JP3551160B2 - 車両の制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、ディーゼルエンジンなどの内燃機関の出力側に無段変速機を連結した駆動機構を備えた車両の制御装置に関し、特に燃費を悪化させることなく、排気中の汚染物質の量を低減するように内燃機関の出力を制御する制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ディーゼルエンジンなどの内燃機関は、燃料を燃焼させて動力を出力するので、不可避的に排気が生じるが、地球環境の保全などの観点から、内燃機関から生じる排気を可及的に清浄化することが求められている。内燃機関の排気に含まれる汚染物質の一例が、窒素酸化物(NOx )であり、その排出量を低減することが求められている。
【0003】
NOx は、燃料の燃焼条件が、比較的高温でかつ酸化雰囲気の場合に生じやすく、したがって内燃機関で燃焼される混合気の空気と燃料との割合すなわち空燃比が理論空燃比(14.5)より大きくかつ理論空燃比に近い値(16〜17)の場合に生じやすい。そのため、NOx の排出量を低減するためには、空燃比をこの値より小さくまたは大きくすればよいが、空燃比を低下させると、燃料の供給量が増大するので、燃費が悪化してしまう。また、大きくすれば、その程度により燃焼不安定になり燃費が悪化してしまう。このように、燃費特性とNOx 排出特性とは相反する関係にあり、一方の特性を向上させると、他方の特性が悪化する。
【0004】
そこで従来、内燃機関の出力側に無段変速機を連結することにより、内燃機関の回転数をある程度任意に制御できることに着目し、燃費特性とNOx 排出特性とを両立させることが試みられている。その一例が特開平4−255541号公報に記載されている。この公報に記載された装置は、空燃比を理論空燃比あるいはそれよりリッチにした運転状態と、空燃比を理論空燃比より大きくしたリーン運転状態とのそれぞれについて燃費特性とNOx 排出特性とを求めておき、走行状態や要求駆動量などに基づく出力を得る運転状態について、燃費特性およびNOx 排出特性を評価し、これら両方の特性が両立する運転状態を選択するように構成されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記の公報に記載された制御装置によれば、実際の出力に応じた等出力線上で、リーン運転と理論空燃比運転(ストイキ運転)とのいずれが、燃料消費率とNOx 排出率とを、より良く両立させるかを評価し、評価の良い運転状態を選択することができる。しかしながら、このような構成では、等出力線上でのリーン運転とストイキ運転とのいずれかを選択する根拠を与えるものの、最適運転状態を決定するものとはなっていない。すなわち、燃料消費率および窒素酸化物の排出量がエンジン回転数およびエンジントルクに対して変化する特性を持つ場合、燃料消費率および窒素酸化物排出量を共に最少する最適運転点を決定するようにはなっていず、必ずしも実用上の要求を満たすことはできない。
【0006】
また、最近では、NOx などの環境の汚染物質の排出規制がますます厳しくなる傾向にあり、上述した公報に記載されているように、運転状態あるいは燃焼状態を変更することよっては、最新の排出規制をクリアーすることが困難になりつつある。このような厳しいNOx の排出規制に適合するために、燃費特性およびNOx 排出特性を両立させるように車両の運転状態を制御するとともに、触媒を使用して、内燃機関の排気を浄化することが試みられている。
【0007】
その触媒として、NOx 吸蔵還元型触媒が知られている。この触媒は、例えば内燃機関が、空燃比の大きいリーン状態で運転されて生じた排ガス中のNOx を硝酸態窒素として吸収し、その吸収量が予め定めた量まで増大した状態で、触媒での反応雰囲気を還元雰囲気とすることにより、吸蔵している硝酸態窒素を還元して窒素ガスとして放出させる。またその場合、発生期の酸素(活性酸素)が生じるので、触媒に付着した煤を酸化させることができる。
【0008】
この種の触媒を使用する場合、NOx の吸蔵量がある程度、増大した時点で、雰囲気を一時的に還元雰囲気とする必要がある。還元雰囲気とする制御として、燃料やアンモニアなどの還元剤を排気中に供給する方法や内燃機関に対する燃料の供給量を増大させて空燃比を低下させる方法などが知られているが、未反応のアンモニアが車両から排出されることは好ましくないので、通常は還元剤として燃料が使用される。したがって上述したNOx 吸蔵還元型触媒を使用した場合には、吸蔵したNOx を還元して放出するために燃料を消費することになる。
【0009】
このように、NOx 吸蔵還元型触媒を使用した場合、内燃機関で燃焼させる燃料と、NOx の浄化のための燃料とを消費することになるが、従来では、前者の燃料消費量のみを考慮した制御しかおこなわれていないので、燃費の向上を図る点で更に改良する余地があった。また、上記の公報に記載された装置は、等出力線上でのリーン運転とストイキ運転とのいずれかを選択する根拠を与えるものの、NOx などの排気中の汚染物質を除去するために消費される燃料の量をも考慮して最適運転状態を決定するものとはなっていないので、上述したNOx 吸蔵還元型触媒を使用した場合には、必ずしも燃費が最適にはならない可能性があった。
【0010】
この発明は、上記の技術的課題に着目してなされたものであり、燃費を悪化させることなく、排気中の汚染物質の量を低減することのできる制御装置を提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段およびその作用】
この発明は、上記の目的を達成するために、車両の走行のために消費する燃料の量と排気浄化のために消費する燃料の量とを合計した量を燃料消費量として把握し、そのいわゆる合算燃料消費量と排気中の汚染物質の量とが最少となる運転点で内燃機関を動作させるように構成したことを特徴とする制御装置である。またこの発明の他の特徴は、内燃機関の等出力線上で燃料消費量と内燃機関で発生する汚染物質の量とが共に最少となる運転点で内燃機関を動作させるように構成した点にある。
【0012】
より具体的には、請求項1の発明は、機関負荷を制御可能な内燃機関の出力側に、前記内燃機関の出力回転数を制御できる無段変速機が連結された車両の制御装置において、前記内燃機関の排気系統に配置された、排気を浄化するとともに排気の浄化のために燃料を消費する排気浄化手段と、要求されている出力をおこなうために前記内燃機関が消費する燃料量に前記排気浄化触媒が消費する燃料量を加算した合算燃料消費量が最少となる運転点を最適運転点として求める最適運転点算出手段と、前記内燃機関の運転状態が前記最適運転点での運転状態となるように、前記内燃機関の機関負荷を制御するとともに、前記無段変速機の変速比を制御する運転制御手段とを備えていることを特徴とする制御装置である。
【0013】
したがって請求項1の発明では、内燃機関を駆動することにより、燃料が燃焼されるとともに、排気浄化手段で排気を浄化する際に燃料が消費される。これら内燃機関での燃焼と排気浄化手段での消費とを合わせた燃料の消費量が合算燃料消費量であり、要求されている出力をおこなうことに伴う合算燃料消費量が最少となる内燃機関の運転点が求められる。例えば、所定の出力で所定時間の間、前記内燃機関を運転した場合の燃料消費量と、その所定時間の間に排出される排気中の所定の汚染物質を規制値まで低下させるのに要する燃料消費量とを加算した合算燃料消費量が、要求されている出力に対して最少となる運転点が求められる。
【0014】
そしてその運転点での運転となるように、内燃機関の燃料供給量あるいは吸入空気量などの制御量と無段変速機を変更することによる内燃機関の出力回転数とが制御される。その結果、排気浄化手段によって排気が浄化されるので、より厳しい排気に関する規制値をクリアーすることができ、また同時に燃費の悪化を防止することができる。
【0015】
また、請求項2の発明は、請求項1における前記最適運転点算出手段が、前記内燃機関の排気温度に応じて、前記最適運転点を、前記合算燃料消費量が最少なる運転点に替えて、前記合算燃料消費量が最少となる運転点に対して高負荷かつ低回転数側の運転点もしくは低負荷かつ高回転数側の運転点に設定する運転点変更手段を含むことを特徴とする制御装置である。
【0016】
したがって請求項2の発明では、排気の温度に応じて、内燃機関の運転点として、前記合算燃料消費量が最少となる運転点に対して高負荷・低回転数側もしくは低負荷・高回転数側に変更した運転点が選択される。例えば、排気温度が低い場合には、高負荷・低回転数側の運転点を選択することができ、その運転点での運転状態となるように、内燃機関の制御量および無段変速機の変速比が制御される。その結果、排気浄化手段の触媒床温が高くなって、排気浄化手段の活性が維持され、あるいはその活性を促進することができる。また特にディーゼルエンジンにおいては、空気過剰率の低い状態での運転となるので、排気温度を上昇させる効果が高くなる。
【0017】
これとは反対に排気温度が低い場合に、低負荷・高回転数側の運転点を選択することができ、その運転点での運転状態となるように、内燃機関の制御量および無段変速機の変速比が制御される。その結果、排気中の特定の汚染物質の量を低下させた運転が可能になる。
【0018】
さらに、請求項3の発明は、機関負荷を制御可能な内燃機関の出力側に、前記内燃機関の出力回転数を制御できる無段変速機が連結された車両の制御装置において、前記内燃機関の排気系統に配置された、排気を浄化するとともに排気の浄化のために燃料を消費する排気浄化手段と、前記排気浄化手段が有効に機能していない場合には、要求に見合ったトルクを出力しかつ燃費に優先して排気中の汚染物質量の少ない運転状態を前記内燃機関に対して指示し、前記排気浄化手段が有効に機能している場合には、要求に見合ったトルクを出力しかつ内燃機関が排出する汚染物質の量に優先して燃費の少ない運転状態を前記内燃機関に対して指示する運転状態指示手段とを備えていることを特徴とする制御装置である。
【0019】
したがって請求項3の発明では、内燃機関を駆動することにより、燃料が燃焼されるとともに、排気浄化手段で排気を浄化する際に燃料が消費される。その排気浄化手段が有効に機能していない場合、燃費が少なくなることに優先して排気中の汚染物質の量が少なくなる状態で内燃機関が運転される。これに対して、排気浄化手段が有効に機能している場合には、内燃機関が排出する汚染物質の量が相対的に増大することがあっても、燃費が少なくなる運転状態が選択され、その運転状態で内燃機関を駆動する指示が出力される。その場合、汚染物質は排気浄化手段が有効に機能して除去されるので、車両からの汚染物質の排出量が削減される。その結果、汚染物質の発生自体が抑制され、あるいは汚染物質が排気浄化手段で除去されるので、より厳しい排気規制に適合した車両とすることができる。
【0020】
またさらに、請求項4の発明は、請求項3における前記運転状態指示手段が、前記排気浄化手段が有効に機能していない場合には、前記内燃機関の等出力線に沿う方向での燃費の変化割合と排気中汚染物質の変化割合との比率が等しい運転点を結んだ線上の点を目標運転点とし、かつ前記排気浄化手段が有効に機能している場合には、要求されている出力をおこなうために前記内燃機関が消費する燃料量に前記排気浄化手段で消費する燃料量を加算した合算燃料消費量が最少となる運転点に基づいて設定した運転点を目標運転点として前記内燃機関の運転状態を指示する手段を含むことを特徴とする制御装置である。
【0021】
したがって請求項4の発明では、排気浄化手段の温度が活性温度以下であるなどのことにより有効に機能しない状態では、排気浄化手段によって汚染物質を除去することが困難であると同時に排気浄化手段での燃料の消費が生じないので、内燃機関の等出力線に沿う方向での燃費変化割合と内燃機関で発生する汚染物質の変化割合との比率が等しい運転点を結んだ線上の点が目標運転点として選択される。すなわち、内燃機関で燃焼することによる燃料の消費量および内燃機関で発生する汚染物質の量が共に最少となる運転点で内燃機関が運転される。これに対して排気浄化手段の温度が有効に機能している場合には、排気浄化手段において燃料の消費を伴って汚染物質が除去されるので、内燃機関での燃料消費量と排気浄化手段での燃料消費量との合算燃料消費量が最少となる運転点に基づいて設定した運転点が目標運転点として設定される。その結果、排気浄化手段の活性・不活性に関わらず、燃費および汚染物質の車両からの排出量を共に低減できる。
【0022】
そして、請求項5の発明は、機関負荷を制御可能な内燃機関の出力側に、前記内燃機関の出力回転数を制御できる無段変速機が連結され、前記機関負荷と出力回転数とによって前記内燃機関の運転点を定め、内燃機関がその運転点で運転されるように前記無段変速機によって前記内燃機関の出力回転数を制御する車両の制御装置において、前記内燃機関の出力を一定に保って運転状態を変化させた場合の燃費の変化割合と排気中の所定の汚染物質の発生量の変化割合との比率が、前記内燃機関の複数の出力について等しくなる運転点を目標運転点として設定する目標運転点設定手段と、前記内燃機関の運転状態が、要求されている出力についての前記目標運転点での運転状態となるように運転指示を出力する運転指示手段とを備えていることを特徴とする制御装置である。
【0023】
したがって請求項5の発明では、出力を一定に保ったまま内燃機関の負荷および回転数を変化させた場合の燃費の変化割合と内燃機関での汚染物質の発生量の変化割合との比率が求められ、その比率が、複数の出力について等しくなる運転点が目標運転点として設定され、要求されている出力についての前記目標運転点での運転となるように内燃機関の運転状態が制御される。その結果、燃費および車両から排出される汚染物質量が削減される。
【0024】
またそして、請求項6の発明は、機関負荷を制御可能な内燃機関の出力側に、前記内燃機関の出力回転数を制御できる無段変速機が連結され、前記機関負荷と出力回転数とによって前記内燃機関の運転点を定め、内燃機関がその運転点で運転されるように前記無段変速機によって前記内燃機関の出力回転数を制御する車両の制御装置において、前記内燃機関の出力状態が、所定の汚染物質の発生量が予め定めた基準値以下となる低出力状態では、前記排気中の所定の汚染物質の量が各出力ごとにほぼ一定となる前記内燃機関の運転点を前記目標運転点として設定する目標運転点設定手段と、前記内燃機関の運転状態が、要求されている出力についての前記目標運転点での運転状態となるように運転指示を出力する運転指示手段とを備えていることを特徴とする制御装置である。
【0025】
したがって請求項6の発明では、内燃機関を低出力で運転している場合、すなわち所定の汚染物質の発生量が所定値以下となる低出力状態では、要求されている出力が変化した場合、前記汚染物質の発生量が従前と同じになるように、すなわち一定となるように運転点が設定され、その運転点での内燃機関の運転が実行される。その場合、燃費の悪化の度合いが少ない。その結果、汚染物質の排出量が少なく、かつ燃費の良好な運転をおこなうことができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
つぎにこの発明を具体例に基づいて説明する。この発明で対象とする内燃機関は、ディーゼルエンジンやガソリンエンジンなどの燃料を燃焼させて動力を出力する動力装置であり、一例として車両に搭載されて主に走行のための動力源として使用される内燃機関である。図2に直噴式のディーゼルエンジン(以下、単にエンジンと記す)1を車両の動力源として使用した例を模式的に示している。このエンジン1は、気筒(シリンダ)の内部に燃料を直接噴射する形式の内燃機関であって、高圧での燃料の噴射を可能にするために、コモンレール式の電子制御燃料噴射システム2が備えられている。この電子制御燃料噴射システム2は公知の構造のものを使用することができる。
【0027】
また、図2に示すエンジン1は、排気タービン式の過給機すなわちターボチャージャ3が備えられている。そのコンプレッサー4の吸入口にエアークリーナ5を介装した吸気パイプ6が接続されており、またそのコンプレッサー4の吐出口には吸気温度を下げるためのインタークーラ7を介してインテークマニホールド8が接続されている。
【0028】
また、各シリンダに連通されているエキゾーストマニホールド9が、前記ターボチャージャ3におけるタービン10の流入口に接続されている。さらにそのタービン10における流出口には、排気浄化触媒を備えた触媒コンバータ11が接続されている。この触媒コンバータ11の上流側に、空燃比センサー12と触媒コンバータ11に流入する排気の圧力を検出する圧力センサー13とが配置されている。さらに、触媒温度を検出するための温度センサー14が設けられている。
【0029】
なおここで、排気浄化触媒について説明すると、図2に示す例では、NOx 吸蔵還元型触媒が使用されている。これは、酸化雰囲気において排気中の汚染物質の一つであるNOx を硝酸態窒素の形で吸蔵し、還元雰囲気において、その吸蔵している硝酸態窒素を還元して窒素ガスとして放出する機能を備えている。また、NOx の吸蔵時および還元時に活性酸素を生じるので、その活性酸素および排気中の酸素によって、表面に付着している煤(PM)を酸化して除去する機能を備えている。したがってこの排気浄化触媒の雰囲気を、酸化雰囲気と還元雰囲気とに所定時間ごとに変化させる必要があり、このような雰囲気の変更を、空燃比を空気過剰なリーン空燃比と燃料の量を相対的に増大させたリッチ空燃比とに切り換えることにより実行するようになっている。なお、排気浄化触媒から窒素物を放出させるために空燃比をリッチにする制御は一時的で良く、このような空燃比の一時的なリッチ化を「リッチスパイク」と称している。
【0030】
さらに、図2に示すエンジン1は、排気中のNOx を低減するために、排ガス再循環装置が設けられている。すなわち再循環させる排気を冷却するEGRクーラー15および再循環の実行・停止の制御と再循環率(EGR率)を一定に維持する制御とをおこなうEGRバルブ16とを介して、前記エキゾーストマニホールド9とインテークマニホールド8とが接続されている。
【0031】
このエンジン1の出力側に無段変速機(CVT)17が連結されている。この無段変速機17は、要は、変速比を連続的に変化させることのできる変速機であって、ベルト式無段変速機やトラクション式(トロイダル型)無段変速機が採用されている。
【0032】
上記のエンジン1における燃料噴射量やその噴射タイミング、排ガス再循環の実行・停止、スロットルバルブ(図示せず)の開度などを電気的に制御するためのエンジン用電子制御装置(E−ECU)18と、無段変速機17を制御する変速機用電子制御装置(T−ECU)19とが設けられている。これらの電子制御装置18,19は、マイクロコンピュータを主体として構成されており、アクセル開度などで表される出力要求量や車速、エンジン水温、無段変速機17の油温、前記各センサー12,13,14の検出信号などに基づいて、スロットル開度や燃料噴射量(すなわちエンジン負荷)、あるいは無段変速機17での変速比(すなわちエンジン回転数)などを制御するように構成されている。
【0033】
上記のエンジン1では、各シリンダの内部に燃料を噴射して燃焼させ、それに伴って生じる機械的エネルギを駆動力として出力する。そのために消費される燃料の量は、出力要求量を満たす範囲で可及的に少ない量に制御される。また、シリンダでの燃料の燃焼に伴って生じるNOx などの汚染物質が触媒コンバータ11における触媒で吸蔵され、その吸蔵量が飽和する以前に排気中の燃料の量を増大させて還元雰囲気とし、触媒に吸蔵している硝酸態窒素を還元して窒素ガスとして放出させる。すなわち、排気の浄化のために燃料の供給量を増大させて燃料を消費する。このように、エンジン1の駆動のために燃料を消費するとともに、排気を浄化するため、言い換えれば、大気汚染物質の車両からの排出量を低下させるために燃料を消費する。
【0034】
したがって出力の単位量に対する燃料の消費量は、エンジン1を駆動するための消費量と排気を浄化するための燃料の消費量とを合わせた合算燃料消費量となる。この発明に係る制御装置は、その合算燃料消費量が最少となるようにエンジン1および無段変速機17を制御する。より具体的には、出力要求量に応じたトルクとなるようにエンジン1の吸入空気量および/または燃料噴射量を制御し、かつその要求されている出力を最小の燃費で達成するように無段変速機17の変速比すなわちエンジン回転数を制御する。
【0035】
上記の合算燃料消費量が最少となるエンジン1の運転点は、以下のようにして与えられる。すなわち、排気と共に車両から放出される汚染物質、例えばNOx の排出規制値は、車速やその継続時間などによって走行モードを定め、車両をその走行モードに従って走行させた場合の排出量として定められている。したがってその走行モードでの前記合算燃料消費量すなわちモード燃料消費量(g)Fは、下記の式1で表される。
【式1】
【0036】
ここで、pi はエンジン1の出力(kW)、ti はモード走行中の出力pi の継続時間(h)、tidl はアイドリングの継続時間(h)、si は出力pi の等出力線上の燃費率SFC(g/kWh)、sidl はアイドリング状態での燃費率(g/h)、ni は出力pi の等出力線上のNOx 排出量(g/kWh)、nidl はアイドリング状態でのNOx 排出量(g/h)、kは排気浄化触媒を還元雰囲気とするための前述したリッチスパイク時の必要燃料量とその時還元するNOx 量との比率(リッチスパイク燃料量/NOx 量)、Nt は目標NOx 排出量(規制値以下の所定のNOx 排出量)である。
【0037】
式1の右辺で、アイドリング燃料消費量(tidl *sidl )およびアイドリングNOx 排出量(tidl *nidl )ならびに目標NOx 排出量Nt は走行状態に関係しない一定値であるから、式1は、下記の式2のように書き換えられる。
【式2】
【0038】
この式2において、pi は車両に搭載されているエンジン1に応じて定まり、また所定の出力pi での走行時間ti はNOx などの汚染物質の排出規制値を定めている走行モードによって決まる。その走行モードの一例を線図で示せば、図3のとおりである。したがってモード燃費消費量Fを最少にするためには、式2の右辺における(si +k*ni )が最少となるようにエンジン1の動作状態を制御すればよいことになる。すなわち、要求されている出力に応じた等出力線上での燃費率とその等出力線上でのNOx 排出量を燃料換算した値との和が最少となる運転点を選択し、エンジン1をその運転点で運転するように負荷および回転数を制御すればよい。
【0039】
ところで、エンジン1の出力はトルクと回転数との積であるから、等出力線は、トルクとエンジン回転数とをパラメータとして図1に示すように表される。この線図に燃費率SFCを重ねて示せば、細い実線のとおりである。また、NOx 排出量は破線で示すとおりである。なお、燃費率SFCおよびNOx 排出量は、共に同じ値となる点を結んだ線(等高線)で示してあり、それぞれの等高線の中心側で小さい値となる。この図1から知られるように、燃費率SFCの等高線に対してNOx 排出量を示す等高線が低トルク側(低負荷側)にあるから、所定の出力を得るための燃料消費量を抑制すると、NOx の発生量が増大し、NOx の除去のために要する燃料消費量が増大する。すなわち燃費とNOx 排出量とは背反する関係にある。
【0040】
したがって、合算燃費率に相当する前記の(si +k*ni )は、図1の太い実線で表される。その合算燃費率の最小値を結んだ線が、NOx の吸蔵と還元とを必要十分に実行できる状態での、燃料消費量の最も少ない最適燃費線となる。なお、エンジン回転数の制御可能な最低回転数が決められているので、最適燃費線は、その最低回転数で直線となる。
【0041】
この発明に係る制御装置は、少なくとも定常的な走行状態においては、アクセル開度などで表される出力要求量に対応する等出力線と上記の最適燃費線との交点として求まる最適運転点でエンジン1を駆動するようにエンジン1および無段変速機17を制御する。その制御の仕方は、目標エンジン回転数Netを除いて、無段変速機を使用した従来知られている制御と同様である。その一例を図4に示してある。
【0042】
図4において、先ず、アクセル開度Accおよび車速Vに基づいて目標駆動力Fd が求められる(ブロックB1)。ここでアクセル開度Accは、アクセルペダル(図示せず)の踏み込み量を電気的に処理して得られた制御データであって、加速もしくは減速の要求すなわち駆動力についての要求を示すパラメータとして採用されている。したがって車速を一定に維持するクルーズコントロールのための駆動要求の信号をアクセル開度Accに替わるパラメータとして採用することもできる。また車速についても同様であって、車速Vと一対一の関係にある他の適宜の回転部材の回転数を車速Vに替えて採用することもできる。
【0043】
これらのアクセル開度Accと車速Vとに基づく目標駆動力Fd の決定は、予め用意したマップに基づいておこなう。具体的には、アクセル開度Accをパラメータとして車速Vと駆動力Fd との関係をマップとして予め定めておく。その場合、対象とする車両の特性を反映するように駆動力Fd を定める。そしてそのマップに基づいて目標駆動力Fd が求められる。
【0044】
ブロックB1で求められた目標駆動力Fd と現在の車速Vとに基づいて目標出力Pが求められる(ブロックB2)。すなわち目標出力Pは、目標駆動力Fd と車速Vとの積である。
【0045】
変速比を制御するために、その目標出力Pに対応した目標エンジン回転数Netが求められる(ブロックB3)。前述したように定常走行状態では、最適燃費線に即して制御されるから、目標出力Pに達した時点での運転状態は最適燃費線上の運転点での運転状態となる。すなわち目標出力Pに達した時点では、エンジン1は、最適燃費線に基づく状態に制御されるから、目標エンジン回転数Netは、図1に示す最適燃費線に基づいて出力と回転数とを定めた目標エンジン回転数テーブル(線図)を利用して求められる。
【0046】
この目標エンジン回転数Netと検出された実際のエンジン回転数Ne とに基づいて変速制御手段が実エンジン回転数を目標エンジン回転数となるように変速比を制御する(ブロックB4)。この変速制御手段は、具体的には前述した図2に示す変速機用電子制御装置19である。
【0047】
一方、エンジン1を制御するために、上記の目標出力Pと現在のエンジン回転数Ne とに基づいて目標エンジントルクTo を求める(ブロックB5)。これは、例えば目標出力Pを現在のエンジン回転数Ne で割り算することにより実行される。なお、図4に示す式は、単位を揃えるための処理をおこなったものである。したがってエンジン回転数Ne に替えてエンジン1の出力軸の角速度を採用することもできる。
【0048】
このようにして求められた目標エンジントルクTo となるようにエンジントルク制御手段がエンジン1を制御する(ブロックB6)。具体的には、前述した図2に示すエンジン用電子制御装置(E−ECU)18によって燃料噴射量あるいは電子スロットルバルブ(図示せず)の開度が制御される。
【0049】
このように出力トルクと回転数とが制御されたことによって設定されるエンジン1の運転状態すなわち運転点は、出力要求量に応じた最適燃費線上の運転点である。したがって燃費とNOx の排出量とが共に最少となる状態でエンジン1が運転され、しかも排気中の汚染物質であるNOx の量を前記触媒コンバータ11によって目標値まで低減することができる。言い換えれば、NOx などの排気中の汚染物質に関するより厳しい排出規制をクリアーすることができるうえに、燃費を良好なものとすることができる。
【0050】
上述した図1に示す最適燃費線に基づくマップから出力要求量に応じた目標エンジン回転数Netを求める前記図4におけるブロックB3の機能的手段が、請求項1の発明における最適運転点算出手段に相当し、また図4におけるブロックB4の変速制御手段およびブロックB6のエンジントルク制御手段の機能的手段が、請求項1の発明における運転制御手段に相当する。
【0051】
ところで、エンジン1の排気を上記の触媒コンバータ11によっていわゆる後処理する場合、触媒コンバータ11を所期どおりに機能させるためには、その触媒の温度を活性温度以上に維持する必要がある。そして、触媒の温度は、排気の有する熱および触媒で生じる反応による熱で上昇もしくは維持される。したがってエンジン1から生じる排気の温度が低い場合には、触媒コンバータ11における触媒の温度が低下する可能性がある。その場合、図1に示す最適燃費線上の運転点でエンジン1を動作させていると、排気浄化触媒の活性が低下して、車両から排出される汚染物質の量が増大する可能性がある。
【0052】
このような不都合を回避するために、エンジン排気温度が低い領域では、エンジン1の運転点を前述した最適燃費線上の運転点から外れた運転点に設定する。図5はその制御例を説明するためのフローチャートであって、先ず、エンジン排気温が低い領域か否かが判断される(ステップS1)。その判断は、例えばエンジン1の排気系統に設けた温度センサもしくは冷却水温センサによって検出した温度に基づいておこなってもよく、あるいはスロットル開度あるいは燃料噴射量などの負荷の履歴に基づいて推定しておこなってもよい。
【0053】
このステップS1で否定的に判断された場合に、排気温度が特には低くないから、通常のとおり、エンジン1の運転点を図1に示す最適燃費線上の運転点に設定する(ステップS2)。すなわちこの最適燃費線に基づいて定まるエンジン回転数となるように無段変速機17の変速比を制御する。
【0054】
これに対してステップS1で肯定的に判断された場合には、エンジン1の運転点を、図1に示す最適燃費線上の運転点とは異なる運転点に設定する(ステップS3)。一例として、エンジン回転数が予め定めた所定値以下の状態では、最適燃費線上の運転点に対して高負荷・低回転数側にずれた運転点でエンジン1を動作させる。その運転点を図示すれば、図6の太い実線Aのとおりである。
【0055】
運転点を最適燃費線上の運転点から実線A上の運転点に変更することにより、エンジン1からの排気温度が高くなり、その結果、排気浄化触媒が排気から熱を受けてその触媒床温度が高くなってその活性を維持し、もしくは活性を促進することができる。特にディーゼルエンジンでは、燃料供給量(燃料噴射量)を増加させて空気過剰率の低い領域での運転となるので、排気温度の上昇効果が高くなる。したがって、排気浄化触媒の活性が低調な状態での運転時間が短くなるので、運転点を高負荷・低回転数側に変更したとしても、車両から排気と共に排出される汚染物質の全体としての量を少なくすることができる。
