JP3550753B2 - 籾混入状態の玄米の成分値推定方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、玄米に籾が混入したままの状態で測定した値より、籾が混入しない状態の玄米の成分値を推定する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ライスセンタ等に荷受けした生籾を貯留タンクに仕分る際には、生籾の品質、等級、水分等と共にその生籾の玄米成分値を測定してから仕分けている。品種や等級が同じでも成分値次第で食味が異なるからである。
【0003】
近年この成分値の測定に近赤外線分光分析法が用いられるようになったが、その場合試料の作り方に二通りある。
【0004】
一つは、荷受けした生籾を乾燥することなく高水分のまま脱ぷ処理して試料とするもので、もう一つは、生籾をあらかじめ乾燥したのち脱ぷ処理して試料とするものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
荷受けした収穫直後の生籾は水分を多く含み脱ぷしにくい。そのため生籾を乾燥せずに脱ぷ処理したものには多くの籾が混入する。従ってこのようなものを試料とする場合は、測定に邪魔な籾が多く精度が出にくい。
【0006】
他方、生籾を乾燥したのち脱ぷ処理したものは籾混入率が低く測定精度が良いが、反面乾燥に時間がかかるため能率が悪いという問題があった。
【0007】
そこで本発明は、乾燥を省略して生籾のまま脱ぷ処理することにより試料の作成時間を短縮すると同時に、籾が混入したままの状態で測定した値(籾混入玄米成分値)より籾が混入していない状態の玄米成分値を高精度に推定することにより、ライスセンタ等における籾の仕分けの能率と精度の向上に役立てることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために、本発明は、近赤外線分析法により籾混入率既知の標準試料について籾混入玄米成分値を求め、
次に、この籾混入玄米成分値と籾混入率との関係を求め、さらに当該籾混入率における籾混入玄米成分値と純粋玄米成分値とから玄米成分値補正量を求め、
次に検査試料を非粉砕のままで、籾混入率と籾混入玄米成分値を測定し、あらかじめ求めた前記玄米成分値補正量により、測定した検査試料の籾混入玄米成分値を補正して、当該検査試料の純粋玄米成分値を推定することを特徴とする。
【0009】
【作用】
先ず、籾混入率が既知の試料を標準試料として近赤外線分光分析装置にかけ、近赤外線を照射して回帰式より玄米の主要な成分値(例えばたんぱく質含量やアミロース含量)を検出する。そして籾混入率を変えて様々な籾混入率について同様の方法で玄米成分値を検出し、籾混入率と玄米成分値の関係を求める。このときの玄米成分値は籾混入状態の値であるから、以下これを籾混入玄米成分値という。
【0010】
図1は、籾混入率とたんぱく質含有率(籾混入玄米成分値)の関係を示す。図2は、籾が混入していない状態の玄米のたんぱく質含有量を1として、籾混入状態のたんぱく質含有量(籾混入玄米成分値)をその相対値として換算して示したグラフである。
【0011】
次に、荷受けした生籾を脱ぷ処理して検査試料にし、その籾混入率を検出する。そして図2に示す籾混入率−相対成分値のグラフに検査試料の籾混入率をあてはめて補正量を求め、これより以下のように籾が混入していない状態の玄米成分値を推定する(図2参照)。
【0012】
先ず、検査試料の籾混入率をαとして、補正量をΔyとすると、Δyとαの間には、
Δy=f(α) (式1)
が成り立つ。
【0013】
また籾混入玄米成分値をyとし、近赤外線分光分析による吸光度をxとすると、yとxの間には、
y=F(x) (式2)
が成り立つ。
そこで補正量Δyが比の場合、純粋玄米成分値Yは
Y=F(x)/Δy (式3)
となる。補正量Δyが差の場合は、
Y=F(x)+Δy (式4)
となり、いづれの場合も純粋玄米成分値Yは籾混入玄米成分値yと補正量Δyより求まる。
【0014】
また、図2の曲線と異なり籾混入率が高くなるほど成分値が低くなるような特性を有する成分の場合にも、籾混入率と相対成分値の関係を得て補正量Δyを算出し、前記算出式の補正式より籾が混入していない状態の玄米成分値を推定する。
以上のように検査資料の籾混入率を算出することで検査試料の籾が混入していない状態の玄米成分値を迅速に推定できる。
【0015】
【実施例】
本発明の第1実施例について図3を参照して説明する。
【0016】
荷受けホッパ10に荷受けされた生籾を荷受けエレベータ11により粗選機12に送る。粗選機12によりごみ等を取り除いたあと、生籾を自動計量機13に送り、計量後の生籾の一部を試料Sとして採取する。
【0017】
そして試料Sを遠心脱ぷ装置14にかけ、籾すりした玄米を近赤外線分光分析装置15に供給する。
【0018】
近赤外線分光分析装置15では、試料Sに近赤外線を照射し波長に対応した吸光度を検出して試料Sの成分値を算出する。
【0019】
次に近赤外線分光分析装置15の構成を図4を参照して説明する。
【0020】
近赤外線分光分析装置15は、ケース内にランプ16を配設して、ランプ16の光が通るスリット17と、スリット17の光を反射する平面鏡18を設ける。平面鏡18で反射した光はグレーティング19(回析格子型分光器)内に入射する。
【0021】
グレーティング19はグレーティングミラー19aと入射した光が所定の波長になるようにグレーティングミラー19aを操作する駆動手段等を有する。入射した光はグレーティングミラー19aで反射してオーダーソーター20に入射する。オーダーソーター20は、グレーティングミラー19aと同期して動き、所定の波長の単色光を発生する。
【0022】
さらに近赤外線分光分析装置15内には、試料Sに焦点を合わせるレンズ21とスリット22を備え、レンズ21を通った単色光がスリット22より試料Sに照射する。23はその反射光を検出する反射検出部、24は透過光を検出する透過検出部である。25は籾の移送系統を制御する中央制御処理装置である。
【0023】
自動計量機13により計量した生籾を張込み用エレベータ30の始端に投入する。エレベータ30の終端には2つの分別タンク搬送用コンベア31,31の始端をそれぞれ接続し、コンベア31,31の下方に複数の貯留タンク32…を配置して、中央制御処理装置25により生籾を貯留タンク32…のいずれか一つに仕分ける。
【0024】
複数の貯留タンク32…の各排出口の下方に2つの排出用コンベア33を設ける。この排出用コンベア33の終端を排出用・循環用エレベータ34に接続する。そして、この排出用・循環用エレベータ34の排出口から排出される生籾を、前記2つの分別タンク搬送用コンベア31,31と、中継用タンク35のうちの1つに供給する。
【0025】
中継用タンク35の排出口は乾燥機張込み用エレベータ36の始端に接続し、エレベータ36の排出口は乾燥機37に接続する。乾燥機37により生籾を乾燥し、乾燥機37の排出口を乾燥機排出用コンベア38に接続する。乾燥機排出用コンベア38は仕入用・一時貯留用エレベータ39に接続し、仕入用・一時貯留用エレベータ39の排出口は、図示しない仕上げタンクまたは一時貯留タンクに接続する。
【0026】
次に、第1実施例の動作について説明する。
【0027】
先ず、ランプ16の光をグレーティング19及びオーダーソーター20により可視光だけにする。そして、供給された籾混入玄米に可視光を1粒ずつ照射し、透過光と反射光を反射検出部23と透過検出部24により測定する。測定した透過光の大小により籾か玄米かを判定する。さらに、照射した可視光の中で緑色光と赤色光の反射を検出して緑色光と赤色光の比をとる。これにより、未熟米或いは着色米を取り除いて、精度の高い籾混入率を求める。
【0028】
籾混入率は、次のように、近赤外線分光分析法を利用して測定することもできる。
【0029】
まず籾混入率が既知の標準試料に対して近赤外線を照射して吸光スペクトルを計測する。そして、様々な籾混入率について吸光スペクトルを計測する(図6参照)。図6では縦軸に吸光度を示し、横軸に波長を示す。
【0030】
そして近赤外線分光分析装置15に備える図示しない試料セルに非粉砕のまま検査試料を充填する。そして近赤外線を照射し、特定波長の吸光度を計測して図6に示す吸光スペクトルと比較し、吸光スペクトルとのずれから籾混入率を算出する。
【0031】
このように、脱ぷ処理した検査試料の籾混入率を近赤外線分光分析装置15を利用して吸光スペクトルのずれから迅速に知ることができる。
【0032】
なお籾混入率の算出は、近赤外線分光分析法による他の公知手段(例えば、本出願人の特開平5−164691号公報)でもよく、また他の光学的な脱ぷ率センサを使用してもよい。
【0033】
次に、籾混入率が既知の試料を標準試料とし、様々な籾混入率の標準試料に近赤外線を照射する。すなわちランプ16から光を照射してスリット17に通して平面鏡18に入射させ、平面鏡17により反射した光をグレーティング18内に入射する。そして、グレーティング18及びオーダーソーター19から所定の波長の近赤外線を、レンズ21とスリット22を介して標準試料に照射する。
【0034】
そして、標準試料の吸光スペクトルを作成し、他の影響を受けない波長を特定して回帰式により成分値を求める。求めた様々な籾混入率の成分値を純粋玄米成分値で割ることにより図1に示す籾混入率−相対成分値のグラフを作成する。図1は、縦軸に相対成分値を示し、横軸に籾混入率を示す。
【0035】
次に、荷受けした生籾を遠心脱ぷ装置14に送り、脱ぷ処理後の籾混入玄米の一部を検査試料として近赤外線分光分析装置15により籾混入率を検出する。そして、あらかじめ作成した籾混入率−相対成分値のグラフにより(図2参照)、次のように籾が混入していない状態の玄米成分値を推定する。
【0036】
例えば、検査試料の籾混入率が50%のとき図2より補正量は1.8だから、前記(式1)より
Δy=f(50)=1.8
となる。
【0037】
これより籾が混入していない状態の玄米成分値Yは補正式(式3)より、
Y=F(x)/1.8
となり、検査資料の成分値の推定できる。
【0038】
以上のように第1実施例によれば、乾燥前或いは乾燥途中の高水分の生籾を遠心脱ぷ後、そのまま近赤外線分光分析装置15により籾混入率の検出と共に成分分析をすれば直ちに検査試料の成分値を推定できる。
【0039】
このため荷受した生籾を遠心脱ぷ後に、迅速かつ適確に玄米成分値を推定できるので、成分値に応じて生籾を迅速に区分して貯留タンク32…に蓄えることができる。さらに、玄米の成分値だけでなく食味等の玄米の特性値も推定することができる。
【0040】
次に、図5の第2実施例について説明する。
【0041】
第2実施例では、籾が混入していない状態の玄米成分値を100として計算する。図5の縦軸は籾混入玄米成分値で、横軸は籾混入率である。
【0042】
検査試料の籾が混入していない状態の玄米成分値を推定するには、籾混入玄米成分値と籾混入率を検出して図5の籾混入率−成分値のグラフより補正量を算出して以下のようにして成分値を推定する。
【0043】
この実施例では、籾が混入していない状態の玄米成分値Yは、
Y=F(x)+Δy (式5)
で表される。
【0044】
例えば、籾混入率が50%のとき補正量は図5のグラフより
Δy=f(50)=36(%)
となり、成分値の算出式の補正式(式5)より、
Y=F(x)+36(%)
となる。
【0045】
【発明の効果】
以上のように本発明では、近赤外線分析法により籾混入率既知の標準試料について籾混入玄米成分値を求め、
次に、この籾混入玄米成分値と籾混入率との関係を求め、さらに当該籾混入率における籾混入玄米成分値と純粋玄米成分値とから玄米成分値補正量を求め、
