JP3550558B2 - 自動変速機の制御装置,方法,システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車のエンジンの駆動力を自動変速機で変換し車軸に伝達する動力伝達機構に係わる自動車用の自動変速機の制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
エンジンの回転速度を自動変速機で変速し車輪に伝達するシステムを備える自動車では、変速にかかる時間を最適に制御するため、摩擦部材に与える作用力を運転状態に応じて制御している。それは、摩擦部材に与える作用力が高いと変速時に乗員に不快な変速ショックが大きくなりまた、作用力が低いと変速時間が掛かりすぎて摩擦部材の寿命を短くしさらに変速の間延び感がやはり乗員に不快感を与えてしまうためである。
【0003】
上記に関する技術としては従来、スロットル開度や車速などに応じて、変速に関わるクラッチあるいはブレーキの摩擦部材への作用力を経験的または実験的に決めて制御していた。また、特公平4−72099号公報に記載のように、エンジン回転数とエンジントルクで作用圧を経験的または実験的に決めていた。また、特開平7−139619 号公報の記載では、変速中の回転角加速度から慣性モーメント分の制御油圧と入力トルク分の制御油圧を求め、それらの和からクラッチの実制御油圧を求めていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のようにエンジン負荷で作用圧を決める場合には、例えばエコノミィモードやパワーモード等の運転状態毎に作用圧のテーブルを作成する必要があり多大な工数を要していた。また、エンジン回転数とエンジントルクで作用圧を決める方法では、トルクコンバータでの入力回転のずれやトルク増幅によるトルクのずれが発生する。さらにこのずれは、道路勾配や車重の変動に伴って変化するため、安定した変速時間は得られないという問題がある。また、上記理由のため、エンジン回転数とエンジントルクの比例係数は各変速毎に実験的に決めなければならず、マッチングに工数を要していた。また、特開平7−139619 号公報の記載のように、クラッチ油圧の設定を慣性分と入力トルク分に分けて求めるとマッチング工数の増加や処理の増加を招いてしまう。
【0005】
したがって、本発明の目的とするところは、乗員への不快感の少ない変速を実現するために、精度よく所定の変速時間が得られるよう摩擦部材の作用圧を制御する方法を提供し、かつその制御定数を容易に決定することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的は、摩擦部材の締結や開放により変速を行う自動変速機の制御装置であって、変速時間の目標値である目標変速時間、前記自動変速機に入力される入力回転速度、および入力トルクに応じて前記摩擦部材の伝達トルクを求める伝達トルク演算手段と、前記伝達トルク演算手段により求められた伝達トルクに応じて前記エンジンの出力トルク低減量を演算するトルク低減量演算手段と、前記トルク低減量演算手段により求められたトルク低減量に基づいてエンジンのトルクを低減するエンジントルク低減手段とを有し、前記伝達トルク演算手段は変速開始近傍で演算されることにより達成される。
【0007】
また、前記トルクダウン手段は前記伝達トルクが前記目標トルクより小さい場合はエンジンの出力トルクの低減を行わないようにし、前記作用力は油圧または、電磁力とすればよい。
【0008】
前記伝達トルク決定手段は、変速前後の変速比と変速に伴う回転変化部材の慣性モーメントと前記目標変速時間に係わる係数に、前記入力回転速度を掛けて前記入力トルクと和をとった値に変速種類で決定される所定値を掛けて求められる。
【0009】
前記目標トルク決定手段は、出力トルクから目標トルクが設定される。
【0010】
さらに、前記伝達トルクは変速開始直前での前記摩擦部材へ入力される回転速度と入力トルクで計算され、変速開始直前とは変速指令が出てから、前記摩擦部材が締結あるいは解放が開始されるまでの間か、変速指令が出てから、所定時間後である。
【0011】
そして、変速中に前記エンジンの負荷が所定値以上変化した場合は、エンジン負荷に応じて前記摩擦部材への作用力を制御すればよい。
【0012】
また、前記伝達トルクの所定範囲毎に、実際の制御時間と目標制御時間の差を記憶する手段を設け、該記憶に基づき前記摩擦部材への作用力を補正してもよい。
【0013】
その他として、前記摩擦部材に入力される、回転速度と入力トルクの積で前記摩擦部材への作用力を制御してもよい。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面を用いて詳細に説明する。
