JP3550544B2 - 腐食及び応力腐食割れを減少するために金属酸化物表面に加える金属の量を制御する温度に基づく方法 - Google Patents

腐食及び応力腐食割れを減少するために金属酸化物表面に加える金属の量を制御する温度に基づく方法 Download PDF

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Description

【0001】
(発明の分野)
本発明は一般に高温水に曝露される部品の腐食の可能性を低下することに関する。さらに具体的には、本発明は沸騰水反応器およびその部品に被着する貴金属の量を制御して、部品表面に金属種の選ばれたローディングを提供することに関する。
【0002】
(発明の背景)
原子炉は中央ステーション電力発生、研究および推進に使用される。原子炉圧力容器は炉心から熱を除去するための原子炉冷却剤、すなわち水を含む。それぞれの配管が熱水および蒸気を蒸気発生器またはタービンに運び、循環水もしくは供給水を容器に運ぶ。原子炉圧力容器に対する操作圧力および温度は沸騰水原子炉(BWR)では7MPaおよび288℃であり、加圧水原子炉(PWR)では15MPaおよび320℃である。BWRおよびPWRの両方に使用される材料は種々のローディング、環境および放射線条件に耐えなければならない。
【0003】
高温水に曝露した材料のあるものは鋼、ステンレス鋼、ニッケル基材、コバルト基材およびジルコニウム基材合金を含む。水の原子炉に使用ためのこれらの材料の注意深い選択および処理にも関わらず、腐食は高温水に曝露したこれらの材料で生じる。このような腐食は種々の問題、例えば、応力腐食割れ、隙間腐食、侵食腐食、圧力安全弁の固着およびγ線放射Co−60アイソトープの増大に寄与する。
【0004】
応力腐食割れ(SCC)は高温水に曝露した、構造部品、配管、ファスナおよび溶接部のような原子炉部品に生じる既知の現象である。ここで用いるように、SCCは亀裂先端で腐食と組合せで静的または動的応力により伝搬する亀裂を指す。原子炉部品は、例えば、熱膨張の差、原子炉冷却水の閉込めに必要な操作圧力、および溶接からの残留応力、冷間加工およびその他の非対称金属処理のようなその他の起源に関連した種々の応力を受ける。さらに、水化学、溶接、熱処理、および放射線は部品中の金属のSCCに対する感受性を増加する。
【0005】
酸素が約5ppbまたはそれ以上の濃度で原子炉の水中に存在すると、SCCが高率で生じることは既知である。SCCは、酸素、過酸化水素、および短寿命ラジカルのような酸化種が原子炉水の放射線分解から生じると、高い放射線束をさらに増加する。このような酸化種は金属の電気化学的腐食電位(ECP)を増加する。電気化学的腐食は陽極から金属表面の陰極領域への電子の流れにより生じる。ECPは腐食現象が生じるための熱力学的傾向の尺度で、例えば、SCC、腐食疲労、腐食膜厚化、及び一般的腐食の決定率の基礎的パラメータである。
【0006】
BWRでは、炉心中の一次冷却水の放射線分解が水の一部を化学生成物H、H、Oおよび酸化性および還元性ラジカルへの正味の分解を生じさせる。定常状態操作条件では、O、H、およびHの平衡濃度が再循環される水およびタービンに行く蒸気の両方で確立される。O、H、およびHのこの濃度は酸化性であり、構造の敏感な材料の粒子間応力腐食割れ(IGSCC)を促進する。敏感な材料のIGSCCを軽減するために使用される一つの方法は水素水化学(HWC)の応用であり、ここではBWR環境の酸化的性質がより還元的状態に修正される。この効果は原子炉供給水への水素ガスの添加で達成される。水素が原子炉容器に達すると、水を再生するために放射線分解的に生成した酸化種と反応し、そこで金属表面近傍の水中に溶解した酸化種の濃度を低下する。これらの組換え反応の速度は局所放射線場、水流速およびその他の変数に独立である。
【0007】
注入した水素は溶解酸素のような水中の酸化種の水準を低下し、結果として水中の金属のECPを低下する。しかし、水流速の変化および中性子またはγ線への曝露の時間または強度のような因子は異なる原子炉で異なる水準で酸化種の生成を生じる。このように、水素の変化する量は高温水中のIGSCCからの保護に必要な臨界電位以下にECPを十分に維持するために酸化種の水準を低下するために必要とされた。ここで用いたように、用語「臨界電位」は、標準水素電極(SHE)尺度に基づいて約−0.230〜−0.300Vの値の範囲で、またはそれ以下で腐食電位を意味する。IGSCCは、ECPが臨界電位以上である系で加速された速度で進行し、ECPが臨界電位以下である系で実質的に低いかゼロ速度である。酸素のような酸化種を含む水は臨界電位以上の水に曝露した金属のECPを増加するが、酸化種の少ないまたは無い水は臨界電位以下のECPの結果を示す。
【0008】
酸化種を含む原子炉水と接触するステンレス鋼の腐食電位は水への水素の注入で臨界電位以下に低下するので、溶解した水素濃度は約50〜100ppbまたはそれ以上である。適当な供給水水素添加率では、IGSCCを阻害するために必要な条件は原子炉のある位置で確立される。原子炉システムの異なる位置は異なる水準の水素添加を必要とする。炉心の高い放射線束内で、または酸化性陽イオン不純物、例えば、銅イオンが存在すると、さらに高い水素注入水準が必要である。
【0009】
BWRに使用された304型ステンレス鋼(重量%組成:18.0〜20.0Cr、8.0〜10.0Ni、2.00Mn、1.0Si、0.08C、0.08S、0.045P)のIGSCCは−0.230V(SHE)以下の値までのステンレス鋼のECPの減少で軽減されることが示された。この目的を達成する有効な方法はHWCを使用することである。しかし、臨界電位以下にECPを低下するために必要である、例えば、200ppbまたはそれ以上の高い水素添加は、水蒸気中の短寿命N−16種の取込みからの蒸気駆動タービン部分中の高い放射線水準を生じる。大部分のBWRでは、圧力容器内部部品のIGSCCの軽減を提供するために必要な水素添加の量は5の係数で主蒸気ライン放射線監視器において増加を生じる。主蒸気ライン放射線のこの増加は高く、受け入れ難くさえある、環境線量率を生じ、遮蔽および放射線曝露制御に高価な投資を必要とする。このように、最近の研究は、主蒸気放射線線量率の最少の増加でHWCの恩恵を達成するために最低水準の水素を用いることに焦点が絞られた。
【0010】
この目的を達成するための有効な方法はパラジウムまたは他のいずれかの白金族金属でステンレス鋼を被覆または合金化するかのいずれかである。ステンレス鋼表面のパラジウムの存在は−0.230V(SHE)の必要なIGSCC電位に達するための水素需要を減少する。パラジウム被覆に対して今日まで使用された技術は電気メッキ、化学メッキ、プラズマ蒸着および関連高真空技術である。パラジウム合金化は標準合金調製法を用いて行われた。これらの方法のいずれもその場以外での技術であり、原子炉の運転中には実施できない。
【0011】
Andresenらに対する米国特許番号5,135,709は、白金族の触媒層を有する部品を形成することにより、高温水に曝露される炭素鋼、合金鋼、ステンレス鋼、ニッケル基材合金またはコバルト基材合金から形成される部品におけるECPの低下のための方法を開示する。ここで用いるように、用語「触媒層」は基質上の被覆、または基質に形成される合金中の溶質を意味し、被覆または溶質は基質表面における酸化および還元種の組替えを触媒するために十分である。ここに用いたように、用語「白金族金属」は白金、パラジウム、オスミウム、ルテニウム、イリジウム、ロジウム、およびそれらの混合物からなる群からの金属を意味する。
【0012】
原子炉では、ECPは、例えば原子炉の炉心の水の放射線分解から、循環配管で測定した200ppbまたはそれ以上の酸素まで酸化種の高い水準で増加する。米国特許番号5,135,709に開示された方法はさらに酸化種と結合する高温水中に還元種を提供することからなる。この既知の方法によって、高濃度の水素、すなわち、約100ppbまたはそれ以上が炉心領域外部の材料への適当な保護を与えるために水に加えられねばならず、さらに高い濃度が炉心の材料に保護を生じるために必要である。
【0013】
前述の群からの合金への白金族金属の触媒層の形成は、BWRの水中に存在する水素などの、還元種と酸素または過酸化水素のような酸化種との組替えを触媒する。合金の表面におけるこのような触媒作用は合金のECPをIGSCCが最少になる臨界電位以下に合金のECPを下げる。結果として、合金から作られ、注入水に曝露した部品のECPの低下における高温水への水素添加の効率は数倍に増加する。さらに、このような表面の金属基質が白金族金属の触媒層を含むならば、金属合金表面で触媒活性を与えることができる。白金族金属の比較的少量が金属基質の表面で触媒層および触媒活性を与えるために十分である。例えば、米国特許番号5,135,709は、少なくとも0.01重量%、好適には少なくとも0.1重量%の合金中の溶質が臨界電位以下に金属のECPを下げるために十分な触媒層を与えることを教示する。白金族金属の溶質は、合金の強度、延性、および靭性を含む、金属学的特性を実質的に損なわない量まで存在できる。溶質は、例えば、合金の溶融物への添加により、または表面合金化により、技術的に既知の方法で提供される。さらに、白金族金属の被覆、または上述のように白金族金属の溶質からなる合金の被覆は金属の表面に触媒層および触媒活性を与える。適当な被覆は、プラズマ溶射、火炎溶射、化学蒸着、スパッタリングなどの物理的蒸着、イナート・ガス溶接などの溶接、無電解メッキ、および電解メッキのような金属基質への実質的連続被覆を被着するための技術的に既知の方法で被着される。
【0014】
このように、酸化性および還元性種の組換えの効率が触媒層により数倍増加するので、水素のような還元種の低い量が金属部品のECPを臨界電位以下に低下するのに有効である。高温水中の酸化種と組み合わせる還元種は技術的に既知の慣用の手段で与えられる。特に、水素、アンモニアまたはヒドラジンのような還元種は原子炉の供給水に注入される。
【0015】
部品の表面への金属の被着に関する改善した制御を提供する必要性がある。本発明はその必要性を満足することを求める。