次に検査試料を非粉砕のままで、籾混入率と籾混入玄米成分値を測定し、あらかじめ求めた前記玄米成分値補正量により、測定した検査試料の籾混入玄米成分値を補正して、当該検査試料の純粋玄米成分値を推定する。よって、玄米に籾が混入したままの状態で、籾が混入しない状態の玄米の成分値(純粋玄米成分値)を正確に推定でき、従って荷受けした水分の多く含んだ生籾を、乾燥を省略してそのまま脱ぷ処理し籾が多量に混入していても、純粋玄米成分値を直ちに知ることができ、ライスセンタ等における生籾の仕分け能率と仕分け精度の向上を図ることができる。
【0046】
【符号の説明】
S 試料
14 遠心脱ぷ装置
15 近赤外線分光分析装置
【図面の簡単な説明】
【図1】籾混入率に対する蛋白含有率のグラフである。
【図2】籾混入率−相対成分値の補正曲線グラフである。
【図3】共同乾燥システムの構成図である。
【図4】近赤外線分光分析装置内の光の経路を示す概略図である。
【図5】籾混入率−成分値の補正曲線グラフである。
【図6】波長−吸光度を示すした図である。
【産業上の利用分野】
本発明は、玄米に籾が混入したままの状態で測定した値より、籾が混入しない状態の玄米の成分値を推定する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ライスセンタ等に荷受けした生籾を貯留タンクに仕分る際には、生籾の品質、等級、水分等と共にその生籾の玄米成分値を測定してから仕分けている。品種や等級が同じでも成分値次第で食味が異なるからである。
【0003】
近年この成分値の測定に近赤外線分光分析法が用いられるようになったが、その場合試料の作り方に二通りある。
【0004】
一つは、荷受けした生籾を乾燥することなく高水分のまま脱ぷ処理して試料とするもので、もう一つは、生籾をあらかじめ乾燥したのち脱ぷ処理して試料とするものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
荷受けした収穫直後の生籾は水分を多く含み脱ぷしにくい。そのため生籾を乾燥せずに脱ぷ処理したものには多くの籾が混入する。従ってこのようなものを試料とする場合は、測定に邪魔な籾が多く精度が出にくい。
【0006】
他方、生籾を乾燥したのち脱ぷ処理したものは籾混入率が低く測定精度が良いが、反面乾燥に時間がかかるため能率が悪いという問題があった。
【0007】
そこで本発明は、乾燥を省略して生籾のまま脱ぷ処理することにより試料の作成時間を短縮すると同時に、籾が混入したままの状態で測定した値(籾混入玄米成分値)より籾が混入していない状態の玄米成分値を高精度に推定することにより、ライスセンタ等における籾の仕分けの能率と精度の向上に役立てることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために、本発明は、近赤外線分析法により籾混入率既知の標準試料について籾混入玄米成分値を求め、
次に、この籾混入玄米成分値と籾混入率との関係を求め、さらに当該籾混入率における籾混入玄米成分値と純粋玄米成分値とから玄米成分値補正量を求め、
次に検査試料を非粉砕のままで、籾混入率と籾混入玄米成分値を測定し、あらかじめ求めた前記玄米成分値補正量により、測定した検査試料の籾混入玄米成分値を補正して、当該検査試料の純粋玄米成分値を推定することを特徴とする。
【0009】
【作用】
先ず、籾混入率が既知の試料を標準試料として近赤外線分光分析装置にかけ、近赤外線を照射して回帰式より玄米の主要な成分値(例えばたんぱく質含量やアミロース含量)を検出する。そして籾混入率を変えて様々な籾混入率について同様の方法で玄米成分値を検出し、籾混入率と玄米成分値の関係を求める。このときの玄米成分値は籾混入状態の値であるから、以下これを籾混入玄米成分値という。
【0010】
図1は、籾混入率とたんぱく質含有率(籾混入玄米成分値)の関係を示す。図2は、籾が混入していない状態の玄米のたんぱく質含有量を1として、籾混入状態のたんぱく質含有量(籾混入玄米成分値)をその相対値として換算して示したグラフである。
【0011】
次に、荷受けした生籾を脱ぷ処理して検査試料にし、その籾混入率を検出する。そして図2に示す籾混入率−相対成分値のグラフに検査試料の籾混入率をあてはめて補正量を求め、これより以下のように籾が混入していない状態の玄米成分値を推定する(図2参照)。
【0012】
先ず、検査試料の籾混入率をαとして、補正量をΔyとすると、Δyとαの間には、
Δy=f(α) (式1)
が成り立つ。
【0013】
また籾混入玄米成分値をyとし、近赤外線分光分析による吸光度をxとすると、yとxの間には、
y=F(x) (式2)
が成り立つ。
そこで補正量Δyが比の場合、純粋玄米成分値Yは
Y=F(x)/Δy (式3)
となる。補正量Δyが差の場合は、
Y=F(x)+Δy (式4)
となり、いづれの場合も純粋玄米成分値Yは籾混入玄米成分値yと補正量Δyより求まる。
【0014】
また、図2の曲線と異なり籾混入率が高くなるほど成分値が低くなるような特性を有する成分の場合にも、籾混入率と相対成分値の関係を得て補正量Δyを算出し、前記算出式の補正式より籾が混入していない状態の玄米成分値を推定する。
以上のように検査資料の籾混入率を算出することで検査試料の籾が混入していない状態の玄米成分値を迅速に推定できる。
【0015】
【実施例】
本発明の第1実施例について図3を参照して説明する。
【0016】
荷受けホッパ10に荷受けされた生籾を荷受けエレベータ11により粗選機12に送る。粗選機12によりごみ等を取り除いたあと、生籾を自動計量機13に送り、計量後の生籾の一部を試料Sとして採取する。
【0017】
そして試料Sを遠心脱ぷ装置14にかけ、籾すりした玄米を近赤外線分光分析装置15に供給する。
【0018】
近赤外線分光分析装置15では、試料Sに近赤外線を照射し波長に対応した吸光度を検出して試料Sの成分値を算出する。
【0019】
次に近赤外線分光分析装置15の構成を図4を参照して説明する。
【0020】
近赤外線分光分析装置15は、ケース内にランプ16を配設して、ランプ16の光が通るスリット17と、スリット17の光を反射する平面鏡18を設ける。平面鏡18で反射した光はグレーティング19(回析格子型分光器)内に入射する。
【0021】
グレーティング19はグレーティングミラー19aと入射した光が所定の波長になるようにグレーティングミラー19aを操作する駆動手段等を有する。入射した光はグレーティングミラー19aで反射してオーダーソーター20に入射する。オーダーソーター20は、グレーティングミラー19aと同期して動き、所定の波長の単色光を発生する。
【0022】
さらに近赤外線分光分析装置15内には、試料Sに焦点を合わせるレンズ21とスリット22を備え、レンズ21を通った単色光がスリット22より試料Sに照射する。23はその反射光を検出する反射検出部、24は透過光を検出する透過検出部である。25は籾の移送系統を制御する中央制御処理装置である。
【0023】
自動計量機13により計量した生籾を張込み用エレベータ30の始端に投入する。エレベータ30の終端には2つの分別タンク搬送用コンベア31,31の始端をそれぞれ接続し、コンベア31,31の下方に複数の貯留タンク32…を配置して、中央制御処理装置25により生籾を貯留タンク32…のいずれか一つに仕分ける。
【0024】
複数の貯留タンク32…の各排出口の下方に2つの排出用コンベア33を設ける。この排出用コンベア33の終端を排出用・循環用エレベータ34に接続する。そして、この排出用・循環用エレベータ34の排出口から排出される生籾を、前記2つの分別タンク搬送用コンベア31,31と、中継用タンク35のうちの1つに供給する。
【0025】
中継用タンク35の排出口は乾燥機張込み用エレベータ36の始端に接続し、エレベータ36の排出口は乾燥機37に接続する。乾燥機37により生籾を乾燥し、乾燥機37の排出口を乾燥機排出用コンベア38に接続する。乾燥機排出用コンベア38は仕入用・一時貯留用エレベータ39に接続し、仕入用・一時貯留用エレベータ39の排出口は、図示しない仕上げタンクまたは一時貯留タンクに接続する。
【0026】
次に、第1実施例の動作について説明する。
【0027】
先ず、ランプ16の光をグレーティング19及びオーダーソーター20により可視光だけにする。そして、供給された籾混入玄米に可視光を1粒ずつ照射し、透過光と反射光を反射検出部23と透過検出部24により測定する。測定した透過光の大小により籾か玄米かを判定する。さらに、照射した可視光の中で緑色光と赤色光の反射を検出して緑色光と赤色光の比をとる。これにより、未熟米或いは着色米を取り除いて、精度の高い籾混入率を求める。
【0028】
籾混入率は、次のように、近赤外線分光分析法を利用して測定することもできる。
【0029】
まず籾混入率が既知の標準試料に対して近赤外線を照射して吸光スペクトルを計測する。そして、様々な籾混入率について吸光スペクトルを計測する(図6参照)。図6では縦軸に吸光度を示し、横軸に波長を示す。
【0030】
そして近赤外線分光分析装置15に備える図示しない試料セルに非粉砕のまま検査試料を充填する。そして近赤外線を照射し、特定波長の吸光度を計測して図6に示す吸光スペクトルと比較し、吸光スペクトルとのずれから籾混入率を算出する。
【0031】
このように、脱ぷ処理した検査試料の籾混入率を近赤外線分光分析装置15を利用して吸光スペクトルのずれから迅速に知ることができる。
【0032】
なお籾混入率の算出は、近赤外線分光分析法による他の公知手段(例えば、本出願人の特開平5−164691号公報)でもよく、また他の光学的な脱ぷ率センサを使用してもよい。
【0033】
次に、籾混入率が既知の試料を標準試料とし、様々な籾混入率の標準試料に近赤外線を照射する。すなわちランプ16から光を照射してスリット17に通して平面鏡18に入射させ、平面鏡17により反射した光をグレーティング18内に入射する。そして、グレーティング18及びオーダーソーター19から所定の波長の近赤外線を、レンズ21とスリット22を介して標準試料に照射する。
【0034】
そして、標準試料の吸光スペクトルを作成し、他の影響を受けない波長を特定して回帰式により成分値を求める。求めた様々な籾混入率の成分値を純粋玄米成分値で割ることにより図1に示す籾混入率−相対成分値のグラフを作成する。図1は、縦軸に相対成分値を示し、横軸に籾混入率を示す。
【0035】
次に、荷受けした生籾を遠心脱ぷ装置14に送り、脱ぷ処理後の籾混入玄米の一部を検査試料として近赤外線分光分析装置15により籾混入率を検出する。そして、あらかじめ作成した籾混入率−相対成分値のグラフにより(図2参照)、次のように籾が混入していない状態の玄米成分値を推定する。
【0036】
例えば、検査試料の籾混入率が50%のとき図2より補正量は1.8だから、前記(式1)より
Δy=f(50)=1.8
となる。
【0037】
これより籾が混入していない状態の玄米成分値Yは補正式(式3)より、
Y=F(x)/1.8
となり、検査資料の成分値の推定できる。
【0038】
以上のように第1実施例によれば、乾燥前或いは乾燥途中の高水分の生籾を遠心脱ぷ後、そのまま近赤外線分光分析装置15により籾混入率の検出と共に成分分析をすれば直ちに検査試料の成分値を推定できる。
【0039】
このため荷受した生籾を遠心脱ぷ後に、迅速かつ適確に玄米成分値を推定できるので、成分値に応じて生籾を迅速に区分して貯留タンク32…に蓄えることができる。さらに、玄米の成分値だけでなく食味等の玄米の特性値も推定することができる。
【0040】
次に、図5の第2実施例について説明する。
【0041】
第2実施例では、籾が混入していない状態の玄米成分値を100として計算する。図5の縦軸は籾混入玄米成分値で、横軸は籾混入率である。
【0042】
検査試料の籾が混入していない状態の玄米成分値を推定するには、籾混入玄米成分値と籾混入率を検出して図5の籾混入率−成分値のグラフより補正量を算出して以下のようにして成分値を推定する。
【0043】
この実施例では、籾が混入していない状態の玄米成分値Yは、
Y=F(x)+Δy (式5)
で表される。
【0044】
例えば、籾混入率が50%のとき補正量は図5のグラフより
Δy=f(50)=36(%)
となり、成分値の算出式の補正式(式5)より、
Y=F(x)+36(%)
となる。
【0045】
【発明の効果】
以上のように本発明では、近赤外線分析法により籾混入率既知の標準試料について籾混入玄米成分値を求め、
次に、この籾混入玄米成分値と籾混入率との関係を求め、さらに当該籾混入率における籾混入玄米成分値と純粋玄米成分値とから玄米成分値補正量を求め、
次に検査試料を非粉砕のままで、籾混入率と籾混入玄米成分値を測定し、あらかじめ求めた前記玄米成分値補正量により、測定した検査試料の籾混入玄米成分値を補正して、当該検査試料の純粋玄米成分値を推定する。よって、玄米に籾が混入したままの状態で、籾が混入しない状態の玄米の成分値(純粋玄米成分値)を正確に推定でき、従って荷受けした水分の多く含んだ生籾を、乾燥を省略してそのまま脱ぷ処理し籾が多量に混入していても、純粋玄米成分値を直ちに知ることができ、ライスセンタ等における生籾の仕分け能率と仕分け精度の向上を図ることができる。
【0046】
【符号の説明】
S 試料
14 遠心脱ぷ装置
15 近赤外線分光分析装置
【図面の簡単な説明】
【図1】籾混入率に対する蛋白含有率のグラフである。
【図2】籾混入率−相対成分値の補正曲線グラフである。
【図3】共同乾燥システムの構成図である。
【図4】近赤外線分光分析装置内の光の経路を示す概略図である。
【図5】籾混入率−成分値の補正曲線グラフである。
【図6】波長−吸光度を示すした図である。
Claims (1)
- 近赤外線分析法により籾混入率既知の標準試料について籾混入玄米成分値を求め、
次に、この籾混入玄米成分値と籾混入率との関係を求め、さらに当該籾混入率における籾混入玄米成分値と純粋玄米成分値とから玄米成分値補正量を求め、
次に検査試料を非粉砕のままで、籾混入率と籾混入玄米成分値を測定し、あらかじめ求めた前記玄米成分値補正量により、測定した検査試料の籾混入玄米成分値を補正して、当該検査試料の純粋玄米成分値を推定することを特徴とする籾混入状態の玄米の成分値推定方法。
Priority Applications (1)
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JP24204494A JP3550753B2 (ja) | 1994-09-09 | 1994-09-09 | 籾混入状態の玄米の成分値推定方法 |
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JPH0875643A JPH0875643A (ja) | 1996-03-22 |
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CN106442397B (zh) * | 2016-09-05 | 2019-03-19 | 中国科学院合肥物质科学研究院 | 一种基于光谱比例扣除的稻谷近红外光谱模型优化方法 |
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- 1994-09-09 JP JP24204494A patent/JP3550753B2/ja not_active Expired - Fee Related
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