【0015】
図1は本発明の一実施例を示すシステム構成図である。1はエンジン、2は自動変速機(以下、ATという。)、3はプロペラシャフト、4は差動装置、5は駆動輪、6aはATの油圧回路、6bは摩擦要素を締結するため油圧回路6aに供給される作用圧を作るポンプ、7はATのコントロールユニット(以下、ATCUという。)、8はエンジンのコントロールユニット(以下、ECUという。)であり、ATCU7とECU8は相互に信号のやりとりができるよう、通信回線でつながっている。9はエアークリーナ、10はエアーフローセンサ、11はスロットル制御器、12は吸入マニホールド、13はインジェクタ(本例では一例として、4気筒エンジンを取り上げたために4本)である。ATの内部にトルクコンバータ14とギヤトレイン15が分かれて存在しており、自動変速機への入力回転である入力軸回転数センサ17aと出力軸回転数センサ17bも付設されている。ECU8はクランク角センサ21,エアーフローセンサ10,スロットルセンサ18などの入力信号を受取り、エンジン回転数Neなどを演算する。そして、インジェクタ13に開弁駆動信号を出力し燃料量を制御する。また、アイドルスピードコントロールバルブ19(以下、ISCバルブという。)に開弁駆動信号を出力し補正空気量を制御する。図示していないが、点火プラグに点火信号を出力し点火時期などを制御する。
【0016】
一方、ATCU7は入力軸回転数センサ17aよりタービン回転数Nt,出力軸回転センサ17bより出力回転数No,AT油温センサ22よりATF温度 Tafなどの入力演算と、ECU8から貰うエンジン回転数Ne,スロットル開度TVOなどの車両状態情報から諸演算を実行する。そして、最適なギヤを選択し、油圧回路6aの切り換え電磁弁20aに開弁駆動信号をまた、ポンプ6bからの油圧を、摩擦要素に作用させるライン圧PLに制御する制御ソレノイド20bに制御信号を出力する。
【0017】
次に、図2によりAT2のギヤ構成を説明する。本図は最も基本的な前進1〜4速を実現するギヤ構成で、後退やエンジンブレーキ用のクラッチは省略してある。構成要素は、2個の遊星ギヤと4個の摩擦部材である。接続としてはAT2の入力軸にはハイクラッチ23とリヤ側サンギヤ24が接続され、ハイクラッチ23の逆側はフロントピニオンギヤ25とローワンウェイクラッチ26とフォワードワンウェイクラッチ27が接続される。ローワンウェイクラッチ26はハイクラッチ側から正転(入力回転と同一方向)トルクが発生すると締結状態となり結果的に回転停止状態となる。また、フォワードワンウェイクラッチ27の逆側はリヤインターナルギヤ28に接続されている。フロントサンギヤ33はブレーキドラム29に接続されブレーキドラム29はバンドブレーキ30の締結により回転停止状態になる。また、フロントインターナルギヤ31はリヤピニオンギヤ32と出力軸に接続されている。
【0018】
各摩擦部材とギヤ位置は表1に示す締結状態である。これらの状態はATCU7の指令を受けて電磁弁20が油圧回路6を切り換えることで実現される。
【0019】
【表1】
【0020】
次に、変速に伴うエネルギの授受について説明する。
【0021】
周知のように回転要素がその速度を変化させる場合回転慣性分のエネルギとエンジン8から入力されるエネルギの和を消費する必要があり、この消費に要する時間が変速時間となる。ここで、回転慣性分のエネルギWiは回転部材の慣性モーメントをJi,変速前の角速度をωi1,変速後の角速度をωi2とすると
Wi=Σ(1/2・(ωi1−ωi2)2・Ji) …(1)
である。ここで各回転体の角速度は入力回転速度すなわちタービンの変速前角速度ωtに比例し、また変速前後の角速度は変速のギヤ比に比例するので、
Wi=k1・ωt2 …(2)
となる。k1はギヤ比と慣性モーメントにより決まる定数である。
【0022】
エンジン8から入力されるエネルギWeについては、タービントルクをTt,変速時間をtc,変速後のタービン角速度をωteとすると、
We=1/2・(ωt−ωte)・Tt・tc …(3)
である。(1)式同様変速前後のタービン角速度は変速のギヤ比に比例するので、
We=k2・ωt・Tt・tc …(4)
となる。k2はギヤ比により決まる定数である。
【0023】
次に、1速から2速へのシフトアップ時を例にエネルギの消費について説明する。1速から2速への変速では摩擦部材は、バンドブレーキ30が締結され、ローワンウェイクラッチ26が解放される動作となる。実際はバンドブレーキ30を締結すればローワンウェイクラッチ26は自動的に解放されるので、ブレーキドラム29を停止させることが変速することになる。すなわち、このバンドブレーキ30部で変速に伴う余剰エネルギが消費されることになる。この消費エネルギWdは伝達トルクをTdとすると、