【0016】
(発明の概要)
本発明によって、金属が特定の温度範囲内で導入される水温を注意深く制御することにより金属表面に被着した金属種の量を制御できることを発見した。別の態様によれば、本発明により、水温、金属濃度および時間の注意深い選択で、金属の混合物から特定の金属の被着比を制御できることを発見した。
【0017】
本発明の結果として、高温水中に典型的に被着される金属表面の耐食性の一層の改善を達成できる。例えば、水温が約200゜F〜550゜Fの範囲内、さらに特に約300゜F〜約450゜Fの範囲内に選択されると、この範囲より高いまたは低い温度で得られるローディングに比べて、被着金属の予期せぬローディング増加を生じることが分かった。本発明は、被着される金属種を含む化合物が導入される、適当な水温の選択で金属表面への特定金属ローディングの選択を可能にする。被着金属は典型的に貴金属であり、水素またはその他の添加還元剤の欠如で導入される。本方法は水素およびその他の還元剤の存在で行われる。金属は、水中の金属含有化合物の分解で、金属表面に存在すると、金属の電気化学的腐食電位を臨界電位以下の水準まで低下するのに十分な量で金属原子が放出されるような量で導入される金属含有化合物として加えられ、それによって粒子間応力腐食割れに対して保護する。
【0018】
一つの態様で、本発明は、酸化物被膜中に存在するとき、金属原子が金属表面の耐食性を増加する金属表面に存在する酸化物層に被着された金属原子の量を制御するための方法を提供する。本方法は約200゜F〜550゜Fの範囲内、例えば、約300゜F〜450゜Fの範囲内に選ばれた温度の水中に金属表面を浸すことと、酸化物被膜中に存在すると金属表面の耐食性を増大させる金属を含有する化合物の溶液を注入することを含む。化合物は酸化物被膜に含まれる金属の原子を放出する選ばれた温度で分解する。
【0019】
別の態様では、水冷原子炉中のステンレス鋼部品または関連部品などの合金部品の腐食を減少するための方法が提供され、ここで、金属を含む化合物の溶液は、約200゜〜550゜F、例えば、約300゜〜450゜Fの温度の原子炉水に、運転中の原子炉の熱的条件下での化合物の分解により、合金部品に取り込まれたときは、水中の金属の濃度が、合金部品の電気化学的腐食電位を臨界電位以下のレベルまで低下させるのに十分となる速度で、金属化合物の原子が放出されるような量で注入される。水素は低いレベル、例えば400ppb以下、さらに通常には約300〜600ppbで存在する。この方法で、合金部品は粒子間応力腐食割れに対して保護される。
【0020】
追加の態様によって酸化物被膜を有する金属表面上の貴金属の混合物からの一つの貴金属と異なる貴金属との被着比率を制御するための方法が提供され、この方法は、200゜〜550゜Fの範囲内で選ばれた温度の水に金属表面を浸漬すること、およびさまざまな貴金属を含む化合物の混合物を導入することを含み、それぞれの化合物は水中で分解して、望む被着比率で、酸化物被膜に取り込むそれぞれの貴金属の原子を放出する特性を有する。
【0021】
一般に、貴金属は白金およびロジウムであり、温度は200゜〜550゜Fの範囲内に選ばれる。白金/ロジウム混合物では、200゜〜550゜Fの温度範囲内で重量比は典型的には白金:ロジウムが約5:1〜約40:1である。
【0022】
別の態様では、酸化物被膜に取り込まれると、合金の耐食性を増加できる金属の選ばれた量を含む酸化物被膜をその表面に有する合金部品が提供される。金属種は、約200゜〜550゜Fの範囲内、例えば、約300゜〜450゜Fの選ばれた温度で、金属を含む化合物が溶かされる水中に合金が浸漬される工程で酸化物被膜に取り込まれる。化合物は、特定のローディング水準で酸化物被膜に取り込む金属の原子を放出するために高温水中で分解する、特性を有する。
【0023】
(好適な実施例の詳細な説明)
沸騰水型原子炉における流体の流れを、図1を参照して、一般的に説明する。供給水は、原子炉圧力容器(RPV)内に給水入口12および給水スパージャ14(これは、RPVの内部で供給水を円周方向に分布させるために適切な開口部を有する環形状のパイプである)を経由して入る。炉心スプレイ入口11は、炉心スプレイ系13を経由して炉心スプレイ・スパージャ15に水を供給する。給水スパージャ14からの供給水は、RPV10および炉心シュラウド18の間の環帯領域である下降環帯16を通って下方方向に流れる。炉心シュラウド18は、多数の燃料集合体22(図1にはその内の2つの2×2配列のみが示されている)を含む炉心20を取り囲むステンレス鋼の円筒である。各燃料集合体は、上部ガイド19により上部で支えられ、そして炉心支持板21により底部で支えられている。下降環帯16を通って流れる水は、次いで炉心下方プレナム24に流れる。
【0024】
水は、その後、沸騰境界層(示されず)が確立される炉心20内に配置された燃料集合体22に入る。水と蒸気との混合物が、シュラウド・ヘッド28の下方にある炉心上部プレナム26に入る。炉心上部プレナム26により、蒸気−水の混合物が存在する炉心20と、進入する垂直な立て管30(これはシュラウド・ヘッド28の頂上に配置され、そして炉心上部プレナム26と流体的に連絡している)との間は隔離される。
【0025】
蒸気−水の混合物は立て管30を通って流れ、軸流遠心分離型の気水分離器32に入る。分離された液体の水は、次いで、混合プレナム33において供給水と混合される。この混合物は、次いで、下降環帯を通って炉心に戻る。蒸気は蒸気乾燥器34を通り抜けて蒸気ドーム36に入る。蒸気は、蒸気出口38を経由してRPVから抜き出される。
【0026】
BWRはまた、要求される出力密度を達成するために必要な炉心を通る強制的な対流をもたらす冷却材再循環システムを含む。水の一部は、再循環水出口43を経由して下降環帯16の下方端から吸い込まれ、そして遠心式の再循環ポンプ(示されず)により、再循環水入口45を経由してジェット・ポンプ・アセンブリ42(その1つのみが示される)に強制的に送り込まれる。BWRは2基の再循環ポンプを有し、そのそれぞれによって、複数のジェット・ポンプ・アセンブリに対する駆動流が提供される。加圧された駆動用の水は、流れる順に、入口立ち管47、L字管48および入口ミキサ46を経由してそれぞれのジェット・ポンプ・ノズル44に供給される。
【0027】
本発明は、水温、金属濃度および時間を慎重に選ぶことによって、高温水中の酸化された金属表面に被着する金属の量、ならびに金属の混合物に由来する金属被着物の割合を制御することができるという発見に基づく。下記の議論においては、説明の便宜上、代表的な貴金属として白金の使用が示されている。混合物が考慮される場合、参照を容易にするために、白金およびロジウムが記載されている。しかし、本発明は、白金およびロジウムの使用に限定されないこと、および他の白金族金属および/または非白金族金属を単独あるいは混合物として使用できることと理解される。
【0028】
白金族金属の化合物が好ましい。本明細書中で使用されている用語「白金族金属」は、白金、パラジウム、オスミウム、ルテニウム、イリジウム、ロジウム、およびそれらの混合物を意味する。非白金族金属の化合物(例えば、亜鉛、チタン、ジルコニウム、ニオブ、タンタル、タングステンおよびバナジウムなど)を使用することもまた可能である。白金族化合物の混合物もまた使用することができる。白金族化合物と非白金族化合物との混合物もまた組み合わせて使用することができる(例えば、白金および亜鉛)。これらの化合物は、有機金属、有機または無機であってもよく、そして水に可溶であり得るし、あるいは不溶であり得る(すなわち、水および/または他の媒体(アルコールおよび/または酸など)での溶液または懸濁物を形成し得る)。一般に、白金族金属および非白金族金属の混合物が使用される場合、白金族金属は、他の金属よりも多い。
【0029】
使用され得る好ましい白金族金属化合物の例は、アセチルアセトナトパラジウム、硝酸パラジウム、酢酸パラジウム、アセチルアセトナト白金、ヘキサヒドロキシ白金酸、NaPt(OH)、Pt(NH(NO、Pt(NH(NO、KIr(NO、およびKRh(NOである。他の例は、酸化白金(IV)(Pt(IV)O)、酸化白金(IV)水和物(Pt(IV)O・xHO)(ただし、xは1〜10である)、酢酸ロジウム(II)(Rh(II)ac)、硝酸Rh(III)(Rh(III)(NO)、酸化ロジウム(III)(Rh(III))、酸化ロジウム(III)水和物(Rh(III)・xHO)(ただし、xは1〜10である)、リン酸ロジウム(II)(Rh(II)PO)、および硫酸ロジウム(III)(Rh(III)(SO)である。
【0030】
使用され得る化合物の混合物の例は、白金およびイリジウムを含有する混合物、ならびに白金およびロジウムを含有する混合物である。そのような混合物を使用することにより、貴金属の取り込みが、両貴金属の酸化されたステンレス鋼表面で生じる。イリジウムまたはロジウムが白金と一緒に存在することによって、長期間の良好な耐久性が得られる。約40〜80ppbのPtと10〜35ppbのRhとの組み合わせ、例えば、水における約60ppbのPtおよび約20ppbのRhの濃度によって、長期間の良好な密着性が得られる。
【0031】
金属化合物は、水溶液または水性懸濁物の形態で処理部位において注入することができ、あるいは処理され得る金属表面が触れる前の水に溶解することができる。添付した特許請求の範囲において使用されている用語「溶液」は、溶液または懸濁物を意味する。溶液および懸濁物は、当業者に十分に知られている媒体を使用して作製することができる。溶液および/または懸濁物を作製するのに好適な媒体の例は、水、アルカノール(エタノール、プロパノール、n−ブタノールなど)、および低級カルボン酸(例えば、酢酸、プロピオン酸および酪酸)などの酸である。
【0032】
