JPH08114543A - 茶葉品質評価方法 - Google Patents

茶葉品質評価方法

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JPH08114543A
JPH08114543A JP25108594A JP25108594A JPH08114543A JP H08114543 A JPH08114543 A JP H08114543A JP 25108594 A JP25108594 A JP 25108594A JP 25108594 A JP25108594 A JP 25108594A JP H08114543 A JPH08114543 A JP H08114543A
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JP
Japan
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quality evaluation
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tea
tea leaves
free amino
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JP25108594A
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English (en)
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Jiro Warashina
二郎 藁科
Hideaki Masuda
英昭 増田
Yuki Ozeki
由紀 大関
Tomoko Senba
智子 千羽
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Shizuoka Seiki Co Ltd
Original Assignee
Shizuoka Seiki Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 客観性・再現性のある茶葉の品質評価方法を
近赤外線分光分析法を用いて提供するにあたって、品質
評価の目的、茶葉の種類や状態等にかかわらず、前処理
の負担なく短時間で簡便にサンプリングエラーのない高
精度の品質評価をすることができ、さらに測定装置のメ
インテナンスをも軽減した茶葉の品質評価方法を提供す
る。 【構成】 茶葉の含有成分を近赤外線分光分析法により
測定する茶葉品質評価方法において、遊離アミノ酸の含
有率と中性デタージェント繊維の含有率とを求める成分
分析行程と、予め設定した式に該含有率を代入するデー
タ処理行程と、代入の結果得られた値を品質評価値とす
る品質評価行程とを有する。 【効果】 品質評価の目的、茶葉の種類や状態等にかか
わらず、前処理の負担なく短時間で簡便にサンプリング
エラーのない高精度の品質評価をすることができ、さら
に測定装置のメインテナンスをも軽減することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、茶葉の含有成分等を近
赤外線分光分析法により測定し、茶葉の品質を評価する
方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び背景となる技術】茶葉の品質評価は、
従来官能審査法により行われており、近年になって、科
学的成分分析法、近赤外線分光分析法等を応用する研究
が進められてきた。
【0003】官能審査法は、人間の五感に頼る評価法で
あるため、迅速である反面、一般に審査技術の習得に時
間がかかり、また、相対評価であるため客観性が低く、
再現性が低いという欠点があった。例えば特開昭62−
79733号公報に開示されている評価法は官能審査法
の一例であり、茶の表面色から品質を評価する方法とし
て、熟練者なら経験により、そうでないものは色度図等
を用いて評価する旨記されている。
【0004】科学的成分分析法は、色差計、分光光度
計、ガスクロマトグラフィー、液体クロマトグラフィー
等の検査装置を必要とし、正確に成分分析ができる反
面、検査装置が一般に高価であり、一定以上の操作技能
