて、再生されたデータブロックを、同一のGOPのビデオデータの可能性があるデータブロックごとに重複して分類する。そして、前記抽出された基準GOP識別コードを有するデータブロックを前記分類されたデータブロックより選択し、テープ記録媒体のその位置からの再生信号として出力する。
【0025】
【実施例】
本発明の一実施例のビデオデータ記録再生装置を図1〜図8を参照して説明する。
本実施例のビデオデータ記録再生装置は、入力されたビデオデータをカセット形式のテープ媒体にノントラッキング再生可能に記録する記録部と、そのテープ媒体に記録されたビデオデータをノントラッキング再生する再生部とを有するビデオカセットレコーダである。
【0026】
まず、本実施例のビデオデータ記録再生装置の構成について説明する。
図1は、本実施例のビデオデータ記録再生装置の、データの流れに関わる主な構成部を示したブロック図である。
ビデオデータ記録再生装置10は、記録系100と再生系200を有する。
【0027】
まず、記録系100の構成について説明する。
図1に示すように、記録系100は、符号化部110、データパック部120、メモリ部130、外符号エンコード部150、ID生成部160、ID付加部170、内符号エンコード部180および記録部190を有する。
記録系100は、映像入力端子Vinおよび音声入力端子Ainより入力されたビデオオーディオデータを、たとえばこのビデオデータ記録再生装置10の再生系200などの再生装置により再生可能なフォーマットで、ビデオカセットテープ80に記録する。
【0028】
符号化部110は、映像入力端子Vinより入力された映像信号を圧縮し、符号化し、映像ビットストリームとしてデータパック部120に出力する。この圧縮符号化方法は、MPEGなどの符号化方法と同様に、DCTなどの直交変換符号化および予測符号化を行い、量子化、可変長符号化を行って符号化データ列を生成する方法である。
【0029】
符号化部110の動作について図2を参照して具体的に説明する。
符号化部110は、図2(A)に示すような一連の画像を、1フレームごとに交互にIピクチャおよびBピクチャとして符号化を行う。すなわち、1フレームおきにフレーム内符号化を行い、その間の各フレームはその前後のIピクチャから両方向の予測符号化を行う。また、各ピクチャは、16画素×16ラインのマクロブロックを単位として符号化を行う。
その結果、図2(B)に示すように、Bピクチャに先行して符号化されたIピクチャのマクロブロックごとの符号化データと、Bピクチャのマクロブロックごとの符号化データが順次生成される。これらの2フレームが1つのGOPとして、各GOPごとのデータがデータパック部120に出力される。
【0030】
データパック部120は、符号化部110から入力されたGOPごとの映像符号化データと、音声入力端子Ainから入力された音声データを、所定フォーマットのデータブロックの所定のデータ領域に順次配置する。
【0031】
そのデータブロックについて図3を参照して説明する。
図3は、ビデオカセットテープ80に記録するデータの単位であるデータブロックのフォーマットを示す図であり、(A)は映像データのフォーマットを示す図、(B)は音声データのフォーマットを示す図、(C)はシステム補助データのフォーマットを示す図である。
図3(A)に示すように、1つのGOPに対する映像データは、同期信号(SYNC)2バイト、データ識別コード(ID)4バイト、データ108バイト、内符号パリティ12バイトの、126バイトのデータからなるデータブロックを単位として構成される。
【0032】
そして、データとして映像データが記録された所定数(図3(A)においては50個)のデータブロックと、データとしてその映像データに対する外符号パリティが記録された所定数(図3(A)においては14個)のデータブロックとで、1つのECC(エラーコレクションコード)ブロックを構成し、走査線数625本フィールド数50フィールドのデータにおいては36のECCブロックで、また、走査線数525本フィールド数60フィールドのデータにおいては、30のECCブロックで、1GOP分の映像データが構成される。
【0033】
音声データも、図3(B)に示すように、映像データと同様のデータブロックを単位として構成される。そして、データとして音声データが記録された所定数(図3(B)においては6個)のデータブロックと、データとしてその音声データに対する外符号パリティが記録された所定数(図3(B)においては8個)のデータブロックとで、1つのECCブロックを構成し、走査線数625本フィールド数50フィールドのデータにおいては12のECCブロックで、また、走査線数525本フィールド数60フィールドのデータにおいては、10のECCブロックで、1GOP分の音声データが構成される。
【0034】
なお、本実施例のビデオデータ記録再生装置10においては、4チャネルの音声データを記録するものとし、各チャネルの音声データごとに図3(B)に示す音声データが構成される。
また、各GOPごとのデータには、図3(C)に示すような、1つのシステム補助データが生成される。このシステム補助データとしては、データとして、後述するノントラッキング制御のためのIDデータ、および、GOPを構成する各フレームごとの管理データなどが記憶される。
【0035】
データパック部120は、図2(C)に示すように、各マクロブロックごとのデータ、すなわち各ピクチャのデータ、および音声データを、このようなフォーマットのデータブロックのデータ記録領域に適宜配置する。この処理は、可変長符号化された各データを所定のフォーマットのデータブロックに配置することにより、固定長のデータを処理すればよいようにし、ビデオカセットテープ80に記録可能にする処理と言える。また、データパック部120は、システム補助データのデータブロックを生成する。そして、データパック部120で生成された映像データのデータブロック、音声データのデータブロック、および、システム補助データのデータブロックは、各々メモリ部130に記録される。
また、GOPごとの区切りを示す信号が、データパック部120よりメモリ部130およびID生成部160に出力される。
【0036】
メモリ部130は、データパック部120より順次入力されるGOPごとの映像データ、音声データ、および、システム補助データをGOP単位に記憶しておく記憶手段であり、メモリとそのメモリへのデータの入出力を制御する制御部より構成される。このメモリ部130へ記憶されているGOPごとのデータに対して、外符号エンコード部150により外符号パリティが付加される。また、外符号パリティが付加されたデータは、ビデオカセットテープ80への記録のために順次ID付加部170に出力される。
なお、メモリ部130の前記制御部には、データパック部120よりGOPの区切りを示す信号が入力され、この信号に基づいて順次GOPごとの処理が行われる。また、データパック部120からのデータの入力、外符号エンコード部150とのデータの入出力、および、ID付加部170へのデータの出力の各処理は、メモリ部130の前記制御部により制御され、同時的に行われる。
【0037】
外符号エンコード部150は、メモリ部130に記憶されているGOPごとの映像データおよび音声データに対して、外符号パリティ(Outer Parity)を付与する。外符号エンコード部150は、メモリ部130の制御部を介して、そのメモリに記憶されている各データをアクセスし、外符号パリティを生成し、図2(C)、および、図3(A)、(B)に示すように、外符号パリティ用のデータブロックのデータ記録領域に配置する。この生成された外符号パリティ用のデータブロックも、メモリ部130に映像データおよび音声データとともに記憶される。
【0038】
ID生成部160は、データパック部120より入力されたGOPの区切りを示す信号に基づいて、GOPごとの識別コード(ID)を生成しID付加部170に出力する。このGOPごとのIDは、映像データ、および、1〜4チャネルの音声データ各々に独立して生成される。
ID生成部160には、一連のビデオデータの先頭などにおいて適宜、図示せぬビデオデータ記録再生装置10の制御部からIDの初期値を決定する信号が入力され、この信号が入力された時にはこれに従ってIDを決定する。また、前記信号が入力されない時には、データパック部120から入力されるGOPの区切りを示す信号に基づいて、そのIDを所定の規則により更新する。本実施例においては、IDを順次カウントアップする。
【0039】
ID付加部170は、メモリ部130から外符号パリティの付与されたGOPごとのデータを順次読み出し、各データブロックごとにID生成部160から入力されたGOPの識別コードをセットする。ID付加部170は、メモリ部130から読み出した映像データおよび音声データに対しては、各データブロックの先頭にある識別コード記憶領域にそのIDをセットする。また、システム補助データに対しては、その識別コード記憶領域にIDをセットするとともに、図3(C)に示すように、さらに、そのデータ記憶領域の所定位置に、ノントラッキング制御を行うためのデータして映像データおよび音声データに付与した各識別コードをセットする。
【0040】
内符号エンコード部180は、ID付加部170から入力されるGOPごとの映像データ、音声データ、および、システム補助データに対して、内符号パリティ(Inner Parity)を付与する。内符号エンコード部180は、図2(C)および図3(A)〜(C)に示すような各データのデータブロックの末尾12バイトの位置に、そのデータブロックに対する内符号パリティを配置する。パリティの配置された各データブロックは、記録部190に出力される。
【0041】
記録部190は、順次入力されるGOPごとの映像データ、音声データおよびシステム補助データをビデオカセットテープ80に実際に記録する。
そのビデオカセットテープ80の記録フォーマットを図4および図5を参照して説明する。
図4は、1GOP分のビデオデータの記録フォーマットを示す図、図5は、ビデオカセットテープ80上に順次GOPごとのデータが記録されている状態を示す図である。
【0042】
図4に示すように、1GOP分のデータは、10本または12本のトラックに記録される。このトラックの数は、たとえば、走査線数625本フィールド数50フィールドのデータであれば12本、走査線数525本フィールド数60フィールドのデータであれば10本である。
そして、各トラックは、映像信号が記録されるビデオデータ領域、音声信号が記録されるオーディオデータ領域および、システム補助信号が記録されるシステム補助データ領域を有する。本実施例においては、音声信号としては前述したように4チャネルの音声信号を有し、また、各信号は、図示のごとく2つの領域に分割して記録される。
【0043】
このように、各GOPごとのデータを12本または10本のトラックを割り当て、さらにビデオカセットテープ80の長手方向にこのGOPごとのビデオデータを順次記録し、一連のビデオデータを記録する。
その記録の状態を図5に示す。
図5は、G1 〜G6 のGOPのデータが、順に記録されている状態を示す。
【0044】
次に、再生系200の構成について説明する。
再生系200は、再生部210、内符号デコード部220、ノントラッキング制御部230、外符号デコード部240、メモリ部250、データデパック部260および復号化部270を有する。
なお、再生部210およびノントラッキング制御部230の構成を、図6により詳細に示す。