wd=k3・Td・ωt・tc …(5)
となる。k3は変速の種類により決定される定数である。
【0024】
これが(2)式と(4)式の和と等しいから、エネルギの収支は、
k3・Td・ωt・tc
=k1・ωt2+k2・ωt・Tt・tc …(6)
となり、Tdについて整理すると、式(7)が得られる。
【0025】
Td=kω/tc・ωt+kt・Tt …(7)
kω,ktはk1,k2,k3により定まる定数である。
【0026】
伝達トルクTdは、図7に示すようにバンドブレーキ30に作用する作用力 Pdとバンドブレーキ30の摩擦係数μ及び半径rにより決定される。通常自動車用ATに使われるバンドブレーキでは図3のような摩擦係数の特性が使われておりほぼ定数と考えられる。この場合の伝達トルクTdは作用力Pdに比例することが知られている。
【0027】
Td=k4・Pd …(8)
また、バンドブレーキ30には締結時は作用油圧にライン圧PLに比例したサーボ圧Paが供給され、解放油圧はドレーンされる。解放時は逆に作用油圧がドレーンされ、解放油圧にライン圧PLに比例したサーボ解放圧Poが供給される。図7からわかるように締結時は、制御力Pdとライン圧PLの関係は、式(9)で与えられる。
【0028】
Pd=ks・PL−kb …(9)
ksはライン圧の作用面積と油圧回路により決まる定数で、kbはバネ等による反力成分である。kbは伸びの長さに比例するものの作用時の伸びは無視できるほど小さいので定数と考えて差し支えない。
【0029】
したがって、(8)(9)式より
PL=kp・Td+Km …(10)
が得られ、(7)式により求めたTdからライン圧を決めれば、変速時間を所定値tcに制御できる。kp,kmはks,kb,k4より決定される定数で、いずれも摩擦要素の基本設計値から容易に算出されるので、ほとんどマッチングを要さずに制御定数を決めることができ、これまでのようなマッチングに多大な工数が必要なくなる。当然ではあるが他の変速にも容易に展開できる。
【0030】
また、バンドブレーキ30の摩擦係数μを滑り速度に対し一定としたが図3からも判るように滑り速度が小さいところで大きくなる傾向がある。そのため、タービン角速度が小さい領域では作用圧を小さくなるよう補正すればよい。
【0031】
タービントルクTtは図4の示す演算推定で求めることができる。この演算はエンジン回転数の計測など各入力処理を含めて、例えは10ms毎のように所定時間毎に繰り返し演算される。以下その方法を記す。
【0032】
ブロック40で、タービン回転数Ntをエンジン回転数Neで割り、トルクコンバータ14のスリップ比eを求める。
【0033】
e=Nt/Ne …(11)
ブロック41及び42では、予め記憶させておいたトルクコンバータ14のトルク比t特性及びポンプ容量係数τ特性よりトルク比tとポンプ容量係数τを求める。ブロック43ではエンジン回転数Neの2乗を求め、ステップ44では
(12)式のように先に求めたトルク比tとポンプ容量係数τと乗算し、タービントルクTtを求める。
【0034】
Tt=t・τ・Ne2 …(12)
ステップ46では、ステップ45で現在のギヤ比を求めタービントルクTtと乗算し、出力軸トルクToを求める。
【0035】
タービントルクTtのその他の推定方法としては、図5に示すようにブロック47でスロットル開度TVOとエンジン回転数Neと予め記憶させておいたエンジントルク特性マップより、エンジントルクTeを求めて推定する方法がある。本方法では、ポンプ容量係数τの代わりにエンジントルクTeを使用するので、変速などに伴う回転変化の慣性モーメントを考慮する必要がある。そのためブロック48で、前回測定値であるNe_1と差をとり、エンジン回転数変化量 ΔNeを求め、ブロック49でエンジンの慣性モーメントJeと掛けて、その値をブロック50でエンジントルクTeに加え、慣性トルクTe′とし、ブロック51でトルク比tと慣性トルクTe′の積からタービントルクTtを求めることになる。
【0036】
また、以上のような方法以外にエンジントルクTeを求める方法としては、エンジン吸入空気量Qaとエンジン回転数Neの関係、あるいは、インジェクタパルス幅Tiとエンジン回転数Neの入力情報からもほぼ同様にエンジントルク Teを求めることができるが、ここでは省略する。
【0037】
上記のように求めたタービントルクTtとタービン回転数Ntをタービン角速度ωtに単位換算したものを(7)及び(10)式に代入すればライン圧PLを求めることができる。
【0038】
次に、実際の制御を図8のタイムチャートと図9のフローチャートをもとに ATCU7の制御パターンを説明する。