図2Aおよび図2Bは、金属被着ローディング速度に対する温度変化の影響、ならびに化合物の導入部位から金属表面上の被着領域までの距離の影響を示す。図2Aおよび図2Bに示されているように、驚くほどの高まったローディングが、200°Fから500°Fまでの温度範囲にわたって、より詳細には300°Fから450°Fまでの範囲において、特に340°Fから360°Fまでの温度で認められる。図2Aおよび図2Bから明らかなように、300°Fから450°Fまでの温度範囲において認められたローディング量は、約300°Fでの約10μg/cmから、約340°Fでの約62μg/cmの最大値まで大きくなり、そして約10μg/cmにまで低下し、そして温度が500°Fまで上昇するに従ってさらに低下する。このピーク効果は驚くべきものであり、これにより、金属表面での金属種のローディング量が、水温および被着させようとする金属の導入位置を慎重に選ぶことによって制御できるという利点がもたらされる。
【0033】
金属化合物の溶液または懸濁物が高温水に入れられると、化合物は非常に素早く分解して、金属(典型的には、ステンレス鋼)の酸化物被膜に取り込まれる原子を生成する。このプロセスによれば、化合物の溶液または懸濁物は、最初に高温水に導入されるだけである。水素、他の還元剤、酸または塩基などのさらなる薬品は、化合物の溶液または懸濁物が高温水に注入され、そしてそれらが高温水中で分解するときには導入されない。
【0034】
図3は、金属表面に被着した白金およびロジウムの割合に対する温度の影響を示す。ロジウムの存在は被着物の耐久性を大きくする。温度が300°Fから500°Fに達すると、被着した白金対ロジウムの比は、約5:1から10:1までの範囲にまで低下する。したがって、この関係を理解すると、水のこの一般的な温度条件に基づいて、被着層における白金対ロジウムの比を制御することができる。
【0035】
図4は、60ppbの白金および20ppbのロジウムを含む溶液に対する被着速度が180°Fから350°Fまでの範囲の温度に関して負の指数関数であることを示している。これより、被着した金属の割合に対する温度の影響、および一定量の貴金属を酸化物に被着させるために必要とされる時間を予測することできる。ロジウムのΔEが大きいほど、ロジウムの被着速度が小さくなることを示している。この図を使用して、所望する白金/ロジウムの比および量を被着させるために必要とされる条件を選択するために必要な条件を選択することができる。
【0036】
図5および図6は、被着速度が、調べた濃度範囲(0〜60ppb)においてほぼ線形であることを示している。
【0037】
図7Aおよび図7Bは、白金およびロジウムの被着が時間に対してほぼ線形であることを示している。
【0038】
白金およびロジウムの全体的な濃度、時間および温度は、所望する白金対ロジウムの被着比および総貴金属ローディング量を得るために使用できる変数である。
【0039】
本発明のプロセスは、Niedrachの米国特許第5,130,80号および同第5,130,081号のプロセスとは区別される。Niedrachのこれらの特許は、従来の無電解メッキ技術を使用して酸化物被膜を無電解メッキできることを教示している。従来の無電解メッキは、比較的低い温度で、典型的には50℃から80℃の範囲で、おそらくはより低い温度で行われ、そして貴金属イオンを金属に還元するための電子を供給するために添加された還元剤(典型的には、次亜リン酸ナトリウム)の存在を必要とする。この反応は、例えば、塩化第一スズであらかじめ鋭敏化/活性化された触媒的な表面で起こるだけであり、そして被着した金属により表面全体が最終的にコーティングされるこのプロセスによって、表面での金属コーティングの成長がもたらされる。無電解メッキ浴は、典型的には、数千ppm程度の高イオン濃度の化学薬品を含有する。そのような化学薬品には、例えば、塩化パラジウム(II)、水酸化アンモニウム、塩化アンモニウム、EDTA二ナトリウム、およびヒドラジン、ならびに還元剤(例えば、次亜リン酸ナトリウム)が含まれる。無電解浴のpHは、通常、塩基(水酸化アンモニウムおよび塩化アンモニウム)の存在を考慮して、9.0から10.5までの範囲である。
【0040】
本プロセスにおいて、金属化合物または金属化合物の混合物は、水における金属濃度が非常に低くなる(すなわち、ppb範囲になる)ような量で、しかし金属成分の表面に存在する場合、ECPを、応力腐食割れからの保護に必要とされる臨界電位よりも低くするのに十分な量で高温水に導入される。典型的には、金属化合物は、2000ppb以下の金属濃度、例えば0.1ppbから1000ppbまでの金属濃度、典型的には1ppbから500ppbまでの金属濃度、より通常的には5ppbから100ppbまでの金属濃度が得られるような量で添加される。
【0041】
化合物の溶液または懸濁物は、原子炉が運転中で核熱を生成しているとき(全開出力運転中のとき)、あるいは冷却途中、停止中、加熱途中、熱時待機中、または低出力運転中に、高温水に注入することができる。貴金属は、残留熱除去(RHR)配管、再循環配管、給水系、炉心デルタP系、ジェット・ポンプ計装系、制御棒駆動冷却水系、水量制御点、または貴金属の原子炉水への導入および水との良好な混合をもたらす任意の他の位置に導入することができる。本明細書中で使用されている本発明での用語「高温水」は、温度が約200°F以上の水、蒸気、またはその凝縮物を意味する。高温水は、湿分分離器、原子炉、および蒸気駆動発電設備などの様々な知られている装置において見出すことができる。貴金属が原子炉水に加えられるときの水温は、典型的には、200°F〜500°Fの範囲であり、例えば200°F〜450°Fの範囲であり、より通常的には約340°F〜360°Fの範囲である。化合物が高温水中に存在する場合、化合物は非常に素早く分解して、金属原子が酸化物表面に取り込まれる。