を必要とし、更に結果を得るまでに膨大な時間を要する
という欠点があるため、茶葉の簡便な成分分析法として
はいまだ実用に至っていないのが現状である。
【0005】近赤外線分光分析法の茶葉への応用につい
ては、後藤正著、静岡県経済農業協同組合連合会発行の
「品質評価の係数化技術」及び後藤正著、平成6年2月
静岡県茶業試験場発行の「近赤外法の茶への利用」に詳
述されている。
【0006】近赤外線分光分析法は、試料に近赤外線を
照射して得られる吸光度が、試料に含まれる成分により
特有の吸光度曲線を呈し、試料固有の曲線を示すことに
より成分分析を行う方法であり、狭帯域波長部分におい
て試料から得られる値と基準値との比較により試料に含
まれる成分値を求めたり、吸光度曲線の2次微分値を比
較することにより成分値を求めたりする方法である。
【0007】また、近赤外線分光分析法により得られる
茶葉の成分としては、全窒素(アミノ酸、アミド、蛋白
質、カフェイン、核酸に由来する窒素の総量)、遊離ア
ミノ酸、繊維、カテキン類、カフェイン、テアニン、ビ
タミンC、水分等をあげることができ、通常試料中に
0.1%以上含有されている成分が測定の対象となる。
【0008】茶の化学成分のうち特に品質に関係が深い
ものは、全窒素、遊離アミノ酸繊維、カフェイン等であ
るとされ、これらを測定することにより茶の品質との相
関が研究されている。
【0009】茶葉の品質評価への近赤外線分光分析法の
利用の態様としては、荒茶や仕上げ茶の品質評価、生葉
の格付け、製茶機械の操作条件の決定、生葉品質の均一
化等が考えられている。
【0010】このような近赤外線分光分析法の茶葉への
応用例として例えば特開平3−179239号公報に
は、茶生葉を水分20%以下に乾燥して粉砕し、近赤外
線分光分析法により含有成分等を測定する品質評価法が
開示されているが、この方法によると、乾燥作業の前後
にわたる重量を測定するための作業もしくは茶生葉の状
態に応じて乾燥時間を設定する作業等の含水率の管理
や、粉砕して粒度をそろえる作業等に測定者が時間を取
られ、実際に近赤外線分光分析法を用いるまでの前処理
に多大な時間を必要とする。また、茶葉を粉砕して試料
とするため、測定のために充填するセルの内面の汚れが
ひどく、測定後のメインテナンスにもまた時間を取られ
てしまう。さらに、茶生葉の測定法であるため、荒茶、
仕上げ茶等の品質評価には向いていないため、製造また
は流通の過程で簡便に品質評価をするには不適当であ
る。
【0011】
【発明が解決しようとしている課題】本発明は、上記従
来技術の問題点を解決し、更に背景となっている技術を
改良してその問題点をなくし、簡便な茶葉の品質評価方
法を提供することを目的としている。
【0012】具体的には、客観性・再現性のある茶葉の
品質評価方法を近赤外線分光分析法を用いて提供するに
あたって、品質評価の目的、茶葉の種類や状態等にかか
わらず、前処理の負担なく短時間で簡便にサンプリング
エラーのない高精度の品質評価をすることができ、さら
に測定装置のメインテナンスをも軽減した茶葉の品質評
価方法を提供することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
めの第一の手段は、茶葉の含有成分を近赤外線分光分析
法により測定する茶葉品質評価方法において、少なくと
も遊離アミノ酸の含有率と中性デタージェント繊維の含
有率とを求める成分分析行程と、予め設定した式に該含
有率を代入するデータ処理行程と、代入の結果得られた
値を品質評価値とする品質評価行程とを有する茶葉品質
評価方法である。
【0014】また第2の手段は、茶葉の含有成分中、遊
離アミノ酸の含有率(FAA)と中性デタージェント繊
維の含有率(NDF)とを近赤外線分光分析法により測
定し、それらの比(FAA/NDF)の2次多項式によ
り品質評価値を算出する茶葉品質評価方法である。
【0015】
【作用および効果】茶葉の品質評価において上述のよう
な手段をとるので、客観性・再現性のある茶葉の品質評
価法を提供するにあたり、品質評価の目的、茶葉の種類
や状態等にかかわらず、前処理の負担なく短時間で簡便
にサンプリングエラーのない高精度の品質評価をするこ
とができ、さらに測定装置のメインテナンスをも軽減し
た茶葉の品質評価方法を提供することができる。