【0039】
図8はアップシフト時の例である。t1時において変速指令がでた場合、所定時間後のt2あるいは、エンジン回転が低下し始めるt3の点において図9のフローに示す演算を行う。すなわち、ステップ60でタービン回転速度ωtと図4のブロックによりタービントルクTtと出力軸トルクToを求める。ステップ 61では、所定の変速時間tcとωtとタービントルクTtから(7)式を用いて仮定伝達トルクTdを求める。次にステップ62でTdとToの差を求め、 ΔTとする。ステップ63ではΔTの正負を判定し、負ならばステップ64で ΔTを0とする。このように、ToをTdの上限値とすることで変速中のトルクが変速前のトルクと同じかあるいは小さく設定されるので、変速ショックを抑えることができる。ステップ65ではΔTに基づいてトルクダウン制御量である Tedを求める。Tedは例えば、エンジンの点火時期を遅らせるリタード量や燃料供給の部分的カットや電子制御されたスロットルの場合は空気量を制限するなど種々考えられる。ステップ66では、トルクダウン量を考慮して再度(7)式より実制御伝達トルクTdsを求める。ステップ67ではTdsの正負を判定し、負ならばステップ68でTdsを0とし、ステップ69で(10)式によりライン圧PLを計算する。ステップ67の判定は、足放しアップシフトなどでタービントルクが負になった場合にPLがkm以下になることを防ぐためである。km値はバネの反力によって決まった値であり、ライン圧は少なくともkm以上の値がないと変速できないためである。
【0040】
求めたPL及びTedはt2あるいはt3を基にしたタイミングで制御値として出力する。
【0041】
以上の方法により実験を行った結果を図6に示す。図6は横軸が実制御伝達トルクTdsで縦軸がライン圧PLを表わしている。図中の実線は本発明で求まる理論ライン圧である。また、○及び●は各運転状態でライン圧を種々変化させた時、変速時間が約350msとなったものを○で、400msとなったものを●でプロットしたものである。明らかに実制御伝達トルクTdsでライン圧PLを決めれば変速時間を一定に制御できることが解る。また、Tdsが小さい領域 (足放し)では同じ変速時間を得るのに実線より小さいライン圧PLとなっているがこれは前述したようにバンドの摩擦係数μの特性による。そのためこの領域では摩擦係数μの特性を考慮した補正が必要となる。
【0042】
これまで述べた、内容は変速中にエンジン負荷が一定であることを仮定している。これはエンジンおよび車体自体に慣性があること、変速時間が1秒以下と非常に短いことを考えると妥当である。しかし、実際の運転状態では例えば変速中にスロットルが大きく変動した場合などで入力状態が変化する場合がある。そこで、変速中にスロットルが所定値より大きく変化した場合や、ブレーキが踏まれた場合などでは、スロットル開度等で予め決めた作用圧に切り換えるよう構成することで特殊な場合でも異常動作を防ぐことができる。
【0043】
本実施例では、変速時間を厳密に求めているが、実際のATでは油圧系の機差や経時劣化等により制御値に対する変速時間にずれが発生してしまう。そのため実変速時間tcr(図8のt4−t3)とtcの差を記憶しておき、ライン圧 PLを補正すれば、より精度良く制御可能となる。
【0044】
以下ライン圧の制御にデューティソレノイドを使用している場合を例に、補正方法の一例を示す。
【0045】
デューティソレノイドによる制御はライン圧PLに対する出力デューティ比 DPLをテーブルとして記憶し求める。したがって、(13)式に示すような学習補正値SDPLを求めればよい。
【0046】
DPL=tbl(PL)+SDPL(i) …(13)
ここで、tblはライン圧−デューティ比変換テーブルを示し、学習補正値 SDPLに(i)が付いているのは、実制御伝達トルクTdsの領域毎に学習補正値があることを示している。
【0047】
具体的な学習値決定のロジックを図10のフローチャートを使って説明する。
ステップ70で実変速時間tcrと制御変速時間tcの差が所定値以上離れているか判定し、小さい場合は何もせずリターンする。大きい場合はステップ71でTdsの領域を判定し領域番号iを決定する。ステップ72とステップ73では実変速時間tcrを用いて実予測ライン圧PL′を求める。この計算時には、ずれの生じた変速で用いられたタービン回転速度ωt,タービントルクTt,トルクダウン値ΔTを用いる。ステップ74ではライン圧−デューティ比変換テーブルと現状の学習補正値SDPL(i)より実予測デューティ比DPL′を求める。ステップ75では制御に用いられたデューティ比DPLからステップ74で求めた実予測デューティ比DPL′の差を求め所定のゲインkgを掛けて補正量を求め、現在の学習補正値SDPL(i)に足して新しい学習補正値SDPL(i)とする。ゲインkgは1以下とし、制御の安定性を考慮して決定する。