【0042】
原子炉内に導入される金属が非常に低いレベルである場合、ステンレス鋼の酸化物表面は、金属で完全には覆われない。典型的には、酸化物表面には、金属が約0.1原子%〜15原子%の量で存在し、例えば0.5原子%〜10原子%の量で存在し、より通常的には2原子%〜5原子%の量で存在する。
【0043】
酸化物表面における金属の深さは、一般には、100オングストロームから1000オングストロームまでの範囲であり、より通常的には200オングストロームから500オングストロームまでの範囲である。本プロセスに従って処理された酸化された合金の外観は、処理されていないステンレス鋼酸化物の見た目と異ならない。貴金属を含有する表面は、電解メッキまたは無電解メッキのプロセスの場合には一般に得られるような輝いた金属光沢を有さない。
【0044】
本プロセスにおいて、非常に希薄な化合物の溶液または懸濁物だけが高温水に注入される。還元剤(水素を含む)、酸および塩基は添加されない。結果として、周囲温度における水の典型的なpHは6.5から7.5までの範囲にあり、そしてより高い運転温度ではより低く、一般には約5.5〜5.8の範囲であり、例えば5.65である。これは、より高い温度において水の解離が増大したためである。
【0045】
運転中のBWRは、測定しなければならない非常に厳しい冷却水の導電率レベルを有する。典型的には、冷却水の伝導率は、0.3μS/cmを超えてはならず、より通常的には、0.1μS/cm未満にしなければならない。そのような伝導率レベルは高濃度のイオン種によって悪影響を受ける。したがって、原子炉のイオン濃度は、浄化後はできる限り低く、好ましくは5ppb未満に確実に維持しなければならないために、あらゆる努力が本プロセスにおいてなされる。特に、本プロセスでは、塩化物イオンの使用はその腐食性を考慮して含まれない。
【0046】
本プロセスは、ステンレス鋼の酸化物表面の何らかの触媒的な活性化/鋭敏化を含まない。そのような活性化を行うために塩化第一スズを使用することは、BWRの運転および冷却水に対する上記の厳しい伝導率限界と適合し得ない。
【0047】
理論により捕らわれないが、金属(例えば、白金および/ロジウム)は、金属イオン/金属原子が、外見上、酸化物被膜内の鉄原子、ニッケル原子および/またはクロム原子と置き換わり、その結果、金属がドープされた酸化物被膜が生じる化合物の熱分解プロセスによって、ステンレス鋼の酸化物被膜に取り込まれることが理解される。白金/ロジウムなどの金属は、例えば、酸化物被膜の内部または取り込まれ得るが、微細な金属の形態で存在し得る。酸化物被膜は、ニッケル、鉄およびクロムの混合酸化物を含むと考えられる。
【0048】
ステンレス鋼成分のECPはすべて、貴金属が注入され、そしてその後に少量の水素が加えられた後では約0.30V低下する。304型ステンレス鋼のECPを、有機金属化合物が水に注入されたときに水素を注入することなく、IGSCC保護値にまで低下させることができる。貴金属がドープされた表面での有機物の触媒的な酸化により酸素が消費され、それによって、高温水における溶存酸素含有量が低下する。無機金属化合物が使用されたときにもまた、良好な結果が得られる。さらに、水の浄化は、ギ酸塩および酢酸塩などの有機物と比較して、硝酸塩などの無機物が使用されたときにはより容易になる。このために、無機化合物、特に、無機の白金族金属化合物(例えば、貴金属の硝酸塩および亜硝酸塩)が典型的に使用される。
【0049】
注入、および酸化されたステンレス鋼表面への金属の取り込みが行われた後、水は従来の浄化プロセスに供され、水に存在する硝酸塩イオンなどのイオン性物質が除かれる。この浄化プロセスは、通常、原子炉の底頭部および再循環配管から取り出された水の一部をイオン交換樹脂層に通すことによって行われる。処理された水は、次いで、給水システムを経由して原子炉に戻される。その後、水素が、ドープ化反応の後の適当なときに、例えば、注入され、そして金属原子が酸化物表面に取り込まれた1時間後から72時間後に、水素と、金属がドープされた表面上の酸素との再結合を触媒するために水に導入され得る。水素が添加されると、ステンレス鋼成分に対して金属がドープされた酸化物被膜の電位は、貴金属がドープされていないステンレス鋼成分を有するBWRに水素が注入されたときよりもはるかに負側の値に低下する。
【0050】