【0056】
また、運転点を変更する他の例は、エンジン回転数が予め定めた所定値以下の状態では、最適燃費線上の運転点に対して低負荷・高回転数側にずれた運転点でエンジン1を動作させる例である。その運転点を図示すれば、図6の太い実線Bのとおりである。
【0057】
運転点を最適燃費線上の運転点から実線B上の運転点に変更することにより、燃費が低下するものの、NOx 排出量が最少となる運転点に近づくので、排気浄化触媒でのNOx を除去機能が低下していても、エンジン1で発生するNOx 量自体が少ないので、結局、車両から排出されるNOx 量を全体として少なくすることができる。
【0058】
なお、図6の実線A上の運転点に変更する制御と、実線B上の運転点に変更する制御とは、反対の制御となるが、燃費率やNOx 排出特性、排気温度特性、NOx 浄化触媒の特性などは、エンジンあるいは車両ごとに異なっているので、エンジン1ごとあるいは車両ごとにいずれか有利な運転点の変更をおこなえばよい。したがって図5に示すステップS3の機能的手段が、請求項2の発明における最適運転点変更手段に相当する。
【0059】
上述した触媒コンバータ11が機能していない場合、あるいは触媒コンバータ11を備えていない車両では、排気の浄化のために燃料を消費しないので、図6に示す最適燃費線上の運転点が必ずしも燃費およびNOx 排出量が最適となる運転点にはならない。その場合、燃費率SFCが小さく、かつエンジン1でのNOx などの汚染物質の発生量が少ない運転点を選択してエンジン1を制御する。以下、その制御例を説明する。
【0060】
エンジン1の等出力線および燃費率SFCならびにNOx 排出量を、出力トルクとエンジン回転数とをパラメータとして線図で示せば、図7のとおりである。一方、所定の走行モードで車両が走行した場合の燃料消費量FとNOx 排出量Nとは、式3で表される。
【式3】
【0061】
そこで、目標とするNOx 排出量を満たし、かつ燃料消費量Fが最少となる(si ,ni )の組み合わせを求めるために、所定の出力pi についてのsi とni との関係を示すと、図8のとおりである。すなわち、各等出力線に沿って(dsi /dl)と(dni /dl)とを求め、両者の比(dsi /dni )(すなわち燃費率変化率/NOx 変化率)を求める。
【0062】
所定の運転状態からNOx 排出量を減少させて目標値に合わせる場合、(dsi /dni )が最も小さい等出力線上のポイントを移動させると燃費悪化が最少となる。この考えを各等出力線上で繰り返して、目標とするNOx 排出量を達成すると考えれば、所定のNOx 目標値に対して燃費最適となる線は、各等出力線における(dsi /dni )の値が等しい点を結んだものとなる。これを、図7に(等dSFC/dNOx 線)として示してある。
【0063】
なお、各出力のモード内頻度(ti *pi )を考慮しても事情は同じである。すなわち各出力のモード内頻度(ti *pi )を考慮した場合、図9に示すように、燃費軸およびNOx 軸の両方向に頻度分、写像することになり、燃費とNOx との関係は相似形状となる。したがって「燃費変化率/NOx 変化率」の値は変わらない。
【0064】
上記の(等dSFC/dNOx 線)は図7に示すように複数本画くことができ、そのいずれが最適燃費線となるかは、NOx 目標値および走行モードならびにエンジンによって異なる。したがって実際に車両の制御をおこなう場合には、実験的に最適燃費線を求めておき、そのデータを例えばマップ値として電子制御装置18に記憶させておき、これを例えば前述した図4に示すブロックB3で利用して目標エンジン回転数を求める。また、対応できる目標値は、NOx 最適線(等出力線上でのNOx 排出量が最少となる点を結んだ線)でのNOx 排出量が下限となる。
【0065】
したがってこの発明に係る制御装置では、エンジン1で発生するNOx の量を目標値に維持しつつ、燃料の消費量を最少にすることができる。そのため、エンジン1で発生したNOx などの汚染物質を除去する触媒などの除去手段を備えていない場合、あるいはその除去手段が有効に機能していない場合であっても、排気に関する規制値を満たした車両とすることができると同時に、燃費に優れた車両を得ることができる。
【0066】
上述したように図7に示す最適燃費線は、車両に搭載している触媒コンバータ11が有効に機能していない場合に採用することができ、したがって触媒コンバータ11を備えた車両では、図7に示す最適燃費線と図6に示す最適燃費線もしくはこれを変更した実線Aおよび実線Bの燃費線(作動線)との両方を備え、排気浄化手段である触媒コンバータ11が有効に機能している場合と有効に機能していない場合とで、これらの燃費線を切り替えて例えば前記ブロックB3で使用し、エンジン回転数を各状況に応じて燃費が良好になる回転数に制御することができる。
【0067】
例えば図10に示すように、先ず、触媒が活性前か否かが判断される(ステップS11)。これは、一例として触媒温度に基づいて判断することができる。触媒温度が活性温度以上であって既に活性状態となっていることによりステップS11で否定的に判断された場合には、触媒による排気の浄化が可能であるから、図6に基づいて定まるエンジン1の運転点が設定される(ステップS12)。これに対して、触媒温度が活性温度未満であって触媒が活性を示さない状態であるためにステップS11で肯定的に判断された場合には、触媒による排気の浄化をおこなえないので、エンジン1で発生するNOx 量を低減することを優先するべく、図7に基づいて定まるエンジン1の運転点が設定される(ステップS13)。
【0068】
その場合、図7に示す最適燃費線を使用した制御では、燃費に優先して、エンジン1で発生するNOx の量を低減させる制御となる。また、図6に示す最適燃費線もしくはこれに基づく各実線A,Bを使用した制御では、エンジン1で発生するNOx の量に優先して燃費を低減させる制御となる。したがってこれらの最適燃費線もしくは実線A,Bを切り替えて使用するとともにそれに基づいてエンジン1の運転状態(具体的には回転数)を指示する前記ブロックB3,B4の機能的手段あるいは上記のステップS11,S12の機能的手段が、請求項3および請求項4における運転状態指示手段に相当する。