【0016】
【発明の好適な実施態様】本発明の茶葉の品質評価方法
の流れをフローチャートに示す。
【0017】
【表1】
【0018】本発明において試料として用いられる茶葉
は、茶葉であれば特に制限なく試料とすることができ、
具体的には、生葉、荒茶、仕上げ茶のいずれをも試料と
することができ、その品質を評価することができる。
【0019】本発明の前処理行程においては、試料とす
る茶葉に対して前処理を施さなくても良いが、前処理を
施す場合には、乾燥、切断等を行うことができ、特に試
料が生葉の場合には、このうちのいずれか一方または両
方を含む前処理を行うことができる。
【0020】生葉に対する前処理として切断をする場
合、茶葉を2分の1〜4分の1程度に切断して用いるこ
とができる。このように試料に対する前処理を切断によ
って行うことにより、従来の粉砕による場合と比べて作
業時間を大幅に短縮でき、また測定用のセルがほとんど
汚れないので測定後のメインテナンスも軽減される。ま
た、茶葉をそのまま用いる場合と比較すると、一定容積
のセル内により多量の茶葉を詰めることができるので、
サンプリングエラーを減少することができる。
【0021】一方、生葉に対する前処理として乾燥を行
う場合、一定時間(例えば1分)の乾燥をすべての試料
に対して一律に行ってよい。このように乾燥時間を一定
かつ短時間にすることにより、従来の含水率を管理する
乾燥法に比較して極めて短時間で乾燥を終えることがで
き、さらにタイマー等の簡便な装置を用いて自動的に乾
燥作業を進めることができる。また、乾燥しない場合と
比較すると、近赤外線分光分析法の特性から、測定誤差
が少なくなり、より高精度の測定をすることができる。
【0022】本発明の成分分析行程では、既知の近赤外
分析装置を用いることができるが、少なくとも、遊離ア
ミノ酸含有率(FAA)及び中性デタージェント繊維含
有率(NDF)を測定(または測定結果から算出)でき
るものであることが必要である。
【0023】このように、近赤外線分光分析法によって
得られる測定値のうち2種の値を用いて品質評価をする
ので、容易に品質評価値を算出できる一方で精度の高い
評価をすることができる。
【0024】茶葉に含まれ、成分分析によって遊離アミ
ノ酸として測定されるものとしては例えばテアニン、ア
ルギニン、グルタミン酸、グルタミン、アスパラギン酸
等があるが、上記遊離アミノ酸含有率の測定では、これ
らの遊離アミノ酸のうちのひとつの含有率、いずれか2
以上の含有率の和もしくは全遊離アミノ酸の含有率のい
ずれかをその測定値(FAA)とすることができる。当
然ながらこの選択は、一連の品質評価の作業を通して変
わってはならない。
【0025】本発明のデータ処理行程においては、デー
タ処理を作業者が行うこともできるが、予め処理内容を
コンピュータ等の演算装置に記憶させておき、これに成
分分析の結果を入力してデータ処理を行わせてもよい。
また、このような演算装置を近赤外分析装置内に一体的
に組み込むこともできる。
【0026】(数式2) y=(ax+b)n (但しyは品質評価値。a、b、nはそれぞれ適当な定
数。x=FAA/NDF)
【0027】データ処理行程において、予め設定する式
として上記の数式2を用いるが、この式のa、b、n
は、品質評価の目的に応じて適宜決定することができ
る。品質評価の目的としては、例えば生葉の等級格付け
の決定、荒茶の取り引き価格の設定、仕上げ茶の官能審
査点の予測のための指標とすること等をあげることがで
きるが、これらに限らず、数値化することができる茶葉
の品質であれば、その評価をすることができ、いずれの
場合にもa、b、nの値を適当な定数に決定することが
できる。
【0028】決定の方法としては、経験的に妥当な値に
決定する方法、回帰分析により決定する方法、理論値を
代入する方法、その他の方法を用いることができる。
【0029】数式2を計算しyの値を求めることにより
それを品質評価値とするが、この品質評価値は、上記の
品質評価の各目的に応じて算出されるので、そのまま目
的とする評価に関する指標とすることができる。
【0030】
【実施例1】以下、各行程ごとに具体的に第1の実施例
を詳述する。 1.前処理行程 本実施例では、取り引き価格の異なる4種類の荒茶をそ
れぞれ試料として用い、特に前処理を行わずに成分分析
用の試料とした。 2.成分分析行程 成分分析計としては、静岡製機(株)の茶成分分析計D
ICKEY−john(登録商標)GT−8型を用い
た。測定はマニュアルに従い、セル内に茶葉を詰めて上
面を平らにし、セルを成分分析計本体内にセットし、サ
ンプルドロワーを閉じ、通常の成分分析を行った。 3.データ処理行程 分析結果のうち、乾物基準の全遊離アミノ酸含有率(F
AA)、乾物基準の中性デタージェント繊維の含有率
(NDF)から、x=FAA/NDFを求め、このxの
値を数式2に代入してyの値を求めた。 4.品質評価行程 yの値をそのまま、試料とした荒茶の品質評価値とし
た。以上の行程を4種類の荒茶に対して同様にそれぞれ
行った。
【0031】ここで数式2におけるa、b、nの値を予
め決定しておく必要があるが、本実施例では、取り引き
価格が分かっているいくつかの荒茶について、予め同様
の測定を行うことにより決定した。
【0032】具体的には、yの正のn乗根がaの1次関
数になることから、データ処理行程において得られたx
と取り引き価格の正のn乗根(本実施例では、特にn=
2と定めたので平方根となる)との組から回帰式を求
め、a、bの値とした。このようにして得られたa、b
の値は、a=240、b=25であった。
【0033】以上のような方法により予めa、b、nの
値を決定しておいたので、本実施例によって得られた品
質評価値は、測定にかかる各試料(荒茶)の妥当な取り
引き価格を知る指標となる。
【0034】本実施例において試料とした4種の荒茶の
FAA、NDF、品質評価値、各試料と同等の品質であ
るとされる荒茶の実際の取り引き価格の関係はそれぞれ
下表のようになった。
【0035】
【表2】
【0036】表2から分かるように、本実施例によって
得られた品質評価値は、そのまま試料とした荒茶の取り
引き価格を判断する指標として用いることができる。
【0037】
【実施例2】本実施例では、茶生葉を測定の試料とし
た。 1.前処理行程 摘採した茶生葉から適当量をサンプリングし、電子レン
ジで乾燥した。電子レンジは、定格出力1.6KWの市
販のものを用い、乾燥時間を1分間とした。乾燥の後、
茶葉をそれぞれ2分の1程度の大きさに切断し、成分分
析計用の試料とした。以下、2.3.4.の各行程を実
施例1と同様に行い、各試料の品質評価値を求めた。但
し、本実施例では、数式2におけるa、b、nの値を実
施例1とは独立に、生葉の等級その他のデータにより適
当な値に設定したことにより、生葉の等級格付けを反映
した指標としての品質評価値を求めることができた。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 茶葉の含有成分を近赤外線分光分析法に
    より測定する茶葉品質評価方法において、少なくとも遊
    離アミノ酸の含有率と中性デタージェント繊維の含有率
    とを求める成分分析行程と、予め設定した式に該含有率
    を代入するデータ処理行程と、代入の結果得られた値を
    品質評価値とする品質評価行程とを有する茶葉品質評価
    方法。
  2. 【請求項2】 前記予め設定した式が、 (数式1) y=(ax+b)n (但しyは品質評価値。a、b、nはそれぞれ適当な定
    数。x=(遊離アミノ酸の含有率)/(中性デタージェ
    ント繊維の含有率))である請求項1の茶葉品質評価方
    法。
  3. 【請求項3】 前記xが前記中性デタージェント繊維の
    含有率に対する前記遊離アミノ酸の含有率である請求項
    2記載の茶葉品質評価方法。
  4. 【請求項4】 茶生葉を切断する前処理行程を有する請
    求項2記載の茶葉品質評価方法。
  5. 【請求項5】 茶生葉を予め設定した時間電子レンジで
    乾燥する前処理行程を有する請求項2記載の茶葉品質評
    価方法。
  6. 【請求項6】 茶葉の含有成分中、遊離アミノ酸の含有
    率(FAA)と中性デタージェント繊維の含有率(ND
    F)とを近赤外線分光分析法により測定し、それらの比
    (FAA/NDF)の2次多項式により品質評価値を算
    出する茶葉品質評価方法。
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