貴金属を含有する化合物は、その化合物が分解したときに、2000ppbまでの金属濃度、例えば、約1ppbから850ppbまでの金属濃度、より通常的には5ppbから100ppbまでの金属濃度が得られるような量でBWRの高温水に処理部位において注入される。好ましくは、パラジウム化合物が、再循環水出口43(図1を参照のこと)の下流点で注入される。原子炉炉心における高温ならびにガンマ線および中性子線は化合物を分解するように作用し、それによって酸化物被膜の表面で被着する貴金属のイオン/原子を遊離する。本明細書中で使用されている用語「原子」は、原子またはイオンを意味する。
【0051】
別の普通に譲渡された場合において、例えば、199年4月22日に出願されたWO97/40210号(これは参考として本明細書中に援用される)において、本発明に従ったパラジウム処理により、ステンレス鋼表面のECP値は、有機物が水に存在するときに水素を全く加えない場合でも、はるかに負側にあり、そして−0.230V(SHE)の必要とされるIGSCC保護電位よりも低いままであることが示されている。
【0052】
貴金属の注入溶液は、例えば、貴金属化合物をエタノールに溶解することによって調製することができる。次いで、このエタノール溶液は水で希釈される。あるいは、水性懸濁物は、エタノールを使用することなく、貴金属化合物を水に混合することによって作製することができる。
【0053】
貴金属は、貴金属化合物の熱分解プロセスを介してステンレス鋼の酸化物被膜に被着するか、あるいはその中に取り込まれる。そのような分解の結果として、貴金属のイオン/原子は酸化物被膜内の原子(例えば、鉄原子)と交換し易くなり、それによって、貴金属がドープされた酸化物被膜がステンレス鋼の表面に得られる。
【0054】
本発明は、適用が簡単であり、かつ安価でもある(原子炉を運転させながら)現場で適用可能な技術を使用して、鋼表面を貴金属でドープすることができるという利点を提供する。しかし、この技術は、現場での適用に限定されない。この応用技術は、原部位以外(ex situ)の成分にドープするためにさえ行うことができる。この技術は、運転中のBWRおよびPWRならびに蒸気発生機などのその付属する構成部分に適用することができる。実際には、原子炉水における貴金属の濃度は、好ましくは、1ppbから1000ppbまでの範囲であり、例えば2ppbから900ppbまでの範囲であり、より通常的には5ppbから100ppbまでの範囲である。
【0055】
上記の方法は、例示のために開示されている。開示された方法の様々な変化および改変は、水素−水化学の当業者には容易に明らかである。例えば、白金/ロジウム以外の金属(例えば、他の白金族金属)を、この技術を使用して適用することができる。白金族金属は、有機化合物、有機金属化合物または無機化合物の形態で注入することができ、ステンレス鋼の原子炉構成部分の電位を、水素が注入されない場合でも低下させることができる。あるいは、白金族金属は無機化合物の形態で注入することができ、ステンレス鋼の原子炉構成部分の電位を低下させることができる。本発明の技術を使用して、ステンレス鋼の構成部分の表面上の酸化物被膜に非白金族金属(例えば、ジルコニウムおよびチタン)をドープすることもまた可能であり得る。そのような変形形態および修正形態のすべては、添付した特許請求の範囲に包含されるものと意図する。
【図面の簡単な説明】
【図1】慣用のBWRの部分切落とし透視図を示す図である。
【図2A】白金およびロジウムローディング水準対水温の変化を相対的に示すプロットである。
【図2B】白金およびロジウムローディング水準対水温の変化を相対的に示すプロットである。
【図3】温度の関数として被着した白金対ロジウムの比率を示すプロットである。
【図4】絶対温度の逆数の関数として白金/ロジウム被着速度のプロットを示す図である。
【図5】それぞれ白金およびロジウム被着速度への白金およびロジウム濃度の効果を示す図である。
【図6】それぞれ白金およびロジウム被着速度への白金およびロジウム濃度の効果を示す図である。
【図7A】時間の関数としての白金およびロジウムローディングを示す図である。
【図7B】時間の関数としての白金およびロジウムローディングを示す図である。

Claims (14)

  1. 金属表面に存在する酸化物層内に被着させる金属原子およびイオンのいずれかまたは双方の量を制御する方法であって、その金属原子およびイオンのいずれかまたは双方は酸化物被膜中に存在すると金属の耐食性を増大させるものであり、
    340°〜360°Fの範囲内の選ばれた温度の水に金属表面を浸すステップと、
    合物の溶液または懸濁液を前記水に注入する注入ステップにして、前記化合物は、酸化物被膜中に存在すると金属表面の耐食性を増大させる白金およびロジウムの混合物を含み、前記化合物が前記選ばれた温度で分解して酸化物被膜に取り込まれる白金およびロジウムの金属原子およびイオンのいずれかまたは双方を放出するものである、注入ステップと
    を含む方法。
  2. 前記金属原子およびイオンのいずれかまたは双方が0.01μg/cm2から約62μg/cm2の範囲にある量で被着される、請求項に記載の方法。
  3. 前記化合物が0.1〜1000ppbの金属濃度を作るために十分な量で前記水に加えられる、請求項1に記載の方法。
  4. 前記白金およびロジウムが0.1〜15原子%の量で前記酸化物被膜に存在する、請求項1に記載の方法。