【0069】
また、触媒コンバータ11などの排気浄化手段を備えていない車両では、上記の図7に示す最適燃費線上の運転点でエンジン1を運転するように制御する。その制御は、具体的には、その最適燃費線に基づくマップを利用して前述したブロックB3で目標エンジン回転数を求め、その目標エンジン回転数を達成するように無段変速機17の変速比を制御することにより実行される。したがって、このような制御をおこなうように構成したブロックB3の機能的手段が、請求項5における目標運転点設定手段に相当する。
【0070】
ところで、図7に示すように、燃費の極小点は、高負荷側にあり、これに対してNOx の排出量の極小点は低負荷側にあるので、所定の目標NOx 量に対して燃費が最少になる運転点もしくは最適燃費線は、これらの極小点の中間に位置することになる。そして、各出力ごとの燃費が最少となる点を結んだ最適燃費線もしくはエンジン作動線は、低負荷・低回転数の領域、換言すれば出力トルクと回転数とをパラメータとした線図におけるNOx 排出量の極小点より低回転数側でかつ高負荷側(高トルク側)の領域では、NOx 排出量が等しい点を結んだ等NOx 線に近似した曲線となる。したがってこの領域での少なくとも一部においては、エンジン1の目標運転点を、等NOx 線に沿って設定したエンジン作動線上の点としても良い。
【0071】
このようにして得られたエンジン作動線の一例を図11に示してある。この図11に示すエンジン作動線上にエンジン1の目標運転点を設定した場合、NOx の排出量が増加することはないものの、前述した図7の最適燃費線上の運転点よりも燃費が増大することになる。しかしながら、その燃費の悪化の程度は僅かであり、実用上、殆ど支障を生じない。
【0072】
この図11に示すエンジン作動線に基づいてエンジン1を制御する場合、前述した各具体例における制御と同様に実行すればよい。すなわち図11に示すエンジン作動線に基づく目標エンジン回転数のマップを用意し、これを利用して前記図4のブロックB3で目標エンジン回転数を求めればよい。したがってこの図11のエンジン作動線を利用した前記ブロックB3の機能的手段が、請求項6における目標運転点設定手段に相当し、そのブロックB3で求められた目標エンジン回転数となるように変速比を制御するブロックB4の変速制御手段が、請求項6の運転指示手段に相当する。
【0073】
なお、上記の例では、NOx を排気中の汚染物質とした例を示したが、この発明は上述した各具体例に限定されないのであって、NOx 以外の他の物質の排出量を低減させる制御装置にも適用することができる。また、上記の具体例では特に述べていないが、図6や図7、図11に示す等NOx 線は、EGRなどの他のNOx 低減制御を実行した場合の特性線を示している。さらに、上記の具体例では、空燃比を低下させて排気浄化手段である触媒に燃料を供給するように構成したが、これに替えて、排気中に直接燃料を付加して触媒に供給するように構成してもよい。
【0074】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明によれば、内燃機関での燃焼と排気浄化手段での消費とを合わせた燃料の合算燃料消費量が、要求されている出力に対して最少となる内燃機関の運転点が求められる。例えば、所定の出力で所定時間の間、前記内燃機関を運転した場合の燃料消費量と、その所定時間の間に排出される排気中の所定の汚染物質を規制値まで低下させるのに要する燃料消費量とを加算した合算燃料消費量が、要求されている出力に対して最少となる運転点が求められる。そしてその運転点での運転となるように、内燃機関の燃料供給量あるいは吸入空気量などの制御量と無段変速機を変更することによる内燃機関の出力回転数とが制御されるので、排気浄化手段によって排気が浄化されることにより、より厳しい排気に関する規制値をクリアーすることができ、また同時に燃費の悪化を防止することができる。
【0075】
また、請求項2の発明によれば、請求項1の発明で得られる効果に加えて、排気の温度に応じて、内燃機関の運転点を、前記合算燃料消費量が最少となる運転点に対して高負荷・低回転数側もしくは低負荷・高回転数側に変更するので、例えば、排気温度が低い場合には、高負荷・低回転数側の運転点を選択し、その結果、排気浄化手段の触媒床温が高くなって、排気浄化手段の活性が維持され、あるいはその活性を促進することができる。また特にディーゼルエンジンにおいては、空気過剰率の低い状態での運転となるので、排気温度を上昇させる効果が高くなる。これはと反対に排気温度が低い場合に、低負荷・高回転数側の運転点を選択し、それに伴って、排気中の特定の汚染物質の量を低下させた運転をおこなうことができる。
【0076】
さらに、請求項3の発明によれば、排気浄化手段が有効に機能していない場合、燃費が少なくなることに優先して排気中の汚染物質の量が少なくなる状態で内燃機関を運転し、これとは反対に、排気浄化手段が有効に機能している場合には、内燃機関が排出する汚染物質の量が相対的に増大することがあっても、燃費が少なくなる状態で内燃機関を運転するので、排気中の汚染物質の量を削減できると同時に、燃費を良好なものとすることができ、ひいてはより厳しい排気規制に適合した車両とすることができる。
【0077】
またさらに、請求項4の発明によれば、排気浄化手段が有効に機能しない状態では、内燃機関の等出力線に沿う方向での燃費変化割合と内燃機関で発生する汚染物質の変化割合との比率が等しい運転点を結んだ線上の点を目標運転点として選択し、これに対して排気浄化手段が有効に機能する場合には、内燃機関での燃料消費量と排気浄化手段での燃料消費量との合算燃料消費量が最少となる運転点に基づいて設定した運転点を目標運転点として設定するので、排気浄化手段の活性・不活性に関わらず、燃費と汚染物質の車両からの排出量とを共に低減することができる。
【0078】
そして、請求項5の発明によれば、出力を一定に保ったまま内燃機関の負荷および回転数を変化させた場合の燃費の変化割合と内燃機関での汚染物質の発生量の変化割合との比率が求められ、その比率が、複数の出力について等しくなる運転点が目標運転点として設定され、要求されている出力についての前記目標運転点での運転となるように内燃機関の運転状態を制御するので、燃費と車両から排出される汚染物質量とを共に低減させることができる。
【0079】
またそして、請求項6の発明によれば、内燃機関を低出力で運転している場合、すなわち所定の汚染物質の発生量が所定値以下となる低出力状態では、要求されている出力が変化した場合、前記汚染物質の発生量が従前と同じになるように、すなわち一定となるように運転点を設定し、その運転点で内燃機関を運転するので、汚染物質の排出量が少なく、かつ燃費の良好な運転をおこなうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】等出力線上の燃費率とNOx 排出量に対応する燃料消費量とを合算した最適燃費線の一例を示す線図である。
【図2】この発明で対象とする内燃機関を搭載した車両の動力系統の一例を模式的に示す図である。
【図3】走行モードの一例を示す線図である。
【図4】無段変速機を利用してエンジンの回転数とエンジントルクとを個別に制御する制御例を示すブロック図である。
【図5】排気温度に基づいて運転点を変更する制御例を説明するためのフローチャートである。
【図6】排気温度に基づいて変更した最適燃費線(エンジン作動線)の例を示す線図である。
【図7】排気浄化触媒を使用しない場合の最適燃費線の例を示す線図である。
【図8】所定の等出力線に沿う燃費率si 、NOx 排出量ni 、dsi /dl、dni /dl、dsi /dni を示す線図である。
【図9】所定の出力についてのdsi /dni を所定の走行モードに応じて写像した例を示す線図である。
【図10】排気浄化触媒の活性の前後で運転点を変更する制御例を説明するためのフローチャートである。
【図11】低出力領域では等NOx 線に近似させたエンジン作動線の一例を示す線図である。
【符号の説明】
1…内燃機関、 11…触媒コンバータ、 17…無段変速機、 18…エンジン用電子制御装置、 19…変速機用電子制御装置
Claims (6)
- 機関負荷を制御可能な内燃機関の出力側に、前記内燃機関の出力回転数を制御できる無段変速機が連結された車両の制御装置において、
前記内燃機関の排気系統に配置された、排気を浄化するとともに排気の浄化のために燃料を消費する排気浄化手段と、
要求されている出力をおこなうために前記内燃機関が消費する燃料量に前記排気浄化触媒が消費する燃料量を加算した合算燃料消費量が最少となる運転点を最適運転点として求める最適運転点算出手段と、
前記内燃機関の運転状態が前記最適運転点での運転状態となるように、前記内燃機関の機関負荷を制御するとともに、前記無段変速機の変速比を制御する運転制御手段と
を備えていることを特徴とする車両の制御装置。 - 前記最適運転点算出手段は、前記内燃機関の排気温度に応じて、前記最適運転点を、前記合算燃料消費量が最少なる運転点に替えて、前記合算燃料消費量が最少となる運転点に対して高負荷かつ低回転数側の運転点もしくは低負荷かつ高回転数側の運転点に設定する運転点変更手段を含むことを特徴とする請求項1に記載の車両の制御装置。
- 機関負荷を制御可能な内燃機関の出力側に、前記内燃機関の出力回転数を制御できる無段変速機が連結された車両の制御装置において、
前記内燃機関の排気系統に配置された、排気を浄化するとともに排気の浄化のために燃料を消費する排気浄化手段と、
前記排気浄化手段が有効に機能していない場合には、要求に見合ったトルクを出力しかつ燃費に優先して排気中の汚染物質量の少ない運転状態を前記内燃機関に対して指示し、前記排気浄化手段が有効に機能している場合には、要求に見合ったトルクを出力しかつ内燃機関が排出する汚染物質の量に優先して燃費の少ない運転状態を前記内燃機関に対して指示する運転状態指示手段と
を備えていることを特徴とする車両の制御装置。 - 前記運転状態指示手段は、前記排気浄化手段が有効に機能していない場合には、前記内燃機関の等出力線に沿う方向での燃費の変化割合と排気中汚染物質の変化割合との比率が等しい運転点を結んだ線上の点を目標運転点とし、かつ前記排気浄化手段が有効に機能している場合には、要求されている出力をおこなうために前記内燃機関が消費する燃料量に前記排気浄化手段で消費する燃料量を加算した合算燃料消費量が最少となる運転点に基づいて設定した運転点を目標運転点として前記内燃機関の運転状態を指示する手段を含むことを特徴とする請求項3に記載の車両の制御装置。
- 機関負荷を制御可能な内燃機関の出力側に、前記内燃機関の出力回転数を制御できる無段変速機が連結され、前記機関負荷と出力回転数とによって前記内燃機関の運転点を定め、内燃機関がその運転点で運転されるように前記無段変速機によって前記内燃機関の出力回転数を制御する車両の制御装置において、
前記内燃機関の出力を一定に保って運転状態を変化させた場合の燃費の変化割合と排気中の所定の汚染物質の発生量の変化割合との比率が、前記内燃機関の複数の出力について等しくなる運転点を目標運転点として設定する目標運転点設定手段と、
前記内燃機関の運転状態が、要求されている出力についての前記目標運転点での運転状態となるように運転指示を出力する運転指示手段と
を備えていることを特徴とする車両の制御装置。 - 機関負荷を制御可能な内燃機関の出力側に、前記内燃機関の出力回転数を制御できる無段変速機が連結され、前記機関負荷と出力回転数とによって前記内燃機関の運転点を定め、内燃機関がその運転点で運転されるように前記無段変速機によって前記内燃機関の出力回転数を制御する車両の制御装置において、
前記内燃機関の出力状態が、所定の汚染物質の発生量が予め定めた基準値以下となる低出力状態では、前記排気中の所定の汚染物質の量が各出力ごとにほぼ一定となる前記内燃機関の運転点を前記目標運転点として設定する目標運転点設定手段と、
前記内燃機関の運転状態が、要求されている出力についての前記目標運転点での運転状態となるように運転指示を出力する運転指示手段と
を備えていることを特徴とする車両の制御装置。
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