【0048】
【発明の効果】
本発明により、タービン角速度とタービントルクから変速に関わる摩擦部材の作用圧とトルクの低減量が現実的な範囲で決定されるので、変速ショックを抑えると共に変速時間を所定時間に制御できる。また、制御の定数は摩擦部材の基本設計値より求められるので、制御を設計する際のマッチング工数が低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による一実施例のシステム構成図である。
【図2】本発明による一実施例のAT構成図である。
【図3】バンドブレーキの摩擦係数μ−滑り速度V特性図である。
【図4】タービントルク推定ブロック図である。
【図5】他の方法によるタービントルク推定ブロック図である。
【図6】本発明の実験結果を説明する図である。
【図7】バンドブレーキの構造図である。
【図8】本発明の制御タイムチャートである。
【図9】本発明の制御フローチャートである。
【図10】本発明の学習制御フローチャートである。
【符号の説明】
1…エンジン、2…自動変速機、6…油圧回路、7…ATCU、15…ギヤトレイン、17a…入力軸回転数センサ、18…スロットルセンサ、23…ハイクラッチ、26…ローワンウェイクラッチ、27…フォワードワンウェイクラッチ、29…ブレーキドラム、30…バンドブレーキ。
Claims (8)
- 摩擦部材の締結や開放により変速を行う自動変速機の制御装置であって、
変速時間の目標値である目標変速時間、前記自動変速機に入力される入力回転速度、および入力トルクに応じて前記摩擦部材の伝達トルクを求める伝達トルク演算手段と、
前記伝達トルク演算手段により求められた伝達トルクに応じて前記エンジンの出力トルク低減量を演算するトルク低減量演算手段と、
前記トルク低減量演算手段により求められたトルク低減量に基づいてエンジンのトルクを低減するエンジントルク低減手段とを有し、
前記伝達トルク演算手段は変速開始近傍で演算される自動変速機の制御装置。 - 請求項1記載の自動変速機の制御装置であって、
変速開始近傍とは、変速判定されてから所定時間後または変速開始時点である自動変速機の制御装置。 - 請求項1記載の自動変速機の制御装置であって、
前記伝達トルク演算手段は、少なくとも変速前後のギヤ比及び回転部材の慣性モーメント,目標変速時間に応じて演算される自動変速機の制御装置。 - 請求項1記載の自動変速機の制御装置であって、
前記変速中にエンジン負荷が所定値以上変化した場合は、前記伝達トルクの代わりにエンジン負荷をパラメータとして前記摩擦部材の作用力を制御する自動変速機の制御装置。 - 請求項1記載の自動変速機の制御装置であって、
実際の変速時間と目標変速時間との差に基づき、前記摩擦部材への作用力を補正する手段を有する自動変速機の制御装置。 - 制御装置からの変速指令に基づいて摩擦部材の締結や開放が行われる自動変速機の制御方法であって、
アップシフトの変速指令が出た後エンジン回転数が低下し始める時点までの間に、変速時間の目標値である目標変速時間、前記自動変速機に入力される入力回転速度、および入力トルクに応じて前記摩擦部材の伝達トルクを求め、
この求められた伝達トルクに応じて前記摩擦部材の締結や開放の作用力を制御する自動変速機の制御方法。 - 摩擦部材を備え、前記摩擦部材の締結や開放によって変速を行う自動変速機と、
前記摩擦部材の締結や開放の作用力を制御する制御装置と、を有し、
前記制御装置は、アップシフトの変速指令を出力した後エンジン回転数が低下し始める時点までの間に、変速時間の目標値である目標変速時間、前記自動変速機に入力される入力回転速度、および入力トルクに応じて前記摩擦部材の伝達トルクを演算して、この求められた伝達トルクに応じて前記摩擦部材の締結や開放の作用力を制御する自動変速機の制御システム。 - エンジンの出力トルクを変換して車輪に駆動力を伝達する自動変速機であり、且つ、制御装置からの変速指令に基づいて摩擦部材の締結や開放が行われる自動変速機の制御方法であって、
制御装置からアップシフトの変速指令が出力された後エンジン回転数が低下し始める時点までの間に、変速時間の目標値である目標変速時間、前記自動変速機に入力される入力回転速度、および入力トルクに応じて前記摩擦部材の伝達トルクを求め、
この求められた伝達トルクに応じて前記摩擦部材の締結や開放の作用力を制御すると共に、前記伝達トルクに応じて前記エンジンの出力トルクを低減する自動変速機の制御方法。
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