【0045】
再生部210は、4つの再生ヘッドA,A’,B,B’、および、信号抽出部211を有し、これにより、ビデオデータの記録されたビデオカセットテープ80の各記録トラックの信号を拾う。この4つの再生ヘッドは、同アジマスのPBヘッド2個(ヘッドAとA’、および、ヘッドBとB’)がトラック幅だけオフセットされてマウントされている。したがって、図7に示すように、トラック曲がりがあっても少なくとも一方のヘッド(AまたはA’、あるいは、BまたはB’)ではデータの再生ができるようになっている。
そこで、この同アジマスのヘッドから出力された信号を信号抽出部211で統合して1つの信号として出力する。
【0046】
内符号デコード部220は、再生部210から出力された再生信号の各データブロックごとに、内符号パリティに基づいてエラー訂正を行い、その結果のデータブロックを順次ノントラッキング制御部230に出力する。
【0047】
ノントラッキング制御部230は、図6に示すように、バッファ231、ID検出部232、入力切り換えスイッチ233、第1〜第nのメモリ234−1〜234−n、出力切り換えスイッチ236を有する。
【0048】
バッファ231は、内符号デコード部220から入力される再生データブロックの中より映像データのデータブロックと音声データのデータブロックを一時的に記憶する記憶手段である。
【0049】
ID検出部232は、内符号デコード部220から入力される再生データブロックより、GOPを識別するコードを検出し、その検出結果に基づいて入力切り換えスイッチ233を制御してバッファ231に一時的に記憶されている再生データブロックを第1〜第nのメモリ234−1〜234−nに適宜記録する。
【0050】
具体的にはID検出部232は、次のような動作を行う。
まず、ビデオカセットテープ80上において、GOPごとのデータの境界付近の位置の再生データブロックが入力された時、すなわち、再生されたシステム補助データの内容がその領域のGOPのIDを示す正しいデータとは限らない場合には、ID検出部232は、再生データブロックよりIDを検出し、共通のIDを持つ再生データブロックが共通のメモリ234−i(i=1〜n)に記録されるように、入力切り換えスイッチ233を制御する。
【0051】
次に、ビデオカセットテープ80上において、GOPごとのデータの中心付近の位置の再生データブロックが入力された時、すなわち、再生されたシステム補助データの内容がその領域のGOPのIDを示す正しいデータと認められる場合には、ID検出部232はそのシステム補助データの中に記録されているノントラッキング制御を行うためのデータを検出し、その正しいGOPのIDを検出する。そして、映像データおよび音声データ各々について、その正しいIDと共通のIDを有するデータブロックをバッファ231から選択し、それまでそのIDのデータブロックが入力されていたメモリ234−i(i=1〜n)に引き続き入力する。
【0052】
この時、この検出された正しいIDと共通でないIDを有するデータブロックは、いずれのメモリ234にも記録せずにバッファ231において消去する。
また、前回正しいIDとして検出されており、それまでメモリ234−i(i=1〜n)に記録されていたデータは、この時点でノントラッキング制御部230から外符号デコード部240に出力される。
また、正しいID以外のIDを有するデータブロックが記録されていたメモリ234のデータも消去される。
したがって、システム補助データより検出されたIDが正しいと認められた時点で、前回正しいと認められたIDを有するデータは外符号デコード部240に出力され、今回正しいと認められたIDを有するデータのみが残されて引き続き記録される。
【0053】
そして、さらにビデオカセットテープ80上の走査が進み、再びGOPごとのデータの境界付近の位置の再生データブロックが入力された時には、ID検出部232は、再生データブロックよりIDを検出し、その共通のIDを持つ再生データブロックが共通のメモリ234−i(i=1〜n)に記録されるように、再び入力切り換えスイッチ233を制御する。この時、第1〜第nのメモリ234−1〜234−nのいずれかのメモリ234−i(i=1〜n)には、それまでの正しいIDのデータブロックが記録されているので、このメモリ234−i(i=1〜n)には引き続きそのIDを有するデータブロックを記録する。
このような処理をID検出部232が繰り返すことにより、バッファ231より順に適切なGOPのIDを有するデータブロックを選択することができる。
【0054】
なお、再生部210で再生され、内符号デコード部220を介して入力されるデータブロックが、ビデオカセットテープ80上のその位置のデータか、すなわち、GOPごとのデータの境界付近の位置のデータブロックなのか、GOPごとのデータの中心付近の位置のデータブロックなのかの判定は、図示せぬビデオデータ記録再生装置10の制御部により、コントロールされる。
【0055】
入力切り換えスイッチ233は、バッファ231に一時記憶されているデータブロックを第1〜第nのメモリ234−1〜234−nに記憶するための選択手段であり、ID検出部232から入力される制御信号に基づいて動作する。
【0056】
第1〜第nのメモリ234−1〜234−nは、バッファ231より入力切り換えスイッチ233を介して入力された再生信号を記録しておくメモリである。基本的には、再生されたデータブロックの、識別コードが共通のデータブロックが、1つのメモリに記録される。
【0057】
出力切り換えスイッチ236は、ノントラッキング制御部230からの出力データを選択する選択回路であり、第1〜第nのメモリ234−1〜234−nのいずれかのメモリを選択して、外符号デコード部240から読み出し可能にする。