  5. 化合物がアセチルアセトナト白金、ヘキサヒドロキシ白金酸、Na2Pt(OH)6、Pt(NH34(NO32、K3Ir(NO26、K3Rh(NO26、酸化白金(IV)、酸化白金(IV)水和物、酢酸ロジウム(II)、硝酸ロジウム(III)、酸化ロジウム(III)、酸化ロジウム(III)水和物、リン酸ロジウム(II)、硫酸ロジウム(III)、およびそれらの混合物からなる群から選ばれる、請求項1に記載の方法。
  6. 水冷原子炉またはそれに関連する部品の合金部品の腐食を低下させる方法であって、
    原子炉の水に、白金およびロジウムの混合物を含む化合物の溶液または懸濁液を注入する注入ステップにして、前記水が340°〜360°Fの範囲内の選ばれた温度であり、前記化合物が前記の選ばれた温度で分解されて、白金およびロジウムの原子およびイオンのいずれかまたは双方を次のように放出するものである、すなわち、合金部品にドープされときに、前記原子炉の水中の白金およびロジウムの濃度が、粒子間応力腐食割れに対する保護のための臨界電位以下のレベルまで前記合金部品の電気化学的腐食電位を低下させるのに、十分となるように、白金およびロジウムの原子およびイオンのいずれかまたは双方を放出するものである、注入ステップを含む、
    水冷原子炉またはそれに関連する部品の合金部品の腐食を低下させる方法。
  7. さらに前記原子炉の水に水素を注入するステップを含む、請求項1に記載の方法。
  8. 酸化物被膜を有する合金表面の耐食性を改善するための方法において、
    340°〜360°Fの範囲内の温度の水に、合金表面を浸漬させるステップにして、前記水には、前記酸化物被膜に取り込まれると前記合金の耐食性を増大させる特性を有する白金およびロジウムの混合物を含む化合物が溶解されている、合金表面を浸漬させるステップを含み、前記化合物が前記水中で分解して、前記酸化物被膜に取り込まれる白金およびロジウムの原子およびイオンのいずれかまたは双方を放出する特性を有する、
    酸化物被膜を有する合金表面の耐食性を改善するための方法。
  9. 前記化合物がアセチルアセトナト白金、ヘキサヒドロキシ白金酸、Na2Pt(OH)6、Pt(NH34(NO32、Pt(NH32(NO32、K3Ir(NO26、K3Rh(NO26、酸化白金(IV)、酸化白金(IV)水和物、酢酸ロジウム(II)、硝酸ロジウム(III)、酸化ロジウム(III)、酸化ロジウム(III)水和物、リン酸ロジウム(II)、硫酸ロジウム(III)、およびそれらの混合物からなる群から選ばれる、請求項に記載の方法。
  10. 前記化合物の溶解によって、前記合金部品にドープされたときに、水中の白金およびロジウムの濃度が、低レベルの水素の存在下で、前記合金部品の電気化学的腐食電位を粒子間応力腐食割れに対して保護するための臨界電位以下のレベルまで低下させるのに、十分となるように、前記化合物が注入される、請求項に記載の方法。
  11. さらに前記水に水素を注入するステップを含む、請求項に記載の方法。
  12. 酸化物被膜を有する金属表面への、白金およびロジウムの混合物からの異なる貴金属の被着比率を制御するための方法であって、
    金属表面を340°〜360°Fの範囲内の温度の水に浸漬するステップを含み、
    白金およびロジウムを含む化合物の混合物を前記水に導入するステップを含み、前記化合物はそれぞれ前記水中で分解して望む被着比率で前記酸化物被膜に取り込まれる白金およびロジウムの原子およびイオンのいずれかまたは双方を放出する特性を有している、
    貴金属の被着比率を制御するための方法。
  13. 表面に形成された酸化物被膜を有する合金部品であって、前記酸化物被膜は、それに取り込まれると前記合金の耐食性を増大させる特性を有する白金およびロジウム原子およびイオンのいずれかまたは双方でもって、340°〜360°Fの範囲内の温度の、白金およびロジウムを含む化合物が溶解された水に前記合金表面を浸漬することによって、ドープされており、前記化合物は、前記温度の水中で分解して、前記酸化物被膜に取り込まれる白金およびロジウムの原子およびイオンのいずれかまたは双方を放出する特性を有している、
    ことを特徴とする合金部品。
  14. 金属表面に存在する酸化物層内に被着させる白金およびロジウムの原子の量を制御する方法であって、それらの原子は酸化物被膜中に存在すると金属の耐食性を増大させるものであり、
    340°〜360°Fの範囲内の選ばれた温度の水に金属表面を浸すステップを含み、
    酸化物被膜中に存在すると金属表面の耐食性を増大させる白金およびロジウムを含む化合物の溶液を前記水に注入するステップを含み、前記化合物が前記選ばれた温度で分解して酸化物被膜に取り込まれる白金およびロジウムの原子を放出し、上記酸化物層内に被着する白金およびロジウムの原子の量が上記温度範囲内でピークを呈するものである
    ことを特徴とする被着させる原子の量を制御する方法。
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