JP3550776B2 - 薄肉電縫管の溶接方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は空調用等のアルミニュウム熱交換器のチューブとして好適な薄肉電縫管の溶接方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の電縫溶接方法は例えば特開昭62−187580号公報に、また、薄肉電縫管の製造方法は特開平3−81075号公報にそれぞれ開示されている。これらの薄肉電縫管の溶接方法を実施する装置を図1に示す。図中、1は金属条帯、2は溶接加熱用の高周波発振器、3は高周波発振器2に接続された加熱コイル、4は一対の溶接スクイズロール(以下スクイズロールという)、5は金属条帯1の側端部である。
【0003】
上記装置により、長尺の金属条帯1の両側端部5、5を突き合わせて丸管状に成形し、突き合わされた両側端部5、5及びその近傍を加熱コイル3により高周波加熱溶融するとともに、スクイズロール4により加圧圧接する。その後、必要に応じて、図2に示すビード6、および隆起部7の一部を切削除去したり、図示しないサイジングロールにより所定の断面形状に整形する。前記ビード6は、高周波溶接中に接合界面から管の外側へ押し出された金属の溶融液体が冷却されて固まったものである。また、前記サイジングロールにより接合部を所定形状に整形する場合、ロール整形の圧縮力の作用により管の板厚が若干増加することがある。
【0004】
上記の方法により板厚1mm以下の熱交換器用の薄肉チューブを溶接する場合、板厚が薄くなる程、また加圧力が増大する程、突き合わされる金属条帯1の両側端部5、5の近傍が座屈し易くなって、両側端部5、5の端面において段差が生じ易くなる。図12のAは上記座屈部を示しており、座屈部Aはロール成形および溶接中の加圧により発生する金属条帯材料の変形部のことをいう。また、図13のBは上記段差を示しており、段差Bは溶接部における金属条帯1の左右両側端部5、5の高さのずれにより生じる突き合わせ段差のことをいう。
【0005】
ところで、上記した高周波電縫管溶接方法では、ロール寸法精度やスパッタ巻き込み等から金属条帯1の板厚Tの0.3倍程度の突き合わせ段差Bが生じることがある。このような突き合わせ段差Bが生じると、両側端部5、5の端面の接合面積が減少するため、接合部及び接合部近傍の肉厚が溶接前の金属条帯1の板厚以下になり、強度不足となる問題点がある。
【0006】
上記問題点を解決するためには、接合部近傍の板厚を増加させればよく、
(1)溶接前のロール成形において金属条帯1の側端部5の板厚を増加させる。
(2)溶接時に接合部近傍を隆起させる。例えば、前記特開昭62−187580号に開示されるように、余盛頂点間距離(図2参照)を板厚Tの3〜6倍に設定する。
(3)溶接後のロール整形において接合部近傍を隆起させる。
等の方法が考えられる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、板厚1mm以下の金属条帯1に対して上記(1)の方法を実施すると、金属条帯1の両側端部5、5の端面形状の寸法精度が悪化するという問題が生じる。
(2)の方法では隆起幅が広くなるので、次のごとき問題が生じる。すなわち、薄肉電縫管の溶接に際しては、図14に示すスクイズロール4の間隙L内で丸管状の金属条帯1が揺動する、いわゆるローリングと称する現象が生じる。このローリング現象の原因は金属条帯1の左右の成形ばらつきが主として挙げられる。つまり、成形ロール軸の振れ等により金属条帯1の一方の側端部5の変形量が他方の側端部5より大きくなったり、小さくなったりするのを交互に繰り返し、その結果金属条帯1の左右で周期的に成形量に差(ばらつき)が生じ、両側端部5、5の突き合わせ時にその突き合わせ位置が揺動(ローリング)する。
【0008】
そして、このローリングが生じると、図14の破線に示すように隆起部7がスクイズロール4に当たってしまい、溶接不良を生じるという問題がある。
また(3)の方法では、常温で加圧して隆起させるため、図15に示すように整形時に側端部5の接合部近傍の加熱軟化部分8で、座屈による変形が生じて、形状不良及び強度不足を生じる等の問題がある。
【0009】
本発明は上記問題点を解決するためになされたもので、板厚が1mm以下の薄肉電縫管の溶接方法において、溶接された接合部の強度の高い溶接方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するため以下の技術的手段を採用する。
請求項1記載の発明では、突き合わされた金属条帯(1)の両側端部(5、5)及びその近傍を、加熱溶融させるとともに、溶接スクイズロール(4、4)により加圧圧接する薄肉電縫管の溶接方法において、
前記金属条帯が少なくとも液相線温度と固相線温度の差が20〜40℃のアルミニウム合金であり、
前記金属条帯の両側端部及びその近傍を、高周波発振器に接続された加熱コイルにより加熱溶融させるとともに、前記高周波発振器の周波数を100〜300kHzとし、
前記金属条帯(1)の板厚(T)を1mm以下とし、突き合わされて溶接される前記両側端部(5、5)から前記板厚(T)の0.5倍以下の距離である領域内において、加圧圧接されて隆起する前記両側端部(5、5)の隆起幅(W)に対する隆起高さ(H)の比が0.4〜0.95となるようにするとともに、前記隆起高さ(H)を前記板厚(T)の0.3〜0.75倍にすることを特徴としている。
【0011】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の薄肉電縫管の溶接方法において、突き合わされて溶接される前記両側端部(5、5)の近傍に低融点偏析物を発生させることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の薄肉電縫管の溶接方法において、前記金属条帯(1)が少なくともシリコン含有量0.65〜1.3重量%のアルミニウム合金であることを特徴とする。
【0012】
請求項4記載の発明は、請求項1または2に記載の薄肉電縫管の溶接方法において、前記金属条帯(1)が少なくとも0.5重量%のシリコンおよび0.8重量%の銅を含有したアルミニウム合金であることを特徴とする。
【0013】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施例記載の具体的手段との対応関係を示す。
【0014】
【作用及び発明の効果】
請求項1〜4記載の発明によれば、薄肉電縫管の溶接方法において、突き合わされて溶接される金属条帯の両側端部から板厚の0.5倍以下の距離である領域を急激に隆起させ、その隆起幅に対する隆起高さの比が0.4〜0.95となり、さらに前記隆起高さが金属条帯の板厚の0.3〜0.75倍となる。
従って、スクイズロールの間隙内で金属条帯のローリングが生じても、隆起部分がスクイズロールに当たって変形したりすることがないとともに、突き合わせ段差を生じて強度不足となる虞れを解消できるという効果がある。
【0015】
請求項2記載の発明によれば、突き合わされて溶接される金属条帯の両側端部から板厚の0.5倍以下の距離である領域に低融点偏析物が発生する。溶接加熱時の熱影響で、前記両側端部の近傍が板厚の0.5倍以下の距離である領域の粒界又は微小な低融点偏析物等の液化により高温変形抵抗が低下する。これにより、前記領域で隆起幅に対する隆起高さの比が0.4〜0.95で、その隆起高さが金属条帯の板厚の0.3〜0.75倍となる急激な隆起を発生させることができる。さらに、液化した低融点偏析物による応力緩和により、割れ等の溶接欠陥の発生を抑制できる効果がある。
【0016】
請求項3記載の発明によれば、金属条帯が少なくともシリコン含有量0.65〜1.3重量%のアルミニウム合金とすることにより、突き合わされて溶接される金属条帯の両側端部の近傍が板厚の0.5倍以下の距離である領域に低融点偏析物が発生する。従って、上記請求項2記載の発明と同様な効果を奏することができるとともに、低融点化元素であるシリコンを溶接部分に侵入させることにより、材料自体の強度を高めて電縫管の強度向上及び長寿命化を可能とすることができる等の効果がある。
【0017】
また、請求項1記載の発明によれば、金属条帯を液相線温度と固相線温度の差が20〜40℃のアルミニウム合金で構成しているから、上記請求項3記載の発明と同様の効果を奏することができる。請求項1記載の本発明の薄肉電縫管の溶接方法によれば、加熱コイルに100〜300kHzの加熱発振周波数が印加される。これにより、溶接部分への入熱深さが増大し、突き合わされて溶接される金属条帯の両側端部の近傍に軟化域が形成され、容易に隆起を生じさせるとともに、該両側端部に対する加圧を安定化することができる。また、前記両側端部の近傍粒界を液化し低融点偏析物を形成することにより溶接部分の応力緩和を行うことができる等の効果がある。
【0018】
請求項4記載の発明では、金属条帯を、少なくとも0.5重量%のシリコンおよび0.8重量%の銅を含有したアルミニウム合金で構成することにより、シリコン含有量を減少しても、請求項3記載の発明と同様の効果を発揮できる。
【0019】
【実施例】
(第1実施例)
本発明方法はアルミニュウム熱交換器のチューブ(例えば空調用凝縮器、空調用蒸発器、自動車用ラジエータ等の熱交換器チューブ)の製造に用いて好適なものである。本発明方法の第1実施例は以下の溶接条件を採用している。すなわち、第1実施例では、前記した図1に示す装置を用い、スクイズロール4の間隙L(図14参照)を0.6〜1.2mmとし、
金属条帯1として、アルミニュウムにマンガン(Mn)を1.0〜1.5重量%添加したA3000系アルミニュウム合金をベースとし、これにシリコン(Si)を0.9重量%添加したアルミニウム合金材からなる板材を用いる。このアルミニウム合金のその他の元素は不純物程度である。また、このアルミニウム合金板材の板厚Tは0.3mmである。
【0020】
また、高周波発振器2の周波数を200kHzとした高周波加熱源(加熱コイル)により溶接を実施して、管径10〜20mmの電縫管を製造する場合について説明する。
図2の溶接部の拡大断面図に示すように、突き合わされて溶接される金属条帯1の両側端部5、5から前記板厚の0.5倍以下(従って0.15mm以下)の距離である領域(軟化領域)8に急激な隆起部7が生じる。
【0021】
そこで、先ずシリコン含有量(重量%)と、金属条帯1の板厚T(mm)に対する隆起高さH(mm)の比との関係をみると、図3に示すようにシリコン含有量が高くなるにつれて、金属条帯1の板厚Tに対する隆起高さHの比が増加する。図16に示すアルミニウム(Al)−シリコン(Si)状態図から考察すると、固液共存領域(図16のα+Lの領域)はシリコン含有量に略比例して増大する。このため、固液共存相が存在することにより形成された前記軟化領域8も、シリコン含有量に略比例して増大すると考えられる。通常、電縫管の溶接においては、上記軟化領域8が加圧接合により圧縮されて塑性変形するから、軟化領域8が増大する程、隆起高さHも高くなって、この隆起高さHはシリコン含有量に対して、略比例して増加すると考えられる。
【0022】
また、一般的な電縫管の高周波溶接方法では、最大で板厚Tの0.3倍程度の突き合わせ段差Bが生じる場合があり、隆起高さHは最低でもこの段差B分が必要となる。従って、前記図3から分かるように金属条帯1を、シリコン含有量が0.65重量%以上であるアルミニウム合金材から構成すれば、突き合わせ段差Bによる接合面積の減少分を補うのに必要な隆起高さHが得られ、溶接部の必要強度を確保できることになる。
【0023】
なお、図3において、破線で示す部分は本発明者による実験、研究に基づいて推定可能な領域の特性を示す。以下の図4、5、9、10、11における破線部分も同様の推定可能な領域の特性を示している。
次に、シリコン含有量(重量%)と、金属条帯1の板厚T(mm)に対する隆起幅W(mm)の比との関係について考察する。図4に示すように、シリコン含有量が高くなるにつれて、金属条帯1の板厚Tに対する隆起幅Wの比が増加する。図16のアルミニウム−シリコン状態図によれば、上記した隆起高さHが高くなる場合と同様の理由から、隆起幅Wはシリコン含有量に略比例して増大すると考えられる。一般に電縫管の溶接の場合、前記図14で示したようにスクイズロール4の間隙L内でのローリングが不可避となるため、隆起部7がこのクイズロール4に当たらないようにする必要がある。
【0024】
ここで、ローリング角度θは図14に示すように隆起部7の中心が左右に最大に揺れる角度で、ローリング量Dは隆起部7の中心が左右に最大に揺れる距離である。本発明の薄肉電縫管の工業的量産を考慮すると、上記ローリングは角度θにして概ね5°以下が望ましい。
隆起幅Wに対してスクイズロール4の間隙Lが狭すぎると隆起部7が当たり、間隙Lが広すぎると、図17に示すように金属条帯1の両側端部5、5が径方向に重なるオーバラップを生じる。このため、上記間隙Lは、所定の間隙量に設定する必要があり、経験的には、金属条帯1の板厚Tの2〜4倍(2T〜4T)程度に設定することが好ましい。
【0025】
しかし、上記のように間隙Lを広く(L=4T)設定した場合でも、角度θ=5°程度のローリングが起こることを考慮すると、スクイズロール4に隆起部7が当たらないようにするためには、隆起幅Wを概ね板厚Tの1.0倍以下に制限する必要がある。
この隆起幅Wの制限は、図4で分かるように、金属条帯1として、シリコン含有量1.3重量%以下のアルミニウム合金材を用いることにより実現でき、この結果、角度θ=5°程度のローリングが生じても、隆起部7がスクイズロール4に当たらない。
【0026】
上記のように、金属条帯1として、シリコン含有量1.3重量%以下のアルミニウム合金材を用いることは、図3の特性図から、金属条帯1の板厚Tに対する隆起高さHの比は0.75以下となる。
さらに、図5に示すようにシリコン含有量(重量%)が増加する程、隆起幅W(mm)に対する隆起高さH(mm)の比が増大することが分かった。この図5について、前述の最大段差以上の隆起高さHの必要性(シリコン含有量が0.65重量%以上であること)及びローリングにより隆起部7がスクイズロール4に当たらないようにする制限(シリコン含有量が1.3重量%以下であること)から、隆起幅Wに対する隆起高さHの比が0.4〜0.95の範囲であれば、隆起部7がスクイズロール4に当たることがなく、かつ突き合わせ段差Bによる強度不足を来すこともない。
【0027】
本実施例から、シリコン含有量が0.65〜1.3重量%の範囲では、金属条帯1を構成するアルミニウム合金材の液相線(図16の線イ)温度と固相線(図16の線ロ)温度の差が20〜40℃であり、従ってアルミニウム−シリコン合金材の液相線温度と固相線温度の差が20〜40℃の範囲であると、良好な溶接部を形成できることが判る。
【0028】
上述の具体例において、溶接部の近傍の断面を観察した結果、シリコン含有量0.9重量%のアルミニウム合金材からなる金属条帯1では、突き合わされて溶接された両側端部5、5から板厚の0.5倍以下の距離である領域の粒界で、液化凝集した低融点化元素であるシリコンの偏析が発生し、しかも隆起幅Wに対する隆起高さHの比が0.4以上となる急激な隆起が生じていた。
【0029】
ところが、シリコン含有量を0.3重量%に減少したアルミニウム合金材からなる金属条帯1では、シリコンの偏析は発生していなかったばかりか、急激な隆起も生じていなかった。
このことから、上述の急激な隆起は、溶接時の熱の影響で溶接部の近傍(突き合わされて溶接された両側端部5、5から板厚の0.5倍以下の距離である領域)の粒界又は微小な低融点偏析物等の液化により、高温変形抵抗が低下した領域(軟化領域)8で生じるために発生すると考えられる。
【0030】
従って、上記具体例のアルミニウム合金材の金属条帯1に、図6に示すように銅、マグネシウム、亜鉛等の低融点化元素を添加して、偏析物10を形成させるようにすることにより、隆起部7をスクイズロール4に当てることなく、突き合わせ段差による強度不足を来さないようにすることができる。さらに、低融点偏析物10等の液化により応力緩和が生じて、割れ等の溶接欠陥の発生を抑制できる。
【0031】
また、図7(a)に示すように、上記具体例のアルミニウム合金材の金属条帯1を芯材として、銅、マグネシウム、亜鉛等の低融点化元素を添加した皮材11を張り合わせたクラッド材を用いることにより、図7(b)に示すように溶接時に上記低融点化元素を溶接部の近傍に侵入させて、偏析物10を形成させることによっても、隆起部7をスクイズロール4に当てることなく、突き合わせ段差による強度不足を来さないようにすることができる。
【0032】
さらに、上記低融点化元素の添加により材料自体の強度を高めて電縫管の強度向上及び長寿命化を図ることが可能となる。上記皮材11は熱交換用チューブのろう材、または犠牲腐食材としての役割を果たす。
なお、上記第1実施例において、金属条帯1のアルミニウム合金におけるMn含有量は比較的多いが、この程度のMn添加ではアルミニウム合金の固相線温度と液相線温度との差がほとんど変わらないため、本発明の意図する急激な隆起形状の成形に影響する要因とはならない。
【0033】
また、上記第1実施例では、固相線温度と液相線温度との差を拡大するために、Al−Siの組み合わせを用いているが、上記温度差を拡大できる元素であれば、Al−Siの組み合わせに限定されるものではない。
(第2実施例)
上記第1実施例では、金属条帯1を構成するアルミニュウム合金へのシリコン含有量を0.65〜1.3重量%と規定することにより、前述した所定の急激な隆起部形状を得るようにしているが、本第2実施例では、アルミニュウム合金に銅(Cu)を添加することより、より少ないシリコン含有量でも前述した所定の急激な隆起部形状を得るようにしたものである。
【0034】
第2実施例では、前記した図1に示す装置を用い、スクイズロール4の間隙L(図14参照)を0.45〜1.2mmとし、
金属条帯1としてアルミニウム合金クラッド材を用い、このクラッド材の芯材はアルミニュウムにマンガン(Mn)を1.0〜1.5重量%添加したA3000系アルミニュウム合金をベースとし、これにシリコン(Si)を0.5重量%、銅を0.8重量%それぞれ添加したアルミニウム合金材を用い、そしてこの芯材の両面に貼る皮材(ろう材、犠牲腐食材)としてA4000系(Al−Si系)アルミニュウム合金、またはA7000系(Al−Zn−Mg系)アルミニュウム合金等を用いる。アルミニウム合金クラッド材の板厚は0.2〜0.3mmで、芯材の両面に貼る皮材のクラッド率は各々5〜20%である。
【0035】
そして、高周波発振器2の周波数を200kHzとした高周波加熱源(加熱コイル3)により溶接を実施して、管径10〜20mmの電縫管を製造した。
その結果、第2実施例では図18の表のサンプル▲4▼に示すように、良好な隆起部形状を得ることができた。
図18の表は、各サンプル▲1▼〜▲5▼について、その添加元素であるSi、Cuの添加量、溶接時の高周波発振器の周波数、および溶接結果をまとめたものである。溶接結果は、5つの指標(H/T、W/T、H/W、固液共存温度範囲、および偏析の有無)について記している。
【0036】
ここで、図18の表のサンプル▲3▼は本発明の第1実施例であり、サンプル▲1▼、▲2▼、▲5▼は本発明実施例に対する比較例である。なお、図18の表において、固液共存温度範囲は、前記した固相線温度と液相線温度との温度差のことである。
前記H/T、W/T、H/Wは隆起部7の形態を示す指標であって、隆起部7は前述したように急激に隆起させることが良好な溶接部を得るために重要であるから、H/T(板厚Tに対する高さHの比)は大きい程好ましい。また、W/T(板厚Tに対する幅Wの比)は小さい程好ましい。また、H/W(幅Wに対する高さH)は大きい程好ましい。
【0037】
このような観点から考察すると、第2実施例のサンプル▲4▼は、第1実施例のサンプル▲3▼と同様の良好な隆起部形状を得ることができた。このように、第2実施例では銅の添加によりシリコン添加量を0.5重量%まで減少しても、第1実施例と同等の良好な効果を発揮できることになる。
なお、第2実施例では、アルミニュウムにシリコン、銅を添加する場合について述べたが、低融点偏析物を形成でき、かつ固相線温度と液相線温度との温度差を20°C〜40°C程度まで拡大できるアルミニュウム合金であれば、シリコン、銅以外の他の添加物(マグネシウム、亜鉛等)に置換することも可能である。
【0038】
次に、上記薄肉電縫管の溶接方法において、金属条帯1をシリコン含有量0.9重量%のアルミニュウム合金とし、加熱熱源である高周波発振器2の周波数を200〜400kHzに変化させた場合について説明する。一般に高周波電縫管溶接方法においては、金属条帯1の端面における電流浸透深さは、周波数の平方根に反比例する。
【0039】
従って、発振器周波数が高い程、金属条帯1の端面の狭い領域に熱が集中するため、図8(a)に示すように軟化領域8が狭くなって隆起幅Wが狭くなる。
逆に、発振器周波数が低い程、金属条帯1の端面の広い領域に熱が分散するため、図8(b)に示すように軟化領域8が広くなって隆起幅Wが広くなる。
図9は、発振器周波数(kHz)と、金属条帯1の板厚T(mm)に対する隆起幅W(mm)の比との関係を示したものである。ローリングにより隆起部7がスクイズロール4に当たらないようにするには、金属条帯1の板厚Tに対する隆起幅Wの比を1.0以下にする必要がある。これにより、発振器周波数は100kHz以上が必要となる。
【0040】
また、図10は発振器周波数(kHz)と、金属条帯1の板厚T(mm)に対する隆起高さH(mm)の比との関係を示したものである。
図9、10から理解されるように、発振器周波数が高まるにつれて、金属条帯1の板厚Tに対する隆起幅Wの比及び金属条帯1の板厚Tに対する隆起高さHの比が小さくなる。前述したように最大で板厚Tの0.3倍程度の突き合わせ段差Bが生じることを考慮すると、図10で示されるように発振器周波数は、300kHz以下であることが必要となる。
【0041】
図11は発振器周波数と、隆起幅W(mm)に対する隆起高さH(mm)の比との関係を示したものである。発振器周波数が高まるにつれて、隆起幅Wに対する隆起高さHの比が小さくなる。従って、ローリング及び突き合わせ段差Bによる強度不足を来さないためには、上記図9,10から発振器周波数を100〜300kHzに設定することが必要となる。このように設定することで、隆起幅Wに対する隆起高さHの比は、0.40〜0.75の範囲となる。
【0042】
その他、突き合わせ段差Bによる強度不足を解決する方法として、加熱コイル3と溶接点との間の距離を拡大したり、予熱工程の設定、或いは造管速度の低下等を行い、金属条帯1の端面の入熱を分散させて溶接時に接合部近傍に変形し易い領域(軟化領域)を形成し、この領域を急激に隆起させるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法を実施する装置の概略を示した斜視図である。
【図2】図1の装置による溶接部の拡大断面図である。
【図3】シリコン含有量と、金属条帯の板厚に対する隆起高さの比との関係を示した特性図である。
【図4】シリコン含有量と、金属条帯の板厚に対する隆起幅の比との関係を示した特性図である。
【図5】シリコン含有量と、隆起幅に対する隆起高さの比との関係を示した特性図である。
【図6】低融点化元素を添加して溶接した溶接部の拡大断面図である。
【図7】クラッド材及び該クラッド材を用いて溶接した溶接部の拡大断面図である。
【図8】発振器周波数を変化させて溶接した溶接部の拡大断面図である。
【図9】発振器周波数と、金属条帯の板厚に対する隆起幅の比との関係を示した特性図である。
【図10】発振器周波数と、金属条帯の板厚に対する隆起高さの比との関係を示した特性図である。
【図11】発振器周波数と、隆起幅に対する隆起高さの比との関係を示した特性図である。
【図12】溶接部での座屈を例示した拡大断面図である。
【図13】溶接部での突き合わせ段差を例示した拡大断面図である。
【図14】ローリングを例示した溶接部の拡大断面図である。
【図15】溶接部での座屈を例示した拡大断面図である。
【図16】Al−Si系合金の平衡状態図である。
【図17】溶接部でのオーバラップを例示した拡大断面図である。
【図18】本発明の第1、第2実施例による溶接結果を比較例と比較して示す表である。
【符号の説明】
1…金属条帯、2…高周波発振器、3…加熱コイル、4…スクイズロール、5…側端部、7…隆起部、8…領域(軟化領域)、10…偏析物、T…板厚、H…隆起高さ、W…隆起幅。
【産業上の利用分野】
本発明は空調用等のアルミニュウム熱交換器のチューブとして好適な薄肉電縫管の溶接方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の電縫溶接方法は例えば特開昭62−187580号公報に、また、薄肉電縫管の製造方法は特開平3−81075号公報にそれぞれ開示されている。これらの薄肉電縫管の溶接方法を実施する装置を図1に示す。図中、1は金属条帯、2は溶接加熱用の高周波発振器、3は高周波発振器2に接続された加熱コイル、4は一対の溶接スクイズロール(以下スクイズロールという)、5は金属条帯1の側端部である。
【0003】
上記装置により、長尺の金属条帯1の両側端部5、5を突き合わせて丸管状に成形し、突き合わされた両側端部5、5及びその近傍を加熱コイル3により高周波加熱溶融するとともに、スクイズロール4により加圧圧接する。その後、必要に応じて、図2に示すビード6、および隆起部7の一部を切削除去したり、図示しないサイジングロールにより所定の断面形状に整形する。前記ビード6は、高周波溶接中に接合界面から管の外側へ押し出された金属の溶融液体が冷却されて固まったものである。また、前記サイジングロールにより接合部を所定形状に整形する場合、ロール整形の圧縮力の作用により管の板厚が若干増加することがある。
【0004】
上記の方法により板厚1mm以下の熱交換器用の薄肉チューブを溶接する場合、板厚が薄くなる程、また加圧力が増大する程、突き合わされる金属条帯1の両側端部5、5の近傍が座屈し易くなって、両側端部5、5の端面において段差が生じ易くなる。図12のAは上記座屈部を示しており、座屈部Aはロール成形および溶接中の加圧により発生する金属条帯材料の変形部のことをいう。また、図13のBは上記段差を示しており、段差Bは溶接部における金属条帯1の左右両側端部5、5の高さのずれにより生じる突き合わせ段差のことをいう。
【0005】
ところで、上記した高周波電縫管溶接方法では、ロール寸法精度やスパッタ巻き込み等から金属条帯1の板厚Tの0.3倍程度の突き合わせ段差Bが生じることがある。このような突き合わせ段差Bが生じると、両側端部5、5の端面の接合面積が減少するため、接合部及び接合部近傍の肉厚が溶接前の金属条帯1の板厚以下になり、強度不足となる問題点がある。
【0006】
上記問題点を解決するためには、接合部近傍の板厚を増加させればよく、
(1)溶接前のロール成形において金属条帯1の側端部5の板厚を増加させる。
(2)溶接時に接合部近傍を隆起させる。例えば、前記特開昭62−187580号に開示されるように、余盛頂点間距離(図2参照)を板厚Tの3〜6倍に設定する。
(3)溶接後のロール整形において接合部近傍を隆起させる。
等の方法が考えられる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、板厚1mm以下の金属条帯1に対して上記(1)の方法を実施すると、金属条帯1の両側端部5、5の端面形状の寸法精度が悪化するという問題が生じる。
(2)の方法では隆起幅が広くなるので、次のごとき問題が生じる。すなわち、薄肉電縫管の溶接に際しては、図14に示すスクイズロール4の間隙L内で丸管状の金属条帯1が揺動する、いわゆるローリングと称する現象が生じる。このローリング現象の原因は金属条帯1の左右の成形ばらつきが主として挙げられる。つまり、成形ロール軸の振れ等により金属条帯1の一方の側端部5の変形量が他方の側端部5より大きくなったり、小さくなったりするのを交互に繰り返し、その結果金属条帯1の左右で周期的に成形量に差(ばらつき)が生じ、両側端部5、5の突き合わせ時にその突き合わせ位置が揺動(ローリング)する。
【0008】
そして、このローリングが生じると、図14の破線に示すように隆起部7がスクイズロール4に当たってしまい、溶接不良を生じるという問題がある。
また(3)の方法では、常温で加圧して隆起させるため、図15に示すように整形時に側端部5の接合部近傍の加熱軟化部分8で、座屈による変形が生じて、形状不良及び強度不足を生じる等の問題がある。
【0009】
本発明は上記問題点を解決するためになされたもので、板厚が1mm以下の薄肉電縫管の溶接方法において、溶接された接合部の強度の高い溶接方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するため以下の技術的手段を採用する。
請求項1記載の発明では、突き合わされた金属条帯(1)の両側端部(5、5)及びその近傍を、加熱溶融させるとともに、溶接スクイズロール(4、4)により加圧圧接する薄肉電縫管の溶接方法において、
前記金属条帯が少なくとも液相線温度と固相線温度の差が20〜40℃のアルミニウム合金であり、
前記金属条帯の両側端部及びその近傍を、高周波発振器に接続された加熱コイルにより加熱溶融させるとともに、前記高周波発振器の周波数を100〜300kHzとし、
前記金属条帯(1)の板厚(T)を1mm以下とし、突き合わされて溶接される前記両側端部(5、5)から前記板厚(T)の0.5倍以下の距離である領域内において、加圧圧接されて隆起する前記両側端部(5、5)の隆起幅(W)に対する隆起高さ(H)の比が0.4〜0.95となるようにするとともに、前記隆起高さ(H)を前記板厚(T)の0.3〜0.75倍にすることを特徴としている。
【0011】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の薄肉電縫管の溶接方法において、突き合わされて溶接される前記両側端部(5、5)の近傍に低融点偏析物を発生させることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の薄肉電縫管の溶接方法において、前記金属条帯(1)が少なくともシリコン含有量0.65〜1.3重量%のアルミニウム合金であることを特徴とする。
【0012】
請求項4記載の発明は、請求項1または2に記載の薄肉電縫管の溶接方法において、前記金属条帯(1)が少なくとも0.5重量%のシリコンおよび0.8重量%の銅を含有したアルミニウム合金であることを特徴とする。
【0013】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施例記載の具体的手段との対応関係を示す。
【0014】
【作用及び発明の効果】
請求項1〜4記載の発明によれば、薄肉電縫管の溶接方法において、突き合わされて溶接される金属条帯の両側端部から板厚の0.5倍以下の距離である領域を急激に隆起させ、その隆起幅に対する隆起高さの比が0.4〜0.95となり、さらに前記隆起高さが金属条帯の板厚の0.3〜0.75倍となる。
従って、スクイズロールの間隙内で金属条帯のローリングが生じても、隆起部分がスクイズロールに当たって変形したりすることがないとともに、突き合わせ段差を生じて強度不足となる虞れを解消できるという効果がある。
【0015】
請求項2記載の発明によれば、突き合わされて溶接される金属条帯の両側端部から板厚の0.5倍以下の距離である領域に低融点偏析物が発生する。溶接加熱時の熱影響で、前記両側端部の近傍が板厚の0.5倍以下の距離である領域の粒界又は微小な低融点偏析物等の液化により高温変形抵抗が低下する。これにより、前記領域で隆起幅に対する隆起高さの比が0.4〜0.95で、その隆起高さが金属条帯の板厚の0.3〜0.75倍となる急激な隆起を発生させることができる。さらに、液化した低融点偏析物による応力緩和により、割れ等の溶接欠陥の発生を抑制できる効果がある。
【0016】
請求項3記載の発明によれば、金属条帯が少なくともシリコン含有量0.65〜1.3重量%のアルミニウム合金とすることにより、突き合わされて溶接される金属条帯の両側端部の近傍が板厚の0.5倍以下の距離である領域に低融点偏析物が発生する。従って、上記請求項2記載の発明と同様な効果を奏することができるとともに、低融点化元素であるシリコンを溶接部分に侵入させることにより、材料自体の強度を高めて電縫管の強度向上及び長寿命化を可能とすることができる等の効果がある。
【0017】
また、請求項1記載の発明によれば、金属条帯を液相線温度と固相線温度の差が20〜40℃のアルミニウム合金で構成しているから、上記請求項3記載の発明と同様の効果を奏することができる。請求項1記載の本発明の薄肉電縫管の溶接方法によれば、加熱コイルに100〜300kHzの加熱発振周波数が印加される。これにより、溶接部分への入熱深さが増大し、突き合わされて溶接される金属条帯の両側端部の近傍に軟化域が形成され、容易に隆起を生じさせるとともに、該両側端部に対する加圧を安定化することができる。また、前記両側端部の近傍粒界を液化し低融点偏析物を形成することにより溶接部分の応力緩和を行うことができる等の効果がある。
【0018】
請求項4記載の発明では、金属条帯を、少なくとも0.5重量%のシリコンおよび0.8重量%の銅を含有したアルミニウム合金で構成することにより、シリコン含有量を減少しても、請求項3記載の発明と同様の効果を発揮できる。
【0019】
【実施例】
(第1実施例)
本発明方法はアルミニュウム熱交換器のチューブ(例えば空調用凝縮器、空調用蒸発器、自動車用ラジエータ等の熱交換器チューブ)の製造に用いて好適なものである。本発明方法の第1実施例は以下の溶接条件を採用している。すなわち、第1実施例では、前記した図1に示す装置を用い、スクイズロール4の間隙L(図14参照)を0.6〜1.2mmとし、
金属条帯1として、アルミニュウムにマンガン(Mn)を1.0〜1.5重量%添加したA3000系アルミニュウム合金をベースとし、これにシリコン(Si)を0.9重量%添加したアルミニウム合金材からなる板材を用いる。このアルミニウム合金のその他の元素は不純物程度である。また、このアルミニウム合金板材の板厚Tは0.3mmである。
【0020】
また、高周波発振器2の周波数を200kHzとした高周波加熱源(加熱コイル)により溶接を実施して、管径10〜20mmの電縫管を製造する場合について説明する。
図2の溶接部の拡大断面図に示すように、突き合わされて溶接される金属条帯1の両側端部5、5から前記板厚の0.5倍以下(従って0.15mm以下)の距離である領域(軟化領域)8に急激な隆起部7が生じる。
【0021】
そこで、先ずシリコン含有量(重量%)と、金属条帯1の板厚T(mm)に対する隆起高さH(mm)の比との関係をみると、図3に示すようにシリコン含有量が高くなるにつれて、金属条帯1の板厚Tに対する隆起高さHの比が増加する。図16に示すアルミニウム(Al)−シリコン(Si)状態図から考察すると、固液共存領域(図16のα+Lの領域)はシリコン含有量に略比例して増大する。このため、固液共存相が存在することにより形成された前記軟化領域8も、シリコン含有量に略比例して増大すると考えられる。通常、電縫管の溶接においては、上記軟化領域8が加圧接合により圧縮されて塑性変形するから、軟化領域8が増大する程、隆起高さHも高くなって、この隆起高さHはシリコン含有量に対して、略比例して増加すると考えられる。
【0022】
また、一般的な電縫管の高周波溶接方法では、最大で板厚Tの0.3倍程度の突き合わせ段差Bが生じる場合があり、隆起高さHは最低でもこの段差B分が必要となる。従って、前記図3から分かるように金属条帯1を、シリコン含有量が0.65重量%以上であるアルミニウム合金材から構成すれば、突き合わせ段差Bによる接合面積の減少分を補うのに必要な隆起高さHが得られ、溶接部の必要強度を確保できることになる。
【0023】
なお、図3において、破線で示す部分は本発明者による実験、研究に基づいて推定可能な領域の特性を示す。以下の図4、5、9、10、11における破線部分も同様の推定可能な領域の特性を示している。
次に、シリコン含有量(重量%)と、金属条帯1の板厚T(mm)に対する隆起幅W(mm)の比との関係について考察する。図4に示すように、シリコン含有量が高くなるにつれて、金属条帯1の板厚Tに対する隆起幅Wの比が増加する。図16のアルミニウム−シリコン状態図によれば、上記した隆起高さHが高くなる場合と同様の理由から、隆起幅Wはシリコン含有量に略比例して増大すると考えられる。一般に電縫管の溶接の場合、前記図14で示したようにスクイズロール4の間隙L内でのローリングが不可避となるため、隆起部7がこのクイズロール4に当たらないようにする必要がある。
【0024】
ここで、ローリング角度θは図14に示すように隆起部7の中心が左右に最大に揺れる角度で、ローリング量Dは隆起部7の中心が左右に最大に揺れる距離である。本発明の薄肉電縫管の工業的量産を考慮すると、上記ローリングは角度θにして概ね5°以下が望ましい。
隆起幅Wに対してスクイズロール4の間隙Lが狭すぎると隆起部7が当たり、間隙Lが広すぎると、図17に示すように金属条帯1の両側端部5、5が径方向に重なるオーバラップを生じる。このため、上記間隙Lは、所定の間隙量に設定する必要があり、経験的には、金属条帯1の板厚Tの2〜4倍(2T〜4T)程度に設定することが好ましい。
【0025】
しかし、上記のように間隙Lを広く(L=4T)設定した場合でも、角度θ=5°程度のローリングが起こることを考慮すると、スクイズロール4に隆起部7が当たらないようにするためには、隆起幅Wを概ね板厚Tの1.0倍以下に制限する必要がある。
この隆起幅Wの制限は、図4で分かるように、金属条帯1として、シリコン含有量1.3重量%以下のアルミニウム合金材を用いることにより実現でき、この結果、角度θ=5°程度のローリングが生じても、隆起部7がスクイズロール4に当たらない。
【0026】
上記のように、金属条帯1として、シリコン含有量1.3重量%以下のアルミニウム合金材を用いることは、図3の特性図から、金属条帯1の板厚Tに対する隆起高さHの比は0.75以下となる。
さらに、図5に示すようにシリコン含有量(重量%)が増加する程、隆起幅W(mm)に対する隆起高さH(mm)の比が増大することが分かった。この図5について、前述の最大段差以上の隆起高さHの必要性(シリコン含有量が0.65重量%以上であること)及びローリングにより隆起部7がスクイズロール4に当たらないようにする制限(シリコン含有量が1.3重量%以下であること)から、隆起幅Wに対する隆起高さHの比が0.4〜0.95の範囲であれば、隆起部7がスクイズロール4に当たることがなく、かつ突き合わせ段差Bによる強度不足を来すこともない。
【0027】
本実施例から、シリコン含有量が0.65〜1.3重量%の範囲では、金属条帯1を構成するアルミニウム合金材の液相線(図16の線イ)温度と固相線(図16の線ロ)温度の差が20〜40℃であり、従ってアルミニウム−シリコン合金材の液相線温度と固相線温度の差が20〜40℃の範囲であると、良好な溶接部を形成できることが判る。
【0028】
上述の具体例において、溶接部の近傍の断面を観察した結果、シリコン含有量0.9重量%のアルミニウム合金材からなる金属条帯1では、突き合わされて溶接された両側端部5、5から板厚の0.5倍以下の距離である領域の粒界で、液化凝集した低融点化元素であるシリコンの偏析が発生し、しかも隆起幅Wに対する隆起高さHの比が0.4以上となる急激な隆起が生じていた。
【0029】
ところが、シリコン含有量を0.3重量%に減少したアルミニウム合金材からなる金属条帯1では、シリコンの偏析は発生していなかったばかりか、急激な隆起も生じていなかった。
このことから、上述の急激な隆起は、溶接時の熱の影響で溶接部の近傍(突き合わされて溶接された両側端部5、5から板厚の0.5倍以下の距離である領域)の粒界又は微小な低融点偏析物等の液化により、高温変形抵抗が低下した領域(軟化領域)8で生じるために発生すると考えられる。
【0030】
従って、上記具体例のアルミニウム合金材の金属条帯1に、図6に示すように銅、マグネシウム、亜鉛等の低融点化元素を添加して、偏析物10を形成させるようにすることにより、隆起部7をスクイズロール4に当てることなく、突き合わせ段差による強度不足を来さないようにすることができる。さらに、低融点偏析物10等の液化により応力緩和が生じて、割れ等の溶接欠陥の発生を抑制できる。
【0031】
また、図7(a)に示すように、上記具体例のアルミニウム合金材の金属条帯1を芯材として、銅、マグネシウム、亜鉛等の低融点化元素を添加した皮材11を張り合わせたクラッド材を用いることにより、図7(b)に示すように溶接時に上記低融点化元素を溶接部の近傍に侵入させて、偏析物10を形成させることによっても、隆起部7をスクイズロール4に当てることなく、突き合わせ段差による強度不足を来さないようにすることができる。
【0032】
さらに、上記低融点化元素の添加により材料自体の強度を高めて電縫管の強度向上及び長寿命化を図ることが可能となる。上記皮材11は熱交換用チューブのろう材、または犠牲腐食材としての役割を果たす。
なお、上記第1実施例において、金属条帯1のアルミニウム合金におけるMn含有量は比較的多いが、この程度のMn添加ではアルミニウム合金の固相線温度と液相線温度との差がほとんど変わらないため、本発明の意図する急激な隆起形状の成形に影響する要因とはならない。
【0033】
また、上記第1実施例では、固相線温度と液相線温度との差を拡大するために、Al−Siの組み合わせを用いているが、上記温度差を拡大できる元素であれば、Al−Siの組み合わせに限定されるものではない。
(第2実施例)
上記第1実施例では、金属条帯1を構成するアルミニュウム合金へのシリコン含有量を0.65〜1.3重量%と規定することにより、前述した所定の急激な隆起部形状を得るようにしているが、本第2実施例では、アルミニュウム合金に銅(Cu)を添加することより、より少ないシリコン含有量でも前述した所定の急激な隆起部形状を得るようにしたものである。
【0034】
第2実施例では、前記した図1に示す装置を用い、スクイズロール4の間隙L(図14参照)を0.45〜1.2mmとし、
金属条帯1としてアルミニウム合金クラッド材を用い、このクラッド材の芯材はアルミニュウムにマンガン(Mn)を1.0〜1.5重量%添加したA3000系アルミニュウム合金をベースとし、これにシリコン(Si)を0.5重量%、銅を0.8重量%それぞれ添加したアルミニウム合金材を用い、そしてこの芯材の両面に貼る皮材(ろう材、犠牲腐食材)としてA4000系(Al−Si系)アルミニュウム合金、またはA7000系(Al−Zn−Mg系)アルミニュウム合金等を用いる。アルミニウム合金クラッド材の板厚は0.2〜0.3mmで、芯材の両面に貼る皮材のクラッド率は各々5〜20%である。
【0035】
そして、高周波発振器2の周波数を200kHzとした高周波加熱源(加熱コイル3)により溶接を実施して、管径10〜20mmの電縫管を製造した。
その結果、第2実施例では図18の表のサンプル▲4▼に示すように、良好な隆起部形状を得ることができた。
図18の表は、各サンプル▲1▼〜▲5▼について、その添加元素であるSi、Cuの添加量、溶接時の高周波発振器の周波数、および溶接結果をまとめたものである。溶接結果は、5つの指標(H/T、W/T、H/W、固液共存温度範囲、および偏析の有無)について記している。
【0036】
ここで、図18の表のサンプル▲3▼は本発明の第1実施例であり、サンプル▲1▼、▲2▼、▲5▼は本発明実施例に対する比較例である。なお、図18の表において、固液共存温度範囲は、前記した固相線温度と液相線温度との温度差のことである。
前記H/T、W/T、H/Wは隆起部7の形態を示す指標であって、隆起部7は前述したように急激に隆起させることが良好な溶接部を得るために重要であるから、H/T(板厚Tに対する高さHの比)は大きい程好ましい。また、W/T(板厚Tに対する幅Wの比)は小さい程好ましい。また、H/W(幅Wに対する高さH)は大きい程好ましい。
【0037】
このような観点から考察すると、第2実施例のサンプル▲4▼は、第1実施例のサンプル▲3▼と同様の良好な隆起部形状を得ることができた。このように、第2実施例では銅の添加によりシリコン添加量を0.5重量%まで減少しても、第1実施例と同等の良好な効果を発揮できることになる。
なお、第2実施例では、アルミニュウムにシリコン、銅を添加する場合について述べたが、低融点偏析物を形成でき、かつ固相線温度と液相線温度との温度差を20°C〜40°C程度まで拡大できるアルミニュウム合金であれば、シリコン、銅以外の他の添加物(マグネシウム、亜鉛等)に置換することも可能である。
【0038】
次に、上記薄肉電縫管の溶接方法において、金属条帯1をシリコン含有量0.9重量%のアルミニュウム合金とし、加熱熱源である高周波発振器2の周波数を200〜400kHzに変化させた場合について説明する。一般に高周波電縫管溶接方法においては、金属条帯1の端面における電流浸透深さは、周波数の平方根に反比例する。
【0039】
従って、発振器周波数が高い程、金属条帯1の端面の狭い領域に熱が集中するため、図8(a)に示すように軟化領域8が狭くなって隆起幅Wが狭くなる。
逆に、発振器周波数が低い程、金属条帯1の端面の広い領域に熱が分散するため、図8(b)に示すように軟化領域8が広くなって隆起幅Wが広くなる。
図9は、発振器周波数(kHz)と、金属条帯1の板厚T(mm)に対する隆起幅W(mm)の比との関係を示したものである。ローリングにより隆起部7がスクイズロール4に当たらないようにするには、金属条帯1の板厚Tに対する隆起幅Wの比を1.0以下にする必要がある。これにより、発振器周波数は100kHz以上が必要となる。
【0040】
また、図10は発振器周波数(kHz)と、金属条帯1の板厚T(mm)に対する隆起高さH(mm)の比との関係を示したものである。
図9、10から理解されるように、発振器周波数が高まるにつれて、金属条帯1の板厚Tに対する隆起幅Wの比及び金属条帯1の板厚Tに対する隆起高さHの比が小さくなる。前述したように最大で板厚Tの0.3倍程度の突き合わせ段差Bが生じることを考慮すると、図10で示されるように発振器周波数は、300kHz以下であることが必要となる。
【0041】
図11は発振器周波数と、隆起幅W(mm)に対する隆起高さH(mm)の比との関係を示したものである。発振器周波数が高まるにつれて、隆起幅Wに対する隆起高さHの比が小さくなる。従って、ローリング及び突き合わせ段差Bによる強度不足を来さないためには、上記図9,10から発振器周波数を100〜300kHzに設定することが必要となる。このように設定することで、隆起幅Wに対する隆起高さHの比は、0.40〜0.75の範囲となる。
【0042】
その他、突き合わせ段差Bによる強度不足を解決する方法として、加熱コイル3と溶接点との間の距離を拡大したり、予熱工程の設定、或いは造管速度の低下等を行い、金属条帯1の端面の入熱を分散させて溶接時に接合部近傍に変形し易い領域(軟化領域)を形成し、この領域を急激に隆起させるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法を実施する装置の概略を示した斜視図である。
【図2】図1の装置による溶接部の拡大断面図である。
【図3】シリコン含有量と、金属条帯の板厚に対する隆起高さの比との関係を示した特性図である。
【図4】シリコン含有量と、金属条帯の板厚に対する隆起幅の比との関係を示した特性図である。
【図5】シリコン含有量と、隆起幅に対する隆起高さの比との関係を示した特性図である。
【図6】低融点化元素を添加して溶接した溶接部の拡大断面図である。
【図7】クラッド材及び該クラッド材を用いて溶接した溶接部の拡大断面図である。
【図8】発振器周波数を変化させて溶接した溶接部の拡大断面図である。
【図9】発振器周波数と、金属条帯の板厚に対する隆起幅の比との関係を示した特性図である。
【図10】発振器周波数と、金属条帯の板厚に対する隆起高さの比との関係を示した特性図である。
【図11】発振器周波数と、隆起幅に対する隆起高さの比との関係を示した特性図である。
【図12】溶接部での座屈を例示した拡大断面図である。
【図13】溶接部での突き合わせ段差を例示した拡大断面図である。
【図14】ローリングを例示した溶接部の拡大断面図である。
【図15】溶接部での座屈を例示した拡大断面図である。
【図16】Al−Si系合金の平衡状態図である。
【図17】溶接部でのオーバラップを例示した拡大断面図である。
【図18】本発明の第1、第2実施例による溶接結果を比較例と比較して示す表である。
【符号の説明】
1…金属条帯、2…高周波発振器、3…加熱コイル、4…スクイズロール、5…側端部、7…隆起部、8…領域(軟化領域)、10…偏析物、T…板厚、H…隆起高さ、W…隆起幅。
Claims (4)
- 突き合わされた金属条帯の両側端部及びその近傍を、加熱溶融させるとともに、溶接スクイズロールにより加圧圧接する薄肉電縫管の溶接方法において、
前記金属条帯が少なくとも液相線温度と固相線温度の差が20〜40℃のアルミニウム合金であり、
前記金属条帯の両側端部及びその近傍を、高周波発振器に接続された加熱コイルにより加熱溶融させるとともに、前記高周波発振器の周波数を100〜300kHzとし、
前記金属条帯の板厚を1mm以下とし、突き合わされて溶接される前記両側端部から前記板厚の0.5倍以下の距離である領域内において、加圧圧接されて隆起する前記両側端部の隆起幅に対する隆起高さの比が0.4〜0.95となるようにするとともに、前記隆起高さを前記板厚の0.3〜0.75倍にすることを特徴とする薄肉電縫管の溶接方法。 - 突き合わされて溶接される前記両側端部の近傍に低融点偏析物を発生させることを特徴とする請求項1に記載の薄肉電縫管の溶接方法。
- 前記金属条帯が少なくともシリコン含有量0.65〜1.3重量%のアルミニウム合金であることを特徴とする請求項1または2に記載の薄肉電縫管の溶接方法。
- 前記金属条帯が少なくとも0.5重量%のシリコンおよび0.8重量%の銅を含有したアルミニウム合金であることを特徴とする請求項1または2に記載の薄肉電縫管の溶接方法。
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-
1995
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| JPH0857661A (ja) | 1996-03-05 |
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