【0058】
外符号デコード部240は、ノントラッキング制御部230のメモリに記録されているデータを読み出し、各GOPごとの各信号の種類ごとに外符号パリティに基づいてエラー訂正を行い、その結果のデータを順次メモリ部250に記憶する。
【0059】
メモリ部250は、ビデオカセットテープ80より再生され、内符号パリティおよび外符号パリティによりエラー訂正されたGOPごとのデータを記憶しておくメモリである。
【0060】
データデパック部260は、メモリ部250に記憶されている各データブロックのデータより、図2(B)に示すような各GOPの各マクロブロックごとの符号化データ列を復元し、映像データについては復号化部270に出力し、音声データは、音声出力端子Aout より出力する。
【0061】
復号化部270は、データデパック部260より入力された圧縮符号化された映像データを復号し伸長して、通常の映像信号として映像出力端子Vout より出力する。
【0062】
次に、ビデオデータ記録再生装置10の動作について説明する。
記録系100の映像入力端子Vinより入力された映像信号は、符号化部110において2フレームずつのGOPごとに符号化され、映像ビットストリームとして出力される。その映像ビットストリームおよび音声入力端子Ainより入力された音声データは、データパック部120において、図3に示すようなデータブロックの所定のデータ記録領域に配置される。そして、このデータに対して外符号エンコード部150において外符号パリティが付与される。
【0063】
また、各GOPを識別するコードがID生成部160において生成され、ID付加部170で各データブロックに付与される。GOP識別コードの付与された各データストリームは、内符号エンコード部180においてさらに内符号パリティが付与され、記録部190よりビデオカセットテープ80上に記録される。
また、この映像データおよび音声データに付与した識別コードは、システム補助データにも記録され、映像データおよび音声データとともにビデオカセットテープ80に記録される。
【0064】
ビデオカセットテープ80上では、前記各データにはGOPごとに所定数のトラックが割り当てられ、順次記録される。また、各トラック内においては、図4に示すように、各データの種類ごとに2箇所のデータ記録領域が割り当てられ、各データは各記録領域に振り分けて記録される。また、システム補助データについては、同一のデータが2箇所の領域の各々に複数回重複して記録される。
【0065】
ビデオカセットテープ80は、再生系200においてノントラッキング再生される。まず、ビデオカセットテープ80に記録されたビデオデータは、ビデオデータ記録再生装置10において、図7に示すような同アジマスのヘッドを1トラック分ずらして2個有するヘッドにより信号が拾われ、信号抽出部211により、その2個のヘッドの出力を統合して再生信号が生成される。そして、内符号デコード部220で内符号パリティを利用してエラー訂正を行い、ノントラッキング制御部230に出力する。
【0066】
ノントラッキング制御部230の動作について、図8を参照して説明する。
図8に示すような、G1 〜G5 のGOP識別コードが付されたデータが記録されているビデオカセットテープ80を再生した場合、たとえば、領域aの再生の際には、CTLからヘリカルトラックまでのオフセット長がずれて再生される可能性があるが、領域bの部分まではずれることが無い。したがって、図8の領域bで再生されたシステム補助データに基づいてそのGOPに固有な基準IDを検出すればよい。
【0067】
具体的には、領域aの再生信号については、正しい基準IDを検出することができないので、検出されたすべてのIDを有するデータブロックを、IDが同じになるように第1〜第nのメモリ234−1〜234−nに選択して記憶する。そして、領域bのトラックの再生信号に基づいて、ID検出部232においてGOPの基準IDが決定されたら、このIDを有するデータブロックのみが正しいデータブロックと判定できるので、そのデータブロックを、第1〜第nのメモリ234−1〜234−nの中のそのIDのデータブロックを記憶したメモリ234−i(i=1〜n)に記憶する。その他のIDを有するデータブロックは、メモリ234への入力を行わずバッファ231中で消去する。
【0068】
そして、領域cのトラックの再生が始まると、基準IDと等しいIDを有するデータブロックは、引き続きそのメモリに記憶するとともに、その他のIDを有するデータブロックについても、メモリ234−i(i=1〜n)への記録を行う。すなわち、IDが同じになるように入力切り換えスイッチ233で適宜選択して、データを振り分ける。
そして、領域cの再生が終了したら、IDがG2 のGOPのデータブロックはもはや再生されないので、出力切り換えスイッチ236を制御して、そのメモリの内容を外符号デコード部240に出力する。また、その時点では、次のGOPの基準IDも決定するので、今度はそのIDを有するGOPのみを、そのメモリ234−j(j=1〜n)に記憶するようにすることにより、順次GOPごとの再生が行われる。
【0069】
このように、本実施例のビデオデータ記録再生装置10においては、各データブロックごとにGOPを識別するIDを付与して記録しておき、再生すべきGOPを判定しながら再生を行っているので、ノントラッキング再生を行って、隣接する複数のトラック間でデータブロックの入れ違いなどが生じても、GOPごとにデータをまとめることができ、適切にビデオデータが再生できる。
また、ノントラッキング再生が可能なので、装置を簡単にすることができ、また安価なテープ媒体を用いることもできる。
【0070】
