JP2000008964A - 内燃機関 - Google Patents

内燃機関

Info

Publication number
JP2000008964A
JP2000008964A JP10174916A JP17491698A JP2000008964A JP 2000008964 A JP2000008964 A JP 2000008964A JP 10174916 A JP10174916 A JP 10174916A JP 17491698 A JP17491698 A JP 17491698A JP 2000008964 A JP2000008964 A JP 2000008964A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
amount
combustion
air
fuel ratio
soot
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP10174916A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3551769B2 (ja
Inventor
Hiroki Murata
宏樹 村田
Shizuo Sasaki
静夫 佐々木
Takekazu Ito
丈和 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP17491698A priority Critical patent/JP3551769B2/ja
Priority to US09/330,100 priority patent/US6152118A/en
Priority to EP99111890A priority patent/EP0967373B1/en
Publication of JP2000008964A publication Critical patent/JP2000008964A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3551769B2 publication Critical patent/JP3551769B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02MSUPPLYING COMBUSTION ENGINES IN GENERAL WITH COMBUSTIBLE MIXTURES OR CONSTITUENTS THEREOF
    • F02M26/00Engine-pertinent apparatus for adding exhaust gases to combustion-air, main fuel or fuel-air mixture, e.g. by exhaust gas recirculation [EGR] systems
    • F02M26/02EGR systems specially adapted for supercharged engines
    • F02M26/04EGR systems specially adapted for supercharged engines with a single turbocharger
    • F02M26/06Low pressure loops, i.e. wherein recirculated exhaust gas is taken out from the exhaust downstream of the turbocharger turbine and reintroduced into the intake system upstream of the compressor
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B29/00Engines characterised by provision for charging or scavenging not provided for in groups F02B25/00, F02B27/00 or F02B33/00 - F02B39/00; Details thereof
    • F02B29/04Cooling of air intake supply
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02MSUPPLYING COMBUSTION ENGINES IN GENERAL WITH COMBUSTIBLE MIXTURES OR CONSTITUENTS THEREOF
    • F02M26/00Engine-pertinent apparatus for adding exhaust gases to combustion-air, main fuel or fuel-air mixture, e.g. by exhaust gas recirculation [EGR] systems
    • F02M26/13Arrangement or layout of EGR passages, e.g. in relation to specific engine parts or for incorporation of accessories
    • F02M26/14Arrangement or layout of EGR passages, e.g. in relation to specific engine parts or for incorporation of accessories in relation to the exhaust system
    • F02M26/15Arrangement or layout of EGR passages, e.g. in relation to specific engine parts or for incorporation of accessories in relation to the exhaust system in relation to engine exhaust purifying apparatus
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02MSUPPLYING COMBUSTION ENGINES IN GENERAL WITH COMBUSTIBLE MIXTURES OR CONSTITUENTS THEREOF
    • F02M26/00Engine-pertinent apparatus for adding exhaust gases to combustion-air, main fuel or fuel-air mixture, e.g. by exhaust gas recirculation [EGR] systems
    • F02M26/45Sensors specially adapted for EGR systems
    • F02M26/46Sensors specially adapted for EGR systems for determining the characteristics of gases, e.g. composition

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Combustion & Propulsion (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Exhaust-Gas Circulating Devices (AREA)
  • Exhaust Gas After Treatment (AREA)
  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 EGR通路等に多量のデポジットが堆積する
のを阻止する。 【解決手段】 煤の発生量がピークとなるEGRガス量
よりも燃焼室5内のEGRガス量が多く煤がほとんど発
生しない第1の燃焼と、煤の発生量がピークとなるEG
Rガス量よりも燃焼室5内のEGRガス量が少ない第2
の燃焼とを選択的に行う。機関吸気通路内に酸化機能を
有する触媒25を配置し、触媒25を通過した排気ガス
をEGR通路29を介して機関吸気通路内に再循環させ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は内燃機関に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より内燃機関、例えばディーゼル機
関においてはNOx の発生を抑制するために機関排気通
路と機関吸気通路とを排気ガス再循環(以下、EGRと
称す)通路により連結し、このEGR通路を介して排気
ガス、即ちEGRガスを機関吸気通路内に再循環させる
ようにしている。この場合、EGRガスは比較的比熱が
高く、従って多量の熱を吸収することができるので、E
GRガス量を増大するほど、即ちEGR率(EGRガス
量/(EGRガス量+吸入空気量))を増大するほど燃
焼室内における燃焼温度が低下する。燃焼温度が低下す
るとNOx の発生量が低下し、従ってEGR率を増大す
ればするほどNOx の発生量は低下することになる。
【0003】このように従来よりEGR率を増大すれば
NOx の発生量を低下しうることはわかっている。しか
しながらEGR率を増大させていくとEGR率が或る限
度を越えたときに煤の発生量、即ちスモークが急激に増
大し始める。この点に関し従来より、それ以上EGR率
を増大すればスモークが限りなく増大していくものと考
えられており、従ってスモークが急激に増大し始めるE
GR率がEGR率の最大許容限界であると考えられてい
る。
【0004】従って従来よりEGR率はこの最大許容限
界を越えない範囲内に定められている。このEGR率の
最大許容限界は機関の形式や燃料によってかなり異なる
がおおよそ30パーセントから50パーセントである。
従って従来のディーゼル機関ではEGR率は最大でも3
0パーセントから50パーセント程度に抑えられてい
る。
【0005】このように従来ではEGR率に対して最大
許容限界が存在すると考えられていたので従来よりEG
R率はこの最大許容限界を越えない範囲内においてNO
x およびスモークの発生量ができるだけ少なくなるよう
に定められていた。しかしながらこのようにしてEGR
率をNOx およびスモークの発生量ができるだけ少なく
なるように定めてもNOx およびスモークの発生量の低
下には限度があり、実際には依然としてかなりの量のN
x およびスモークが発生してしまうのが現状である。
【0006】ところがディーゼル機関の燃焼の研究の過
程においてEGR率を最大許容限界よりも大きくすれば
上述の如くスモークが急激に増大するがこのスモークの
発生量にはピークが存在し、このピークを越えてEGR
率を更に大きくすると今度はスモークが急激に減少しは
じめ、アイドリング運転時においてEGR率を70パー
セント以上にすると、またEGRガスを強力に冷却した
場合にはEGR率をほぼ55パーセント以上にするとス
モークがほとんど零になる、即ち煤がほとんど発生しな
いことが見い出されたのである。また、このときにはN
x の発生量が極めて少量となることも判明している。
この後この知見に基づいて煤が発生しない理由について
検討が進められ、その結果これまでにない煤およびNO
x の同時低減が可能な新たな燃焼システムが構築される
に至ったのである。この新たな燃焼システムについては
後に詳細に説明するが簡単に言うと炭化水素が煤に成長
するまでの途中の段階において炭化水素の成長を停止さ
せることを基本としている。
【0007】即ち、実験研究を重ねた結果判明したこと
は燃焼室内における燃焼時の燃料およびその周囲のガス
温度が或る温度以下のときには炭化水素の成長が煤に至
る前の途中の段階で停止し、燃料およびその周囲のガス
温度が或る温度以上になると炭化水素は一気に煤まで成
長してしまうということである。この場合、燃料および
その周囲のガス温度は燃料が燃焼した際の燃料周りのガ
スの吸熱作用が大きく影響しており、燃料燃焼時の発熱
量に応じて燃料周りのガスの吸熱量を調整することによ
って燃料およびその周囲のガス温度を制御することがで
きる。
【0008】従って、燃焼室内における燃焼時の燃料お
よびその周囲のガス温度を炭化水素の成長が途中で停止
する温度以下に抑制すれば煤が発生しなくなり、燃焼室
内における燃焼時の燃料およびその周囲のガス温度を炭
化水素の成長が途中で停止する温度以下に抑制すること
は燃料周りのガスの吸熱量を調整することによって可能
となる。一方、煤に至る前に成長が途中で停止した炭化
水素は酸化触媒等を用いた後処理によって容易に浄化す
ることができる。これが新たな燃焼システムの基本的な
考え方である。この新たな燃焼システムを採用した内燃
機関については本出願人により既に出願されている(特
願平9−305850号)。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところがこの内燃機関
では排気マニホルド内に排出された排気ガスがそのまま
EGRガスとして機関吸気通路内に再循環せしめられ
る。しかしながらこの新たな燃焼システムを採用した内
燃機関では排気ガス中に多量の未燃炭化水素が含まれて
おり、更に排気ガス中には多量のSOF(可溶性有機物
質)が含まれている。従って排気マニホルド内に排出さ
れた排気ガスをそのままEGRガスとして機関吸気通路
内に再循環せしめると排気ガス中に含まれる未燃炭化水
素やSOFが排気ガス再循環通路内に付着し、斯くして
多量のデポジットが排気ガス再循環通路内に堆積すると
いう問題を生ずる。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに1番目の発明では、燃焼室内に供給される再循環排
気ガス量を増大していくと煤の発生量が次第に増大して
ピークに達する内燃機関において、煤の発生量がピーク
となる再循環排気ガス量よりも燃焼室内に供給される再
循環排気ガス量を多くすることによって燃焼室内におけ
る燃焼時の燃料およびその周囲のガス温度を煤が生成さ
れる温度よりも低い温度に抑制し、燃焼室から排出され
る排気ガスを浄化するための触媒を具備し、触媒を通過
した排気ガスを機関吸気通路内に再循環せしめるように
している。即ち、排気ガス中の未燃炭化水素やSOFは
触媒で浄化され、これら未燃炭化水素やSOFをほとん
ど含まない排気ガスが機関吸気通路内に再循環せしめら
れる。
【0011】2番目の発明では1番目の発明において、
触媒が機関排気通路内に配置されている。3番目の発明
では1番目の発明において、触媒が機関排気通路と機関
吸気通路とを連結する排気ガス再循環通路内に配置され
ている。4番目の発明では1番目の発明において、触媒
が酸化触媒、三元触媒又はNO x 吸収剤の少くとも一つ
からなる。
【0012】5番目の発明では1番目の発明において、
排気ガス再循環率がほぼ55パーセント以上である。6
番目の発明では1番目の発明において、煤の発生量がピ
ークとなる再循環排気ガス量よりも燃焼室内に供給され
る再循環排気ガス量が多く煤がほとんど発生しない第1
の燃焼と、煤の発生量がピークとなる再循環ガス量より
も燃焼室内に供給される再循環排気ガス量が少ない第2
の燃焼とを選択的に切換える切換手段を具備している。
【0013】7番目の発明では6番目の発明において、
第1の燃焼における空燃比が理論空燃比か、或いは理論
空燃比に対してわずかにリーンなリーン空燃比か、或い
はリッチ空燃比とされ、第2の燃焼における空燃比がリ
ーン空燃比とされる。8番目の発明では6番目の発明に
おいて、機関の運転領域を低負荷側の第1の運転領域と
高負荷側の第2の運転領域に分割し、第1の運転領域で
は第1の燃焼を行い、第2の運転領域では第2の燃焼を
行うようにしている。
【0014】
【発明の実施の形態】図1は本発明を4ストローク圧縮
着火式内燃機関に適用した場合を示している。図1を参
照すると、1は機関本体、2はシリンダブロック、3は
シリンダヘッド、4はピストン、5は燃焼室、6は電気
制御式燃料噴射弁、7は吸気弁、8は吸気ポート、9は
排気弁、10は排気ポートを夫々示す。吸気ポート8は
対応する吸気枝管11を介してサージタンク12に連結
され、サージタンク12は吸気ダクト13およびインタ
ークーラ14を介して過給機、例えば排気ターボチャー
ジャ15のコンプレッサ16の出口部に連結される。コ
ンプレッサ16の入口部は空気吸込管17を介してエア
クリーナ18に連結され、空気吸込管17内にはステッ
プモータ19により駆動されるスロットル弁20が配置
される。
【0015】一方、排気ポート10は排気マニホルド2
1および排気管22を介して排気ターボチャージャ15
の排気タービン23の入口部に連結され、排気タービン
23の出口部は排気管24を介して酸化機能を有する触
媒25を内蔵した触媒コンバータ26に連結される。排
気マニホルド21内には空燃比センサ27が配置され
る。
【0016】触媒コンバータ26の出口部に連結された
排気管28とスロットル弁20下流の空気吸込管17と
は排気ガス再循環(以下、EGRと称す)通路29を介
して互いに連結され、EGR通路29内にはステップモ
ータ30により駆動されるEGR制御弁31が配置され
る。また、EGR通路29内にはEGR通路29内を流
れるEGRガスを冷却するためのインタークーラ32が
配置される。図1に示される実施例では機関冷却水がイ
ンタークーラ32内に導びかれ、機関冷却水によってE
GRガスが冷却される。
【0017】一方、燃料噴射弁6は燃料供給管33を介
して燃料リザーバ、いわゆるコモンレール34に連結さ
れる。このコモンレール34内へは電気制御式の吐出量
可変な燃料ポンプ35から燃料が供給され、コモンレー
ル34内に供給された燃料は各燃料供給管33を介して
燃料噴射弁6に供給される。コモンレール34にはコモ
ンレール34内の燃料圧を検出するための燃料圧センサ
36が取付けられ、燃料圧センサ36の出力信号に基づ
いてコモンレール34内の燃料圧が目標燃料圧となるよ
うに燃料ポンプ35の吐出量が制御される。
【0018】電子制御ユニット40はデジタルコンピュ
ータからなり、双方向性バス41によって互いに接続さ
れたROM(リードオンリメモリ)42、RAM(ラン
ダムアクセスメモリ)43、CPU(マイクロプロセッ
サ)44、入力ポート45および出力ポート46を具備
する。空燃比センサ27の出力信号は対応するAD変換
器47を介して入力ポート45に入力され、燃料圧セン
サ36の出力信号も対応するAD変換器47を介して入
力ポート45に入力される。アクセルペダル50にはア
クセルペダル50の踏込み量Lに比例した出力電圧を発
生する負荷センサ51が接続され、負荷センサ51の出
力電圧は対応するAD変換器47を介して入力ポート4
5に入力される。また、入力ポート45にはクランクシ
ャフトが例えば30°回転する毎に出力パルスを発生す
るクランク角センサ52が接続される。一方、出力ポー
ト46は対応する駆動回路48を介して燃料噴射弁6、
スロットル弁制御用ステップモータ19、EGR制御弁
制御用ステップモータ30および燃料ポンプ35に接続
される。
【0019】図2は機関低負荷運転時にスロットル弁2
0の開度およびEGR率を変化させることにより空燃比
A/F(図2の横軸)を変化させたときの出力トルクの
変化、およびスモーク、HC,CO,NOx の排出量の
変化を示す実験例を表している。図2からわかるように
この実験例では空燃比A/Fが小さくなるほどEGR率
が大きくなり、理論空燃比(≒14.6)以下のときに
はEGR率は65パーセント以上となっている。
【0020】図2に示されるようにEGR率を増大する
ことにより空燃比A/Fを小さくしていくとEGR率が
40パーセント付近となり空燃比A/Fが30程度にな
ったときにスモークの発生量が増大を開始する。次い
で、更にEGR率を高め、空燃比A/Fを小さくすると
スモークの発生量が急激に増大してピークに達する。次
いで更にEGR率を高め、空燃比A/Fを小さくすると
今度はスモークが急激に低下し、EGR率を65パーセ
ント以上とし、空燃比A/Fが15.0付近になるとス
モークがほぼ零となる。即ち、煤がほとんど発生しなく
なる。このとき機関の出力トルクは若干低下し、またN
x の発生量がかなり低くなる。一方、このときHC,
COの発生量は増大し始める。
【0021】図3(A)は空燃比A/Fが18付近でス
モークの発生量が最も多いときの燃焼室5内の燃焼圧変
化を示しており、図3(B)は空燃比A/Fが13付近
でスモークの発生量がほぼ零のときの燃焼室5内の燃焼
圧の変化を示している。図3(A)と図3(B)とを比
較すればわかるようにスモークの発生量がほぼ零である
図3(B)に示す場合はスモークの発生量が多い図3
(A)に示す場合に比べて燃焼圧が低いことがわかる。
【0022】図2および図3に示される実験結果から次
のことが言える。即ち、まず第1に空燃比A/Fが1
5.0以下でスモークの発生量がほぼ零のときには図2
に示されるようにNOx の発生量がかなり低下する。N
x の発生量が低下したということは燃焼室5内の燃焼
温度が低下していることを意味しており、従って煤がほ
とんど発生しないときには燃焼室5内の燃焼温度が低く
なっていると言える。同じことが図3からも言える。即
ち、煤がほとんど発生していない図3(B)に示す状態
では燃焼圧が低くなっており、従ってこのとき燃焼室5
内の燃焼温度は低くなっていることになる。
【0023】第2にスモークの発生量、即ち煤の発生量
がほぼ零になると図2に示されるようにHCおよびCO
の排出量が増大する。このことは炭化水素が煤まで成長
せずに排出されることを意味している。即ち、燃料中に
含まれる図4に示されるような直鎖状炭化水素や芳香族
炭化水素は酸素不足の状態で温度上昇せしめられると熱
分解して煤の前駆体が形成され、次いで主に炭素原子が
集合した固体からなる煤が生成される。この場合、実際
の煤の生成過程は複雑であり、煤の前駆体がどのような
形態をとるかは明確ではないがいずれにしても図4に示
されるような炭化水素は煤の前駆体を経て煤まで成長す
ることになる。従って、上述したように煤の発生量がほ
ぼ零になると図2に示される如くHCおよびCOの排出
量が増大するがこのときのHCは煤の前駆体又はその前
の状態の炭化水素である。
【0024】図2および図3に示される実験結果に基づ
くこれらの考察をまとめると燃焼室5内の燃焼温度が低
いときには煤の発生量がほぼ零になり、このとき煤の前
駆体又はその前の状態の炭化水素が燃焼室5から排出さ
れることになる。このことについて更に詳細に実験研究
を重ねた結果、燃焼室5内における燃料およびその周囲
のガス温度が或る温度以下である場合には煤の成長過程
が途中で停止してしまい、即ち煤が全く発生せず、燃焼
室5内における燃料およびその周囲の温度が或る温度以
上になると煤が生成されることが判明したのである。
【0025】ところで煤の前駆体の状態で炭化水素の生
成過程が停止するときの燃料およびその周囲の温度、即
ち上述の或る温度は燃料の種類や空燃比や圧縮比等の種
々の要因によって変化するので何度であるかということ
は言えないがこの或る温度はNOx の発生量と深い関係
を有しており、従ってこの或る温度はNOx の発生量か
ら或る程度規定することができる。即ち、EGR率が増
大するほど燃焼時の燃料およびその周囲のガス温度は低
下し、NOx の発生量が低下する。このときNOx の発
生量が10p.p.m 前後又はそれ以下になったときに煤が
ほとんど発生しなくなる。従って上述の或る温度はNO
x の発生量が10p.p.m 前後又はそれ以下になったとき
の温度にほぼ一致する。
【0026】一旦、煤が生成されるとこの煤は酸化機能
を有する触媒を用いた後処理でもって浄化することはで
きない。これに対して煤の前駆体又はその前の状態の炭
化水素は酸化機能を有する触媒を用いた後処理でもって
容易に浄化することができる。このように酸化機能を有
する触媒による後処理を考えると炭化水素を煤の前駆体
又はその前の状態で燃焼室5から排出させるか、或いは
煤の形で燃焼室5から排出させるかについては極めて大
きな差がある。本発明において採用されている新たな燃
焼システムは燃焼室5内において煤を生成させることな
く炭化水素を煤の前駆体又はその前の状態の形でもって
燃焼室5から排出させ、この炭化水素を酸化機能を有す
る触媒により酸化せしめることを核としている。
【0027】さて、煤が生成される前の状態で炭化水素
の成長を停止させるには燃焼室5内における燃焼時の燃
料およびその周囲のガス温度を煤が生成される温度より
も低い温度に抑制する必要がある。この場合、燃料およ
びその周囲のガス温度を抑制するには燃料が燃焼した際
の燃料周りのガスの吸熱作用が極めて大きく影響するこ
とが判明している。
【0028】即ち、燃料周りに空気しか存在しないと蒸
発した燃料はただちに空気中の酸素と反応して燃焼す
る。この場合、燃料から離れている空気の温度はさほど
上昇せず、燃料周りの温度のみが局所的に極めて高くな
る。即ち、このときには燃料から離れている空気は燃料
の燃焼熱の吸熱作用をほとんど行わない。この場合には
燃焼温度が局所的に極めて高くなるために、この燃焼熱
を受けた未燃炭化水素は煤を生成することになる。
【0029】一方、多量の不活性ガスと少量の空気の混
合ガス中に燃料が存在する場合には若干状況が異なる。
この場合には蒸発燃料は周囲に拡散して不活性ガス中に
混在する酸素と反応し、燃焼することになる。この場合
には燃焼熱は周りの不活性ガスに吸収されるために燃焼
温度はさほど上昇しなくなる。即ち、燃焼温度を低く抑
えることができることになる。即ち、燃焼温度を抑制す
るには不活性ガスの存在が重要な役割を果しており、不
活性ガスの吸熱作用によって燃焼温度を低く抑えること
ができることになる。
【0030】この場合、燃料およびその周囲のガス温度
を煤が生成される温度よりも低い温度に抑制するにはそ
うするのに十分な熱量を吸収しうるだけの不活性ガス量
が必要となる。従って燃料量が増大すれば必要となる不
活性ガス量はそれに伴なって増大することになる。な
お、この場合、不活性ガスの比熱が大きいほど吸熱作用
は強力となり、従って不活性ガスは比熱の大きなガスが
好ましいことになる。この点、CO2 やEGRガスは比
較的比熱が大きいので不活性ガスとしてEGRガスを用
いることは好ましいと言える。
【0031】図5は不活性ガスとしてEGRガスを用
い、EGRガスの冷却度合を変えたときのEGR率とス
モークとの関係を示している。即ち、図5において曲線
AはEGRガスを強力に冷却してEGRガス温をほぼ9
0℃に維持した場合を示しており、曲線Bは小型の冷却
装置でEGRガスを冷却した場合を示しており、曲線C
はEGRガスを強制的に冷却していない場合を示してい
る。
【0032】図5の曲線Aで示されるようにEGRガス
を強力に冷却した場合にはEGR率が50パーセントよ
りも少し低いところで煤の発生量がピークとなり、この
場合にはEGR率をほぼ55パーセント以上にすれば煤
がほとんど発生しなくなる。一方、図5の曲線Bで示さ
れるようにEGRガスを少し冷却した場合にはEGR率
が50パーセントよりも少し高いところで煤の発生量が
ピークとなり、この場合にはEGR率をほぼ65パーセ
ント以上にすれば煤がほとんど発生しなくなる。
【0033】また、図5の曲線Cで示されるようにEG
Rガスを強制的に冷却していない場合にはEGR率が5
5パーセントの付近で煤の発生量がピークとなり、この
場合にはEGR率をほぼ70パーセント以上にすれば煤
がほとんど発生しなくなる。なお、図5は機関負荷が比
較的高いときのスモークの発生量を示しており、機関負
荷が小さくなると煤の発生量がピークとなるEGR率は
若干低下し、煤がほとんど発生しなくなるEGR率の下
限も若干低下する。このように煤がほとんど発生しなく
なるEGR率の下限はEGRガスの冷却度合や機関負荷
に応じて変化する。
【0034】図6は不活性ガスとしてEGRガスを用い
た場合において燃焼時の燃料およびその周囲のガス温度
を煤が生成される温度よりも低い温度にするために必要
なEGRガスと空気の混合ガス量、およびこの混合ガス
量中の空気の割合、およびこの混合ガス中のEGRガス
の割合を示している。なお、図6において縦軸は燃焼室
5内に吸入される全吸入ガス量を示しており、鎖線Yは
過給が行われないときに燃焼室5内に吸入しうる全吸入
ガス量を示している。また、横軸は要求負荷を示してい
る。
【0035】図6を参照すると空気の割合、即ち混合ガ
ス中の空気量は噴射された燃料を完全に燃焼せしめるの
に必要な空気量を示している。即ち、図6に示される場
合では空気量と噴射燃料量との比は理論空燃比となって
いる。一方、図6においてEGRガスの割合、即ち混合
ガス中のEGRガス量は噴射燃料が燃焼せしめられたと
きに燃料およびその周囲のガス温度を煤が形成される温
度よりも低い温度にするのに必要最低限のEGRガス量
を示している。このEGRガス量はEGR率で表すとほ
ぼ55パーセント以上であり、図6に示す実施例では7
0パーセント以上である。即ち、燃焼室5内に吸入され
た全吸入ガス量を図6において実線Xとし、この全吸入
ガス量Xのうちの空気量とEGRガス量との割合を図6
に示すような割合にすると燃料およびその周囲のガス温
度は煤が生成される温度よりも低い温度となり、斯くし
て煤が全く発生しなくなる。また、このときのNOx
生量は10p.p.m 前後、又はそれ以下であり、従ってN
x の発生量は極めて少量となる。
【0036】燃料噴射量が増大すれば燃料が燃焼した際
の発熱量が増大するので燃料およびその周囲のガス温度
を煤が生成される温度よりも低い温度に維持するために
はEGRガスによる熱の吸収量を増大しなければならな
い。従って図6に示されるようにEGRガス量は噴射燃
料量が増大するにつれて増大せしめなければならない。
即ち、EGRガス量は要求負荷が高くなるにつれて増大
する必要がある。
【0037】ところで過給が行われていない場合には燃
焼室5内に吸入される全吸入ガス量Xの上限はYであ
り、従って図6において要求負荷がLo よりも大きい領
域では要求負荷が大きくなるにつれてEGRガス割合を
低下させない限り空燃比を理論空燃比に維持することが
できない。云い換えると過給が行われていない場合に要
求負荷がLo よりも大きい領域において空燃比を理論空
燃比に維持しようとした場合には要求負荷が高くなるに
つれてEGR率が低下し、斯くして要求負荷がLo より
も大きい領域では燃料およびその周囲のガス温度を煤が
生成される温度よりも低い温度に維持しえなくなる。
【0038】ところが図1に示されるようにEGR通路
29を介して過給機の入口側即ち排気ターボチャージャ
15の空気吸込管17内にEGRガスを再循環させると
要求負荷がLo よりも大きい領域においてEGR率を5
5パーセント以上、例えば70パーセントに維持するこ
とができ、斯くして燃料およびその周囲のガス温度を煤
が生成される温度よりも低い温度に維持することができ
る。即ち、空気吸込管17内におけるEGR率が例えば
70パーセントになるようにEGRガスを再循環させれ
ば排気ターボチャージャ15のコンプレッサ16により
昇圧された吸入ガスのEGR率も70パーセントとな
り、斯くしてコンプレッサ16により昇圧しうる限度ま
で燃料およびその周囲のガス温度を煤が生成される温度
よりも低い温度に維持することができる。従って、低温
燃焼を生じさせることのできる機関の運転領域を拡大す
ることができることになる。
【0039】なお、この場合、EGRガスの温度が低け
れば低いほど低温燃焼の生じる運転領域が拡大する。従
って図1に示されるように排気タービン23から流出し
た比較的温度の低い排気ガスがEGRガスとして再循環
せしめられ、更にインタークーラ32によってEGRガ
スを冷却するようにしている。また、図1に示される実
施例では要求負荷がLo よりも大きい領域でEGR率を
55パーセント以上にする際にはEGR制御弁31が全
開せしめられ、スロットル弁20が若干閉弁せしめられ
る。
【0040】前述したように図6は燃料を理論空燃比の
もとで燃焼させる場合を示しているが空気量を図6に示
される空気量よりも少くしても、即ち空燃比をリッチに
しても煤の発生を阻止しつつNOx の発生量を10p.p.
m 前後又はそれ以下にすることができ、また空気量を図
6に示される空気量よりも多くしても、即ち空燃比の平
均値を17から18のリーンにしても煤の発生を阻止し
つつNOx の発生量を10p.p.m 前後又はそれ以下にす
ることができる。
【0041】即ち、空燃比がリッチにされると燃料が過
剰となるが燃焼温度が低い温度に抑制されているために
過剰な燃料は煤まで成長せず、斯くして煤が生成される
ことがない。また、このときNOx も極めて少量しか発
生しない。一方、平均空燃比がリーンのとき、或いは空
燃比が理論空燃比のときでも燃焼温度が高くなれば少量
の煤が生成されるが本発明では燃焼温度が低い温度に抑
制されているので煤は全く生成されない。更に、NOx
も極めて少量しか発生しない。
【0042】このように、低温燃焼が行われているとき
には空燃比にかかわらずに、即ち空燃比がリッチであろ
うと、理論空燃比であろうと、或いは平均空燃比がリー
ンであろうと煤が発生されず、NOx の発生量が極めて
少量となる。従って燃料消費率の向上を考えるとこのと
き平均空燃比をリーンにすることが好ましいと言える。
【0043】ところで燃焼室内における燃焼時の燃料お
よびその周囲のガス温度を炭化水素の成長が途中で停止
する温度以下に抑制しうるのは燃焼による発熱量が比較
的少ない機関中低負荷運転時に限られる。従って本発明
による実施例では機関中低負荷運転時には燃焼時の燃料
およびその周囲のガス温度を炭化水素の成長が途中で停
止する温度以下に抑制して第1の燃焼、即ち低温燃焼を
行うようにし、機関高負荷運転時には第2の燃焼、即ち
従来より普通に行われている燃焼を行うようにしてい
る。なお、ここで第1の燃焼、即ち低温燃焼とはこれま
での説明から明らかなように煤の発生量がピークとなる
不活性ガス量よりも燃焼室内の不活性ガス量が多く煤が
ほとんど発生しない燃焼のことを言い、第2の燃焼、即
ち従来より普通に行われている燃焼とは煤の発生量がピ
ークとなる不活性ガス量よりも燃焼室内の不活性ガス量
が少い燃焼のことを言う。
【0044】図7は第1の燃焼、即ち低温燃焼が行われ
る第1の運転領域Iと、第2の燃焼、即ち従来の燃焼方
法による燃焼が行われる第2の運転領域IIとを示してい
る。なお、図7において縦軸Lはアクセルペダル50の
踏込み量、即ち要求負荷を示しており、横軸Nは機関回
転数を示している。また、図7においてX(N)は第1
の運転領域Iと第2の運転領域IIとの第1の境界を示し
ており、Y(N)は第1の運転領域Iと第2の運転領域
IIとの第2の境界を示している。第1の運転領域Iから
第2の運転領域IIへの運転領域の変化判断は第1の境界
X(N)に基づいて行われ、第2の運転領域IIから第1
の運転領域Iへの運転領域の変化判断は第2の境界Y
(N)に基づいて行われる。
【0045】即ち、機関の運転状態が第1の運転領域I
にあって低温燃焼が行われているときに要求負荷Lが機
関回転数Nの関数である第1の境界X(N)を越えると
運転領域が第2の運転領域IIに移ったと判断され、従来
の燃焼方法による燃焼が行われる。次いで要求負荷Lが
機関回転数Nの関数である第2の境界Y(N)よりも低
くなると運転領域が第1の運転領域Iに移ったと判断さ
れ、再び低温燃焼が行われる。
【0046】このように第1の境界X(N)と第1の境
界X(N)よりも低負荷側の第2の境界Y(N)との二
つの境界を設けたのは次の二つの理由による。第1の理
由は、第2の運転領域IIの高負荷側では比較的燃焼温度
が高く、このとき要求負荷Lが第1の境界X(N)より
低くなったとしてもただちに低温燃焼を行えないからで
ある。即ち、要求負荷Lがかなり低くなったとき、即ち
第2の境界Y(N)よりも低くなったときでなければた
だちに低温燃焼が開始されないからである。第2の理由
は第1の運転領域Iと第2の運転領域II間の運転領域の
変化に対してヒステリシスを設けるためである。
【0047】ところで機関の運転状態が第1の運転領域
Iにあって低温燃焼が行われているときには煤はほとん
ど発生せず、その代り未燃炭化水素が煤の前駆体又はそ
の前の状態の形でもって燃焼室5から排出される。この
とき燃焼室5から排出された未燃炭化水素は酸化機能を
有する触媒25により良好に酸化せしめられる。触媒2
5としては酸化触媒、三元触媒、又はNOx 吸収剤を用
いることができる。NOx 吸収剤は燃焼室5内における
平均空燃比がリーンのときにNOx を吸収し、燃焼室5
内における平均空燃比がリッチになるとNOx を放出す
る機能を有する。
【0048】このNOx 吸収剤は例えばアルミナを担体
とし、この担体上に例えばカリウムK、ナトリウムN
a、リチウムLi、セシウムCsのようなアルカリ金
属、バリウムBa、カルシウムCaのようなアルカリ土
類、ランタンLa、イットリウムYのような希土類から
選ばれた少くとも一つと、白金Ptのような貴金属とが
担持されている。
【0049】酸化触媒はもとより、三元触媒およびNO
x 吸収剤も酸化機能を有しており、従って上述した如く
三元触媒およびNOx 吸収剤を触媒25として用いるこ
とができる。一方、低温燃焼時には未燃炭化水素に加え
SOF(可溶性有機物質)も多量に排出され、このSO
Fも触媒25によって浄化せしめられる。この場合、も
し低温燃焼時にこれら未燃炭化水素やSOFを多量に含
んだEGRガスが再循環せしめられるとこれら未燃炭化
水素やSOFがEGR通路29、インタークーラ32お
よびコンプレッサ16内にデポジットとして付着堆積し
てしまう。しかしながら本発明による実施例では触媒2
5から排出された排気ガス、即ち未燃炭化水素やSOF
をほとんど含んでいない排気ガスがEGRガスとして再
循環せしめられるのでEGR通路29等にデポジットが
堆積する危険性がない。
【0050】図8は空燃比センサ27の出力を示してい
る。図8に示されるように空燃比センサ27の出力電流
Iは空燃比A/Fに応じて変化する。従って空燃比セン
サ27の出力電流Iから空燃比を知ることができる。次
に図9を参照しつつ第1の運転領域Iおよび第2の運転
領域IIにおける運転制御について概略的に説明する。
【0051】図9は要求負荷Lに対するスロットル弁2
0の開度、EGR制御弁31の開度、EGR率、空燃
比、噴射時期および噴射量を示している。図9に示され
るように要求負荷Lの低い第1の運転領域Iではスロッ
トル弁20の開度は要求負荷Lが高くなるにつれて全閉
近くから1/3開度程度まで徐々に増大せしめられ、E
GR制御弁31の開度は要求負荷Lが高くなるにつれて
全閉近くから全開まで徐々に増大せしめられる。また、
図9に示される例では第1の運転領域IではEGR率が
ほぼ70パーセントとされており、空燃比はわずかばか
りリーンなリーン空燃比とされている。
【0052】言い換えると第1の運転領域IではEGR
率がほぼ70パーセントとなり、空燃比がわずかばかり
リーンなリーン空燃比となるようにスロットル弁20の
開度およびEGR制御弁31の開度が制御される。な
お、このとき空燃比は空燃比センサ27の出力信号に基
づいてEGR制御弁31の開度を補正することによって
目標リーン空燃比に制御される。また、第1の運転領域
Iでは圧縮上死点TDC前に燃料噴射が行われる。この
場合、噴射開始時期θSは要求負荷Lが高くなるにつれ
て遅くなり、噴射完了時期θEも噴射開始時期θSが遅
くなるにつれて遅くなる。
【0053】なお、アイドリング運転時にはスロットル
弁20は全閉近くまで閉弁され、このときEGR制御弁
31も全閉近くまで閉弁せしめられる。スロットル弁2
0を全閉近くまで閉弁すると圧縮始めの燃焼室5内の圧
力が低くなるために圧縮圧力が小さくなる。圧縮圧力が
小さくなるとピストン4による圧縮仕事が小さくなるた
めに機関本体1の振動が小さくなる。即ち、アイドリン
グ運転時には機関本体1の振動を抑制するためにスロッ
トル弁20が全閉近くまで閉弁せしめられる。一方、機
関の運転領域が第1の運転領域Iから第2の運転領域II
に変わるとスロットル弁20の開度が1/3開度程度か
ら全開方向へステップ状に増大せしめられる。このとき
図9に示す例ではEGR率がほぼ70パーセントから4
0パーセント以下までステップ状に減少せしめられ、空
燃比がステップ状に大きくされる。即ち、EGR率が多
量のスモークを発生するEGR率範囲(図5)を飛び越
えるので機関の運転領域が第1の運転領域Iから第2の
運転領域IIに変わるときに多量のスモークが発生するこ
とがない。
【0054】第2の運転領域IIでは従来から行われてい
る燃焼が行われる。この第2の運転領域IIではスロット
ル弁20は一部を除いて全開状態に保持され、EGR制
御弁31の開度は要求負荷Lが高くなると次第に小さく
される。また、この運転領域IIではEGR率は要求負荷
Lが高くなるほど低くなり、空燃比は要求負荷Lが高く
なるほど小さくなる。ただし、空燃比は要求負荷Lが高
くなってもリーン空燃比とされる。また、第2の運転領
域IIでは噴射開始時期θSは圧縮上死点TDC付近とさ
れる。
【0055】図10は第1の運転領域Iにおける空燃比
A/Fを示している。図10において、A/F=15.
5,A/F=16,A/F=17,A/F=18で示さ
れる各曲線は夫々空燃比が15.5,16,17,18
であるときを示しており、各曲線間の空燃比は比例配分
により定められる。図10に示されるように第1の運転
領域Iでは空燃比がリーンとなっており、更に第1の運
転領域Iでは要求負荷Lが低くなるほど空燃比A/Fが
リーンとされる。
【0056】即ち、要求負荷Lが低くなるほど燃焼によ
る発熱量が少くなる。従って要求負荷Lが低くなるほど
EGR率を低下させても低温燃焼を行うことができる。
EGR率を低下させると空燃比は大きくなり、従って図
10に示されるように要求負荷Lが低くなるにつれて空
燃比A/Fが大きくされる。空燃比A/Fが大きくなる
ほど燃料消費率は向上し、従ってできる限り空燃比をリ
ーンにするために本発明による実施例では要求負荷Lが
低くなるにつれて空燃比A/Fが大きくされる。
【0057】なお、空燃比を図10に示す目標空燃比と
するのに必要なスロットル弁20の目標開度STが図1
1(A)に示されるように要求負荷Lおよび機関回転数
Nの関数としてマップの形で予めROM42内に記憶さ
れており、空燃比を図10に示す目標空燃比とするのに
必要なEGR制御弁31の目標開度SEが図11(B)
に示されるように要求負荷Lおよび機関回転数Nの関数
としてマップの形で予めROM42内に記憶されてい
る。
【0058】図12は第2の燃焼、即ち従来の燃焼方法
による普通の燃焼が行われるときの目標空燃比を示して
いる。なお、図12においてA/F=24,A/F=3
5,A/F=45,A/F=60で示される各曲線は夫
々目標空燃比24,35,45,60を示している。空
燃比をこの目標空燃比とするのに必要なスロットル弁2
0の目標開度STが図13(A)に示されるように要求
負荷Lおよび機関回転数Nの関数としてマップの形で予
めROM42内に記憶されており、空燃比をこの目標空
燃比とするのに必要なEGR制御弁31の目標開度SE
が図13(B)に示されるように要求負荷Lおよび機関
回転数Nの関数としてマップの形で予めROM42内に
記憶されている。
【0059】次に図14を参照しつつ運転制御について
説明する。図14を参照すると、まず初めにステップ1
00において機関の運転状態が第1の運転領域Iである
ことを示すフラグIがセットされているか否かが判別さ
れる。フラグIがセットされているとき、即ち機関の運
転状態が第1の運転領域Iであるときにはステップ10
1に進んで要求負荷Lが第1の境界X1(N)よりも大
きくなったか否かが判別される。L≦X1(N)のとき
にはステップ103に進んで低温燃焼が行われる。
【0060】即ち、ステップ103では図11(A)に
示すマップからスロットル弁20の目標開度STが算出
され、スロットル弁20の開度がこの目標開度STとさ
れる。次いでステップ104では図11(B)に示すマ
ップからEGR制御弁31の目標開度SEが算出され、
EGR制御弁31の開度がこの目標開度SEとされる。
次いでステップ105では図10に示される空燃比とな
るように燃料噴射が行われる。このとき低温燃焼が行わ
れる。
【0061】一方、ステップ101においてL>X
(N)になったと判別されたときにはステップ102に
進んでフラグIがリセットされ、次いでステップ108
に進んで第2の燃焼が行われる。即ち、ステップ108
では図13(A)に示すマップからスロットル弁20の
目標開度STが算出され、スロットル弁20の開度がこ
の目標開度STとされる。次いでステップ109では図
13(B)に示すマップからEGR制御弁31の目標開
度SEが算出され、EGR制御弁31の開度がこの目標
開度SEとされる。次いでステップ110では図12に
示されるリーン空燃比となるように燃料噴射が行われ
る。
【0062】フラグIがリセットされると次の処理サイ
クルではステップ100からステップ106に進んで要
求負荷Lが第2の境界Y(N)よりも低くなったか否か
が判別される。L≧Y(N)のときにはステップ108
に進み、リーン空燃比のもとで第2の燃焼が行われる。
一方、ステップ106においてL<Y(N)になったと
判別されたときにはステップ107に進んでフラグIが
セットされ、次いでステップ103に進んで低温燃焼が
行われる。
【0063】図15に別の実施例を示す。この実施例で
は排気マニホルド21とサージタンク12とがEGR通
路29を介して連結され、このEGR通路29内に酸化
触媒又は三元触媒又はNOx 吸収剤のような酸化機能を
有する触媒37を内蔵した触媒コンバータが配置され
る。従ってこの実施例においても未燃炭化水素およびS
OFは触媒37によって浄化され、従って未燃炭化水素
およびSOFをほとんど含まないEGRガスがサージタ
ンク12内に供給される。
【0064】
【発明の効果】EGR通路等に多量のデポジットが堆積
するのを阻止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】圧縮着火式内燃機関の全体図である。
【図2】スモークおよびNOx の発生量等を示す図であ
る。
【図3】燃焼圧を示す図である。
【図4】燃料分子を示す図である。
【図5】スモークの発生量とEGR率との関係を示す図
である。
【図6】噴射燃料量と混合ガス量との関係を示す図であ
る。
【図7】第1の運転領域Iおよび第2の運転領域IIを示
す図である。
【図8】空燃比センサの出力を示す図である。
【図9】スロットル弁の開度等を示す図である。
【図10】第1の運転領域Iにおける空燃比を示す図で
ある。
【図11】スロットル弁等の目標開度のマップを示す図
である。
【図12】第2の燃焼における空燃比を示す図である。
【図13】スロットル弁等の目標開度のマップを示す図
である。
【図14】機関の運転を制御するためのフローチャート
である。
【図15】圧縮着火式内燃機関の別の実施例を示す全体
図である。
【符号の説明】
6…燃料噴射弁 15…排気ターボチャージャ 20…スロットル弁 29…EGR通路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F01N 3/24 F01N 3/24 S ZAB ZABB F02D 21/08 301 F02D 21/08 301E 41/02 351 41/02 351 41/04 355 41/04 355 45/00 314 45/00 314H (72)発明者 伊藤 丈和 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 Fターム(参考) 3G062 AA01 AA05 BA02 BA04 BA06 CA06 DA04 EA11 ED01 FA13 GA04 GA06 GA17 3G084 AA01 BA13 BA20 BA24 CA03 CA04 CA06 DA02 DA10 EA02 EB12 EC07 FA29 FA33 FA37 FA38 3G091 AA10 AA11 AA18 AA28 AB03 AB09 BA14 CA24 CB00 DA05 DC03 EA01 EA07 EA34 FA11 FB10 FC04 GB01X GB02Y GB03Y GB04Y GB06Y HA03 HA36 HB05 3G092 AA02 AA17 AA18 AB03 DC09 DF02 DG08 EA11 EA22 EC01 FA17 FA24 GA04 GA05 GA06 GA11 HB03X HD05X HD05Z HD07X HE03Z HF08Z 3G301 HA02 HA11 HA13 JA02 JA21 JA24 JA25 KA07 KA08 KA09 KA11 LA00 LA03 LB11 LB13 LC04 MA01 MA15 ND02 NE03 NE08 NE15 NE19 PB08A PD03A PD03Z PD15A PE03Z PF03Z

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃焼室内に供給される再循環排気ガス量
    を増大していくと煤の発生量が次第に増大してピークに
    達する内燃機関において、煤の発生量がピークとなる再
    循環排気ガス量よりも燃焼室内に供給される再循環排気
    ガス量を多くすることによって燃焼室内における燃焼時
    の燃料およびその周囲のガス温度を煤が生成される温度
    よりも低い温度に抑制し、燃焼室から排出される排気ガ
    スを浄化するための触媒を具備し、触媒を通過した排気
    ガスを機関吸気通路内に再循環せしめるようにした内燃
    機関。
  2. 【請求項2】 上記触媒が機関排気通路内に配置されて
    いる請求項1に記載の内燃機関。
  3. 【請求項3】 上記触媒が機関排気通路と機関吸気通路
    とを連結する排気ガス再循環通路内に配置されている請
    求項1に記載の内燃機関。
  4. 【請求項4】 該触媒が酸化触媒、三元触媒又はNOx
    吸収剤の少くとも一つからなる請求項1に記載の内燃機
    関。
  5. 【請求項5】 排気ガス再循環率がほぼ55パーセント
    以上である請求項1に記載の内燃機関。
  6. 【請求項6】 煤の発生量がピークとなる再循環排気ガ
    ス量よりも燃焼室内に供給される再循環排気ガス量が多
    く煤がほとんど発生しない第1の燃焼と、煤の発生量が
    ピークとなる再循環ガス量よりも燃焼室内に供給される
    再循環排気ガス量が少ない第2の燃焼とを選択的に切換
    える切換手段を具備した請求項1に記載の内燃機関。
  7. 【請求項7】 第1の燃焼における空燃比が理論空燃比
    か、或いは理論空燃比に対してわずかにリーンなリーン
    空燃比か、或いはリッチ空燃比とされ、第2の燃焼にお
    ける空燃比がリーン空燃比とされる請求項6に記載の内
    燃機関。
  8. 【請求項8】 機関の運転領域を低負荷側の第1の運転
    領域と高負荷側の第2の運転領域に分割し、第1の運転
    領域では第1の燃焼を行い、第2の運転領域では第2の
    燃焼を行うようにした請求項6に記載の内燃機関。
JP17491698A 1998-06-22 1998-06-22 内燃機関 Expired - Fee Related JP3551769B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17491698A JP3551769B2 (ja) 1998-06-22 1998-06-22 内燃機関
US09/330,100 US6152118A (en) 1998-06-22 1999-06-11 Internal combustion engine
EP99111890A EP0967373B1 (en) 1998-06-22 1999-06-21 Internal combustion engine

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17491698A JP3551769B2 (ja) 1998-06-22 1998-06-22 内燃機関

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000008964A true JP2000008964A (ja) 2000-01-11
JP3551769B2 JP3551769B2 (ja) 2004-08-11

Family

ID=15986960

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP17491698A Expired - Fee Related JP3551769B2 (ja) 1998-06-22 1998-06-22 内燃機関

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3551769B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1156201A2 (en) 2000-05-17 2001-11-21 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Internal combustion engine and method for controlling the internal combustion engine

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1156201A2 (en) 2000-05-17 2001-11-21 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Internal combustion engine and method for controlling the internal combustion engine
US6634345B2 (en) 2000-05-17 2003-10-21 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Internal combustion engine and method for controlling the internal combustion engine

Also Published As

Publication number Publication date
JP3551769B2 (ja) 2004-08-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH11107861A (ja) 内燃機関
JPH11280509A (ja) 圧縮着火式内燃機関
JP3092604B2 (ja) 内燃機関
JP3405217B2 (ja) 内燃機関
JP3094992B2 (ja) 内燃機関
JP3551768B2 (ja) 内燃機関
JP3344334B2 (ja) 内燃機関
JP3331974B2 (ja) 内燃機関
JP3331981B2 (ja) 内燃機関
JP3092597B2 (ja) 内燃機関
JP3551769B2 (ja) 内燃機関
JP3427754B2 (ja) 内燃機関
JP3424554B2 (ja) 内燃機関
JP3424570B2 (ja) 内燃機関
JP3551791B2 (ja) 内燃機関
JP2000027714A (ja) 内燃機関
JP2000145547A (ja) 内燃機関
JP2000135939A (ja) 内燃機関
JP3341683B2 (ja) 内燃機関
JP2000145512A (ja) 内燃機関
JP3336968B2 (ja) 内燃機関
JP2000145439A (ja) 内燃機関
JP3061035B2 (ja) 内燃機関
JP2000130248A (ja) 内燃機関
JP3336976B2 (ja) 内燃機関

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040406

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040419

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080514

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090514

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100514

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110514

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110514

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120514

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120514

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130514

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140514

Year of fee payment: 10

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees