JP3550907B2 - 排気ガス再循環装置用バルブ - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、排気ガス再循環装置の排気ガス再循環装置用バルブに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
排気ガス再循環装置とは、内燃機関(エンジン)の排気ガスの一部を吸入空気中に混入させる(以下、この行為を排気再循環と呼ぶ。)ことにより最高燃焼温度を低下させ、排気ガス中に含まれる有害物質である窒素酸化物の低減を図る装置である。
【0003】
しかし、排気再循環は、エンジン出力の低下およびエンジンの運転性の悪化を招くので、排気再循環させる排気ガスの量、および排気再循環させるタイミング等を適切に行う必要がある。そこで、従来から、排気ガス再循環装置用バルブ(以下、EGRバルブと呼ぶ。)にて排気ガスの量およびタイミング等を制御している。
【0004】
このEGRバルブは、例えば図4に示すように、排気管(エキゾーストマニホールド)に連通する流入口201cと、この流入口201cと吸入管(インテークマニホールド)とを連通させる弁口202と、この弁口202を開閉する弁体203と、この弁体203を駆動するシャフト204とを有している。なお、この例では、ハウジング201の内部空間201bは、吸入管の一部を構成している。
【0005】
そして、弁体を駆動するシャフト204がハウジング201に形成された貫通穴205bを貫通してハウジング201内外を貫通し、ハウジング201の外部でシャフト204の一端がダイヤフラム207に連結されている。
因みに、弁口202の開閉作動は、ダイヤフラム207によって仕切られた負圧室208と大気圧室209との圧力差によりダイヤフラム207を変位させてシャフト204を駆動することによって行っている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、通常ブローバイガスを再び吸入管に還流させるブローバイガス還元装置がエンジンに設けられているため、吸入路内には、ブローバイガスに含まれるエンジオイルが霧状(ミスト状)に漂っている。
このため、吸入路内壁に付着した霧状のエンジンオイルが次第に凝縮し、この凝縮したエンジンオイルが壁面を伝って下方に流れていく。そして、図4に示すように、シャフト204が略水平方向に配設されている場合には、壁面を伝ってきたエンジンオイルが、シャフト204の摺動とともに大気圧室内に流れ込み、最終的に大気圧室の呼吸穴210よりEGRバルブ外に漏れ出してしまうという問題が発生する。
【0007】
この問題に対して、例えば大気圧室が上方となるようにシャフトを略鉛直方向に配設するといった手段が考えられるが、EGRバルブは、一般的に吸気管の近傍に配設されており、かつ、吸入管と車両ボンネットとの間の隙間は小さいため、上記のようにEGRバルブを配設することは、ボンネットの高さが高くなってしまうという新たな問題が発生する。
【0008】
本発明は、上記点に鑑み、エンジンオイル等の潤滑油が排気ガス再循環装置用バルブから外部に漏れだすことを防止することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、以下の技術的手段を用いる。
請求項1、3に記載の発明では、突起部(205a)の先端側に、少なくとも上方に向けて突出する突出部(205c)を形成したことを特徴とする。
これにより、突起部(205a)の外周面と突出部(205c)とによって、溝部(凹部)が形成されるので、ハウジング(201)の内壁を伝って流れてきたオイルは、前記溝部を伝って下方側に流れていく。したがって、オイルが、シャフト(204)と貫通穴(205b)の壁面との隙間からハウジング(201)外部に漏れ出すことを防止することができる。
【0010】
また、突起部(205a)の先端側に突出部(205c)を形成するといった簡便な手段で、オイルがハウジング(201)外部に漏れ出すことを防止することができるので、Oリングやリップシール等によってシャフト(204)と貫通穴(205b)の壁面との隙間を密閉する手段に比べて製造原価上昇が小さい。したがって、排気ガス再循環装置用バルブの製造原価上昇を抑制しつつ、オイル等の潤滑油が排気ガス再循環装置用バルブから外部に漏れ出すことを防止することができる。
【0011】
請求項2、3に記載の発明では、突起部(205a)の先端側の全周に渡って、突起部(205a)の径外方側に向けて延びる突出部(205c)を形成したことを特徴とする。
これにより、本発明に係る排気ガス再循環装置用バルブのシャフト(204)が略水平となるように排気ガス再循環装置用バルブが内燃機関(排気ガス再循環装置)に装着されたときに、請求項1に記載の排気ガス再循環装置用バルブと同様な効果を得ることができる。
【0012】
請求項3に記載の発明では、突出部(205c)は、シャフト(204)の軸方向に所定の間隔を有して複数個形成されていることを特徴とする。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図に示す実施の形態について説明する。
(第1実施形態)
図1は、本実施形態に係る排気ガス再循環装置用バルブ(以下、EGRバルブと呼ぶ。)を適用したディーゼルエンジン用の排気ガス再循環装置の模式図である。
【0014】
図1中、10は内燃機関(エンジン)であり、10aはエンジン10の燃焼室部位を表している。そして、2は本実施形態に係るEGRバルブであり、このEGRバルブは、前述のごく、エンジン10の排気ガスが流通するエキゾーストマニホールド11から吸入空気が流通するインテークマニホールド12に導かれる排気ガスの量およびタイミング等を制御するものである。なお、EGRバルブ2の詳細構造については後述する。
【0015】
3はEGRバルブ2を駆動する負圧を発生させるとともに、その発生した負圧を制御するEGRバルブ負圧調圧装置(以下、負圧調圧装置と略す。)であり、この負圧調圧装置3は、負圧を発生させるバキュームポンプ31と、後述する制御装置4からの制御信号4aに応じてEGRバルブ2に送る出力負圧を制御する負圧レギュレータ32と、負圧レギュレータ32の出力負圧を平滑化する負圧ダンパー33とから構成されている。
【0016】
因みに、バキュームポンプ31は、通常ブレーキ操作力の低減を図るブレーキブースタ(図示せず)に負圧を供給するものであるが、本実施形態では、このバキュームポンプ31の負圧の一部をEGRバルブ2の駆動源として利用している。
また、制御装置4には、燃料噴射ポンプ1に設けられたスロットル(アクセル)開度を検出するアクセルポジションセンサ5、エンジン10の回転数を検出する回転センサ6およびエンジン10の冷却水の温度を検出する水温センサ7からの信号5a、6a、7aが入力されている。
【0017】
そして、制御装置4は信号5a、6a、7aに基づいて予め決められたマップ(プログラム)に従いEGRバルブ2を開閉する。
次に、EGRバルブ2の構造について述べる。
図2は、EGRバルブ2の断面を示しており、201は、吸入空気が流通する吸入路に排気ガスを導く排気路201aの一部を構成する金属製(本実施形態では、アルミニウム)のハウジングであり、このハウジング201には、排気路201aと吸入路とを連通させる弁口202が形成されている。なお、ハウジング201の空間201bは、吸入路の一部をも兼ねており、吸入空気が、空間201bを紙面直角方向に流通するようになっている。
【0018】
また、203は、弁口202を開閉する金属製の弁体であり、204は、ハウジング201内で弁体203に連結して弁体203を作動させるシャフトである。このシャフト204は、ハウジング201に形成された保持部205にて摺動可能に保持され、かつ、EGRバルブ2をエンジン10に装着した状態で略水平となるように配設されている。
【0019】
因みに、202aは、弁体203を着座させるバルブシートであり、このバルブシート202aは、排気ガスの熱からハウジング201を保護するとともに、弁体203着座時の衝撃力に伴う磨耗を防止するためステンレス等の金属で構成されている。
ところで、保持部205は、空間201bの内方側に向けて突出する突起部205aと、この突起部205aの先端からハウジング201の外部まで貫通する貫通穴205bと、突起部205aの先端の全周に渡って突起部205aの径外方側に向けて延びるフランジ部(突出部)205cとから構成されている。そして、シャフト204が貫通穴205bを貫通して空間201bから空間201b外まで延びて、後述するダイヤフラム207に連結している。
【0020】
また、206は、シャフト204を駆動する駆動部のケーシングであり、このケーシング206と、圧力に応じて変位する薄膜状のダイヤフラム207とによって、負圧調圧装置3からの負圧が導かれる負圧室208が形成されている。
そして、ダイヤフラム207を挟んで空間201b側には大気圧室209が形成されており、この大気圧室209は、大気(外部)連通する呼吸穴210によって内部の圧力が大気圧に保たれている。なお、シャフト204の駆動(弁口202の開閉)は、大気圧室209と負圧室208との圧力差を負圧調圧装置3により制御してダイヤフラム207を変位させることにより行う。
【0021】
また、211は、負圧室208内に配設されてダイヤフラム207を大気圧室209側に押圧するコイルバネであり、212、213は、ダイヤフラム207がシャフト204との結合部位で局所的に変位することを防止する金属製のプレートである。なお、負圧室208側のプレート212は、コイルバネ211の座りを安定させるバネ座機能(Aの部分)、およびプレート212の一部(B部)をケーシングに衝突させることにより、ダイヤフラム207の最大変位(弁口202の最大開度)を機械的に規制するストッパ機能をも有している。
【0022】
次に、本実施形態に係るEGRバルブ2の特徴を述べる。
前述のごとく、吸入路内に漂っているミスト状のエンジンオイルの一部は、ハウジング201の内壁面を伝って保持部205に向かって流れる。このとき、突起部205aの外周面とフランジ部205cとによって、図2に示すように、溝部(凹部)205dが形成されるので、保持部205に向かって流れてきたエンジンオイルは、溝部205dを伝って下方側に流れていく。したがって、エンジンオイルが、シャフト204と貫通穴205bの壁面との隙間から大気圧室209に流れ込むことが防止される。
【0023】
ところで、上記説明からも明らかなように、溝部205dは、少なくとも保持部205の上方側に形成されていれば、エンジンオイルが大気圧室209に流れ込むこと防止することができるので、フランジ部205cは、前述のごとく突起部205aの先端の全周に渡って形成する必要はなく、突起部205aの先端側に少なくとも上方に向けて突出する部分があればよい。
【0024】
また、本実施形態によれば、突起部205aの先端にフランジ部205cを形成するといった簡便な手段で、エンジンオイルが大気圧室209に流れ込むことを防止することができるので、Oリングやリップシール等によってシャフト204と貫通穴205bの壁面との隙間を密閉する手段に比べて製造原価上昇が小さい。
【0025】
したがって、EGRバルブ2の製造原価上昇を抑制しつつ、エンジンオイル等の潤滑油がEGRバルブ2から外部に漏れだすことを防止することができる。
(第2実施形態)
本実施形態は、フランジ部205cを、図3に示すように、シャフト204軸方向に所定の間隔を有して複数個(本実施形態では、3個)形成したものである。これにより、より確実にエンジンオイル等の潤滑油がEGRバルブ2から外部に漏れだすことを防止することができる。
【0026】
ところで、上述の実施形態では、フランジ部205cを突起部205aの先端に形成したが、フランジ部205cを形成する部位は、厳密に突起部205aの先端に限定されるものではなく、突起部205aの外周面とフランジ部205cとによって溝部205dが形成される程度に先端側の部位に形成すればよい。
また、シャフト204の配設状態は、厳密に水平に限定されるものではなく、空間201bから大気圧室209に向けてエンジンオイルが流れ込む程度の状態をいうものである。
【0027】
また、本発明に係るEGRバルブ2は、ディーゼルエンジン用の排気ガス再循環装置用のEGRバルブに適用が限定されるものではなく、ガソリンエンジンのように、燃料と空気とが混合した吸入空気を燃焼させる内燃機関、および排気ガスの圧力(動圧)を利用して吸入空気を加圧して吸入する、いわゆるターボチャージャ付きエンジンに対しても実施することができる。
【0028】
なお、ターボチャージャ付きエンジンでは、排気路内および吸気路内に吸入空気を加圧するタービンが配設されているため、このタービンを潤滑および冷却する潤滑油が吸入空気中に混入してしまい、ターボチャージャを有していないエンジンに比べて、空間201bのオイルミストが多いので、EGRバルブ2からオイルが漏れ出す問題が発生し易い。したがって、ターボチャージャ付きエンジンに本発明に係るEGRバルブ2を適用すると、より効果的である。
【0029】
また、上述の実施形態では、単純に弁口202の開閉を行うタイプのEGRバルブであっが、ポテンショメータ等を利用した弁口202の開度を検出する開度センサを有して、弁口202の開度を信号5a、6a、7aに基づいて段階的もしくは連続的に制御するEGRバルブにも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】排気ガス再循環装置の模式図である。
【図2】第1実施形態に係る排気ガス再循環装置用バルブの断面図である。
【図3】第2実施形態に係る排気ガス再循環装置用バルブの断面図である。
【図4】従来の技術に係る排気ガス再循環装置用バルブの断面図である。
【符号の説明】
201…ハウジング、202…弁口、203…弁体、204…シャフト、
205…保持部、205a…突起部、205b…貫通穴、
205c…フランジ部(突出部)、206…ケーシング、
207…ダイヤフラム、208…負圧室、209…大気圧室、
210…呼吸穴、211…コイルバネ、212、213…プレート。
【発明の属する技術分野】
本発明は、排気ガス再循環装置の排気ガス再循環装置用バルブに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
排気ガス再循環装置とは、内燃機関(エンジン)の排気ガスの一部を吸入空気中に混入させる(以下、この行為を排気再循環と呼ぶ。)ことにより最高燃焼温度を低下させ、排気ガス中に含まれる有害物質である窒素酸化物の低減を図る装置である。
【0003】
しかし、排気再循環は、エンジン出力の低下およびエンジンの運転性の悪化を招くので、排気再循環させる排気ガスの量、および排気再循環させるタイミング等を適切に行う必要がある。そこで、従来から、排気ガス再循環装置用バルブ(以下、EGRバルブと呼ぶ。)にて排気ガスの量およびタイミング等を制御している。
【0004】
このEGRバルブは、例えば図4に示すように、排気管(エキゾーストマニホールド)に連通する流入口201cと、この流入口201cと吸入管(インテークマニホールド)とを連通させる弁口202と、この弁口202を開閉する弁体203と、この弁体203を駆動するシャフト204とを有している。なお、この例では、ハウジング201の内部空間201bは、吸入管の一部を構成している。
【0005】
そして、弁体を駆動するシャフト204がハウジング201に形成された貫通穴205bを貫通してハウジング201内外を貫通し、ハウジング201の外部でシャフト204の一端がダイヤフラム207に連結されている。
因みに、弁口202の開閉作動は、ダイヤフラム207によって仕切られた負圧室208と大気圧室209との圧力差によりダイヤフラム207を変位させてシャフト204を駆動することによって行っている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、通常ブローバイガスを再び吸入管に還流させるブローバイガス還元装置がエンジンに設けられているため、吸入路内には、ブローバイガスに含まれるエンジオイルが霧状(ミスト状)に漂っている。
このため、吸入路内壁に付着した霧状のエンジンオイルが次第に凝縮し、この凝縮したエンジンオイルが壁面を伝って下方に流れていく。そして、図4に示すように、シャフト204が略水平方向に配設されている場合には、壁面を伝ってきたエンジンオイルが、シャフト204の摺動とともに大気圧室内に流れ込み、最終的に大気圧室の呼吸穴210よりEGRバルブ外に漏れ出してしまうという問題が発生する。
【0007】
この問題に対して、例えば大気圧室が上方となるようにシャフトを略鉛直方向に配設するといった手段が考えられるが、EGRバルブは、一般的に吸気管の近傍に配設されており、かつ、吸入管と車両ボンネットとの間の隙間は小さいため、上記のようにEGRバルブを配設することは、ボンネットの高さが高くなってしまうという新たな問題が発生する。
【0008】
本発明は、上記点に鑑み、エンジンオイル等の潤滑油が排気ガス再循環装置用バルブから外部に漏れだすことを防止することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、以下の技術的手段を用いる。
請求項1、3に記載の発明では、突起部(205a)の先端側に、少なくとも上方に向けて突出する突出部(205c)を形成したことを特徴とする。
これにより、突起部(205a)の外周面と突出部(205c)とによって、溝部(凹部)が形成されるので、ハウジング(201)の内壁を伝って流れてきたオイルは、前記溝部を伝って下方側に流れていく。したがって、オイルが、シャフト(204)と貫通穴(205b)の壁面との隙間からハウジング(201)外部に漏れ出すことを防止することができる。
【0010】
また、突起部(205a)の先端側に突出部(205c)を形成するといった簡便な手段で、オイルがハウジング(201)外部に漏れ出すことを防止することができるので、Oリングやリップシール等によってシャフト(204)と貫通穴(205b)の壁面との隙間を密閉する手段に比べて製造原価上昇が小さい。したがって、排気ガス再循環装置用バルブの製造原価上昇を抑制しつつ、オイル等の潤滑油が排気ガス再循環装置用バルブから外部に漏れ出すことを防止することができる。
【0011】
請求項2、3に記載の発明では、突起部(205a)の先端側の全周に渡って、突起部(205a)の径外方側に向けて延びる突出部(205c)を形成したことを特徴とする。
これにより、本発明に係る排気ガス再循環装置用バルブのシャフト(204)が略水平となるように排気ガス再循環装置用バルブが内燃機関(排気ガス再循環装置)に装着されたときに、請求項1に記載の排気ガス再循環装置用バルブと同様な効果を得ることができる。
【0012】
請求項3に記載の発明では、突出部(205c)は、シャフト(204)の軸方向に所定の間隔を有して複数個形成されていることを特徴とする。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図に示す実施の形態について説明する。
(第1実施形態)
図1は、本実施形態に係る排気ガス再循環装置用バルブ(以下、EGRバルブと呼ぶ。)を適用したディーゼルエンジン用の排気ガス再循環装置の模式図である。
【0014】
図1中、10は内燃機関(エンジン)であり、10aはエンジン10の燃焼室部位を表している。そして、2は本実施形態に係るEGRバルブであり、このEGRバルブは、前述のごく、エンジン10の排気ガスが流通するエキゾーストマニホールド11から吸入空気が流通するインテークマニホールド12に導かれる排気ガスの量およびタイミング等を制御するものである。なお、EGRバルブ2の詳細構造については後述する。
【0015】
3はEGRバルブ2を駆動する負圧を発生させるとともに、その発生した負圧を制御するEGRバルブ負圧調圧装置(以下、負圧調圧装置と略す。)であり、この負圧調圧装置3は、負圧を発生させるバキュームポンプ31と、後述する制御装置4からの制御信号4aに応じてEGRバルブ2に送る出力負圧を制御する負圧レギュレータ32と、負圧レギュレータ32の出力負圧を平滑化する負圧ダンパー33とから構成されている。
【0016】
因みに、バキュームポンプ31は、通常ブレーキ操作力の低減を図るブレーキブースタ(図示せず)に負圧を供給するものであるが、本実施形態では、このバキュームポンプ31の負圧の一部をEGRバルブ2の駆動源として利用している。
また、制御装置4には、燃料噴射ポンプ1に設けられたスロットル(アクセル)開度を検出するアクセルポジションセンサ5、エンジン10の回転数を検出する回転センサ6およびエンジン10の冷却水の温度を検出する水温センサ7からの信号5a、6a、7aが入力されている。
【0017】
そして、制御装置4は信号5a、6a、7aに基づいて予め決められたマップ(プログラム)に従いEGRバルブ2を開閉する。
次に、EGRバルブ2の構造について述べる。
図2は、EGRバルブ2の断面を示しており、201は、吸入空気が流通する吸入路に排気ガスを導く排気路201aの一部を構成する金属製(本実施形態では、アルミニウム)のハウジングであり、このハウジング201には、排気路201aと吸入路とを連通させる弁口202が形成されている。なお、ハウジング201の空間201bは、吸入路の一部をも兼ねており、吸入空気が、空間201bを紙面直角方向に流通するようになっている。
【0018】
また、203は、弁口202を開閉する金属製の弁体であり、204は、ハウジング201内で弁体203に連結して弁体203を作動させるシャフトである。このシャフト204は、ハウジング201に形成された保持部205にて摺動可能に保持され、かつ、EGRバルブ2をエンジン10に装着した状態で略水平となるように配設されている。
【0019】
因みに、202aは、弁体203を着座させるバルブシートであり、このバルブシート202aは、排気ガスの熱からハウジング201を保護するとともに、弁体203着座時の衝撃力に伴う磨耗を防止するためステンレス等の金属で構成されている。
ところで、保持部205は、空間201bの内方側に向けて突出する突起部205aと、この突起部205aの先端からハウジング201の外部まで貫通する貫通穴205bと、突起部205aの先端の全周に渡って突起部205aの径外方側に向けて延びるフランジ部(突出部)205cとから構成されている。そして、シャフト204が貫通穴205bを貫通して空間201bから空間201b外まで延びて、後述するダイヤフラム207に連結している。
【0020】
また、206は、シャフト204を駆動する駆動部のケーシングであり、このケーシング206と、圧力に応じて変位する薄膜状のダイヤフラム207とによって、負圧調圧装置3からの負圧が導かれる負圧室208が形成されている。
そして、ダイヤフラム207を挟んで空間201b側には大気圧室209が形成されており、この大気圧室209は、大気(外部)連通する呼吸穴210によって内部の圧力が大気圧に保たれている。なお、シャフト204の駆動(弁口202の開閉)は、大気圧室209と負圧室208との圧力差を負圧調圧装置3により制御してダイヤフラム207を変位させることにより行う。
【0021】
また、211は、負圧室208内に配設されてダイヤフラム207を大気圧室209側に押圧するコイルバネであり、212、213は、ダイヤフラム207がシャフト204との結合部位で局所的に変位することを防止する金属製のプレートである。なお、負圧室208側のプレート212は、コイルバネ211の座りを安定させるバネ座機能(Aの部分)、およびプレート212の一部(B部)をケーシングに衝突させることにより、ダイヤフラム207の最大変位(弁口202の最大開度)を機械的に規制するストッパ機能をも有している。
【0022】
次に、本実施形態に係るEGRバルブ2の特徴を述べる。
前述のごとく、吸入路内に漂っているミスト状のエンジンオイルの一部は、ハウジング201の内壁面を伝って保持部205に向かって流れる。このとき、突起部205aの外周面とフランジ部205cとによって、図2に示すように、溝部(凹部)205dが形成されるので、保持部205に向かって流れてきたエンジンオイルは、溝部205dを伝って下方側に流れていく。したがって、エンジンオイルが、シャフト204と貫通穴205bの壁面との隙間から大気圧室209に流れ込むことが防止される。
【0023】
ところで、上記説明からも明らかなように、溝部205dは、少なくとも保持部205の上方側に形成されていれば、エンジンオイルが大気圧室209に流れ込むこと防止することができるので、フランジ部205cは、前述のごとく突起部205aの先端の全周に渡って形成する必要はなく、突起部205aの先端側に少なくとも上方に向けて突出する部分があればよい。
【0024】
また、本実施形態によれば、突起部205aの先端にフランジ部205cを形成するといった簡便な手段で、エンジンオイルが大気圧室209に流れ込むことを防止することができるので、Oリングやリップシール等によってシャフト204と貫通穴205bの壁面との隙間を密閉する手段に比べて製造原価上昇が小さい。
【0025】
したがって、EGRバルブ2の製造原価上昇を抑制しつつ、エンジンオイル等の潤滑油がEGRバルブ2から外部に漏れだすことを防止することができる。
(第2実施形態)
本実施形態は、フランジ部205cを、図3に示すように、シャフト204軸方向に所定の間隔を有して複数個(本実施形態では、3個)形成したものである。これにより、より確実にエンジンオイル等の潤滑油がEGRバルブ2から外部に漏れだすことを防止することができる。
【0026】
ところで、上述の実施形態では、フランジ部205cを突起部205aの先端に形成したが、フランジ部205cを形成する部位は、厳密に突起部205aの先端に限定されるものではなく、突起部205aの外周面とフランジ部205cとによって溝部205dが形成される程度に先端側の部位に形成すればよい。
また、シャフト204の配設状態は、厳密に水平に限定されるものではなく、空間201bから大気圧室209に向けてエンジンオイルが流れ込む程度の状態をいうものである。
【0027】
また、本発明に係るEGRバルブ2は、ディーゼルエンジン用の排気ガス再循環装置用のEGRバルブに適用が限定されるものではなく、ガソリンエンジンのように、燃料と空気とが混合した吸入空気を燃焼させる内燃機関、および排気ガスの圧力(動圧)を利用して吸入空気を加圧して吸入する、いわゆるターボチャージャ付きエンジンに対しても実施することができる。
【0028】
なお、ターボチャージャ付きエンジンでは、排気路内および吸気路内に吸入空気を加圧するタービンが配設されているため、このタービンを潤滑および冷却する潤滑油が吸入空気中に混入してしまい、ターボチャージャを有していないエンジンに比べて、空間201bのオイルミストが多いので、EGRバルブ2からオイルが漏れ出す問題が発生し易い。したがって、ターボチャージャ付きエンジンに本発明に係るEGRバルブ2を適用すると、より効果的である。
【0029】
また、上述の実施形態では、単純に弁口202の開閉を行うタイプのEGRバルブであっが、ポテンショメータ等を利用した弁口202の開度を検出する開度センサを有して、弁口202の開度を信号5a、6a、7aに基づいて段階的もしくは連続的に制御するEGRバルブにも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】排気ガス再循環装置の模式図である。
【図2】第1実施形態に係る排気ガス再循環装置用バルブの断面図である。
【図3】第2実施形態に係る排気ガス再循環装置用バルブの断面図である。
【図4】従来の技術に係る排気ガス再循環装置用バルブの断面図である。
【符号の説明】
201…ハウジング、202…弁口、203…弁体、204…シャフト、
205…保持部、205a…突起部、205b…貫通穴、
205c…フランジ部(突出部)、206…ケーシング、
207…ダイヤフラム、208…負圧室、209…大気圧室、
210…呼吸穴、211…コイルバネ、212、213…プレート。
Claims (2)
- 内燃機関から排出される排気ガスの一部を内燃機関に吸入される吸入空気中に混入させ、前記排気ガス中の有害物質を低減する排気ガス再循環装置に適用され、
前記吸入空気中に混入させる前記排気ガスの量を調節する排気ガス再循環装置用バルブであって、
前記吸入空気が流通する吸入路に、前記排気ガスを導く排気路の一部を構成するハウジング(201)と、
前記ハウジング(201)に形成され、前記吸入路と前記排気路とを連通させる弁口(202)と、
前記弁口(202)の開度を調節する弁体(203)と、
前記ハウジング(201)に形成され、前記ハウジング(201)内方側に向けて突出する突起部(205a)と、
前記突起部(205a)に形成され、前記突起部(205a)の先端から前記ハウジング(201)の外部まで貫通する貫通穴(205b)と、
前記弁体(203)と前記ハウジング(201)内で連結し、前記貫通穴(205b)を貫通して前記ハウジング(201)の内部から外部まで略水平方向に延びるとともに、前記貫通穴(205b)内で摺動して駆動されるシャフト(204)と、
前記ハウジング(201)の外部で前記シャフト(204)に連結し、前記シャフト(204)を駆動する駆動部(206〜208)と、
前記突起部(205a)の先端側に形成され、少なくとも上方に向けて突出する突出部(205c)とを有していることを特徴とする排気ガス再循環装置用バルブ。 - 内燃機関から排出される排気ガスの一部を内燃機関に吸入される吸入空気中に混入させ、前記排気ガス中の有害物質を低減する排気ガス再循環装置に適用され、
前記吸入空気中に混入させる前記排気ガスの量を調節する排気ガス再循環装置用バルブであって、
前記吸入空気が流通する吸入路に、前記排気ガスを導く排気路の一部を構成するハウジング(201)と、
前記ハウジング(201)に形成され、前記吸入路と前記排気路とを連通させる弁口(202)と、
前記弁口(202)の開度を調節する弁体(203)と、
前記ハウジング(201)に形成され、前記ハウジング(201)の内方側に向けて突出する突起部(205a)と、
前記突起部(205a)に形成され、前記突起部(205a)の先端から前記ハウジング(201)の外部まで貫通する貫通穴(205b)と、
前記弁体(203)と前記ハウジング(201)内で連結し、前記貫通穴(205b)を貫通して前記ハウジング(201)の内部から外部まで延びるとともに、前記貫通穴(205b)内で摺動して駆動されるシャフト(204)と、
前記ハウジング(201)の外部で前記シャフト(204)に連結し、前記シャフト(204)を駆動する駆動部(206〜208)と、
前記突起部(205a)の先端側全周に渡って形成され、前記突起部(205a)の径外方側に向けて延びる突出部(205c)とを有することを特徴とする排気ガス再循環装置用バルブ。
【請求項3】前記突出部(205c)は、前記シャフト(204)の軸方向に所定の間隔を有して複数個形成されていることを特徴とする請求項1に記載の排気ガス再循環装置用バルブ。
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