また、本実施例においては、ビデオデータとともに、基準GOPデータを有するシステム補助データをテープ媒体上の記録トラックに記録しているので、各記録トラックから再生すべきデータブロックのGOPのIDを迅速に検出することができる。
また、本実施例においては、映像データ、および、複数チャネルの音声データの各々について、個別にGOPのIDを設定することができるので、後から、いずれかのデータのみを書き換えた場合などにも適切に対処することができる。
【0071】
なお、本発明は、本実施例に限られるものではなく、種々の改変が可能である。
たとえば、本実施例は、ビデオデータをテープ媒体に記録する記録部と、テープ媒体に記録されたビデオデータを再生する再生部とをともに有するビデオデータ記録再生装置を例示して本発明を説明したが、ビデオデータの記録のみを行うビデオデータ記録装置や、記録されたデータの再生のみを行うビデオデータ再生装置であっても本発明の範疇であることは明らかである。
また、記録媒体としては、ビデオカセットテープを用いるものとしたが、テープを記録媒体とするものであれば、任意の媒体に対して本発明は適用可能である。
【0072】
また、本実施例においては、映像データ、各チャネルごとの音声データの各データブロックに対してGOPを識別するコードを付与して記録し、さらに、その識別コードをデータとして持つシステム補助データをそれらのデータとともに記録した。しかし、本発明は、各映像および音声データがGOPごとの識別コードを有することを特徴とするものであり、識別コードをデータとして持つシステム補助データの記録は行わないような方法で実施してもよい。
そのような記録および再生について、図9および図10を参照して説明する。図9は、そのようなシステム補助データの記録の無い、テープ媒体へのデータの記録状態を示す図であり、図10はそのようなデータを再生する再生方法の説明をする図である。
【0073】
図9に示すように、本実施例と同様に、GOPごとに符号化された映像データおよび音声データは、所定数のトラックの所定の領域に各々記録される。
そして、再生する際には、図10の領域a、領域b、領域cの全ての領域について、各データブロックに記録されているIDに基づいてそのデータを区分する。すなわち、複数のメモリに各IDごとにデータブロックを順次格納していく。領域cの再生信号について前記区分が終了したら、その時点で最もデータブロック数の多いデータブロックが、その領域のGOPのデータブロックと判定して、そのメモリに記録されているデータブロックを出力する。
この処理を順次繰り返すことにより、図10において識別コードがG1 〜G6 のGOPデータが順次再生される。ただし、この場合には、システム補助データを用いないため、映像データ、および、音声データの各チャネルごとに、GOPごとの多数決判定を行う必要がある。
【0074】
また、記録系100のメモリ部130、再生系200のメモリ部250、および、ノントラッキング制御部230のメモリ234−i(i=1〜n)などの記憶手段の構成は任意の構成でよい。たとえば、ノントラッキング制御部230のメモリ234−i(i=1〜n)においては、n個のメモリが設けられているような構成になっているが、実際にn個の独立したデータ記憶手段を設けてもよいし、1つの記憶領域、メモリ空間をn個のエリアに分割して実質的にn個の記憶手段を設けるようにしてもよい。
また、識別コードはGOPごと、あるいは、各GOPの各データの種類ごとに任意のコードを付与してよい。
【0075】
【発明の効果】
本発明によれば、GOPごとに符号化されているようなビデオデータを、実質的にノントラッキング再生のような簡単なトラッキング制御で再生することができるように、記録媒体に記録することができるデータ記録装置および記録方法が提供できる。そして、これにより、安価でビデオデータを効率よく記録することができる種々のビデオデータ記録装置が実現できる。
また本発明によれば、実質的にノントラッキング再生のような簡単なトラッキング制御で再生することができるように、GOPごとに符号化されたビデオデータが記録されている記録媒体を提供することができる。
また、本発明によれば、GOPごとに符号化されたビデオデータが記録されている記録媒体を、実質的にノントラッキング再生のような簡単なトラッキング制御で再生することができる再生装置とその方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のビデオデータ記録再生装置の主な構成部を示すブロック図である。
【図2】図1に示したビデオデータ記録再生装置の記録系の動作を説明する図であり、(A)は符号化部の動作を説明する図、(B)は符号化されたデータ列を示す図、(C)はデータブロックへのデータの配置を示す図である。
【図3】ビデオカセットテープに記録するデータブロックを示す図であり、(A)は映像データのフォーマットを示す図、(B)は音声データのフォーマットを示す図、(C)はシステム補助データのフォーマットを示す図である。
【図4】1GOP分のビデオデータの記録フォーマットを示す図である。
【図5】ビデオカセットテープへGOPごとにデータが記録されている状態を示す図である。
【図6】図1に示したビデオデータ記録再生装置の再生部およびノントラッキング制御部の構成を詳細に示す図である。
【図7】図1に示したビデオデータ記録再生装置の再生部による記録トラックの走査状態と出力信号を示す図である。
【図8】図1に示したビデオデータ記録再生装置のノントラッキング制御部の動作を説明する図である。
【図9】ビデオカセットテープへのデータ記録フォーマットの他の例を示す図である。
【図10】
ビデオデータ記録再生装置のノントラッキング制御部の他の動作例を説明する図である。
【符号の説明】
10…ビデオデータ記録再生装置、100…記録系、110…符号化部、120…データパック部、130…メモリ部、150…外符号エンコード部、160…ID生成部、170…ID付加部、180…内符号エンコード部、190…記録部、200…再生系、210…再生部、211…信号抽出部、220…内符号デコード部、230…ノントラッキング制御部、231…バッファ、232…ID検出部、233…入力切り換えスイッチ、234…メモリ、236…出力切り換えスイッチ、240…外符号デコード部、250…メモリ部、260…ID生成部、270…復号化部、80…ビデオカセットテープ
Claims (11)
- 所定の複数フレームごとのグループオブピクチャ(GOP)を単位として圧縮符号化されたビデオデータを、記録媒体に記録するビデオデータ記録装置であって、
前記符号化された同一GOPのビデオデータを、所定のフォーマットを有する複数のデータブロックの各々所定の領域に配置するデータ配置手段と、
GOP毎に当該GOPを識別するためのGOP識別コードを発生するGOP識別コード発生手段と、
前記同一のGOPのビデオデータが配置された複数のデータブロックの各々所定の領域に、前記GOP識別コード発生手段により発生した当該GOPを識別するGOP識別コードを付与するGOP識別コード付与手段と、
前記GOP識別コードの付与された複数のデータブロックを、前記記録媒体の所定数の記録トラックに記録する記録手段と
を有するビデオデータ記録装置。 - 前記GOP識別コードを補助データとして所定領域に含むデータブロックを生成するGOPデータブロック生成手段
をさらに有し、
前記記録手段は、前記GOP識別コードが付与されビデオデータが配置された複数のデータブロックと、前記GOPデータブロック生成手段により生成された当該GOP識別コードを補助データとして所定領域に有するデータブロックを、前記記録媒体の所定数の記録トラックに記録する
請求項1記載のビデオデータ記録装置。 - 前記GOP識別コード付与手段は、当該ビデオデータを構成する各々少なくとも1系統の映像データおよび音声データ各々について、独立したGOP識別コードを付与し、
前記GOPデータブロック生成手段は、前記各データごとに独立して付与された前記GOP識別コードが各々補助データとして所定領域に記録された前記データブロックを生成する
請求項2記載のビデオデータ記録装置。 - 前記記録手段は、少なくとも前記GOP識別コードを補助データとして有するデータブロックを、前記記録トラック内の離れた複数の領域に重複して記録する
請求項2記載のビデオデータ記録装置。 - 所定の複数のフレームごとのグループオブピクチャ(GOP)を単位として圧縮符号化されたビデオデータを、記録媒体に記録するビデオデータ記録方法において、
前記符号化された同一のGOPのビデオデータを、所定のフォーマットを有する複数のデータブロックの各々所定の領域に配置し、
GOP毎に当該GOPを識別するGOP識別コードを発生し、
前記同一のGOPのビデオデータが配置された複数のデータブロックの各々所定の領域に、同一の発生した前記GOPを識別するためのGOP識別コードを付与し、
前記GOP識別コードの付与された前記複数のデータブロックと、前記GOP識別コードを補助データとして所定領域に有するデータブロックとを記録媒体の所定数の記録トラックに記録する
ビデオデータ記録方法。 - 所定の複数フレームごとのグループオブピクチャ(GOP)を単位として圧縮符号化されたビデオデータが、GOPごとに、所定フォーマットを有し各々同一のGOP識別コードを有する複数のデータブロックに配置され、該GOPごとの複数のデータブロックが所定数の記録トラックごとにほぼ区別されて順に記録されているテープ記録媒体を再生するビデオデータ再生装置であって、
前記テープ記録媒体を順に走査し、前記データブロックを単位とした記録データを再生する再生手段と、
前記再生されたデータブロックのGOP識別コードを検出するGOP識別コード検出手段と、
前記再生されたデータブロックを、前記テープ記録媒体の走査位置に基づいて、同一のGOPのビデオデータの可能性があるデータブロックごとに重複して分類するデータブロック分類手段と、
前記分類されたデータブロックより、当該データブロックに対して前記検出されたGOP識別コードに基づいて、所定のGOP識別コードを有するデータブロックを選択し、該選択されたデータブロックを前記テープ記録媒体の当該位置からの再生信号として出力するデータブロック選択手段と
を有するビデオデータ再生装置。 - 前記分類されたデータブロックに対して前記検出されたGOP識別コードの中で、最も多数のデータブロックが有するGOP識別コードを検出する基準GOP識別コード検出手段
をさらに有し、
前記データブロック選択手段は、前記検出された基準GOP識別コードを有するデータブロックを前記分類されたデータブロックより選択し、前記再生信号として出力する
請求項6記載のビデオデータ再生装置。 - 所定の複数フレームごとのグループオブピクチャ(GOP)を単位として圧縮符号化されたビデオデータが、GOPごとに、所定フォーマットを有し各々同一のGOP識別コードを有する複数のデータブロックに配置され、該GOP識別コードをデータとして有するデータブロックとともに、所定数の記録トラックごとにほぼ区別されて順に記録されているテープ記録媒体を再生するビデオデータ再生装置であって、
前記テープ記録媒体を順に走査し、前記データブロックを単位として記録データを再生する再生手段と、
前記再生された前記GOP識別コードを補助データとして有するデータブロックより、該データブロックに記録されているGOP識別コードを抽出し基準GOP識別コードとする基準GOP識別コード抽出手段と、
前記再生されたビデオデータをデータとして有するデータブロックより、GOP識別コードを検出するGOP識別コード検出手段と、
前記再生されたビデオデータをデータとするデータブロックを、前記テープ記録媒体の走査位置に基づいて、同一のGOPのビデオデータの可能性があるデータブロックごとに重複して分類するデータブロック分類手段と、
前記分類されたデータブロックより、前記基準GOP識別コード抽出手段において抽出された基準GOP識別コードを有するデータブロックを選択し、前記テープ記録媒体の当該位置からの再生信号として出力するデータブロック選択手段と
を有するビデオデータ再生装置。 - 所定の複数フレームごとのグループオブピクチャ(GOP)を単位として圧縮符号化されたビデオデータが、GOPごとに、所定フォーマットを有し各々同一のGOP識別コードを有する複数のデータブロックに配置され、該GOP識別コードをデータとして有するデータブロックとともに、所定数の記録トラックごとにほぼ区別されて順に記録されているテープ記録媒体を順に走査し、前記データブロックを単位として記録データを再生し、
前記再生された前記GOP識別コードをデータとして有するデータブロックより、該データブロックに記録されているGOP識別コードを抽出し基準GOP識別コードとし、
前記再生されたビデオデータをデータとして有するデータブロックより、GOP識別コードを検出し、
前記再生されたビデオデータをデータとするデータブロックを、前記テープ記録媒体の走査位置に基づいて、同一のGOPのビデオデータの可能性があるデータブロックごとに重複して分類し、
前記分類されたデータブロックより、前記抽出された基準GOP識別コードを有するデータブロックを選択し、
前記選択されたデータブロックを、前記テープ記録媒体の当該位置からの再生信号として順次出力する
ビデオデータ再生方法。 - 所定の複数フレームごとのグループオブピクチャ(GOP)を単位として圧縮符号化さ
れたビデオデータを、記録媒体に記録するビデオデータ記録方法において、
前記符号化された同一GOPのビデオデータを、所定のフォーマットを有する複数のデータブロックの各々所定の領域に配置し、
GOPごとに当該GOPを識別するGOP識別コードを発生し、
前記同一GOPのビデオ個データが配置された複数のデータブロックの各々所定領域に、同一のGOP識別コードを付加し、
前記GOP識別コードの付加された複数のデータブロックを前記記録媒体の所定数の記録トラックに記録する
ビデオデータ記録方法。 - 所定の複数フレームごとのグループオブピクチャ(GOP)を単位として圧縮符号化されたビデオデータが、GOPごとに、所定フォーマットを有し各々同一のGOP識別コードを有する複数のデータブロックに配置され、当該GOPごとの複数のデータブロックが所定の記録トラックに記録されているテープ記録媒体を再生するビデオデータ再生方法において、
前記テープ記録媒体を順に走査し、前記データブロックを単位とした記録データを再生し、
前記再生されたデータブロックのGOP識別コードを検出し、
前記前記検出されたGOP識別コードに基づいて、同一のGOP識別コードを有するデータブロックを選択し、GOPごとに圧縮符号化されたビデオデータを再構成し、
再構成された圧縮符号化されたビデオデータを復号化して、再生信号を出力する
ビデオデータ再生方法。
Priority Applications (7)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14223995A JP3551548B2 (ja) | 1995-06-08 | 1995-06-08 | ビデオデータ記録装置とその方法、ビデオデータ記録媒体、および、ビデオデータ再生装置とその方法 |
TW085106572A TW307005B (ja) | 1995-06-08 | 1996-06-01 | |
US08/659,755 US5857058A (en) | 1995-06-08 | 1996-06-06 | Video data recording and reproducing apparatus and method thereof |
EP96304258A EP0750430B1 (en) | 1995-06-08 | 1996-06-07 | Recording and reproducing video data |
KR1019960020923A KR100456176B1 (ko) | 1995-06-08 | 1996-06-07 | 비디오데이터기록및/또는재생장치및비디오데이터기록및/또는재생방법 |
DE69619597T DE69619597T2 (de) | 1995-06-08 | 1996-06-07 | Videodatenaufzeichnung und -wiedergabe |
US09/109,773 US5974225A (en) | 1995-06-08 | 1998-07-02 | Video data recording and reproducing apparatus and method thereof |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14223995A JP3551548B2 (ja) | 1995-06-08 | 1995-06-08 | ビデオデータ記録装置とその方法、ビデオデータ記録媒体、および、ビデオデータ再生装置とその方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08336101A JPH08336101A (ja) | 1996-12-17 |
JP3551548B2 true JP3551548B2 (ja) | 2004-08-11 |
Family
ID=26474307
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14223995A Expired - Fee Related JP3551548B2 (ja) | 1995-06-08 | 1995-06-08 | ビデオデータ記録装置とその方法、ビデオデータ記録媒体、および、ビデオデータ再生装置とその方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3551548B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1997018671A1 (fr) * | 1995-11-15 | 1997-05-22 | Sony Corporation | Systeme d'enregistrement/reproduction de donnees video, dispositif d'enregistrement/reproduction de donnees audio/video, son systeme, et dispositif de reproduction de donnees |
-
1995
- 1995-06-08 JP JP14223995A patent/JP3551548B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH08336101A (ja) | 1996-12-17 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3801198B2 (ja) | Mpeg情報信号の記録担体への/からの記録及び再生 | |
EP0729153B1 (en) | Optical disk and optical disk reproduction apparatus | |
US7805062B2 (en) | Transmitting and recording method, reproducing method, and reproducing apparatus of information and its recording medium | |
CN1264120A (zh) | 数字式记录重放装置 | |
EP0750430B1 (en) | Recording and reproducing video data | |
JPH07212768A (ja) | 画像記録媒体及びその再生方法 | |
JP3510784B2 (ja) | 動画像記録方法、再生方法 | |
EP0420280B1 (en) | Digital information signal reproducing apparatus for reproducing digital audio signal at the reproducing speed different from the recording speed | |
JP2006528862A (ja) | 格納されている映像データの最適化 | |
JP3551548B2 (ja) | ビデオデータ記録装置とその方法、ビデオデータ記録媒体、および、ビデオデータ再生装置とその方法 | |
JP4023310B2 (ja) | 記録再生装置及び記録再生方法 | |
KR100462420B1 (ko) | 영상데이터기록·재생시스템,음성·영상데이터기록·재생장치및그시스템및데이터재생장치 | |
US5857058A (en) | Video data recording and reproducing apparatus and method thereof | |
JP3277757B2 (ja) | ビデオデータ再生装置 | |
US6560401B1 (en) | Method and apparatus for recording and reproducing information | |
JP3852114B2 (ja) | 圧縮画像データ伝送方法及び装置 | |
JP3617124B2 (ja) | ビデオデータ処理装置とその方法 | |
JPH04346584A (ja) | 動画像データの記録/再生方式 | |
KR100213873B1 (ko) | 디지털 비디오 테이프 레코더의 트릭 모드를 구현하는 장치 및 방법 | |
JPH06302117A (ja) | データ処理装置 | |
JP2000293435A (ja) | データ再生装置および方法 | |
JPH04325969A (ja) | 動画像データのデジタル記録再生装置 | |
JPH08163498A (ja) | ディジタル信号記録装置 | |
JP2000149441A (ja) | データ処理装置、データ処理方法およびデータ再生装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20040406 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20040419 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090514 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100514 Year of fee payment: 6 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |